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1960-03-30 第34回国会 参議院 大蔵委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月三十日(水曜日)    午前十一時五十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     杉山 昌作君    理事            上林 忠次君            山本 米治君            大矢  正君            永末 英一君            天坊 裕彦君    委員            大谷 贇雄君            岡崎 真一君            梶原 茂嘉君            木暮武太夫君            河野 謙三君            西川甚五郎君            林屋亀次郎君            堀  末治君            成瀬 幡治君            原島 宏治君            須藤 五郎君   政府委員    大蔵政務次官  前田佳都男君    大蔵省主計局法    規課長     小熊 孝次君   説明員    大蔵省主計局主    計官      佐々木達夫君    大蔵省主計局主    計官      谷川 寛三君    大蔵省理財局国    庫課長     松本 十郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○補助金等臨時特例等に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○昭和二十八年度から昭和三十四年度  までの各年度における国債整理基金  に充てるべき資金の繰入の特例に関  する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○糸価安定特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○国有林野事業特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○治水特別会計法案内閣送付予備  審査) ○交付税及び譲与税配付金特別会計法  の一部を改正する法律案(内閣送  付、予備審査)   —————————————
  2. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。  補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、質疑をいたします。
  3. 大矢正

    大矢正君 補助金整理ということは、長年来この委員会において言われておることでありますけれども、例年大蔵省では予算編成にあたって、補助金整理方針というものを明らかにするようでありますが、ことしの予鎌編成についての補助金整理の要綱と申しますか、考え方というものは、具体的にどういうものを持っておられるのか、この際、明らかにしてもらいたい。
  4. 佐々木達夫

    説明員佐々木達夫君) お答え申し上げます。昭和三十五年度予算編成にあたりまして、大蔵省が考えましたところの補助金整理合理化内容について申し上げますと、一つは、地方公共団体の本来の事務に従事する事務職員、県庁の本庁等に勤務する職員補助金につきましては、こういう機関的な経費につきましては、なるべく整理するという方針で第一に行ないました。第二点は、相当程度補助目的を達した補助金につきましては、これを整理していきたいという考え方でございます。第三番目は、実績に徴しまして、非常に零細化している補助金、これにつきましては、これをなるべく整理していく。  第四番目は、補助率が非常に同一補助事業に対して不均衡になっているものは、なるべくその補助率の不均衡を是正するということと、同じような目的補助金が細部にわたって分かれているような補助金につきましては、これを統合していくという方針でございます。第五番目は、経済的に財政援助を要しないと思われるようなものに対する補助金、これをなるべく整理していくということでございます。第六番目は、会計検査院、それから行政管理庁行政監察等で、その執行、それから交付等において問題になった補助金等につきましては、その検査院検査事項、それから行政管理庁監察の結果に照らしまして、これの合理化をはかる。  以上大体申し上げましたような方針で、補助金合理化をはかった次第でございます。
  5. 大矢正

    大矢正君 今あなたは、大蔵省の三十五年度予算編成についての補助金整理方針というものの考え方を述べられたのですが、これはまあ例年十二月の末には、必ずといってよいほど、申し合わせというのか、省内の予算編成についての考え方というものをまとめておられるようであります。今あなたの言われたことも、そういう例年の、何といいますか、同じ方法のもとに考えられたことなんですか。
  6. 佐々木達夫

    説明員佐々木達夫君) 大体、例年そうあまり大差がなくて、毎年その努力を重ねておるという次第でございます。
  7. 大矢正

    大矢正君 今のあなたの考え方に基づいて、三十五年度の予算編成についての補助金整理というものは、具体的に件数や金額の面からいくと、どの程度内容を持っているものですか。
  8. 佐々木達夫

    説明員佐々木達夫君) 大体、金額的に今申し上げましたところを合計いたしますと、二十八億四千万円程度が前年度予算に比較して削減されております。
  9. 大矢正

    大矢正君 先ほどあなたの言われた一つの項目の中には、金額の零細な補助金はこれを整理をしたいという考え方ですね。従来、一都道府県当たり十万円、あるいは一市町村当たり五千円ですか、何とかいうような一つの目安というものがありましたね。それ以下のものは整理した方がよろしいじゃないか。実際に市町村が五千円や六千円の補助金をもらっても、はたして効果があるかどうかということについては、あなた方だけでなく、われわれも疑わしいと思っておりますが、そういう点は一体どうなっておるのか。
  10. 佐々木達夫

    説明員佐々木達夫君) 実績に徴し、零細化と申しまして、大体三十五年度の予算編成にあたりましては、一都道府県当たり十万円、それから一市町村当たり二万円灯下の補助金は、大体これを一応整理いたしたということになっております。
  11. 大矢正

    大矢正君 一応ではなくて、それは全面的に今の金額以下のものは切ってしまったんですか。
  12. 佐々木達夫

    説明員佐々木達夫君) 全面的に切りました。ただ、委託費等で、どうしても国が事務を委託しておるというものは若干残っておるものもございますが、補助金といたしましては、一都道府県当たり十万円以下、それから一市町村当たり二万円以下のものは、全面的に一応切った形になっております。
  13. 大矢正

    大矢正君 今議論されているのは補助金が中心ですが、補助金という名前のものもあるだろうし、負担金という名前のものもあるだろうし、あるいは補給金とか委託費とか、分けようとすればいろいろありますね。あなたの今言われた十万円あるいは二万円というものは、これは正式には補助金と目されるものをそういうふうにしたということなのか。今言われたような委託費というようなことになると、非常に零細なものもあると思いますが、そういう私が申し上げました補給金委託費負担金等を含めて十万円、二万円ということで一応切った、こういうことなんですか。
  14. 佐々木達夫

    説明員佐々木達夫君) 補助金でございます。従いまして、委託費利子補給金、それぞれそういうものについては、まだ残っております。
  15. 大矢正

    大矢正君 わかりました。それでは、次に臨時特例の十六条の「運輸省関係」にある「(外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基く利子補給の一部停止)」という内容についてお伺いしたいんですが、これはもちろんこの今私が申し上げました損失補償法ないしは利子補給、こういうものを完全に復活したということではないが、いずれにしても、内容においてはこれに近いものが新しく出されているわけですが、この内容をこの際説明をしてもらいたいと思います。
  16. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) お答えいたします。補助金臨特の第四章の「運輸省関係」の第十六条におきまして、ただいま御指摘のございましたように、「外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法第十九条の規定は、適用しない。」という規定がございます。この実態はどういうことかと申しますと、別に「外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法」という法律がございまして、その内容といたしましては、民間一般金融機関というものに対しまして、外航船舶建造する場合におきまして、利子補給契約と、それから損失補償契約ができるという権限がうたってございます。もちろん、その限度額等につきましては、予算できめる、こういうことになっております。一つ権限規定でございます。  それは一般金融機関に対する利子補給損失補償でございますが、そのほかに、開発銀行融資をする場合におきまするところの、建造資金融資をいたしまする場合の利子補給権規定があるのでございます。それにつきまして、実はこの臨特例ができました二十九年におきまして、開発銀行に対する分につきましては、この十六条の規定によりますその利子補給損失補償の適用はしません、こういうことを概定的にきめたわけでございます。ところが、この理由といたしまして申し上げなければならないのでございますが、その理由は、なぜストップしたかということでございますが、開発銀行は、御承知のように、政府関係機関でございまして、政府全額出資でございます。また、それの損益の結果の利益金一般会計へ入れる、こういうような仕組みになっておるわけでありますが、そういう政府関係機関融資した場合に、それにつきまして利子補給するということは制度的におかしいという問題が一つございます。のみならず、開発銀行融資率は、一般市中金融機関よりも相当低利でございます。それにつきましてさらに利子補給をするということも適当でないじゃないか、こういうような考え方から、一応はその造船利子補給が出発いたしました際には、開銀融資につきましても利子補給をしたわけでございますが、その後はこの臨時特例によってストップしたわけでございます。  今回どういうふうに変わったかと申しますと、その外航船舶建造融資利子補給、及び損失補償法の方の開銀に対しましての利子補給規定を、これを削除いたしまして、それに伴いまして、こちらの方でストップするという規定も必要なくなりますので、この十六条の規定を削除する、こういうような手段を講じたわけでございます。従いまして、外航船舶建造につきましての援助の方策としての開発銀行に対するところの、開発銀行融資した場合の利子補給とか損失補償とかいうような問題は、これはこの外航船舶建造融資利子補給法の、今回御審議を、今国会に提出しておりますところの実体法改正通りますれば、そういう制度はなくなる、こういうことでございます。  ただ、この法律関係につきましては、さようでございますが、別途外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法改正といたしましては、これに基づきまして今まで一時ストップしておりましたところの民間一般金融機関に対する利子補給は、今度、現在の海運界状況に対応いたしまして、利子補給契約を結ぶという権限を得まして、そうしてその所要の予算措置が講じてある、こういうことでございます。
  17. 大矢正

    大矢正君 そうすると、この特例法に基づく一部停止云々という十六条ですね、これは当然別な損失補償法改正案が出ているから削除するわけですか。
  18. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) 削除されるわけでございます。実体法の方も落ちてしまうわけでございます。
  19. 大矢正

    大矢正君 そこで、これは政務次官に聞かなきゃわからないのですが、一体今までは開銀融資に対する利子補給ということで、これは法律にもうたわれてきたことでやられて、それが停止になって今日まで来たわけですが、これが今度は開銀はうまくないから、一般市中銀行融資に対する利子補給政府ができるようにするということなんですけれどもね、その市中銀行融資に対する政府利子補給というものは、具体的にどういうことなのか、これは一つ政務次官からお答え願いたい。
  20. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) お答え申し上げます。大矢委員の御質問の点は、利子補給利子承のお尋ねでございましょうか、一般の……。
  21. 大矢正

    大矢正君 もう一回質問します。話によると、現在の海運界の現況から、特に外航船舶——大型外航船舶建造については、長期かつ多額の資金を要するので、政府がその利子の一部を補給するのか負担するのかわかりませんが、そういうことをやりたいと。しかし、従来の開銀融資利子補給ということではうまくないから、これは一般民間ベースでやるので、まあ市中銀行との関係が生じてくると、こういうことだろうと思うのでありますが、そこで外航船舶に対する市中銀行融資した点に対して、その利子補給政府がしようとするのかどうなのか。する場合には、どういう内容のものでやるのかと、こういうことをお聞きしたのです。
  22. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) お答え申し上げます。市中機関貸し出し利率でございますが、これは九分四厘九毛になっております。それに対しまして、国庫で利子補給する率が一分九庫九毛になっておりまして、差し引き海運会社の負担する利率は七分五厘に相なっております。それから、日本開発銀行に対する造船融資についての利子補給をとめました理由は、ただいま法規課長から御説明申し上げた理由——日本開発銀行に対する融資についての利子補給をやめたことは、先ほど御説明通りであります。
  23. 大矢正

    大矢正君 政府がどの程度利子補給するのかというのです。政務次官でなくてけっこうです。
  24. 谷川寛三

    説明員谷川寛三君) お答えいたします。ただいま政務次官から大ざっぱに申し上げたのでございますが、さらに敷衍いたしまして申し上げます。  海運利子補給を復活いたしました趣旨につきましては、もう私から多書を要しないところだろうと思いますが、その状況でございますが、先ほど政務次官から申し上げましたように、市中海運に対しまするところの融資利率九分四厘九毛と相なっております。ところで、一方海運業界の借りている方でございますが、今度利子補給の対象になりましたものは第十次船からでございまして、さらに詳しく申し上げますと、現在あります利子補給法によりまして、御案内のように、過去におきましてすでに利子補給を実施しておったのでございます。それが海運界の好転、一部の復配の状態に至った三十二年におきまして、ストップをいたした。これは海運業界との話し合いによりまして利子補給ストップいたしたのでありますが、そういった関係もございまして、内容が入り組んでおりますが、先ほど申し上げました十次船と十一次船につきましては、この前の現契約通り市中銀行貸し出し利率の、先ほど政務次官が申し上げました九分四厘九毛と五分との差額補給しているのでございます。それから、十二次船につきましては、これはストップの直前でございますが、今申し上げました補給率の半分を補給するということにいたしておりますので、その契約通り予算に組んでございます。それから十三次船以降が今度問題になっているわけでございますが、新しく利子補給をいたすわけでございますが、十六次船に対しまして、これは先ほど政務次官からお話し申し上げました通り九分四厘九毛の市中貸し出し金利と七分五厘との差額補給するということに相なっております。政務次官が申し上げました通り、一分九厘九毛を補給する、そういたしまして総額におきましては、予算計上額は九億五千五百万円でございます。なおこのほか、先ほど法規課長からお話し申し上げました通り債務負担行為をもちまして、二十七億の利子補給を、法律通り今後数カ年にわたってやれる根拠をとっている次第でございます。  大様以上の通りでございます。
  25. 大矢正

    大矢正君 政務次官、これは知ってるかどうか知らぬがね、たとえば外航船舶でも、まあ内航船舶大型のものでも、建造する場合には、開銀なら開銀から融資をしてもらうと。その場合に、船会社とちゃんと契約しておいて、それで特に政府の大物なんていうのが時おり顔を出して、そこである一定のリベートを取って、そうして開銀融資をさせてやるから、だからそのかわり船会社はどうだと、こういうように、実際問題として口をきいてピンはねしているような事態が非常に多いのじゃないか。実は一つ知ってるのがあるけれどもね。  単にこれは外航船舶に限らず、内航船舶もそうだし、特にインドネシアの賠償は非常に船が多かったのだが、これなんかは、もう明らかに最低一割のリベートを取って、そうして造船会社にやらしている。その造船会社は、一割のリベートを取られちゃ、なかなか実際問題としてコスト上合わないというようなことで、一割のリベートがいいか悪いかという議論で、それで船を取れないというような中小造船会社もありますけれども、これは賠償にからむ問題だから別問題としても、現実に開銀融資とか、あるいは開銀でなくても、たとえばそれ以外の公庫関係から、たとえ三億でも五億でも融資を受けて、それで特定の船会社銀行から指名をさせて、そうしてその間ピンはねをするというような悪らつな方向が非常に出ていることがうわさされている。僕は事実行為をつかんでいないのでわからぬが、非常にうわさされている。それで、そういうような面に対して非常に一般には不満が出ているし、特に指定から漏れた船会社造船会社というものは、相当な資料を整えて、やってやろうというようにいきまいている船会社もあるのですよ。しかし、それをやってしまうと、永久に業界から抹殺されてしまうし、この次に船を作りたくても銀行が金を貸してくれない危険性があるから、やりたくてもやれないという実態があるのですがね。  利子補給を、たとえそれが開銀であっても、市中銀行でも同様だと思うのだが、政府がやることは芳しいことじゃないわけです。利子補給をしなければ海運というものが実際成り立たないのだったら、これは政府が船を持ってやればいいのであって、国家資金でもって船を作ってやればいいのであって、何も民間の利潤を目的とする企業利子補給をやって、その企業を守ってやらなければならぬ必要性はないのです。太刀打ちができないならできないように、いずれ開発銀行その他から大量に金が出ている。もちろん、市中銀行もあるけれども、僕は半々くらいだと思って、市中銀行は半分くらいだと思っているのだが、それだけの大きな金額を出して、おまけに利子補給をやって、あなた方もうけなさい、今はもうからぬかもしれないが、三年たち五年たち、もうかるときにはあなた方やりなさいというような政府のやり方というのは、私は納得できない。  だから、補助金整理するとかあるいは交付金補給金整理するということと、今の利子補給の問題だって、同様の問題だと思うのだよ。これはあなた、前に外航船舶利子補給をしたときには、三十九億、四十億近い金が利子補給として出ているのですからね。これからさらにこれが、今度もっとふくれていく危険性も出てくるわけだからね。私らとしては、とうていこれは理解できない。片一方は、補助金整理せい整理せいといって、逆の面では補助金と同様な利子補給をしていく、こういうようなことは非常に理解できないし、地方公共団体のように、これは公共施設の整備とか、多くの住民に対する利益を与えるために、公共利益のために補助金なり補給をされると  いうことなら、まだわかる。それでもなおかつ、これを整理しなければならぬといわれておる段階に、民間会社利子補給などはもってのほかだ。これは政務次官から、大臣がいないから、話をこの際聞かしてもらいたい。
  26. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) ただいま大矢委員から指摘されました点でございますが、ことに、私は、外航船舶建造融資に関連いたしまして、ボスが中に入って一割のリベートを取るとか、あるいは造船所指定にも参画するとかいう実はお話を聞いて、もってのほかだと私は思います。けしからぬことだと思うのでありますが、ただ、私が、海運という仕事の性質が、これはしろうとでありますけれども、国際競争力というものをとにかく十分持たせなければいけない。そういう点からも、どうしても国家助成策というようなものが必要じゃないかと思うのでございます。大体海運のずっと従来からの歴史を見ましても、大体相半助成策を各国とも強力に講じておるというように思うのであります。  ことに、最近の海運事業といいますか、海運界状況でございますが、輸出の伸びによりまして定期船運航業者の業績が向上いたしまして、償却前の利益は逐次向上はいたしておりますけれども、未償却累積残額がむしろ漸増する傾向にある。そういう状況でございまして、実はこの予算編成の前後におきましても、相当まあ海運界方面から猛烈な御要望もございまして、どうしてもやはり国際競争力を強化するという点から見ますると、何とかこの国家的な補助策を講じなくちゃいかぬ、そういう点から今回のこの利子補給に踏み切ったわけでございます。
  27. 大矢正

    大矢正君 これは船を持ちたい船会社なり、あるいはそれぞれのこれと直接関係はないが企業体というものが、外航、内航を問わず船を作りたいという希望の場合に、開発銀行から三割なり四割金を出す、その他政府関係金融機関から金を出させる、だから市中銀行も金を出せと。市中銀行だって、協調融資ですから、お互いが協調融資ですから、結局五割五割とか、三割の二割の五割とかいう形で金を必ず出し合う。その場合に船を使用するたとえば船会社なり、その他の企業に対して、開発銀行その他政府関係機関から、金を出してやるからそのかわりどこの船会社一つ船建造はまかせろというようなことが、現実問題として今日本の国の中で、しかもごく最近堂々とまかり通っているわけです。これはまことに遺憾なことであって、具体的に実例をあげろというなら僕はあげてもいいが、そういうことで非常に零細な造船会社というものは因っている。どこかの銀行なり金融機関といっても、中ぶらりんのああいう金融機関でなくて、政府関係にある金融機関とか、あるいは開発銀行なりと結びついていかなければ、造船会社は船を作れないというのが実態なんです。だから、中小造船会社というのは非常に衰微している。ことし一ぱいの計画で、来年の造船計画なんていうものは実際問題としてない。船会社というのは下請がたくさんいるのですから、非常に中小船会社下請なんかというのは恐慌を感じているのですよ。ですから、開発銀行その他で金を融資する場合には、やはり船の建造なんかに金を融資する場合には、相当注意を要する問題だと思うのです。  開発銀行については、大蔵省は何か非常に発言力を持っているのですから、こういう面については、政務次官、十分やってもらいたいし、政務次官よりももっとえらい人がそういうことをやるのだから、あなたが押えられるかどうかわからぬけれども、事典問題としてそういう疑念があることは否定できないので、十分そういう点について考えてもらいたいということ。それから、利子補給については、利子補給がいい悪いの採決をするわけじゃないから、別問題として、私は賛成できない。
  28. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) ただいまの御指摘の点でございますが、造船融資にわれわれは海運の国際的な競争力を増加しようという、そういう意図から計上いたしました。この造船融資に関連する利子補給に関連いたしまして、造船融資を骨を折ってやるからリベートをよこせ、あるいは造船所指定によって何か利益をよこせということは、もってのほかだと思う。ことに、それによって何らそういうコネクションを持たないところの中小造船所造船仕事からアウトされるということは、まことに気の毒だ。全然われわれの意図するところと反するような結果がありとすれば、これはもう断固として取り締まらなければいかぬと思っております。われわれの、大蔵省監督下にありますところの開発銀行並びにその他銀行方面に対しましても、そういう間違いのないように十分今後監督をいたしたいと思います。
  29. 大矢正

    大矢正君 これは毎年出てくる法律ですね、この臨時特例はね。これは今利子補給の問題は今度は削除する。ぼつらぼつらと他の法律で削除している。あと残っているのは、飛び飛びに残っている格好になっているのですね。実際問題として、これはすみやかに、こういう特例々々でやるのではなくて、毎年々々特例を出してきて、残っている分だけ審議をして停止をするとか何とかいうことをきめるのではなくて、本来の法律そのものの中で全部消化することはできないものなんですか。
  30. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) ただいまの御措摘、まさにその通りでございまして、われわれも努力はいたしておるわけでございますが、当初からの経過を申し上げますと、二十九年当時におきましては二十一件あったわけでございます。その後、この臨時特例法の趣旨に沿いまして、実体法改正をこの臨時特例法の附則でやったこともございますし、それから実体法の方を直しまして、実体法の附則でこの特例法から落としていくというような努力もいたしまして、当初二十一件ございましたのが、現在のところ十一件でございます。提案理由でも御説明申し上げましたように、造船利子補給海運に対する造船利子補給関係、それから漁船損害補償法の関係、二件を今度臨時特例法の趣旨に沿いまして実体法改正を行なうということになりまして、九件残るわけでございます。あと残った九件につきましても、御趣旨を体しまして、臨時特例法の趣旨が実体法に盛られるように努力いたしたい。まあこれはいずれにしても、関係各省の問題がございますので、やはり十分相手方にも納得していただきまして、そうして整理をしていかなければならぬ問題でございますので、なかなか整理が進まない点はまことに申しわけないわけでございますが、鋭意努力をして参りたいと考えております。
  31. 大矢正

    大矢正君 これは結局残るのは九件、あなたの言われたように九件だとすれば、この九件というのは目途か何かないのですか。実体法の中で全部修正をしてしまうとか、この臨特なんという法律は実際問題としてなくするというような、そういうことに対する、いつごろまでにやりたいとか何とかいうような考え方ないですか。ぼつらぼつらと、毎年一つくらいずつ作られて、問題のあったところだけ落としていくというようなことでなくて、積極的な整理方針というのはないのですか。
  32. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) お答えいたします。われわれといたしましては、臨時特例法の趣旨を実体法でそのまま盛り込むということが理想なのでございますが、しかしまた、各省の立場に立って見ますると、やはりいろいろな問題がございまして、暫定的ならばこれはいたし方ないが、しかしながら恒久的に臨時特例の趣旨そのものにしてしまうということについては、やはりいろいろ問題がございまして、この補助金負担金というものにつきましては、やはりいろいろな角度から見て参らなければならぬ問題もございますので、そういうような関係から、一どきに整理するということはわれわれとしても望ましいし、また努力いたしたいと考えておりますが、これはまた一年一応延ばしていただきまして、そしてその間にまた努力していきたい、このように考えておるわけでございます。
  33. 大矢正

    大矢正君 これはね、あなたの言われることが前とうしろと合わないのだけれども、各省が、臨時ならいいかもしらぬが、長期にわたって停止ないしは補助を削減するということをやられるのはけしからぬということであれば、いつになったら結局直るかわからぬことになるのですがね。だから、そういうことじゃなくて、もっと積極的に、しかもすみやかに各省と話し合って、この内容はもうすべて実体法の中で処理をするという方向に、私は一つ積極的に努力してもらいたいと思うし、来年年明けてからまたこういう法律が再度出ないように、大蔵省としても十分配慮してもらいたい。特に毎年毎年出してきて、もう一年もう一年というような行き方の法律でなく、もしそれがだめなら、二年なり三年なり継続して、一年きりのものにしないで継続してやるということが望ましいので、そういう方向で一つ町年度までに努力してもらいたいということを要請しておきます。
  34. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) ただいま御指摘の点でございますが、全くこの補助金整理合理化が一向結論が出ませんで、一年ずつこれを延ばしておるということは、ほんとうに変則的なことで、一刻も早くこの整理合理化の実を上げるべきだと思うのでございます。何分、従来から努力はいたしておりまするけれども、補助金の数が多いし、案態、効果についても相当な時間かかっておりまして慎重にやっておるので、結論が出ないので延びておるのでございますが、これは事態は遷延を許さないという状況でございまして、きのうも当委員会でお答え申し上げましたように、民間有識者によるところの補助金実態調査ということをさらに強化をいたしまして、三十六年度の予算編成前には相当補助金整理合理化の実が上がるように、十二分に努力をいたしたいと思います。
  35. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして御発言をお願いします。
  37. 永末英一

    ○永末英一君 私は、この法案に反対の意見を表明いたします。  理由は、だれが考えても、五年間かかって、暫定的だということを理由にしながら一年々々引き延ばして、しかもその整理が半分くらいしかつかない。おかしいと思う。おかしいと思うなら、これはやはり整理すべきが当然である。しかも、これが乗っておりますいわゆる補助金行政というものについては相当な批判もあるし、そしてまた、特にその補助金行政なるものは、地方団体に対しては、そういう制度運営のために、言うならば、地方自治というものに対していわば中央官庁がいろいろな意味でのひもをつける。何と申しますか、行政に対する責体制というものが実は補助金のこういう運営についてとられていないということが、行政に対するいわば情熱を失わせしめている結果になっている。特にそれは地方自治体において激しいと思うのです。これが一たん民間団体なり民間のものに対する補助金ということになりますと、これはいわゆる利権となってくる。それらがからみ合って、いわゆる陳情政治というものを作っているわけである。  私どもは、こういういわゆる補助金が皆無であるということは不必要だと思います。しかし、地方団体の行なうべきものについては、地方団体に財源を与えて地方団体の自主的な力によって行なわしめるということが第一に必要であるし、民間団体等については、もしそれが補助が必要であるとすれば、それはいわゆる暫定的といいながら恒久的に行なわれるのではなく、やはりそれぞれの団体の力に応じてやらせるように、まさにそれは時間というものも限られなくちゃならない。それをのんべんだらりと引き延ばしてやつておるということは、たとえば、暫定的なこの法案については、それの補助を受けているものについては、一体来年どうなるだろうということが心配であるし、従って、そのために不必要な陳情運動を起こしたりしてくることが実情です。私どもは、この五年間こういうことをやってきて、なおまた、大蔵当局の責任じゃないかと思いますが、それを乗せておる岸内閣全体の責任として、私はこういうものは一切きれいに洗いがえして、これを法律を暫定的に認めないということを、補助金行政全体についての岸内閣のやはり意思をはっきりさせることだ、こういう観点から、今回の一年間延期に対する趣旨に対しましては反対をいたします。
  38. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) ほかに御意見がなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり]
  39. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 御足議ないと認めます。  これより採決をいたします。補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  40. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、前例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。   —————————————
  42. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 次に、昭和二十八年度から昭和三十四年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、補足説明を聴取いたします。
  43. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) ただいま議題となりました昭和二十八年度から昭和三十四年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、補足説明を申し上げます。  まず、本法律中の第一条の改正内容について御説明申し上げます。国債償還に充てるため毎年度一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れる資金のうち、その基本的なものといたしましては、国債整理基金特別会計法第二条第二項の規定による前年度の期首における国債総額の一万分の百十六、昭和七年度以降は、同年度以降国債償還資金の繰入一部停止に関する法律によりまして、さらにその三分の一相当額となっておりますものと、それからもう一つは、財政法の第六条の規定によりまするところの前々年度におけるところの剰余金の二分の一相当額以上の金額の繰り入れとの二つであります。このうち前者、すなわち前年度首国債総額の一万分の百十六の三分の一相当額の繰り入れば、大正三年当時の国債状況を基礎といたしまして発足したものでありまして、その金額は現在におきましては十五億円程度にとどまりまして、最近の国債の償還財源はほとんど前々年度の剰余金の二分の一相当額をもって支弁している状況であります。このような国債の償還状況にかんがみまして、また国庫の財政状況をも勘案いたしまして、昭和二十八年度以降はこの一万分の百十六の三分の一相当額の繰り入れば行なわないこととする特例措置を講じて参った次第であります。昭和三十五年度におきましても同様の事情をもちまして引き続きこの特例を実施することといたしたいと存じます。  次に、第二条及び第三条の内容でございますが、日本国有鉄道または日本電信電話公社が、それぞれ昭和二十四年六月あるいは昭和二十七年八月におきまして発足いたしました際に、もとの国有鉄道特別会計または電気通信事業特別会計が負担しておりました国債は、日本国有鉄道法施行法または日本電信電話公社法施行法の規定によりまして、特に一般会計が承継することといたしました。その見返りといたしまして、両公社は一般会計に対しまして同一内容の特別な債務を負担することになったわけであります。これを本法律におきましては法定債務と称しておりますが、この法定債務は、さきに申し上げましたように、一般会計が承継した国債と内容的に同一でありまして、その償還元利金は目的的にいいますと、本来同一年度における承継国債の支払いに充てられるべきものと言えるものであります。この法定債務と国債償還に関する経理を簡素化する趣旨から、昭和二十八年度以降はその償還元利金を直接国債整理基金特別会計の歳入に組み入れることといたしました。その組み入れた金額につきましては、一般会計から同額の償還資金の繰り入れがあったものとみなす措置を講じて参ったものであります。昭和三十五年度におきましても同様の措置を講ずることといたしたいと存じます。  以上がこの法律案の補足説明でございます。
  44. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  45. 大矢正

    大矢正君 国債整理基金特別会計法というのですね、これはなぜ修正しないのですか。というのは、ずいぶん古い法律でしょう。明治三十九年と書いてある。明治三十九年の前後の法律というのは、たとえば関税にしても明治四十何年近いところ、いろいろありますけれども、関税法なんかも今度大幅全面改正になっているわけですね。明治時代の法律というものは、やはりこの際すみやかに現状に即するように変えるべき時期にあるんじゃないかと思うんです、全文を。その点はどうですか。
  46. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) お答えいたします。ただいま御指摘のように、非常に古い法律でございまして、われわれとしましても、この非常に古いタイプの特別会計でございますので、最近できておりますような特別会計に合わせまして改正をいたしたいとは考えておるわけでございますが、毎年度この特例法を出しておりますように、やはり国債整理基金の行き方と申しますか、減債基金制度と申しますか、そういうものを根本的に直す際におきまして、この古い形の法律を近代的な法律の形に改めたいと実は考えておるわけでございます。御指摘のように、こういうかたかなの、しかも非常に古いタイプの法律でありますから、そういう際におきましては全面的に改正をいたしたいと、このように考えております。
  47. 大矢正

    大矢正君 あなたは、改正する政正するといって、毎年なんです。できる限り改正をして現状に即するようにしたいと言っておるのは毎年だが、これは昭和二十八年から八年間たっている。八年間もたって実際問題としていまだに改正の意思がないのは、大蔵省は全然やる気がないのかどうか。明治時代の法律をこれからもまだまだ持ち続けていこうという考え方があるのじゃないかと私は思うのだが、計画というものはないのですか。大体いつごろまでに準備をして、改正するなり何とかするような——毎年々々出されてくるのじゃ大へんな話です。今までこれはもう委員会へかかるたびに言われておることなんだから、いつごろまでに新しい法律に全面改正をするというような考え方くらい、もう出てもけっこうなころじゃないかと思うのです。これはあなたに聞くのは問題が大き過ぎるかもしれないが、どんなものですか。
  48. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) お答えいたします。まさに御指摘通り、われわれといたしましても、この減債基金制度というものをはっきりきめまして、そうして国債の償還を制度的に明らかにするということは望ましいことであるということは考えておるわけでございますが、現在の困債の償還予定と申しますか、その状況を見ますと、相当波があるわけでございます。まあ大体減債基金制度というものは、やはり平準化をいたしまして、そうして償還期になりまして一どきにどっと償還されなきゃならぬ、こういうような事態を防ぐ意味を持つわけでございますが、ただ、それには、やはりそういう制度を作りました際におきまして、それがそのまま実行できるという確信がないと、なかなか踏み切れない問題じゃないかと考えられるわけでございます。  それで、最近の、近い将来の状況を見ますと、たとえば御承知のように、遺族国債だとか、引揚者公債とか、こういうふうに借りかえができないようなものが相当ございます。それは、そのきまった期日にそのまま償還していかなければならぬ、こういう問題でございますそれから、御承知のように、外債借りかえのきかないようなものもございますが、これも相当波を打っておるわけでございまして、そういうような要素を無視いたしまして平準化するということはなかなかこれはむずかしい問題でございますが、なお、その他財政全般の問題といたしまして、一般会計の財政計画、どの程度の財政的な余裕があるかというような問題も一つの問題であろうと思います。まあそういうような点をいろいろ考えまして作らなきゃならぬわけでございますので、その辺のところはわれわれといたしましても、現在の制度が非常に変則的な制度であるということは考えておるわけでございますが、なかなかむずかしい問題がひそんでおるのでございまして、そういう点を十分検討いたしまして合理的な制度を考えたい。実は衆議院の委員会におきましてもそういう問題を指摘されまして、われわれとしても熱意をもってその解決にあたりたいということを、政府の答弁として述べておるわけでございます。今後御趣旨を体しまして、そういう方向にもっていきたい、このように考えております。
  49. 大矢正

    大矢正君 あなたは、国債の償還というものは毎年々々きまったものを償還していくのじゃなくて、あるときには一時にどっとくる、こういうことのために、国債を償還する場合に、たとえば減債基金の方向というものはなかなかむずかしいという意見は、それはその通りだと思うのだが、しかし、そういう理屈を言うならば、それは国債整理基金特別会計法かな、あの中で言われておるような、一万分の百十六の三分の一相当額の繰り入れ基準云々とかいうものと、これは大幅に今日内容が違っておるから、別問題としても、前々年度の剰余金の二分の一ならばそれがいいのだという理屈もないだろう思う。前々年度の剰余金の二分の一をとにかく国債償還のために繰り入れをしておくと、これは国債の償還はできるが、それ以外の方法では国債の償還ができないのだという理屈は私はないと思う。ですから、やはりどっかに一つの基準とする考え方を求めて計画を組んで、それに沿うて国債整理基金の特別会計というものはやっていかなければならぬわけです。ですから、私は、そういう意味ではあなたの言う理屈が納得できないし、先ほど来言っている通りに、やはり一つの目標を掲げて、その目標に従って償還をしていくという方向が妥当ではないかと思うのです。そのためには、やはりこういうように毎年々々わからぬものを実際問題として出してくるのじゃなくて、剰余金の二分の一なんといったって、たとえば税収がうんと上がったとか何とかのときには大幅に入ってくるだろうし、また税収が上がってもそれに見合って補正予算を組んでどんどん落としていけば、これははたして二一分の一がどの程度になるかという疑問も出てくるし、いろいろ私は問題点があると思うので、やはり何といっても、早目にこういうものは抜本的に修正をするということを考えてもらわなければならぬと思うのです。  そこで、参考のために聞いておきたいのだが、今まで国債整理基金の法案が出るときに、必ずといっていいほど、特別に質問はしなくても、あるいはまたお願いをしなくても、資料を出してもらっていたのだが、今年はまた実際に法律がこういうときにきて、間に合わないからお尋ねしておきたいのだが、未償還の国債の残高というのはどのくらいあるのか。それから特に近い年度で、国債償還というものが一番多い年度というのは何年度で、それがどのくらいのものか。具体的に一つ説明が願いたい。
  50. 松本十郎

    説明員(松本十郎君) お答えいたします。昭和三十四年の十二月末現在におきまして、政府の債務として上がっておりますものは、内国債で四千六百億、外貨債で八百三十三億、計で五千四百三十三億持っております。それから、昭和三十六年度以降満期になります額は、昭和三十六年度におきましては、内国債が四百八十五億、この中には普通国債の満期分三百十九億と、年賦償還——遺族国債あるいは引揚国債等がございますが、この年賦償還制の国債百六十六億がございます。そのほかに外貨債が二百十七億ございまして、全体で七百二億になります。それから、昭和三十七年度につきましては、内国債が二百九十八億、普通国債がそのうち二百四十九億、年賦償還制の国債が四十九億、そのほかに外貨債が六十四億でございまして、全体で三百六十二億でございます。昭和三十八年度につきましては、内国債が四百四十二億、そのうち普通国債が三百九十億、それから年賦償還制の国債が五十二億、そのほかに外貨債が二百十五億、計で六百五十七億。三十九年度につきましては、内国債が六百五十七億、このうち普通国債が六百六億、年賦償還制の国債が五十一億、そのほかに外貨債が三十四億、全体で六百九十一億、こういうことに相なっております。  で、過去三年、四年の間におきましては、日本銀行並びに市中金融機関で持っております国債につきましては、借りかえに応じてくれておりますので、将来金融情勢その他でどうなるかわかりませんが、そういった分が借りかえになるとしますならば、相当額が満期額の中で現金償還しなくても済むということに相なるわけでございます。
  51. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。  これより採決をいたします。昭和二十八年度から昭和三十四年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  54. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  ちょっと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  56. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 速記をつけて下さい。
  57. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) それでは、糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案、国有林事業特別会計法の一部を改正する法律案治水特別会計法案交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案の四案を議題といたしまして、補足説明を聴取いたします。
  58. 小熊孝次

    政府委員小熊孝次君) ただいま議題となりました四法律案につきまして補足説明を申し上げます。  まず、糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案でございますが、御承知の通り、繭糸価格安定法の基本法といたしまして繭糸価格安定法がございますが、同法によりますと、政府は、申し込みに応じまして、最高価格でその保有する生糸を売り渡し、または予算の範囲内におきまして最低価格で生糸を買い入れることにより、繭及び生糸の価格の異常変動の防止をはかることになっております。糸価安定特別会計におきましては、昭和三十二年度までは、三十億円の資本金と三十億円を限度とする借入金及び五億二百万円、計六十五億二百万円をもちまして——これは五億二百万円は積立金でございますが、計六十五億二百万円をもちまして、同法による繭糸価格の安定をはかって参ったのでありますが、三十二年の暮れごろから、徐々に生糸の市況が悪化いたしましたので、これに対処するために、特別会計の借入限度を七十億円に引き上げますとともに、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の制定によりまして、同法による生糸及び繭の政府買い入れをもこの会計で行なうことといたしました。これと同時に、昭和三十五年五月三十一日までは、繭糸価格安定法による生糸の買い入れば行なわないことになったわけでありますが、三十四年度には、一般会計からこの会計に二十億円を繰り入れますとともに、借入限度を二百七十五億円に引き上げ、現在に及んでいるわけでございます。  三十五年度の繭及び生糸の価格の安定について見まするに、現状におきましては、さきに述べましたような特別の措置を引き続き講ずる必要はないと認められますので、今回、この法律案を提出いたしまして、借入限度を百十五億にいたそうというわけでございます。  次に、国有林野事業特別会計法の一部改正案につきまして、補足説明を申し上げます。  別途、今国会で御審議をいただきました治山治水緊急措置法の規定によりますところの治山事業十カ年計画に基づきまして行ないます治山事業につきましては、事業の収支並びにその成果を明らかにすることが適当であると認めまして、その経理を一般会計と区分して明らかにしようとするものでありますが、従来から民有林野につきましての治山事業は、国有林野事業の一環といたしまして、一般会計から委託を受けて国有林野事業特別会計において実施してきたところであり、また、今回の治山十ヵ年計画に基づいて実施する直轄治山事業も、事業の実施の面になりますと、しょせんは、営林局署において行なわざるを得ないこととなり、別個の特別会計を設けることにいたしますと、組織、人の問題も生じて参りますので、国有林野事業特別会計を国有林野事業勘定及び治山勘定に区分して経理することとするのが適当であると認めまして、この法案を提出した次第であります。   次に、治水特別会計法案につきまして補足説明を申し上げます。  治水事業は、治山とともに昭和三十五年度におきまするところの政府の重要施策の一つでありまして、別途提案中の治山治水緊急措置法案の定めるところによって治水事業十ヵ年計画を定め、もって事業の緊急かつ計画的な実施をはかることとしているところであります。  この特別会計法案は、このような背景において国が直轄で行なう治水事業及び多目的ダム建設工事の実施に関しまして、その経理を一般会計と区分して明確にすることを目的とするものであります。さらに、直轄治水事業に密接に関連する伊勢湾等高潮対策事業で建設大臣が施行するもの、並びにこれらの事業または多目的ダム建設工事に密接に関連する受託工事につきましても、これらの事業または工事が直轄治水事業または多目的ダム建設工事とともに同一の工事事務所において施行しているものであり、人員、施設器材の共用等工事実施上相互に関連するところが多いので、工事の円滑化をはかる趣旨から、この会計においてあわせて経理するとともに、また都道府県知事が施行する治水事業費に対する負担金または補助金につきましても、治水事業十ヵ年計画に基づく事業の通覧を便ならしめ、かつ、事業全体の実績を明確にするため、この会計において一体的に経理することとしております。  特別会計の経理は、提案理由において述べましたように、治水勘定と特定多目的ダム建設工事勘定に区分して行なうこととしております。治水勘定は、直轄治水事業、直轄伊勢湾等高潮対策事業、治水関係受託工事並びに治水事業補助金または負担金交付等に関する経理を行なうものであります。特定多目的ダム建設工事勘定は、多目的ダム建設工事及び多目的ダム関係受託工事に関する経理を行なうものでありますが、ダム使用権設定予定者からの負担金等工事費負担の特殊性にかんがみ、その経理は、工事別等の区分により行なうこととしております。この会計の経費のうち、直轄治水事業及び直轄伊勢湾等高潮対策事業の額で国庫が負担するものまたは治水事業補助金負担金の額は、毎年度、一般会計から治水勘定に繰り入れ、多目的ダム建設工事費の額で国庫が負担するものは、毎年度、特定多目的ダム建設工事勘定に繰り入れることとしております。  なお、多目的ダム建設工事及び多目的ダム関係受託工事に関する事務費につきましては、予算の効率的な執行をはかる趣旨によりまして、特定多目的ダム建設工事勘定から治水勘定に事務費相当額の財源の繰り入れをいたしまして、治水勘定において一括支弁することとしております。  以上のほか、この法案におきましては、会計の歳入歳出予定計算費等の作成、予算の提出、歳入歳出決定計算書の作成、歳入歳出決算の提出手続、決算上の剰余金の処理など、この会計の運営上必要な基本的事項を定めることとしております。  なお、現行の特定多目的ダム建設工事特別会計は、昭和三十四年度限り廃止することといたしまして、同特別会計の資産及び負債は、政令の定めるところにより、この会計の特定多目的ダム建設工事勘定に帰属することとし、また、一般会計の治水関係予算により購入した機械その他の治水関係資金及び負債についても、同様に政令で定めるところにより、この会計の治水勘定または特定多目的ダム建設工事勘定に帰属することとしております。  次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。  政府におきましては、昭和二十九年度以来地方交付税法による地方交付税の交付を行ない、昭和三十四年度におきましては、所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ百分の二十八・五に相当する額の合算額を地方交付税として交付して参ったのでありますが、今般、昭和三十四年度に実施いたしました所得税の減税に伴う道府県民税及び市町村民税の減収が地方公共団体に与える影響を考慮いたしまして、あわせてその財政の健全化に資するため、当分の間、臨時地方特別交付金に関する法律案を提案いたしたのであります。この措置に伴いまして、臨時地方特別交付金の交付に関する政府の経理は、臨時地方特別交付金が当該年度におきまするところの所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ百分の〇・三に相当する額の合算額を限度として地方公共団体に対して交付されるものでありますので、特定の歳入をもって特定の歳出に充てられる性質のものであり、かつ、その歳入、歳出に関する手続も地方交付税に準じて行なわれますので、本特別会計において経理を明確にすることが適当でありますので、本特別会計について所要の改正を行なうためこの法律案を提出した次第であります。  以上四法案について補足説明を終わりたいと思います。
  59. 杉山昌作

    委員長杉山昌作君) 本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十七分散会