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吉田法晴君
通産省設置法に基づく
通産省の
所管事務について尋ねるのか、
国務大臣として尋ねるのかということですが、もちろん
通産大臣に
お尋ねをするわけでありますが、そのお言葉の中にありますように、単なる並び大臣としておられるようには私は思わぬ。相当自負もしておられる。ときどき出てくるのですが、総裁候補であるという話も出てくる。とにかく小物の
通産大臣なら労働問題は
労働大臣にと、こういうことですむかもしれませんけれ
ども、私は
池田通産大臣としては、それではすむまいと思うし、それから
合理化の基本問題について
関連をいたしますから、その点を
お尋ねをしているわけでありますけれ
ども、
ドイツと違わないとおっしゃいますが、あるいは離職して
炭鉱を離れるものが
鉄鋼その他に就職ができるか、あるいは他の職業に転換するまで社会保障制度ができているかどうか。これらの点については、これは根本的に違いますが、私が先ほど指摘をいたしましたのは、
人間を
人間として扱って、そうしてその
生活について
責任を負うという政治家の
態度がそれぞれの施策に現われているかどうか。あなたは
離職者の
対策について画期的な
対策を講じている。あるいは中火
離職者対策協議会ですか、そういうものを作って
財界でも受け入れ態勢に
努力をしているということですけれ
ども、しかしこれはあなたの
所管ですが、今まで買い上げた
炭鉱の
あとはどうなっていますか。死の谷といわれ、あるいはこれは土門拳の写真に出ておりますけれ
ども、実にこれはやはり涙を流さざるを得ない。何人もあの実態に対しては言いわけのできない実態になっているじゃありませんか。しかも
合理化の政策の中で
首切り、そうしてあなたのお言葉の中に出ましたけれ
ども、労働条件の引き下げ、そういうものが中心なっている。あるいは
三井の場合のように
労働者を敵視し、あるいは
労働組合をつぶそう、あるいは
労働組合従業員の大
部分を解雇をしてもかまわぬ、言葉の中に出ましたけれ
ども、
三井なら
三井がどれだけとにかく
三井系統の
産業で
従業員を吸収しようとする
努力がなされていますか、そうじゃないでしょう。山野、田川からもってきて、とにかく解雇しようという
方針で進んでいる。そういう
労働者を敵視し、あるいは
労働組合をぶっつぶして、そうしてやっていこうという
方針で、はたして今後の
石炭産業というものの立ち直りといいますか、あるいは
ほんとうの発展というものは期し得ますか、こういうことで基本政策に
関係をして申し上げております。
三井の
方針は私の
方針じゃありませんというのならば、それは労働問題ではありますけれ
ども、
産業政策あるいは
経営の問題として取り上げ、それを直しながら問題を解決するということでなければ、これは、この
労働関係についていい知恵があったら云々とかという話があるということですけれ
ども、そのあなたの基本の中に、
ほんとうに
労働者を
経営者が対等にして、対等に扱ってやっていく、あるいは
三井のようなやり方を直さして、それで
協力体制、あるいは復旧をさせるということがなければ、
ほんとうの、とにかく問題の解決というものには向かわない。あるいは
産業政策の、
石炭政策の推進というものは困難だと思うから、私はいま申し上げている。いかがですか。