運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-02-25 第34回国会 参議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月二十五日(木曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————   委員の異動 二月二十二日委員大矢正辞任につ き、その補欠として江田三郎君を議長 において指名した。 二月二十四日委員江田三郎辞任につ き、その補欠として大矢正君を議長に おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     加藤 正人君    理事            上林 忠次君            山本 米治君            大矢  正君            永末 英一君    委員            大谷 贇雄君            岡崎 真一君            木暮武太夫君            河野 謙三君            西川甚五郎君            堀  末治君            成瀬 幡治君            野溝  勝君            平林  剛君            原島 宏治君            天田 勝正君   政府委員    大蔵政務次官  前田佳都男君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君   説明員    経済企画庁調整    局貿易為替課長 荘   清君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○日本開発銀行法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査) ○道路整備特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査) ○特定港湾施設工事特別会計法の一部  を改正する法律案内閣送付予備  審査) ○経済基盤強化のための資金及び特別  の法人基金に関する法律の一部を  改正する法律案内閣送付予備審  査) ○国有林野事業特別会計法の一部を改  正する法律案内閣送付予備審  査) ○治水特別会計法案内閣送付予備  審査) ○租税及び金融等に関する調査  (貿易自由化に関する件)   —————————————
  2. 加藤正人

    委員長加藤正人君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員の変更について御報告いたします。大矢君は二月二十二日委員辞任されましたが、二月二十四百付をもって大蔵委員に選任せられました。  つきましては、委員長は、前例に従い、この際、理事大矢君を指名いたします。   —————————————
  3. 加藤正人

    委員長加藤正人君) これより、日本開発銀行法の一部を改正する法律案外五件について順次、提案理由説明を聴取することといたします。
  4. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) ただいま議題となりました日本開発銀行法一員会会議部を改正する法律案外五法律案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  まず、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。  日本開発銀行は、昭和二十六年設立されたのでありますが、政府出資金及び政府借入金等財政資金をもって重要産業に対する設備資金融資を行ない、わが国経済の正建と産業開発に大きな役割を果たしてきていることは御承知通りでありまして、その開発資金貸付残高は現在約四千九百八十億円にも上っております。このほか、同行昭和二十八年以来いわゆる世銀借款の窓口として、電力鉄鋼等重要産業に対する世界銀行からの借款による外貨貸付をも担当しているのでありまして、その貸付残高は、現在約六百九十億円に達するに至っております。  わが国重要産業設備資金世銀借款を初めとする外資により調達することにつきましては、今後とも、これが円滑な導入をはかっていくことが必要と考えられるのでありますが、近年わが国経済力の充実、国際信用向上等に伴いまして、従来はもっぱら世銀借款が主体となっていたのに対して、今後は次第に外国民間資金による借款を期待してよい段階になって参るものと考えられるのであります。このような事態に即応して外国より民間資金導入するための一つ方法としてこの際日本開発銀行外貨債券発行の道を開き、今後機を見てこれが発行を行なわしめることが適切な方策であると考えられます。さしあたり昭和三十五年度には、海外市況をも勘案しつつ、電力融資中心といたしまして三千万ドルの範囲外貨債券発行を行なうことといたしたく、このため、外貨債券元利金支払い政府保証については、今国会に提出いたしました昭和三十五年度一般余予算総則において必要な措置を講ずることとして、すでに御審議を願っている次第でありますが、これと相待って、ここに日本開発銀行法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案による改正の主要点を申し上げます。  第一は、日本開発銀行が、大蔵大臣の認可を受けて外貨債券発行することができるようにすることであります。現在、同行資金調達方法は、政府からの借り入れ外国の銀行その他の金融機関からの外貨資金借り入れに限られておりますので、外貨債券発行について新たに規定を設けることといたしたのであります。  第二は、外貨債券発行額限度借入金と合わせ現行の借入金限度額範囲とすることであります。現在、借入金限度につきましては、日本開発銀行金融機関としての健全性確保する見地から、資本金及び準備金合計額、すなわちいわゆる自己資本額の二倍までと定められているのでありますが、外貨債券もこの限度範囲内で発行することといたしております。  第三は、政府が、外貨債券の債務について、他の政府関係機関発行する債券と同様、予算の定める限度においてこれを保証することができるようにすることであります。  第四は、外貨債券の消化を円滑にするために、その利子等に対する租税その他の公課については、国際慣行にならい非課税措置を講ずることとしていることであります。  以上のほか、外貨債券発行事務委託等について規定を設ける等、所要規定整備を行なうことといたしております。   —————————————  次に、道路整備特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  すでに御承知通り道路整備特別会計において国が直轄で行なう道路整備事業にかかる都道府県負担金につきましては、地方債証券による納付を認め、他方、これに対する資金的措置としてこの会計負担において借り入れを行ない、もってこの会計における事業資金確保をはかることとしていたのであります。  しかしながら、地方債証券による納村は、地方財政種々影響を与えることにかんがみ、昭和三十五年度以降は、地方債証券による納付をやめ、現金納付することとし、これに伴ってこの会計における地方負担金の額に相当する経費財源に充てるための借り入れ措置は行なわないことといたしたいと存じます。  この方針に従いまして、今般、道路整備特別会計法を改正し、この会計における地方負担金の額に相当する経費財源に充てるための借入金借り入れ及び償還に関する規定を削除するとともに、同会計歳入及び歳出予算または決算添付書類その他関係規定整備を行なうことといたしたいと存じます。   —————————————  次に、特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  すでに御承知通り特定港湾施設工事特別会計において国が直轄で行なう特定港湾施設工事にかかる港湾管理者負担金につきましては、地方債証券による納付を認め、他方、これに対する資金的措置としてこの会計負担において借り入れを行ない、もってこの会計における事業資金確保をはかることとしていたのであります。  しかしながら、地方債証券による納付は、地方財政種々影響を与えることにかんがみ、昭和三十五年度以降は、地方債証券による納付をやめ、現金納付することとし、これに伴ってこの会計における借り入れ措置は行なわないことといたしたいと存じます。  この方針に従いまして、今般、特定港湾施設工事特別会計法を改正し、この会計負担における借入金借り入れ及び償還に関する規定を削除するとともに、同会計歳入及び歳出予算または決算添付書類その他関係規定整備を行なうことといたしたいと存じます。   —————————————  次に、経済基盤強化のための資金及び特別法人基金に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  農林漁業金融公庫におきましては、非補助小団地等土地改良事業助成基金運用益財源として、国の直接または間接補助対象とならない農地の改良または造成にかかる事業に対する貸付利子を軽減しておりますが、酪農振興見地から、今回国の直接または間接補助対象とならない牧野の改良または造成にかかる事業に対する貸付についても、非補助小団地等土地改良事業助成基金運用益をもってその利子の軽減に充てることができるようにしようとするものであります。   —————————————  次に、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  政府におきましては、治山治水事業促進をはかるため治山治水にかかる各十カ年計画を樹立いたしまして、事業の緊急、かつ、計画的な実施に努めることとし、別途今国会治山治水緊急措置法案を提案して御審議をお願いいたしております。このうち治山事業について、その経理一般会計と区分し、もって事業収支並びにその成果を明らかにすることが適当であると認められますので、ここにこの法律案を提案した次第であります。  次に、法案概要を申し上げます。  第一に、国有林野事業特別会計国有林野事業及び治山の二勘定に区分することといたし、国有林野事業勘定におきましては、従来からこの会計で行なっております国有林野事業に関する経理を、治山勘定におきましては、さきに述べました治山治水緊急措置法に定める治山事業十カ年計画実施に伴う民有林野にかかる治山事業で国が直轄で行なうもの及び治山事業都道府県等が行なうものにかかる国の補助金負担金交付等に関する経理を行なうことといたしております。  第二に、治山勘定歳入及び歳出でありますが、歳入といたしましては、国が直轄で行なう治山事業に関する費用にかかる国庫負担金及び地方公共団体負担金都道府県等が行なう治山事業にかかる国の補助金負担金に相当する金額等を予定し、歳出といたしましては、国が直轄で行なう治山事業に関する費用及び都道府県等が行なう治山事業にかかる国の補助金負担金その他を予定しております。なお、国が直轄で行なう治山事業及び災害復旧事業に関する事務取扱費は、治山勘定から国有林野事業勘定に繰り入れることとするほか、この会計勘定に区分したことに伴い必要な規定整備をはかることといたしております。   —————————————  最後に、治水特別会計法案について申し上げます。  政府におきましては、治山治水事業促進をはかるため、治山治水にかかる各十カ年計画を樹立いたしまして、事業の緊急、かつ、計画的な実施に努めることとし、別途、今国会治山治水緊急措置法案を提案して御審議をお願いいたしております。このうち治水事業につきまして、その経理一般会計と区分し、もって事業収支並びにその成果を明らかにすることが適当であると認められますので、ここにこの法律案を提案することといたした次第であります。  次に、この法案概要について御説明申し上げます。  第一に、この特別会計においては、建設大臣が施行する河川、砂防または地すべり防止工事にかかる直轄治水事業及び多目的ダム建設工事に関する経理を行なうことを主たる目的とし、あわせてこれらの事業または工事に関連のある直轄伊勢湾等高潮対策事業または受託工事の施行並びに都道府県知事が施行する治水事業に対する国の負担金または補助金交付に関する経理を行なうこととしております。  第二に、この会計建設大臣が管理することとし、会計経理治水勘定及び特定多目的ダム建設工事勘定に区分して行なうこととしております。治水勘定歳入は、直轄治水事業及び直轄伊勢湾等高潮対策事業につき国庫負担する部分の金額または都道府県に対する国の負担金もしくは補助金財源に充てるための一般会計からの繰入金、これらの直轄事業にかかる地方負担金並び治水関係受託工事納付金等とし、同勘定歳出は、これらの直轄事業費治水関係受託工事費並び治水事業費負担金または補助金等とすることとしております。特定多目的ダム建設工事勘定歳入は、多目的ダム建設工事費に充てるための一般会計からの繰入金地方負担金及びダム使用権設定予定者負担金並びに多目的ダム関係受託工事納付金等とし、同勘定歳出は、多目的ダム建設工事費並びに多目的ダム関係受託工事費等とし、これらの歳入及び歳出並びに資産及び負債を工事別等の区分に従って経理することといたしております。  以上のほか、この法案におきましては、この会計予算及び決算に関して必要な事項を定めることとしております。なお、本特別会計の設置に伴って特定多目的ダム建設工事特別会計法を廃止することといたしております。  以上が、この法律案の提出の理由及びその概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
  5. 加藤正人

    委員長加藤正人君) これらの法律案に対する補足説明並びに質疑は、後日に譲ります。   —————————————
  6. 加藤正人

    委員長加藤正人君) これより、貿易自由化に関する件について、経済企画庁当局から説明を聴取することにいたします。  荘貿易為替課長、来ておられますね。
  7. 荘清

    説明員荘清君) それでは、企画庁貿易為替課長でございますが、お許しを得まして私から簡単に貿易自由化に関する件につきまして御説明をいたしたいと思います。お手元に配付いたしております資料は二種類ございます。「貿易および為替自由化促進について」という資料と、もう一つが「貿易為替自由化参考資料」というのがございます。  それでは、この資料中心にいたしまして、現在までの経緯と今後の問題点概要について、簡単に御説明させていただきます。  「貿易および為替自由化促進について」という方の資料の三十一ページをごらんいただきたいと存じますが、資料4というふうに肩に入れております資料でございます。この資料にございますように、ことしの一月五日の閣議におきまして貿易為替自由化促進について新たに内閣貿易為替自由化促進閣僚会議を設置いたしまして、従来所管各省において検討推進してきました貿易為替自由化を、総合的かつ円滑に促進するための基本方針決定しようという閣議了解がなされておるわけでございます。貿易及び為替自由化の問題につきましては、昨年当初ころより、将来におけるわが国の通商及び産業政策上の重要問題という見地から、昨三十四年の三月五日の経済閣僚懇談会におきまして、今後における貿易為替自由化基本方向につきまして大体の考え方が了解せられておるわけでございます。これは、ただいまの資料の十七ページに、そのときの経済企画庁から提出いたしました資料が添付してございます。この資料を一々読み上げるのはただいま省略いたしたいと存じます。こういう基本的な考え方に基づきまして、自来関係各省においては漸次自由化措置実施して参ったのでございます。その大体の状況につきましては、同じ資料の二十五ページ以下に、資料3というところに、「貨物輸入自由化措置」と、それから「為替関係自由化措置」という、大きく分けまして項目を整理してございます。これにつきましても、一々ここで御説明いたす時間もございませんので、一応資料だけを御紹介させていただきたいと思います。要するに、三十五年一月五日に新たに自由化閣僚会議という体制を作ることにいたしましたのも、今後におきます自由化に向かっての世界経済の大きな動きにわが国として対処していく必要性と、もう一つは、わが国経済の長期的な発展をはかっていくためには、どうしてもこの際貿易為替自由化わが国として踏み切っていく必要があるという、いわばわが国経済自由化への内在的な必要性というもの、この二つ重要性を強く認識いたしまして、こういう形で強力に推進していこうという方針があらためて強く決定せられたものと存じております。  この決定に基づきまして、一月の十二日に第一回目の経済自由化閣僚会議が開催されております。その決定内容はこの資料の一番終わりに資料5として出てございますが、三十三ページでございます。「貿易及び為替自由化促進について」という一月十二日の自由化促進閣僚会議決定資料でございますが、ここで二つ決定がなされておるわけでございますが、第一は、今後における自由化を進めていくにあたっての作業目標と申しますか、目標決定でございまして、一応朗読いたしますと、「貿易及び為替自由化については、年次目標を定めつつ、内外対策整備と相まって急速に推進するものとする。これがため、五月末を目途として自由化計画を策定するものとする。」という決定がなされておるわけでございます。それから、同じく第二の決定事項といたしましては、「当面措置すべき事項」といたしまして、対ドル輸入制限品目完全AA化、その他商品輸入面において当面措置すべき事項と、それから為替自由化面につきまして当面措置すべき事項、この二つのことに関しまして具体的な処理の方法が定められたわけでございます。この当面措置すべき事項に関しましては、この基本決定に基づきまして、自後引き続き関係各省において細部の検討を加えまして逐次実施に移しつつあるわけでございます。  ところで、今後におきまする自由化の最大の問題は、申すまでもなく、第一の決定事項でありますところの五月末を目途として策定すべき今後の長期的な自由化計画をいかに定めていくかという問題でございまするこの点に関しまして、大体の考え方及び主たる問題点というものを整理してみましたものが、この資料の第一ページ以下の資料でございます。第一ページから八ページまでの資料でございます。  まず、ここにおきましては、第一点といたしましては、自由化わが国が踏み切っていくべき背景とその必要性について述べております。第二に、従来の自由化問題につきましての大体の経緯を取りまとめてございます。最後に、第三番目といたしまして、自由化に伴う基本問題というものを取り上げて説明してあるわけでございますが、その考え方は、まず第一には、国際収支及び外貨準備の問題でございまして、今後自由化を円滑に促進して参る上におきまして、わが国経済を安定的な成長の状態に保ちつつ、支障なくこれを進めていくという必要から、今後特に財政及び金融政策のになうべき役割がますます重大化すべきであるという考え方を確認しておるわけでございます。第二番目は、自由化に伴います国内産業適応体制をいかにすべきかという重大なる問題でございます。これをかいつまんで申しますれば、まず輸入自由化によりまして、従来為替管理によりまして輸入が制限せられることによって維持せられておりましたところの産業上の種々秩序が、一時的に混乱する事態も予想せられますので、それに対する産業秩序維持のため必要な対策を講ずる必要があるということ。及び、日本経済の最も困難な重大問題といたしまして、いわゆる農鉱産物中小企業その他の産業構造上の二重構造と申しますか、脆弱な部面があることはまぎれもない事実でございますので、こういう分野につきまして自由化を、いかなる手順といかなる施策を講じつつ、円滑に進めていくべきであるかという問題を提起しておるわけでございます。  第三番目の問題点は、自由化に伴う貿易拡大上の問題でございます。一口で申しますれば、現在主として東南アジア諸国から割高な物資をやむを得ず輸入いたしまして、それの見返りとしてわが国輸出を伸ばしておるという面がございますが、今後自由化により縮小するおそれのある後進国に対する貿易を、いかにして維持拡大していくか。さらに、現在先進諸国におきましては非常な勢いで輸入自由化措置に踏み切っておるわけではございますけれども、残念ながら、わが国からの輸出品につきましては依然として差別待遇があとを絶たないわけでございまして、わが国輸入自由化をするのに相伴いましていかにして相手方に日本品に対する不当な差別待遇を撤廃させていくかという問題でございます。  なお、続きまして、為替面の問題につきましても、主として、主たる問題でありますところの円為替導入の問題とか、外資導入自由化問題等は、非常に今後重要な政策問題となってくると思われますので、商品面輸入自由化と相並びまして為替面自由化措置を、十分わが国経済に対する影響等も考慮しつつ、慎重に措置していくべきであるという点を強調いたしておる次第でございます。  以上で従来の経緯及び今後予想される主たる問題を簡単に申し述べたわけでございますが、現在この五月末を目途としております自由化計画策定作業がどういう進行状況にあるかということを、一言申し加えさせていただきたいと思います。  現在関係各省におきましては、所管物資もしくは所管事項に関する自由化計画を策定いたしますために、それぞれ関係業界その他と緊密な連絡のもとに、自由化に伴う影響調査、及び自由化していく上においてこれを円滑に実施するために必要な内外対策内容等につきまして、目下鋭意検討を進めておる段階でございます。今後、各省におきましてその大綱が決定いたしていきますのに伴いまして、経済企画庁中心となりまして、各省の意見を十分に拝聴いたしまして、全体としての調整も必要に応じて行ないました上で、所要の順序を経て自由化促進閣僚会議の方へ提案いたして参りたいと存じておる次第でございます。  簡単でございますが、一応……。
  8. 加藤正人

    委員長加藤正人君) ただいまの説明に対しまして質疑のある方は、御発言を願います。
  9. 大矢正

    大矢正君 どうも、説明を聞いたけど、さっぱりわからないんだが、FA、すなわち外貨割当制品目の数というのはどのくらいあるんですか、現状で。
  10. 荘清

    説明員荘清君) この参考資料の方にその概要をつけてございます。参考資料の方の第一ページに、第一表「主要輸入品目外貨予算上の取扱」というのがございますが、ここに外貨割当制輸入せられておる品目のうち主たるものを掲げてございます。
  11. 大矢正

    大矢正君 私の聞いているのは、このFA、すなわち外貨割当制十四億九千四百万ドルの品目というのは出ているけれども、品目の数がどのくらいあるのか書いてないから。このAA制の方は品目数七百六十三品目で出ているけれども、FAの方は出ていないから、FAの全部の品目数はどのくらいであるのか、こういう質問です。
  12. 荘清

    説明員荘清君) FA品目につきましては、正確な数の取り方にいろいろあるだろうと存じます。たとえば、現在、輸入外貨予算の上におきましては「機械」というふうに品目を定めまして、そしてその輸入金額輸入予算額を計上いたしております。そして実際には、いろいろの種類の機械輸入申請が出されますと、それを、審査の上、割当を認めておりますので、たとえば、その機械というものを具体的に何品目であるかということをきめることが、少しいろいろ問題があると思いますので、ここで私正確に大体の品目数を申し上げることが困難でございまして、非常に申しわけございません。
  13. 大矢正

    大矢正君 経済企画庁で、貿易自由化に伴って国内産業に与える影響は甚大であるというふうな観点から、積極的に、貿易自由化に対する対処策ということも入りましょうけれども、検討を始めたのは、一体いつごろからなんですか。
  14. 荘清

    説明員荘清君) 自由化の問題につきまして企画庁が特に検討に入りましたのは、昨年三月五日の経済閣僚懇談会に提出いたしましたところの「国際経済の新段階に対応するわが国為替及び貿易政策の方向」という考え方を取りまとめた段階であろうと存じます。
  15. 大矢正

    大矢正君 どうも、あなたの答弁はさっぱりわからぬのだがね。そうであろうとかなんとかいって、あなた方、自分自身で検討を始めた日にちがわからないってばかなことないじゃないの。そうであろうとかなんとか言わないで、経済企画庁であなた方自身が、実際問題として貿易自由化為替自由化検討を始めているんだろうから、調整作業を始めているんだろうから、そういう意味で、あなた方自身が各省とは別冊に調整的な立場から貿易自由化検討し始めた時期はいつごろであるかということを聞いているんだから、それをあなた方が、そうであろうとかなんとかいう答弁はないじゃないか。
  16. 荘清

    説明員荘清君) 私のお答えが非常に不十分であったと存じますが、わが国におきまして貿易為替自由化問題が特に重要問題として強く認識せられるに、至りましたのは、一昨年暮れに西欧各国が一斉に各国の通貨につきまして交換性を回復するという画期的な挙に出たころを、一つの大きな転換期としておるのではないかと考えております。そういう情勢に対応いたしまして、今後わが国としていかにあるべきかというものを、企画庁におきましても鋭意検討いたしまして、その上で三月の経済閣僚懇談会一つ考え方を取りまとめて提出したわけでございます。従いまして、企画庁といたしまして特に本格的に本問題と取り組むようになりましたのは、その当時以降であると申し上げられると存じます。
  17. 大矢正

    大矢正君 貿易自由化された段階における国内産業影響という問題から考えて、あなたの方でも、業種別に、しかも品目別に、自由化された段階において、はたして国内産業がそれぞれの内容において対等に外国輸入品目と太刀打ちができるかという、この経済的な立場というものを検討されていると思うんですがね。そういう業種別の検討の内容というものは、今作られていないのですか、まだ。
  18. 荘清

    説明員荘清君) 現在、経済企画庁におきましては、まだ作っておりません。関係各省におきしまして現在その検討に鋭意取りかかっておる段階でございます。
  19. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 今も野溝委員が退席されるときに、私にちょっとことづけされていったんですけど、一つのこういう重大な政策の問題であとから、ぜひ一つ大蔵大臣等が出席せなければ質疑は留保すると言って出られたんですが、それと関連して、今ここに資料として、一月五日あるいは十二日の閣議決定事項、あるいは資料として提出された「国内産業適応体制」の問題等で、問題が羅列してある。で、これに対しての対策立案等は五月を目途としてやるというようなふうに説明も承ったんですが、これは一つ私が聞き間違いかもわかりませんが、しかし、そういうことじゃなくて、やはりこういう重要な政策を決定される上においては、大蔵大臣あるいは経企長官等、相当な調査をされ対策も立ったから、やられたものと僕は思うわけです。従って、大臣がそういうことを、出てきてここで答弁されるということが、若干忙しい、予算委員会等があって省略するというなら、一つそういうものに踏み切られるまでの調査されたこと、あるいはそれに対しての対策等を立てられておるわけでありますから、資料としてお出し願う。もしそうでないとするなら、ここに来てそういうことについて全部述べていただく。それで、私がここで意見を言えば、予算委員会等があってずっと引っぱられてしまって、四月五日ころあるいは十日ころまで予算がかかるのじゃないか、それまで大蔵大臣は出席不可能だ、あるいはぽつぽつでられるようでは、大へんだ。やはりこういう問題になれば何時間もかけて議論しなければならないのでありますから、ぜひ一つ資料を出していただくのがいいのじゃないか、こう思います。これは、政務次官、一つ御返答願いたい。
  20. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) ただいまの成瀬委員からの御要望につきましては、よく大蔵大臣と御相談いたしまして、できるだけそのいきさつ等がよくわかりまするような資料の提出、あるいは機会を見まして御説明をするとかいうふうにいたしたいと思います。
  21. 加藤正人

    委員長加藤正人君) 大蔵大臣だけじゃいかぬのじゃないですか。経企長官の方も要るのじゃないですか。
  22. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 当然です。それで「貿易および為替自由化促進について」という資料為替課から出ております。これでは、あなた、資料じゃないですよ。これはどこの参考書を見てもある。ただ、問題点が指摘されておるだけで、資料というのは、影響はどうなるのだ、それに対して対策はどうなるのだという資料要求だと思うのです。ですから、今言った意味で、もう一度一つやっていただきたい。
  23. 前田佳都男

    政府委員前田佳都男君) お答えいたします。ただいまの成瀬先生の御指摘でございますが、きょうはとにかく経済企画庁からの説明を聞くということでございましたので、別に大蔵省からその関係の者も来ておりませんので、今後はその御趣旨を体してまた委員会の方とも打ち合わせしながらその準備を進めて、説明するようにいたします。
  24. 加藤正人

    委員長加藤正人君) きょうは資料の点だけお聞き取り願っておけばけつこうです。
  25. 天田勝正

    ○天田勝正君 資料の問題ですがね、これはむしろ経済企画庁の方の関係だと思いますが、いただいた資料をずっと見ましても、農業に対する影響のものなどは何一つ出ていない。そして伝え聞くところによれば、農業に関する限りは直ちにこれが影響なきよう、従来通りの方式でしばらくはやっていくやに聞いておる。やっていくやに聞いておるが、自由化とはそういう筋のものではもともとないはずだ。そして、これはアメリカ、西欧の諸国のみならず、東南アジア諸国では、なぜ日本が米を買わぬかということで非常に不満を持っておる。これが日本の貿易の伸びない一つの原因にもなっていることは御承知通り。こういう事態になれば、自然に、今のところはしばらくはなんて言ってみたところで、これは半年や一年の間でございまして、直ちに影響して来ざるを得ない。自由化それ自体の性格がそうなんだ。そういうときには、大体私の知るところでは、輸入のうちの四割近いものはおよそ農業に関係のある輸入品であるはずであります。そういうことになれば、えらい影響がここに出てくるのだが、こうした調査をおそらく経済企画庁の方で算定されておるはずだと私は思います。これらの資料をまず出してもらいませんと、ちょっと、議論してもむだではないかと私は思っておるのです。従って私は特に、農業関係の影響に対する資料がおありになれば、直ちに一つ出していただきたいということを要求いたしておきます。
  26. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私も、言葉を補足させていただきます。産業構造の問題も出て参ります。あるいは、ここには「中進国たる」というような、先進国、後進国のほかに、「中進国たる日本として育成過程にある新規産業を」、こういう言葉が初めて出ている。とするならば、それに対する対策がどうだというようなことが資料なのです。こういう点を一つ出して、説明していただきたい。これじゃ、資料とか説明とかということにならぬ。その辺のところを一つ十分、言葉は足りないかもしれませんが、意のあるところを体してやっていただきたい。
  27. 大矢正

    大矢正君 資料のことですが、アメリカ、英国と日本と比べて幾らだ、こんな簡単な資料でもって貿易自由化後の経済に与える影響なんということを測定することはできないですよ。だから、品目別に、実際、日本の今の市中価格というものはある程度操作されているもので、独占価格に近いものですから、そういう独占価格という内容でない、実際にある程度の利潤を見込んで生産費と合わせた場合に、どの程度で日本の品物の値段というものは出てくるかということに対して、たとえばアメリカならアメリカ、英国なら英国の品物が船で日本に入ってきて、実際の貿易の諸掛かりを入れて売る段階でどの程度になるか、従って、その間における日本の品物の生産価格というものと外国輸入価格の差がどの程度あるかという具体的のものがなければ、こんなアメリカの一般市中価格幾ら、日本の市中価格幾らというだけで、実際問題として輸送とか一切のことを考えない、こういう内容だけで、対比しようと思っても対比できない。具体的に業種別に、品目ごとに、外国の品物が日本に入ってきてどの程度が現状の価格であり、それに対して日本はどの程度高いから、合理化などをして値段を下げるようにして太刀打ちするか、そういう点に関する資料がなければ、こんな漠然としたものでは話にならぬです。だから、企画庁としてはもっと総体的にそういう立場から作った資料を出してもらいたい。
  28. 荘清

    説明員荘清君) ただいまの資料の問題についてでございますが、決してこういう簡単な内外比価だけですべてが判断できるというようなつもりで、ここに参考資料としてつけてあるわけでは絶対ございません。いろいろ主要な物資につきまして、機械的な内外比価という面だけから見てどの程度の開きがあるだろうかということも、よく話題に出ることでもございますし、そういう意味で、ほんの参考資料の一部として添付しただけのことでございます。その点、お含み置きいただきたいと存じます。
  29. 加藤正人

    委員長加藤正人君) きょうはこれでけっこうですが、今、諸君の要求された資料は、帰られてよく打ち合わせの上、提出していただきたいと思います。
  30. 荘清

    説明員荘清君) それから、輸入自由化に伴う商品別の影響等についての突っ込んだ資料が必要であるという御意見は、ごもっともであると存じます。ただ、そういう資料が現在すでに十分整備されているか、あるいは十分整備されておったかといいますと、必ずしもそうではないのでございまして、そういう点におきましてもまだ不十分でございますので、現在、通産省、農林省その他におきましても、相当手広く突っ込んだ調査を進めているわけでございます。企画庁といたしましても、そういう各省の作業の結果を十分将来検討する機会があるわけでございまして、完全に整備された資料という意味ではそういう時期になると存じます。非常に事務的なお答えで、失礼かと存じますが、私から事情を一言申し上げておきます。
  31. 西川甚五郎

    西川甚五郎君 これは結局、天田さんが言われたのは農林省関係ですね。これは各省やっていると思うのですよ、その問題を深く検討しているのは。それで、やはり各省の関係の人を呼んで、そうして一々、農産物なら農産物、あるいは商工関係なら商工関係、こういうように呼んで、一々深く検討していくのがほんとうの道筋ではないかと思いますがね。
  32. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 今の、ちょっと速記をとめていただいて一つ懇談会で……。
  33. 加藤正人

    委員長加藤正人君) それでは、速記をとめて。    〔速記中止〕
  34. 加藤正人

    委員長加藤正人君) 速記をつけて。  なお、御質問はありますか。━━ないと認めます。  では、これをもって本日は散会いたします。    午前十一時四十二分散会