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鳥畠徳次郎君 私この機会に二、三、
運輸省関係になりますか、または建設省の
関係、いろいろの
関係にまたがってくるかもわかりません、それぞれ御
答弁をお願いしたいと思います。
自動車の交通
取り締まりという名目の
法律が今度は
取り締まりという名前をやめて、そうして
道路交通法、非常にあたたかい、何かしらん明るい気分のする名称に変わってくる。しかもその内容におきましても
相当の大きな訂正、
改正がされることはわれわれ多年の宿望でありまして、過去十カ年ほどの事故または
自動車の発達を
考えて参りますると、今日この
道路交通法改正案が提出されることはむしろおそきに失するというきらいが多分にあるわけでありまするが、しかしながら今日かようなりっぱな内容ができ、そうしてまさに
国会に提案されたということは、われわれとしまして非常に御同慶の至りでございまするが、何といっても今度の内容の全般から見ますと、どうも事故が起きてからどうする、あるいは起きた者に対してはどうするというような問題の内容が割合に多いようでありまして、まあ火災に対するちょうど消防のいわゆる未然に
防止するというような、その根本をためるというような内容については多少乏しい点があるように私は
考えるのであります。一例を申し上げまするならば、過去の
道路取締法におきましてもなかったようでありまするが、大
都市のような非常に交通の頻繁な個所は別といたしまして、
地方へ参りまするというと、非常に
道路の見通しが悪い、見通しが悪い結果からくる事故というものは
相当の数字に上っておるようであります。その中で列車のいわゆる踏み切りの事故、これら、あるいはまた普通の農村
道路におきましてでも見通しが悪いということで、
道路自体が非常にカーブが多いとかいうようなことから見通しが悪いという結果によって事故が発生する。これは
道路からまず改良しなければならないということで、
道路の改良も着々全国的に進んでおるから、年々歳々これらの問題は訂正されつつあると思いますけれども、今日までほとんど顧みられなかったという問題が一つあるようであります。それはわが国の農村の秋の刈り入れどきであります。ちょうど九月、十月、十一月というような刈り入れどきに際しまして、
地方によっては御承知の
通り稲の刈り入れたものを、稲架というものを作って、そうして稲架にかけて全部刈り入れた稲を乾燥するという、そういうような乾燥
方法をとっておるところが全国にたくさんあるわけであります。こういうような稲架というものがニカ月半ばかり各沿道に、もう全部稲架に稲をかける、それがために非常に
自動車の交通上、また
歩行者の交通上におきましてでも見通しというものが全然きかないということがたくさんあるわけでありますが、これらの問題につきましては今度の
改正法の内容におきまして、何かそれらの
取り締まりとか、あるいはまた指導、あるいはまたそれらに対する
関係の法令が中にあるかどうかということをお尋ね申し上げたいのでありますが、これと相関連しまして私二十年ほど前のことでありますが、石川県でありますが、常に踏み切り事故で
相当の死者を出したという踏み切りがありまして、その土地を四十坪ほど私は買いまして寄付をしたことがあるんです。ところがそこにまたまた秋の刈り入れどきになりますと稲架というものが依然として立てられるものだから、全然列車の運行見通しというものが、もう三十メートルか二十メートルしかきかないというような視野の狭いところが多数ある。こういう問題と関連しまして、どういうふうにこれらに対しては、どのお役所が管理するものか、また指導するものか、また、これらに対する
一般、いわゆる国民のこれらに対する一つの
責任といいますか、それらがどういうふうになっておるか、お尋ねいたしたいと思うのであります。
もう一つは、先刻もちょっと話が出ましたが、
対面交通、いわゆる
左側、
右側というこの交通の問題でありますが、私、
右側の
対面交通になりましてからすでに二十年以上になるのじゃないかと思います。しかしながら、先刻の御
答弁によりますというと、年々歳々どれだけか進歩しておる、そして、それがために
対面交通も励行されておるというような御
答弁であったようでありますけれども、私、大
都市のショー・ウインドーあるいはショー・ルームの陳列
方法から、常にかようなことを多少
関心を持っておりますために研究をしておるかと思いますが、
都市のショー・ルームやショー・ウインドーの物品の陳列から
考えますと、なかなか
左側を
右側通行と
対面交通に改めましても、各商店街なり、あるいはそれらの
都市の人たちの
事業の経営の面からも、そういうふうに
協力しなかったならば、なかなかこれは百年河清ではないか。いっそ、現在のウインドーやショー・ルームの陳列
方法から見るというと、わが国におきましては、やはり昔の
左側通行というものが最も事故も少なくなり、また、その実行も非常に伴うというふうに
考えるのでありまして、私はこの際、思い切って
対面交通というのをやはり以前の
左側通行に変えることが、このウインドーの陳列
方法から、あるいはまた
運転者の長い間の一つの慣習といいますか、また、
歩行者の一つの長い間の観念といいますか、これは不文律ながらそういうような形態になってきておるというこの根本だけはいかんともできぬのじゃないか。これは、単にただ
取り締まりであるとか、あるいはまた、指導であるとかというような、なまぬるいことだけでこれがはたして改善が応急に間に合うかどうかということを、どういうふうにお
考えになっていらっしゃるか、この点についても一つ率直に
お答えをいただきたいと思います。