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1960-03-10 第34回国会 参議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月十日(木曜日)    午後二時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     新谷寅三郎君    理事            西郷吉之助君            鍋島 直紹君            鈴木  壽君    委員            白井  勇君            館  哲二君            湯澤三千男君            占部 秀男君            木下 友敬君            松澤 兼人君   国務大臣    運 輸 大 臣 楢橋  渡君    国 務 大 臣 石原幹市郎君   政府委員    警察庁長官   柏村 信雄君    警察庁刑事局長 中川 董治君    警察庁保安局長 木村 行藏君    自治庁財政局長 奧野 誠亮君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   説明員    警察庁保安局交    通課長     内海  倫君    運輸省鉄道監督    局民営鉄道部運    転車両課長   能見武三郎君    建設省道路局次    長       前田 光嘉君    建設省道路局路    政課長     青木 義雄君    日本国有鉄道運    転局長     石原 米彦君    日本国有鉄道施    設局長     柴田 元良君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○道路交通法案内閣提出) ○地方公営企業法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○地方行政の改革に関する調査  (ILO第八十七号条約に関する  件)   —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから、地方行政委員会を開会いたします。  道路交通法案を議題として、前回に引き続き質疑を行ないます。
  3. 鈴木壽

    鈴木壽君 従来しばしば問題となっておりました火薬類、ああいう危険物と申しますか、あるいは爆発物、ああいうものの輸送間における事故というものは、非常に大へんなことになるわけなんでございますが、ああいうものの輸送についての規制と申しますか、何かそういったことで現在お考えになっておるところはございませんか。まあこういうものだけからしては、ちょっとああいうものを確実にとらまえて——まあ積載の問題とか、いろいろあるわけなんでございますけれども、この法案だけからしますと、なお不十分だという気がするわけなんですけれども、そういうことについて、どういうふうに考えておるのか。この点を一つお聞きしたいと思います。
  4. 内海倫

    説明員内海倫君) 条文内容につきまして私から御説明申し上げます。  この法律におきましては、特に火薬あるいは危険物というふうな形での取り扱いに関する規定はいたしておりませんで、ごく一般的に、この自動車に対する人の乗車あるいは貨物積載といいますか、というふうなものを規定いたしておるわけでございまして、それは、第十一節の五十五条以下の規定でいたしておるわけでございます。その中で、五十五条におきましては、貨物あるいは人員等積載いたします場合の積み方を一応きめまして、それから五十六条、五十七条、五十八条等は、それらの積載に関する例外規定をなしておりまして、それで、六十一条に参りまして、これがまあ一応貨物積載あるいは人員乗車させておる場合におきましての危険防止措置として規定いたしたものでございまして、六十一条は、警察官乗車積載または牽引について、危険防止のため特に必要があると認めるときは、当該車両を停止させ、及び当該運転者に対し応急の必要な措置を命ずると、こういうふうに規定いたしております。それから次の第十二節の「整備不良車両運転禁止等」、これも、火薬あるいは危険物運搬と直接関係はないのでありますけれども、たとえば、構造不備な自動車貨物積載して、そのために事故が起こるというふうなことを考えますと、直接関連を持ってくる規定でありますが、六十二条は、結局自動車保安基準として設定されております道路運送車両法に基く基準に合致してない車両、あるいは、そういう基準に合致しておっても、それらの装置が整備されてない、調整されてない車を運転してはならない、こういうふうな規定を設け、さらに六十三条におきましては、そういうような整備不良な車両運行しておる場合に対して、それを現場にいる警察官検査をする。あるいは検査をして故障個所を発見した場合における必要な措置をそれぞれの項において規定いたしておるわけでありますが、大体道交法が、一応危険物等を含みまして貨物輸送に関して関連のある規定をいたしておりますのは、以上申し述べました点であります。それ以外の点につきましては、運転者の操縦上の注意、たとえば、第七十一条の運転者順守事項の中の第一項の第五号の、「乗降口のドアを閉じ、貨物積載を確実に行なう等当該車両等乗車している者又は積載している貨物の転落を防ぐため必要な措置を講ずること」、こういうような順守事項を定めておる。こういうふうな点が大体おもな点でございます。
  5. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) ただいま道交法関係におきまして、鈴木委員の御質問に対して交通課長からお答えをいたしたのでございますが、火薬類輸送につきましては、非常にその被害の及ぼすところが大きい場合がありますので、ただいま火薬類取締法全般につきまして、通産省においてこの改正立案中でございます。これに関連いたしまして、運輸省とか警察庁でその関係するところに従って協議をいたしておるわけでございまして、少なくとも火薬輸送につきましては、公安委員会がこれに対して相当の発言をし、危険防止対策を講じ得るような規定を織り込むように、せっかく今検討中でございます。
  6. 鈴木壽

    鈴木壽君 課長お答えですが、私も一通り、十一節も、あるいはその次の整備問題等も一応見まして、一般的な積載とか、あるいは牽引とか、何といいますか、車両整備問題は、これははっきりしておるわけでございますけれども、私、そういう危険物輸送過程における事故防止のために、もっと何か適確な手を打つ必要があるんではないか、こういう考え方から実はお聞きするわけです。たとえば、個々の条文についてでありますと、今、あまり詳しくもやっておられないと思いますが、いろいろ見て参りますと、あなたのお話もありましたように、乗車の場合であれ、積載の場合であれ、いろいろ規制が、あるいは場合によっては制限がつく、こういうふうになっておりますが、一体それはだれが確認をするのか。それから、単に積載とかあるいは牽引運行それ自体の、当該車両の問題だけでなしに、これはやはり他からの、何といいますか、何かの原因のために事故が起こるということもあり得るわけなんですから、そういう確認の仕方なりあるいはその運行の区間とか、あるいはそのものに対して何かはっきりした目じるしがあるとか、たとえば、制限以上のものを積んだ場合に、赤い旗をつけなければいかぬとか何とかというようなことが現在もあるわけですが、ああいうことに類するような、これは危険物だというようなことがわかって、他の車も注意しなければならぬというふうに、判然とするような何かの措置が必要ではないだろうか、あるいは経過地等についても、一応あなたの方であるいは現在もとっておられるかもしれませんが、はっきりさして、あなたの方でも、その経過地点においては随時点検なり検査ができるような、そういうことも必要ではないかと思う。こういう考えから、この法だけからしますと、そういうことが適確にやれるようにはなっておらないように読めますから、そういう点について何か現在おやりになっておるなら、こういうことはこういうふうにやっている、あるいはまた、将来こういうふうにやるのだ、こういうことでもよろしゅうございますから、そういう点について、私の申しましたように、そのものをどういうふうに外部からも、それから取り締まる立場からも判然としておいて、いわゆる事故の発生に備える、予防するというふうな、そういう対策がとられなければならぬというふうな考えに立って私は聞いているのですから……。
  7. 内海倫

    説明員内海倫君) 局長見えましたので、私不十分な点、局長から後ほどまた説明していただきますが、一応私の承知いたしております範囲で御答弁申し上げます。  それで、鈴木先生のおっしゃった点は、私ども交通に従事している者も、同様な感じを絶えず味わっているわけです。この道交法でそういう点を書くということにつきましても、私ども、いろいろ立案に際しまして検討をいたしたのでありますが、一方、たとえば火薬について申しますれば、火薬取締法という特別法がありまして、これが取り扱い、さらに輸送等にあたって規定いたしておりますし、その他の危険物につきましても、消防法その他それぞれの法律規定いたしておりますので、むしろ道交法で一括して不十分な規定になるよりも、それぞれの特別法で正確に規定していく方がいいんではなかろうかというふうな考え方もいたしまして、結局道交法におきましては、一般を通ずる規定としてこれを規定し、たとえば、火薬につきましては火薬取締法において書いてもらう。従いまして、今度の火薬取締法改正に際しましては、先ほど鈴木委員の言われましたような、単にそれの輸送手段をどうするかということのほかに、輸送に際しては危険物であることを表示する標識をつけて、これを明らかに他の車両からも識別し得るような方途を講ずる、さらに、路上におきましては、この道交法にも規定していると同じような趣旨で、火薬運搬車両に対する警察官危険防止措置規定してもらうというふうなことをしてもらうように、こちらからも申し入れたわけでございます。なおこのほか、危険物では多種多様な危険物がありまするし、さらに最近におきましては、私、科学的知識があまりございませんので、よくわかりませんが、原子力に関連するような貨物輸送というふうな問題も起ころうとしておりまするので、そういう点になりますと、単に道交法だけの問題でなしに、やはり特別法で詳しく設定してもらうのがいいんではなかろうかと、こういうふうに考えまして道交法ではそういうふうな規定を特にいたさなかった次第でございます。
  8. 鈴木壽

    鈴木壽君 あとで局長さんからも伺いたいのですが、私、別にこの今回の法案に全部そういうものを細大漏らさず書き込めというのじゃないのです。それは、もともと取り締まり法が別にあってしかも、それがどのように改正すべきかということについて検討中だと思いますから、そういうふうなことについては、それに当然譲っていいと思うのです。ただ、道路交通の安全を確保するという観点からいって、何かそういう、他の法律に当然きめられるものであっても、こちらの方でもある程度の、道交法関係においてある程度の、たとえば火薬の問題なり、さっき私一々例をあげたような問題なり、そういう点について、どっかで一条ぐらいひっかかりがあるようなものがほしいのだという一つの私考え方があるわけなのですね。そういう点で、私、実はお聞きしておるわけなんですが、しかしこれは、法のいろいろな立て方なり、それぞれの持つ内容並びにその領域等からいたしまして、いろいろまた考え方もあると思いますから、私は、全部これをこの中へ、そういうものをみな突っ込んでやれというつもりはないわけなんですが……。  それからもう一つ、やはり交通の安全というものを考え事故防止をするという建前法案でございますから、もっと一つそういう問題について、所管はもちろんあなた方の方じゃございませんけれども、通産省なりあるいは運輸省なり、そういうものについて、いま少しくこの法案が出るまでの間にある結論を、条文のいわゆる規定はともかく、明確にしてどういうふうに書き表わすとか何とかいうことはともかく、問題のありか、あるいはそれに対してどうすべきかというようなことについては、いま少しく事前にお話し合いが済まされてほしいものだと、こういうふうに思うのですがね。と言うのは、今の課長説明ですと、それからあるいは長官からのお話ですと、これからいろいろやっていくんだと、要望はこういうふうにぜひしたいものだというふうな話ですと、これは、問題は相当はっきりしていますから、現在までに幾たびかああいう事故といいますか、そういうものが出て、相当被害も大きいというようなことが、これははっきりしていますから、そういう問題をやっぱり早く第一の関係官庁との間に話し合いをつけて、少なくとも方向だけは示していただきたいものだと思うのです。こういう点についても、まああるいはおやりになっているかもしれませんから、そういうふうな事情を、もしありましたら、これも一つあわせてお願いしたいのです。
  9. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 確かに御説のように、この道交法において、もう少し進んで、細大漏らさずというのではないが、規定してもどうかというお考えのようでありますが、その点も考慮いたしたのでありますが、まずまずこの道交法におきましては、一般的な規定にとどめるということにいたして、その他は各特別法において十分検討し、改正をしていくという考え方にわれわれ立ったわけでございます。通産省所管でございますが、この火薬類取締法につきましては、基本的な問題点については、もうしばしば話し合いをして、ほとんどこれは固まっておるわけでございます。おそらくこの国会通産省から提案されることに相なるだろうとわれわれは期待いたしておりまするし、もう相当具体的に煮詰まってきておるわけでございますので、その点は、これができたから、火薬類等の問題については今後検討しようというような段階ではなく、おそらくこれと並行して本国会において審議されるようになるだろうとわれわれ考えておるわけであります。  なお、通産省あるいは運輸省との間の具体的な協議内容につきまして、今までにはっきりした問題については、保安局長から御説明させたいと思います。
  10. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) ただいま長官からお答え申し上げました通り、大体通産省運輸省とそれから警察庁、主としてこの三者が非常に関係がありますのですけれども、だいぶ前から火薬類取締法改正につきまして何回も折衝いたしまして、ただいま長官からお話がありましたように、ほぼ一致点に達しまして、おそらく近い将来に、この国会火薬類取締法改正として、通産省所管関係として提案されると思うのであります。  その内容につきまして、まだ最終的に絶対的に確定したということは申し上げかねますけれども、大体の方向を申し上げますと、一番問題は、火薬類運搬の問題であります。この問題につきましては、現行法は、御案内の通り荷送り人がその所轄の関係知事火薬類運搬に関して届け出をしまして、それで携帯証明書をもらって運搬する。で、届け出を受けた知事は、その関係公安委員会——出発ないし到着地公安委員会に通報するということだけであります。従いまして、現実からいいますと、実際は届け出は、非常に出発と密着してなされる場合が多いのであります。従いまして、道路交通保安の責任にある公安委員会が通報を受けるのは、事後になる場合が非常に多うございます。これは非常に問題でありますので、三省庁寄り寄り協議しまして、根本的に建前を変えるべきではないかということになりまして、現在の三省庁の折衝の大まかな内容は、一応やはり荷送り人から、これ一は都道府県にいたしますか、公安委員会にいたしますか、多少最終的にはきまっておりませんが、大体のところを申し上げますと、一応公安委員会届け出をしていただきましてそして公安委員会運搬の日時なり経路なり運搬方法なり、あるいは運搬される火薬性情、すなわちどういう状態になっているか、しめりけがどの程度かというような、危険と関係のある火薬類性情状態について、あるいは積載方法などについて、その届出を受けた機関が具体的に必要な指示をする、こういうふうになるかと思います。それに応じまして、今度は、先ほどお話が出ましたように、運搬基準というものをやはり安全保持立場から明確にいたさなければならぬと思います。これに対しましては、現行では、通産省関係のこの火薬類取締法施行令基準を設け、また、運搬部分については運輸省令関連いたしておりますが、この運搬技術上の基準につきまして、それぞれ場合によっては、通産省令あるいはそれぞれの関係省庁省令基準を作りましてその基準に合っているかどうか、あるいは、ただいま申し上げた指示内容に従っているかどうかということを確保するために、先ほど交通課長からも触れましたかと思いますけれども、火薬類運搬しておると認められる車両につきまして道路上で警察官が、危険防止のために必要な場合には、その運搬車に向かって停車を指示いたしまして、その停止した火薬類運搬車に対しまして、ただいま申し上げた技術上の基準に合っているかどうか、あるいは指示内容に従っているかどうかというようなことについて検査することができるようにすることに相なるかと思います。  大体以上であります。
  11. 鈴木壽

    鈴木壽君 最後のお言葉が気になるのですが、相なるかと思うと、これはまあ結局前ですから、用心をしたお答えだと思いますがね。私は、移送方法についての取り締まりの方の側においてやはり適確に、随時まあ場合によっては停止させてみるとか、その安全性確認をするとか、そういうことが行なわれるようにならないと、さっきも言いましたように、どうもいろいろな、その具体的な積載方法なり基準なりに示されている通りで当初はあるいは出発するかもしれませんが、途中においてどういうふうになるか、こういう心配もありますし、それから、さっきも言ったように、その車自体がいろいろな規定なり注意を守ってきちんとやっておっても、場合によっては、他の車両による事故というか、あるいは他の危険による事故というようなものも考えられますから、これはまあ悪い言い方かもしれませんが、だれでも、これは火薬を積んでいるのだ、おっかないものがあるから注意しなければいかぬぞというような、場合によってはそういう程度のことまでやらないと、万全を期すことができないのじゃないかという心配があるわけなんですが、そういう点やはり、今もお話によると、お話し合いをしておるようでございますし、要望なり注文なりもしておるようでございますが、特にそういうことがなし得られるように、これは、火薬取締法そのものからも必要でありますし、さらに、あなた方の取り締まる側からいっても必要な点と考えられるのですが、ただいまやはりそういうような点は、具体的には固まっておらないという段階なんですね。
  12. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 現行火薬類取締法施行令によりましても、その標識に関しまして、火薬類運搬の場合には、〇・三五メートル平方の赤い布に「火薬」というふうに白書をいたしまして、それで火薬類運搬であるということをわかるようにし、また夜間の場合は、一定の基準を設けて赤色燈をつけさせることにいたしていますが、これらの基準につきまして、やはり若干私たちは検討の余地があるのじゃないか、もう少し明確な表示を。一番ポイントは、これが火薬類運搬車であるということをはっきりさしておれば、ほかの自動車注意しますし、また沿道の警官の非常に指導なり取り締まりも十分になると思います。従いまして、そういう意味において、表示の点は、非常にポイントは正確にしなければいかぬと思います。そういう意味で、標識の大きさ、方法などについて協議はいたしております。ただ、現在、現行法と変えた方法でやるという結論までにはまだ行っておりませんけれども、できるだけ早い機会にこれを詰めて、まとめていきたいと思っております。
  13. 鈴木壽

    鈴木壽君 標識の問題ですがね。そのお話がありましたから申し上げますが、ああいう赤いきれに白の文字でやっているというのは、これは、場合によっては、ああいうきれですと、必ずしも文字が見えるというようなこともないし、よごれによって赤だか黒だかわからぬというような、ひどい言い方ですが、そういうこともあり得るし、これは、もっと見たらすぐわかるというふうなことにしないといけないと思う。  それからもう一つ。これについては、たとえば経路指定なんか、運送経路指定、たとえば、都内を通っていかなければいかぬというようなときに、これはいろいろ経路を場合によっては指定しなければいかぬと思うような場合もあると思うのです。まあそういうような問題、あるいは運送の時間的な問題、先ほどもちょっと西郷先生からもお話がありましたが、雑踏するようなときを避けるとか、何か場合によってはそういうことについての規制も必要なような考え方を持ちますが、そういう点については、どのように話しておられますか。あるいは全然そういうものは不必要であるというように考えておられるのか。どうなんですか。
  14. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 今お話しの点は、まさしく必要だと私たち感じておりまして、すでに現行法のもとにおきましても、警察庁それから通産省運輸省、消防庁、四者の行政協定と申しますか、申し合わせができておりまして、それらについても、できる限り事前届出をしてもらって、その届出の場合に、関係都道府県公安委員会が適切な意見をし得るように申し合わせをしております。そういう場合には、時間なり、あるいは通路のコースなり、それについても、現にある程度意見を言っております。先ほど申し上げた予想される改正案によりますと、届出を受けた機関がいろいろ指示をいたす、その場合に、その指示内容といたしまして、運搬の日にち、時間、それから通路などについても当然指示をいたすことになりますので、お申し出のお話の点については、十分カバーし得るのではないかと思います。
  15. 松澤兼人

    松澤兼人君 今、鈴木君からいろいろお話があったのですけれども、問題は、そういうふうに危険物類運搬取り締まりというものが改正されるならば、その関連においてこの道路交通法改正、修正される、今審議中ですから、別個に改正法律案を出すことはおそらくないと思いますけれども、それがそちらの方の委員会の固まりによって、審議中であるならば、僕らの間で修正案として出すわけですね。その必要があるかないかということです。もちろん、危険物取り締まり法律改正案が出れば、それ自身がずっと、危険物運搬までこういうふうにしなさいという規定ができて、そしてそれを監督、取り締まる権限を持っておるものは、公安委員会とかあるいは警察ということになるでしょう。それだけで、危険物類取り締まり法改正法律案、それだけで、末端の交通を取り締まっている警察官がそこら辺に立って、危険であるかどうかということを見ている。その警察官権限は、特に危険物であるということのために、道路交通の方面から何か規制を加えた方がいいと思っても、道路交通の方は現在のままで、先ほど説明があったように、危険物の周囲をいろいろ——車両整備だとか何とかといったような、そういうことだけやっていて、直接にはその危険物に対して指示を与えられないような形になっている。一方の法律ではできる。それは警察官であればできるでしょう。そのつながりがもし近い将来のうちに生じてくるということであれば、それを早く固めてもらって、われわれが審議しているうちにその意見をこっちへ入れて、そうして現実危険物に対するものは、そちらの方でこうきまってくれば、こちらの方は多少なお手直ししなければならぬのじゃないか、こういう気がするのですが、そういう点はどうなんですか。
  16. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) この火薬類につきましても、もちろん、この道交法というものは、この限りにおいて適用されるわけでございますが、申せば、この道交法一般法でございまして、火薬類取締法にも火薬類運搬について規定をすることになっておりますので、これが特別法関係で、並行して適用される。従って火薬類については、より強い制約を受けるということになるわけでございまして火薬一類取締法の改正があったために道交法にまで手を加えなければならないということには相ならぬと存ずるわけでございます。
  17. 松澤兼人

    松澤兼人君 長官がそうおっしゃるように、そちらの方で権限警察官に与えられるということになるでしょう。なりますから、それはそれでよろしいということなら、それでいいのですよ。しかし、鈴木君が心配することは、やはり道路交通法の面から見てやはりこちらの方の改正に対処して、そのつながりを持った方がいいのじゃないか、あるいは持つべきじゃないかという、そういう意見は、われわれとしても同じなんです。こちらの火薬類取り締まりだけで済ませない問題が将来起こってくるのじゃないかというふうに危惧するのです。長官は、絶対にそういう関係はありません、こっちは一般法、向こうは向こうということであれば、それでいいのです。何か起こってきはしないかということを考えているのです。
  18. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) その点は、先ほど申し上げましたように、一般法特別法というような関係に相なると存じますので、運用上の支障というものは起こらないように私は理解しておるわけでございます。
  19. 松澤兼人

    松澤兼人君 もう一つ、そうおっしゃいますが、先ほどお話のありましたように、運搬の日時あるいは経路、そういうものは、火薬などの取り締まり法によって公安委員会指示することができる。しかし、それは指示することはできるでしょうが、それを経過地の警察官がどういうふうに見るかということですね。これは、何か指示の書類を持っているのでしょうか。持っているから、こういう道を通りなさいというやつを、時間を早く行くために、迂回路を通らないで直線コースで行く。そこでつかまったとすれば、書類を見せなさいと言って書類を見て、道が違うじゃないかということがわかるわけですけれども、しかしそれは、一方道路交通法の方でも、何かその程度のものは規制しておく方がやりやすいのじゃないかと思うのです。こういう点の心配があるのです。
  20. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) ただいま長官が申されましたように、やはり道交法特別法として、火薬類運搬に関しましては、火薬類取締法改正で確保していこう。その場合に、ただいま御心配の、実際に街路上で、道路上でしっかりそれを確保できるかという問題でありますが、この問題につきましては、公安委員会指示いたします場合に、その指示した内容運搬証明書に記載することになっております。運搬証明書に、どういう指示をしたか、どこを通らなければならないか、また何時ごろ通ったらいいかというような、そういう一連の指示内容を記載することになっております。それが運搬証明書に記載される。先ほど申し上げました、今度の改正法案で、道路上における火薬類の災害発生による危険を防止するために特に必要なときには、警察官火薬類運搬車両を停止させまして、その停止と同時に運搬証明書の呈示を求める。そうしてその証明書に書かれておるところのいわゆる運搬技術上の基準なり、あるいは先ほど申し上げた指示内容なり、これに合っているかどうかということを検査して、もしその内容に合っていないという場合には、それに合うようにまた必要な指示をしましたり、場合によっては、これは危険だということで、運搬をしないように適当な措置ができるかと思うのであります。
  21. 松澤兼人

    松澤兼人君 そうすると、危険物取り締まり改正法律案の中で、危険物運搬する場合には、公安委員会指示する書類を持っていなければならない。で、途中において——途中という言葉は法律的な言葉じゃないですけれども、警察官が呈示を求めた場合には出さなければならないというふうに、そちら側には規定があるわけですね。それで、その関係において少なくとも道路交通法の中では、危険物運搬する場合には、公安委員会の出した運搬指示書のようなものを持っていなければならないというぐらいのことは、道交法でも規定ができるんじゃないかと思うんですけれども、その必要はありませんか。
  22. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 火薬類取締法で、火薬類運搬する場合には運搬証明書を携帯しなければならない、こういう法的な義務を課しております。それに対しまして、また街路上で警察官がその内容確認するということになっておりますので、一応道交法特別法としてその点で十分かと思うのです。まあダブって道交法規定しなくてもよいのではないかというふうに思います。
  23. 鈴木壽

    鈴木壽君 こまいことですが、公安委員会から出た時間なりあるいはコースなり、そういうような指示を受けて、今のお話では、そういう書類を持っていく、それで、そういうものが出て、運搬の業者なり、あるいは運転者に対してそういうものが出たということを現場の交通のこういうことに関係しておる警官の方に知らせておくというような方法は講ずるんですか、講じないんですか。
  24. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) これは、届出を受ける際に指示しますし、その内容もわかっております。従いまして、沿道の関係都道府県公安委員会内容を通報いたすことになります。できる限り街頭における警察官事前にわかるようにいたしたいと思っております。
  25. 鈴木壽

    鈴木壽君 それは、これから今度新しく改正されるものによって、そういうものを現場の警官にもはっきりつかませるような方法を講ずる、こういうことなんですね。
  26. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 現行法におきましても、知事公安委員会に通報することになって、おるわけでございますが、これが、先ほど保安局長が申し上げましたように、むしろ非常におくれて、事故になる場合が多い。今度は、公安委員会事前にその届出についてタッチするわけでございますので、すみやかな方法で連絡をとり得ることになると思いますし、その指示内容等についてもこれを連絡する。そうすれば、沿道の警察官というものにはこれがはっきりする。ところが、そういうことが、沿道以外の警察官については、そういう連絡はもちろんなされないことになりましょうから、あるいは危険なものが来れば、これは怪しいということにも相なろうかと思いまするし、事前によく徹底するように今後は制度的にも相なるわけでありまするし、そういうことを徹底するように指導にも努めて参りたいと存じます。
  27. 鈴木壽

    鈴木壽君 それは制度的に、たとえば、そういうふうにしなければならぬというふうなことをはっきり明文化しておやりになるというのですか。ただ運用の面でおやりになるというのですか。
  28. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 現行法におきましては、知事届出を受けることになっておりますので、知事から各府県に通報いたします。
  29. 鈴木壽

    鈴木壽君 それは、前から何べんもお話があったように、現行法ではいろいろあるけれども、しかし、事後になるということもあるのだし、それは一応いいのですよ。ですから、これからあなた方が、火薬類取締法、いろいろそういうものの改正なり、あるいはそれに関連するあなた方とのお話し合いによって、いろいろ問題をきめていくようにするでしょうから、私はこれからの問題を聞いているわけです。そういうものを、今のあなた方の考え方からすると、はっきり規定づけて明文化した形でやっていくというのか。あるいはただ、公安委員会が承知しているから、できるだけ沿道の警官の人たちに周知の方法をとろう、こういう一つ方法でいくのか。その辺……。
  30. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 制度的にそういうふうにいたしたいと思っております。   —————————————
  31. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 道路交通法案に対する質疑は一応中断いたしますが、石原国務大臣から、地方公営企業法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の説明を聴取したいと思います。
  32. 石原幹市郎

    ○国務大臣(石原幹市郎君) ただいま議題となりました地方公営企業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  地方公共団体が経営いたしております企業は、水道事業、交通事業、電気事業その他数多くありますが、これら公営企業のうち比較的規模の大きいものには、地方公営企業法が適用されているのでありまして、その団体数は漸次増加しつつあり、成果は見るべきものが少なくないのであります。現在この法律の適用団体の数は、水道事業百三十九を初めとして合計三百十四で、昭和三十三年度の決算状況は、総収益九百八十三億円、総費用九百二十五億円、差引損益計算上は五十八億円の黒字となっており、同年度末における資産総額は四千四百五十六億円、職員数は十万人をこえております。このほか、水道事業、交通事業、電気事業及びガス事業で、同法の適用を受けない公営企業の総数は約八百に達しております。  地方住民の福祉を向上させるためには、今後ますます各種の公営企業の普及拡充をはかる必要があるのでありまして、その一段の発展が期待されるところであります。しかして公営企業の健全な発展を期するには、企業の適正かつ能率的な運営を確保することが肝要でありまして、これがためには、これまで地方公営企業法の適用を受けない企業についても、企業会計方式による財務制度の採用をはかることが適当と考えられますとともに、公営企業運営の実際にかんがみ、若干規定整備する必要が認められるので、この法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、地方公営企業法の適用を受ける事業のうち、従来水道事業の中に含まれていた工業用水道を独立の事業とし、常時雇用される職員の数が三十人以上のものにこの法律規定を適用しようとするものであります。工業用水道事業は、現在まで地方公営企業法上は独立の事業とせず、水道事業に含めて扱って参ったのでありますが、その発展は著しいものがあるのでありまして、この際その経営の適正化を期するために、工業用水道事業を独立の事業として地方公営企業法を適用することにいたしたいのであります。  第二は、地方公共団体の経営する水道事業、工業水道事業、軌道事業、自動車運送業、地方鉄道事業、電気事業及びガス事業で、これまで地方公営企業法規定が適用されない一定規模未満のもののうち常時雇用される職員の数が二十人以上のものについても、地方公営企業法規定のうち企業会計方式による財務に関する規定等を適用しようとするものであります。  従来これらの事業については、たとえば、水道事業は常時雇用される職員数五十人以上軌道事業は百人以上というように、一定規模以上のものに地方公営企業法規定の全部を適用し、他は地方公共団体の条例によって規定の全部または一部を適用することができるものとされているのであります。しかしながら、これらの事業は、その性格から見て、漸進的に地方公営企業法の適用を受けることとすることが適当であると考えられるのであります。従って、従来、地方公共団体の条例で同法の規定を適用することができることとしているもののうち、企業会計処理の実施が適当であると考えられる中規模程度の企業に対しても、この法律規定のうち企業会計方式による財務規定等を適用して、複式簿記による会計方式をとることとし、もって、資産の把握を容易ならしめるとともに、経営状況を明らかにする等、企業の合理的、かつ、能率的な運営を助長しようとするものであります。  第三は、地方公営企業を経営する地方公共団体には、各事業ごとに管理者を置く建前とされておりますが、水道事業及び工業用水道事業をあわせて経営する場合または軌道、自動車運送及び地方鉄道の交通事業のうち二以上の事業をあわせて経営する場合には、事業の類似性にもかんがみ、組織をなるべく簡素にするために、特別の事情のない限り、一人の管理者を置くことを建前としようとするものであります。  以上のほか、公営企業運営の現況をも考え、財務に関する規定に若干所要の改正を加えようとするものであります。  なお、この法律の施行期日につきましては、従来の官公庁会計方式による財務制度を、企業会計方式による財務制度に切りかえることとなりますため、準備期間を必要といたしますので、事業規模に応じて昭和三十六年四月一日から三十七年四月一日までの間に改正法が適用されるように所要の調整を加えることといたしました。  以上、地方公営企業法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたしました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  33. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
  34. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 再び道路交通法案について質疑を続行いたしたいと思います。  ちょっと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  35. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
  36. 占部秀男

    ○占部秀男君 まことに申しわけありませんが、一つ、実は、一昨日の新聞に、石原長官の談話というか、話というか、そういう形でILOの例の八十七号の批准に関連して、地方公務員法の改正の具体案を明十一日の閣議までに作ってこれを出す、こういうような新聞報道がなされておるのですから、そのことに関連して、三点だけ簡結に一つ御質問いたしますが、第一は、明日の閣議に地公法の改正の具体的な方針を出すのか出さないのか、それが一点。第二点は、この話の中にもちょっと触れておるようでありますが、自治庁の考え方としては、やはりこの際、ILOの八十七号の批准をするならば、地方公務員にもはっきりと同条約の適用をさせるという点を明確にやはり出していくべきではないかと、大臣もそういうような考えのように思われるのですが、そういう点について一つと、それからもう一つは、地公法の改正の場合に、談話の中にもありました専従問題について、昨年の臨時国会でしたか、藤井行政局長にこの問題についていろいろと御質問をいたしたのでありますが、やはり休職ということは、これはもちろん、地公法を改正すればあるいはできるかもしれませんけれども、いずれにしても、休職ということ自体が、これはもう現状の職員の既得権の上からいって、非常に既得権を侵害するような形になるし、現状でも、県市町村の場合でも、何らこの問題についてはトラブルというのは起こってないわけでありまして従ってそういうようなことのないように一つしていただきたい。こういうような考え方から、長官一つ意見といいますか、方針をお伺いいたしたいと思うのです。簡結でけっこうです。
  37. 石原幹市郎

    ○国務大臣(石原幹市郎君) これは、この前の火曜日の閣議の際に、労働大臣から、ILO条約第八十七号を批准した場合に、国内法にどういう関係があるかということで、ことに先生の担当である公労法、地公労法に対する労働省としての考え方の披露があったわけでございます。それは関係するところも多いので、一応参考に聞いておくということで、それが了解されたわけでも承認されたわけでもない。聞いておくということで、その際、やはりILO条約を批准すれば当然公務員にも、公務員というと、国家公務員、地方公務員でございますが、公務員にも関係してくるのじゃなかろうかということで、公務員に対する、国家公務員、地方公務員に対する考え方については次の閣議まで、つまり明日の閣議までに労働省としての考え方一つ出して、みよう、こういうことになっておるのであります。  そこで、昨日、一昨日ですかの新聞のことでありますが、閣議のあとで、記者会見の際にいろいろ質問があったわけでございます。専従撤廃、全廃についてはどうかとか、いろいろありますから、一応われわれが考えておるような片りんをちょっと述べたのがああいう記事になっておるわけでございますが、そこで、明日の閣議に地方公務員法に対する改正案とか、それを出すとか出さぬとか、そんな段階ではございません。労働大臣が意見を出しますから、それに対して自治庁として地方公務員法に対してどういう考えを持つかということを、一応の見解は言わなければなりませんので、その意味であります。  それから、率直に申しますと、昨年の閣議決定でILO条約を批准する了解とか、いろいろあるようでございますが、そのときに、公務員にもILO条約の批准が直ちに適用になるのかどうかということについては、みんなはっきりした観念なしに、研究不十分で、あの閣議了解というか、決定がされておるというふうに思うのです、率直に言うて。そこで、これを批准すれば、結局公務員にも適用になるだろう。その際には、従来の専従問題であるとか、いろいろの問題について、ことに非職員が組合の役員になるとか、いろいろの問題がありまするから、これは公務員制度として非常な変革でありまするから、そういうことについて十分研究しなければならぬのであろうと思いまするが、私個人なりあるいは自治庁としていろいろの考え方は持っておりまするけれども、これを末席でどうこうと言うのもどうかと思います。そういう経過であります。
  38. 占部秀男

    ○占部秀男君 わかりました。この問題は、あとでまたお聞きしたいのでありますが、ただ、今度の国会にILOの批准があったとしても、即そのまま地公労法の改正の問題を今度の国会で間に合わせるというような問題ではないわけでありますな。その点はいかがですか。
  39. 石原幹市郎

    ○国務大臣(石原幹市郎君) それは、非常に微妙な問題でありますが、ILO条約を批准するについては国内法を整備しなければならないというような建前から、公労法、地公労法の改正をしなければなりませんから、公労法、地公労法の改正だけでいいかということが問題です。国内法の整備では、国家公務員法も地方公務員法も、もし改正する点があれば、改正しなければならぬのじゃないかという意見も一部にはあるわけでございますから、そういうことで、公務員法の研究がされております。こういうことです。
  40. 占部秀男

    ○占部秀男君 どうもありがとうございました。   —————————————
  41. 鈴木壽

    鈴木壽君 時間がありませんから簡単に。  国鉄の道路局の方にお聞きしたいと思いますが、交通事故の中で、踏切に関しての事故というものは相当の件数がありますし、また、起こった事故そのものは、大体において非常にひどい事故になっておるようでございます。特に、ために人命を失うというようなことがずいぶんあったわけでございますが、道路の通行の安全というようなものについていろいろ考えます場合に、やはりこの踏切の問題というものを当然考えていかなければならぬと思います。ただ、踏切事故の原因をいろいろ統計等によって見ますと、その大部分は通行者の側の不注意というようなことで占められておるようでございますが、しかし、中には、踏切の構造といいますか、あるいは施設といいますか、そういうものに今後改善をしなければならぬもの、改善していくことによってそういう事故が防げるようなものも相当あるのじゃないかと思うわけなんですが、従って、そういう点から現在の踏切について、これは国鉄だけでなしに、私鉄の問題もありますが、そういう問題について事故防止としての対策をどのようにお考えになっておられますか。それを建設省の側と国鉄の側から、両方からまず最初にお伺いしたいと思います。
  42. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 最近交通の高速化に伴いまして特に踏切における事故が多いことは、われわれも十分承知をしております。現在鉄道と道路と平面交差をしておる個所を調べてみますと、道路法の道路その他一般道路を含めまして、全国に七万カ所ございます。こういうふうにたくさんの踏切個所がございますので、円滑な交通を支障いたしましたことはまことに遺憾なのでありますが、この平面交差踏切を立体交差にする、あるいは踏切をなくするということによりまして事故を防止することが最も必要とされておりますので、建設省におきましても、道路整備五カ年計画におきましては一定の基準を設けまして、交通量及び踏切遮断時間等を考えまして、特に緊急に改善をすべき平面交差につきまして、この五カ年計画で約三百六十カ所、事業費で三百四十億円をかけまして、この予算によりまして、とりあえず主要幹線道路につきましてある程度の踏切対策を講じたいと思っております。この踏切施設を立体交差にすることによりまして相当交通のひんぱんな個所における立体交差ができますれば、それによりまして相当程度交通難の緩和ができると思うのであります。  なお、現在の踏切施設につきましても、道路交通法にも一定の基準が書いてございますし、立体交差のものにおきましても、道路を改善することによりまして交通に支障を少なくする、交通がしやすくなるということも考えられますので、局部的な改善につきましても、予算の範囲内におきまして改善をするように指導しておるわけであります。
  43. 石原米彦

    説明員石原米彦君) 国鉄の立場から、ただいまの御質問にお答え申し上げます。  踏切事故は、自動車の増加とともに年々非常に激増いたしておりまして、私ども鉄道の運転保安から見ましても、一番頭痛の種にいたしている次第でございます。数字をごく大ざっぱに申しますと、昨年度の実績で、一日平均七件の踏切事故が起こっております。つまり自動車——ほとんど自動車でございますが、自動車と列車とがぶつかっております。別に防護と申しますか、合図をいたしまして、列車が間一髪とまった、ぶつかりはしなかったというのが、これまたちょうど一日七件の割合で起こっております。そのために犠牲になられる方が、一日平均で二人ずつなくなっております。それからそのために、踏切でぶつかりましたために今度鉄道の脱線が起こりますのが、大体十日に一ぺんぐらいの割合で起こっております。従いまして、鉄道の事故は、全体として戦前より非常に少ない程度に減っておりますが、踏切事故だけは、戦前よりも非常にふえておりまして、しかもこれは一年の例外もなしに年々ふえておりまして、量の増加と、質も重大なものがだんだん起こっておりまして、私ども心配いたしております。  次の防止の問題でございますが、防止につきましては、交通取り締まりの方の問題と、それから設備の問題と、大づかみに二方向に分かれるかと思うのでございますが、この道路交通取締法の方の点で申しますと、ただいま鈴木先生から御指摘がございましたように、事故の原因の九九%までは通行される側の不注意が問題でございまして、しかもまた、その大部分は直前横断と申しまして、列車が来るときに出会いがしらに飛び込んで来る、あるいは列車のあります横っ腹にぶつける者もありますが、そういう状態でございますので、これはただいま御審議道路交通法の問題になりますが、この点につきましては、前の道路交通取締法に比較いたしまして、このたびの道路交通法改正条文は、踏切における交通者の注意、責任という問題につきまして非常に明確に改正されまして、まことにけっこうなことだと存じます。  次に、設備の問題でございますが、設備につきましては、建設省あるいは地方道路管理者の方々と御協議いたしまして、年々、特にここ両三年は力を入れて、踏切設備の改善あるいは立体交差化ということに尽くしておりまして昭和三十二年からことし三十四年までの三年間につきまして申しますと、立体交差化に国鉄といたしまして八億円負担しております。総工費は、概算三十二億円になっております。これは、御協議ととのいまして、これだけ実施いたしております。ただし、三十四年度はまだ決算になっておりませんわけで、計画を含んでおります。それから、立体交差以外の踏切に対しまして約十八億入れておりましてこれはもう非常に雑多な件名のものになっております。例の三種踏切と申しておりますが、踏切にちゃんちゃん鳴る設備をつけるとか、ちゃんちゃん鳴る設備だけではいけないので、最近は、自動的に門扉が半分だけ下がってくる設備を作るとか、あるいは、道がでこぼこで自動車通りにくい所を直すとか、幅員を直すとか、標識を設けて踏切の所在を明らかにするとか、非常に雑多な件名がたくさん含まれております。なお、鉄道限りといたしましても、列車の前照灯を新しくする、前についておりますヘッド・ライトでございますが、これは全動力車につきまして光力を増大いたすことにいたしまして、特に最近の「こだま」のような高速列車は、二つあるいは三つの前照灯をつけまして、従来のよりもはるかに光力の強いものにするというようなこともいたしますし、あるいは色の塗り方のごときも、従来は大体よごれの目立たない黒色にしておりましたのを、最近の特急電車、急行の気動車といったようなものは、あるいは特急を引っぱる機関車といったようなものは、クリーム色、赤あるいは派手な青色といったような、いわば軽快色にするとか、あらゆる手を打ってこれに対処いたしております。なお、伺いますところで、運輸省におかれまして、踏切——鉄道と道路との交通に関する法律も御研究になりまして、あるいは今国会にでも御提案になる機運があるやに伺っておりますが、そういうことになりますれば、いかなる基準で、いかなる設備標準で整備していくべきかというようなことがはっきりいたしまして、設備面からの踏切の安全保持というものも、はっきりした基礎の上に立って確立されていくことと存じます。
  44. 鈴木壽

    鈴木壽君 今、いろいろ現状なりあるいは今後の対策についてお話しありましたが、その一つとして、主として建設省との関係道路の立体交差の問題ですが、先ほど次長のお話でございますと、五カ年計画で三百六十カ所と申しましたが、そうですね。T
  45. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) そうです。
  46. 鈴木壽

    鈴木壽君 それから、金額にしまして三百四十億円程度でおやりになると、こういうことで、これは主としていわば国道あるいは主要地方道というような幹線だと思いますが、現在考えられております立体交差がどうしても必要だという個所からしまして、これはどの程度の割合になりますか。こういうところはやはりぜひほしいのだと、立体交差にすべきだというふうな観点からいろいろお調べになっていらっしゃるのじゃないかと思うのですが、この三百六十カ所で、大体予想せられます今後の交通量等からしましてあるいは事故の防止というような見地からいたしまして、まあまあだと、こういうふうにお考えになっておられるのか。そこら辺の事情を一つ……。
  47. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) この計画は、実は五カ年計画を立てます場合に、今後五カ年の交通状況あるいは五カ年計画の規模から考えまして一定の基準を設けました。それは、一日の交通量と踏切の遮断時間の相乗積を求めまして、それが二千台時と、こういう数字のところの基準を設ければ、大体この五カ年において、特に今幹線道路において、緊急に整備して立体交差にすべき個所であるというような見解のもとにいたしまして、そういう基準で選んだ個所が、今申されましたように、三百六十カ所と一応押えているわけであります。ただ、五カ年の計画でございますので、その後の交通状況が相当変わってきておりますので、この数字自体で十分であるとか、あるいはどの程度立体交差にすべきであるかというような数字は、今申しましたように、全国で数万個所ございますので、なかなか、どの辺で切るかの問題がございますので、一応いろいろ研究いたしましてこの五カ年計画でこの程度というようなこれは数字でございます。
  48. 鈴木壽

    鈴木壽君 先ほどお話ありましたような基準で一応押えてこの個所だということですが、最近自動車の増加なんかは、ここ数年前まではあまり予想できなかったような程度の増加の状況じゃないかと思うのですが、さらに今後この趨勢でいったらこのくらいというような一応のメドはつくかもしれませんが、場合によっては、そういうわれわれの予想を上回ったことも出てくるのじゃないかというふうにも考えられます。しかし、これは一応お互いの、何といいますか、主観もありましょうから、それはあまりそういうものだけをどうのこうの言ってもしょうがないと思うのですが、できるだけ私は、交通の安全の立場あるいは流通を円滑にしていくという立場から、立体交差が望ましいということから、私のみならず、だれでも言うことだと思うのですが、そこで、五カ年間で三百六十カ所の、しかも金額にして相当、三百四十億という大きな金額にもなっておりますが、現在まで、三十四年度まで、計画年度を踏み出しておるわけなんですが、それが計画通り、見込み通り行なわれておりますか、どうですか。この点、一つ念のために聞いてみたいと思います。
  49. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 三百六十カ所のうち、三十二年、三年、四年度の三カ年でございますが、そのうちの百二十カ所は、大蔵省と運輸省、国鉄あるいは関係方面と大体の話し合いが済んでおりますので、一応五カ年後におきましては、既定計画通りの個所につきましては完成をしたいと思って、努力をいたしております。
  50. 鈴木壽

    鈴木壽君 三百六十カ所のうち百二十カ所というと、三分の一でございますが、今後三百六十カ所全部計画通りやっていかれる、ぜひこれはやってもらいたいと思いますが、ただ金の問題で、これは、三百四十億というのは国鉄だけの負担になります。それとも国鉄じゃない、建設省のいわゆる道路関係の予算だけでございますか。それとも、あるいはこれの中には国鉄等の何かそういうこともあるものか、そこら辺どうですか。
  51. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) これは、その個所の事業費でございますので、国鉄の分も入っておるのかと思っております、三百四十億と申しますのは。
  52. 鈴木壽

    鈴木壽君 さっきの運転局長の御説明の中に、三十二年から三十四年までの間に、立体交差のために八億円ばかり負担をしておられるような、こういうお話がありましたものですから、私は、あまりそんなところまで今ここで聞こうとは思っていなかったのですが、この三百四十億というものの中に、計画としてどのような国鉄関係の費用の分担なりそういうものがあるだろうかと、念のためにちょっと聞きたかったものですから……。
  53. 柴田元良

    説明員(柴田元良君) ただいまのお話関連いたしまして、国鉄側の立体交差の計画について御説明申し上げたいと思います。  国鉄が立体交差をいたしたいと考えております個所は、特に大都市周辺で、しかも非常に交通量の多い踏切、これを対象に考えておるわけでありますが、将来千カ所ぐらい国鉄としてはやりたいという計画を持っております。ただし、この費用が総額で約九百億ぐらい要するわけでございまして、なかなか実行いたしますのには困難を伴うということでございますが、さしあたり非常に急いで考えております踏切は、同じような性格の個所で約三十カ所でございます。この三十カ所につきましては、先ほど建設省から御説明のございました五カ年計画が完成いたしますと、この踏切は、国鉄も同様解決をいたす場所でございまして、国鉄といたしましても、ぜひ建設省の五カ年計画に合わせて完了をしたいと考えておるわけでございます。先ほど私どもの方の運転局長から御説明申し上げました費用の問題でございますが、これは、三十一年の十二月に、従来いろいろ問題がございましたけれども、建設省と国鉄におきまして立体交差をいたします場合の費用の負担を協定いたしまして、原則といたしまして、平面交差を除去いたします場合は、国鉄側で三分の一を負担いたします。それから道路側が三分の二。しかし、駅構内などにおきまして、非常に線路が多い、あるいは交通が非常に多い、列車回数も多い、こういう場合におきましては半分、場所によりましては五分の二というものを国鉄が負担をいたしますように協定をいたしたわけでございます。従いまして、現在建設省と引き続き協議をいたしておるわけでありまして、個々の踏切の場合々々に応じまして、この負担の割合いが変わって参るわけでありますが、この協定の線に沿った負担をいたしまして今日まで国鉄が完了いたしましたものが、先ほど申しました金額になるわけでございます。その個所につきまして現在までに約四十カ所程度というものが、こういう方法によって立体交差をいたした次第でございます。
  54. 鈴木壽

    鈴木壽君 立体交差のことは一通りよろしいのでございますが、これは道路局の方で、いわゆる道路改良というような場合、立体交差でなしに、できるだけ踏切をなくしていくというような方向をとっておられると思いますし、その限りにおいて私ども非常にけっこうなことだと思うのですが、そういう仕事、それから見通しの悪い踏切の個所、平面交差の場合に、非常に見通しの悪い場所があったわけなんですね。これは建設省の方でやるべきか、あるいは国鉄の方でやるべきか、私ちょっとわかりませんがね。たとえば、すぐそこに家があるとか、それから警手がおるあの番屋といいますか、建物のために見通しが悪いというような場合も出てきておりますし、あるいは線路そのものがカーブになって、どうも見通しがきかないというような個所、あるいは立木のために見通しがきかないというような場所、いろいろこれはあると思うのですが、そういうようなもののいわゆる見通しをよくし、そのために事故の発生を防ぐというようなことについては、どういうふうにおやりになっていますか。私、どっちが所管なのか、ちょっとわかりませんものですからね。念のために伺いたいのですが。
  55. 柴田元良

    説明員(柴田元良君) ただいまの先生の御質問につきましては、道路管理者側と相談をいたすようにいたしておりますが、現実には、多くの場合、困りますのは鉄道の運転側の立場にございますために、従来の例によりますと、大体国鉄側におきまして竹やぶを切る、あるいは、特に多いのは踏切番舎、そういったものでございます。こういうものは積極的に取りまして、道路から見ました見通しも改善をするというふうに処理して参っておるわけでございまする
  56. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 特定の個所におきまして全体の道路改良計画の中に入らない場所につきましても、若干の費用によりまして、そこの道路交通の支障を除去するのに非常に効果があるという所は、局部的に改良いたしまして、道路改良の一種といたしまして採択をして、補助をしておる例もございます。踏切につきましては、単に立体交差する以外に、今お話のような、道路の路線を変えることによって踏切をなくしていくようにすることも、道路改良の一つとして採択しておるところでございます。
  57. 鈴木壽

    鈴木壽君 今の見通しが悪いということですが、これは、非常に私今までの自分の経験等からしまして、運転者なり歩行者なりの不注意というようなことも、見通しが悪いために、注意しながらもついというようなことになりかねない場合がたくさんあるわけで、これはまあ一つ協議をなされまして、そういう面での今後の対策も、ぜひ強く進めていただきたいというふうに、私、一つ要望でありますが、思うわけなんで、これは、いなかへ行くと、特にこういうのがずいぶんある。もちろん、都市の周辺にもありますけれども、いなかへ行くと、ずいぶんこういう問題がある。場合によっては、ちょっと木を切ることによって、あるいは築堤等の形を変えることによって相当見通しがよくなると思われる所、そしていろいろたとえば運転者の協会とか交通安全何とかというような、ああいうところでいろいろ要望しておっても、なかなか解決がつかないものに、そういう所にまた事故が起こるということもありますものですから、これは、先ほど申しましたように、要望というような格好になると思いますけれども、ぜひ一つ事故防止対策の大事な一つの問題じゃないかと思いますので、今後推進していただきたいと思うわけなんです。  それから、その踏切の傾向としては、だんだん無人の踏切が多くなるように感じておるのですが、そうなんでしょうか。国鉄の方では、警報器がかわりに置かれるとかいうようなことはもちろんでありますけれども、だんだん昔のように人が出て、時間々々によっていろいろな指示をしたり、遮断機の扱いをしたりするというようなことがなくなってきておると思うのですが、一種とか二種とか三種、四種、いろいろあるようでございますが、こういう問題についての考え方をちょっとお聞きしたいのです。
  58. 石原米彦

    説明員石原米彦君) お答え申し上げます。  鉄道の踏切には、人のおります踏切は、一種と二種と、二つございまして、一種というのは、二十四時間踏切警手がついております。二種というのは、夜中の交通量の少ないときに踏切警手がおらなくなるのでございますが、第二種の方は、踏切警手のいないときに、遮断機が上げっ放しになって、危険でございますので、これはなるべく減らす方向に進めております。しかし、一種の方は、やはり重要な踏切につきましては、警手を配置するように計画いたしております。なお、第三種と申しますのは、ちゃんちゃん鳴る踏切でございますが、これを特に整備するように進めていっておりましてさいぜんも申しましたように、さらに交通量の多いところでは、左側だけ門扉が自動的に下ってくるというようなのを一昨年から使いまして、今後は、これを大いに普及させていこうと思っております。減らすと申しますのは、夜中にいなくなる踏切の方はなくなす方向をとっておりますが、昼夜ついておりますのは、減らす方針をとっておりません。
  59. 鈴木壽

    鈴木壽君 もうちょっと、今まで番屋があって、そこに踏切の警手がおる。それがなくなって、警報機に変わるというような点についてのそれはどうなのです。なるべくそういう広い、いろいろの意味で、人間の定員の問題等や、いろいろあって、そういうものを減らして、警報機の方をふやしでいくというのか。何か地方では、番屋を取られて、警報機に変わっているというのがあちこちに出てきておるようですから、そういう点をちょっとお聞きをしたい。
  60. 石原米彦

    説明員石原米彦君) 交通量が非常に違いまして、たとえば工場があったものがなくなるとか、進駐軍の所在していた所が、進駐軍がいなくなったとかというような事情によりまして廃止をして今お話のように、三種踏切に直した所もございますが、逆に交通量がふえまして、今まで人のついておらない踏切に人をつけてやっているのもございます。交通量によって変えておりますので、だんだん減らしていくということにはなっておりません。
  61. 鈴木壽

    鈴木壽君 それから、私の狭い見聞からですが、道路幅と踏切の幅がどうもうまくない。これをはっきり申しますと、踏切の幅が狭い。戦後、道路が相当改良せられたにもかかわらず、依然として踏切の付近というものが従来通りだ。こういう問題もあって、これがまた一つの混雑といいますか、従ってまた、場合によっては事故の発生の一要因にもなりかわないという所があります。こういう点については、国鉄もやはり道路局の方ともいろいろ協議してやられるべきでしょうが、そういうことについて現在やってこられました、あるいはこれからおやりになろうとする点、これは一つ双方からお聞かせを願いたいと思います。
  62. 柴田元良

    説明員(柴田元良君) 踏切の幅が道路の幅と違いますケースは、踏切の方が狭い場合、それから踏切の方が広いという場合もございますけれども、今先生のお話は、踏切の幅が狭い場合だと思うのでありますが、この問題につきましては、しばしば道路側、道路の管理者と、計画の当初におきまして、道路の幅を広げます場合は、踏切の幅も同時に広げてもらいたい、こういう協議を原則とするわけでございます。この場合の費用は、あくまでも原因者負担と申しますか、道路幅の拡張に伴いまして踏切を広げる、こういう考え方で国鉄は従来参っております。そういう協議が必ずしも円満にいかなかった多くの例がございます。結果として、今日では、道路幅が広くて踏切が狭い、こういう個所がかなり全国にございます。この問題につきましては、できるだけ道路の管理者側と重ねて協議をいたしまして、できるだけ費用の負担をお願いをしておりますけれども、なかなか地方の道路におきましては思うように参りません。やむを得ない場合は、二分の一負担をしていただき、さらにどうにもならない場合は、国鉄が負担をいたして幅を合わせる、こういうふうな指導をいたして、今日解決するように努力いたしておるわけでございます。
  63. 青木義雄

    説明員(青木義雄君) ただいま国鉄側の方から御説明がありました通りでございまして、現在直轄の工事につきましては、原因者の方、たとえば道路改良でもって起きました場合には、踏切の拡張に伴うのを建設省で負担をいたしまして、拡幅をしておるわけでございます。ただ、従来から狭くて道路改良が行なわれておらぬという場合に拡張する必要があるという場合には、それぞれ両者が半分ずつ持ち合うという建前にしております。ところが、国道でございますとか、あるいは主要地方道とかいう場合につきましては、この方針でやっておりますけれども、たとえば、市町村道といったようないなかの道になりますと、市町村の財政負担の限度というような点から、なかなかこの原則通りにいきかねるという場合があるわけでございます。その点  で国鉄側に御迷惑をかけているといった例があるわけでございます。私どもといたしましては、なるべくこの原則によってやるように指導をいたしたい、こういうふうに考えております。
  64. 鈴木壽

    鈴木壽君 最後にお聞きしたいのですが、これは、きょうは国鉄、建設省の方にお聞きしたのですが、踏切の問題は、私鉄の方にも相当の数があって、しかもまた、事故も相当起こっておる状況なんですが、きょうあまり時間もございませんから、私鉄関係のことはあまり聞いておられませんが、国鉄、私鉄を問わず、こういう踏切における事故発生の現状から考えて、やはり事故を防止するために、いわゆる保安施設といいますか、安全施設といいますか、そういうものの何か基準というものをやはりはっきり示して、これはもちろん、いろいろ条件もございましょう。交通量とか、いろいろあるでございましょう。まあそういうものの全体的な資料をもとにして、何か基準というものを示す、場合によっては、私は何かこの設置の基準法案みたいなものも考えられておるやに聞いておりますが、そういうものについてどうでしょう。もしそういうふうな方向考えられ、現在法案の準備中だというようなことでもありましたら、一つお聞かせ願いたいと思います。
  65. 能見武三郎

    説明員能見武三郎君) ただいま運輸省といたしまして、旧来からの建設規定でございますね。特に私鉄関係におきましては、建設規定を改訂すべく現在検討中でございます。国鉄におきましても、同じく建設規定改正検討中でございます。
  66. 鈴木壽

    鈴木壽君 やはりその規定をはっきりさして、事情に合う、あるいは将来を見通しての、そういうふうなはっきりした法規的な根拠を与えるということで作業中なのでございますね。
  67. 能見武三郎

    説明員能見武三郎君) 御趣旨の通りでございます。
  68. 鈴木壽

    鈴木壽君 従来何かそういうふうな設置基準について、国鉄あるいは私鉄等に、それぞれ運輸省あるいは監督局長の名前で通達のようなものが出たということも、私詳しい内容は見ておりませんが、ただそういう通達程度のものだけで一体実効が上がるかというと、なかなか上がらぬというような声も聞いておりますから、一つそういうふうな、今お話しのような方向にはっきり踏み切っていただいて、交通の安全なり、あるいはまた円滑化を期すということで、一つぜひおやりになっていただきたいと思うわけです。私ども今、御承知のように、道路交通法をいろいろ審議しておりますけれども、やはりそういう交通の安全なりあるいは円滑化を確保する前提になるものが現在のように不完全といいますか、要件があまりよくないというようなことこなりますと、いろいろ法規的な取り締まり的なこと、あるいは守るべき規定というものが幾ら作られましても、完全な効果を上げることはなかなかむずかしいと思うわけなんで、そういう観点から、実は皆さんからいろいろ現状なりあるいは将来の対策等の見通しについてお伺いしたわけなのでございますが、最後に、要望というようなことになると思いますけれども、今後そういう点について十分関係省庁との間に緊密な連絡打ち合わせを遂げられまして、こういう新しい法律ができると同時に、少なくとも現在よりは一歩前進できる、そういう条件を整えていくのだということで、ぜひやっていただきたいと思うわけなのでございます。道路問題等にしましても、幅員等の問題にしましても、いろいろ今の新しい法案にきめられたことをきちんとやるとすれば、なかなかどうも守りきれない、守ることが大へんだというようなことにもなりかねないところが出てくるわけなのでございますから、そういう面で、一つ皆さんの方で十分今後の対策については強くやっていただきたいものだと思います。いずれ審議の途中で、大臣等にも来ていただいて、いろいろお尋ねもし、また所見も承りたいと思いますが、最後にそういうことを要望申し上げまして質問を終わります。
  69. 白井勇

    ○白井勇君 あまり私勉強しておりませんし、前回も委員会にも出ておりませんので、前にお話が出ましたことがあれば、速記録でもお示し願いまして、私勉強したいと思います。  お尋ねしたい一点は、今度要点としまして、歩行者の通行に関する規定整備をしたということがあるわけですね。これは、交通取り締まり上は、どこまでも車を運転する者が十分注意をされることについてはよくわかりますが、その方面に対する取り締まりということはあたりまえのことだと思いますけれども、一方その相手方というものは非常に多いわけですね、歩行者というものは。それがどうも、今までの私の感じからしますと、運転をする者に対しては非常に苛酷な取り締まりというものがあるけれども、一方相手方に対しましては、交通規則そのものも知らぬ、十分な認識を与えてないじゃないかというような感じを非常に受けるのですが、一体今までの取り締まり規則と今度の整備をしたという考え方と、どういう点が違っておりますか。
  70. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 今度の法案では、歩行者保護の徹底を相当整備いたしまして、新しい規定もだいぶ入れておりまして、具体的には、もし御要求があれば申し上げます。
  71. 白井勇

    ○白井勇君 ですから、そういうことを私は聞いておる。
  72. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 歩行者保護の点では、たとえば、七十一条の「運転者の遵守事項」のところで、歩行者が横断歩道を通行しておる、これは、交差点でなくても、およそ横断歩道を通っているときは、必ず車両は一時停止または徐行して、歩行者の通行を妨げないようにしなければない、こういう規定を入れた。それからまた、十七条の第二項で、車両が、一般的にいいますと自動車が、やむを得ない場合に、道路外の施設に出入していく場合があります。その場合に、歩道を横断しなければならないことになっているわけです。その横断しなければならない場合に、歩道の手前で、いわゆる危害防止あるいは歩行者の通行を防げないために、一時停止して、歩行者の通行を妨げないようにするとか、こういうふうないろいろのことを入れましたし、また法第四十八条で、歩道と車道の区別のない道路にありましては、自動車が駐車いたす場合に、道路の左側から中央寄りに半メーター余地を残して駐車しなければならない。すなわち、対面交通で向こうから通行してくる歩行者の通行のための余地を残す。こういう類の歩行者の保護の規定を入れたわけであります。その他随所に出てきておりますけれども、これらは、私たち立案の過程におきましては、何せ車両と歩行者が相対した場合に、どうしても歩行者の方が被害者になる場合が多く、歩行者が弱いという立場から、こういう歩行者の保護の徹底を所々方々に整理いたしましたが、それと同時に、歩行者に対する周知徹底ということは、いろんな点においてやはり力を入れなければいけないと思いますので、これらに関しましては、この法案が施行されます場合はもちろんのこと、現行におきましても、歩行者が歩行する場合に、交通法規を守ってもらいたいということについて、いろいろ安全教育なりその他の面について関係省とも協力しまして、いろいろ実施をいたしております。ことに春季あるいは秋季の全国一斉交通安全旬間の場合には、こういう歩行者の交通法規を守るということにもたびたび重点を置いて指導をいたしております。そういう意味で、歩行者の方における面についても、十分にいろいろ行政指導でやっていかなければならないかと思います。
  73. 白井勇

    ○白井勇君 歩行者に対する制限といいますか、歩行者が守らなければならないということは、どういうことですか。
  74. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) たとえば、第二章に、歩行者の通行方法というものがございます。これは、従来この章というものが独立してあるわけではありませんので、今回の法案で、歩行者の通行方法というものを独立の章として設けまして、ここに第十条で、「歩行者は、歩道と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。」いわゆる右側通行、現行法の通行方法の原則をそのまま踏襲しております。しかし、「歩行者は、歩道と車道の区別のある道路においては、」もちろん歩道を通行しなければなりませんけれども、例外をはっきり第十条の第二項に設けまして、「車道を横断するとき。」あるいは「道路工事等のため歩道を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。」ということで、その例外の場合を明文で現行法よりも若干正確にいたしました。  それから第十一条では、単独の歩行者ではございませんけれども、行列などの点におきまして通行区分をここで明らかにいたしました。これは、現行法にもありますけれども、およそ現行法と同じように、行列についての通行方法をここにうたいました。  さらに十二条で、歩行者が道路を横断しようとする場合、十二条第二項が関係が深いと思いますが、道路を横断する場合には、横断歩道がある場所の付近においては、もちろん横断歩道のある所そのものはもちろんのことでありますが、横断歩道のある場所の付近においては、その横断歩道によって横断しなければならない、こういうことをうたいました。これは、もちろん現行法にもございます。さらに、同じ条文の第三項で、「歩行者は、斜めに道路を横断してはならない。」こういう規定がございます。これも現行法にございます。  それから十三条で、歩行者は、車などの直前直後で道路を横断してはならない。これは、歩行者が原因になって交通事故を起こしている場合に一番多い事例でありますけれども、自動車の直前直後で道路を横断する、これは非常にあぶないのであります。こういうことはいわゆる禁止をいたす。これも現行通りであります。それから、もちろんこれにはただし書きがありますが第十三条の第二項では、新しい規定といたしまして、公安委員会が、それぞれの道路におきます状況に応じまして、その道路の危険を防止したり、あるいは交通の安全や円滑をはかるために必要な場合には、ある区間を指定いたしまして、その区間に限っては、歩行者は道路を横断してはならない、こういう規定をうたいました。  それから第十四条では、主として目の見えない者、あるいは児童、こういう者に対する保護規定を、保護規定といいますか、交通事故を起こさないようにする規定をうたいました。十四条の第…項で、現行施行令の六十八条みたいな規定がありますけれども、この規定に若干加えましたのは、「交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。」この「踏切若しくはその附近の道路」というのを、現行法よりも広げまして新らしい場所としてうたいました。  それから第十五条で、これは歩行者の通行方法に対する新らしい規定であります。現行法にはございませんが、この第二章に、今申し上げましたような、それぞれの歩行者の正規の通行方法をうたっておりますけれども、この正規の通行方法で、第十一条を除きまして、第十一条は、この行列の通行区分というものがございますが、その区分に違反した場合には、その指揮者に対して罰則がかかりますけれども、それ以外の、十条なり十二条なり十三条なりの大体の歩行者の通行方法につきまして、歩行者が通行方法に違反をした場合に、直ちに罰則はかけませんで、一応歩行者の順法精神といいますか、良識に待ちまして、罰則はかけない。しかし、その歩行者があえて通行方法に違反する、あるいは左側通行をするとか、あるいは斜め横断をするとか、横断禁止場所をあえて横断するという場合に、十五条で、その現場の警察官が、違反通行をしておりますところの歩行者に対しまして、正規の通行方法によるように指示をいたすことになっております。その指示に違反をした場合には、罰則がかかるようにいたしております。一応この第二章で歩行者に対する通行方法の合理的な規制をなしたい、こういうふうに考えております。
  75. 白井勇

    ○白井勇君 それは今度多少、現行法から見ますれば、取り締まりの範囲も広くなったといいますか、多少整備したと思いますが、現行法そのものが、今においても一般の人にはよくわかっていないわけですね。それはどういうことをやってわからせるのか。今度整備をして、変えたものではこれはあるわけなんですけれども、これは、どういうふうにこれから指導していらっしゃいますか。今の法律取り締まり規則というものを徹底することについて、あなたの方ではどういうこと、あるいはほかの省はどういうことをやっていらっしゃいますか。今後、新しい法律ですけれども、それについて……。
  76. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 現行法につきましては、過去何回も、内閣に設置されておりますところの交通事故防止対策本部におきまして、道路交通の道徳といいますか、あるいは順法精神といいますか、それらの安全教育その他につきまして、たとえば、対策本部に出席しておりますところの文部省などにもお願いをしましていろいろ安全教育の協力をお願いしております。  また、第一線におきまして、交通安全協会がございます。また地方の警察署単位にも、安全協会なりあるいは民警懇談会なり、諸種の地域団体がございます。それらにお願いをしまして学校その他とも十分に連絡をいたしまして、できる限り、歩行者の守るべき方法、あるいは知識というものについて周知徹底をいたしまして、今度の改正法案におきましては、この審議の過程におきましてもいろいろ論議されますそれが新聞に載り、さらにマスコミの関係で、いろいろその点でだんだんと法案内容が知られていくと思いますが、さらに、この法案国会を通過しましてから約半年近い以内におきまして——いろいろ準備期間がございますが、半年以内に法律が施行になりますが、その半年以内の間におきまして十分に周知徹底の方法考えたい。たとえば、歩行者に対しましては、学校などに対しまして歩行者向きのガイド・ブックといいますか、歩行者向きのいわゆるダイジェスト的な、あるいは漫画を入れて、おもしろおかしく、しかもわかるような方法で、十分にこうしてこの周知徹底をはかって参りたい、こういうふうに考えております。
  77. 白井勇

    ○白井勇君 それでは、その現行法の歩行安全地帯であるとか、横断歩道を歩かなければならない、こういうことを一体生まれてから、いつどこでどういうふうに教えられますか、現行法で。これからは別ですよ。生まれてから、いつの段階においてどういう方法で教えられておりますか。
  78. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 私たちも、たとえば教科書の関係で、いろいろな図書出版会社の出しております各種の教科書の内容検討いたしまして、たとえば、小学校の義務教育の面における教科書なども相当集めて検討いたしましたが、大体小学校の社会科におきまして、道路交通の基本的なルールといいますか、こういうものには若干触れております。従いまして、先生によってはその面を教える。また、その他の場合にも教えておるのではないかと思いますが、しかし、われわれから言いますと、若干この現在の小学校なりあるいは中学校なりの教科内容につきまして、非常に近代の社会生活に関係の深いこの道路交通に関する教科内容というものが、まだまだ内容が少ない。社会科だけでなしに、あるいは国語なり、あるいは場合によっては数学なり、その他いろいろなセクションの科目におきましても教え得る内容があるのではないかと思います。それらにつきましては、ごく最近、内閣の事故防止対策本部におきましては、私たちが具体的に事例をあげまして、また具体的な資料を提出しまして、いろいろ要求いたしております。今後さらに、それらについては、もっと力をいたさなければならぬと思います。従いまして、生まれてからいつどこでどういうように教えるということについて、そう十分ではないと思いますけれども、今申し上げましたように、小学校におきましては、社会科などでは教えておるのではないかというふうに考えます。
  79. 白井勇

    ○白井勇君 私は、運転手を取り締まられますことは非常にいいと思うのですけれども、相手側の歩行者についても、交通道徳というものをもっと根本的に教育過程で詰め込まないでおいて、運転手だけをああのこうのと言うことは非常に間違っておると思う。今あなたの御説明通り、ほとんどそういうことについては、具体的にあなたの方では文部省に交渉したこともない、そういう姿ではないかと私は思うのです。これは、やはりそういう点をよほどまあしっかりやらなければならぬのではないかと私は思うのですが、今度は、この徹底について大いに何か積極的にやられるというお話ですが、これは六カ月以内に発効するわけです。そうしますと、六カ月以内において、どのくらいの予算でどういうことをやってその趣旨を徹底されるのですか。
  80. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) そういう関係の予算といたしまして、来年度予算に四百万程度のいろいろな予算を組んでおりまして、そのほかに地方費もございます。それらにつきましてできるだけ活用しまして、普及徹底をして参りたいと思っております。
  81. 白井勇

    ○白井勇君 それはどういうことですか。
  82. 内海倫

    説明員内海倫君) 具体的な点を申し上げます。  これの普及徹底につきましては、先ほど申しましたような予算の範囲内で諸般の資料を作りまして警察庁から直接一般国民にも渡るようにいたしたいと思いますが、これは部数に限りがありますので、各都道府県警察本部におきまして、さらに都道府県の予算をもちまして、文書をもってする徹底的な広報宣伝をいたしたい、これが第一点でございます。  第二点におきましては、幸い私どもの方は、一応全国的に民間団体をもって組織される安全協会がありますので、この安全協会を通じまして、各一般市民に対する徹底的な広報をいたしたいと思っております。  第三番目に、運転手の皆さん方に対しまして、これもけさほど御説明があったと思いますが、一方におきましては、職場を持っておる方にはその職場を通じて個々の自家用の方につきましては、先ほど申しましたと同じような手段によりまして通知をしていきたい。  それから第四番目には、各警察署、安全協会の地区組織を通じまして、それぞれの単位で、六カ月間の間に、この法令の講習会あるいは普及会というふうなものを実施いたしたいと思っております。  なお、第五番目には、関係官庁との連絡はもとより、特に末端におきましては、各種学校の先生方との連係を密接にいたしまして、教育を通じての宣伝もいたしたい、こういうふうなことを考えております。  なお、現在も、私ども、この次の委員会にはぜひ参考にしていただきたいと思っております交通読本というものを作っております。現行法におきましても、これをかなり広範に配りまして、特にこれは、歩行者あるいはこれから運転免許を受けようとするような人に読んでもらうことを程度にしまして書いたものがございますが、今度は、これらをさらに整備いたしましたガイド・ブックとしての交通読本風なものを多数作成いたしまして、公布いたしたいと思いますし、同町に、この法律自身が、やはり一般の初めて接する人には非常にむずかしいと思いますので、この法律を最もわかりやすく、中学校の初級生徒が理解し得る程度までかみくだいて簡単にしたものを作りまして、正規の私どものガイド・ブックとして作っていきたい。こういうことも六カ月間の間に実施いたしたいと考えております。  ごく簡単でございますが、計画の概要を申し上げた次第であります。
  83. 白井勇

    ○白井勇君 わずか四百万円の金で、六カ月間にはとても私は困難だと思いますが、それはまあそれとしまして、今の取り締まりというものは、やはり現在の日本の交通道路の現状に応じて取り締まっていかなければならぬと思うわけです。前回もどなたか質問していらっしゃったようでありますけれども、車体そのもの制限する必要というものは、あなた方は認めないのですか。特殊の車体は別としまして、普通車の非常に大型のものがございますね。ああいうものを無制限に、道路交通状態を全然考えないで、そこに入れておるという格好は、非常におかしいものだと思うのですが、あれを取り締まるお考えはありませんか。
  84. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 車体の構造と申しますか、大きさ、実に狭い道路に大きい車が入って、ほかのものは動けないというような状況が間々見られるわけでございますが、これにつきましては、ただいま建設省の方で、道路法に基きます車両制限令というものを、これだけの幅のものにはこれだけの幅の車以上は通してはならないというような車両制限令というものを、今せっかく建設省で用意いたしておるわけでございます。これは、運輸省との関係もありまして、あまり厳格にやると、もうバスの通る所がなくなってしまうというような点が、一般の通勤者とか、あるいは営業の実際というものに合わないというような点から、運輸省と話のつかないでおりました面もございますけれども、この間うちから、この法案についての御審議の過程においても、そういうことについて多くの方から非常に強調をされておりますので、われわれとしては、ぜひともそういうものをすみやかに制定してもらいたいと思いまするし、われわれとしては、非常にそれを建設省、運輸省等に強く要望いたしておるわけでございまして、そういうような問題、また運輸省としてもこれに応じて、営業の免許あるいは免許の条件等についてそういう交通の妨害をできるだけ防ぐような営業のやり方というようなものについても配慮を願いたいと思っておるわけでございます。また、警察自体としましても、こういう道路についてはこういう車両は通ってならないというような制限も、もちろん警察自体としてもできるわけでございますが、そういう建設省、運輸省警察庁庁ともに検討いたしまして、できるだげ交通の円滑、安全ということをはかるように努めて参りたいと考えておるわけでございます。
  85. 白井勇

    ○白井勇君 私も、車体のことは一つの例として申し上げたのですけれども、お宅の方じゃ要するに取り締まりをやるわけですから、その取り締まり上から必要があれば、そういう車体制限をやれるような条項というものは、当然これは交通法案にあってしかるべきじゃないかと思うのですが、それからそのほかに、たとえば、私たち東京都内を歩いておりますと、道路修理をやっておりますね、いろいろな関係で。ああいうものは、東京のような場合においては、やはりあの作業というものは夜間を建前とするようなことにして、昼はああいうことはあまりしないようなこともできるのじゃないかと思うのですね。それは、特別な事情があれば、昼でもやらなければならぬと思うのですが、そういうことは、当然この法案の中に、発動し得るような条項というものがなければならぬと思うのですが、そういうものは何にもないのですか、僕は全部読んでいないのですが。
  86. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) ただいまお話の点は、七十七条の一号に、「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」、こういうものは警察署長の許可を受けなければならないということになっておるわけでございます。また、先ほど建設省の方から話がありましたが、一級国道等建設省の直轄事業については、できるだけそういう交通ひんぱんな所は夜間に作業をするということにされているようでございます。これがしかし、必ずしも都道府県なりあるいは市町村なりの施工の際に徹底していないという問題は確かにあるかと思いますが、道路管理者その他の事業者と十分に今後連絡をとって参りたいというふうに考えておるわけであります。それから第八十条におきまして、道路の管理者についての特例といたしまして、許可にかえて警察署長と管理者が協議して作業を行なうということになっております。こういう協議の際にも、そういう点は十分考慮に入れて参りたいというふうに考えております。
  87. 白井勇

    ○白井勇君 こまかい問題ですが、事故の原因で、無免許運転というのが非常に多いようですね。どうしてああいうのは取り締まれないのですか。何か罰則が非常にゆるいわけですか。
  88. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) これは相当取り締まっておりまして、罰則も、現行法では、無謀操縦の中に、最も重い三カ月、五千円以下の罰金ということで、現行法では大体三千円が普通の罰則でありますけれども、五千円ということで、相当重い罰則で、それから今度の改正法案におきましては、無免許運転を新たな独立条文といたしまして、六十四条に無免許運転をしてはならないという独立の条文をうたいまして、これは六カ月、五万円の罰金にいたしております。この罰金は、いわゆる酔っぱらい運転なり、過労運転なり、あるいはスピード違反と並びまして、最も重い交通違反に対する罰の一つであります。これは、相当取り締まりをやっておりますけれども、なかなか実際に違反しているということを全部キャッチできない場合もありますけれども、相当厳重に取り締まっておりますので、数字もあがっております。
  89. 白井勇

    ○白井勇君 金の問題よりも、私考えるのに、いなかなんかへ行くと非常に多いですね。仮の免許を取っても、免許を得られないとか、そういう制限の方が金の八万円とか十万円よりも効果があると思うのですが、一年間免許が取れないとか何とか、そういう制限のやり方、それから、今東京あたりで、免許を与えますときに、ある程度制限するというようなことは、免許を得たいというものが多少制限されていますか。何か行政方針で指導して、多少押えるような格好でやっておるわけですか。免許がなかなか得がたいですね。そこはどうなんですか。
  90. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) 免許を受ける者につきましては、受験資格がありまして、その受験資格に該当しないものは欠格者で、免許を受けられません。これは、現行法でもそうでありますし、また新しい法案でもそうでございます。それから、今度具体的な免許の試験でございますが、これに関しましては、現行法では、それぞれ各県の公安委員会が内規的な一つ基準を作りまして、免許試験に関していろいろやっております。これについて、今度の法案では、全国なるべく一致さした方がいいという関係から、その免許試験に関する必要な事項について一定の基準を作りまして、そうしてその基準によって免許試験の適正化をはかって参りたいというふうに存じます。
  91. 白井勇

    ○白井勇君 それは私はわかりますけれども、一体東京あたりの例を申しましたら、あなた方も御承知でしょうけれども、まあ武蔵小金井ですか、何回も足を運ばなければできないわけです。ところが、実際問題としては、みな教習所というものがあって、そこにも警視庁というものが連係をとって、ある程度まかしていく。あれをもうちょっと運用するとすれば、三度行かなければならぬところも二度であがるかもしれぬ。ああいうところをもうちょっと合理化すれば、受けるものとしましては、もっと簡単に取れるような格好になるのじゃなかろうかと思いますが、これはまあ私のそういう思いつきです。  この際、私はちょっと資料を注文しておきたいのですが、先ほどちょっとお聞きしましたことに関連しますが、一般の人に対する交通道徳といいますか、いわゆるお宅の取り締まり規則、これについて何か教育課程に載せられておりまする実例、小学校には、社会科にこういうものを取り上げているというようなものをちょっとお調べ願いたい、これが一つです。  それから、今度用語なんかみな整備したわけですね。それの前のと今のと、対照表みたいなものはできないのですか。  それから改正の要点、それの新旧別はありませんか。何も法案ということじゃないのですが、変わった点がありますね。そういう新旧が一目でわかるようなものはできませんか。できましたら、それだけお願い申し上げます。
  92. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 以上をもちまして、本案に対する総括的な質疑は大体終了いたしましたので、次回から章を追って、各章別の審議に入りたいと思います。  次会は、三月十五日午前十時から開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時十五分散会