○
政府委員(
中川董治君) 御
説明いたします。現行法と対比しながら御
説明いたします。
七十七条に対応する現行法は、二十六条の
規定でございます。これで、一号から四号までの行為は、
警察署長の許可を必要とした行為になっているわけです。それで、一号、二号、三号、四号とあるわけですが、今度の
改正案も、一号から四号までというのがまず一緒です。号も大体対応いたしまして、旧法の一号と
改正法の一号とは、文字は
改正法の方が正確に書いてありますが、
趣旨は同様であります。二号も、現行法の二号を正確に書いたものにすぎないのであります。三号も、現行法三号の
趣旨を正確に表現いたしておるのであります。
四号について詳細御
説明いたします。四号は、現行法においては、「
道路において公安
委員会の定める行為をしようとする者」、こういうように、公安
委員会の定める行為につきましては、修飾もなしに、公安
委員会が定めさえすれば、それが
警察署長の許可行為になると、こういうふうに相なっているのが現行法であります。それで、現行法
通り書くのも一案でございますけれ
ども、私
ども研究いたしまして、現行法ではあまりにもわからないので、公安
委員会が何でもできるというように読めますので、それでは今日の
法律の体系として適当でないと
考えまして、現行法の四号に書いてありますことを
社会的な実態にくだいて書いたものであります。従いまして、
改正法の四号でいきますと、公安
委員会が定めた行為という点においては全く同様でございます。言いかえれば、公安
委員会が定めない以上は許可の対象にならない。この点は
改正法と同様でございます。現行法と違いますのは、現行法は、何でも公安
委員会が定めることができるように一応読めるのでございますが、それを、やはり国の
法律でございますから、公安
委員会の定めるものに一定のしぼりをかけたのであります。従って、正確に申しますと、現行法よりも四号の
規定はしぼった、こういうことが正しいと思います。どういうふうにしぼったかと申しますと、公安
委員会の定める場合におきましては、「
一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは
方法により
道路を使用する行為」、こういうのが
一つのしぼりであります。「又は
道路に人が集まり
一般交通に著しい影響を及ぼすような行為」、これが
一つのしぼりでございます。その「又は」以後と「又は」以前について申しますと、「又は」以前の行為、「又は」以後の行為の形でなければ、公安
委員会が定めることができない、こういうことに相なるのであります。従って、私が当初申しましたしぼりに当たると思うのであります。しかしながら、ここに書いてあります行為は、「
一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは
方法により
道路を使用する行為」とありますので、これを例示した方がわかりやすいと思いましたので、その例示としまして、「
道路において祭礼行事をし、」こういうふうに例示をし、後者の例といたしましては、「ロケーションをする等」の例示をいたしたのであります。そうすると、結論は、現行法では、一応公安
委員会が定めさえすれば許可の対象になるという形になっておりますけれ
ども、
改正法では、「
道路を使用する行為」に当たる場合と、こういう条件がございますけれ
ども、「通行の形態若しくは
方法により
道路を使用する行為又は
道路に人が集まり
一般交通に著しい影響を及ぼすような行為」でなければ、公安
委員会が指定をできないというふうに
改正法はしぼったのであります。しからば、都
道府県公安
委員会が何も指定しないのも
一つの
方法でございますが、何か指定する場合に、どういうようなことがあり得るかということが御質問の要点だろうと思います。それで、この
規定に基づいて公安
委員会が定める行為の態様の大体の例示を申し上げます。以下例示いたしましても、この例示はあくまでも例示でございまして、公安
委員会がその必要がないと思えば掲げませんので、そうすると許可の対象にならない、こういうことになろうかと思います。
例示して申し上げます。たとえば、
法律みずから書いてあります例示はもちろん入る。祭礼行事をするような場合、これが例示の第一でございます。例示の第二は、
道路において競技会をする。ランニングとか何とかありますね。
道路において競技会をする。こういうような行為が
一つの例示になろうと思います。その次は、祭礼行為のきめ方で、くだいて書けば、
道路にみこし、だし、踊り屋台の類を出し、またはこれを移動する行為、こういうのも
一つの例示でございます。それから、
道路においておおむね十人以上で踊り、または仮装行列すること、これも例示の
一つでございます。
道路において車両を用い、またおおむね百人以上でパレードすることこれも例示でございます。
道路において、
法律にも書いてありますが、ロケーションをし、撮影会をし、または街頭録音をすること、こういうことも例示の
一つでございます。それから、
道路に集まる人を対象にして、放送、演芸、奏楽、映画等をすること、これも
一つの例示でございます。それから集団行進、それから集団示威運動等も
一つの例示でございます。
こういうようなことが私
どもの頭に
考えられるのですが、ただいま申しましたような
事柄と同
程度のものであれば、またそれに類似するものであれば、土地の
状況その他によって、
道路の
交通を著しく妨げるおそれのある行為として、公安
委員会が指定することは可能でございます。
それで、ほかの
事項につきましても
説明をいたしますけれ
ども、集団行進または集団示威運動につきまして、やや詳細に御
説明いたしたいと思います。以上申し上げましたように、例示でございますので、都
道府県の公安
委員会が、その土地の
道路または
交通の
状況によって、自分の県におきまして、集団行進をこの四号によって指定することは可能でございます。また、集団示威運動を指定することも可能でございます。
そういう場合に、どういうふうなことになるかという点について申し上げます。集団行進と
規定いたしますと、その集団行進の
内容は、集団行進に当たる行為をしようとする者は、
警察署長の許可を受けなければならない。こういうことに相なるのであります。ところが、四号全般の性質といたしまして、ここに指定をしなくても、この
法律のすべての条項の制限にかかるのでございます。たとえば、人は右、車は左を通行しなければならないという
規定にもかかりますし、それから、
歩行者は、
横断道路を
横断するときには、斜めに
横断してはならぬという制限にもかかる。そういう各種の制限がすべてかかるのでございますが、過般当
委員会で
一つ御質問がございました、十一条の
規定もかかるのであります。たとえば、十一条の
規定で申し上げますと、これも、ここで申し上げましたように、大部分の行列は、十一条二項によりまして、車道を通行することができるのでございます。そのときにも申し上げましたように、学生生徒の隊列とか、銃砲等を携帯した自衛隊の行進とか、それから象その他の大きいものを持ち歩くようなもの、またはその行列とかいうようなものは、車道を歩かなければならない。それから、そのときにも申しましたが、労働組合の
方々が気勢をはる行為をなさって、その気勢をはる行為は車道を歩く。車道を歩かれる者につきまして、第三項に響きまして、第三項でも
説明いたしましたが、十一条第三項の
規定によって、左側を歩くことを
警察官が命ずることができるわけでございます。従いまして四号の
規定できめなくても、この十一条の
規定の範囲の
規定はもちろん、集団行進につきましては、十一条一項とか三項の制限も受ける場合が確かにあるのでございますが、そういうふうな個々の
規定でもちろん
規制を受けることは当然でございますけれ
ども、そのほかに、集団行進というものを
一つの態様として、集団行進を行なうことによって、いろいろな他の
交通との関連が多いという意味で、この公安
委員会が指定いたしますと、集団行進というものは許可の対象に相なる。そうすると、許可の申請を受けました
警察署長はどうするかと申しますと、その
内容をよく拝見して、なるべく十一条の
規定とかその他の
規定ということに即応するようによく事情を
措置いたしますけれ
ども、その
当該行為がどうしても十一条の
規定だけではまかなえない場合があると思いますけれ
ども、まかなえないような場合におきましては、
道路を使用するという観念に立ちまして必要な条件その他を付け加えるということももちろんできますし、それから、
道路交通の他の人の迷惑その他を
考えて条件を付することもできる、こういうふうに相なろうかと思うのでございます。言いかえて申しますと、十一条を初め各条文の
規定は、集団行進についてももちろん響くのでございますが、その
一つの態様として、四号で集団行進をとらえた場合におきまして、
警察署長が、その申請書に集団行進の行なわれる場合の経路その他が書いてありますので、各条章の
規定に照らし合せて、なるべくその
規定に即応するようなことを
考えますけれ
ども、きわめてレア・ケースとしては、十一条の
規定でまかなえないような
事柄につきましても、使用という観念でいろいろ条件等について
考え合わすということが可能であると、こういうことに相なろうかと思うのであります。条件というのは、この
法律に
規定する条件を加えるのも
一つの
方法、念のために加えるということもあろうかと思いますけれ
ども、それはまあ明らかでありますから、当然といえば当然でございますけれ
どもそれ以外に、たとえば、集団行進をなさる場合において、この道におきましては五十人区切りで
一つやってもらいたい。全体として行進がずっと続くことはもちろんけっこうだけれ
ども、たとえば、百人区切りで
一つの隊をなしていただきまして、百人区切りでやってもらいたい。こういうような条件をつけることも可能でございます。それから、この道におきましては四列でないと大へん困るので、四列以上の行進にならないように、こういう条件を加えることも可能でございます。それも、いずれも、その条件にいたしましても、何にいたしましても、この七十七条の
趣旨の
通り、
道路交通の危険及び
交通の円滑、安全ということを念頭に置いてその条件をきめるのでございまして、
道路交通の安全と円滑という観念を離れての条件とか、観念を離れての禁止ということはあり得ないのでございます。ただし、その
道路の
状況その他によって、
当該道はどうしても、そういう集団行進が来ると、そこの町が混乱して
交通が閉塞するという場合においては、この二項の
規定にあてはめる場合におきまして、二項に許可
基準ということがありますが、許可
基準に照らし合わせて、不許可という場合もないわけではございませんけれ
ども、その根本精神は、条件をつけるにいたしましても、不許可にいたすにしましても、
道路の
交通の危険と安全、円滑という角度のみしか
考えていないのでございます。
一応以上の
通りお答えいたしまして、御質問によってまたお答えいたします。