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吉田法晴君 事実の点についても、ピケを横切ったというのが最初の事実ではないかという情報を、さっきあるということでしたが、それを
否定されて、事実はあったかなかったかわからぬ、結局不明だと言われたのですが、これらの点については、率直に非は非として認めて、そうして再発を防ぐために
努力をせられるのが当然だと思う。そういう意味で、
警察の、これは本庁の
警備局長なり
長官ですから、その点は情報があるといいながら、それに全く耳をかさない、あるいは事実を調べようとしない
態度については、重大な警告をしておきたいと思うのです。そういう
態度こそが
警察の行き過ぎ、あるいは間違いを再び繰り返さして、事件を拡大する原因になるのです。
それから第一次の紛争が、
警備局長は、梅花君がけった云々という今お話でありますが、少なくともその第一次に
労働者と
警官とが対峙をしたのは、その前に、原因がどっちにあったかはとにかくとして、やはり最初は小さい問題あるいはピケと
警官とが接触をしたという、あるいは警棒がさわったとか、こういう問題からそれに対して
実力行使をした。その
実力行使の仕方が、梅花君のけがを含んで逮捕されたけれ
ども、逮捕されたあとの踏んだりけったりというのは、これはその写真にも出ておりますが、診断書にちゃんと出ている。これはだんだん事件が明らかになってくると思うけれ
ども、長末君に話をしたときに、彼は加害者だからそこで釈放するわけにいかぬ、断じていかぬという感情的な
態度、それでは
事態の収拾はできぬから、冷静にさして話し合いをしようじゃないかというのに対して、話し合いのかわりに
実力行使をさらにした。それが問題の拡大した原因であるし、それから梅花君は、あとから聞いておると、動かすこともできない。これはあとから聞かれただろうと思っておるのですけれ
ども、検挙ができないような
事態であった。従ってとにかく病院に連れていこう、そうして病院に連れていって、そうしてまあ深夜ですけれ
ども、取り消したという事実は、これは否認するわけにいかぬだろう。そうすると相当のけがを梅花君に与えた、こういうことですから、梅花君に対する
警察の
態度というものは行き過ぎがあったという点は、これはあとからの判断ですけれ
ども、あなたたちにも判断があるだろうと思う。そういう報告は全然ありませんか。そういう日誌は全然ありませんか。それを阿具根君について、何か阿具根君のけがが自分の
責任か、あるいは小石か青竹か、何か知らぬけれ
ども、
労働者の責めに帰せられておりますけれ
ども、写真から見ても、あるいは
労働者の代表であり、
大牟田出身の阿具根君に対して、
大牟田の
労働者が危害を加えるはずは、これはもう絶対にあり得ない。そうして
国会議員が何かといいながら、
警官の渦の中に巻き込んで
——私もそうですけれ
ども、私は指揮官車の前、あるいは皆が見ておったから、警棒でここを突いた
程度にとどまりましたけれ
ども、阿具根君に対しては、この
警官の渦の中に巻き込んでやったというのは、これは写真を見ても明らかです。それをとにかく、自分の責仕ある
責任を転嫁するというのは、
警官の非を、梅花君と同じように
責任を転嫁して、自分の非を塗りつぶそうと、ごまかそうとする
態度、そういう
態度だから事件も拡大するし、あるいは長末君の指示をかばって、さらに今後どういう
事態が起こるかわからぬという事実が繰り返されることになる。全体のあれを見て、長末君の指揮、
実力行使が、あなたは救出と言われるけれ
ども、救出をすべき
警官隊というのは長末君の、指揮者の左右におるのですから、どういう状態にあるか、長末君が一番よくわかっております。
警察があって、なるほどそれはこちらに
労働者がおり、向こうに
労働者がおるということだから、はさまれている格好になっておりますけれ
ども、その
事態を救助するために話し合いをしようというのに、その
労働者に対してかかれ、
実力行使をさせるから、あとの紛争が起こる。これは全体の経緯から見ればわかる。それから、われわれが
事態を収拾しようとした誠意あるいは動きというものに対しては、これはあなたは
否定するわけにいかぬでしょう。われわれがけしかけて混乱を起こそうという
態度であったのか、あるいは
事態を収拾し、紛争を最小
限度にとどめようとする
態度であったか、これははっきりしておる。それまでも、われわれが事件を拡大しようという
態度であったと言われるのですか。しかも、その中で言うたことは、これは
現地の
警察の報告だけでしょうが、
国会議員に押えろと言うた、あるいは何をしているのかということであったけれ
ども、そういう報告が来ておるのだったら、この
事態の写真から、そういう
国会議員が何か、あるいは
国会議員に暴行を加わえたであろうということについては、その
態度はともかくとして、これを
否定するわけにいかぬだろう。
警官のわれわれに対する
態度全体を
否定されますか。あるいはわれわれの善意というものも
否定されますか。多少、
長官は、自然発生的な感情があったということはわかる。あとはそれを刺激し、激励をして、
警官と国民との間の対立を激化しないように、こういうふうな御要望がございました。そのことは私
どもが
現地で直接、理性を持っておる
責任者、
名前をあげてもいいが、あるいは
現地に行っている警備
部長なり、あるいは宮浦におる大隊長のごときは良識がございました。しかし長末君のように興奮してしまって、
事態を最小
限度に収拾しようとするのじゃなくて、上がってしまって、かかれ、何をしている、こういう
態度では、これは事件は拡大するばかりです。そのことを私は申し上げている。それから暴行凌辱の多少の
程度は認められたようですけれ
ども、全体から見て
警官の行き過ぎ、不当な
実力行使、われわれに対して警棒を使用した事実があったことは、これは事実です。これは認められないわけに参りません、あなたとしては。そうしてその原因になった自然発生的な感情の原因が、この前から申し上げましたように、
会社の
要請によって動き、あるいは
会社の
施設の中におる。そうして四月十九日、二十日ではないけれ
ども、
警官の
実力行使が不当になされる。民訴法の執行としては不当であった、よくなかったと裁判官が言われるような不当なことがあった。そういうことについての反省もなく、そうしてピケを最初から暴力的だと
考える。その
労働者自身を敵視して、ピケの正当な権限を行使させまい、あるいは
事態を実力で制止しよう、こういう
態度が問題を起こす原因だ、こういうことを申し上げている。多少の反省はありますか。あるいは暴力、凌辱の一部は認めますか。
警察全体の
態度として、自分は反省しない、裁判所も
指摘したような違法も自分は反省しない。そうして
警察のやり方は間違いがないのだ、正当だ、やれ、やれという
態度だから、
中央の
態度が、そこでたび重なるとにかく
事態が起こる、今後の
事態についてきわめて心配される
事態……。問題は
労使の問題で、首を切られた。首を守ろうとするのは当然の本能じゃないですか。これは裁判官に言いたい。裁判官でさえ二、三年前の定員削減のときはどうしました。これは団結権であるとか団体交渉権を認められておらぬけれ
ども、しかし自分の首を守るためには、あるいは首を切られないためには、やっぱり裁判官としてやるじゃないですか、
警官だってそうでしょう。
警官だってあの
事態を排除のときには、自分の地位、給与を守るためには自然に動いたじゃないですか。
労働者が首を切られて、あすはどうなるかわからぬ。失業のとにかくちまたにほうり込まれる、生死の境にほうり込まれるときに、首を切られぬように
努力をするのは当然の話。その
行動に対して初めから暴力的だ、あるいは何といいますか、不逞の徒とは言わぬけれ
ども、不退の徒視して、これを、
労働者を敵視するという
態度が問題を起こす原因だから、その根本をなくするために、
警官に対して、非は非として、暴力、凌辱に対しては制裁を加えらるべきだし、あるいは長末君が直接手を下したとはいいません。しかし原因を作った
責任者が長末君であり、あるいはその部下、先ほど
警察学校云々と言われましたけれ
ども、それらの者についての処罰あるいは長末君の
責任等が追及されなければならぬじゃないですか。
事態を拡大しないように、私は
大牟田からあの多数の
警官を引き揚げることが一番大きな当面の治安維持の最大の急務だと思うのですけれ
ども、それらの点についてもこれはお
考えはございませんか、最後に
お尋ねをしたい。