運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-04-21 第34回国会 参議院 商工委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月二十一日(木曜日)    午前十一時二十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            古池 信三君            栗山 良夫君    委員            井川 伊平君            上原 正吉君            岸田 幸雄君            小林 英三君            斎藤  昇君            鈴木 万平君            阿部 竹松君            近藤 信一君            椿  繁夫君            島   清君   国務大臣    通商産業大臣  池田 勇人君   政府委員    通商産業省鉱山    局長      福井 政男君    通商産業省石炭    局長      樋詰 誠明君    通商産業省公益    事業局長    小室 恒夫君    中小企業庁長官 小山 雄二君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○重油ボイラー設置制限等に関す  る臨時措置に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送  付) ○中小企業業種別振興臨時措置法案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより、商工委員会を開会いたします。まず、理事会で協議いたしました審議予定について御報告いたします。本日は、重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行なった後、討論採決を行ないます。次に、中小企業業種別振興臨時措置法案について質疑を行ない、質疑が終了の場合、引き続き討論採決を行ないます。次に、商工会組織等に関する法律案について質疑を行ないます。次回は、四月二十六日、火曜日でありますが、当日は、都合により午前十時より開会し、商工会組織等に関する法律案並びに石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案の二案について審議を行ないます。以上御了承をお願いいたします。   —————————————
  3. 山本利壽

    委員長山本利壽君) この際、お諮りいたします。四月二十六日、火曜日の委員会において、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について、参考人から意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認めます。つきましては、参考人人選等委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  6. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします質疑のある方は順次御発言を願います
  7. 阿部竹松

    阿部竹松君 この法案は、きわめて内容は重大かもしれませんけれども、法案そのものは簡単でございますし、衆議院の論議された議事録も十分拝読いたしましたので、多くの質問はございませんけれども、大臣並びに、小さいことは担当の局長さんからお伺いすることといたしまして、これは大体、時限立法できておるものですか、それとも臨時立法法的措置が講じられておるものか。ここ五年間、今度は三年間と区切ってきておりますがね。法案の、立法精神をまずお尋ねしたいと思うわけです。
  8. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 形は時限立法でございますが、これはやはり臨時措置の考え方で、一般法律と違って臨時に、また、期間を限って、こういう措置をとろうとしておるのであります
  9. 阿部竹松

    阿部竹松君 大臣の御答弁によると二段がまえの説明になるわけですが、そうしますと、まあ、今はいいとして、三年後再びこういう法律がなくなるというお見通しに立っておるものかどうか、その点をお尋ねしたいわけです。とにかく重油とか、あるいは、ひいてはこれと対抗する石炭産業地下資源産業に関連するので、やはり見通しとしては三年、四年、あるいは五年先のことを見通しておらねばならんと思いますので、ことしが悪くて来年が急によくなり次の年がまた悪くなるというような筋合いの産業に関連しておるものでないので、一応、通商産業大臣の年々の総全的見通し等を、簡単でけっこうですから承っておきたいと思うのです。
  10. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 重油ボイラー規制法は、経済の原則から申しますると、私はよくない法律である、ただ、石炭合理化、また、この石炭産業の育成という非常な大きい命題がございますので、やむを得ずこういうことをしておるのであります。従いまして、別途御審議願っております石炭鉱業臨時措置法が施行されまして、昭和三十八年までに石炭鉱業再建の道を講じまして、と同時に重油ボイラー規制法は廃止する考えでおるのであります
  11. 阿部竹松

    阿部竹松君 確かに大臣のおっしゃる通り、特に日本のような国柄では、外国からいろいろな物を仕入れてきて製品にして輸出しなければならんという国ですから、重油が入ってくるのを法律をもって規制するというようなことは、一面好ましくないことだということは私もわかるわけですが、石炭産業を補助するという意味に通じてはあるわけでしようが、しかし、それと同時に、関税等措置も考えられるわけで、これは佐藤大蔵大臣管轄になってくるかもしれませんけれども、通商産業大臣も前は大蔵大臣を長く勤めておられたのでよくおわかりだと思うのですが、単に石炭産業というものは、重油ボイラー規制というだけで保護されるかどうか。同時に、今申し上げました関税等については、西ドイツでは三十マルクですから、そうすると、あれは大体一マルクが八十円ですから、二千四百円の関税をかけておる。しかし、日本の場合は、イタリアに比較してみても、あるいはフランスに比較してみても、ドイツに比較してみても、石炭産業を助けるということで関税はあまりかけておらんというようなことで、このボイラー法とは直接関係ありませんけれども、石炭産業保護するんだ、補助するんだという建前になると、重油ボイラー規制法だけではだめであるというようにも考えられますので、そのあたり通商産業大臣としての御所見を承っておきたいと思うわけです。
  12. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話通りに、ドイツにおきましては、いろいろ議論がございまして、下院の方では三十マルクの関税をかけよう、下院は一応通過いたしましたが、上院で否決されました。再度、下院で可決いたしましたところ、上院は、最初の一年三十マルク、次の年二十マルク、三年後に十マルクという案を決議いたしましたが、両院協議会でせんだって二十五マルク課税するということで五月一日から施行になることになりました。御承知通りでございます。で、関税政策でいく手もございましょう。私はそれも考えないことはございませんが、せっかく重油ボイラー規制法が約三年間やっておりますので、これをもう三年間延ばす。そうして片方では原油に対しての課税を四%、そうして重油の六先を一〇%に上げる、両方の道でやっていくことが今の実情としてはいいのではないか。いたずらに重油あるいは原油関税をふやしますと、これも経済のもとをなします大事な原料でございますから、私はドイツのそういうやり方も存じておりますが、日本の状態としては、今御審議つておるような方法でいくことが適当じゃないかと考えております。ただ、ここでつけたりでございますが、先般アデナウアー首相石炭問題について話をいたしました。非常にドイツ石炭に対して熱意あるいは保護政策をとる。原油に負けてはいかんというふうな強い希望を持っておることに私は意を強うしたのでございますが、日本におきましても、何とかこの石炭産業を育成して重油と対抗のできるような施策を今後も講じていかなければならんという気持を持っております
  13. 阿部竹松

    阿部竹松君 今までも何年かやられてきて、今後また若干の年月を延長するのですが、今までの例、これは私、確証をつかんでおらないので、こういう席で申し上げることはどうかと思いますが、この法律が必ずしも完全に守られておらない。聞くところによれば、某電力会社等においては貯炭場——火力電力会社ですが、火力発電所会社事業所においては貯炭場も十分作つておらないところがある。従ってそういうところは重油を使うことを初めから想定して作つておるというような話をときどき聞くわけです。そうしますと、法律作つても、実際は抜け道がたくさんあって、初めからこれは電気会社等で反対しておる法律ですから、それにかてて加えて、そういう方法でやられると、仏作って魂入れずになるというような懸念を持つわけですが、今までの実績等からかんがみて、これは大臣より局長の方が詳しかろうと思うのですが、個々火力発電所の問題ですから、その点について今までそういうことがあったかなかったか。私の知っておるのは単なるうわさであって、杞憂にすぎないのかということをまずお尋ねいたします
  14. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 数年前、三重火力において、当初設計しておりました混炭の設備が非常に当初の予定よりおくれまして、重油専焼のような形で運転して参った、これは四日市に製油所がある関係で、電気事業コストの低減という見地からいけば、非常にそれに貢献する点はありましたけれども、これはやはり当初申請して参った当時の設計でやるべきものだ、法律的にいってそうしなければならんというようなことで、必要な設備もやらしたことがございます。また土地の補償あるいは土地造成等に関連して、必要な土地が十分に適時に確保できないというような面からして、あるいは個々にそういうようなうわさが聞かれるようなことがあったのじゃないかと思います。御承知のように、都市の周辺埋立地その他を使ってやる関係で、土地が非常に不足もしておりまするし、造成にいろいろな手間がかかるというような面から、あるいはそういう御疑念を持たれたかと思います。ごく特殊な場合を除きまして、法律を無視するようなやり方火力発電所は全然やっておりません。
  15. 阿部竹松

    阿部竹松君 将来もそういうような懸念はない、こういうふうに理解してもよろしゅうございますね。
  16. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 十分法律精神を体して行政指導して参りたいと思います
  17. 阿部竹松

    阿部竹松君 話はまた戻りますが、今御答弁の中で、通商産業大臣はこれは石炭産業保護の一端としてやるのであって、必ずしも好ましくない。そういう点については私も賛成するところがあるわけですが、現実の問題として大体石炭コストを千二百円下げるということが新聞紙上にちらほら出ておるわけですが、大体石炭コストがどれくらいになれば重油あるいはその他の油と対抗できるものか。それはその年によって違うかもしれませんし、あるいはその産業によって違うでしょう。しかし大ざっぱなところで、単に新聞報道のように千二百円下げればよろしいというようなことでいいものかどうか。そのあたりの根本的な問題を、これは何円何十銭というこまかなことはお尋ねいたしません。大ざっぱなことで、電力会社に納める場合にはどれくらいでよろしいのか、あるいはガス会社に納める場合にはどれくらいでよろしいのかということを一つお尋ねしてみたいわけです。
  18. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 昨年の暮れに千二百円引き下げるべきであるという答申をいただいたわけでございますが、またそれに従いましてわれわれ石炭鉱業合理化を進めて参りたいということでいろいろ施策いたしておりますが、その千二百円と申しますのは大体カロリー換算いたしますと、十九銭程度値段になるわけでございます。三十三年度石炭重油両方京浜地区で比較してみますと、大体重油も九十七銭、石炭も九十七銭、これは一キロカロリー当たり値段でございますが、そういうようなわけでございます。御承知のように重油石炭というものの中には、設備別によりましていろいろメリットの差がございます大型発電所等におきましては一〇%以内、あるいはセメント工業におきましては重油石炭とはメリットはあまり大きな差はありません。一方平炉でありますとか、その他の炉になりますと四割から五割も開きがあるのでいろいろなことが考えられるわけでございます。従いましてわれわれは今後主として大型ボイラーというものに石炭需要というものは向けられるべきである、こういうふうに考えまして、そして昭和三十八年におきます重油価格を九十銭というふうに考えたわけでございます。この九十銭の重油に対しまして一割引きとすれば八十一銭、一五%引きとすれば七十七銭ということになるわけでございますが、千二百円と申し上ますのは、三十三年の価格から千二百円引きますと、一キロカロリー当たりといたしますと七十八銭ということになりますので、大体大型ボイラー等については十分に対抗できるけれども、その他小型のボイラーを見ましても大体一五%の程度メリットの差を考えれば一応対抗可能であると考えまして、重油値段に対する関係等から千二百円下げるべきであるという結論をいただいて、またそれを実施いたしておるのでございます
  19. 阿部竹松

    阿部竹松君 その今おっしゃった千二百円下げるためにはどういう措置を、政府指導なりあるいは勧告をするわけですか。
  20. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) そのためには能率の悪い山を整理いたしますと同時に、高能率の山の造成を積極化するということによりまして、いわゆる産炭構造の改善をはかるわけでございます。大体石炭業界で考えておりました当初の案では、三十四年から三十八年までの五ヵ年間におおむね千二百億の設備投資をやることによって、たとえば新鉱で申しますと九十万トン程度、三十八年までに今までにない山の生産を起こそうということを考えておつたわけでございます。それを政府が今回設けました特別貸付金の制度あるいは今後、開発銀行等の資金によりまして、従来よりも一そう石炭の方によけい向けるといった方法を考えまして、五年間に千四百億円、これは結局あとの二百億円の投資繰り上げということによりまして、高能率炭鉱造成を促進すると同時に、非能率炭鉱につきましては、能率の悪いものから、逐次そこに働いております人々に対する援護措置というものを並行させながら整理をしていくということによりまして、非常にコストの高い下の方を切り捨てて、コストの安い上の方を掘るということを中心に、千二百円の価格引き下げということを実現できるように進めていきたいと考えております
  21. 阿部竹松

    阿部竹松君 そういう答弁は実は三年前、四年前から、大臣も相当おかわりになり、石炭局長もおかわりになったが、非能率炭鉱を廃山あるいは閉山して、高能率炭鉱に集中して合理化をやるのだと、終始一貫同じことをテープレコーダーのように御答弁なさつている。そこで僕はそういうこと以外に、具体的な例をあげて石炭局長にお尋ねしたいのですが、たとえば私は東京自宅で風呂に石炭をたいて湯を沸かしております。そうすると一かます五十キロで五百六十円、二十かますで一トンです。そうすると、五百六十円から五百八十円で一万一千二百円から一万一千六百円のこの石炭が、北海道の例をとらぬでも、すぐお隣りの常磐に例をとつても、大体三千円から三千四百円、そうすると、常磐で掘った石炭貨車レール渡しで三千四、五百円、東京自宅でたくのは一万円を突破している。五千五百カロリーから五千八百カロリー石炭をたいておりますが、七千円も差がある。これは私は一人の業者が七千円もうけていると言いませんよ。けれどもそういうような流通機構になっている。明治時代販売機構一つも変わっておらぬ。そこに少しメスを入れればトン千円や二千円はすぐ安くなる。私の周辺家庭では私が炭鉱屋だということを知っておりますから、あなた炭鉱石炭は安くなっても、さっぱり石炭は安くなりません。こういうことをおっしゃるわけです。山で貨車積みで三千円から三千五、六百円だと言ってもほんとうにしません。流通機構にどうしてもメスを入れる気になりませんか。炭鉱労働者一万人の首を切れば、これに関連する者は七倍いる。この七倍の人が失業するというくらいあらゆるルートを通じて生産地から消費者に渡っているわけです。そういう機構メスを入れれば、石炭はどんどん買ってくれます。安い石炭を各家庭に配給するには、これは通産省の管轄じゃないかもしれませんが、こういうところにメスを入れなければならぬ。それを十年一日のごとく悪い山は閉鎖して、いい山に集中して採炭を行なら、政府の金も若干出す、あとは労働省の失業対策だ、こういうことで年から年中ごたごたやっている。しかし掘るところではきわめて安い。東京へ来て四倍もする。こういうことは一体どう考えておられるのですか。あなたの管轄でなければ、私の管轄でございませんという答弁でもけっこうですが、めちゃくちゃじゃないですか。
  22. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 確かに阿部先出御指摘のように、家庭用に向けられております石炭というものは、石炭不況というようなときにもかかわらず、非常に高いということはこれは事実でございます。ただ御承知のように石炭は大体年間に五千百万トンから五千二百万トン程度を現在消費しているわけでありますが、その中で家庭用に向けられますものは、北海道暖房用というようなものを除きまして、全体で三百五、六十万トン程度、全体といたしますと、せいぜい全体の七%程度というふうな非常に微々たるものでございます。これは今のように五十キロといったようなかますに詰めていろいろな段階を経て送られてきているというために、そういうような途中の経費がふえて高くなっているというわけでございまして、石炭全体を通じて申しますと、大体流通経費というのは、全国平均で一九%程度、中央三市場では二二%程度ということになっているわけでございます。従いましてわれわれといたしましては、先ほど千二百円下げるという場合にも、山元だけで千二百円ということでなしに、当然流通部門をも含めて千二百円ということを考えたわけでございまして、たとえば北海道—東京間というものにつきましては、過般中間的に出産性部会で検討いたしましたときには、大体二百円程度運賃諸掛り等で下げられるであろうといったような結論も、一応中間的に出ているわけでございまして、今後一そう荷扱い等を含めまして流通面における経費ダウンコストダウンということにつきましてはせっかく勉強して参りたいと思っております。特にただいま御指摘のございました家庭用炭といったものにつきましては、これは町の小さな薪炭屋といったようなものまでに数段階を経て渡っていくといったようなことから、非常に高くなっているわけでございますが、そういう中間的なむだがあるということのために、だんだんお客さんにそむかれるということでは、これは石炭業界のためにまことにゆゆしい問題であろうと思っております。従ってわれわれといたしましては、そういう小売段階に至るまでの流通経路全部を含めまして、できるだけ合理化すべきだ、そのためにはまず縦に山元との間の系列化といったようなこともあるいは必要になりましよう、あるいはいわゆるむだがなくなるということになりますと、非常にここで商売がむずかしくなるといったような面等も、困難寺もございましょうから、そういう場合には、そういう小さな方たがお互いに横に共同して組合を結成するといったようなこと等によって、そうして中間経費をできるだけ少なくしながら、そういう中小商業者も存立できるといったような方向にもっていきたいと思いまして、今後は流通面合理化ということも出産面合理化と並行して、できるだけ強力に行政指導をやっていきたいと考えます
  23. 阿部竹松

    阿部竹松君 石炭鉱業審議会というのがございますね、そこではこういう問題を論議しないのですか。
  24. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) その石炭鉱業審議会の中に生産性部会というものがございまして、そうして今お話になりました流通面というものにつきましても、現在検討している最中でございます。その中間的な結論といたしまして、先ほど申し上げましたように、たとえば北海道—東京間では運賃諸掛りというような面で二百十円は下げられるであろうといったような一応の検討等もいたしたわけでございまして、この中間報告の中には、流通機構競争態勢を残しながら極力少数の単位に統合して人員等の縮小あるいは経費の節減をはかる、あるいは中間取扱機構については機能上不合理なもの、これは若干あると申されておりますいわゆる眠り口銭的なものをとっているものもある、こういうようなものもございますので、こういうものにつきましては極力中間経費を節減するといったようなことにつきまして、問題点指摘等がなされたわけでございます。従いましてこれらにつきましてはわれわれといたしまして、一つ一つの項目につきまして具体的に政府としてはどういう手を打つべきかということを目下検討しておるところでございます
  25. 椿繁夫

    椿繁夫君 いずれこの石炭鉱業合理化臨時措置法審議の際に、詳しくお聞きしたいと思っておりますけれども、私は今この応答を聞いておりまして、石炭のことのしろうとなものですから、重ねてお尋ねするわけですが、五千五、六百カロリー山元コストが三千四、五百円で、市場の、需要者最終価格というものは一万円を突破しておるような価格であるということなんでありますが、電気とか国鉄、もちろんこれはカロリー、炭質も違うかと承知しております。それから一般工業炭ですね、こういうものはカロリーはどのくらいであって、炭価というのはどのくらいで出せる、実際に工場に送られておる場合はどの程度になっておるのかということをあわせてこの機会にちょっとお知らせいただきたいのです。
  26. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 東京で売られております三十三年の価格というものが一キロカロリー当りCIFで九十七銭でございます東京につきましてそれで大口等のものには流れるわけでございます。これは九十七銭でございますから、かりに一円といたしましても六千カロリーとすれば六千円ということになるわけでございます大口の取引は大体そういうことで行なわれておりますが、小口の五十キロとか百キロとかいって、袋詰めでいろいろな段階を経て家庭用に届けられるというものは、この六千円ぐらいで一応東京貯炭場に揚げられたというものから、それが今度問屋の手に渡り、それから小売の者がまたその問屋の方から引き取って、そうして小売のマージンを入れてくるというような段階を経ますために、結局御承知のようにこれは一回荷物を動かすたびに非常に運賃がかさむものでございます。そういう特殊の貨物でございますために、途中の段階がふえればふえるほど、コストが高くなるわけでございます。それで生産原価から申しますと、大体三十二年度が平均いたしまして四千六百五十五円、三十三年度が四千七百二十五円でございますから、これを六千でなにしますと、約七十八、九銭、一キロカロリー当たり値段は七十八、九銭から八十銭程度でございます。それに約二割の流通経費が平均してかかっておりまして、そして持ってきますと六千二、三百円という程度のものになるわけでございます
  27. 椿繁夫

    椿繁夫君 ただいまの御説明をいただきましたのは、これは工場で使っておる工業用炭でございますか。
  28. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) その通りでございます
  29. 椿繁夫

    椿繁夫君 そこで、私はこの法案には直接これは関係はないのですけれども、こういう話を聞いておりまして、炭鉱合理化が進むに従って十一万近い人たちの首切りがここ数年の間に出る。大臣のこの間の御答弁によりますと、すでに三万、二万と整備されているから、今後予想されるのは六万人程度だろうということでございましたが、私はこういう大量の失職者が出ることが予想される石炭業界の現状でありますだけに、今起こっております三井三池のストライキなどが非常に解決が困難になっておるその条件の私は一番大きいものが、ここ二、三年来の間に六万人あるいは七万人の大量失業者が出るというところに、争議の解決の困難さがあると思うのです。大臣も直接この労働争議に関しては所管ではございませんけれども、いろいろ社会不安を醸成しているということについて、石炭鉱業合理化問題と関連して、御心配になっていることだろうと思うのであります。で、先ほどからこら伺っておりますと、トン当たり千二百円程度の値下げをする、そしてここ数年の間に、千四、五百億の設備投資を援助しながら、炭鉱合理化を進めていく、こういうことで、この政府指導が行なわれておりますために、どうしても人員の整理、あるいはすでにきまっておりますところの給与の引き下げというようなところに経営側の合理化の努力が、弱い面に集中されていると私は思うのであります。で、なるほど液体燃料との競争なども、これは純経済的に考えなければならぬことでありますから、引き下げに努力するということは、これは当然かと思うのでありますけれども、もっと私は流通経費引き下げということに政府行政指導の重点が行なわれる必要があるのじゃないかということを、先ほどからの応答を聞きながら感ぜられる、なるほど審議会でそういう問題について審議が進んでおる。経費の二百円程度引き下げは可能であろうというような結論までは出ておるということでありますけれども、私は先ほどからの話を聞いておりましても、もっと流通機構に対する抜本的なメスを入れる強力なる行政指導ということが必要じゃないかということを思うのですが、大臣の所見を伺いたい。
  30. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話通りで、山元生産費のみに限らず、流通機構につきまして、相当の措置をとることが必要でございます。従いまして、予算面におきましても、流通関係で一億四千万円の経費を計上いたしまして、これが実現をはかるようにいたしているのでございます。まず第一は、やはり流通面におきましては、今の船積みの施設、これが第一だと思います。それからまた、石炭自体からきまする三千数百に上る規格を統一化することも、流通面において非常に役立つ、こういう点を検討いたしているのであります。そして運搬する船の問題も今検討されておりまするが、これは北海道から東京というのは楽なんでございますけれども、御承知通り、九州炭はほとんど機帆船で運んでいるというような関係上、機帆船に影響することも非常に多いことでございます。これが社会党の方々が言っておられるように、輸送という特別の公団か何かを置いておけば、補助とかいう過程がございますけれども、なかなかむずかしいので、われわれにわかに賛成できません。従いまして、ただいまのところは、船積施設あるいは石炭の規格の統一、しかもまた長期契約によって輸送を合理化するということから手をつけて参りまして、そして、船その他の問題につきましても、今後検討を加えていこうと思っているのであります
  31. 椿繁夫

    椿繁夫君 今、大臣も今後の行政指導の重点として、流通経費引き下げということについて、大へん御心配になっているようでありますが、ぜひ私は強力に進めていただきたいと思います。で、その今の三井三池のストライキの問題について、ここで論議する場所ではないかと思うのでありますけれども、これはひとり三池だけの問題ではなくて、エネルギー革命に関連する石炭鉱業の将来ということ、この関連において、この争議の長期化ということか、私は組合側においても経営者側においても考えております結果が、ストライキなどの長期化を包み、それが大きな社会不安の原因になっておると、こう考えておるんであります。で、なるほど中労委がこの間あっせん案を出されまして、この所管については労働省があり、また党の関係からいいますと、倉石さんを首班とする労働問題調査会などもあるわけでありますから、通産大臣としては直接責任がある地位にはいられないとは思いますけれども、この石炭鉱業合理化の進め方、指導の仕方、これに対する熱の入れ方というようなものが、今起こっておる問題などを、私は比較的スムースに解決の曙光を与えるということに重大な関係があると、こう思うのであります。そういう点について、通産大臣は現状のままで通産省としては静観の態度をとっていいものかどうか、こういう問題について一つ大臣の所見を聞きたいのであります
  32. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は離職者の出ることにつきまして、非常に関心を持っております。と同時に、残る方方が安心して今後仕事ができるということも通産省としては考えなければなりません。従いまして、残る方々につきましては、十分合理化されて適正な労働条件のもとに働かれるようにしていかなければならぬ、そうして離職していかれる方々に対しましては、もともとは石炭関係から出たことでございますから、直接の所管は労働省でございましょうとも、離職者対策につきましては、私は通産大臣として予算関係その他できるだけの努力を大蔵省に向かってやっておる次第でございます。従いまして、直接の所管ではございませんが、石炭鉱業のあり方によりまして、離職者の数、また残る人の労働美件にいろいろな影響がございますので、そういう点につきまして心を砕いておる次第でございます
  33. 阿部竹松

    阿部竹松君 続いてお尋ねいたしますが、さいぜんの石炭局長の御答弁によりますと、三千円の石炭が一万一千、一万二千円で売れるのは、燃料炭、家庭用炭、三百何万トンそこそこで、七%か、七%そこそこである、大勢に影響ないとまでおっしゃらなかったのですが、私そういうように聞こえた。そこがやっぱり問題なんです。そういう炭を生産している山、事業所、従業員が、そこが問題なんです。そういうところにやはり適切な行政指導がないと、常に景気がよくなったといって人を集めてきて、その辺通産省の許可も得ないで、租鉱権も設定しないで、鉱山保安局の指示も仰がないで、そうして掘って、そうして多くの人命を犠牲として葬り去ってしまう。そこらあたりあなたはそういう調子だから困るのですが、それはそれとして、企業局長にお伺いいたしますが、大体東電とか、これは電気会社ですよ、——おりませんか。
  34. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 阿部さんどうぞ御質問下さい、私がかわってお答えします
  35. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 大臣が答えるそうです。
  36. 阿部竹松

    阿部竹松君 それでは、通産大臣にお尋ねするのはおそれ多いと思って、(笑声)次期総理になるそうですから、ことしの十月に……。それだからあまり小さいことを聞くのはどうかと思って、あるいはアメリカとかソビエトとかいう大きな話ならば一局長にお尋ねしませんけれども、大きい話をあなたにして、あなたの御答弁はすぐアデナウァーがどうだとか、アイゼンハワーがどうだとかいう御答弁ですから、一電気会社のことを聞いてもしようがない。しかし大臣の私からということですから、一つお尋ねいたします。東電——電気会社ですが、これは東電の例をあげれば一番簡単なんですが、昨年これは五千カロリー石炭を買って、そうして今度は七千カロリー石炭を入手したごとく、とにかく計算して一部長なり深長なり、その他大ぜいの社員が汚職をやる。八幡の製鋼所においては石炭の空車を回して、空車のナンバー・プレートでもって金を払っている。八幡の製鋼所はいいですよ。しかし電気産業の方は、これは公共事業令でやっているのですから、公共事業令の四十条によって、原価によって料金を算定するということになっている。そうすると、そういうようなめちゃくちゃなことをやって、五千カロリーくらいのものが今度は六千何百カロリーぐらいになる、これは計算にも出て、電気代が安い、だから高くしなければならぬといって、これは大臣の決裁でできることですからやる。これでは一般の者は困る。あるいはまた石炭生産の方も、五千カロリーで六千カロリーの金をくれるのならまだいいでしよう、しかしそれは買い叩かれる。そういう現状を通商産業省あるいはこれに関係ある公益事業局長は何と心得ているかということです。これは一社長が配置転換したとか何とか言っても済まないことです。一般国民に大なる迷惑をかけている、こういうことがあるわけです。損をするのは一般国民と石炭産業者ばかりだ。こういうことを一体どう考えているかということがまず質問の一点。その次にお尋ねすることは、大体電気会社に入ってくれば、これは関西、九州あるいは中国、関東というように違うでしょう。しかし大体出産原価が、九州なら筑豊炭田、北海道なら空知炭田で、どれだけのコストのものをどれだけで電気会社が買うかということを聞きたい。二百五十円下がったと新聞に出ています。あるいは五百円安いということが新聞に出ている。五百円安いとすれば、一キロワット当たり何銭何厘といってコストが下がらなければならない。電気会社の方は施設の拡充費に使いましたからなんということで、言いのがれをするかも知れぬけれども、そういうことでは納得できない。そういうところをまずお尋ねいたします
  37. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 先般東電に非常な不祥事件が起こりましたことは、まことに申しわけないと思います。まあ東電ほどではございませんが、中部電力におきましても、ある程度のことがありまして、まあ非常によくないことと考えております。できるだけ経営者につきまして監督をいたしておるのでございまするが、まあ数多い中で不心得者があったということは、非常に申しわけない、今後そういうことのないようにいたしたいと考えております。第二点の、各電力会社がその土地で買います石炭につきましては、これは炭鉱カロリーごとにいろいろ値段が違っていると思います。少なくともお話北海道とかあるいは九州電力につきましては、他の電力会社よりもよほど運賃が入りにくいということで、相当やはり安くなっていると考えます
  38. 阿部竹松

    阿部竹松君 それで大体各山は指定しませんけれども、空知なら空知で、ここのレールで貨車に積んだ場合、一カロリー六十銭なら六十銭、五十銭なら五十銭でもけっこうですが、そういうことで東京にきて電灯会社の購入価格は幾らか、こういうことをお尋ねしているのです。これはほかの神戸製鋼がどうとか、あるいは東京ガスがどうとかということであればわからぬかも知れませんけれども、おそらく電気会社については、これは企業局長の方は詳細にわかっているはずだと思います
  39. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) ただいま電力会社から、発電所着の価格を、毎月納入されておる石炭価格の報告を取っておりますが、ただいまその資料を手元に持っておりませんので、大体の数字ならば、見当ならば、たとえば、ただいまのところ、東京、横浜の周辺でありますと、カロリー当たり九十六銭三厘ぐらいの石炭を取っております。また中部ですと、九十六、七銭、関西ですと九十銭ぐらいのカロリー当たり石炭を取っておりますということでございます
  40. 阿部竹松

    阿部竹松君 その生産地の原価は幾らくらいかと、こういうことをお尋ねしておる。これはどこの石炭ですか。北海道と九州の場合と違うでしょう。
  41. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) これはただいま申したのは平均の数字でございますが、東京でいえば、北海道ももちろん入るし、こまかい数字になりますと、別な機会にお出しします
  42. 阿部竹松

    阿部竹松君 こまかい数字は必要ないわけです。大体空知なら空知、筑豊なら筑豊で、どれだけの石炭がどうとかいうことを聞いておるのではありません。一トンの石炭がおそらく空知で四千三百円なら四千三百円、それをカロリーで割れば何銭何厘ということは出る。今度は運賃が千何百円と出るでしょう。大体あれでしょう、あまりにも生産地と消費地との価格が違うのですね。ですから、そのあたりどうも私の考えでは、重油ボイラー規制法作つて石炭産業保護していただくのはありがたいけれども、これによると、迷惑するところがあるわけです。そのほかにまた行政指導によってまだまだ千円や千五百円下げることができると思う。ですから、そこらあたりの数字がわかれば、こういう重油ボイラー規制法は要りません。よそに迷惑かけませんということになるんじゃないですか。そこをお尋ねしておるわけです。
  43. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 確かに現在は九州あるいは北海道といった産炭地域と東京、名古屋といったような非常に離れているというところは、カロリー当たりにいたしましても、先ほど三十三年の数字が平均いたしまして九十七銭と申し上げましたが、それは東京の場合でございまして、その場合に九州では大体七十三銭ぐらいで、消費者の着駅、オン・レールでございますので、京浜の価格との間に二十三銭ないし二十四銭ぐらいの差がございます。これは実際の価格にいたしまして、現在北海道から東京まで持ってくると大体千七百円、九州から東京まで持ってくると千三百円程度の大体中間経費がかかっておりますために、ほぼそれに見合うというものでございます。今後石炭合理化の進展につれて、はたして今のような価格差がそのままの格好で続くかどうかということは、これはいろいろ問題もあろうかと思いますが、しかし、現に北海道あるいは九州等におきましては、現在すでに石油よりも石炭の方が安いといったような事情にもあるわけでございますので、今後は逐次京浜あるいは中京のような一番離れておるところの炭価は、石油との競争で相当思い切って下げざるを得ないということになろうかと思いますが、山元におきましては、それほど下げなくても、重油とも十分対抗できるというようなことにもなるんじゃないか、そういうふうに考えられますので、そういう全国を一貫して考えた場合、石炭が一体どの辺まで重油に対して競争力を持ち得るかといったようなことも、先ほど申し上げました生産性部会で、山元合理化流通面合理化と、それをおのおの分野を分けてどうやった場合にどの程度まで一体石炭は自衛力を持ち得るかということを検討しておるわけでございますので、あるいは将来はそれほど大きな格差がなくて、それぞれの地域で重油に対抗するといったような形が、石炭全体として作られるということに、方向としては向かっていくのじゃないかと考えております
  44. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、石炭局長、こういうことですか。さいぜんの話とちょっと話が違うようですが、九州、北海道では、もう石炭の方が安いというような話をしておる。まあ東京は高いかもしれませんが、従って、そう下げなくてもよろしいということは、千二百円のコストを下げなくても、大体現状でいける。まあ端的な結論になりますが、そういうことに理解してもよろしゅうございますか。
  45. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 石油の値段が、先ほど申し上げましたような、大体九十銭だということを一応想定して、千二百円という結論が出されたわけでございます。従いまして、そのわれわれの想定通りに石油の価格がとどまるといった場合、この場合、少なくとも東京あるいは京浜というところでは、千二百円下げなくてはとても太刀打ちできませんが、山元に近いところはそれほど下げなくてもいい。従って、全国平均すれば、それほど下げるということをしなくても、あるいは済むということになるかもわかりません。これにつきましては、またさらに今後の推移というものを見た上でやりたいと、こう思っております。従いまして、千二百円と申しますものも、一応中京、京浜、阪神といった本州中央部における石炭の販売価格を千二百円下げるということを目標に合理化をするということで進んでおるわけでございます
  46. 阿部竹松

    阿部竹松君 将来といっても、一昨年はなるほどあなた方は五千四百万トンといい、昨年は五千六百万トン要るといっておったが、実際はとにかく五百万トンも六百万トンも見通しを誤ったのですから、将来のことを聞いても、またけんかの種になるから、将来のことはまずさておいて、今日の時点においてお尋ねするのですが、そうしますと、現在の状態はどうですか。石炭が余っておるのですか。それともオーバー貯炭はないのですか。
  47. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 現在のところは、ちょうど正常貯炭というような格好でございまして、需要と供給というものは、大体ほぼ見合っているという格好でございます
  48. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、一昨日の新聞でしたかね、写真が出ておりましたが、三井三池に外国炭が入ってきて陸揚げしたという写真を見たんですが、あれはどういう質の炭が入ってきたわけですか。
  49. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 私が申し上げましたのは、一応全国的に全部達観した場合、大体正常貯炭といわれるまあ七百万トンに近い貯炭というものを、消費者並びに生産者全部を通じた場合に持っておるということでございまして、それぞれの地域々々というものを見た場合には、あるいは地域によって若干のでこぼこがあるということは、これは否定できないわけでございます。で、三井に対しましては、御承知のように、あそこは大体一日に三池合成と三井化学だけで約千三百トン、一ヵ月に四万トン程度石炭を使うわけでございますが、われわれといたしましては、争議に介入するといったような意思は毛頭ございません。ただ労使の間の紛争のために、この地元におきます化学産業といったようなものがあふりを受けて、その生産に支障を来たすおそれが非常に濃厚になって参りましたために、とりあえず三月の五日に二万トンほど、半月分ほどのものでございますが、それの手当てを施したわけでございまして、割り当てをいたしましてから一ヵ月半程度でございますので、あるいは早船は入ったかとも思いますが、どの程度入ったかということについてはまだ報告を受けておりません。とりあえず半月分というものを第一期分として考えて外国炭を割り当てたわけでございます
  50. 阿部竹松

    阿部竹松君 三池の争議は、労使双方どちらがいいか、どちらが悪いかわかりませんけれども、一昨年の暮れから昨年にかけて、石炭が一千百万トンから一千二百万トンも余つて、これは一千二百万トンもあるものですから、五、六百万トンというオーバー貯炭があって、これは石炭局長も非常に苦労なさったし、池田通商産業大臣も苦労なすつたでしよう。しかし、そこへ石炭を持ってくるのはけっこうですが、日にちは忘れましたが、昨年の暮れに、委員会等において、一般外国炭は入れません。特殊な炭はわかりませんけれども、一般外国炭は入れない。こういう言明を皆さん方がなすつている。そうしますと、それは争議をやっていて石炭がないからやむを得ないとしても、国内炭を回してやるというのが常道じゃないですか。今は確かに平常貯炭になったかもしれません。しかし、今年の秋になったらいかなる現象が生じてくるかわからぬ。何も、あまりたくさんないドルを使って外国炭を入れないといったのを、一ヵ月半前に許可したということになれば、実にわれわれにされたお答えはおざなりの答弁であって、これは私は穏当を欠くと思うんです。持っていかれるのは当然です。しかし、ドルを使うんだったら、国内に石炭があるんですから、国内炭を使って、ドルはほかの方に使うべきが至当かと思いますが、これは大臣いかがですか。
  51. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話通り、昨年の七、八月ごろ千百万トンをこえました。私はその当時、衆議院の予算委員会で答えたと思いますが、年度末には大体八百万トン切れる、こういったところが、そんなに甘く考えてはいかぬというおしかりを受けたんですが、結果は七百万トン程度になっておるのであります。御承知通り、七百万トンとか千百万トンというものは、原料炭並びに一般炭をいっておるのでございます。しかるところ、原料炭の方は御承知通り非常に不足しております。大体需要は一千万トン程度のところを、半分近くは外国炭でまかなっておるのであります。今年になりまして原料炭の生産地であります北海道炭鉱の爆発、また三池の争議によります原料炭の不足、こういう事態が発出いたしましたので、さなきだに不足の原料炭につきまして、これはやむを得ず国内炭が計画より減つてきたものですから、それを補うために外国から今まで入れておる原料炭を増額したわけでございますお話通り、われわれはできるだけ国内の石炭でまかなうように、こういう計画でいっておるのでございますが、そういう爆発あるいは争議等によりまして、それだけ不足した分を輸入いたしておるのでございます。決て甘い考えでドルを使ってはいないのであります
  52. 阿部竹松

    阿部竹松君 私も、大臣のおっしゃっている通り、この前お聞きしたのは、原料炭は、これはもう国内の生産が少ないから、これはやむを得ません。そういう御答弁を聞いているので、それはとにかく七千カロリー以上の石炭を必要とする原料を使用するところに、五千五百カロリーや六千カロリー石炭が何ぼ余っておっても、そういうものを使えというのはむちゃくちゃですから、原料炭を入れたことは黙っております。しかし、今度入れたのは原料炭ではない。ボイラーにたく一般炭です。ですからそれはおかしいじゃないか。あなた方がおっしゃった原料炭は、これはやむを得ない場合があるかもしれませんけれども、一般炭はこれは入れません。こういうふうに明快なお話があるにかかわらず、今度入れたのはどういうことですか。こういうことです。
  53. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 外国炭の輸入の許可は、原料炭以外に一切やっておりません。
  54. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、今度入ったのは原料炭である、こう明言されるわけですね。
  55. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) その通りでございます
  56. 阿部竹松

    阿部竹松君 そういうことであれば、私の聞いたのが間違いであるか、大臣の方の許可が正しいか、あとで担当者から調べていただくことにして、その次にお尋ねいたしますが、それに関連して、現在合理化法の六十八条だと記憶しているんですが、あれによって通商産業大臣石炭の制限とかその他についていろいろと勧告することができる。それで勧告をなさったわけですが、今度は勧告した点を削除したんですか。
  57. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) 昨年は、御承知のように、非常に過剰貯炭というものがございまして、そのまま放置いたしておきますと、非常に石炭市況が混乱いたしまして、石炭鉱業自体にひびが入るということになりかねない、こう考えられましたので、この法律に基づきまして、生産を四千八百三十万トンに押えるように業界で共同行為をしなさいという、通産大臣の指示をしたわけであります。しかし、今年度は先ほど申し上げましたように、ほぼ正常貯炭という格好に戻ってきておりまして、特に生産制限というようなことをやる必要はございませんので、三十五年度につきましては、通産省といたしましては、業界のそれぞれの自主的判断による生産というものにまかせるということになって、別段政府としての指示は行なわないということになったわけであります。    〔委員長退席、理事古池信三君着席〕
  58. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると昨年やったワクは全部取ってしまって、あとは業界の自主的判断にまかせる、こういうことで、あらためて通産省は何ら指示も勧告もしない、こういうことでよろしゅうございますね。
  59. 樋詰誠明

    政府委員樋詰誠明君) そういうことでございます
  60. 阿部竹松

    阿部竹松君 それでは次にお尋ねいたします重油ボイラー規制法ですから、原油には全然関係しないわけですね。
  61. 福井政男

    政府委員(福井政男君) その通りでございます
  62. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、今度特に一条の中に第二項を設けたのは、理由がついておりますけれども、きわめて簡単ですから、もう少し詳しく二項を設けた理由についてお尋ねしたいわけです。
  63. 福井政男

    政府委員(福井政男君) これは、この法律の適用を受けますボイラーにつきまして、小型の五十平米未満のものを除くということで、ここに定義をはっきりいたしたわけでございます
  64. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、使用したボイラーが、百二十キロをこえない範囲の使用者は、届け出す必要はないということになっているようですから、それを調べる方法は、鉱山局はどういうような方法で調べておるわけですか、あなたの方ではっきりその限界をつかんでおる方法です。    〔理事古池信三君退席、委員長着席〕
  65. 福井政男

    政府委員(福井政男君) 今後は、この法律によりまして五十平米未満のものが自由になりますので、この点につきましては、全くつかむ方法はないわけでありまして、この法律から参りましては、ないわけでございます。ただ、労働基準法等、他の法律で必要の届出あるいは認可、そういうことはございますが、この法律といたしましては、全く小型のものにつきましては自由に相なるわけであります
  66. 阿部竹松

    阿部竹松君 公益事業局長衆議院商工委員会で、速記録を読んだのですが、三十五年度の着工する重油ボイラーの、電力会社ですが、大体着工する希望が百万キロワット以上と出ておる、あなたの方に出ておるのですね、内容をちょっとお尋ねしたいわけです。
  67. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 会社側の希望として出ている資料を申し上げます東京電力の関係では、横浜一号、二号各十七万五千キロワット、五井の一号、二号各二十六万五千キロワット、中部電力の関係で、三重四号十二万五千キロワット、新名古屋四号二十二万キロワット、知多第一号二十二万キロワット、園西電力の関係で尼崎第三発も所の第一号が十五万六千キロワット、それから姫路第二発電所の第一号が二十五万キロワット、こういう数字が会社側からは出ております。これは会社側の一応の希望の数字でございます。私どもこれを十分審査して取り扱って参りたいと思います
  68. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、これは三十五年度着工ということですから、今まであるボイラーを専焼するということではないわけですね。
  69. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) そういうわけではございません。
  70. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、この法律の建前からいって、許可されないということになろうかと考えるわけですが、その点はいかがですか。
  71. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたしませんが。
  72. 阿部竹松

    阿部竹松君 こういうことです。ただいま局長の御答弁通り、あわせて百万キロワットぐらいの電力会社のこれからの工事ですね。いわゆる重油専焼ボイラーの発電所ができるわけです。しかし、かまが大きいものですから、そうすると当然この法律があれば、その重油専焼火力発電所はできないということになるのでしよう、こういうことをお尋ねしているわけです。
  73. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 私どもは、実は電力事業の合理化の立場からいえば、産炭地に遠い本州の中央部において、現状においては重油専焼の発電所をどんどん作る方がコストが低減せられていい面があるということは考えておりますけれども、公益事業として、日本石炭鉱業合理化というものもやはり達成しなければならぬ、一般炭の最大の消費者である電力事業といたしましては、今後とも電力用炭の漸増というものを確保していかなければ、石炭鉱業合理化というものは達成できないだろう、そういう見地からいたしまして、電気事業合理化石炭鉱業合理化というものを両立させる考え方からいたしまして、今の電力用炭の消費の漸増ということを前提といたしまして、やむを得ない範囲で産炭地に遠い地域の重油専焼の発電所を認めていきたい、認める基数、規模等は、これから慎重に検討いたしたい、こういうふうに考えます
  74. 阿部竹松

    阿部竹松君 そういう私は理屈を言っているのじゃないのです。それは単に純経済論からいえば、さいぜん大臣が言われたことに僕も賛成したのですが、それは重油をたいて、安いのですから、経済的なんですから、それはいい面も出てくるでしょう。ただ、また団内産業を守つてやらなければならぬという建前からいけば、少しぐらい無理しても石炭を使いなさいという論を出てくるでしょう。そういう論法は一応はずしまして、そうしてこの法律があれば重油専焼火力発電所ボイラーはひっかかるのじゃないのですか、できないのじゃないですかということを申し上げているのです。この法律があるために、小室さんの心配するところが生きてこないのじゃないか、こう言っているわけです。
  75. 福井政男

    政府委員(福井政男君) 阿部先生の御指摘通りでございます。従いまして、現行法では、ただいま先生の御指摘通りでございまして、実質的に認めるということで業界の話もあり、政府もそういう方針でございますので、法律の第二条の第五号のロというのがございますが、このロ号で、今後通商産業省令でこれを認める根拠規定をおいて、しかる後にその省令を適用していくということに相なります
  76. 阿部竹松

    阿部竹松君 ということを、衆議院商工委員会で正式に御答弁なすったか、あるいは商工委員会で懇談の中でおっしゃったかわからぬけれども、省令を設けて、その省令の中で許可していくという方針をお示しになっているようだが、それではどうもせっかく重油ボイラー規制法に、かくかくだということで法律をどんと作っておきながら、省令で片方は抜けていく道を作つておくというのは、どうもおかしいのではないか、こういうことを考えているのでありますが、そういう点はございませんか。
  77. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) それがございますので、衆議院商工委員会で私がはっきり申し上げているのであります。たとえば、火力発電所を設けまする場合におきましては、やはり一年半、二年、あるいは二年半かかる場合もございます。三十八年の十一月からはボイラー規制法がなくなります。その場合において、今の法律の建前からいえば、着工するときから、もう着工するときの許可でございます。こういうことを考えてみますと、たとえば二年かかるというときに、三十七年に着工する分については、これは専焼ボイラーは認めないという建前でございますと、そういうことは非常に不便であります。従って、三十八年の十一月からボイラー規制法がなくなる場合におきましては、これは完成が三十八年の十一月か三十八年の十二月ということにつきましては、ある程度認めていかなければならぬと思います。実際問題といたしまして。また、そういう場合以外において、日本の今の電力の需用状況を申しますると、大体年に八%あるいは一〇%ぐらいを予想するのが普通でございまするが、今の実情から申しますると、三十四年度は前年に比べまして一六、七%もふえるという状況でございます。かかる場合において、このボイラー規制法によって専焼のボイラーも一切認めないということは、産業の発達、また今の状況からいって、それは非常に全体からいって酷ではないか。片一方で、電力関係の方は、一般炭は年に百万トンあるいは百五十万トン漸増するという前提があるのならば、特殊の地域におきまして、特殊の電気需用の増加のある場合において、三十八年の十月まででも専焼ボイラーを認めて、しかも動かし得る道を開いていくことが必要ではないかという私は考えを持っているのであります。原則はもちろんこの法律の建前でいきまするけれども、例外として三十八年十月までに専焼ボイラーを一切認めないということは、全体から考えてよくない。例外の場合につきましては認める場合もあるということを衆議院商工委員会で申したのであります。しからばどの程度認めるかということは、これは私は、これ例外的の場合でございまするが、もちろん産炭地から遠い東京、名古屋、大阪などに限らるべきであり、しかもまたその場所は、発佳所数は極力これを抑えまして、あれはあのときに四ヵ所前後と私は言ったと思いますが、大体われわれの計画では、その程度の専焼のあれは設けざるを得ないのではないか。御承知通り産業の発達のもとは動力でございます。私はそれだけの弾力性はこの際持っておくことが必要であるというので、商工委員会で答えたのであります。その根拠は、今鉱山局長の申しました二条の五号のロの省令で改正していただくと答えておるのであります
  78. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、さいぜん、小室局長が名前をあげて答弁されたのですが、大体八十五万一千キロですか、これは数字を間違っておるかもしれません。八十五万一千キロというのが通商産業省で候補になって——許可候補ですね、そういうことになっておるということを聞いたのですが、候補ですか、そういうことであれば、実際もうすでに許可されてもう済みの判がついておるものですか、それともこれから十分検討してやるものか、その点をお尋ねいたします
  79. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) ただいま業界から希望が出ておるという数字を合計いたしますと、むろん百万キロ相当上回ります。ところで、この法律が改正された後に省令を出して、この省令に基づいて許可を考えるわけでございます。その点については、これは慎重に検討してきめることであります。まだ許可は下りておりません。
  80. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、これからやることですから、今すでに着工しておる新名古屋火力発電所ですか、ああいうところは該当しませんね。
  81. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 新名古屋火力発電所はすでに一部稼働しておりますけれども、これは、問題になっておりますのは、それに追加して新たに増設される第四号機の問題でございます
  82. 阿部竹松

    阿部竹松君 ですから、新名古屋の火力発電は混焼でやっているわけでしょう。石炭重油の混焼ということでやっておる。しかし、聞くところによれば、今大臣の御答弁になった専焼の方のグループに入りたいという運動をしておるという話を聞いたので、これもそのグループに入るのかという懸念があるわけです。しかし、すでにやっておることですから、大臣の御答弁によると、昭和三十八年の十月でこの法律が云々ということで、それとあわせて認めていかなければならぬだろうという御答弁なんです。しかし、現在動いておるところは、切りかえるのは簡単ですから、専焼に切りかえるというようなことはございませんでしょうか、こういう質問をしておるわけです。
  83. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) 既設分について切りかえを認めていくという考えはございません。同じ地点において増設される分については、他の候補地と同様に検討の対象にいたす次第でございます
  84. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、その点はわかりましたが、重油はまだまだ価格を下げる余地があるわけでしよう、現在のコストよりも。今まで何割という利益を得ていたのを利潤を狭めてくる、下げる余地があるのでしよう。某々石油会社においては、とにかく五百万円の資本金で、三年くらい前の話ですが、半期の利益が三十六億円という会社が、これは事業局長も知っておるはずです。そういうことですから、重油コストをまだまだ下げてくる幅があるわけですね。そうなってくると、三十八年になってどうなるかわからぬけれども、三池ボイラー規制法がない、関税もあいまい模糊ということになったら、千二百円下げてみたところで、これは終世太刀打ちできないという結果になるのじゃないですか。この辺の見通しは、公益事業局長へお尋ねするのが正しいか、石炭局長へお尋ねするのが正しいのか、わからぬけれども、まず重油価格はどれくらいマージンがあるのですか。
  85. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) この重油価格は、御承知通り、外国の重油価格に比べますと非常に高いのでございます。非常にといっていいかどうかわかりませんが高い。しかし、ガソリンの価格は外国に比べて低い。これはどれがいいかということになりますると、これは経済の売手、買手の問題でございます。そうしてまた、それの要因といたしまして、石炭値段ということがあるわけでございます。今の趨勢といたしましては、原油値段はだんだん下降していくということは一般に認められておるところであります。どの程度に下がるかという問題があるのでございまするが、これは私は、石油の世界市場の点からいって、なかなか通産大臣として、原油がどのくらい下がるということは言いにくいと思います。また、下がりましても、それが重油に持っていかれるか、ガソリンに持っていかれるかということになると、また問題であるのであります。私はただいまの情勢におきましては、大体千二百円石炭を下げていけば、重油がある程度下がろうが、全国的プールの関係もございますし、大体やっていけるのではないかという見通しを持っておるのであります
  86. 阿部竹松

    阿部竹松君 大臣、そういうことをお尋ねしておるわけじゃないのです。大臣のおっしゃっておるガソリンは安いのです。きょうおいでになっておるネパール国のガソリンの相場はわからぬけれども、イタリアなどはトン大体五万円、日本は大体二万円そこそこですよ。しかし各国では関税をかけて、そうして一定の値段を保つているわけです。日本関税がきわめて安い。重油などもA、Bと種類があるようですが、重油などもとにかく一〇%の関税をかけましょうということですが、暫定措置で一〇%かけておらぬ、きわめて業者を保護しておる。そこで、私のお尋ねしておるのは、大体重油業者が日本でどれくらいの、何割くらいの利潤をあげておるかということ、これは公益事業局長のところでわかるはずなんです。電気コストを計算するとき、ちゃんと大体どれくらいの原油を入れているか、これはわからぬと言わさぬ、あなたが何ぼ頭が悪くてもわかるはずです。そうでなければ、電気は一キロワット何円何十銭で許可する、最後に大臣の判をもらう。しかし、大臣は詳細わからぬはずです。局長はわかっているはずだ。そうすると、大体電気の扱う品目の中でどれがどれだけ、どれがどれだけ、コストがどれだけでこうなるという原価計算でいくのですから、それがわからなかったら公益事業法が適用されておらぬということになる。大体日本に入ってくる重油がどれくらい、これは中近東でもアメリカでも、どこでもけっこうですが、その例をあげて、その差額がどれくらいになっておるものか、お尋ねしておきます
  87. 小室恒夫

    政府委員小室恒夫君) ただいま東京周辺で申しますると、重油は大体、これは混焼用の重油でございますけれども、八十四、五銭——キロカロリー当たりで入手しております。先ほど申しましたように、石炭が九十六銭何厘というようなことでありますから、相当差額がございます。将来の重油価格見通しにつきましては、どうもはなはだ不敏にして、お答えいたしかねます
  88. 阿部竹松

    阿部竹松君 それは、たとえばアメリカから入ってくる重油は、東京港へ幾らぐらいで入ってくるのですか。
  89. 福井政男

    政府委員(福井政男君) 現在、国内で販売いたしておりますB、C重油は、大体平均で九千六、七百円ぐらいでございます。製品として輸入いたしますものは、これはA重油、B、C重油等によりまして、御承知のように差がございますが、大体、油の輸入価格につきましては、タンカー・レートが四割前後のものを占めておりますので、これがまあ安いのがつかめるか、高いのがつかめるかということで、御承知のように相当CIF価格におきましては開きが出て参ります。出て参りますが、現在ロー・サルファーの、石炭と競合しない重油を輸入いたしておりますが、こういうものでスポットの安いタンカーを使いますと、ただいま申し上げました価格よりも二、三割程度安く輸入し得る、こういう見通しでございます
  90. 阿部竹松

    阿部竹松君 アメリカあたり日本へ買ってくる重油は大体十ドルぐらいで、船賃が十一ドルぐらいで来るそうじゃないでか。そうすると、大体日本金に直して四千円ぐらいで来るわけなんでしょう。ですから私の心配するのは、たとえばそういうことで、重油ボイラー規制法を作っても、関税をかけても、これは大へんなものだから、そこのあたり、大体どのぐらい下がるか。——重油はまだまだ下がる余裕があるのですから、石炭、現行維持だといってもだめですから、もっと明確な石炭政策を立ててもらわなければ、今ここでやったところで、盲腸が悪いのにカンフル注射ぐらいのもので、これは手術にならぬという私は心配があるわけですよ。このボイラー規制法とは直接関係ないかもしらぬけれども、今こういうことだけではどうにもならぬということで、あと石炭鉱業合理化法ですか、そういう法律が出ておりますから、そこで十分大臣の御所見も伺いたいと思うわけですが、その前に、これは重油関係して、そこらあたり明確に御承知ならばお聞きしておきたい。なお、そういう点について、これは石炭の将来と関係あるから、この次の法律審議するときやりましょうということであれば、その次でもけっこうですが……。
  91. 福井政男

    政府委員(福井政男君) 重油の輸入につきましては、御承知のように消費地精製主義ということで、重油の——石油類の供給につきましては、原油を輸入いたしまして、国内で精製をいたしまして供給する。ごく足りないA重油でございますとか、あるいはサルファーの非常に少ないB重油、C重油、こういったものを一部輸入いたしておりますが、この傾向は今後も続く見込みでございまして、従いまして、まあ石炭と競合いたします重油製品そのものは、今後そう輸入という問題は起きないであろう、こういう私どもは見通しを作って計画をいたしておるわけであります
  92. 阿部竹松

    阿部竹松君 外国の資本が、石油会社十三か十四あるけれども入っておって、入っておらぬものは丸善石油だけだ、ほかのものは全部外国石油会社——もちろん全額外国が出しておるわけじゃないでしょうけれども、全部米英が資本金を出しておるという会社ばかりであって、もうけ金は全部外国へ持って帰られてしまうという話を聞いておるわけですが、まあ利潤の配分は別といたしまして、今、私のお尋ねする通り、全部、丸善を除いて外国資本の会社ばかりですか。
  93. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 丸善を除いた全部というわけではございません。出光もそうでございます。また小さい二、三の会社でも、出光、丸善以外に、日本の資本でやっております。また日本石油は、日本石油会社といたしましては全部日本の資本でございますが、日本石油精製会社というのは半々になっておるのでございます。全体といたしましては、終戦後のああいう状態で外国資本が石油精製業には相当入っておることはお話通り。大体精製能力で七割ぐらいが外国と日本と半々ということで、残りの三割が純粋の日本の法人会社といっていい状況でございます
  94. 阿部竹松

    阿部竹松君 日本精油の方は、大臣のおっしゃる通り、たしかあれは日本石油の第二会社、子会社のようなもので、組織も別になった法人体のようですが、大臣のおっしゃった日石——日本石油株式会社ですね、あれは日石カルテックスになって、表面の届け出しはどうかわからぬですが、あの会社などは相当外国資本の影響を受けておるやに私承って、大臣の御答弁の別にあげ足をとるわけではありませんが、どうも了解できない点があるのですがね。
  95. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 日石カルテックスというのは、カルテックスと日石とがあれしまして、日本石油精製会社というのをやっておりますから日石カルテックスというのであります。販売をやっております日本石油というのは、原則として日本の資本でできておるのであります一般のたとえば三菱とか昭和石油とか、東亜燃料等におきましては、大体外国資本と日本が大体半々程度になっておるのであります
  96. 阿部竹松

    阿部竹松君 時間も一時になりましたから、あと石炭に関連した問題は次の法案でお尋ねするといたしまして、これで私の質問は終わりますが、最後に大臣にお尋ねしておきたいことは、確かに、こういう法案を設けて、安い燃料で蒸気を動かせるのに、石炭を国内産業だといって守るととは、経済的に見てもやはり矛盾した点があるやに私も考えるわけです。それはそれとして、やはり石炭産業というものは膨大な従業員を使っておって、産業が荒廃することによって、日本のようなきわめて雇用される場所のない国柄では、どうしても石炭産業保護してもらわなければならぬということに相なってくると思う。これと一つ関連して、関税について、直接この法案関係ありませんけれども、やはり幾つかの保護政策が両々相待って一つ産業が助かっていくということになりますので、この関税等においても、重油あるいは原油にそれぞれかかっておるわけですが、大臣のそれに対する御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います
  97. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 日本関税制度につきましては、私は二つの非常に不備な点があると思います一つは、明治四十何年かにこしらえましたその品目をそのまま踏襲しておるということでございます。九百品目ぐらいございますが、欧米諸国を見ますると数千品目に分かれておるのであります。従いまして、今後関税改正の問題といたしましては、へーグ方式といいますか、そういう精細な品目を掲げることが必要であると考えますし、また、もう一つの欠点と申しますか、他の国との違いは、日本関税率がかなり低いということでございます。これは昭和二十六年の占領下におきましてでき上がったもので、やむを得ない点があると思うのでございますが、今後関税制度の改正につきましては、この二点につきまして改めていかなければならぬと考えておるのであります。しかも、貿易自由化の線に沿って日本経済をもっと強力なものにするという観点から申しますると、関税率につきましても、ガットの規定にはなはだしく違反せざる限りにおきましては、ある程度引き上げ得るような方法を講じておく必要があると考えております
  98. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。本案を可決することに賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  99. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないものと認めます。よってさように決定いたしました。それでは暫時休憩いたします。    午後一時二分休憩    —————・—————    午後二時二十一分開会
  101. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 休憩前に引き続き、商工委員会を再開いたします中小企業業種別振興臨時措置法案を議題といたします質疑のある方は、順次御発言を願います
  102. 近藤信一

    ○近藤信一君 きのう途中で質問をやめまして、きょうに残っておるわけですが、中小企業業種別振興法という法律によって指定業種を選定されるわけでございますが、中小企業は、貿易の自由化によりまして、特に影響を受ける点が大きい業種であると思うわけであります。さらに、輸出に関連する業種であることも間違いないわけであります。比較的に日の当たっている業種、あるいはまた、その反対に日の当たっていない業種、こういうふうに、まあいろいろとあるわけでございますが、一体、今度の法案によって、何を重点的に中小企業庁では考えておられるのか、また、どういうふうな基準をもって指定業種というものを選定されていかれるのか。その基準というものがおありになれば、その点を一つお示しが願いたいと思います
  103. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) この業種の選び方は、相当大事な問題だと思います一般的に申しますれば、中小企業を振興をし、ひいては経済全般の発展に役立つものからということになりますが、これを具体的にやや考えてみますと、業種別に見、あるいは規模別に見て、いわゆる大企業、あるいは中小企業の中でも、格差の差のひどいようなもの、こういう種類のもの、それから、経済成長に役立つ度合いが、輸出の関係とか、あるいは産業構造の高度化というような意味から、経済成長に役立つ度合いというものが、そこに対策よろしきを得れば相当大きいだろうと考えられるもの、それからもう一つの観点は、当面の産業政策といいますか、中小企業対策上急ぐ、たとえば貿易の自由化の問題に関連し、あるいは最低賃金制の普及ということと関連し、あるいは技術革新の傾向と関連しまして、当面の産業対策上急ぐというようなもの、こういう三つの見方を総合的に勘案いたしまして、業種をきめて参りたい。これは大事なことでありますので、審議会に諮りまして、方法としては、政令で業種を指定するということにいたしたいと思います
  104. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、その基準をきめるのは、審議会できめられるわけですか。
  105. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 形式的には、審議会が業種をきめるわけでございますが、業種を審議会にきめていただくときに、そういう考え方を申し上げまして、その考え方を頭に置いて、業種をきめていただくと、こういうことになると存じます
  106. 近藤信一

    ○近藤信一君 そこで、まあ審議会で考えられるわけでございまするけれども、一応中小企業庁として、一体何を重点的に考えるかと、こういうふうな一つの基準というふうなものはなければならぬと思うんですが、その点、いかがですか。
  107. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 考え方の基準は、今申し上げたようなことであります。これは通産省のみならず、関係各省にもわたりますので、現在関係各省から、いろんな業種指定の要望といいますか——を集めております。先日も申しましたように、予算的には十五業種を取り上げることに積算はなっておりますが、現在、各省からも三十業種ばかり、相当しぼったところで出ております。これをある程度、もう少ししぼりますか、どうしますか。先ほどの考え方と一緒に、審議会にかけて審議していただこう、こういう考え方を持っております
  108. 近藤信一

    ○近藤信一君 で、当面予算的には、十五業種というものが、まあ考えられておるわけでありまして、今、長官が言われるように、通産省で各業種別的なことを考えられておると、こういうことですが、一体いつごろ、それは結論が出ますか、見通しとしては。
  109. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 法律が公布になりますと、さっそく人選を急ぎまして、審議会をまず作らなくちゃいかんのでございます。なるべく早く施行の段取りをつけたいと思っておりますが、まあ審議会ができまして、まず業種指定をやらなきやいかんわけですが、できれば極力早く急ぎまして、一ヵ月以内ぐらいには、業種をきめるというところまでやるというように考えております
  110. 近藤信一

    ○近藤信一君 すると、初年度十五業種ということで、五ヵ年間ということになっておるわけですから、この五ヵ年間で取り上げられるところの業種については、一体どういうふうな業種を、順位という——まあどういう業種を、順番ですね、順位は、どういうふうな順位で、その業種というものがきめらて、きめようとされておるのか、この点、おわかりになりませんか。
  111. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 業種の数の問題でございますが、初年度は、予算も、積算的には十五業種取り上げるということになっております。私どもといたしましては、なるべく多くの業種を取り上げて、そういう業種別な対策といいますか、方向を、はっきりするということをやって参りたいと考えております。業種のとらえ方は、大体、日本標準産業分類の、この再分類という項目ぐらいのところでとりたいと思っておりますが、そのうちで、中小企業関係といいますか、中小企業関係の業種というのは、百六十ほどございます。これは、中小企業がありましても、非常にその数の少ないとか、業界で、中小企業の占めるウエートが非常に少ないというものを除きますと、まあ百六十ばかりあるわけであります。まあ十五を五年間といたしますと、七十五ということになるわけですが、私の方としては、仕事を積極的に進めますとともに、予算その他につきましても努力いたしまして、少なくとも百あるいは百二十ぐらいのところは、五年ぐらいの間にこなしたいと考えております。その順序でございますが、順序は、先ほど申しましたように、急ぐものからということでありますので、当面の産業政策上、中小企業対策上急ぐという、貿易自由化に関連するものとか、技術の革新等が非常に早くて、業界全体として……。
  112. 小林英三

    ○小林英三君 ちょっと発言中ですが、中小企業庁長官、声がよく聞こえないのです。もう少し大きい声で。
  113. 山本利壽

    委員長山本利壽君) もう少し大きい声で……。
  114. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 貿易自由化の関係とか、技術革新に伴う変化のはなはだしいものというような、こういうものから取り上げて参りたいと考えております
  115. 近藤信一

    ○近藤信一君 今、長官の御説明によりますると、一年間十五業種だと五年間で七十五だと、しかし七十五でなくて百業種ぐらい指定したい、こういうお話ですけれども、中小企業の業種、二百業種でしたか、先日のあれは。二百業種といたしましても、五年間で百ということになると、やっと半分ぐらいということですが、そうなると、この全業種を指定していくというふうなことになると、五年ではこれは、とうてい及ばないということになるのですが、その点、いかがですか。
  116. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) なるべくたくさんは取り上げたいわけですけれども、これは、まあ全部の業種についてやる必要があるかどうかという問題でありますけれども、大体、中小企業という見方を企業対策としてとつていく場合には、似たような型の業種というものは、一部分をやればほかのものも、大体見当がつくというようなこともございますし、また地方的なもの、あるいは特産品的なものに関する業種というようなものにつきましては、都道府県を指導いたしまして、中央でやるようなことを、地方でやってもらうというようなことも考えまして、そういう地方庁の指導ということもやって参りますれば、相当広く手が伸ばせると、大体全部が終えるのではないか、こういう考え方をいたしております
  117. 近藤信一

    ○近藤信一君 本法によりまして指定業種となった業種は、本法によりまして、対策がとられることになるわけです。しかしまあ、あと回わしにされた業種、こういうふうなものが出てくると思うのです。また取り上げられない業種というふうなものも出てくると思うのですが、こういう問題について、どういうふうに考えておられますか。
  118. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 取り上げられない業種というものは、結局一般対策で、いわゆる従来の中小企業の一般対策で振興をはかるということに相なるわけでありますが、今中しましたように取り上げられない業種は、地方でいろいろ、中央と似たような対策をとつてもらうということがございますし、また従来の診断、指導事業というような仕事を、なお積極化するというように対処して参りたいと、こう考えております
  119. 近藤信一

    ○近藤信一君 そこで問題になりますのは、指定される業種はいいといたしましても、指定されない残された業種に対する何か対策というふうなものを当然持っておられると思うのですが、その点、いかがですか。
  120. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 結局、取り上げられなかった業種というのは、中小企業の一般対策ということで、従来からやっております対策を、なお積極化して、これに対処する、こういうことになろうかと思います
  121. 近藤信一

    ○近藤信一君 本法律案によるところの業種別対策としては、工業部門だけを取り上げるお考えであるようですが、一体その点は、いかがですか。商業部門も、指定業種として、あなたの方では選定される意思があるのかどうか。
  122. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 制度的に申しましても、商業、工業の区別はいたしておりません。ただ業種別に問題を取り上げるわけでありますし、商業の方は、たとえば小売商問題というようなものは、業種にかかわらず、一般的な小売商問題という性質の対策を考えていかなければいかぬわけでありまして、従って物別に見ていきますときには、卸売業一般とか小売一般とか、こういう取り上げ方はしないつもりでございます。また一方、先ほど申しましたような選定の基準からいたしまして、この業種別の対策を特に急いで必要とするものは、おのずから工業に片寄ることにはなろうかと思いますけれども、小売商、卸売商等につきましても、業種別に見ていくようなときには、取り上げますけれども、一般的には、商業として取り上げるという考え方はいたしておりません。
  123. 近藤信一

    ○近藤信一君 一般的には、工業部門ということになるわけですが、そこで問題になるのは、私は今工業部門もさることながら、商業部門における中小企業の業種というものは非常にたくさんあって、そうしてデパートなんか、いわゆる大企業から圧迫されておる点は、長官も御承知通りだと思うのです。そうなりますると、私は中小全米対策としては、片手落ちになるような気持がするのですが、その点、いかがですか。
  124. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 中小企業対策のうちでも、御指摘のように商業関係というものが、非常に問題もむずかしゅうございます。従来も、百貨店関係では百貨店法もありますし、小売市場関係では小売商業等の調整法がございますが、なかなかその法年を背景とする対策もむずかしいので、完全な実効をあげられているかと申しますと、いろいろ問題があるわけでございます小売商等の問題につきましては、今後なお実態をもっとつかみますとともに、対策の不十分な点はこれを強化していくという方向に考えなければならぬと思いますが、これは業種別に問題を取り上げて検討するという問題とは、おのずから別の一般的な小売商対策という問題だろうと思います。それからもう一つは、はなはだ申しわけないわけでありますが、製造業につきましては、相当中小企業全体につきまして、大企業等との相対的関係において、相当具体的な調査が、いろいろな面で進んでおりまして、商業の方は、それが実態がまだつかめていないというのが実情でありまして、製造業の実態総合調査に引き続きまして、本年度も、予算を相当増額してもらっておりますが、三年間ぐらいにわたりまして、商業関係の実態調査というものを相当こまかくやっております。こういうことともからみまして、その成果を得ますれば、それを背景として、それを足場にして、いろいろ対策を考えていくということにいたしたい、こう考えておるわけであります
  125. 近藤信一

    ○近藤信一君 まず工業部門の点でございますが、これは労働組合でも、しばしば大企業と中小企業の問題が賃金格差の問題で、常から問題になるわけです。労働者の面で、そういう賃金格差があると同じように、大企業と中小企業との格差というものは、これをなくさなくちゃならぬというのが原則論でございますけれども、これはいつも、そういうことは言われるけれども、だんだんと格差というものが何か大きくなっていくようにも考えられるのですが、この点、現在の動きは、どんなですか。
  126. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 概括的に申しますと、不景気のときは何ですが、なお、中小企業に問題が多いわけですが、最近のように経済状況がいいときでも、格差というものは、どちらかというと開く傾向にあるというのが、いろいろな資料から見られます。ただ、業種によって、相当最近は変わっておるような気がいたしますのは、非常に好調なところの中規模の企業といいますか、その辺は、割に格差が開かない。不況なところの中規模なものと、それから好況、不況にかかわらない業種の下の方の規模、この辺は、どっちかというと格差が、従来と比べて開いていく傾向が確かにございます。そういう点をどうして対処していくかということについての、いろいろな対策を見つけたいというのが、この法案を出しておる趣旨の一つでもあるわけであります
  127. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますと、今の具体的に一〇〇を水準として、どれくらいの格差があるのですか。
  128. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 格差というものは、いろいろな面から見られるわけですが、賃金格差をとつてますと、千人以上を一〇〇といたしますと、五十人から九十九人といいますか、五十人から百人程度のところで約半分、五二—三%、それから一人から十人見当のところだと四〇%、三八%から四〇%くらい、この程度の格差があるわけであります。それから、付加価値等でとってみますと、なお、これがひどいわけでありまして、要するに生産性の格差と申しますか、ひどいわけでありまして、千人以上をかりに一〇〇といたしますと、五十人から九十九人あたりは五〇%を切りまして四五—六%、一人から九人のあたりは二〇%程度、まあこの程度の、相当大きな開きがございます。これも、まあ諸外国——イギリス、アメリカあたりは、むしろ中規模の企業の方が、大企業より能率がいいというような資料が出ている面もありますが、今申し上げましたように、引当の格差があるのでございます
  129. 近藤信一

    ○近藤信一君 今、中企業の方が、大企業の方よりいいというふうなお話でしたが、百人以上のあれは五〇%くらいというのは、これは少ない方か多い方ですか、これは。
  130. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 今申しましたのは、五〇数%と言いましたのは、賃金の格差でございます。外国の例で見ますと、賃金格差は、イギリス、アメリカの例等で見ましても、千人以上の大企業を一〇〇といたしますと、概括的には八〇とか八五とか、その程度の数字でありますが、能率を比べますと、アメリカあたりの資料では百人から二百人程度の企業は、千人以上の企業よりむしろ能率がいいという面も見出せると、こういうことを申し上げられるのであります
  131. 近藤信一

    ○近藤信一君 五十人から百人程度のところは、五二%くらいですか。
  132. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 賃金の格差では、五十人から九十九人までのものは、千人以上を一〇〇として、五二%であります
  133. 近藤信一

    ○近藤信一君 五二%というようになると、そうすると約半分ということになるのですがね。そうすると、この賃金が大企業の半分くらいだということになれば、経常の面においても、やはりこれと同じような比率という結果が現われますか。
  134. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 要するに、中小企業は、大規模の企業に比べて能率が悪いということ、まあこれは製造業全体の平均でございますが、そういうことのわけでありまして、付加価値比較で、千人以上の企業を一〇〇といたしました場合には、五十人ないし九十九人の企業は四六%、四五・五%という数字が出ております。ところが賃金格差の方では、それが五二%になっております。まあ能率の悪い以上に、賃金は出している、こういう関係になるわけでありますが、それにしても、賃金格差にしましても半分程度能率がそれ以上悪い、こういう関係で、生産性はなお悪い、こういう関係になっておる実情でございます
  135. 近藤信一

    ○近藤信一君 今御説明のように、こういうように非常に格差がある、この大きな格差があるから、今度この法律案で何とかしよう、指定業種でしようということになるわけですが、一体、どれくらいの見通しですか。これを、どれくらい縮められるという見通しがありますか。
  136. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) これは中小企業対策にも、いろいろございまして、従来からも、あの手この手とやっておるわけであります。今回の法律で、すぐこれがどう具体的に縮められるかということは、なかなかお答えしにくい問題でございます。ことに、先ほどの例で申しましたように、零細な小規模の事業所になると、能率が悪い。従って従業者に対する賃金も低い、こういうことに相なっておるわけでございまして、この開きが、相当目につくと、また全体の経済を今後伸ばしていくのに、非常に阻害要因になるというようなことから、零細企業対策として、これの指導育成ということの手がかりを作る意味で、商工会一つ提案いたしておるようなわけであります。業種別の対策は、その規模の格差の問題も、もちろんございますけれども、最近業種によって、非常に先ほども御指摘のように、日の当たる業種と日の当たらぬ業種と、目まぐるしいほど変わってきておる。かてて加えて、自由化の中小企業に対するはね返りのことが心配される業種もあるわけでありまして、そういう問題も、そういう面からつかまえて、格差の問題ともからませつつ、振興育成をはかっていく、こういうことでありまして、どのくらい縮められるかということは、業種によっても違いますし、対策の力の入れ方によっても違いますし、なかなか企業対策のむずかしさということからいたしまして、一挙にはいかぬと思いますが、この法律を背景として、そういう手がかりを、なるべく強力に指導育成を進めていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます
  137. 近藤信一

    ○近藤信一君 今、御説明ありましたように、まあ零細企業になればなるほど、いわゆる能率が悪い、こういうことで、今度は、この本法律で業種を指定して、そうしてその振興をはかろうと、こういうことになるわけなんですが、そこで私は、やはり能率の悪いところを振興しようというのでございまするから、この業種を指定するに際しても、悪い業種が、まず優先的に取り上げられなければならぬのじゃないかと、こういうふうに私は考えるのですが、この点は、いかがですか。
  138. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 先ほども申しました、業種選定の基準で御答弁申し上げましたが、業種別、規模別に見て、格差の開きが大きなものというものは、当然取り上げる。従って、まあ業種全体として非常につらくなっている業種、それから最近の経済の動きで影響を受けることの多そうな業種というものが、優先的に取り上げられることになると思います
  139. 近藤信一

    ○近藤信一君 今、工業部門の面でいろいろとお尋ねしたのですが、これと全く同じようなことは、商業部門でもいわれるのじゃないかと思うのです。今度の今、今国会でも民社の方から提案されております百貨店法の一部を改正する法律案というものが出ておる。ところが政府の方は、百貨店法の改正というものは出ていない、こういう点から考えましても、私は、今商業部門における小売商、いろいろの業種、こういうものが非常に圧迫をされておるということも、これは事実でございますが、それに対して、何か小売商業特別措置法ですか、あの法律で、いろいろとやっておられるわけでございまするけれども、やはり私は、ここにも商業部門における一つの問題が出てくるのじゃないか、こういうように思うわけなんです。それで将来、この商業部門に対するところの何か対策というようなものを考えておられますか。
  140. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 小売商業の問題、先ほども申しましたように、非常にむずかしい問題でありますために、正直に申しまして、その実態というものが、必ずしも正確につかめていないということもありまして、従来は小売商業調整特別措置法、これも、この委員会の方で非常に御苦心願ってできたものでありますが、この実行そのものが、また非常にむずかしい。関西方面では市場なりの関係で、相当問題を起こしておるわけであります。私どもといたしましては、小売商業の問題は、事務的に申し上げますれば、もうちょっと、実態をはっきりつかんで、それで実態に即した、何か従来の法律制度で不十分なら、それをはっきりしたものにするというようなことを一つ考えるべきじゃないかということで、鋭意実態調査を急いでいるわけです。今度商工会組織等に関する法律案、それから中小企業業種別振興措置法案を出しました考え方の根拠も、実は製造業について先年やりました総合実態調査、それから諸外国でも、中小企業統計としては、非常に感心されたといいますか、あちらこちらから照会等があるやに、相当りっぱな統計ができておる。これを見ましても、その実態、格差の問題その他がはっきり、実は従来、いろいろ一般的対策をやっておりますときには、どちらかというと、勘でやっておつたわけですが、これを全般的の統計として、そういうものがはっきりつかめたというところから、これは何とかしなければならぬ、これは全体の発展に、そこに、ひずみができるというようなことが考え方のもとになっているわけです。両法案の……。こういうことでありまして、商業につきましても、政策を的確にする意味におきましては、もうちょっと、実態をはっきりつかむということを鋭意事務的に急いでいる、こういうことでございます
  141. 近藤信一

    ○近藤信一君 衆議院でも、ちょっと何か問題になったようですが、小売商業特別措置法によって、卸屋は小売商を圧迫してはならないという規制があるわけなんですが、しかし現実には、今卸問屋小売をしたり、またデパートが出張して販売したり、特に名古屋でも、私は現実に見てきておるのですが、この四月の入学期前に、デパートが各学校に出張して、そうして封筒の中に、いろいろと案内書を入れて、そうして制服やら制帽やら、そういうものをデパートでぜひ買って下さい、こういう案内状を盛んに学校の構内でやっているわけなんです。こういうことも、やはり小売商に対する一つの圧迫じゃないかと思うのですが、この点、いかがですか。
  142. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 百貨店の小売業進出といいますか、出張販売等で、小売業の縄張りを侵すという問題につきましては、百貨店法にそういうことに関しては、通産大臣が勧告できるということもございます。先般、小売りの洋服屋さんが、そういう百貨店の進出、出張販売ということで、非常に小売りの地盤が蚕食されておる、この法律の勧告を出してくれということが、私どもの方にも陳情がございました。企業庁に対しても陳情がございました。企業庁で、さっそくその実情の調査を今やりつつあります。それから、小売商業調整特別措置法には、製造業者あるいは卸業者が、その小売りの仕事をやるときには、政令で指定したもの、あるいは政令で指定した地域において、そういうことをしようとするときには、届出をするという制度がございます。ただ、これは、実は従来からも、二度ばかり、法律を作りましたときと、その後も一度ばかりありました。そういう事態があって、この政令の指定を必要とする向きであるかどうかということを、各都道府県に照会しておるのでございますが、現在のところは、この調整法の方の政令指定というものは、具体的にやってくれという要望は、実は出てきてないわけであります。これはまあ、どうせその仕事は都道府県知事にやってもらうわけでありますから、都道府県知事が、そういう必要を認めるという事態はないということで、まだ指定はやっておりません。しかし、そういう動きが出る、あるいはそういう現象が起こるということになりますれば、この指定をやるのには、われわれとしてはやぶさかでない。そういうことで、あまり不当な製造業者、卸業者の進出がないように、適切な運営をはかって参りたいと思います
  143. 近藤信一

    ○近藤信一君 都道府県知事に、そういう調査依頼をされて、まだ一件も出ていない、こういうことでありまするが、まあ私どもは、現実にそういう場面にぶつかっておるわけです。私は、ちょうどこの四月に、自分の子供が入学しましたので、やはり学校へ行ってみますと、その前に、試験発表当日に、デパートが学校へ行って、ずっとみんなにその封筒を渡しているわけです。さらに、今関係があるかどうかしりませんが、都道府県知事が、そのデパートの役員をやっておる場合に、その都道府県知事に、出せと言ったって、これはなかなか出しっこないのです。関係のある自分のところのデパートの問題を、その知事が出せるような結果はないのですね。そういう点は、都道府県に調査を依頼されるだけで、出先の通産局なんかでは、そういう点の調査はしないのですか。
  144. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) デパートの小売出張販売、あるいはその他の営業に関する行為で、中小企業の事業活動が影響を受けるというおそれある場合には、これは通産大臣が、直接そのデパートの業者に対して、そういうことをしないように、まず勧告をするということになっておるのであります。先ほどの洋服尾さんの、洋服に関する百貨店の学校入学期等をつかまえた出張販売というものは、相当急に多くなっているということで、目下調査しておりますが、ある程度、そういう実態が出てくるようであります。調査が全部済んでおりませんが、これは、通産省が直接並びに都道府県を通じて、通産局を通じて、両方に調査をまとめてもらっておるわけでありまして、調査で、そういう弊害等が認められますれば、通産大臣から勧告して、それをやめさすいうような措置がとられることになると思います
  145. 近藤信一

    ○近藤信一君 それから問屋ですね、卸問屋、また名古屋でも長者町といって、綿布の卸問屋があるわけです。あの辺でも、平気で小売をやるわけなんですね。とても安い物で、お客は殺到するわけなんですけれども、これなども、公然とやられておるのに、これに対するところの取り締まりの措置というものが、私は何ら講じられていない、こういうふうに思うのですが、そういう点は、いかがですか。
  146. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 実はこの問題については、先般衆議院でもお話がありまして、特に繊維関係小売屋で、そのときに例としておあげになりましたのは、東京の横山町、それから大阪の丼池というようなことを言われまして、これは百貨店の問題とは別に、私どもの方で都道府県を通じまして、いろいろ実態を念のために調査しております、非公式に調査しております。横山町あたりでは、問屋さんの組合が、商慣習といいますか、こういう以下の、まとまらない数では売らないのだとか、いろいろあるようでありますが、問屋さんの方では、まだはっきりはきまりませんが、そういうことに、その慣習以上の行為に出て、小売商に迷惑をかけるというようなものがいないはずだけれども、いるなら一つ、われわれの方で、なおお互いに自制するようなことを、はっきりやりましょうというようなことで、話し合いがある程度済んでおります。それぞれやはり、一定の商慣習といいますかがありまして、その秩序を不当にくずすというようなことは、問屋さんなら問屋さんの方も、相当信用という問題にもからむわけであります。そういうことの場合には、そういう団体等指導して、そういうことのないような手を打って参りたいと、こう考えます
  147. 近藤信一

    ○近藤信一君 この点はね、ただ衣料関係だけでなくして、あらゆる業種で、そういう問題があると思うのですよ。たとえばお菓子屋の問屋町でも、盛んに小売が公然とやられておる、その他いろいろと、そういう卸業者の小売、店先へずっと並べて、そして小売もどんどんやっておるというのは、衣料関係だけでなくして商業部門においても、相当たくさんあると思うのですよ。従って私は、やはり商業部門に対する業種の指定ということが必要になってくるんじゃないか、こういうふうにも私は考えるのですが、厳格に守つているところは、守ってやっているのですね、そういうところもあります。ところが、守らずにどんどんやっておるようなところもあるわけなんです、そういう点は、どうですが。
  148. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 製造業者または卸業者の小売進出の問題につきましては、私どもも、実は多少予想外だった面もあるのですが、そういうことは、各都道府県の方から具体的な話はないわけでありますが、この問題に関連する実情というものが、この間も衆議院でもお話がありましたので、もう一度われわれの方で、全国といいますか、主要な都市中心でもいいかと思いますが、もう一ぺん調査をして、こういうやり方を各地の実情も比較検討をして、こういう政令指定をやった方がいいというものは、指定をやって、そのうち適切な法律指導といいますか、に基づく指導というものをやって参りたい、まずその調査をやって参りたい、こう考えて、その準備をしております
  149. 近藤信一

    ○近藤信一君 次に移っていきますが、これは、この前川上委員からも、いろいろ御質問があった点でありますが、本法の第三条第二項の中に、主務大臣は、改善事項の要旨を公表するとともに云々とずうっとあって、「必要な指導を行なうものとする。」と、こうありますが、一体、どのような形で公表するのか、たとえば官報や新聞で掲載でもされるのか、または必要な指定の具体的方法というふうなものは、どういうふうにあなたの方では考えておられるか。
  150. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) この改善事項につきましては、なるべくこれを関係者に周知させまして、関係者が、まずもって自分たちが、その方向に努力してもらうということが必要なわけです。公表は新聞等に公表いたしますとともに、改善事項を印刷して、中小企業の団体等を通じまして中小企業に配るというふうなやり方、また必要に応じましては、説明会等を通産局あるいは府県単位で催しまして、周知をはかるというようなやり方をとって参りたいと思うわけです。それから改善事項について、指導する指導やり方でありますが、これも中小企業の団体等を通じまして説明し、指導していくというようなやり方、また必要に応じましては、改善事項の指導資料というものを作りまして、府県その他を通じまして、指導の徹底化をはかる、指導に直接当たるのは都道府県、あるいは中小企業関係団体、その向き向きによって違いますが、中小企業の関係団体にも働いてもらわなければいけないわけでありまして、そういうものを通じて指導して参りたい、こういう考え方をいたしております
  151. 近藤信一

    ○近藤信一君 次に、第四条によりますと、主務大臣が勧告する場合には、どういうふうな内容を一体勧告されるお考えでありますか、その具体的な事例というものを一つ述べていただきたいのであります
  152. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 主務大臣の勧告は、法律にありますように、競争の正常化に関する問題、それから取引の改善に関する問題、これらについて、一つ中小企業者、その当該業種に属する中小企業者、またはその団体に出す場合と、それから当該業種に属する中小企業者以外の者、すなわち当該業種でも、大企業あるいは当該業種との関連業種に関連する人、これらに対して出す、二つあるわけであります。ここで、「関連事業者」と書いてありますのは、同業種でも、大企業あるいは同業種でない取引関係にあるような業種、二つの場合が考えられると思います。すなわち中小企業自体に出す場合と、それ以外に出す場合とあるわけです、具体的にたとえば例を申しますと、競争の正常化のような場合に、たとえば過当競争が行なわれておる、従来団体組織法等によりまして、商工組合等で調整行為をやる、あるいは必要に応じてアウト・サイダー命令をかけるということが、独禁法の例外として中小企業については認められておるのです。そういうことをやる必要があると考えられる場合に、そういうことを改善事項の中身として考える場合に、一部の業者の反対等で、組合そのものが、まずできない、あるいは適切な調整事業ができないというような場合には、それが、しかも大半の業者の意思ではあるが、一部の者のために、そういうことができないという場合に、そういう組合の設立なり調整事業の実行なりをはかったらいかがですかということを勧告する場合が一番多かろうと思うのです。それから取引関係の改善等につきましては、たとえば元請、下請関係の形の取引の場合、あるいは商社あるいは問屋との下請関係中小企業の場合、これらにつきまして元請、下請関係あるいは商社や問屋などの取引関係が不合理だと、不当に圧迫を受けるというような場合に、お互いに話し合いをされてはいかがですか、こういう方向で話し合いをきれたらいかがです、これも従来団体組織法等に組合協約という制度がございますが、そういうことをやったらどうですか、その関係を合理的なものにすべきではないでしょうか、という等の勧告を出すのが、まず一番典型的な勧告の例だと思います
  153. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、この勧告は、第三条のうちの改善事項の中で、主として五の「競争の正常化に関する事項」、六の「取引関係の改善に関する事項」、この二つに限定されて、重点が置かれておる、こういうことになるわけなのですが、この五、六に特に重点を置かれて勧告されるというふうなことは、どういう理由で、そういう結果になりますか。
  154. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 法律では勧告は五号、六号の場合だけに出せるということにいたしております。ほかのところは、勧告という制度を設けておりません。そのわけは、四号までと七号との関係は、改善事項がきめられました場合に、まずもって個々の当該中小企業者が、まず自分で努力するという事柄でございます。経営の改善だとか技術、設備をよくするとか、そういう種類の問題をまずもって当該中小企業者が、まず自分のこととして努力すべきことだ。それ以外のことは、中小企業関係のことではありますが、自分だけの努力では、なかなか足りないという面は、国あるいは都道府県、地方庁あるいは関係の団体等で指導していく、あるいはまた資金的な援助をやっていくというような側面的な措置をとる。主体は、あくまで個々中小企業者という関係になりますので、これは勧告を掲げなかったわけでございます。五号と六号につきましては、中小企業者が立っていく、あるいは伸びていくための環境を整備するというような意味の問題であります。競争をなるべく正常化する、取引関係合理化するというようなことで環境整備問題でありまして、当該中小企業者だけではだめで、関係の人にも、回りの人にも、協力をしてもらわなければいかぬということでありまして、その回りの人に対して、協力を依頼するという意味で勧告に掲げた、こういうことであります
  155. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますと、これらの勧告につきましては、その内容を公表するというふうな規定もございませんし、また受け入れなくても、何らかの制裁をするというふうな規定もないわけなのですが、そんなことで、十分に勧告の目的が果たせられるかどうか、また効果が上げられるかどうか、この点は、私は疑問に思うのですが、いかがですか。
  156. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 勧告は、法律的に見ますと強権的な力を持っておりません。従って、勧告が聞かれない場合には、どうも法律的には、しようがないわけでございます。しかし事柄が、ある業種のうち、個々の事柄と言いますより、中小企業全般に関連したことでもありますし、またその改善事項というものも、従来と違いまして、国が一つ審議機関を設けて、ここで関係方面の意見を聞いて、一つの方向を出して、それに基づいて勧告するわけでありますので、関連した事業者も、そういう背景を持って、しかも大臣からの勧告を受けるということでありまして、法律的な意味よりも社会的と言いますか、そういう意味の力は相当ありやしないかと、われわれは期待を持っているわけであります。これは企業自身にもからむ問題でもありますし、全体のため関係する問題でありますので、法律的の意味よりも、そういう意味で相当期待をしていいのではないかという考え方をしているのでございます
  157. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、勧告は、あくまでも勧告であって、勧告のしっ放し、こういうことになるわけですか。
  158. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 法律的には、そういうことになります。しかし今申しましたような意味で、相当重みを持った注意ということでありますので、その力、効果というものには、相当期待していいのではないかと考えております
  159. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、せっかく業種を指定されて、あなたの方で、こういう点がこうだと言って、勧告しても、その勧告が何らの効果がない、しっ放しということであれば、せっかく業種を指定されても、何にもならぬということになるような結果が生まれるのではないか。その点は、どうですか。
  160. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 私どもといたしましては、審議会を作って関係者が相当集つて、要するに個々の企業の利害関係よりも、相当の数の中小企業の問題でありますし、そういう問題について、衆知を集めて一つ結論が出た場合には、もちろんそれに関連するところの大企業のような場合にも、その方面とよく相談して意見を調整して、審議会の意見が出ることだと思いますので、そういう改善事項というもののきめられ方、またきめられたものの内容というものは、そういうことでありますれば、勧告というようなことまでいかなくても、ことに信義を重んずる関連事業者、ことに大企業の関係等におきまして、信用問題もありますから、勧告を待たずに、相当うまくいくのではないか、ましてや勧告が、そういう事柄を背景として出る場合には、相当な力というものがあるのではないか。法律で、形式的にぴしゃんとやる以上に、実質的な効果というものを期待していいのではないかというふうに、一応は考えているわけであります
  161. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、将来、せっかく業種を指定して勧告しても、勧告が十分相手方に受け取られなかった。こういうことになれば、何にもならないということになりますから、これに対して、何か将来は改善していくとか、もっとこの点について、何か規制していく、こういうようなお考えでありますか。
  162. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) この中小企業関係の諸制度、その他全般の問題にもなりますが、こういうことで、業種別の対策をやって参りましても、不十分の場合は、将来制度を充実するとか、改善するといった手直しの問題が起こることが相当多いと思います。この勧告という制度そのものを、どうするかということよりも、むしろ勧告の中身になる諸制度は、従来のままでは不十分だというような場合には、それに相当手直しをするということはあるいは起ころうかと考えますけれども、勧告そのものについて、こういう性質の事柄について、すぐ命令とかいうようなこと、あるいは罰則をかけた命令というようなことを制度に持っていく性質のものかどうかということは、相当研究問題だと考えております。なかなかむずかしいのであります
  163. 近藤信一

    ○近藤信一君 本法律案が成立いたしますると、この運用には、中小企業振興審議会というものは、きわめて重要な役割を果たすことになるわけなんです。この審議会の委員の割り振りについて、どのように考えておられますか。
  164. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 審議会は、委員四十人以内で作られることになっております。これには部会、たとえば機械、金属、繊維、雑貨、羊毛、その他というように五つぐらいの部会を設けまして、それに委員を分属させる。そのほかに業種別——業種がきまりましたものは、分科会を作っていく。その分科会には、委員の人を中心として、ほかに専門委員というようなものをつけまして組織する、こういう考え方でおります。で、委員の選定の考え方でありますが、四十人のうち、約十人は関係官庁、これは関係各省に相当関連を持ちますので、関係各省の係官を予定しておりますあと三十人でございますが、それは大体学識経験者ということでありますけれども、考え方としては中小企業関係の者はもちろん、大企業関係の人にも入ってもらいますし、また消費者的立場の人、あるいは中小企業関係の従業者の立場の人、それから純然たる学識経験者ですか、こういうあらゆる面を考えて、人選をやって参りたいと考えております
  165. 近藤信一

    ○近藤信一君 四十名の委員で業種別、それから中小企業、それから大企業、消費者的な人というよりは消費者代表、学識経験者、こういうふうに、いろいろと審議委員が選定されるわけですが、これは、あなたの方で選定されるのですか。
  166. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 私どもの方で、関係の向きと相談しまして案を作りまして、大臣の御決裁を得るわけであります
  167. 近藤信一

    ○近藤信一君 いろいろと分れてはおりますけれども、特に、こういう問題で問題になる場合には、消費者関係のことが、いつもこれは問題になってくるわけなんで、消費者の選定ということは、私は非常にむずかしいと思うのですが、この点は、あなたの方はどういうふうな構想を持っておられますか。
  168. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 中小企業関係では、御存じのように団体組織法に基づく安定審議会というものがございます。これは委員三十人のはずでございましたが、非常に御熱心で調整行為をやって、アウトサイダーの命令をかけるときには一々諮ってやっておるわけであります。その中に、消費者代表というような意味で、主婦連の方に入っていただいております。まあ、そういう選び方になるのでしようが、そこらのところは、なお考えまして、なるべくほんとうの消費者代表ということにしたいと思っております
  169. 近藤信一

    ○近藤信一君 次に、十一条に中小企業者または関連事業者に対して政令の定めるところによりその業務または経理状況等について、報告を求めることができるようになっておりますが、具体的に、一体どのような内容について、調査をされるおつもりですか、この点。
  170. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 報告をとる考え方は、先般来申し上げますように、製造業につきましては、中小企業という見方からする資料というものが相当整つております。それから個別的に診断等をやりました業種も、ある程度の数がございます。そういう面からも、相当資料が参ります。しかしこれは、いわば何といいますか、静的な資料で、ちょっと統計等は少し古くなりますし、そういうことでありますので、業種別対策を新たに考える場合には、最近の事情に応じた調査をしなければならぬということであります。また中小企業者自身からでなく関連業者からも報告をとって、中小企業との相対的関係を見ていかなければならぬ、こういう考え方であります。具体的にとります資料調査事項というものは、業種によっても違いますし、また従来やっているデータとの関係もありまして、一概に申せませんが、あるいは製品の品質、性能とか生産数量、生産関係、販売の数量、あるいは加工、委託加工のときは委託の数量、それから設備の状況、業務の状況、それから関連業者との取引の関係、こういうことが中心になりはしないかと、それから関連業者からとります場合も、大体同様と考えられますが、特に元請、下請関係の形のものにつきましては、主として下請関係の発注であるとか、検査の方式であるとか、単価のきめ方とか、金の支払いとかいう種類のもの、取引関係を中心とした調査事項でございます
  171. 近藤信一

    ○近藤信一君 じゃ、業種別対策の効果をあげるためには、中小企業を取り巻く環境の整備が必要でございますが、中小企業の事業分野の調整とか、また下請関係をどうするかとか、こういうふうな問題等について、中小企業を取り巻いている不利な環境を是正しなければならぬと思うのです。これらの法制化に対しまして、またあるいは現行法の改正について、あなたの方では、どういうふうなことを考えておられますか。
  172. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 中小企業、まあ業界といいますか、そういう方面中には、今申されましたようなことについて、法律的な規制といいますか、大企業と中小企業との生産分野を調整すること、親企業と下請業者との取引秩序を適正にするとか、あるいは官公需を中小企業に持っていくようにすること、こういうことに関して、法律規制をするといいますか、そういうことに対する意見を持たれておる向きもあるわけであります生産分野の調整というようなことにつきましては、ことに最近技術の進歩が非常に激しいわけであります。それから業種別に実態というものが、必ずしも正確につかめていない面もありまして、あるがままの形で何か規制するということにつきましては、相当国民経済的に見ても、慎重に考えなければならない。あるいは法律的に、やり方いかんによりましては、営業の自由の原則ということにも触れるおそれがあるということで、法律的にきめていくというやり方でなくて、実態を、もうちょっと徹底的に調べて、そして衆知を集めて、いろいろ考えてみて、そこに何か中小企業の分担すべき立場と、大企業の分担すべき立場、あるいは相互関係というものの実態を、まず見つけることが法律よりも大事じゃないかということが、今回の法律の考え方でございます。大企業、中小企業、企業対策について、中小企業の環境をよくしてやるということについては、従来とも、ある程度独禁法の例外的な措置がとられておるわけでありますが、こういうなわ張りを法律できめるというようなことについては、実態もなかなか、そういうことができるのか、できないのか非常に疑問でありますし、考え方としても、今申しましたように、経済の発達、技術の進歩等の激しいときには、適当ではない、こういう考え方をとつておるわけであります。それから親企業、下請企業との関係、これは取引関係でありまして、またお互いに公正な協力関係に立つことでありまして、これも従来の法律制度で団体協約等を作るという制度があるわけでありますので、何が公正かというようなことについて、いろいろ審議をして、必要があれば、従来の団体協約の締結の制度を使ってやっていくということがいいのではなかろうか、こういう考え方をいたしておるわけであります
  173. 椿繁夫

    椿繁夫君 いろいろ法案の内容については、近藤委員からお聞きになりましたが、三十一年の十二月でしたか、政府でお作りになっている審議会から答申があって、中小企業団体組織法、小売商業振興法というのが、これに基づいて、それぞれこの四年間ほどの間に努力されてできたわけです。その際審議会の答申というのは、中小企業振興助成法を作るべきであるというふうに答申されたと私は思うのです。ところが、この法律を見ますと、これから十五業種くらい本年度は指定をして、業種指定をやって、ぼちぼち調査をやろう、こういうことなんですが、中小企業の逼迫の状態というものは、先ほども御説明があったように、賃金などにおきましても、約半分、能率も、それに大体似たようなものでありますから、これはなんでありますが、中小企業庁長官は、これは川上さんのときにも、私はしばしば申し上げたと思うのですが、審議会から振興助成法を作れと、こら答申があるのに、こんな、ぼちぼち業種を指定して、調査を始めるというふうなのんきなことで得心しておられるのですか。どうなんですか。
  174. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 御指摘中小企業安定審議会の答申は三十一年六号にございました。その中から、たとえば財政投融資、零細企業を中心とした信用補完制度の問題、それから小売商業調整特別措置法の問題、その他逐次実現して日の目を見てきておるわけです。今御指摘のように大企業、中小企業の生産分野調整の問題、中小企業の販路開拓の問題、こういう問題が、項目といたしましては残つておるわけであります。その他税制、労働対策等についても書いてありますが、そういう問題が残つておるわけであります。で、今お話中小企業振興助成法というのができまして、これは例の設備近代化の問題あるいは共同施設補助の問題、特別償却等の問題は、中小企業特有な制度を作つてやっておるわけで、今お活の意味は、中小企業振興助成法ではなくて、大企業、中小企業の分野調整等の問題ではないかと思います。この問題につきましては、先ほども近藤先生のお尋ねに対してお答えいたしましたように、法律で、こういうことを中小企業、大企業という見方からなわ張りを作るというようなことにつきましては、実体的にもまた形式的にも、相当問題があるということで、分野調整をはかるという意味を業種別対策等で、その実態をはっきりさしてゆく、それに即して大企業、中小企業それぞれその持ち場で伸びていただくというような考え方をとるのが適当じゃないか、こう考えておるわけです。
  175. 椿繁夫

    椿繁夫君 これは、きょうは時間がありませんから、いつか別の機会に譲りたいと思いますが、本法には私どもも賛成なんです、賛成なんだけれども、ちょっとのんびりし過ぎているような気がするんですがね、下請企業に対する代金の遅延状況というのを、今数字を持っていませんから申しませんけれども、非常におくれておりますし、それから中小企業金融の点でも、五つの金融機関に対して、今度若干予算の上ではふえておるようですけれども、これもまだ申し込みの五割に達しないような状況にあるわけで、そういうことをそのままにしておいて、ぼちぼち業種指定をやって、調査をして、審議会を設けてやる、五年かかっても、半分にも達しないというようなことでは、これは現状に対しては、ちょっと緩慢に過ぎると思うんです。大臣は閣内の実力者でもありますから、こういう際に、一つ中小企業の救世主の役割を果たしてもらわなければいかぬと思っているんです。希望だけを申し上げて、終わります
  176. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) だんだんのお話を承っておりまして、われわれも同感のところが多いのでありますが、お話のように中小企業問題というものは、これは各国とも非常に悩んでおる問題でありまして、日本におきましても、最近十年間これが対策として、あらゆる方面からいろいろな法律が出ました。それから法律制度の問題では、これは、ほかの先進国にも負けないほど、あの手この手で法律を出しておるのであります。しかし事柄自体が非常にむずかしいのでありまして、これを一ぺんに一刀両断的の良策というものはございません。それだけ中小企業は種々雑多であり、また振興もむずかしいのであります。で、われわれは決して、五年間で半分だとかいうような問題じゃございませんで、できるだけたくさんやりたい、そうして、今回御審議願います商工会法にいたしましても、これにいたしましても、また従来設けた法律につきまして、まだ十分動いていない点等もございます。しかし、いずれにいたしましても、通産省といたしましては、一番の重要施策として今後も、今回石炭を出しましたが、私の最も力を入れたものは、石炭中小企業でございますお話の点もございますので、従来の考え方を、もっと強く進めていくことはもちろんでございます。何分にも、これは一刀両断的に完全な方策はない、それだけむずかしいものでございまするが、通産省として、最も力を入れる問題だということは御了承願い、今後とも一つ、十分御鞭撻をお願いいたしたいと思います
  177. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  本案を可決することに、賛成の方は、挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  178. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 全会一致と認めます。  よって本案は、全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認めます。ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕
  180. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記を始めて。  本日は、これをもって散会いたします。    午後三時四十二分散会