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栗山良夫君 私はかつて大蔵
委員をやっていたときに、
商工委員会と一緒になって、国有
機械の払い下げということをずいぶんやりました。これは大体今のところ終わっているのだろうと思いますが、戦争中に使った古い
機械、しかし
中小企業が持っている
機械よりは新しいだろう、そういう
程度の
機械を払い下げをして、それでもう
中小企業の近代化は終われりとしているのじゃないかと、私はそういう気持がするのですが、今のわれわれが
考えている
中小企業の近代化というのは、そういう
程度のものじゃなくて、大
企業の最も斬新な
機械設備と対抗できるような
意味の
機械設備によって近代化しなければ
意味はないと、そう
考えておるのです。国有
機械を置きかえてみたところで、大
企業とはるかにへだたりがあるわけですからね。
それでそういうことを言っておる場合に、最近の新しい
機械というのは、なるほどワン・マン・コントロールの、ものすごい
機械ができておりますが、一台の値段というのはものすごい高いもので、
中小企業などが買える
程度のものでない。また一台かりに買えたとしても、その
機械だけ買った場合には、その
機械の利用率なんてきわめて悪いものですね。ちょっと一日も運転すれば
相当なものが自動的にできてしまって、毎日使うという
程度のものじゃない。こういうことになりますから、何としても高価でしかも量産のできる最新鋭の
機械設備というものは、同じ業態のメーカーを集め、
組合をこしらえ、そうして
組合員が毎日々々交替になるでしょうけれ
ども、とにかく年がら年中その
機械を利用していく、
共同施設として利用していく、そういうことによって単価をかげんし、製品の質もよくしていく、そういうようなふうに進まなければ、私は効果は上がらないと思います。ですから、ここで
一つ見本的にでもいいからそういうものをやってみて、効果が上がつたならば、どんどんさらに重点的に広めていく。輸出を
中心にしてもよろしいでしょうしその他国内需要の面でもかまいませんが、そういうことに踏み切ってもらえないかと私は思うのです。去年、どこでしたか、
機械総合センターというのですか、自転車
関係の
機械試験所を見ましたね。あれは非常にりっぱなものだと思います。しかしあれはただ試験
設備ですね。自分でこしらえた製品がどういう性能があるかということを試験するところであって、
共同加工場ではない。あの
程度の精密な試験
設備が国の力でモデル的にできたとすれば、あれに相対する自分のうちの製品の中で、一番人手がかかるとか一番加工がむずかしいとか、そういうようなところが高価な
機械で簡単にしかも量産ができるというようなものがあれば、そういうものをぜひとも
共同施設として設けて進めていく、こういうことをやられるのが一番いいのじゃないかと私は
考えるのですが、どういうものでしょうか。過日も板橋の双眼鏡の
零細企業をずっと見て回ったことがありますが、私はそのときも痛切に
感じました。まあ非常にりっぱな双眼鏡を安く輸出しているようですけれ
ども、よくペイしますかと聞いたところが、まあこれでとにかく食ってはいけるのだということで
仕事をしておりましたが、ああいうところだって、部品の
共同加工をもう少しいい
機械を使ってやれば、今の値段でももう少し利潤を上げることができるのじゃないかという気持に私はなったのですが、そういう点どうですか。