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1960-04-05 第34回国会 参議院 商工委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月五日(火曜日)    午後一時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            古池 信三君            栗山 良夫君            牛田  寛君    委員            井川 伊平君            上原 正吉君            岸田 幸雄君            斎藤  昇君            高橋進太郎君            近藤 信一君            島   清君            加藤 正人君   政府委員    通商産業政務次    官       原田  憲君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君    通商産業省鉱山    局長      福井 政男君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○石油及び可燃性天然ガス資源開発法  の一部を改正する法律案内閣提  出) ○重油ボイラー設置制限等に関す  る臨時措置に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送  付)   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。  最初に、理事会において申し合わせました本委員会審議予定について御報告いたします。  本日は本院先議石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案について提案理由及び補足説明を聴取した後、同案及び衆議院から送付されました重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して質疑を行ないます。明六日及び明後七日は石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案及び重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案質疑を行ないます。  以上御了承をお願いいたします。   —————————————
  3. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それではまず石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法行案議題といたします。  政府より提案理由説明を聴取いたします。
  4. 原田憲

    政府委員原田憲君) 本日ここに御審議を願います石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  昭和二十七年石油及び可燃性天然ガス資源開発法の施行以来、政府石油及び可燃性天然ガス資源を合理的に開発し、公共の福祉の増進に寄与するため、その掘採方法について所要の措置を講ずるとともに、探鉱に対して補助金交付による積極的助成を行なって参ったのでありまして、この間天然ガス探鉱は着々進められ、その成果も次第に現われて参ったのであります。しかしながらエネルギー資源および化学工業原料としての天然ガスの地位は、近来ますます重要の度を加えつつあり、その需要は、将来飛躍的に増大するものと見込まれているのであります。  本改正は、かかる事態に即応して昨年来急激に開発が進んでおりますところの生産性の著しく高い構造性ガス探鉱補助金交付対象として追加するとともに、補助事業が成功した場合における納付金納付義務者として被補助租鉱権者等を追加しようとするものであります。  以上がこの法律案提案理由及び内容の概略であります。何とぞ惧重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
  5. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 引き続き事務当局より内容説明を聴取いたします。
  6. 福井政男

    政府委員福井政男君) ただいま提案理由の御説明を申し上げました石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案内容につきまして、簡単に御説明申し上げます。  今回お願いいたしております改正の点は、二点ございまして、第一点は、補助金対象につきまして、従来水溶性天然ガスに限られておりました。石油に入っておりますガス対象の中に入っておりましたが、補助金運用といたしましては、水溶性天然ガスに限って運用をいたしておったのでありますが、その点を改正いたしましていわゆる構造性天然ガスを、補助金対象に追加するという点が第一点でございます。  第二点は、補助金を受けまして開発をいたしました場合に、一定の場合に、その補助事業から政府補助金見返り分納付していただくことになっております。この場合に、租鉱権者に対しまして補助金交付することになっておりますが、租鉱権者が、ただいま申しましたように、成功いたしました場合に、政府納付する義務法律上落ちております。これを追加いたしまして成功いたしました場合には、租鉱権者からも補助金見返りになりますものを納付していただくという点を追加するのが第二点でございます。  以上の二点につきまして、今回改正をお願い申し上げているわけであります。正天然ガス採取の状況につきましては、年々生産量は増加いたしております。昭和二十七年が九千百万立米程度でございましたが、二十八年、九年から逐次増加いたして参りまして昭和三十年には一億五千五百万立米に増加いたしました。それがさらに三十年度には二億四丁三百万立米増加し、三十三年には三億六千七百万立米増加いたしまして、昨年度、昭和三十四年度におきましては五億立米をこえる生産量になりました。この生産数量は、御承知のように、燃料化学工業原料に使用されておりますが、当初の時代におきましては、燃料に使用されます割合が大部分でございましたのが、最近では、化学工業原料に大部分が消費されております。  それから、昭和三十四年度生産量約五億立米の中で、これがほとんど大部分水溶性天然ガスと、それから油に溶けております天然ガスでございますが、先ほど申し上げました、今回法行改正をお願いいたしておりますいわゆる構造性ガス、これは、天然ガス生産に伴いまして、水を伴っておりません。それから油と一緒に、油の中に溶けておりますガスでもございませんで、いわゆる遊離型のガスでございまして、ガス単体として存在しておるわけでございます。この構造性ガスが、三十四年度の実績についてみますと、約一一%生産されております。これは非常に生産性の高いガスと言われておりますし、なお、御承知水溶性天然ガス生産に伴いまして水を大量にくみ上げますので、地盤沈下の問題が、特に新潟地区におきましては、天然ガス採取に伴います水の大量くみ上げが地盤沈下の大きい一つの原因をなしておるのではないかという点が指摘されておりまして、いろいろ検討が加えられておりますけれども、そういった問題もございまして、新潟地区におきましては、水浴性天然ガスを逐次構造性天然ガスの方に切りかえていくということで行政指導をいたしております。  そういう関係で、今回法律改正をお願いいたしまして、構造性天然ガスをも補助金対象にいたしたい、かように存じております。  それから、補助金といたしましては実は大した額ではございませんが、三十五年度予算におきましては、約二千七百万円の補助金を計上いたしております。三十四年度におきましても、大体同額程度補助金交付いたしております。これによりまして天然ガス試掘を奨励いたしておる次第でございます。  それから租鉱権者納付義務者に加えます点は、これはどうも正直なところ、この法律を作りましたときに、租鉱権者納付義務者に加えることが、手落ちで落ちたのではなかろうかというような感じもいたします。いずれにしましても、補助金をつけまして、これが成功いたしました場合に、当然補助金見返りになります納付金納付させるというのが、公平の観念からいいましても当然でございまするので、他の鉱業権者等と同じ取り扱いをいたしたい、かような次第でございます。  ごく簡単でございますが、補足説明を申し上げました。
  7. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それでは、ただいま説明を聴取いたしました石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案及び重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  これより両案について質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 栗山良夫

    栗山良夫君 ただいま提案説明のありました石油及び可然性天然ガス資源開発法の一部改正につきまして、ごくありふれたことでありましょうが、二、三お尋ねいたしたいと思います。ただいまの御説明の中で、被補助租鉱権者納付金、これをそもそも最初法律をこしらえるときに見落としていたのではないかというお話がありましたが、それを裏から申せば、現に今まで法を施行してきて、この租鉱権者ですね、納付義務を課さなければならぬ租鉱権者というのは、実際上あったと見なければならぬと思いますが、それはどういうことになっておりますか。
  9. 福井政男

    政府委員福井政男君) 今までのところでは、具体的に一件、納付義務者として出てくるのが起きるのではないかと、かように考えております。従いまして、その者につきましては、従来通り取り扱いをせざるを得ないであろう、かように考えております。
  10. 栗山良夫

    栗山良夫君 それはもうすでに相当前に開発が済んでいるものですか。
  11. 福井政男

    政府委員福井政男君) さようでございます。
  12. 栗山良夫

    栗山良夫君 その人に今まで国が出した補助金幾らぐらいになりますか。
  13. 福井政男

    政府委員福井政男君) 約四百五十万でございます。
  14. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから何年度の支出になっているかということと、それからもう一つは、今の補助金を出して成功したときの取り扱いというものは大体きまっているわけですから、会計検査院等から会計検査の場合に指摘を受けられたことはないですか。
  15. 福井政男

    政府委員福井政男君) ただいまの租鉱権者に出しましたのは、三十三年度予算から出しております。それから会計検査院から指摘されたケースにつきましては、批難事項というようなことで取り上げられたケースはまだ承知いたしておりません。過去におきましてはございません。
  16. 栗山良夫

    栗山良夫君 私のお尋ねしているのは、今の一件あるとおっしゃった、その一件のことについて伺っているのですがね。四百五十万円の補助金を三十三年度から支出をするというのですが、それはいつまでに終わっているものですか。ただいまの御説明だと、この法律がかりに可決成立しても、ただいま問題になっている一件については追加して納付義務者としての指定はできない、こういうことをおっしゃっているのですね。その間の経緯をもう少しこまかく御説明願いたいと思います。
  17. 福井政男

    政府委員福井政男君) この一件につきましては、三十三年に補助金を出しているわけでございますが、現行法には、もちろん租鉱権者補助金を出すことができる道がございますので、その点からは別段何も問題はないのでございますが、ただ、成功いたしました場合に、法律条文政府納付金を納めさせることになっております。その場合、その条文鉱業権者はございますけれども、租鉱権者が入っていないわけでございます。従いまして、租鉱権者納付する義務法律上は負ってなかった、まあこういうことに相なるわけでありまして、それは鉱業権者と比較してみましても均衡がとれておりませんし、もともと補助金をもらって成功した井戸であれば、それが成功すれば国に一定額納付金を納めるのが当然ではないか、その点が法律条文に落ちておったということなのでございます。
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 この法律が制定されてから今日までですね。総計して何件、どれくらいの補助金が出ているのですか。
  19. 福井政男

    政府委員福井政男君) 総計六十九件でございまして、約一億四千万円程度補助金が出ております。
  20. 栗山良夫

    栗山良夫君 それで試掘をして、探鉱をした総数と、その中で成功したものはどれくらいですか。
  21. 福井政男

    政府委員福井政男君) ただいま申し上げましたように、補助金対象としましては六十九件でございますが、そのうち成功いたしましたのは十六鉱でございます。それから補助金を受けまして成功いたしました場合に、一定額生産量になりますと、法律上納付義務者となるわけでありますが、納付義務者となりましたのは二件になっております。
  22. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは鉱業権者ですね。
  23. 福井政男

    政府委員福井政男君) さようでございます。鉱業権者でございます。
  24. 栗山良夫

    栗山良夫君 今の六十九件と成功の十六鉱ですね、十六件ですね、それの補助金支出内訳はどうなりますか。探鉱をして成功したもの十六鉱について幾ら幾ら、それは一鉱々々補助金は査定されておるのでしょうが、試掘鉱一鉱々々にあるのですから計算できるわけですよ。
  25. 福井政男

    政府委員福井政男君) 一鉱々々につきまして補助金を査定して出しております。これの審査につきましては、石油及び可燃性天然ガス審議会がございまして、これは石油及び可然性天然ガスに関します技術者権威音から構成されておりますが、この審議会に諮りまして決定をした上に一鉱々々について補助金を出しております。ただいま十六鉱につきまして出しました補助金総額につきましては、後ほど計算して申し上げます。
  26. 栗山良夫

    栗山良夫君 その六十九件——六十九鉱というのは探鉱した鉱数のことですね。業者は何件くらいになりますか。
  27. 福井政男

    政府委員福井政男君) 金額は少のうございますから、同一の業者につきまして同じ年に二件交付するという例はほとんどございません。が、正確な業者数につきましては、後刻申し上げたいと思いますが、大体額が少のうございますから一社一件ということになっております。
  28. 栗山良夫

    栗山良夫君 ですけれども、それは一年のことで、昭和二十七年からずっときておりますから、六十九鉱は業者にしぼればもっとずっと少ないのでしょう。
  29. 福井政男

    政府委員福井政男君) おっしゃる通りでございます。従いまして、業者の数はこの何分の一ということになります。
  30. 栗山良夫

    栗山良夫君 今の数字をあとからちょっと知らして下さい。
  31. 福井政男

    政府委員福井政男君) 承知いたしました。
  32. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから今の数字は後ほど伺うとしまして、今後この補助金を、ずっと支出を毎年次行なうと思いますが、その予想はどういう工合にされておりますか。毎年何鉱で幾らくらいになりますか。
  33. 福井政男

    政府委員福井政男君) 補助金総額につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年から三千万円のべースでございますが、節約を受けておりますので、二千七百万程度補助金額になっております。これを配分いたしますのに、大体十鉱前後のものに対して補助金交付をいたしております。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 それを今後急激に補助金の額がふえるという、そういう見込みはない。大体この程度でコンスタントで毎年進めていく、こういうことですね。
  35. 福井政男

    政府委員福井政男君) 補助金の額としましては、私ども、もう少しふやしたいということで年々努力いたしておりますけれども、なかなか予算の折衝で思うように参りませんので、この程度に落ちついております。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから私はこの方面はしろうとのものですからよく定義はわからないのですが、水溶性ガス油溶性ガス遊離性ガスこの三つが第二表に掲げられておりますが、この法律用語に使われておる溶解ガスですね、溶解ガスというのは一体第二表の中のどれに当たるわけです。
  37. 福井政男

    政府委員福井政男君) 溶解ガスと申しますのは、水に溶解しておりますガス水溶性ガス
  38. 栗山良夫

    栗山良夫君 水溶性ガスだけですね、溶解ガスというのは。
  39. 福井政男

    政府委員福井政男君) 油に溶けておりますのはこの法律では溶解ガスに入っておりません。
  40. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると、水溶性ガスだけですね、溶解ガスというのは。
  41. 福井政男

    政府委員福井政男君) さようでございます。
  42. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、この提案理由説明にある構造性ガスというのは遊離ガスだけですか、油溶性ガスも入っておりますか。
  43. 福井政男

    政府委員福井政男君) 構造性ガスと申しますのは、正確な学術用語ではないようでございまして、普通に石油鉱業界では構造性ガスというように最近呼んでおりますが、これは地質構造上からの呼び名のようでありまして、いわゆる水に溶けておりませんガス、それから油に溶けておりますものでもないガス単体として、フリーガスとして存在しておる、こういうガスであります。
  44. 栗山良夫

    栗山良夫君 今の石油化学のために天然ガスが非常に必要だと言われておるのですが、その石油化学にはこの構造性ガスだけしか使えないのですか、油溶性ガス水溶性ガスも使えるのじゃないですか。
  45. 福井政男

    政府委員福井政男君) おっしゃる通りでございまして、水浴性ガス、それから油の伴ないますガス、それからこの構造性ガス、全部化学工業原料として使用されるわけであります。
  46. 栗山良夫

    栗山良夫君 先ほどの、前にもどりまして、今まで補助金対象にしてきたのは、この石油探鉱一緒に出てくる油溶性ガスについては補助金は私は出ていないと思うのですが、これが出ているかどうかということ、それから水溶性遊離性、この両方についてはどういう補助金の配分になっておるのか。水溶性には全然補助金を出していないのか、今まで出ているのか、その辺の内訳はどうなんですか。
  47. 福井政男

    政府委員福井政男君) この法律ではもともと昔、石油に対しましても適用されておったわけでございますが、三十年に石油探鉱につきましては、石油資源開発株式会社法というものを、特別法を制定していただきまして、今この会社石油探鉱専門にやっておるわけでございます。従いまして石油には補助金を出すということは全然取り扱わないことにして、この法律から石油を落としたわけでございます。そういうことでございまして、この法律によりまして補助金交付いたしておりますのは、水溶性天然ガスに限っております。油の探鉱に伴ないまして出て参りますガスにつきましては、補助金を全然これは交付いたしておりません。
  48. 栗山良夫

    栗山良夫君 遊離性ガスについては今までは何鉱ぐらいあったのですか。今では水溶性ガスに限っておるとおっしゃいましたが。
  49. 福井政男

    政府委員福井政男君) 構造性ガスにつきましては、最近たとえば帝国石油とかあるいは石油資源、こういうところが新潟地区探鉱いたしまして構造性ガスにぶつかるということで成功した例も相当出ております。補助金対象といたしましては、この法律水溶性天然ガスに、溶解ガスとしましては、この法律対象としまして水溶性天然ガスに限っておりますから、今までのところ実質的に自己の力で堀って、探鉱して成功した例はございますけれども、補助金対象としては取り上げておりません。
  50. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると先ほどの十六鉱も、これは全部水溶性ガスですね。
  51. 福井政男

    政府委員福井政男君) さようでございます。
  52. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこで二つの疑問が起きてくるのですがね、石油化学天然ガスは必要である。だけれども水溶性ガス地盤沈下のおそれがあるので、全国どこででもというわけにいかない、これが一つの条件ですね。ですから水溶性ガスが全部いなけいというわけではないでしょうけれども、ある特定の場合についてはいけない。それから水溶性ガス探鉱は普通はしない方針とのことですから、その点はわかります。もう一つ問題なのは、油溶性ガスについては、今石油開発会社ができたのでもう補助金対象とする必要はないとおっしゃったのですが、石油の出るところは、必ずガスが出ることは、これはもう常識に大体なっている。従って今石油探鉱をやっているのは石油開発会社だけではないですね。帝石もやっておれば、そのほかもやっているでしょう。ですから、そういうところについては、石油関係探鉱補助金だけが出て、もしうまく当たって天然ガスが出れば、それはその業者なり大くきいえば国の利益だ、補助金なしで出たということで。その点が一つ。それからもう一点は先ほどの説明の中で、今後は水溶性がスだけではなくて、構造性ガス探鉱にも力を注いでいきたいと、こうおっしゃったのですね。ところがたまたま構造性ガス地質的な分布がどうなっておるか知りませんけれども、新潟など、石油も出れば水溶性も出れば構造性も出るということであれば、最初構造性だというので目標を立てて掘ってみたところが水が出てきた、水が入ってきた、石油が出てきた、非常にこんがらがってきて、なかなか机上で計画するような工合にいかないのじゃないですか。その点はどういうことになりますか。技術的にはっきり可能ですか。構造性ガスに切りかえるということで、将来構造性ガスがじゃんじゃん出るようになるのか、その辺がちょっと私わからないのですが。
  53. 福井政男

    政府委員福井政男君) 今後の補助金運用といたしましては、もちろん構造性ガスに全部限定するということには相なるまいと思っております。水溶性のものにつきましても補助金交付するということはやって参りたいと思いますが、ただ今御指摘のございましたように、地区によりましては水溶性はやめて構造性の方に力を注いでいくというふうに運用いたして参りたいと存じておりますが、構造性なりやいなやということの判定の問題でございますが、これは地質屋さんがいろいろ地上から探鉱いたしましたところで、大よその見当はつくように承知いたします。
  54. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから、もう一つですね、この、今いただいた資料を見まするというと、第7表に、世界の可燃性天然ガス生産量というものがありますが、これを見るというと、今国内で出る天然ガスの五億立米なんというのは問題になりませんな、これは、数量からいけば。  そこでお伺いしたいのは、石油化学は、今どこもやらなければならぬ、こういう工合に言っているわけですが、イギリスとかドイツとかフランスとか、そういうこの表に全然載ってないところは、天然ガスというのは、全然出ないのか、出ないという場合には、石油化学なんということは、それらの国々ではやっていないのか、あるいは大量生産国であるアメリカなり、ベネズエラなり、こういうところから高圧ガスにして、商品として輸入してやっているのか、そういうところは、どういうことになっていますか。
  55. 福井政男

    政府委員福井政男君) この表にございまん国では、生産のございますところでも大した量ではないというふうに存じますが、ただいま御指摘の国につきましては、イギリスでは、可燃性天然ガス生産はほとんどないよう承知いたしております。そのほかの国では、若干生産は行なわれておるというふうに私ども承知いたしております。
  56. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこで、今石油化学が非常にはやっていて、石油から付随して膨大なガスが出てくる、そのガスを、おそらく現地では大量放出しているのでしょうが、そういうものをボンベか何かに人れて、高圧に押えて、それぞれの、イギリスドイツフランスという、ないところは輸入をして、そうしてその石油化学工業をやっているのか、そういう仕事が、現実に採算的に成り立っているのかどうか、あるのかないのかも私知りませんが、そういう状態があるのか、あるいはもう、この表以外の国は、国内天然ガスの産出がないから、石油化学というものについては、おそらく関心を持っていないというのか、あるいはまた原油を入れて、原油精製過程で出てくるいわゆる加工天然ガス、そういうものを使って石油化学というものをやっているのか、その辺の関係は、どうなっていますか。
  57. 福井政男

    政委員福井政男君) 私も、実は詳しく承知いたしておりませんのでございますが、石油化学につきましては、ヨーロッパでは、天然ガスからではなくて、主としてナイフから分解いたしまして石油化学をやっておるように承知いたしております。ナフサは御承知のように揮発油分でございます、これから分解をして、石油化学を行なっておるように承知いたしております。  それから天然ガス輸送の問題でございますが、御承知のように、ベネズェラからイギリスヘ、メタン・パイオニア号と申しまして、メタンガス液化輸送というものが、昨年でございましたか、成功したといわれておりますが、まだ本格的に各地間を、ガスを液化して輸送するというのには若干時間があるようでございまして、現在のところ、まあ試験階段ということが言えるのではなかろうかというふうに私ども観察いたしております。
  58. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は、なぜそういうお尋ねをするかと申しますと、先ほどもおっしゃいましたように、六十九鉱掘って、十六鉱しか成功しない、成功率は、石油よりはいいんでしょうけれども、それにしても、あまりいいものではないですね。しかも、出る量が非常に微々たるものだということであれば、こういう天然ガス——幾ら国内資源といえども、やはり採算に乗らないものは、これは近代資本主義経済じゃ成り立たないでしょうからね。そういう意味では、無尽蔵に天然放出している石油原産地から、高圧なり、あるいは液化をして、そうして低廉な商品として日本に入れて、石油化学工業をやるということの方が、採算的に非常にいいんじゃないか、私はそういう考えを実は持っているわけです。石油資源開発会社も、これは私この法律をやるときにちょっと資料を出してもらいたいと頼んでおいたが、出ているんですかね。石油資源開発会社の貸借対照表——計算表を出してもらいたいと言っておいたのですが、あれだけ膨大な金を使って、あれっぽっちの石油を出しておいて、国家の仕事として採算的に引き合うのかどうか、国民経済からいって、非常な疑問を持っておるわけです。石油資源附発会社でおやりになっている方は、熱心におやりになっているので、それに別に、どうこうというわけじゃないけれども、国の政策として考えるときには、一考を要するのじゃないか、それはもう今まで、おそらく百億近く出ているでしょう、そういうことであれば、これは数字がもし間違っていれば、私訂正いたしますが、そのくらい出ていると見て、投資だけでも、そういうものは非常に不経済じゃないかということを考えるのですよ、天然ガスについても、同じようなことが言えるのじゃないかと私は思うのですが、その点は、どういうことですか。  たとえば、石油探鉱をやっておって、たまたま天然ガスが出てきて、それが利用できるということであれば別ですけれども、非常に生産性の低いやつを何本も掘ってみて、工合よく当たったやつが、どんどん地盤沈下してだめになっちゃう、こういう狭い国土ですからね、膨大な原野を持っておる諸外国ならいざしらず、日本のように軒を連ねておるような、人口の稠密地帯では、あっちこっち掘ってみて、非常に生産性が低い、それよりもっといい方法が、世界経済の上からあるのじゃないかということを考えるのですが、そういうことを通産省としては、もう一つ真剣に研究をし、そうしてわれわれに示してもらって、国会ととても、どうしたらいいのか判断のつくようにしていただかなければいかぬのじゃないかと私は思うのですがね。
  59. 福井政男

    政府委員福井政男君) ただいまのお話の点につきましては、私どもも、全く問題点として同じような気持を持っておるわけですが、それで、外国から天然ガスを液化して輸入した方が採算が合うではないかという問題でございますが、現在わが国で生産いたしております五億立米天然ガスにつきましては、これはただいま御指摘のように、水溶性の最も主産地でございます新潟地区では、地盤沈下というような問題が出ておりまして、非常にむずかしい問題に逢着いたしておりますが、採算点といたしましては、今まで掘っておりますものは、少なくとも、十分化学工業の原料として、採算に乗っておるというふうに私ども承知いたしております。補助金対象として、成功したものにつきまして、先ほど申し上げたわけでございますが、そのほかに、初めから自己資本でやって成功しているものが、相当多数にあるわけでございます。  さような状況でございますが、しかし今後外国から、石油生産に伴いますガスをどんどんと液化して輸入する方が安いのじゃないかという問題が一つ確かにございましてこの点は、最近わが国でも、いろいろな会社がそれぞれ研究をいたしております。LPGの需給関係も、だんだん需要が増して参りますと、どうしても将来は、外国から輸入をしてまかなわなければならぬというような情勢になろうかと思っておりますが、まだ具体的に、はっきりした長い計画というようなものは目下検討中でございまして、ただいまのところ、価格上の問題でございますとか、あるいは需要数量でございますとか、そういう具体的な見通しは、まだできておりません。  それから石油資源会社の資料につきましては、後刻御提出申し上げたいと存じますが、確かに現在資本金としましては百六億ぐらいの資本でございまして、さらに本年度予算で十九億出資をする予定にいたしております。さらにその国家出資のほかに、民間出資を七、八億程度期待いたしておりますので、それが追加されますと、約百三十億前後の膨大な資本になるわけであります。生産量としましては、御指摘のように今後に楽しみを持っておりますものの、現在の実績は、非常にわずかな量でございます。そういう点から観察いたしますと、採算等の問題もほとんど問題にならないというような問題点を含んでおるわけであります。  こういった点につきましては、今後私ども、どういうふうに運営をしていくのが最も妥当であるかという観点から、会社の幹部とも、いろいろ御相談を申し上げておるところであります。
  60. 川上為治

    ○川上為治君 関連質問。先ほどの説明で、補助金を出したものの成功率ですね。これは六十九鉱に対して、十六鉱というようにまあなっておるのですが、それ以外に、補助金を出さない、一般にやっておるものも相当成功しておるというのですが、それを合わせまして、補助金を出しているもの、出していないもの全部合わせまして成功率というものは、大体どれくらいになっておりますか。それが一点。  それから、そういう成功率というのは、外国の各国と比べて、どういう比較になっておりますか。外国の成功率よりもいいですか。非常に日本においては悪いのですか。その点を、ちょっとお伺いしたいと思います。石油については、外国の、たとえば米国における試掘の成功率と比べて、日本の成功率というのは、必ずしも非常に悪いというわけじゃないというふうにわれわれ聞いておるのですが、天然ガスについては、どういうふうになっておりますか。それをちょっとお聞きしたいと思います。
  61. 福井政男

    政府委員福井政男君) 天然ガスにつきましては、私ども、そう悪くないと思っております。大体、つきまぜて申しまして十本に一本ぐらいの割合ではなかったかと思いますが、成功率は、それほど悪い率ではないと、かように思っております。
  62. 川上為治

    ○川上為治君 そのただ成功率といいますか、本数だけでは、あまり比較にはならぬと思うのですか、その本数の問題と、もう一つは、成功したもののこの生産に入った場合の量ですね。そういう点ですね、そういう点について、外国の例日本の成功率とは、どういう比較になりますか。量を考えるというと、日本においては、非常に悪いというようなことになるのですか。それとも、大体世界的に見て、まあ日本においても、同じような状態になっておるということがいえるのでしょうか。そこを一つ、ちょっとお聞きしたいと思います。
  63. 福井政男

    政府委員福井政男君) ただいまの本数と、それから量の両方から見た成功率という問題につきましては、ただいま資料を手元に持ち合わしておりませんので、後刻、資料でお答えさせていただきたいと思います。
  64. 川上為治

    ○川上為治君 先ほど栗山委員から、いろいろお話がありましたが、私はやはり、もう少し年数をかけまして、徹底的にまあ試掘なり、あるいは調査なりをやる必要があるのじゃないかと思うのですが、この成功率の問題についても、単に本数だけではなくて、やはりその量という問題も調査して、ほかの国との比較ですね、それをよく考えて、今後、これをどういうふうに、さらに積極的にやるべきかどうかということは、その上で検討してきめていくべきじゃないかと思います。ですから、そういう点についての資料をもっとよく調べて出していただきたいと思います。それを一つお願いしておきたいと思います。
  65. 栗山良夫

    栗山良夫君 もう一つ、違った角度からお尋ねしますが、ただいま原油を日本に輸入をして石油の精製をしておる工場がたくさんあります。で、この工場から出るいわゆる天然性——人工天然性というのか何というのか知りませんが、工場から出る天然性のガスしというものの総量は、どのくらいあるか。そのうちで石油化学工業に利用されておる量は、どのくらい、放出しているのは、どのくらい。これを伺いたい。
  66. 福井政男

    政府委員福井政男君) 国内の精製会社から出ますガスでございますが、これは、数量は後ほど申し上げたいと思います。差し上げたいと思いますが、ただいまのところでは、石油化学工場に結びつきまして利用いたしておりますものと、それから自家燃料として消費いたしておりますものと、それからいわゆるボンベに詰めまして、一般の配給業者を通じまして、家庭燃料として利用されておりますものと、大別いたしまして、さような需要の内容に相なっております。
  67. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあ、これはあとで、石炭のボイラー規制のときに、ずっと私尋ねたいと思っているのですが、おそらく将来にわたって、原油の輸入は、今よりももっと急角度にエネルギー源としてはふえていくと思います。そうすると、この石油の精製工場も、山下太郎氏の会社の例でもないけれども、国内でも、もっと拡張されるでしょう。  そうするというと、その精油所から出る天然性のガスというものも、またどんどんふえていくと思うのですね。その重を、やっぱり私はつかまえなければいけないと思うのです。そうして、今ボンベに詰めて家庭用の燃料にしたり自家燃料にしていると言われるのですが、私はほんとうに天然ガスというものが石油化学工業上必要であれば、ああいうガスを使って、ボイラーを沸かしたり、そういうことはすべきじゃないので、やはり石油化学工業として利用していかなければいなけいのです。家庭用燃料用としては、これはガス会社まで持っていって自分のタンクへ入れているのですね、天燃ガスを買ってきて、ガス会社のタンクヘ入れて、そしてあれをうんと圧縮して持ってくる。小さいガス会社は、それをやっているのです。そういうことまでして、いわゆる精油所の天然ガス、排気ガスを使っているのです。  ですから、そういう方面と、今の地下から掘り出してやっているものとの経済性というものを、ちっとも比較しないで、そうして進めていくことはいかがかと思うのです。それを研究されることは、一向かまわないのですけれども、実際に実施される面において、経済性というものを無視して、どんどん掘る補助金をつけるということは、国民を納得せしめるものではないと、私は考えるのです。石油消費というものが、現状で固定するとか、あるいは減退するということならよろしいけれども、これからどんどんふえていくわけですから、そういう前提に立った場合に、実際に五億立米、今国内生産があるとおっしゃるのですが、今石油精製所で、どれだけ出ているのか、この教字すらもわからないという、まだ、今お聞かせ願えないということであれば、ちょっと、その見当もつかないのです。
  68. 福井政男

    政府委員福井政男君) 先ほど申し上げました五億立米生産量は、これは地下から掘りました量でございまして、それで石油精製から出ておりますものは、先ほど申し上げましたような需要になるわけでございますが、現在のところ、自分のところで消費いたしますものとか、あるいはまた、それをつまり外へ放出してしまうというような処理の仕方もございますけれども、現在のところ、市販に石油精製が出しておりますものは、大体三十四年度で十五、六万トン程度のものでございます。で、そのほかに天然ガス生産に伴いまして、先ほど五億立米生産があると申しましたが、これに、この生産に伴いまして、七、八千トン程度のものが、いわゆる外へ出します市販のLPGとして出されておるようでございます。これは、帝石の秋田等でとらえまして出しております。それからもう一つは、石油化学工場で原料にいたしました残りで、捨てるものを回収しまして、約二万トン程度、合計いたしまして十八万トンから十九万トン程度のものが、一般に市販として出されておるようであります。  この数字は、まあ先ほどもお話のございますように、逐年増加をしていく傾向に、現状のところではあるわけでございます。
  69. 栗山良夫

    栗山良夫君 そのトンとガス立米との関係は、どういうことになりますか。
  70. 福井政男

    政府委員福井政男君) どうも、はなはだ申しわけないのでございますが、私の今手元に整備をいたしておりますのが、トン単位で持っておりましたので申し上げたわけでございますが、立米は約千立米が一キロリットル、キロとトンは、大体九掛でございます。比重の関係から千キロリットルが九百トンということになります。
  71. 栗山良夫

    栗山良夫君 このガス立米というのは、一気圧でしょう、一気圧のガス天然ガスだけの立米でしょう。だからトンとは、ずいぶん違うじゃないですか。
  72. 福井政男

    政府委員福井政男君) ですから、手立米が約一キロリッターということになるわけですね。
  73. 栗山良夫

    栗山良夫君 天然ガスは、空気より重いのですか、軽いのですか。
  74. 福井政男

    政府委員福井政男君) 若干軽いわけでございます。
  75. 栗山良夫

    栗山良夫君 空気より軽いのでしょう、上へ上がっていくから。どうも、その単位がぴったりしませんがね。たとえば、空気より軽いというわけだから、ここで一メートル立方作って、これを何ぼ寄せたら目方の一トンになるのか。
  76. 山本利壽

    委員長山本利壽君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  77. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記をとって。
  78. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) 私がお答えしますのも、ちょっとなにでございますが、大体ガス立米が油の一キロリッターと同じだというふうに大ざっぱに考えていただいていいわけですが、ただ、それを目方に直します場合には、製品によって比重が違いますので、その比重が大体原油程度の比重のものならば〇・九くらい。それからメタンのように軽いものならば、もう少し軽くなるし、それからガスの種類によりましても、プロパンとか重いものですと、それだけ比重が高くなる。平均的に申しますと〇・九くらいの比重でございますから、一キロリッターの千立米が、大体九百キログラムぐらいの目方になる。こういうわけでございます。
  79. 栗山良夫

    栗山良夫君 千立米がおよそ一トンということですか——そうすると、この今生産量ですね。五億四百五十七万八千立米ですね。これはトンに面すと五十万四千五百七十八トン、こういうことですか、およそ天然性ガスのあれが。
  80. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) そういうことでございます。
  81. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすれば、今の七十トンとか十何万トンというのは、およその想像がつくと同時に、今の石油精製会社から出しておるガスの量も、相当の量ということが言えますね。家庭用のものだけでも十六万トン出しておる、こういうのですから、工場用だとか、あるいは石油化学工場に使わないものを入れて、これだけだ。そうするというと、あれだけたくさん金をかけて掘っておるのだが、原油を入れて石油の精製をやる純然たる副産物として出てくる天然ガスの量と、大体今のところとんとんぐらいだ、こういう想像がつくのではないですかね。どうもその数字を示してもらえないものだから、ちょっとよくのみ込めないので、もし何でしたら、この次まででもいいのですが、今の国内石油精製工場から出ているガスの総量というものは、一体どのくらいあるのか、この点つかんできてもらいたいのですね。  そうするというと、将来石油の精製工場がふえるに従って、どのくらいづつのガスがふえてくるのか。それの経済性を比較するだけでも、大体意味がわかる。それともう一つは、今の、要するに人工的に地下から取っている天然ガス立米当たりの単価と、石油精製会社で副産物として出ている天然ガスの単価とは、どれほどの開きがあるのか、これもやっぱり知っておきたいと思うのです。
  82. 福井政男

    政府委員福井政男君) ただいまの資料は、のちに差し上げたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、三十四年度では、石油精製の外へ出しておりますガスというのは、大体十五、六万トン程度というふうに推定をされております。  それから、この生産コストの問題でございますが、これも差し上げたいと思っておりますが、石油精製の方のコストというものは、これは今までのところでは、こういうものについては割掛をしていないわけでございまして、どちらかといえば、もう取り扱いの経費が、いわゆる外へ出す経費になっておるという性質のものでございます。今、市販をされております精製会社から外へ出しておりますものは、大体立米当たり、私の承知いたしておりまするところでは二十六、七円程度ではなかったかと思います。まあ三十円から二十六、七円くらいのところで、工場から一般の配給業者の方へ渡っているのではなかろうかというふうに存じております。  それから、この天然ガス生産費の方は、これはその井戸によりまして、また非常に違って参りますが、大体新潟地区の一般といたしましては、立米当たり三円から五円というものが非常に安い最もいい井戸でございまして、普通では七、八円程度ではないかと、かように存じております。適当な資料を差し上げます。
  83. 栗山良夫

    栗山良夫君 今のような市販の場合で、小売りで、しかもボンベ等に固定費がこれに入っているんですから、実際の裸のガスの値段にはならないでしょう、家庭用の市販の場合。ですから、問題は、立米二十六円というと非常に高いのですが、これはあれでしょう、立米ですと、気圧がうんと高いわ」けでしょう。圧力が一気圧立米二十六円では、ものすごく高いものですが、そうじゃないのですか。
  84. 福井政男

    政府委員福井政男君) 石油精製から出しておりますカロリーの計算で、いろいろ売り出し価格をきめておると思いますが、非常にカロリーとしては、高いカロリーを持っているように承知いたしております。
  85. 栗山良夫

    栗山良夫君 カロリーはいいんですけれどもね。玄米二十六円というと、今までは一気圧でやってきたわけだから、ボンベへ入っているやつは、そんなに圧力は低くないですから、これは立米一気圧二十六円というガスで、これは煮物をしておったら、とても引き合いません。
  86. 福井政男

    政府委員福井政男君) 液化いたしましてボンベに詰めております。
  87. 栗山良夫

    栗山良夫君 液化ですか、液化の立米……。
  88. 福井政男

    政府委員福井政男君) さようでございます。
  89. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると、地下ガスの方は、液化ですか。
  90. 福井政男

    政府委員福井政男君) 私のただいま申し上げました、液化と申しましたのは間違いでございまして、常圧で八千カロリー程度のものだそうでございます。
  91. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 今の点は、もう少しよく調べて、資料として出してもらったらどうですか。
  92. 福井政男

    政府委員福井政男君) 承知いたしました。
  93. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちょっと速記をとめて下さい。
  94. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  95. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記を始めて。
  96. 栗山良夫

    栗山良夫君 国内石油精製会社で、天然ガスを液化している工場はありますか、液化して販売している工場は……。
  97. 福井政男

    政府委員福井政男君) 石油精製工場で、液化して市販いたしておりますのは、相当ございます。
  98. 栗山良夫

    栗山良夫君 実はですね。先ほど局長のお話では、ベネズエラからイギリス天然ガスの液化分を送って、石油化学に使っている、こういう例があるとおっしゃいましたが、私の承知している限りでは、アメリカも、近東においても、空中に放出している天然ガスを液化をして工業国へ出している。そうして工業原料にしようという一つの産業的な企業もくろみというのは、非常に進んでいるように私は聞いているんですよ。ですから、そういう点についても、もう少し掘り下げて調査せられて、この次に報告をしていただきたいと思います。それと同時に、石油資源開発の方は、先ほどお願いした通りでありますから、もう少し経済性というものを、われわれは貴重な国内資源であることは、もうたれも否定しないけれども、しかし経済性を無視して、貴重な国費を、こういうものに直接間接に使っていくということはいかがか。もし経済性がうんと低ければ、その点、やはりチェックをしなければならぬと思いますので、そういうことをやりたいと思いますから、必要資料を一つ提出を願いたい、この希望を述べて、きょうの質問は、保留いたします。
  99. 島清

    ○島清君 先ほど何か栗山委員の質問に対して、百三十億という局長の答弁があるようでしたが、それは何ですか。この種のガスの採掘のために動員されている資本の総額という意味ですか。
  100. 福井政男

    政府委員福井政男君) 先ほど申し上げましたのは、石油資源開発株式会社の資本金につきましてお答え申し上げたのであります。
  101. 島清

    ○島清君 了承しました。それでは、この石油開発会社等の副産物としてではなくして、もっぱらこれを専業としてやっております資本の構造、これはどうなっていますか。それから法人と個人との関係はどういうふうになっておりますかな。
  102. 福井政男

    政府委員福井政男君) 天然ガス生産いたしております会社でございますが、これは専業のところもございますし、それから兼業式に生産いたしておるものもございます。こういう会社の総資本金ということにつきましては、各社を、後刻資料によりまして御提出申し上げたいと思います。ただいま手元に持って参っておりませんので、御了承いただきたいと思います。
  103. 島清

    ○島清君 資料によりますと、東京あたりではかなり生産しておるようですが、東京はどの辺だか知りませんけれども、これはガスの出る所は大体石油も出ましょうけれども、それを生産することによっていろいろと、新潟は特別に地盤沈下ということで大きな問題を提起しておるようですが、大都会周辺におけるこの種の生産にまつわりまして、これらのトラブルというのはございませんですか。
  104. 福井政男

    政府委員福井政男君) 東京地区では江東にございまして、江東天然ガスという会社が掘っております。これはそう大したトラブルはございませんが、江東地区はやはり一帯的に地盤沈下という問題が御承知のようにございますが、これはむしろ一般の工業用水等の問題からの方が、問題としては大きく取り上げられておりまして、江東天然ガス生産が直接こういう問題の起こる対象というふうには取り上げられていないように私は聞いております。そのほかはそう大した問題はまだ承知いたしておりません。
  105. 島清

    ○島清君 こういう江東みたように、生産するにしましても、非常に地の利を得たところで、こういったような事業ができるということになると、しかも、これが補助金が得られるということになると、かなり、やはりこの種の業者が申請をしてくると思うのですが、こういう場合に対する処置としての配慮はどの程度しておられるのでございますか。
  106. 福井政男

    政府委員福井政男君) 江東地区等は、実は先ほどお話もございましたが、ガス生産性と申しますか、コストの点から申しますと、あまり条件はよくない方の部類でございまして、江東天然ガス以外のところで補助金をもらってやりたいという件数は、そう多く出ていないと思います。
  107. 島清

    ○島清君 今はそうかもしれませんけれども、しかしこれは補助金対象が拡大されるということになると、何といいますか、適切な用語ではないけれども、人のふんどしで相撲をとるというような気持が起きまして、補助金の申請をして参りますと、何か行政的に、この法律の建前からしまして、それを拒否できるというような、取捨選択できるというような、何かそういうふうな配慮がされているかどうかをお聞きしたかったのです。
  108. 福井政男

    政府委員福井政男君) たくさん出て参りますと、仰せのような、どういう観点から選択するかという問類が起きますが、現実にはあの辺の鉱区を江東天然ガスがほとんど大部分持っておりまして、当然に鉱業権が前提になるものでありますから、他の業者で出てくる者はほとんどないのじゃなかろうか、こういうような見当でございます。
  109. 島清

    ○島清君 今の御答弁伺っておりましても、若干の不安がないでもないわけですが、これはなんですか、こういう拡大をされますと、大体申請者の全部に補助をさせていきたいというお考えなのか、それとも、申請者が大体このくらいの、たとえば一億なら一億の要求があって、それに応じられるのがどの程度の額であって、それから申請人が、五十本なら五十本の申請をした場合に、補助をし得るという見込みでございますか、予想というものは、それの何割ぐらい補助をし得るという見通しを持っておられるか、その辺はどうなんですか。
  110. 福井政男

    政府委員福井政男君) まあ、申請が出ますと、先ほど申し上げましたが、ペアックと申しまして、石油及び可然性天然ガス審議会がございます。この審議会にかけまして、いるいろ地質的な、それからそのほかの観点から、こういう地区については補助金交付して、試掘をやらせるのが適当であるかどうかということで、審査を一本々々やりまして、決定していくという方式を現在とっております。それからこの補助の割合としましては、大体二分の一以下でございますが、現実には二割五分から五割以下、こういう程度の補助の割合になっております。
  111. 島清

    ○島清君 それで、三十四年度は五億立米ですか、この法案が原案の通りかりに成立をいたしまして、大体どのくらいの増産と見込んでおられるのですか。
  112. 福井政男

    政府委員福井政男君) この法律補助金を出しておりますのは、御承知のように試掘補助金でございます。ここで一本掘って一つやってみたいという試掘につきまして補助金を出しているわけでございますが、それが当たりまして、本格的な生産の段階になりますと、これが採掘の井戸ということになって参りますが、この生産量の五億立米が、補助金の効果でどうふえるかということにつきましては、非常にむずかしい問題でございますが、ただ補助金交付をいたしまして、国がこの天然ガス生産を非常に助成をしているということが、天然ガス業界の生産一般に対しまして非常な効果を与えて生産が増加される、むしろ私はその方の、つまり国が積極的に大いに助成策を講じているということの方が、非常に大きい生産に対しましては影響を持っておるのじゃなかろうか、そのように私ども考えております。
  113. 島清

    ○島清君 そうしますと、総合エネルギー開発計画の一環として、この可燃性ガスの政策を立てておられるのではなくて、それはそれとして、生産意欲に間接的にプラスになるであろうというような期待のもとで、この天然ガス試掘の拡大といいますか、そういうものを考えておらるる、こういうことですね。
  114. 福井政男

    政府委員福井政男君) もちろん総合エネルギー対策の一還といたしまして、可燃性天然ガス生産を増加するという見地から補助金をお願いしておるわけでございます。これはもちろん、いろいろな地域につきまして試掘をやって参ります場合に、非常に危険性もあるわけでございますから、補助金交付して、この生顔の試掘を実施していただくということになるわけでございますか、ただ補助金を出しまして、すぐその結果、年々の生産がどの程度増加するかということにつきましては、なかなか数字で推測することが非常にむずかしい点がございますというふうに申し上げたつもりでございます。
  115. 島清

    ○島清君 地下埋蔵資源というものは、石炭にいたしましても、石油にいたしましても、ある程度の推定量というものがはじき出されておりますけれども、ガスについては、これはまあごく最近でございますので、こういうことをお聞きまするのは少しどうかと思いますけれども、日本全体の埋蔵量というものはとてもわからないでしょうけれども、何か新潟であるなら新潟、東京なら東京という、こういうところで、ある地点について、たとえばこの審議会対象になるような地点については、埋蔵量がどれくらいあるというような推定量というものが一応はじき出されておるかどうか、それから大へんな埋蔵量になると思うのですが、それをとりますというと、従って地盤沈下の問題が出てくるのですが、それに打てば響くような地盤沈下対策というようなものがあるかどうかですね、その辺のことについて……。
  116. 福井政男

    政府委員福井政男君) この天然ガスの可採埋蔵量につきましては、私今手元に持っておりませんが、ごく大ざっぱな推計として、たしか四千億立米くらいの可採埋蔵量というような数字が一応出ておったのじゃないかというふうな記憶でございますが、これはあるいは私の記憶間違いであったかもしれませんが、もしその場合には訂正さしていただきたいと思っておりますが、非常にこの日本の地層の構造から見まして、天然ガスを多く埋蔵しておる地層であるというふうな地質学的な判断になっておるようであります。  それから、地盤沈下対策の問題でございますが、これはいろいろ各方面から議論されておりまして、まだ私ども正確なる結論が出ていないように承知いたしておりますが、従いまして、すっきりした対策というものがなかなかできなくて、ほんとうにこの処置のしにくい問題でございまして、私ども因っておるわけでありますが、しかしこの水溶性天然ガスの採掘に伴いまして、ガスが非常に生産されますと同時に、ほとんど等量の水のくみ上げを伴いますので、それが沈下の大きい原因をなしておるのではないかという報告も出ておりますので、そういたしますと、水のくみ上げをできるだけ減らすような方法を講じなければならないということで、私ども新潟地区につきましては、生産の自主的な規制ということを行政指導で実施いたして参っておるわけでございまして、一日の生産量にいたしまして約二十万立米生産を、現在業界では自主的に中止をいたしておるわけでございます。さらにこれを広げるべきではないかという議論も地元の方ではございます。ただいまいろいろ地質調査所の水準測量調査の結果でありますとか、あるいは観測井の資料でございますとか、そういう点をあわせまして、科学技術庁、それからそのほかの関係のところで検討いたしておりますが、その結果によりましては、さらに水溶性天然ガス生産の方を規制をしていただかなければならないのではなかろうかと、かように考えております。そういうことで生産が減りますと、需要の面で支障を生じますので、貴重な資源でございますので、さような水を伴わない構造性天然ガスの方の生産を、さらに積極的に推し進めていく、こういうふうにいたしたい、かように考えておるわけであります。
  117. 島清

    ○島清君 これ、いろいろと燃料に使われたり、また化学工業の原料として利用されたりしているようですが、補助金を出して開発されている以上、総合的なエネルギー開発計画の一環としてやっておられるんだということをただいまの御答弁で伺いまして、また、あなたの所管からいたしまして、当然それはそうあるべきだと思うのですが、その化学工業の原料として開発されたガスがどの程度供給されるんだと、これはまた家庭用燃料としてどの程度供給されるんだと、こういったような将来図というようなものをお持ちでございますか。
  118. 福井政男

    政府委員福井政男君) 三十四年度におきましては、化学工業原料に二億九千五百万立米というように承知いたしております。それから燃料といたしましては一億九千二百万立米でございまして、消費料の合計としましては四億八千八百万立米のものが消費をされております。昭和二十七年について見ますと、化学工業原料としては、わずかに百三十三万立米しか使われておりません。燃料の方が八千七百万立米でございまして、二十八年ごろから、だんだんと化学工業原料としての比重が多くなって参りまして、三十四年には、先ほど申し上げましたような数字に相なっております。今後化学工業原料としての使用組合が、大部分を占める方向に向かっていくであろう、かような見方をいたしておる次第でございます。
  119. 島清

    ○島清君 大体の推移というものがそうなるであろう、という想定をしておられるというようなんですが、かくあらねばならぬ、かくするんだというような、積極的な将来の構想というものですかな、こういうものはお持ちじゃないのでございますか。
  120. 福井政男

    政府委員福井政男君) 化学工業のそれぞれの分野におきまして、生産の方とにらみ合わせまして、今後天然ガスの使用を、もっと原料としてふやしていくというような打ち合わせば、ずっとそれぞれいたして参っておりますけれども、私どもの方で、こういうふうな姿であるべきだというようなところまでの研究は、まだ全体的といたしましてはできておりません。
  121. 島清

    ○島清君 こういうことの関連においてお考えになっておられませんですか。たとえばソビエトあたりでは、石炭を掘り出すのではなくて、石炭の持っておりますガスをとっているのですね。この新しいやり方もそうですが、こういうことが遠からず日本なんかでも、この方法が採用されるものであると見て差しつかえないと思うのですが、それの経済性ということについては、私もよく承知をいたしておりませんけれども、とにかく石炭の今のようなあり方から見て、将来の石炭の持っております価値からいたしますと、やはり簡単にこれの持っているガスをとるということは、非常に経済行為としても当然に明日の事業として考えられると思うのですが、これとあれとの関係などについて、将来のガスがどうあらねばならぬかというようなこと等について、配慮を及ぼしてこういう計画を立案されたかどうか、こういうことはどうなんですか。
  122. 福井政男

    政府委員福井政男君) お話のように石炭をガス化いたしまして、これが将来利用される方向に向かうであろうというようなことは、私どももだいぶいろいろ討議の対象にはいたしておりますが、そういうことでその需要がどういうふうなことになってくるかというようなところまで、まだ突きつめた研究は現在のところ至っておりません。一応天然ガスの需要という面から他の問題、石炭でございますとか、あるいは石油でありますとか、そういうものとの関連で研究はいたして、将来の伸び等も考えておりますけれども、石炭のガスそのものが大体どういうふうな数量になってくるから、どういうふうなガスの需給関係になるかというふうなところまでの突きつめた研究は、そこまでは実はまだ参っていない段階でございます。
  123. 山本利壽

    委員長山本利壽君) ほかに御発言ございませんか。
  124. 川上為治

    ○川上為治君 私一点お伺いしておきたいのですが 天然ガス開発については、いろいろ石油も同様ですが、その他の鉱物資源についても同様なんですから、従って国の助成というものも相当やりませんと、初期の段階においてはなかなか目的を達成するということはむずかしいと思うのですけれども、外国の例についてどういうふうになっておりますか、その点をちょっとお伺いしたいと思うのですが、たとえばフランスにおきましても、あるいは西ドイツにおいても、戦前においてはそれほど大した力を入れてなかったようですけれども、戦後においては、非常に力を入れているように聞いておりますが、特に西ドイツにおいては、石油の現在生産量というものは数百万トンにもなっている。それからフランスにおいても戦前においては大したことはなかったのですが、戦後においては非常に生産がふえている。それだけ国内資源のこういうものについての開発に対する努力というものは、非常に払われているというふうに聞いているのです。先ほど栗山委員からお話がありましたように、経済性がなければ、まあこういうものに大事な国の金をつぎ込むということは、いろいろ問題がある。私もその点は同感に思うのですけれども、しかし先ほども申し上げましたように、こういう資源の開発というのは、どうしても危険性を伴いますから、国として相当最初は思い切った措置をとらなければ、開発は行なわれないというふうに考えられる。ですからこのほかのドイツなりフランスの例は今申し上げました通りに聞いておりますが、日本のこういうものに対する助成措置を、こうしたドイツなりフランスなりの開発に対する助成、これと比較してみて、どういうような状態になっているか。最近のいろいろな情報を一つお知らせいただきたいと思うのですが、石油資源開発会社というものを作って、石油開発についてある程度本格的に現在やっている。しかし今のところはそう大きな成果は得ていないようだ。しかし今すぐこういうのをもう経済性がないからということで、中途でやめるということは、これはどうかと思うので、やはりもっと力を入れてやるべきじゃないかというようなふうにも考えますし、特にガス資源については、先ほども局長から話がありましたように、相当埋蔵量というものはあるように聞いているものですから、これはやはり開発するためには、もっと本格的な調査なり、あるいはまたそれに対する試掘、調査に対する助成措置を大々的にやはり行なっていかなければいかぬのじゃないかという気がしますが、さっきも申し上げましたように、西ドイツなりあるいはフランスなりイタリーなり、こうした方面においては、他の国の石油資源を求めると同時に、国内の資源開発においても非常に力を入れていると聞いているのですが、それと比較して日本においてはどういう状態になっているか。向こうは非常に力を人れて、こっちは大したことないというような状態にあるように私は思うのですけれども、その点を一つある程度数字的に向うの状況を知らしていただきたいのです。
  125. 福井政男

    政府委員福井政男君) 外国のごく最近の例につきましては、実は目下私どもいろいろ調査をしておる段階でございまして、数字的にすぐ御説明申し上げるような段階までまだ残念ながら調査が届いておりませんが、お話のように西独とかあるいはフランスとか、あるいはまた最近の例ではアルゼンチン、こういう所では非常に国が力を入れまして、石油開発に力を注いでいるというふうに承知いたしております。私ども経済性という観点からみますと、もちろん、いろいろそれだけの観点からみますと、議論の余地はございますが、地下資源開発のことでありますから、相当の長期的な見方も必要でございますので、どういう期間を考えてそういう観点から経済性の問題を論じ、そのほかのいろいろな諸点を論ずるというようなことも必要であろうと思います。そういう点から、ただいまいろいろ内部で議論をしておるところでございます。
  126. 川上為治

    ○川上為治君 私がお願いしたのは、西ドイツなりあるいはフランスなりイタリーなり、こういう欧州諸国において、石油資源なりあるいはガス資源なり、こうした開発に対してどういう具体的な措置をとったのか、国がどの程度助成をやっておるのか、あるいは特別な会社でも作ってやっておのだったら、どういうやり方をやったのか、その辺をもう少し数字的に具体的にこまかくやはり調査されて、そして日本と比べてどういう状態になっているかをお出しになっていただいた方が、われわれこういう問題を推進する上において非常に役に立ち、また大事なことではないか、こういうふうに考えるものですから、お願いをしておるわけなんです。
  127. 福井政男

    政府委員福井政男君) できるだけの資料を整備いたします。
  128. 栗山良夫

    栗山良夫君 私が先ほど天然ガスの経済性の問題を少し指摘したのですが、なぜそういうことを申すかといいますと、たとえば、政府がこの前発表いたしまして、現在は若干たな上げになっておりますが、一次エネルギーの供給計画からしましても、輸入原油というものは、三十一年度が七千カロリー換算で千七百四十八万三千トンですね。それがどんどんふえまして、昭和五十年には大体六千五百九十六万五千トンにふえることになっておる。原油の輸入計画。おそらく今再作業をやっておるけれどもそう大きな変動はないと思います。原子力の関係がどうなるかしれませんが、そう大きな変動はない、長期計画としましては。だとすると、ちょうどそれに比例して製油所から出る天燃ガスの量もふえてくるでしょうから、そのふえてくる量を空気中へ放出して、そうしてしかも日本の地下資源を経済性の低いのを掘るということは考えられないわけですから、結局、工場から出るものを極度に利用する。そういうことになると、よほどやはり経済性という問題で深刻な議論をしなければならぬ時期がきっと来る、必ず来るのではないか。しかも今の石油とかあるいは砂糖のような場合に、国内産が一割とか五%でなくて、全部輸入に仰いでいるというならようございますよ。ところがそうでなくて、国内天然ガスと輸入材料から出てくる天然ガスの量が対々であるとか、あるいはまた輸入の天然ガスの方が安くて、しかもそれが二で国内産の方が一、しかも国内産の方は非常に単価が高いというようなことになれば、それはやはり今砂糖や石油で悩んでいると同じようなことが必ず起きてくる。関税政策とかいろいろなことが起きてくるのですが、大きな目で見れば、やはり日本の経済コストを下げるという意味においては、逆行することになりますので、だから相当将来を見通してこのエネルギーの問題だけは考えていかなければならないということを私は言っているわけです。だから、そういう意味で、次回でいいですから、説明のよくつくようにわれわれに聞かしてもらいたい。こう思います。
  129. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御発言もたければ、両案の質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて故会いたします。    午後三時二十六分散会