運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-03-10 第34回国会 参議院 地方行政、運輸委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月十日(木曜日)    午前十時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。   地方行政委員    委員長     新谷寅三郎君    理事            西郷吉之助君            鍋島 直紹君            鈴木  壽君    委員            白井  勇君            湯澤三千男君            占部 秀男君            木下 友敬君   運輸委員    委員長     平島 敏夫君    理事            天埜 良吉君            江藤  智君            村上 春藏君            小酒井義男君    委員            佐野  廣君            重宗 雄三君            鳥畠徳次郎君            三木與吉郎君            村松 久義君            大倉 精一君            中村 順造君            白木義一郎君   国務大臣    運 輸 大 臣 楢橋  渡君    国 務 大 臣 石原幹市郎君   政府委員    警察庁長官   柏村 信雄君    警察庁長官官房    長       原田  章君    警察庁刑事局長 中川 董治君    警察庁保安局長 木村 行藏君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君    建設省計画局長 關盛 吉雄君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    警察庁保安局交    通課長     内海  倫君    建設省道路局次    長       前田 光嘉君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○道路交通法案内閣提出)   —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから、昨日に引き続き地方行政運輸委員会連合審査会を開会いたします。  道路交通法案を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 小酒井義男

    小酒井義男君 警察庁長官にお尋ねしますが、これだけの法律がいよいよ施行されるようになると、突然これだけのものを……、これによると六カ月以内ということになっているのですが、六カ月以内に、はたして自動車運転者なり全体に対して周知徹底をさせるということには私は非常に無理があるんじゃないかという気がするのです。その六カ月以内に、もしこれが成立をして実行する場合、どれだけの、どういう方法でこれを徹底させるようなことをお考えになっておるのか、それを一つお尋ねしたい。
  4. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 本法案は確かに全面改正でございまして、非常に条章も多くなっておるわけでございますが、その基本は、やはり現行道路交通取締法施行令基礎にしておるわけでございます。従いまして、昨日も申し上げましたように、この改正趣旨要点、そういう点につきまして、本国会審議の過程を通じても相当周知されることに相なろうかと思いますが、なお、六カ月近い準備期間をもちまして、できるだけその向き向きにふさわしいガイド・ブック式なものを作り、徹底をはかって参りたいというふうに考えておるわけでございまして、まずまず半年近くの準備期間があれば十分に趣旨要点というものが徹底して参るようにわれわれとしては考えておるわけでございます。またそういう関係向き向きにおきましては、やはり相当関心をもって勉強もしていただけることと思いまするし、またしていただかなければならぬわけであります。それに応じてわれわれの方といたしましても、できるだけ徹底するような方策を考えて参ろうと考えておるような次第でございます。
  5. 小酒井義男

    小酒井義男君 たとえば、都市の一応規模の大きい会社などではそういう点が非常に私はやりいいと思うのです。ところが地方へいって、まあ自家用車などの運転をしておるところへいくと、相当何といいますか、便利の悪いところに運転する人が多いわけです。そういうところに徹底させるということは、私はなかなか困難じゃないかと思うのです。国会審議をされておるから、あるいは関心を持っておるからということだけに期待をかけておるということは非常に危険じゃないかと思うのですが、もう積極的な方法を何か考えるべきじゃないかと思うのです。そういう点はどうでしょうか。
  6. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 警察の組織といたしましても、この問題につきましては、都道府県、さらにその前線であります署単位啓豪運動を展開いたしたいと思いまするし、警察署の係官による啓蒙のみならず、大体署単位交通安全協会というものができておりますので、そういう民間の協会等を活用といいますか、御協力を願って、そうして関係業者あるいは関係者について趣旨徹底するように組織的に運動を展開して参りたい、こう考えておるわけであります。
  7. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから自動車運転者だけでなしに、当然これは事業者も、一般通行人であるとかあるいは自転車に乗る人なども、やはり全体的にこれは周知をさせることが必要だと思うのです。日本の場合はそういう点が非常に従来欠けておった。速度のおそい車が左側を行くような訓練がされておればいいのですが、所によると自転車道路のまん中を走っておるようなことを往々に見受ける。そういう点に対する教育といいますか、訓練といいますか、そういう点が従来非常に欠けておったように思うのです。そういうこともやはり行なえるような状態にならぬと、この法律運転手違反だけを追及していくということは少し片寄った扱いになるのじゃないかということが考えられると思うのです。そういう点についてはどういうふうにお考えになっておるか。
  8. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 確かにただいまお話の点は最も重要な点であろうと思います。今度の法案におきましても通行区分帯を設けるとか、また設けない場合におきましても、原則的に、ただいまお話のような速度の早いものを右から順次に通行するというような点につきまして規定をいたしておるわけでございますが、そういうことの趣旨徹底、これは自動車のみならずあらゆる交通機関また歩行者等につきましてもあるいは自転車に乗る者につきましても、そういう趣旨徹底ということがはかられ、いわゆる交通道徳が守られるということが基礎になると思いますので、ただいま御指摘のような点については特に力を入れて啓蒙宣伝ということをはかって参り、一般協力が心から得られるように進んで参りたい、このように考えておる次第でございます。
  9. 木村行藏

    政府委員木村行藏君) ただいま長官からのお答えで十分かと思いますが、念のため補足してお答え申し上げたいと思います。特に自転車歩行者に関する周知徹底というのが事実上なかなかむずかしい面がありますので、非常に工夫しておりますが、第一におきまして、学校警察との連絡会がほとんど全国的に相当できております。それを活用いたしたいと思いますし、また昨日も私文部次官のところへ参りまして、法案の大体のことを説明いたし、今後学校教育なりあるいは学校側に対しましていろいろ文部省に協力していただくことがたくさんある、ぜひお願いしたいということで、原則的にお願い申し上げてきたのであります。御協力の快諾を得た、そういう意味自転車歩行者に対しまする面におきましても十分努力いたしたいと思います。
  10. 小酒井義男

    小酒井義男君 日本の場合は、道路が非常に狭くて、きのうからの質疑を聞いておっても総理府に交通事故防止対策本部というものを設けていろいろ検討しておるという話ですが、まだ検討中であって、これが実際に具体的に進行しておるというところまでいっておらないと思うのです。そういう条件の中で、交通事故防止をするということで当面何をやろうかということが問題になって、この法律整備をされて出てきた、こういうことに私はなると思うのですが、この客観的な諸条件が、まだ非常に立ちおくれておるときに、運転手責任だけにその解決を求めようとされておるという印象を与えておると思うのです。そういうところに無理があるのじゃ——ないかと思うのですが、そういう点は公安委員長にお聞きした方がいいかと思うのですが、そういう点は考慮されて、現在の諸条件の中でこれは妥当なものだとお考えになっておるかどうか、お答えを願いたい。
  11. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) これは昨日も私申し上げましたように、やはり道路交通運輸に関するやはり総合施策というものと並行してこれはやっていかなければならない問題だと思います。しかしその方の面も道路では道路整備五カ年計画、あるいは運輸の方ではそれぞれ計画をもっていろいろなことを並行してやっておられるわけです。ところがこの交通輸送のこの状態もこのままでは放置できないので、二十二年ごろにできた法律を今日のワクに当てはめてやっていこうということはやはり困難な情勢であります。これはこれでやはりやっていかなければならぬことも当然だろうと思います。しかし足らざる点はもっと緊密に連絡をして、総合施策の実を上げていくようにしなければならぬために、今後もいろいろの新しい構想をもって対処したいということを昨日も私からも申し上げておるわけであります。そういう意味で御了解を願いたいと思います。
  12. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、歩行者の場合ですが、対面交通歩行者右側ということになってからも、相当期間が過ぎておるのですね。ところがこれは東京の都内においても、私ども出かけていって体験をすることですが、右側を行こうとするとなかなか歩けない、相変わらず左側をどんどん来るのですね、こういう問題が長い間かかっておっても、しかも東京都においてさえもそれが実行されておらぬというのが日本現状なんですね。従来、これは左側通行をやっていた長い慣例もありますから、これが直らないで今度の法律を短期間徹底させようということが言われておるのですが、この歩行者の例などを見ても私はなかなか困難じゃないか。むしろ歩行者などの問題が根本的に解決されるようなことがもっと積極的にやられるべきじゃなかったかと思う。この右側通行というやり方は、この現状においては実効は上がっておらぬ。このままで放任をするのか、それをさらに徹底させるようなことを考えておるのか。むしろ、そうでなしに、従来の慣例からいって左側の方がいいのだから左側通行に変えるか、そういうことについて御検討されておるかどうか。
  13. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 歩行者右側通行の問題は、確かにお話のようにいまだ徹底していない面はあると思うのであります。ただ、右側通行を定めました当初、世界の各国におきましても対面交通ということは、これはどうしても必要である、これは趨勢から言ってそうであって、また実際にそういうふうに行なわれている国が多いわけでございます。ところが、従来、日本人は左側通行をやっておった。それで対面交通にした場合に、人間左側にして車を右にするかという問題があったわけでございますけれども、車を右にするということになりますると、いろいろな信号機であるとかあるいはパスであるとか、すべての機械装置というようなものについて非常に莫大な経費が伴うということで、従来通り車両等は左、人間は右ということにして対面交通の制度を定めたわけでございますが、その後、確かに不徹底な面はございますけれども、小学校中学校等においては相当にこの面の指導がされておるわけでございまして、若い世代におきましては右側通行ということがかなり徹底をしてきております。先般、内閣におきまして世論調査をされた際におきましても、右側通行によるという者はやっぱり大多数でございまして、そういう点から現在におきましても相当右側通行ということが進んできておるということは言えると思うのです。しかし、確かに不徹底な面がございますので、今度の改正を機会にいたしまして、この面につきましては推進をはかってやっていきたいと思っておる次第でございます。今から左側にまた戻すというような考え方、これは研究もいたしましたが、そういうことはやはり今までずっと徐々にではございますが右側通行に転換しつつある。世論調査等についても、そういうことがはっきりするわけでございますので、その方をやはり推進をして、できるだけ早く正規な通行によるように持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  14. 小酒井義男

    小酒井義男君 運輸大臣は時間の関係があるそうですからお尋ねしますが、今度法改正によりまして定員あるいは貨物積載量超過した場合の処罰が、罰金刑を科されることになるわけでありますが、貨物の場合ですと、これは事業者責任で無理に積ませる場合がある、あるいは運転手自身が承知の上で積む場合もあるでしょうし、砂利トラックなどの例を見ると、ある程度のこういう方法考えられないことはないと思うのです。ところがこれをバスの場合に置きかえてみると、たとえばラッシュ・タイムであるとか、地方の回数の非常に少ないハス路線などにおいて、それに乗らないと出勤におくれるとか、あるいは列車の時間に間に合わぬとかというような路線が私はあるのじゃないかということが考えられるのです。そういう場合に、それでは定員だけ乗せてあとは、定員外の乗客は断わるように車両をふやせばいいじゃないか、まあ取り締まりの側からいえばそういうことが言えるでしょうが、実際の今日の交通事情、あるいは自動車事業経済的な実態などから考える場合、あるいは、そういうことをやることによって、現在の運賃ではとても経営が不能になる、車両をふやす経費がかさんでいくから、運賃の面に今度はそのしわ寄せが来るというような、こういう各方面に波及をしてくる問題があると思うのです。定員を厳格に守ろうとする場合に、人間の場合ですと、制止してもう乗るのはやめてくれ、定員だからやめてくれと言って車掌なり運転手なりが確認をして出発をしないと、超過しておるということになると、厳格にいくと、これはもう罰金なんですね。そういうことで押し問答をしておったのじゃ、都市の場合でしたらあとから来る車がたまってしまうという心配もあるし、あるいは時間的にも無理ができて運転の面に今度は無理ができてくるというような面が出てくるのじゃないかと思うのです。そういう点が少し、実際これを厳格に守っていこうとすると無理な点が出るんじゃないかと思うのですが、自動車行政を直接監督されておる運輸大臣立場として、こういうことで実際実行が可能かどうか、どういうふうにお考えになっておるか、お尋ねしたいのです。
  15. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今御指摘のありました点は、ごもっともな点があるのでありまして、やっぱり一定定員だけで、あとを乗せないということは、今おっしゃいましたような実際上の場合に遭遇しまして、定員を越して乗せた場合に、厳密にいって、定員を越しているから法的違反になる、これは私は、定員の常識的な一つの見解からいえば、安全ということをむしろ基準において考えるべきであって、そういう場合には、やはりあまり法的な厳格性ということよりも、現実に面した面で法的運用をむしろ拡張解釈といってはなんですが弾力性のあることをやっていく方がいいんじゃないか。法というものは、これはやはり社会の幸福、安寧のためにあるのですから、その法それ自体が、守ることによってかえって実情に即しない事態が起こった場合において、その法に限局することは、かえって法の精神を私は滅却するというような理論の論文を書いたことがあるのですが、少なくとも、そういう点において、法は一定の固定した立場をとりまするけれども、実際に適用すべきものは流動しておるのだから、その流動する現実について、これをどう安全的な観点からコントロールするかということを考えたらいいのじゃないかということを考えますが、私もまだ条文等を見ておりませんけれども、法の運用はそういうことでやったらいいんじゃないかと思うのでありまして、特にバスのごとき、たとえば定員以外一切乗せないということも、実際今の日本経済的事情あるいはその持っておる路線性格等からいってもどうかと思うので、そういう点は私は、ある点まで弾力性を持って考えたらいいんじゃないか。また、前段におっしゃいました貨物積載量超過のような場合においての処罰対象運転手に課せられるという場合ですね、多くこれは、私の考えでは、むしろ事業主がよけいに積ませるということが実際的な姿じゃないかと思うので、そういう点も運転手がはたして責任をとって、そういう場合に処罰対象となるところの妥当性といいますか、そういうことももっと実際は掘り下げてみなければならぬと思うのですが、これは自動車局長から。
  16. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) バス等定員につきましては、自動車乗車定員は、道路運送車両法の第四十二条に基づきまして、道路運送車両の保、安基準という省令の中できめておりまして自動車検査証定員を記載することになっておりますが、これが今度の法案の五十七条と関係を持ってくるわけでございますが、今、大臣からもお話がございましたけれども、路線バスにおきましては、戦後、車両増備等相当行なわれましたが、朝夕のラッシュアワー等におきましては、まだまだ混雑をしております状況が見受けられます。で、運輸省としましては、バスについては車両検査をいたします場合に、満員状態におきましても安全に運行できるように考え、さらに、保安基準の面におきましても、車両の構造とか機能等の点につきましても、十分その満員状態に耐えるような保安基準を定めておるのでございますが、乗車定員につきましては、一般成人の正常な体位を基準として現在指定しておりますが、先ほど大臣からもお話のありましたように、現在の状況におきましては、いまだ日本経済実情等考えなければなりませんし、現在の定員自動車検査証に記載してある定員をそのまま守らせるということは、まだ、そういう段階までは来ておらない。しかし、われわれとしては、一日も早く事業が改善されましてその方向にいくことがいいと思っておりますが、自動車検査証に記載しております定員、すなわち、乗車定員と申しておりますのと、安全度を考慮した定員というものがあり得るのではないかと、現在の状態においては考えておるわけであります。
  17. 小酒井義男

    小酒井義男君 自治庁長官、今のような——私は、貨物の場合とハイヤー、タクシーの場合と、バスの場合とは違うと思うのです。これを積載超過といって一律に規定することに非常に無理があるのじゃないか、私はそういうふうに思っておるのです。電車でも、国鉄の車両、客車でも、これは定員があるわけですね。そういう場合の超過、これも完全に超過しております。こういう場合の問題とこれとの関連をどうお考えになっておきめになっておるか、お尋ねしたい。
  18. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) この定員の問題は、現行法にもあるのでありますが、それで、今おっしゃいましたように、貨物と人の場合とはやはり若干違うと思います。貨物については、これはもう危険ということから厳重な制限でありまするが、人員の場合は、ちょっと言い方がどうかと思うのでありまするが、サービス的な定員のきめ方を若干考慮に入れてしておるものでありまするから、危険とか安全ということから考えれば、ある程度の余裕は、これはもう、もちろんあると考えられるので、そこで、取り締まり実態にあたりましても、画一的には考えていないので、今おっしゃいましたような点については、十分なゆとりを持った考え方でやっておると思うのであります。しかし、まあ理想からいえば、今言われたような地域においても、できるだけ、そういうラッシュ・アワーなどには、もう少し車をたくさん出してもらうように、なるべくこれを守るようにしていただきたいと思うのでありますが、取り締まりについては画一的な考えではやってない、こういうことを申し上げたのであります。
  19. 小酒井義男

    小酒井義男君 私も定員以上にすべてのものが乗せられるということは、やはり好ましい状態ではないと思っておりますが、現状ではやはりそれは少し無理な点がある。長官がおっしゃっておるように、車をもっと増発するようにということにするには、やはり道路条件もよくならなければ、混雑を一そう刺激することにもなるのですから、それはやはり総合的に判断しないと、車の面だけでは私は解決のつく問題じゃないと思います。ある程度幅を持たしたということですが、しかし、末端において法律にこういうふうに明記してあれば、そういう点について従来もあったですが、従来と違うのですね、今度は。従来は罰金というようなことはなかったですね。
  20. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) あります。
  21. 小酒井義男

    小酒井義男君 ありましたか。しかし、この点は私はやはり非常に問題点だと思うのです。まあ運輸大臣なり運輸省の意見なり、今の自治庁側答弁なりは、私ども地方行政委員会において十分これは今後の法案審議に一つ取り入れていただきたいことを、私は地方行政委の皆さんにお願いを申し上げておきたいと思います。
  22. 大倉精一

    大倉精一君 今の小酒井君の質問に対して運輸大臣は、まあ法律というのはうまく運用すればいいのだ、こういうような御答弁があったように思います。もちろん私も法というものは適用すべきもの、運用すべきものだと思っておる。しかし、その言葉の裏の中に私は不安なものがある。それは法を厳密に適用したら大へんなことになって、たとえば車馬通行禁止と書いてあっても、車と馬だけいけなくて、牛ならいいかということになるが、これは牛もトラも象もいかぬということになる。そういう程度の運用ならいいのですが、今のように初めから実行されないような法律を作って、そうしてこれは仕方がないのだというような、これはどうも精神的に私はおもしろくないですね。たとえば今小酒井君の御質問の中に、確かに第五十五条だったと思うのですよ。五十五条には、「当該車両乗車のために設備された場所以外の場所乗車させ、」てはならない。ですから乗車のために設備した場所というなら、ちゃんとバスであり電車であり汽車であるならば、椅子があり、腰かけられることなのです。それが乗車のための設備だと思うのです。だから運賃というものは腰かけて幾らと、こうなるわけです。ところがそういうような法の運用でありますから、電車によっては立つ場所をたくさんにして、腰かけるところは少ししかない、こういう電車もたくさんある。これは現状ではやむを得ないと思いますが、そういうようなやむを得ないというものに隠れて根本的な施策を怠っておる、みずからそれをサボる。自己満足をする、そういう言いわけで、そういうところに私は非常に危険なものがあるのではないかと思うのです。ですから、今定員増というのは籍口であって横浜のああいうような問題が起こってみたり、大へんな問題が起こる。まあ映画館へ行ったって定員を守っているところはない、混雑するときは。そういう精神的な問題について私は非常に問題だと思う。運用はけっこうですけれども、交通運輸に関する問題について、そういう運用という問題について、自己を何といいますか欺瞞をする、こういうことは非常に危険だと思うのですが、お考えをお伺いしたい。
  23. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今大倉委員のおっしゃいますことは、私が今言ったのは法をルーズにしろという意見ではありません。たとえば今、小酒井さんが例に引かれましたように、バスに三十人なら三十人と制限してあるのに、実際は中が空いていて相当弾力性があるという場合に、あくまでも三十人しか乗せないということをやるよりも、やはり基準はあるけれども、安全性というものを考えて臨機にその場合は考えたらよかろうということを申したのであって、法は厳格に守るということが基本でありますけれども、法を厳格に守って結局裁判官の頭でこずかれてもいかぬから、やはりそこに運用の面の話をしているわけですから、どうぞ御了解願います。
  24. 大倉精一

    大倉精一君 今のことはそういうことのないようにということを申し上げておるだけであって、内容に触れません。  それから運輸大臣にお伺いしたいのですけれども、きのう私は総合政策、総合政策ということを申し上げたのですけれども、これは自動車交通に関する総合政策ですが、そこで時間がないようでありますから、端的に申し上げますというと、道路交通取り締まりの面から三十三年一月に発行されました警察庁警備部警ら交通課の発行にかかるところの。パンフレットがありますが、これに現在の問題点がずっと並べてあって、それに対する対策もずっと書かれておるのですね。がしかし、ほとんどこれはなされていないわけです。きのうも言ったのですが、これは取り締まり罰則が独走するという感じじゃないか、こう言ったのですが、こういう点について運輸大臣として総合的に自治庁なり警察庁なりと連絡し、あるいは督励し、あるいはみずからも監督すべきである、こういうようなことがなければならぬと思うのでありますが、そこでこういうものを勘案されながら運輸大臣として何をやろうとお考えになっておるのか、何をやろうとしておるのか、道路交通政策について。そういうものについて一つお伺いいたします。
  25. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) ただいま大倉さんのおっしゃいましたことはごもっともでありまして、今日の交通上におけるいろいろな惹起しておる諸問題等を考えますと、その管轄しておる役所等がそれぞれ分かれておって、ある場合には、やはり連絡不十分等のことがあって、有機的な体制をもってやっておらないところに、法の実際の動かし方なり、あるいは事実起こってくる現実の事故を防止するというような問題、あるいは交通上の円滑化を欠く、そういうような問題があるので、特に最近の自動車の激増からくる、また道路のこれに伴わない状態からくる事態は、容易ならぬ問題が起こっており、都市交通等においては、われわれが日々経験し、かつまた驚くべき事故を激発しているという状態でありますので、これは急速にやはり今おっしゃいましたような総合的な観点に立って連絡機関をうまく有機的に結合して、その弊害を除去することに努めなければならぬと思うのでありまして、きょうも交通閣僚懇談会において関係大臣とも懇談をしたのでありますが、やはり内閣かどこかに適当なやはりそういう調整をとる一つの何を作りまして、ぜひ各省との間の有機的な体制からくる一つの自動車行政の円滑化をはかるということをやりたいと思うので、きのうも早速内閣審議室にそのことについて自動車局長をしていろいろ成案等について研究させておるような次第でありまして、ぜひおっしゃいました自動車運輸行政の総合的施策をこの機会に立てて、この社会的に起こっている状態を除去したい、こういうように思うのであります。
  26. 大倉精一

    大倉精一君 どうも何をやろうとするのかよくわからないのでありまして、具体的に何をやろうかというものがないように思います。ただ総合的な連絡を強化していく、こういうことだと思うのです。そこでそれもそれでけっこうですけれども、きのうも私は一つ提案として、法律でもって権限を与えた総合的な機関を作ったらどうか、こういうことを申したのですけれども、これに対して大臣のお考えを伺いたいと思います。
  27. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今申し上げたような考え方のもとに、今審議室等においても研究させてみたいと思うのでありまして、その次第等によりましては、今大倉委員のおっしゃいましたような法的な規制をして、一つのここに有機的な体制なり機構を作るということも考えられると思うのでありまして、そういうこともせっかく入れて研究していきたいと思います。
  28. 大倉精一

    大倉精一君 一、二具体的にお伺いするのですけれども、警察庁の方でのアンケートの中に、運輸大臣の所管として事業の適正化、合理化という問題を掲げております。さらにまた運転者の労務管理の適正化、給与制度等の改善というようなことをうたわれているのですけれども、こういう問題について運輸省として具体的にどういう工合にされようとしておるのか、こういう点についてお伺いしたい。
  29. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 自動車運送事業の合理化、適正化の問題等につきましては、これは大問題でありますので、道路運送法の改正等についても考えなければいけないと思っておりますが、来年度運輸省としまして自動車審議会が運輸省設置法で認められる取り運びで現在御審議を願っておるのでありますが、自動車審議会は一年の期限付の審議会でございますが、この審議会にかけまして合理化方策等は結論を出して参りたいと思っております。さらに労務管理の点等におきましては労働省の関係が非常に強いわけでありますが、運輸省といたしましても全般的な事業監督の面から労務管理につきまして監査もいたし、それについて指導等もいたし、通達等もいたしておるわけでありまして、今後それらの方面におきまする改善措置というのを積極的に埋めていきたい、こう思っておる次第であります。
  30. 大倉精一

    大倉精一君 どうも具体的なものが出てこないので残念だと思いますけれども、時間がないようですから、私はあと委員もあるようでありますので、若干この際ほかの問題で関連してお伺いしておきたいと思います。  そこで自動車交通について運転者並びに歩行者というような工合にいろいろ限定されて関係者から言われておりますけれども、私はもう一つ非常な被害者があると思います。それは何かといえば、皆さんいなか道をお通りになってわかると思うのですけれども、その沿道に並ぶ家は大へんな被害者です。これは天気のいいときにはほこりでまっしろけ、それから雨が降れば表の戸は開けていられない、そして石が飛んでガラスがこなごなになってしまう、一体これの責任はどこが担当するのですか、この担当、責任の所在を一つ明らかにしてもらいたい。
  31. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 道路が非常にりっぱであればそういうこともできないから、建設省の責任であるとも思われますけれども、またそういう悪い道路を走っておることを監督しておる運輸省も、石をはね飛ばすということはやはり自動車責任でもあると思うので、そういう点も今の経済状態から、いなかの道で私も実は方々いなかを旅行して、あまりひどいというので、自力でも実は気の毒になることもしばしば経験しますし、また、しゃくにさわることも、かけられた場合にあるものですから、やはり泥よけをつけてくれという陳情も私のところにも相当来ておりますし、道路現状からいって建設省に大いに道路を直してもらうということもこれは一番の要件でありまするけれども、その暫定的な間においては、何らかこういう被害を防止する方法をやはり一つ協力してする必要があるのじゃないか。私は泥よけのことほどうなっているか、一体。
  32. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 泥よけに関しましては、今度のこの道路交通法の中には泥よけの規定が……。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 泥よけはいい。
  34. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) それでは省略いたします。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 泥よけを聞いておるのではない、これは全く笑いごとではなくて、真剣な問題だと思うのです。  そこで日本人は、今非常におかしいです。どうも日本政府や権力者は、国民の抵抗がないというと何もやらないという悪いくせがある、抵抗をするというと弾圧するくせがある。でありますから、たとえば英国においては、ある部落においてそういう問題が起こって、部落のおかみさんあたりが通さないといってがんばった、ついに仕方がないから十五キロくらいのスピードで走り、その間において部落の外に別の道を作ったという例があるのです。そういう場合に、権力者は抵抗をしなければ何もやらない、抵抗をすれば弾圧をする、こういうことが私はどうもふに落ちない、憤慨するのです。それで責任の所在さえもわからない、しかし、これは現実として非常に大きな被害者です。しかも大臣は、おれもそれはよく知っとった、知っておっただけではいかぬ、大臣としてどうするか考えなければならぬ、どうするのですか。非常に大きな問題です。何か方法がなければならぬと思います。泥よけだけではいけないと思います。何か方法がなければいかぬと思います。
  36. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) これは道路をよくするということが第一の前提でありまして、これは厳密な法律的な一つの何からいいますと、私も弁護士ですから、だれが一体民事上の責任があるかということになりますと、なかなかむずかしい問題で、石を飛ばしてガラスを割った自動車が、その人間自体が、直ちに運転手、その所有者が責任があるかといいますと、そういうところへ一体石をなにしておったという問題も起こってきますから、なかなかこれは実際に個々の事態について責任追及をしても困難な問題だと思うので、やはりこういう問題は、今大倉さんの御指摘のありましたような、自動車行政全般について建設省及び警察、自治庁、運輸省というものもくるめて、総合的にこの問題の解決をやはりやらなければ片づかない問題と思うのでありまして、こういう問題も、私も実は正直に申し上げたのは、自分の経験もありますからそういうことを申し上げておるのでありましてそういう事態があるから、どうしてもそういうことで一つこの問題をやはり取り上げて、真剣に考えていかなければならぬと思うのです。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 大体運転手がちょっと間違いをやったら罰金をとる、処罰をする、歩行者がちょっと間違うと処罰をする、しかしそういう工合に、国家の責任において、政府の責任において——泥をかけたりあるいはまた石ころでガラスを割られたり、大へんな損害を受ける、どこにも苦情を持っていきようがない、こういうものを包含したところの政治責任ですね、これは国民は政府のどこに責任があるかと、国民は関係がない、政府全体の責任がある、これはぜひこの際こういう法律と並行し、責任の所在を明らかにして、具体的に補償をする補償の問題なりあるいは対策なりというものをこの際抜本的に立ててもらうような、そういうことを運輸大臣責任においておやり願いたいと思うのですが、もう一回答弁願います。
  38. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) そういうこともくるめましてぜひ総合的対策の上に一つ研究して解決したいと思います。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 非常に何かきぜんたる態度がないので残念と思うのですけれども、こういうときに、ほんとうにきぜんたる態度を持って、よしだれもめんどう見なければおれがめんどう見てやるんだ、こういうところをやってもらわなければいかぬと思います。そういう工合にぜひ一つお願いします。  それから今度は警察の方にお伺いしますけれども、あなたのパンフレットに騒音の追放ということがある。なるほど警笛は追放されたようであります。ところが私は方々の駅前等に行ってみますと、繁華街に一日日がら、一日中マイクでもって放送しておる、どこやらが何やらどうだとかこうだとか放送しておる、こういうのは人間の神経由に、非常に精神的な撹乱になるということを思うのですけれども、どういうことであれは追放しないので十
  40. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 道路交通に関しまするものは、例の騒音防止対策で相当に是正されてきたかと思うのでありますが、ただいま御指摘のものは、たとえば店頭等において拡声器等を使ってやっておるものだと思います。これらにつきましては法律としては一定のものはございませんので、各都道府県等におきまして騒音防止条例というようなものを設けているところもあるわけでございます。その条例に違反した場合において悪質なものをこれで取り締まるという建前に相なっておると思うのでありますが、東京都におきましても、騒音防止条例はできておりますけれども、徹底して取締が現在は行なわれていない状況であります。これは都の何といいますか、環境衛生課の所管としてやっておるわけでございます。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 都の条例もあるかもしれませんけれども、それはたとえば音の大きさがどれだけ以上はいけないと、こうなるので、それ以下であればいいということになる。ですから、それはみな利口ですから、それ以上やりません。すれすれでもって朝から晩までギャアギャア騒々しく店の宣伝やら野球がどうやらこうやらと、やっておりますがね、しかもこれが駅の周辺で、一カ所でたくさんマイクがついておって、もうその騒音で包囲するような格好になっておる、しかもこれが駅の構内の周辺であって、これが非常に鉄道軌道の、交通の上からいっても憂慮すべき事態だと思う。そういうものはやはり自治庁の方で何か特に指導する必要があるのじゃないか、運転手ばかりやっつけても、やれといってみたところが、そういうのが依然として手がつかない、これでは何にもならない、いかがですか、これは一つの指導方針として。
  42. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) いわゆる環境の改善というような点につきましては、これは厚生省の所管でございましてただいま御趣旨のような点は、われわれからもよく連絡いたしたいと思いますけれども、今回の道路交通法におきましては、そういうものについてまで交通上の危険防止というようなことで、これに対して規制をするとか恥り締まるというところまではこの法案では事実上用意いたしておらなかった次第であります。
  43. 大倉精一

    大倉精一君 まあこれも今後の審議のために参考にして下さい。それから今度は、建設省の道路局長おいでになりますか。
  44. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 道路局の次長が見えております。
  45. 大倉精一

    大倉精一君 そうですが、この際これも一つお伺いしておきたいのですけれども、道路は作れば作りっぱなしでいいというわけでないと私は思うのですね、特にわれわれが気がつくことは、夜間の照明の非常に強いことですね、これを行き交うときに照明を下向けろといってみましても、あの激しい夜間の東海道路線あたりのトラックに一々下に向けているわけにいかぬ、ですからほとんど盲運転ですよあれは。ですから向うに自転車に乗っている人がいるとか、人が歩いているというのがわからないので、それをひいてそれなりですっと行っちゃう、これがいわゆるひき逃げです。これはいわゆるひき逃げの方もいけないが、そういう施設に何ら関心を持たないというのもいけない。道路を作りっぱなしというのはいけないと思う。ですから少なくもそういう東海道沿線の道路などには、弱いヘッド・ライトでもって走れるような、そういう照明を合わせてやる必要があるのじゃないか。しかもこれから先、道路がよくなってスピードが早くなる、スピードが百キロくらいになるでしょう。こういう場合には、照明もふやさなければならぬと思うが、道路局としての道路の照明についてのお考えをお伺いしたいと思う。
  46. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 道路の照明につきましては御指摘のようなことも承知しております。ただ御承知のように、道路の費用も全国の道路改良及び舗装等の要望に比しまして、はなはだ遺憾ながら十分でございませんので、目下は道路の改良及び舗装等に重点を置いております。しかし橋梁あるいは市街地区におきましては、特定の地域につきましては、適当な維持費でもって照明をつけております。しかしこれは道路の特に必要な場所——これは維持費でやっておりますので、まだ十分ではございませんが、今後道路交通現状に伴いまして、できるだけそういう方面にも力の及びますように努力いたします。
  47. 大倉精一

    大倉精一君 これはできるだけじゃなくて、道路考えるときには当然照明をあわせて考えなければいかぬと思うのです。今までは道路の舗装と幅員、そういう点だけを考えて、それで照明は考えていない。ですから道路の予算の中には照明が入っていない。こういうところに私は道路としての不完全な状態があるのではないかと思う。ですからそういうのを、これからの道路には皆、照明ということを頭に入れて予算の場合には組んでもらいたい。そういうことを考慮もせずに運転手処罰だけが先行しても何にもならない。そういうことを私は言っておるのです。  それからもう一つは、東京とかあるいは大阪など、この都市道路網についてのお考えを一つお伺いしたいと思う。私は都市道路は何も地上の上を走るだけが能ではない。たとえば有楽町の高架線道路でありますけれども、あの上は空間ですね。あれはもったいないと思う。これからやはり画期的な道路構想をやって、あるいはビルディングの中、あるいは上を走るとか、そういう都市計画を作らなければならないと思う。たとえば地下鉄は東横線の中へ入っていっておる。ああいうのを構想して、ああいうもったいない有楽町の一等地を、屋根の上を走って、その上を空間にしておくのはもったいないので、あの有楽町の高架線の下を道路にすればいい。そういう工合にして道路の立体化ということを、都市交通の面というものを考えなければならないと思うが、そういう点についてお考えがあるかどうか。参考のためにお伺いしておきます。
  48. 關盛吉雄

    政府委員(關盛吉雄君) ただいまの御質問は、大都市都市計画において平面街路の構築にとどまらず、市街地の高度利用ということも考えて、立体交差の道路考えておるかどうか、こういう御質問のようでありますが、この点につきましては、東京の高速道路、都内高速につきまして、自動車専用道路というものを、昨年の国会道路法の改正をしていただきまして、混合交通ではなくて、大都市の都心に渦を巻いておる交通を処理するために自動車のみを通す構造のいわゆる道路、それはただいま一例があがっておりますが、都内の高速道路として公団が実施することになっております。このループは、できるだけ公共用地の取得の困難性からみまして、既存の街路の拡幅をいたしました上に道路を構築したい。あるいはまた公有水面等の敷地を利用いたしまして、高架または地下式の構造のものを構築するわけでございます。が、従ってこれは今のお説のような意味での高架の構造を原則といたしております。ただ、今お話の中にありましたビルディングの上に道路を作ったらどうか、こういうお話がございましたが、これは道路法の建前もございまして、道路法の問題としてはかなり法律的にも問題があることでございますが、われわれの方といたしましては、やはり交通処理の関係からみまして、まず自動車専用道路をできるだけ作るようにしたい。その場合には、自動車専用道路の構造上、立体交差によって平面街路との交差を避けるというふうな構造が一番望ましいものである。その方式としてただいまやっておるのが都内の高速道路で、これが一つのいき方でございますが、なお場所によりましては地下式のものも、高架だけでなくて、必要な場所もあろうかと思っております。
  49. 大倉精一

    大倉精一君 道路法が云々だということを言っておられるが、道路法がじゃまになっていけなければ道路法を直せばいい。ですから、私はそういうものを整備しなければいかんということを言っておる、関係の法令を。それから私がビルディングの上を通せ、ビルディングの中を通せというのは何かとっぴな提案かもしれませんが、幸いこれからは都会の建物は四角いです。ですから、あのビルの中を通せといっても別にちっとも不思議ありません。この東京の高い土地を無理して買わなくても、あの上を通せば、あるいはあの中を通せば道路網はできるはずです。そういう構想も、私は今ここで強要するわけではありませんが、そういう構想も持ってしかるべきじゃないかと思う。それに法律がじゃまになったらその法律を直せばいい、こういうことを申し上げておる。それで私は、ちょうど十一時半、私も行かなければなりませんが、いろいろきのうからお尋ね申し上げておる結論といたしましては、どうもやはり何といっても法律だけが、罰則だけが、道路交通法だけが独走をするという感が非常に深い。事実そうだと思うのです。今お話を聞いておりまして、そうすると道路法の関係があるのだという、道路法を直せばいい。法令なり、施策なりというものは何もやられておらない。運輸大臣にお伺いしても、自治庁長官にお伺いしても、建設省の方にお伺いしても、具体的に何をやろうか、何にもない。これから考えよう、大いに検討しよう、何々委員会を作ろう、こういうことであります。でありますから、私はこの際こういう国民の生活と経済に非常に大きな影響がある膨大な法律は、そういう施策と並行して同時的に考慮されなければならぬだろうと思うのです。ですから、この際やはり私が昨日申しましたような総合的な機関を作り、そこにおいて総合的に検討し、道路交通取締法というものを一環として考えていく。ここで初めていわゆる交通の基本法というものができると私は思うのです。これだけ独走して、基本法だといってみたところが、どうも基本法じゃない、独走法であります。でありますから、こういうものは私はこの際やはり一応考え直していただいて、そういう総合施策の一環としてやっていくということが非常に大事じゃないか。しかも今の法律でやろうと思えば、あるいは取り締まりをしようと思えばできることがたくさんあるわけです。できるのだけれども、ただ罰金が少し少ないくらいのことであって、そういうことで罰金を多くしようというだけの法律ならこれは弊害があるからいかんと私は思うのです。私はきのうからいろいろお伺いをしておって、また続いて運輸委員会でもお伺いしますが、どうもこれは独走法でありますから、一応これはお考え直しを願って、そして総合的な考慮、配慮の一環としてこの問題を、もう一ぺん練り直す、こういうことを一つ要望します。いかがですか、自治庁長官
  50. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) 先日の地方行政委員会でも申し上げたのでありますが、まあ国民生活に非常に関連の深い法律、膨大な法律でございます。逐条でいろいろまたこれから御審議を願うのでありますが、そういう際に、こちらの考えておることも十分申し上げ、またいろいろ御意見もよく拝聴いたしまして、いい法律が生まれるようにわれわれ努力しなければならぬと思います。  それからたびたびどうも何もやってない、何もやってないということを言われるのでありますけれども、非常に誤解というのか、わざと言われておるのじゃないか。くどく繰り返しませんが、ことに三十五年の予算なんかは国土保全というようなことを大きく銘打ったような予算であり、道路整備などということは数年前から大きな国策の一つとしてやっておるのであります。大いに総合的にもいろいろの施策推進しつつあるものであるということはよくお含みの上で、今後ともこの法案の御審議に御協力いただきたい、かように思います。
  51. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっと最後に。私もくどく言いませんが、それはもうただ参考のためにしてもらいますけれども、あなたの方で作っておる——ここで引例するのは三回目ですけれども、書かれてあることは何一つやっていないわけですね。三十三年に書かれ、現在の問題点はどうだ、これに対する対策はどうだ、こう書かれてあるものは何も実現していない。ですから私はあえて何にもやっていないと、こう言うんですけれども、まあ一つ大いに自己反省をしてもらって、私の言うように一つ補充をしてもらって、考え直して出直してもらう、こういう工合に強く要望して、終わります。
  52. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 私この機会に二、三、運輸省関係になりますか、または建設省の関係、いろいろの関係にまたがってくるかもわかりません、それぞれ御答弁をお願いしたいと思います。  自動車の交通取り締まりという名目の法律が今度は取り締まりという名前をやめて、そうして道路交通法、非常にあたたかい、何かしらん明るい気分のする名称に変わってくる。しかもその内容におきましても相当の大きな訂正、改正がされることはわれわれ多年の宿望でありまして、過去十カ年ほどの事故または自動車の発達を考えて参りますると、今日この道路交通法改正案が提出されることはむしろおそきに失するというきらいが多分にあるわけでありまするが、しかしながら今日かようなりっぱな内容ができ、そうしてまさに国会に提案されたということは、われわれとしまして非常に御同慶の至りでございまするが、何といっても今度の内容の全般から見ますと、どうも事故が起きてからどうする、あるいは起きた者に対してはどうするというような問題の内容が割合に多いようでありまして、まあ火災に対するちょうど消防のいわゆる未然に防止するというような、その根本をためるというような内容については多少乏しい点があるように私は考えるのであります。一例を申し上げまするならば、過去の道路取締法におきましてもなかったようでありまするが、大都市のような非常に交通の頻繁な個所は別といたしまして、地方へ参りまするというと、非常に道路の見通しが悪い、見通しが悪い結果からくる事故というものは相当の数字に上っておるようであります。その中で列車のいわゆる踏み切りの事故、これら、あるいはまた普通の農村道路におきましてでも見通しが悪いということで、道路自体が非常にカーブが多いとかいうようなことから見通しが悪いという結果によって事故が発生する。これは道路からまず改良しなければならないということで、道路の改良も着々全国的に進んでおるから、年々歳々これらの問題は訂正されつつあると思いますけれども、今日までほとんど顧みられなかったという問題が一つあるようであります。それはわが国の農村の秋の刈り入れどきであります。ちょうど九月、十月、十一月というような刈り入れどきに際しまして、地方によっては御承知の通り稲の刈り入れたものを、稲架というものを作って、そうして稲架にかけて全部刈り入れた稲を乾燥するという、そういうような乾燥方法をとっておるところが全国にたくさんあるわけであります。こういうような稲架というものがニカ月半ばかり各沿道に、もう全部稲架に稲をかける、それがために非常に自動車の交通上、また歩行者の交通上におきましてでも見通しというものが全然きかないということがたくさんあるわけでありますが、これらの問題につきましては今度の改正法の内容におきまして、何かそれらの取り締まりとか、あるいはまた指導、あるいはまたそれらに対する関係の法令が中にあるかどうかということをお尋ね申し上げたいのでありますが、これと相関連しまして私二十年ほど前のことでありますが、石川県でありますが、常に踏み切り事故で相当の死者を出したという踏み切りがありまして、その土地を四十坪ほど私は買いまして寄付をしたことがあるんです。ところがそこにまたまた秋の刈り入れどきになりますと稲架というものが依然として立てられるものだから、全然列車の運行見通しというものが、もう三十メートルか二十メートルしかきかないというような視野の狭いところが多数ある。こういう問題と関連しまして、どういうふうにこれらに対しては、どのお役所が管理するものか、また指導するものか、また、これらに対する一般、いわゆる国民のこれらに対する一つの責任といいますか、それらがどういうふうになっておるか、お尋ねいたしたいと思うのであります。  もう一つは、先刻もちょっと話が出ましたが、対面交通、いわゆる左側右側というこの交通の問題でありますが、私、右側対面交通になりましてからすでに二十年以上になるのじゃないかと思います。しかしながら、先刻の御答弁によりますというと、年々歳々どれだけか進歩しておる、そして、それがために対面交通も励行されておるというような御答弁であったようでありますけれども、私、大都市のショー・ウインドーあるいはショー・ルームの陳列方法から、常にかようなことを多少関心を持っておりますために研究をしておるかと思いますが、都市のショー・ルームやショー・ウインドーの物品の陳列から考えますと、なかなか左側右側通行対面交通に改めましても、各商店街なり、あるいはそれらの都市の人たちの事業の経営の面からも、そういうふうに協力しなかったならば、なかなかこれは百年河清ではないか。いっそ、現在のウインドーやショー・ルームの陳列方法から見るというと、わが国におきましては、やはり昔の左側通行というものが最も事故も少なくなり、また、その実行も非常に伴うというふうに考えるのでありまして、私はこの際、思い切って対面交通というのをやはり以前の左側通行に変えることが、このウインドーの陳列方法から、あるいはまた運転者の長い間の一つの慣習といいますか、また、歩行者の一つの長い間の観念といいますか、これは不文律ながらそういうような形態になってきておるというこの根本だけはいかんともできぬのじゃないか。これは、単にただ取り締まりであるとか、あるいはまた、指導であるとかというような、なまぬるいことだけでこれがはたして改善が応急に間に合うかどうかということを、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この点についても一つ率直にお答えをいただきたいと思います。
  53. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 第一の問題につきましては、本法におきましてこれを強制的に取り締まるということはできないかと思いますが、今お話のように、踏み切り近くで非常に見通しをきかなくするというようなものについては、事実上の指導等によって、できるだけ協力を得て、そういうことのないようにして参りたいと思いまするし、また、今度の法案におきましては、踏み切りのときは、信号機によって進行ができるという場合以外は、必ず一時停車するということに規制をいたしておるわけでございまして、そういう点で事故の防止ということに資するものがあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  対面交通につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、確かに不徹底な面はございます。それから、今お示しのショー・ウインドーであるとか、あるいは、はなはだしいのは駅でございます。駅もこれは対面交通がやられる前に作られている駅が多いわけでございまして、これは左側通行基準にしてやっておりますので、駅に参りますると、ほとんど構内左側通行というようなことが書いてございます。こういう矛盾したといいますか、左側通行でないと不便だという問題は、確かに一部でございますけれども、先ほど申し上げましたように、全体として小学校中学校等におきまして、相当に教養が徹底してきて、若い世代は相当に、もう右側通行ということになれてきておるわけでございまするし、先般の世論調査におきましても、非常に多くの率が右側通行を実行しておるというようなことにもなっておるわけでございますので、この際、これをまた、もとに戻すということは、さらに混乱を増すことに相なるのではないか、対面交通はやはり必要である。そうすれば、やはりこの際、右側通行歩行者右側通行ということをさらに徹底推進していくというところに努力を傾倒していくべきじゃないかというふうに考えておる次第であります。
  54. 内海倫

    説明員(内海倫君) 先ほどの御質問の点におきまして、特に道路交通の見通し等を妨害しておる状態に対する、この法案の中でどのような措置がとられておるかということについて、若干説明申し上げておきたいと思います。  まず、農村、都市等を通じまして、見通しの悪い交差点というふうな所におきましては、この法案は第四十二条におきまして、徐行すべきことを命じておるのでございまして、その他、公安委員会が特に必要と認めました場所は、これを指定いたしまして、徐行すべき場所といたしております。従いまして、まず徐行を前提とする。次に第七十一条におきまして、「運転者の遵守事項」というものがあるのでございますが、これはいろいろ各号列記して書いておりますが、その最後の七号で、「路道又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」というのがございまして、農村等の地方的な特徴に基づきまして、特に運転者運転上注意を要望するというふうな点があれば、この七号に基づいて公安委員会規則をもって規定することができょうかと考えております。  なおまた、道路の上に、いろいろ先ほどお話のありましたような稲をほすような工作物を道路上に設けるというふうな場合でありますれば、七十七条の一項の第一号に基づきまして、「道路において工事若しくは作業をしようとする」ということ、あるいは「道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする」というような点から、一応警察署長の許可を受けることにいたしておりまするし、さらに、それが今度は道路でなく沿道に——道路の外の沿道にそういう工作物を設けた場合には、それは自由でございますけれども、これが特に著しく交通の妨害になる。先ほど御指摘に相なりましたような、全く見通しを妨害して非常に危険を生ぜしめるような、そういうものがありました場合には、この法律は八十二条で、特にそういう必要度の強い場合には、警察署長がその関係者に対しましてこれの安全措置を講ずるというふうな規定も実は設けておるわけでございまして、一応消極的な対策ではございますけれども、そういうことに対する一応の措置はこの法案も規定いたしておるつもりでございます。
  55. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ただいまの御答弁で大体はわかりましたが、最後のお答えの中で、踏み切り等の場合ですね、一時停車せいという、なるほど、そういう法も出ておりますが、これは非常に消極的な、停車すればもう問題はないわけなんですが、過去においていかにそういうような法律がたくさんできておりましても、実際にこれに対して実行するかしないかということが大きな問題になるわけであります。従いまして、そこにおのずから、それを破った場合には、なおかつ、こういう制裁があるぞ、あるいはまた、こういう取り締まりをするぞ、というところに法の精神もあり、また、大きな答えを法で要求しておるわけでありますが、ただいまの三、四カ条の個条書きで御答弁がありましたが、いずれも、これは施行の際には地方の公安委員会なりあるいは各県の警察なり、そういう方面と、従来とったようななまぬるいものでなく、積極的にこれをPRする、同時にまた協力を求めるというようなことが望ましい、こういうふうに考えておりますが、それらに対してこういう法制の運用の面におきましてはどういうふうにしてそれを実際具体化していくかというような何かお考えがあればこの際参考にお聞きしたい、かように考えます。
  56. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) ただいま一時停止のことを申し上げましたが、現行法におきましては一時停止をするかまたは安全を確かめてと、こういうあいまいになっております。従って安全だと思って通過して事故が起こるということがあるので、必ず一時停止するというような考え方をとるようにまあ法で規制したということを申し上げておきたいと思います。  それからただいま交通課長から申し上げましたような点についての指導徹底ということにつきましては、特にこの法案が成立しました暁におきまして、関係警察官また一般に対する啓蒙というものを徹底し、警察官の特に指導的な役割、民間の協力を得るような方向で懇切に指導するというようなことについてもとくと注意をし教育を施して参りたいと考えておるような次第であります。
  57. 白木義一郎

    白木義一郎君 二、三簡単にお伺いいたしたいと思いますが、六十五条の酔っぱらい運転のことですが、酒を飲んで事故を起こしたときには二倍の刑罰を受ける、このようになっておりますが、この六十五条は酒に酔ったとかあるいは飲んでいるけれども酔わないとか、そういうような不明確な問題が必ず起こると思うので、この条文は事故防止、あるいは人命の尊重という立場から、もう少し明確に、絶対に酒を飲んで運転してはならない、飲んで運転した場合は厳重な罰則にかけると、このようにはっきりとした方がこの法律趣旨徹底するのじゃないか、このように考えるのですが、ときどき見かけるわけですが、銀座あたりで自家用車を持っておる人がバーあるいはキャバレーからいい気持で出て来てそのまま自動車に乗って帰る。事故が起こらなければいい、起きたら倍の刑罰をかける、このようなことよりは、むしろはっきりと一切酒を飲んじゃいかんというように規制してそうして大衆にそれをPRし、必ずこれは一般大衆は支持する法律だとこのように思うので、ちょっとお伺いする次第であります。
  58. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) この六十五条はきのう保安局長からも申し上げましたが、実際に酔っぱらっておる、正常な運転ができないような酔っぱらい方であるということでございまして違反等があった場合、事故を起こしたりそういうことがあった場合に酒気を帯びておったときは刑罰を重く課することができるようにするという規定は、これは酔っぱらいとは限らないのでございまして、政令でその基準は定めるわけでございますが、大体ほろ酔い一歩手前ぐらいの飲み方というものでもこれを罰する刑を加重するということにしようと、ただ今お話のように酒をいやしくもちょっとでも飲んだら運転してはいけないということ、これも一つの規制の方法かと思いますが、やはり現在の社会の実情から申しますと、ちょっと飲んだだけでこれを罰するということもいかがかと思いまするし、また飲んでどのくらいの時間が経ったということなども非常に問題だと思いますので、違反をしたり事故を起こしたりした場合におきまして、その体内に一定量のアルコールが存するということがはっきりすればこれを刑を加重するという規定を設けることによってただいまお話のように酒を飲んで運転することはいけないのだという気風をできるだけ醸成していくということに役立てたい。こういうつもりで規定したわけでございます。
  59. 白木義一郎

    白木義一郎君 大へん酔っぱらいに同情的な、しかもごく少数の運転者に対して非常に話のわかるお答えだったんですが、これは事故から大衆を守るという精神でこの改正法が立案されたんじゃないか。このように心得ておりますのでですね、どうしても最近非常に酔っぱらい運転が多い。事故も多いというような現状から考えれば、ごく少数の運転者が酒を飲むことを我慢し、慎めば、ある程度の事故の防止になる。大体この道路交通法を作りましても、事故防止にはほとんど希望的な役割が望めない。ただ多少は違うんじゃないかと淡い希望しか持てないような実情です、現状は。そこで、やはり大衆という立場から考えれば、少数の運転者が酒を飲むということを慎まなければならないのは、これは社会道徳として大事なことであって、こういうところに厳しくしていかなければ法律が生きてこない。この際この条文をまあお互いに心得のあることと思いますが、やはりちょっとならというのがなかなかちょっとにとめることはお互いにむずかしい問題。そういうことから考えれば、どうしてもこれは苛酷なようですが、大衆という、それから人命を守るという精神からいえば、もう少し、はっきりとして、絶対に酒を飲まずに走れ。こういうような厳しい内容に訂正した方がこの趣旨が生きると思うのですが、もう一回一つお答え願いたいと思います。
  60. 中川董治

    政府委員(中川董治君) 白井先生の酒の害悪から大衆の生命を守るということにつきましては全く同感に考えておるのでございますが、それで、酒によりましての被害を防止するという角度で、しかも実効が正確にできるということを考えながら立案するのが一番合理的だと考えたわけですが、つまるところは、酒を飲んでおるということについて、外部からわかるということを念頭に置かないと、どうしてもこれまた別の問題でございますが、人権との関係において、やたらに何でもかんでも運転しておる人を全部について酒を飲んでおるということを見て回るということは、皆さん御賛成願えないと思うのですが、結局正確に実効が担保されるということと、酒を運転手の方が大衆の被害者のことをお考えになって慎んでいただく。これを正確に確保するということは立案の根本かと考えます。  従いまして、今長官が申し上げましたように、たとえば酒をきょう飲んであした運転したというような場合はほとんど酒の酔いがさめておりますから、それまで罰するという趣旨はないと思いますが、そうすると結局は外部から酒を飲んだ悪影響がわかるという状態を押えねばならん。そうなりますと正常な運転ができないような状態であるということの押え方で一つ押えていく。それだけでは白木先生が御指摘のように不徹底でありますので、今度はいろいろ本法の規制がございますが、たとえばスピード違反とか無免許違反とか横断禁止違反、信号無視、踏み切り違反であるとか、その他車両整備違反とか、そういうふうな本法の規制する状態違反状態がわかる状態がある。必ずしも事故でぶつかった場合だけではございません。事故を起こした場合以外でもそういうふうにわかる状態のときに運転手の方をお調べいたしまして、そこで酒気を帯びている場合には倍加していく。こういう考え方で、外部にわかる状態でとらえまして法律を実効担保して参りませんと、一応酒を飲んでいかぬと書きましても、実効が担保できませんので、実効を正確に担保しないと、言葉が悪いかもしれませんが、ばかにされる法律になっちゃいますので、結局酒を抑制する効果が出て参りませんので、実効を担保できるという考え方をとりながら、白木先生の御主張を実現したつもりでございまするので、この法律施行後は啓蒙その他によりまして酒をふくんでなさる場合には慎しんでいただく。慎んでいただかないと大へんなことになる。こういう刑罰でおどかす意味ではございませんが、そういう趣旨をよく国民の間に普及をされて、酒の害悪から交通を守りたい。こういう趣旨でございますので、根本は白木先生のおっしゃったことを中心に考えまして、それが実効が担保できるということを正確に書いたつもりでございますので、一つ御了承いただきたいと思います。
  61. 白木義一郎

    白木義一郎君 どうも運転手の方にこの条文に限って御当局は非常に同情と理解があるようにうかがえ、また聞こえるのですが、私も実は酒を飲んで運転したこともありますが、確かに酒気を帯びて自動車運転するということは非常に爽快であり、また何ともいえないスリルがある。そういう体験者でありますので、なおさらこの問題に関心を持つわけで、長官お話ではそういうことが事故が起きて、そこに苛酷な罰則を設けていけば、それを事例としてだんだんだんだんPRができるというようなお話でしたけれども、これはむしろ犯罪を防ぐというのが立法精神の根本ではないか、こういうようなふうに私は思うので、あくまで防止という点については厳格にし、またその内容によっては御同情ある取り締りもなさるのが当然かと思いますが、そういう意味で、なおよく御検討をし、またわれわれも、もう少し勉強していかなくちゃならないと思います。  次に、これは刑事局長さんから昨日簡明率直に、はっきり言えば、かんでふくめたようなお答えがあったのですが、雇用者あるいはお客さんがスピードを超過したようなことを依頼した場合、それからトラックの運転手に制限以上の荷物を積ませたような強制があった場合、この場合には共犯あるいは教唆という面で取り締まっていくというようなお答えがあったのですが、実際問題としてそのような事例があったものでしょうかどうか。
  62. 中川董治

    政府委員(中川董治君) 昨日来、白木先生の御質問におっしゃる通りでございますが、結局すべて刑罰になりますと、教唆ということがすべてどの法律にもつきまとうので、そういうふうにお答えしたように相なりますので、そういうことによって違反がないように指導その他の啓蒙措置がとられると思いますが、あとは立証の問題になりまして、立証できにくい場合が非常に多い、教唆の場合は。それで立証できにくい場合が相当多うございますので、実例として教唆犯でやったやつはないとは申しませんけれども、比較的立証の困難性に基づいてそういった事件がたくさん上がっている、こういう実態ではないのでございます。それで繰り返して申し上げますけれども、違反が行なわれないように、国民の全部の方々が御努力願うということを念頭におかれまして、刑法上として申しますならば、最初私が申しましたように教唆の観念が成り立つのである、こういうふうに御了承願いたいと思います。
  63. 白木義一郎

    白木義一郎君 教唆あるいは共犯として摘発した事例がありますか、こういうようにお伺いしたのですが、どうもそういうことはむずかしいようなお答えですから次に移ります。  次に、これは運輸省並びに警察庁の方では御存じないかと思いますが、非常に今度の交通法は罰則が従来と比べると格段の厳重さ、あるいは苛酷さのような感じがいたしますが、やはりこの事故を防止する、あるいは伊勢湾台風に上回るような年間に一万名以上の人員の殺傷事件が起きているというようなことから考えれば、ある程度やむを得ないと思いますが、それと同時に、今度はこの被害を受けた方の立場から考えますと、タクシー会社の社長さんもおいでですが、タクシー会社には事件処理係として非常に優秀な人物が必ずおりまして、事故に対しては合法的に、かつ合理的に非常に被害者に対して損害を支払うというようなことについては非常に強硬な扱い方をして、そうして、しかもはね飛ばされた個人が、警察ではこれは示談として全然取り上げない、会社は事故係が専門に折衝に当たる。それから損害保険の問題も非常に少額であるというようなことで被害者は泣き寝入りが多い、そこから起きたのが事件屋という商売でございます。決して税金を払ってやっているわけではありませんが、そういう人たちの取り立てあるいは交渉というような、まるで私設弁護士のような存在が発生して、非常にある面では便利にしている。あるいは末端の警察官はむしろそこへあわれな被害者を導くことを奨励している、というような事態が起きているということも、当局の方によく御承知を願っておきたいことと思います。  最後に、これは局部的な問題ですが、東京で起きている、例の緑のおばさん、この問題ですが、PTAの応援と、それから警察官の不足に対する応援と、それから失業対策の伸張と、一石三鳥をねらって考えられた緑のおばさん。これを実際に自動車に乗って走って見ますと、緑のずきんをかぶったおばさんが、すみっこの方で旗を出すのだか引っ込めたのだかわからないというような現状を見かけるわけですが、一度そこの会館と本館との交差点に緑のおばさんを使ってわれわれが往復したとき、どういう感じを受けるか、これは決して当てにできない、もし当てにしたらとんでもない事件が起きそうなような実情を町を行きますと見かける次第です。われわれでしたら自分の判断である程度行動しますが、その緑のおばさんがいるということについて、小さな子供は非常にそれに依存している。そのために、そのためとは全部言い切れるわけではありませんが、都内に若干の事件が起きて批判の声が起きている、この問題について、国務大臣あるいは長官はどのように今後これを防止していくのか、あるいは何らかの対策を立てていくのか、この点を都民の代表としてお聞きしておきたいと思います。
  64. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 緑のおばさんの問題は、都において非常に力を入れて考えておられる問題であります。当初は警視庁の指導等も、あるいは連絡等も十分でなかった面もあったようでございますが、その後、警視庁といたしましても非常に力を入れて指導をし、最近はずいぶん効果をあげるようになっておるのではないか、私もよく近所の学校近辺の緑のおばさんを見かけるのでありますが、やはりかなり成績をあげているように思うわけでございまして、これはいきなり完璧なことを期待することは困難かと思いますが、児童を保護するという意味でああいう方が働いていかれるということは、あながちこれを退けるべきものではないのじゃないか、やはりよい方にできるだけこれを導いて、機能を十分に生かすように努力していくべきものであるというふうに考えておるわけです。また服装等につきましても、少し黒ずんでおるというようなことで、見分けがつかないというような点についても、さらに改善の方向で考えておるようでございます。
  65. 白木義一郎

    白木義一郎君 今長官お答えではだいぶ成果をあげてきたと、こういうようなお話ですが、実際問題として、現在の交通情勢は専門家の巡査でさえも非常に危険を感じている、われわれもそれをよく体に感じているわけですが、それを緑のおばさんという名前は非常にスマートなんですが、そういう失業対策のおばさんに、いきなり現地で訓練をしながら成果をあげていく、ほんとうに成果をあげる見込みがあるならば、一定期間どこかで厳重な訓練を施して、それから町へ出かけさしていく、それまでは学校近辺は柵なりあるいは縄あるいはPTAに呼びかけて横断歩道を子供たちに渡らしていく、で、相当訓練ができて、警察官にかわるべき、警察官に近い能力を緑のおばさんが身につけたときに、その成果があるならばこれは大へんけっこうなことですから実施するのはけっこうなことですが、現在のように一石三鳥だということから、いきなりあの自分で一人でも渡れないようなおばさんに、大事な学童の何名かを、預けるということは実にこれは危険であり、また不親切であり、また長官も報告だけを聞いて、そして成果はあがっているというようなことではなく、もう少し市民の安全をあずかる大事な立場から、こういう点のこまかい一つ配慮をして、起きなくて済むことは、これはどうしてもわれわれが工夫し、考え、手当を講じて防がなければなりません。どうしても宿命的な、運命的な問題ということにつきますとまたこれは別な角度からのことになりますが、そういう点について、一つもう少し子供のことでありますし、またあわれな失業対策の援護を受けなければならないような未亡人に対して、もう少し親切に指導あるいは監督の気持をもって今後やっていただきたい。このようにお願いして私の質問を終わらせていただきます。
  66. 小酒井義男

    小酒井義男君 建設省にお尋ねをしたいのですけれども、かねてから広告であるとか、看板の問題で議論されておるわけですが、交通の混雑するような都市で事故もやはり多いわけですが、そういう場所で交通の標識などを出す場合に、道路やいろいろなところに看板などもどんどん出ておるということは非常に見分けにくいことにもなると思う。で、広告や看板の整備、これをされる計画があるのか、あるとすればそれはどういう時期を目標にしておやりになるつもりか。そういう点一点お尋ねしておきたい。
  67. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 現在の交通標識が十分でないことはおっしゃる通りでございますが、この標識につきまして、道路管理者側で立てるものと、そうでない公安委員会の方で立てるものと両方分かれておりますが、現在は各道路の管理者におきまして、できるだけ努力をして立てるようにしております。ただそれを計画的に、いつまでにどの程度にするかということにつきましては、具体的な計画を持っておりませんけれども、最近特に交通の繁雑化に伴いまして、交通標識の必要性が痛感されておりますので、できるだけ予算をこういう方面にも使い得るように道路管理者を指導し、また国においても特別の措置を考慮したいと思います。
  68. 小酒井義男

    小酒井義男君 公安委員会の方で、あなたの方でお立てになるところの交通標識、それと、ほかで立てる標識との色などの関係は、どういう色彩を、色を使われるか、そういうこと等でいろいろ考えられる点があるのじゃないかと思う。都内の警察関係の交通標識と道路標識との色とか、形式とかというような関連をどういうふうにしていく考えであるかということと、それから今、私は建設省にお尋ねしたのは、標識の整備をするということでなしに、非常に乱雑に並べられておる看板や広告、これをこのまま放置していいのかどうか、そういう方の整備をやる必要がだんだん辿ってきておると思うが、そういうことについての計画がありますかどうか、ということを建設省にお尋ねしたわけです。
  69. 關盛吉雄

    政府委員(關盛吉雄君) ただいまのお尋ねの最後の点の問題は、屋外広告物の取り締まりの問題だと思いますが、屋外広告物につきましては、その実施の正確を期するために、都市の美観の問題もございますし、また今のようなカクテルもあちこちにございますので、昨年新たに東京都はもとより、関係の大都市の府県に対しまして指示いたしまして、法律上定められております美観地区でありますとか、あるいは交通等の関係から見まして、ぜひとも必要な地区あるいは風致地区といったような地域につきましての屋外広告物の標識の大きさ、あるいは内容等につきまして、合理的な基準を従来とも定めておりますけれども、さらにこれを府県の条例において適正な基準で定めるよう指導監督をいたしたのでございます。従って関係の府県におきましては近々に、開かれております地方議会におきましてそのような方式を相談をし、また大都市につきましては数個の行政区画が連檐をいたしておりますので、できるだけ関係府県が同じような性格の地域につきまして同じような歩調をとってもらうということを早急に指導いたしております。われわれといたしましては従来の経緯もございますので、ここ一両年ぐらいの間に一つの都市の美観が維持できるような指導をいたしております。
  70. 小酒井義男

    小酒井義男君 石原長官公安委員長立場お答え願いたいことは、現在のような都市の広告や看板が乱立しておる状態で交通標識というものを見た場合に、これでいいのかどうか、そういう点についての意見のお尋ねをしておるのですから、そのことでお答え願えばけっこうなんです。
  71. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) 道路表示の色、その他の点につきましては道路標識令という共同省令でやっておるのでありますが、これはこまかいことは交通課長からお答えいたしたいと思います。  それから、今言われました乱雑な点でありますが、これは今回の法の七十六条におきましても、道路標識または信号機の近くにみだりに置いてはならないというような規定、あるいは七十七条等にもいろいろ規定があると思います。さらに都の規則においても、何かまた、そういうものもあるようでありまするが、これらの問題、御指摘通り、もう少し積極的に整理なり、これは建設省とよく連絡して乗り出してみなければならないと考えます。  それから、先ほど白木委員の言われました緑のおばさんの問題、これは非常にわれわれも今後を気をつけていかなければならぬ問題だと思うのでありまするが、しかし、これは警察庁長官からお答えいたしましたように、十分事前に訓練したりいろいろなことをしなければならぬのはもちろんのこと、ああいう制度をどこでも使っていいということにはこれはいかない。交通のひんぱんな所とか、そういう所はもちろん使えない。学校の付近とか、何かそういう場合を限定して、しかもその現地の場所においてやはり十分なれさせる、こういうふうな使い方をやはりしていかなければならぬと思うのであります。今後とも十分お話になりましたような点は、気をつけさせまして間違いの起こらないようにしていきたいと、かように考えます。
  72. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから最後に一つ、これはかねがね問題になっておる点でありますが、二重処分の問題ですね。今度のような罰金が高額になりますと、これは違反を起こさなければいいじゃないかということで片づけてしまえばそれまでですが、実際違反がどういう事実で起こるかこれはわかりません。全然故意に——悪質なものは別ですが、そうでないというか、情状酌量の余地のあるような違反が現場における判断によってこの法律を正確に守ろうという考え方でやられた場合に、たとえば三万円、五万円というような罰金が来る。で、一方では仕事ができないような行政罰が来る。そういうことになると、経済的な余裕のある運転手でしたらそれは何とか切り抜けて行けるでしょうが、今日の運転手をやっておる大多数の諸君の賃金、労働条件というものは、決してそういうことに備えて貯金ができるという実情ではないのです。そこで罰金がきまった、働いてその罰金を納めようかということならそれはあれですが、働くこともできない、罰金も納めなければならないということになると、やはり生活上非常に実際問題として大きな問題が出てくるわけなんです。で、私はその違反の内容によって悪質なものは二重処分というようなことがやられる場合もやむを得ないと思いますが、その違反の性質等によって罰金だけで済ますとかなんとかという、二重にならないような方法考えられぬと、実際上困る者ができて来るのじゃないかと思うのです。そういう点について委員会でもおそらく審議されるかもわかりませんが、考慮の余地はない、そういうことはやむを得ないのだというお考えかどうか、承っておきたい。
  73. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 本法案趣旨といたしますところは、昨日来申し上げておりますように、交通の危険を防止し、安全をはかり、円滑を期するということにありますので、そういう面のいわゆる規制法的なものが中心でございます。できるだけそういうことで交通道徳が守られ、危険が起こらないようにする、円滑にいくようにするということの指導を徹底して参るということに中心が置かれなければならないと思いますのて、従って罰則をもって担保するということを中心に考えておらないわけでありますが、ただこれらの法令に、法律違反して刑罰に触れるということになりますれば、これはやはり一般の刑罰と同じような考え方で措置をして参らなければならぬと思うわけであります。ただいまお話のように、いろいろ情状酌量という問題、これは警察立場においてもございますし、検察の立場においても、また裁判の立場においても行なわれるものでございますので、違反があったから必ずこれを処罰をもって臨むというだけのものではもちろんございません。また行政処分の問題でございますが、これは免許を与えた者について最もひどい処分としては免許の取り消しということ、結局これは運転を継続させるということが危険な運転者であるということから起こってくる問題でございまして、取り消しに至らないもので、いわゆる停止処分というのがあるわけでございます。これにも期間の長短があるわけでございます。従いましてこれは刑罰法令の方は一般の刑法理論でいくのが筋のものでございますし、行政処分の方は危険な運転を継続してやらせないというところに問題があるわけでありますが、おのずから性格が違っている。従ってこれはやはり並行して行なわれるということが原則に相なるのでございますが、これにつきましても必ず行政処分をやるから刑罰にかかるのだとか、あるいは刑罰があったから行政処分をこれだけ以上やらなければいかぬのだというふうに限ったものではございません。状況によって継続させることが危険であるという場合に限ってやられるわけでございます。またこれにつきましても、今度の法案におきましては、たとえば三カ月という停止処分をいたした場合におきましても、違反者の処分を受けた者の申し出によりまして講習を受けさせることができるようにし、その講習を受けた者につきましてはその実績に応じて停止期間というものを短縮することができるということにいたしまして、できるだけ実際に精神的にも技術的にもこれを完全な運転者に仕立て上げるような仕組みをできるだけ考えていく、処分重点主義でないように考えていく、運用の面ではそういうふうにわれわれ考えておるわけでございます。御了承をお願いいたします。
  74. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 以上をもちまして本連合審査会は終了することにいたします。これにて散会いたします。    午後零時三十一分散会