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1960-05-19 第34回国会 参議院 社会労働委員会 第34号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年五月十九日(木曜日) 午前十一時一分開会 ――
―――――――――――
委員
の
異動
五月十八日
委員大矢正
君及び
安田敏雄
君
辞任
につき、その
補欠
として
久保等
君及び
小柳勇
君を
議長
において指名し た。 本日
委員久保等
君
辞任
につき、その補 欠として
江田三郎
君を
議長
において指 名した。 ――
―――――――――――
出席者
は左の通り。
委員長
加藤
武徳
君
理事
高野 一夫君 吉武 惠市君 坂本 昭君
藤田藤太郎
君
委員
鹿島 俊雄君
勝俣
稔君
紅露
みつ君
佐藤
芳男
君
谷口弥三郎
君 徳永 正利君 山本 杉君
小柳
勇君 村尾 重雄君 竹中 恒夫君 国務大臣 厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
政府委員
厚生大臣官房長
森本 潔君
厚生省医務局長
川上 六馬君
厚生省医務局次
長
黒木
利克
君
事務局側
常任委員会専門
員 増本
甲吉
君
説明員
大蔵省銀行局特
別
金融課長
磯江
重泰君 ――
―――――――――――
本日の会議に付した案件 ○
医療金融公庫法案
(
内閣提出
、衆議
院送付
) ――
―――――――――――
加藤武徳
1
○
委員長
(
加藤武徳
君) ただいまから
委員会
を開きます。 まず、
委員
の
異動
を御報告いたします。五月十八日付をもって、
大矢正
君及び
安田敏雄
君が
辞任
し、その
補欠
として
久保等
君及び
小柳勇
君が選任されました。 御報告をいたします。 ――
―――――――――――
加藤武徳
2
○
委員長
(
加藤武徳
君)
医療金融公庫法案
を議題といたします。 これより
質疑
を行ないます。
質疑
に入りまする前に、お手元に
資料
の配付がございましたので、その
内容等
について、
政府委員
の
説明
を願いします。
藤田藤太郎
3
○
藤田藤太郎
君 その前に、
医療法
の
参考資料
に、日本の医療問題の膨大な非常にいい
資料
を出しておるのに、これをなぜ出さぬのですか。
加藤武徳
4
○
委員長
(
加藤武徳
君) ただいまの点もあわせて
資料
の
説明
の際、答弁を願います。
黒木利克
5
○
政府委員
(
黒木利克
君) それでは、
資料
が三部提出してございますが、まず「
医療金融公庫
の
貸付条件
の
基準
」というものがございます。これから先に
説明
を進めていきたいと思います。
厚生省
と
大蔵省
で
医療金融公庫
の
貸付条件
の
基準
につきまして話し合いのできましたものがこれでございまして、この
基準
に基づきまして、今後、
公庫
が設立をしましたときに、
公庫
の
当事者
と
厚生省
と
大蔵省
で、この
細目
をきめて運営をすることになっております。この
細目
は、
業務方法書
、主として
業務方法書
に規定をされるわけであります。 そこで、第一に
利率
でございます。
利率
は、「
病院
、
診療所等
の新
増築資金
については年六分五厘を
基準
とする。」「
機械器具
の
購入資金
及び
運転資金
については年
九分
三厘を
基準
とする。」
大蔵省
との間の
解釈
では、
病院
、
診療所等
の新
増築資金
の場合は、六分五厘が
最低
と申しますか、
最低
のこれが
基準
である、六分五厘以下にすることは考えられないということでございます。それから
機械器具等
の
購入
なりあるいは
運転資金
につきましての年
九分
三厘というのは、これは
最高限度
である、従って、これよりも低くすることがあり得る、こういうような
解釈
でございます。なお、六分五厘と
九分
三厘の
基礎
になりました
考え方
は、全体の初
年度
における原資が二十九億五千万円でございます。そのうち二十億は
預金部
の
資金
でございますから、これが六分五厘で借りて六分五厘で返さなくてはなりません。
残り
の九億五千万円、これで
公庫
の
人件費等
をまかなわなくてはなりませんから、そういうことから
一つ
は
条件
がきまってくるわけでございます。それからもう
一つ
は、この六分五厘の融資の
資金
の
ワク
を全体の何割にするかという問題がございまして、一応こういうような
病院
、
診療所等
の新
増築
の場合の
資金
を三分の二
予定
をする、
残り
の三分の一を
機械器具
なりあるいは
運転資金等
に充当する。そうして計算いたしますと、六分五厘と
九分
三厘の
利率
になるのでございます。これは、今後、
資金
の
需要等
を見まして、この
資金
の配分をどうするかということによってこの
利率
が少し変わってくると思いますが、つまりこういう
病院
、
診療所等
の新
増築
の場合の
資金
をたとえば二分の一にする。そうしますと、
機械器具
の
購入資金等
の
利率
は
九分
三厘からうんと下がってくるわけでございます。これは、どちらにするかは
公庫
の
当事者
がきまってから相談をするというような含みを残しておるのでございます。 それから次に、
償還期限
でございますが、「
貸付資金
の
種類
に応じ
設備資金
については五年乃至二十年以内、
運転資金
については三年以内の範囲で定める。」とございますが、この二十年というのは、
耐火建築
の場合でございます。それから木造が十五年というふうにして大体二十年から五年以内で
設備資金
についてはきめる。
運転資金
については三年以内できめる。大体こういう大
ワク
をきめたのでございます。 それから
据置期間
でございますが、「
貸付資金
の
種類
及び
償還能力
に応じ
最長
二年以内の
据置期間
を設けることができる。」これも
設備資金
の場合あるいは
運転資金
の場合でこの
据置期間
が違うのでありますが、
最長
を二年以内、
限度
を二年にする。 それから
償還
の
方法
でございます。「
割賦償還
または
定期償還
の
方法
による。」
割賦償還
と申しますのは、毎月あるいは
四半期ごと
に分割して
償還
をするという
方法
でございます。
定期償還
というのは、
据置期間
が過ぎまして一ぺんに支払いをするという
方法
でございます。どちらの
方法
でもよろしいということにする。 それから次の
担保
でございます。「
原則
として
担保
は徴するものとし、不動産その他の資産をこれに充てる。」 「
原則
として
保証人
をたてさせるものとする。」これはこの一と二は、またはでございませんで、
担保
も取る、同時に
保証人
も立てさせるということでございますが、問題はこの「
原則
として」という
表現
でございまして、場合によりましては、
担保
を取らないあるいは
保証人
を立てないということもあり得る。たとえば少額の場合とかその他この「
原則
として」というのを
厚生省側
としては活用したいというので、こういうふうな
表現
にしたのでございます。 それから六は、
貸付
の
形式
でございますが、「
証書貸付
とする。」これはそのほか手形の
貸付
とかあるいは債券を買ってもらうというような
貸付
の
方法
があるのでありますが、ここでは
公庫
の例によりまして
証書貸付
だけとしたのでございます。以上が
貸付条件
の
基準
でございます。 それから次は「
医療機関整備投下資金調
」という二枚刷りの紙がございますが、これは
昭和
二十九年から三十三
年度
までに
医療機関
、これは
公私
の
医療機関
に対してどれだけ
設備資金
が
投下
されているかという
推計
でございます。だいぶ
推計
がございますが、一応ニ枚目の表をごらんいただきますと、
昭和
三十三
年度
投下資金総計
とございますが、
年間
二百九十五億七千四百万円が
公私
の
医療機関
に対して
設備資金
として
投下
をされていると
推計
をされるのでございます。その内訳及び
年度別
の推移は一欄ございますが、これは特に御
説明
するまでもないと思います。 それから次は、
医師
とか、
看護婦
とか、
歯科医師
とか、そういう
人たち
の
需給計画
の調べでございます。これは
昭和
四十年を一〇〇とする
医療機関
の
整備計画
というのがございますが、これに合わせまして
昭和
四十年までにこういう
医療関係者
の
需給計画
がどうなるかという
推計
をしてみたのでございます。 第一表は
医師
の
関係
でございますが、左の欄にAとございますのが
医科大学
を
卒業
する
予定者数
でございます。大体
定員
は二千八百五十名
程度
でございますが、
定員
をオーバーして大体三千四、五百名の
卒業
が
予定
される、そのうちBというのは
国家試験
に
合格
をする者の数でございます。これが大体
予定者数
に〇・九八四%をかけたもの。それから
離職者
というのが離職したりあるいは
引退
をするもの、これは〇・〇一一をかけております。そこで、
推計従事者
の純
増加分
というのがDにございます。大体毎年二千五百名から二千名
程度
。それから次のEというのが
現実
に実働しております
医師
の数でございます。三十三
年度
が九万七千三百名でございますので、これが先ほど申しましたDの純
増加数
を加えると
実働医師数
が
年度別
に出てくるわけであります。それからその次のFの欄は、
現実
に
診療
に従事する医者、これは〇・九四九をかけたものでございます。それから一方、先ほど申しました四十年までの
医療機関整備計画
によりまして、
医療法
の
基準
に当てはめまして、どれだけ
医師
が必要かという数がこのGでございます。三十
年度
は八万七千名余りになります。そこで、このFとGの差が
過不足
になるわけでございますが、それによりますと、大体七千名から六千名
程度
の数が当初においては
過剰ぎみ
になる。ただしこれは、全体の
医師数
が十万人近くございますから、その一〇%
程度
にも満たないのでありますから、これは過剰とか
不足
とかいうことであげつらうだけの
数字
ではないと存じますが、一応
医師
は
昭和
四十年までの
医療機関
の
整備計画
と大体マッチができる、こういうふうな
推計
ができました。それから今度は三ページが
歯科医師数
の
推計
でございます。これは左の方の
卒業予定者数
は同じでございますが、この三十一年から三十四年までがその実数でございます。以下はその
平均
をずっと、三十五年以降は三十一年から三十四年までの大体
平均
をとったのでございます。そのうち
国家試験
を通って
診療
に従事するものが次の欄。それから三番目が
離退職者
の数。それで
推計
の
従事者
の純
増加
というのが出てくるわけでございますが、そこで、その次の欄が
推計診療従事者
の現在数、
昭和
三十年では二万九千四百二十二、それに純
増加分
を加えて参るわけであります。四十年までの
数字
でございます。一方、
医療機関
の
整備計画
との見合いというよりも、むしろ
歯科医師
の場合は、
歯科医師
一人
当たり
の
人口
がどれくらいかということが一応
目安
になる。大体
医療機関整備計画
では三千人に一人
当たり
の
歯科医師
が必要であろうというような
推計
をいたしておりますが、そうしますと、その一番右の欄にございますように、大体三十一年から四十年まで三千名近くの
人口
に対して一人の
歯科医師
が充当できるような
数字
になりまして、
歯科医師
につきましても大体
昭和
四十年まで
バランス
がとれるのではなかろうか、こういうふうな
推計
をいたしました。 それから次は、
歯科衛生士
、七ページに
歯科衛生士
の
需給
というのがございますが、この
歯科衛生士
の適当な数は
幾ら
かというのは、まあいろいろな
考え方
があるのでございますが、大体
歯科医業
に従事する
歯科医師
の数と
同数
である。これは八ページの
備考
に書いてございますが、大体
歯科衛生士
の数と
歯科医師
の数が
同数
であるということが各国とも理想とされております。しかし、当面の目標を
歯科医師
の二分の一くらいの
歯科衛生士
にするということが適当であろう。ところが、
現実
にはこの表でごらん願いますように、わが国においては非常に少ないのでございまして、大体
昭和
四十
年度
末における
推計
をしますと、
歯科医師
百人に対してわずかに
歯科衛生士
は六・四人でございます。これは大いに今後
需給
の面から
バランス
がとれておりませんから、ふやす必要があるという
数字
でございます。 それから次は、九ページに
歯科技工士
の
需給
、これは表でございませんで文章にしておりますが、この
歯科技工士
の現在までの数は八千九百名でございます。ところが
特例技工士
というのがございまして、過渡的に従来
歯科技工
をやっておった者のうち、これから
試験
を受けて
歯科技工士
になる者の数が、
推計
で現在まだ
試験
を受けていない者が三千五百名でございまして、そのうち三分の一だけが免許の取得を希望しておる。そうしますと約千名でございます。それと先ほどの今までの
歯科技工士
の
試験合格者
の数が八千九百名でございますから、合わせますと約一万名が
昭和
三十五
年度
末に
歯科技工士
がおるということになります。そこで
歯科医師
との数は、大体
歯科医師
の四分の一から三分の一が適当と考えられるのでございます。そこで、
歯科医師
の数は先ほど申しましたように、三万三千人でございますから、
歯科技工士
の
養成
は、
歯科医師
の
年間養成定員
六百五十名の四分の一ないし三分の一
程度
でよいと考えられますが、現在
歯科技工士
の
養成施設
が全国に五カ所あり、その
定員
が百四十五名でございます。当分の間はこの
程度
の
養成
で何とか
バランス
がとれるのではなかろうか。問題は地域的な
養成施設
の配置の問題が将来残る、こういうような
推計
でございます。
歯科衛生士
と申しますのは大体女性を
予定
しておりまして、
医師
の指示のもとに何と申しますか、歯のあかと申しますか、歯の掃除をしたり、そういうような
歯科
の
衛生関係
の
仕事
をあるいは予防の
関係
の
仕事
を
任務
といたしております。
歯科技工士
というのは御承知のように、義歯を製作をするということを主とした
任務
としております。 それから十ページに、
看護婦
、
准看護婦
の
需給計画
というのがございます。これは実は四十年までの
需給計画
では、一番右にございますように、
プラス
、マイナス複雑でございまして、なかなか
バランス
がとれないのでございますが、実は四十五年ぐらいの、これから十年ぐらいの
計画
ではこういう
バランス
がとれるような
計画
がございます。なぜ四十年でこういうようなことになるかと申しますと、
看護婦
の数と
准看護婦
というものの数を大体パラレルにする。
看護婦
一対
准看護婦
一の
養成
を将来
計画
をいたしておりますが、そうなりますと、四十年で切りますと、こういうような
看護婦
の方は数が多いけれども、
准看護婦
の方が非常に足りない。だんだんまあそういう点の是正を四十五年までにしていこうというので、こういうようなアン
バランス
になっておりますが、
プラス
、マイナスはそういう理由でございます。そこでこの表のⅠは
病院病床数
がどんなふうにふえていくか、これは
整備計画
に基づいて必要な
増加
の
病床数
を四十年まで出したのであります。それに対しまして有床の
診療所
の今度は数、無
床診療所
の数、その
関係
の
数字
をⅡの欄に出しました。それに見合り
医療法
に基づく必要な要員の数というものが三番目にございますが、このA、B、CとありますAは
看護婦
、Bというのが
准看護婦
、Cというのがその
総計
でございます。そこでこのIVというのが年の当初の大体
見込み数
といいますか、
看護婦
、
准看護婦
の三十年当初の
見込み数
、それに対してこのⅤは
年間
の
離職予想数
、
引退
をしましたり、結婚しましたりして
看護婦
をやめる、それをこのⅤの欄に書きました。Ⅵの欄が今度は
養成所
を
看護婦
なりあるいは
准看護婦
が
卒業
する、そのうち
病院
なり
診療所
に就業する
見込み
の数でございます。それからⅦは年の末における、
年度
末における
就業見込み数
、これはここに書いてありますようにⅣからⅤを引いてそれにⅥの欄の
数字
を足したものでございます。それで
最後
の表が、
年度
末における
看護婦
なり
准看護婦
の
過不足数
でありますが、たとえば三十四
年度
におきましては二万名
あまり看護婦
はオーバーする、それに対して
准看護婦
は二万五千名足りない、こういうことになりますが、それは先ほど申しましたように、これは現状の数でございますが、それを
看護婦
の方をだんだん減らして、むしろ准看の
不足分
をふやすということで、四十五年までに
バランス
をとれるようにしよう、こういうことでございます。しかし、
総計
で見ますというと、三十四
年度
は四千二百九十八名が要するに
不足
だということでございますが、全体の数が十五万七千でございますから、これも大して足りないというような数ではないと思っております。 それから次は、
保健婦
の
需給計画
というのが十二ページにございます。第一の表に
需要数
というのがございますが、これは大体
人口
五千人に対して一人の
保健婦
を要するというような算出の
基礎
を採用いたしました。それから
養成所数
が次にございますが、それから
卒業生
を出す今度は
養成所数
、その次は
卒業生
が
公衆衛生事業
へ就職する
見込み
の数、これは
養成所
の
卒業生
の八〇%が
公衆衛生事業
に就職するという推定でございます。現在実働しておる者がこのⅢにございますように、
昭和
三十四
年度
が一万二千名
あまり
、それから
消耗数
というのが
引退
したり、あるいは結婚したり、そして職場から離脱をする者でございます。そこでこのⅤに
稼働見込数
というのが出るわけでございますが、そうしてみますと、大体五千名
程度
三十四
年度
においては
不足
をする。これを四十年まで見ますと、大体四十年末では千五百名ぐらいの
不足
ということになります。 それから次は、
助産婦
の
需給計画
でございますが、この
助産婦
の
需給計画
で
需要数
は、保健所は
昭和
三十四
年度
現在数を
基礎
として一カ所四名の
助産婦
が必要である。それから
病院
はこの
備考
に書いてありますように、産婦人科を標榜する
病院
が二千四百六十ございます。そのうち
分べん室
を所有するものが二千四百四。そこで
施設
に
最低
に必要な
助産婦
が一カ所四名といたしますと一万名
あまり
必要となる。 それから次は、
助産婦
の
需要数
でございますが、
開業助産婦
はこの「
備考
」の下から二番目に書いてございますように、四万七千名三十三
年度
末におりますが、これらの
助産婦
の
平均年令
が五十五才でございます。
病院
への移動というものは事実上困難だ、これはまた、
地区内家庭分べん
の取り扱いの
必要数
は十分だということで、
開業助産婦
はこの数には入れておりません。それから
診療所
の
助産婦
は、これも必要な
助産婦
が二百名
不足
しておりますが、これの充実につきましては、
開業助産婦
の
嘱託制
というものも考えられますので、一応
診療所
の必要な
助産婦
というものもこの
需要数
には計上いたしておりません。その数が大体一万名前後ということになるのでございます。それに対する
需給計画
が次にございますが、省略をいたしまして、
最後
の欄にその
過不足数
がございますように、約三十四
年度
五千名
程度不足
、それが
昭和
四十年ぐらいになりましてもなお三千名くらいの
不足
ということで、これは全体の数が一万名近くでございますから、これはかなり
助産婦
というものは
不足
いたしまして、
助産婦
の
養成
はこれから意を用いなくてはならぬ、こういうような
推計
でございます。
最後
に、十四ページに「
診療エックス線技師需給計画
」がございますが、これは
必要数
がここに書いてございますように、大体七千名から八千名
程度
でございます。これに対して現在稼働しておる者が次の欄にありますように、六千名から八千名
程度
、
過不足
で三十四
年度
が七百名、四十
年度
は二百名ということで、これもだんだん、
バランス
は四十
年度
までにはとれる、こういう
推計
でございます。 それから
医療法関係
の
資料
は、実は
医療法
の一部
改正
の
参考資料
として一応配付してございますが、いずれ
医療法
の一部
改正
の御審議を願うときに再度また提出いたしたいと思っております。
佐藤芳男
6
○
佐藤芳男
君 私、ただいま御配付賜わりました
資料
のうち、
貸付条件
の
基準
のその中の
利率
の点についてちょっと伺いたいのでございますが、
委員長
よろしゅうございますか。
加藤武徳
7
○
委員長
(
加藤武徳
君) はい、簡単に。
佐藤芳男
8
○
佐藤芳男
君 きわめて簡単に伺います。 (一)の六分五厘を
基準
とするということ、これが
最低
、それから(二)の
九分
三厘を
基準
とする、これは
最高
、こういう御
説明
でございましたが、一方は
最低
の線を表わし、一方は
最高
の線を表わす、ちょっと他の
法案等
に見られない
形式
をとってあるのでありますが、これに対しての何か特別な御意図がおありなのか、この点を伺いたいのが第一点であります。 なお、第二点は、六分五厘といい、
九分
三厘といい、
公定歩合等
の引き上げまたは
引き下げ等
によりまして、
市中銀行
のこうした
利率
もいつも
変動
を免れないのでございますが、このお示しになった
利率
によって
貸付
を受けられましたものは
証書
に記載されたる
利率
を、いつまでもそうした
金融情勢
と無
関係
にくぎづけにずっと経過をせなければならぬものかどうか、この点が第二点。 以上、二点だけを伺いたいと思います。
磯江重泰
9
○
説明員
(
磯江重泰
君) ただいま御質問の
金利
の点につきましてお答えいたします。 第一の点、六分五厘が
最低
で
九分
三厘が
最高
というような考えであるかどうかという点でございますが、
厚生省
の方からどのような御
説明
がありましたか存じないのでございますが、
資料
として提出いたしましておりますものの
気持
は、六分五厘、
九分
三厘というものは一応の
基準
、
目安
という
程度
に考えておるわけでございまして、具体的に
幾ら
にするかということは、
金融公庫
ができました上で
理事者
が決定されることになると思います。それでただ、本
年度
の
医療金融公庫
の
採算等
から見まして、低いものは六分五厘
程度
、高いものも
九分
三厘
程度
でやっていかないと
採算
上うまくいかないというような点もございまして、
気持
の上では大体そのような
気持
でいかざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。ただ、具体的にそれと全然もうびた一厘一分も違わないようにぴたりときめるのだということになりますと、ただいまそこまでお答えする段階にはないのであります。 それから第二の点につきまして、将来、
金利
を動かすかどうかという点につきましてでございますが、この
金利
、
政府関係金融機関
の
金利
の中には、大きくいいまして二通りございまして、
一つ
は
市中金融等
は、かなりいわば
量的補完
という点を中心としておりまして、
中小企業金融等
は大体そういう面が多いわけでございますが、金、利はまあ
市中
の
金利
と
あまり
較差
のないところ、もちろん
市中
の
金利
より低いわけでございますが、
あまり
較差
がなく、
市中
よりは
幾ら
か低い
程度
というようにきめておるのが
一つ
でございます。それからもう
一つ
は、純然たる
政策的立場
に立ちまして、非常に
市中金利
なんかと比べまして、著しく低くきめてあるというようなものでございます。そこで
医療金融公庫
につきましては、六分五厘と
九分
三厘と二通りの
基準
ができておりますが、
一つ
の
九分
三厘の方は、現在の
中小企業金融公庫
及び国民
金融公庫
の
金利
と同じでございまして、これは
市中金融
の
金利
とかなり相関的に考えてしかるべきものである。従って、御説のように、
公定歩合
の
変動
あるいは
市中金利
の動きによりまして、こういうものにつきましても弾力的に考えていく、
市中金利
が将来相当下がっていきますれば、こういうものにつきましても考えていくべき性格のものである。それから六分五厘、それは
市中金利
の方に比べまして、はるかに低いわけでございますから、それからまた
資金
といたしましても、長期の
資金
でございますので、
市中
の
金利
が下がったからといって、それに応じて、スライドして直ちに変えるというようなことは考える必要はないのではないか。しかし、もちろん
気持
は――そういった一般の
金融情勢
ないしは
金利
の
情勢
というものとの
相関関係
あるいは他の
公庫
の
金利
というものとの
関連
において考えていきたいという
気持
でございます。
勝俣稔
10
○
勝俣稔
君 ちょっと
関連事項
。年六分五厘を
基準
にするというのですから、これは
厚生省側
に伺いますが、
基準
だから、またこれを低いところも今の
お話
でも
最低
とは言っておらないのだ、こういうような
お話
なんですが、私は無
医地域
に対しての、この貸した場合の、無
医地域
に
診療所
を設置する場合に貸すときには、いま少しく低くするというような話をちょっと聞いておったのでございますが、これはどうなんでございますか。
黒木利克
11
○
政府委員
(
黒木利克
君) この
利率
の問題は、
公庫
ができまして、
公庫
の
当事者
と
大蔵省
と
厚生省
できめるのでございます。そこで
厚生省
としてはできるだけ安いに越したことはない。特に無
医地区等
に対しましては、六分五厘よりもむしろ低くしてほしいわけでございますが、ただ初
年度
におきまして、まだそこまで話がつきませんので、一応無医地区についてはその後の
情勢
を見た上でこの
利率
の問題について再検討しようということで、初
年度
はこの六分五厘でやむを得ないというようなことで話し合いをいたしておるような次第でございます。
勝俣稔
12
○
勝俣稔
君 そうすると、
医療金融公庫
というのは、無
医地域
の問題は何も考えない。財政上の余裕ができるまでは考えない。で、無
医地域
については考えないでスタートしたというふうに考えていいのですか。
黒木利克
13
○
政府委員
(
黒木利克
君) 六分五厘というのは非常に低利でございまして、この
償還期限
の二十年というのは、非常に有利な
貸付
の
条件
でございますから、無
医地区等
もこういう低利、特別に長期の融資によって幾分でも解決の資になるというような判断で――実はこういうような長期低利ということで
条件
をきめたわけでございます。
勝俣稔
14
○
勝俣稔
君 それでは、いま一度、六分五厘というものは、現在十分やっていけるところの人には、これはいいのだろうと私は思うのですが、無
医地域
の方もこの六分五厘で安いからやっていけるというならば、私は今のほかのところはもう少し
利率
は高くてもいいのじゃないか。私はどういうわけで無
医地域
ができておるか、その隘路はどこにあるかと、いろいろな点はあるでしょうけれども、少なくともこういう点に魅力がなかったならばいけないじゃなかろうか。だから今のような話を聞いておると、
医療金融公庫
というものは、無
医地域
の解消はこれだけによるんじゃありませんけれども、もうほとんど
関係
がないと言われても仕方がないじゃないですか。どうも私はその辺のところはちょっと考えがおかしいのじゃなかろうか。私はそう思いますけれども、いずれまたあとで、こうならばまたあとで質問しなくちゃならないことが出てくるだろうと思いますが……。
黒木利克
15
○
政府委員
(
黒木利克
君) 一応
厚生省
としては、年六分五厘で
償還期限
を二十年という長期にいたしまして、運営してみまして、それで無
医地域
の、無
医地域
といいましても、こういうような
貸付条件
では設置もできないようなところにつきましては、これは公的機関でやるなり、あるいは特別に何らかのほかの対策で解決をしませんというと、
医療金融公庫
だけでこれを解決するのは無理だと思います。ただ、初
年度
こういうような
条件
で運営してみて、事実上、金融の対象としてもう無医地区の解消ができないということになると、私はやはり
貸付条件
が問題になると思います。その場合には、
関係
方面と折衝いたしまして、無医地区の解消に役立つような
条件
に是正をしたい。初
年度
におきましては、ともかくもこれでスタートしてみる以外にはない、こういうように考えております。
勝俣稔
16
○
勝俣稔
君 私は、国保も強制をやっておって、そうして無
医地域
の解決問題を明確に政府が立てないで、あるいは巡回
診療
あるいは何とかという
程度
で、そうしてやっていくということは、私はどうも政府としては非常に不親切じゃないか、強制徴収でございますから、そこで薬を買えば、薬屋へ行って買ったものは
診療
のあれに入りませんのでございますから、ただいたずらに、保険税を取られるというにすぎないものになるのじゃないか。どこまでも政府は無
医地域
の解消ということを、明確な線でお出しになって、これができる、できないはまたそのときの財政状況やらいろいろあるけれども、方針としては、少なくとも私は、その線で持っていかなければならないと思う。私は、ここでなぜこういうことを言うかというと、先ほどから申し上げておるように、ほんとうに無
医地域
のうちでも、あれです、そこへ行って開業するという人は特殊な人ですから、その特殊な人には、私は、今の六分五厘という普通一般のところで開業する人と同じで、お前行けといったら、これには
医療金融公庫
それ自体の今のようなやり方でいくならばそれは
医療金融公庫
は大きな、解決の
方法
ではなくしてむしろ盲点でありはしないか、こういうように考えるので、私はこれは
大蔵省
方面とも
一つ
よく
お話
を願って、また、
金融公庫
の方の財政的のこともございまするから、ことしはこれだけの金ですけれども、来年になれば相当の金がまたふえてくるわけであります。その次にはまたふえてくると、順々にふえてくるのでございまするから、本
年度
はやむを得ない、来
年度
はこれはどの
程度
までいくのだ、こういうようなところを
一つ
お考えを願って御処理を願いたいと私は思うのでございます。何も私は、
医療金融公庫
が無医村解決の唯一のものだとは申しません。直営の
診療所
もよろしゅうございましょうし、ひんぱんな巡回
診療
もよろしゅうございましょうし、場合によれば私は国の
施設
として置いてもいいのではなかろうか。何とかしなかったならば、この自由民主党としての金看板である国民保険に対しましてそちらの方の連中はみんな無医村であっても、命は命でございますから、ですからその点は、私はぜひお考えを願いたい、こういうふうに思います。
渡邊良夫
17
○国務大臣(渡邊良夫君) 大へん重大な問題でございまするので、私から答弁いたさせていただきます。 当初私どもは、無医地区に対しまして六分五厘以下の
お話
も出ておったわけでございます。でございまするから、この無医地区に対しまするところの私どもの対策としては、この
考え方
の根底にはお説の通りのような思想が多分に含まれているわけでございます。ただ、今
年度
は御承知のように、財政投融資が二十億と一般会計からの十億といったようなこういうような
資金
量のものでございまするから、ことしはとにかく一応六分五厘から
九分
三厘まで、こういうことで出発いたしてみるわけでございます。しかしながら、将来
資金
量がふえまして借入金によらざるところの一般会計からの出資等が十分ふえて参りますという、こういうような状況に至りましたならば、十分お説のような趣旨に沿っていきたい、かように考えている次第でございます。
高野一夫
18
○高野一夫君 私は、ちょっと
厚生省
に伺いたいのですが、今の無医地区、無薬局地区の解消の具体的な対策はほとんど
厚生省
がお持ちにならないという点については、先般の審議以来はっきりしているのでありまして、われわれ非常に不満に思います。ところで、この
貸付条件
の
基準
、いろいろありますが、これは一体どういうことになるのですか。本
年度
にたとえば
病院
の新築、改造あるいは
施設
の改善、
診療所
のそれ、薬局のそれと、あるいは
運転資金
と、そういうものに一体
幾ら
どれくらいずつの
ワク
を考えておられるのか。 それからまた、同時に、今度は各都道府県地域ごとに、北海道から鹿児島に至るまで各都道府県に対してどれくらいの
ワク
を
一つ
考えているかどうか。この
計画
は当然私はなければならぬと思う。この
計画
がなくして、ただ行きあたりばったりに、最初だからわけがわからぬ。(「与党が知らぬのはおかしい」と呼ぶ者あり)いや、これは私はあとで言うことがあるのだけれども、最初だから、行きあたりばったりにして
予定
がわからぬ、まず申込申請を受け付けてみなければ何ともはっきりしたことは言えぬ、こうしたことでは、私は金の使い方はおかしいと思う。それだから、この点はどういうようなふうにこの業種別の
ワク
並びに地区別の
ワク
、どうせこれは案を立てましても実際やってみれば実情にそぐわないところも出てくるかもしれない、それは仕方がない。しかし、一応の
計画
は、案はあるべきだと思う。これを
一つ
はっきり明示してもらいたい。
黒木利克
19
○
政府委員
(
黒木利克
君) 業種別のワークの問題でございますが、これは
病院
、
診療所
と薬局それぞれの利害
関係
がいろいろございまして、ここではっきり申し上げることも適当でないと思いますが、しかし、何らかの
ワク
と申しますと変でございますが、何らかのやはり
基準
というものは必要であろうというので、先般御
説明
申しましたように、この五
年間
に
病院
とか
診療所
とか薬局というものがどれだけ増改築したか実績がございます、その実績は
一つ
の参考になるであろう、百三十億
あまり
の実績がございますが、その
病院
、
診療所
でそれぞれの実績がございますから、これが一応の参考にはなると思いますが、しかし、はたしてこういうような
ワク
で公平妥当かどうか。あるいはこれはとにかく申請を、需要を確実にやはりとってみませんというとどうもやはり実情に合いかねるのではなかろうかというので、業種別の割当は、われわれとしては今のところは考えていないのでございます。ただ、地域的には何らかのやはり
ワク
的なものは示さないと、各都道府県別になかなか運営上支障があると思いまして、この地域別な
ワク
は示さざるを得ないい。この場合に私の方で考えております
医療機関
あるいは薬局の
整備計画
というものが一応ございますから、それがもちろん
一つ
の
基準
になることは当然でございます。 それからもう
一つ
は、増改築に対しましても融資をするのでございますから、すでにある既存の
施設
の数とかあるいは坪数とか、そういう既存の
施設
関係
も
一つ
の
基準
になります。そこで今申しましたような
整備計画
と、そういうような各
医療機関
、薬局等の既存のものの実績と、こういうものが各都道府県別の
ワク
をきめる場合の
基準
になる、その
程度
のことを今考えておるのでございます。
高野一夫
20
○高野一夫君 それはとんでもないことだ。これは業種別の判定ができずして、一体地域別の何の判定ができるのですか。従来のただ実績をもってパーセンテージを割り振るといってみたところで、今の
勝俣
先生の
お話
のごとく、それじゃ無医地区の解消が、北海道は特に必要である、東京はそうさして必要がない、こういうことになるならば、無医地区に申請する金を貸そうというならば、北海道の方はそれだけよけい金がかかる、東京の方は金が要らない。あるいは改造に東京の方はよけい金が要るかもしれない。こういうことになるのであって、全体の
病院
診療所
がどれくらい必要とするか、薬局が必要とするか、しかもたとえば東京なら
病院
は要らぬ、それじゃ今度は
病院
の新設に金を出すところは石川、福井にしようじゃないかということになるわけであります。そこで、
病院
、
診療所
の普及
計画
、そういうものが各地方ごとに違うはずです。それがはっきりわかっていないで、地区別の
ワク
というものは私はきめられるはずがないと思うのです。 それから第一に私が申し上げたいことは、先ほど自民党、与党じゃないかという
お話
がまた出たけれども、われわれが与党で審議するときに、あなた方
ワク
を出したじゃありませんか。あれはうそだったのですか、あれはわれわれ党をだます材料だったのですか。業種別の
ワク
が出た、それを一体何のためにお出しになったのか、そして何のためにこの
委員会
でそれをお出しにならなかったのか。そんなことはそれはいかぬのであって、私は内輪の話をここで申し上げたくないけれども、われわれはそういうような根拠が一応ある。間違っているかもしらぬけれども、一応の根拠を立てて
厚生省
はちゃんとその
ワク
を算定をしていると、こう信頼をしたから私どもはこの法案はまず大体において妥当であろうと、こう私ども思った。ところが、
委員会
は、先般予備審議をしている。最初から全然
ワク
はまだ考えていない、申し込みを受け付けてみなければわからぬ、こういうふうに言われる、そうすると、われわれが事前に与党として審査をしたことは何にもならぬということになる。これはそういうことではいかぬのでありまして、やはりそれは
委員会
においてはさらにより以上の材料と
計画
を出してその審議を求められなければ私はいけないと思う。この点は、これは
一つ
厚生大臣にも私は確かめたいのですが、そのときの材料等については、厚生大臣御承知ないかもしらぬから、これは医務局長なり次長からはっきりしてもらわなければならぬと思います。そういうような
計画
がなくして三十億なら三十億しか金がない、それは当時の割当の予算はもっと多かったでしょう、けれども、それは三十億に減らされた。その減らされたなりのまたいろいろと
ワク
が当然出てくるはずです。これは最初からあなた方が
基準
をお考えになっておるはずです。
ワク
をお考えになったはずです。それをここに出して何のもんちゃくが起こりますか。それをここに出せばもんちゃくが起こるであろう、そんなばかなことはありません。そういうようなことを懸念して大事な
ワク
の
計画
を出さぬ、
説明
をしないという手はありませんよ。それで地域の
ワク
だけは考える。そういう地域の
ワク
は絶対に当てにならない。それこそ当てにならない。
黒木利克
21
○
政府委員
(
黒木利克
君) 先般、
資金
需要見込額調というので、各業種別に各五カ
年間
の
年間
の
平均
がどれだけあったかという表をごらんにいれましたが、一応これが唯一のいわば
資料
でございます。ただ、従来
金融公庫
の実例をいろいろ調べてみましても、中小企業にしても国民
金融公庫
にしても、こういう業種別の
ワク
というものはあらかじめきめていない。また、きめかねるというようなことを確かめましたので、一応業種別の
ワク
をきめることは、先ほど申しましたこの
資金
需要見込額調を参考にする以外には、業種別の
ワク
をはっきりきめるということはいかがなものかというふうに考えたわけでございます。ただ、全国的にこういう業種別の
ワク
をこういうふうにきめましても、各都道府県別にきめないというと
あまり
意味がないことになります。ところが、各都道府県別に今度はまた業種別の
ワク
をきめますというと非常に弾力性のないものになりまして、特に薬局等、今までのこういう実績によりますというと、非常に
資金
の而要額が低いわけでございますが、こういう低いところが各都道府県別に割りますと、ますます低くなりまして、非常に弾力性のないものになってしまおそれがある。そこで、各都道府県別にきめざるを得ない。業種別の
ワク
というものは一応取りやめまして、都道府県別に、地域別に大
ワク
をきめて、その県の実情によって按分する以外には合理的な
方法
はないのではなかろうか、こういうような結論に達したのでございまして、これも各先輩格の
公庫
の今までの運営の実情を見た上でこういうことにならざるを得ない。もっと合理的な
方法
がありますならば、それに従うにやぶさかでないのでありますが、一応こういうふうに
厚生省
なり
大蔵省
で業種別にぎりぎりの
ワク
をきめて、それを
公庫
に履行させるというやり方も実は
あまり
妥当ではないんじゃないかというので、以上のような
方法
をとったのでございます。
高野一夫
22
○高野一夫君 もう時間がないから簡単に申し上げますが、いよいよもって不可思議千万、それはなおおかしいじゃないですか。たとえば今薬局の話が出たが、
公庫
から
あまり
借りていない。貸さぬから
市中銀行
から借りておる。
病院
、
診療所
だってそうでしょう。開業医が金を借りたいと思っても
金融公庫
でどうだこうだとうるさいことを言う。中小
公庫
の
資金
でもうるさいことを言うからめんどうくさいから、それから金を借りて開業やら設備改修やら機械
購入
やらやる。だから、その
診療所
の必要とする金も今
公庫
の実績よりももっと多いかもしれぬ。こういうわけでありますから、しかしながら、そうすると
厚生省
は、政府はこの
公庫
を作る法律を作って、そして
公庫
の
理事者
ができて、
理事者
が全部勝手におやりになったらいいじゃないか、こういうことになっておる。今のあなたのおっしゃることを聞けば、それじゃ厚生行政の一定の方針も何もないのであって、これは厚生行政の方針に基づいた
公庫
法案なんです。それならば、まず
厚生省
が責任を持った
一つ
の案をお作りになるべきです。それは地域別に業種をきめて、そしてやるのがほんとうだとおっしゃるけれども、全国的にまず見渡してみて、そうしてまた、地域別に見渡してみて、両方かみ合わせないで何で各業体に対する適切な
ワク
、地区に対する適切な
ワク
ができるわけがないじゃないですか、これは僕は金融の専門家でもなんでもないけれども、金はしょっちゅうあちこち頼まれて
公庫
なんかに借りにいきますが、けれどもそんなあなた、いわゆる行き
当たり
ばったりのことは、あとは
公庫
の
理事者
にまかすというようなことは、私は
厚生省
は
あまり
に無方針、無定見きわまると思う。第一、私どもはちゃんと
ワク
の一応
説明
があったから、その
ワク
を
基準
にして適当だなと思ったわけなんです。しかもその
ワク
もはずれるかもしれない、初
年度
は当初の
計画
通りいきませんよ、いかないけれども、ぴたっとすぐ当てはめるというのではなくて、多少のもちろん金融だから融通をきかしたらよろしい、何もこっちは十億、こっち五億だから、こっちは十億しか出せぬ、こっちは五億しか出せぬ、そんなものでないので、その辺はある
程度
の限界をきめてやってよろしい、きめて一向差しつかえないと思うが、しかし、ある
程度
の
計画
性というものは、これはあって
公庫
にお示しになるべきだと思う。それをお示しにならぬで、これだけの予算と
理事者
諸君、この法律、これで随時申し込み申請に従って各地区に応じておやり下さい、無薬局地区、無医地区の
厚生省
の対策もへったくれも何も、それにはならない、行き
当たり
ばったり、こういうようなことは私どもは非常にこれはまあ意外な感じがしてしようがないですがね。これは大臣、
一つ
どうお考えになりますか、私の言うことは無理でしょうかね。
渡邊良夫
23
○国務大臣(渡邊良夫君) まあ専門家の高野ざんの
お話
でありまして、これは常識的にはさように私も考えられます。当然この融資の
ワク
というものにつきましては、私はこれから……、今具体的には明確なここにお答えはできませんけれども、しかし、
大蔵省
並びに
厚生省
並びに
公庫
が発足いたしまするときにおきまして、いろいろな各地区の特殊事情等も十分考慮に入れまして、そうしていわゆる
医療金融公庫
というものが一般開業医、あるいは薬局、こういうところに低利かつ長期の金融の便を与える、こういうことの趣旨に沿いまして、そうして私どもはそれをやはり融資の面におきましては、その
方法
等におきましてはきわめて弾力的に、しかも地域の事情等を考慮いたしまして融資準則とまではいきませんけれども、そういうようないわゆる事務的な運営等によりまして十分その御趣旨の線に沿うて考慮いたしていきたいと、かように考えます。
高野一夫
24
○高野一夫君 しからばこの
金融公庫
の精神はもちろんけっこうで大賛成なんですが、これを実行に移す具体的の
計画
、それを
公庫
の
理事者
だけにまかして、
厚生省
はわれ関せずということはいかぬ。そこで大臣は十分さらに
計画
を立てたいと、こうおっしゃるから、しからば私はこれに
条件
と申しますか、希望を付しておきます。これは
委員長
はっきり
一つ
確認をしておいて下さい。これが実施期は七月でしたか、これが実施期いわゆる開始されるまでの間に、さらに詳細なる
計画
を
厚生省
としてお立てになって、
厚生省
が
公庫
に希望するゆえんのものはこうこうこういう点である、そして
公庫
の
理事
会ではまた多少変わるかもしらぬけれども、
厚生省
が
公庫
を作ってそして
公庫
に
仕事
をやらせる、それは
厚生省
の方針にのっとるべきだ、そうすると、
公庫
でこういうような趣旨のもとに、こういう
計画
のもとに
公庫
の
理事者
は
仕事
をやってもらいたいのだという具体的の
計画
を、この
公庫
の
仕事
が始まるまでに当
委員会
にはっきり御
説明
を願いたい。材料も一切御提供願って
一つ
具体的の
計画
をお示しを願いたい。これだけのことを私は
条件
を、希望を付しておきたいと思う。これがかなえられなければ、私は本法案については再度考え直さなきゃならぬ。
竹中恒夫
25
○竹中恒夫君
関連
……。私は今の午前中に配付されました
資料
に
関連
しての
大蔵省
に対しての
質疑
というように聞いておったわけですが、非常に議論が発展して参った。従いまして、私も
大蔵省
に
関連
必ずしもしないかもわかりませんが、ただいまの
勝俣
並びに高野両
委員
の御発言に
関連
して、まず最初にお聞きしたいわけなんですが、今日の
お話
では、自民党が与党として政府提案に対して事前に審議をなさるそのときには、ある
ワク
を示しての
お話
があった。これは当然、われわれ無所属なり、野党の立場と違いまして、与党としての当然そういうことの審議をなさることはけっこうでありますが、今日の、今の時点においては当然そういうことがあったとすれば、われわれにも当局としては、実は当時はこういう考えで立案して、
資金
の配分状況はこういう
考え方
だったんだというようなことは、少なくとも今の段階ではわれわれも承知しなければ、何か非常にやみ取引をしておられるような感じを持って、ここに臨んだ限りは、自民党の
委員
の方々もわれわれも、国会議員として医療金融そのものを論ずるんだ、立案までの経過については与党はいろいろと注意をなさり、いろいろされることはけっこうなんですが、それを今日なお言われないんだという点については、これは非常な不満を私は持つ。当然この際明確に御
説明
を賜わる点が第一点。 それからもう
一つ
お聞きしたいことは、
ワク
の問題が議論になっておりまするが、この
貸付
基準
を拝見いたしますというと、
利率
のところで、目的別に
病院
、
診療所
については年六分五厘、およそ三分の二を考えておる。金額といたしまして二十億円。それで
機械器具
の
購入資金
並びに
運転資金
については、三分の一の十億円、こういう
解釈
ができるわけであります。今の御
説明
では。そういたしまするというと、需要によって、実情に即して運転したいんだとおっしゃいますが、すでに業態別には
ワク
もなければ、地域別にも
ワク
もないが、目的別にはっきりされているわけであります。そうすると、今度、私はこういう疑問が出てくるのであります。先ほど
勝俣
先生の御質問にありました無医村対策の問題があります。私は、無医村対策の問題については、別の機会に、もっと長時間かけて根本的に掘り下げて、議論をしたいと思うのですが、少なくともこういうように目的別に
病院
、
診療所
の新
増築
に二十億円を出すんだという限りは、これは字句にとらわれるようですが、これには改築はないわけです。そうすると、新
増築
分には、先般の御
説明
では、おおむね無医村に近い辺陬の地区の場合の
診療所
の新設は認めるが、過剰な地区においては新設は認めないんだとすれば、改築を過剰地区の医療担当者は希望するわけでありますが、それが現われておりません。また、この文書を見ますというと、
病院
、
診療所
の
機械器具
であって、薬局に対する字句はどこにもこれには出ておらない。もちろん本法の方には書いてございますが、そういうような事柄も、この
基準
をおきめになるときにもっと細心な注意を払ってもらわなければならぬと思うのであります。 そこで、もう
一つ
の質問では、需要度を一応お調べになったか。
医師
会、
歯科医師
会、薬剤師会等に対しておよそこういう有利なと申しまするか、今までの
市中
の金融機関から借りるんでなくして、長期低利の融資を受け、そうして無医村の解消もし、国民皆保険の実を上げるについては各団体でおよそ需要量がどのくらいあるかというような御集計でもなさって、その上でこういうことを考えておられるのかどうか。この二点を一応お聞きしたい。
黒木利克
26
○
政府委員
(
黒木利克
君) 第一の御質問にお答えいたしますが、実は、先般お手元に差し上げました法案の
参考資料
の八十七ページに「
資金
需要見込額調」というのを、表にしてあるのがございます。これは自民党の御審議のときに五十億の原資の場合の
資金
需要をどうするかというときの参考として提出をいたしたのでございます。ここにも書いてございますように、この
資金
需要見込額のこの調べを勘案の上、別途決定をするということで、一応これしか
資料
がございませんから、
公庫
の
資金
の業種別の配分と申しますか、運営上の問題で詳細な事業
計画
を立てる等の場合には、これが
一つ
の参考になる、有力な参考になるという意味で御
説明
を申し上げておるのでございます。従って、ほかに適当な
資料
がございませんから、業種別の配分をきめる必要があるとなれば、私はまあこれしかないのではなかろうか。ただ、先ほども申しましたように、全国的にこういうような業種別の
ワク
をきめましても、結局は
あまり
意味がないのでございまして、やはり各都道府県別の
ワク
ということがどうしても最終的に必要になって参る。各都道府県の
ワク
の中で各業種別にまあどうするかというようなことも、結局事業
計画
の細密なものには含まざるを得ないとは思いますけれども、これはまあ
公庫
自体が
資金
の
需要等
を見た上でだんだんきめていく、また、事情によっては
年度
の途中において事業
計画
の変更もせざるを得ないと思いますが、運営上はそういうことでやらざるを得ない。むしろ個々の各個にわたる融資の
ワク
の設定等は、利用者側の事情もいろいろあることでありましょうし、事実不可能ではなかろうか。そこで、一応の
計画
性のある融資をしなくちゃならぬことは当然でございますから、その場合の大体の
基礎
となるような
資料
として、この
見込み
額調べを実は参考にすべきであるということを御
説明
申し上げたのでございます。 それから第二の問題は、各
関係
団体に対しましては
資金
需要の調べ等についていろいろ調査の協力なんか御依頼をしたのでございますが、各団体とも的確なものはない。やはりこういうような過去の実績をもとにする以外にないわけで、しかし、現在各団体でいろいろな
資料
を集めてもらっておりますが、今のところはここにございます「
資金
需要見込額調」の五カ
年間
の
年間
平均
しかないということでやむを得ずこの
資料
によっているわけでございまして、各団体で詳細な
資料
ができ次第、これを事業
計画
あるいは
資金
計画
等に織り込んで参りたいと思います。先ほど来の御質問で、こういう事業
計画
なり
資金
計画
なりあるいは
業務方法書
は
公庫
の
当事者
がきめまして、主務大臣の大蔵大臣と厚生大臣の認可を受けなくてはなりません。もちろんこの
計画
年を立てる場合には、大蔵、厚生両省とも連絡をいたしまして事前にいろいろ詳細に打ち合わせばいたすつもりでおりますが、一応法律的には、
公庫
の
当事者
が
計画
を立てまして、両大臣の認可を得るという建前になっております。
竹中恒夫
27
○竹中恒夫君 今の質問の二点に対する御答弁でしたが、各団体とも的確な
資料
がないということですが、私はほかの団体は承知いたしませんが、少なくとも日本
歯科医師
会は全国都道府県
歯科医師
会に調査いたしまして、正確な需要量をプリントしたものを持っております。あるいはあなたの方から提出を求められたにもかかわらず出さなかったのか、その間の事情は存じませんが、おそらく他の団体といえども相当今日の段階では
資料
を持っているわけでございますから、至急にそういうものもおとりになって事業
計画
をお立て願いたい。 この機会に
大蔵省
の方にお聞きするわけでございますが、この
医療金融公庫
の代理店、代理行為をする場合……おりませんか。
加藤武徳
28
○
委員長
(
加藤武徳
君) 特別
金融課長
が出席しております。
竹中恒夫
29
○竹中恒夫君 では特別
金融課長
にお伺いいたします。おそらくこれの取り扱い機関がきまることになるわけですが、あるいは中央においては一元的に一庫になるかもわからぬでしょうが、地方においては実情に即したやり方をいたしませんというと、これの
貸付
側にとって非常に不便を来たすことになり、従って、地方銀行等も活用することは想像にかたくない。先般来のいただきました
資料
によってもそういう理解ができるわけですから、そこでお聞きしたいことは、各団体が今日医療信用組合というのを作っている府県が相当ございます。これは問題なしにこれに取り扱いをさすということが、医療担当者の人格なりあるいは実収入の状況なり、過去の状況をよく知っているわけでございますから、きわめて正確な調査もできるわけです。安心して委託ができると思うのです。従って、そういう観点からこの
医療金融公庫
が発足するにあたって、最近とみに各府県でそういう受け入れ態勢を――医療信用組合を作ろうという機運が出てきております。ところが、一方、大蔵当局としては、金融機関の競合によって無用な競争、不然な競争、摩擦があってはいけない、また、金融の政策の上から混乱を来たしてもいけないということで、二十九年でしたかに一応そういうものは許可をしない方針に持っていかれて、知事に対してそういう通達が出ております。この際、新しくこういう
医療金融公庫
ができるというような事態に逢着した場合においては、そういう通牒が過去にあったといたしましても、今申し上げましたように、スムーズな本法の精神が生かされるような運用をするためには、当然そういう受け入れ態勢は私は認めるべきであろうと思うのですが、お考えなり方針をこの機会に承りたい。
磯江重泰
30
○
説明員
(
磯江重泰
君) ただいまお尋ねの点のうち、信用組合の今後の設立に関する方針自体の問題につきましては、実は私の担当でございませんが、信用組合につきましては御承知のように、一応各都道府県の知事が監督権を持っておる。それから政府といたしましては、中小企業庁と
大蔵省
が一応共管のような形になっておるということでございます。個別的にどうするかという方針はただいま私ちょっと申し上りかねるのでございますが、
気持
といたしましては、やはり金融機関が非常競合して弱体な金融機関ができるということは、
大蔵省
の目から見た場合、非常に好ましくないわけでございまして、やはり金融機関としましてできます以上は、しっかりした実体を持ったものができる。従って、すでに既存の金融機関で数からいっても十分であるというものについて、さらに新しいものができて弱体な運用を続けるしいうことは望ましくないわけであります。これが基本的な
大蔵省
の
気持
はそういうことでございますが、個別的見た場合に、ことに信用組合等の場合に、そういった医療の
関係
の特別の信用組合を設立することが、その実体なり他との競合
関係
からいっていいかどうかというような点につきましては、個々に即して考えていくほかないのではなかろうか。この点につきまして、私としてはただいまこの席ではっきりした方針というものは申し上げかねる次第でございます。
鹿島俊雄
31
○鹿島俊雄君
関連
。先ほどの
貸付
の
基準
ワク
等について御質問がありまして、私もこれについて一応
厚生省
と
大蔵省
の所見をただしておきたいと考えております。第一に、
医療金融公庫
の創設の目的がはっきりとこの際に確認される必要がある。と申しますのは、
昭和
二十六年に保険医の医療報酬引き上げに関して要求が行なわれ、その際に一円の引き上げで妥結いたしました。その際の医療担当者に対しまする優遇の一環として、この
医療金融公庫
を設立するということであります。従いまして、無医村対策であるとか、そういったような
医療機関
の配置という問題に重点を置かれるということは、どうも私は納得ができない。従って、こういった面もどのようにお考えになっているか。むしろこの低収入の中で、
施設
の改善もできないという当面の状態におる
診療所
の要求というものをまず満たすことも必要であると思います。従いまして、無医村対策は別途に、竹中
委員
の発言通り国が一定の補助金をもってこれに対応するとか、特別の施策のない限り、私は意味ないと思うのです。しかしながら、
貸付
の場合にこの無医村に対する
施設
に関する優遇というものは、
利率
の点で考えるということは当然であろうと思うのでございますが、その
利率
の優遇の点と需要の配分とを混同することは、私は間違いだと思うのです。この点につきまして
一つ
はっきりとした所見をお伺いしたいと思います。
厚生省
と
大蔵省
に伺っておきたいと思います。
黒木利克
32
○
政府委員
(
黒木利克
君) 先ほども申し上げましたように、無医地区あるいは無薬局地区を直接解消するために、この
公庫
が重大な役割を果たすというほどの考えは、初
年度
においては
資金
の
関係
から考えてはいないのでございます。お説のように、無医地区なり無薬局地区の対策は、その別途の対策というものを少なくとも来
年度
において講じなければならぬと考えております。ただ、先ほど申しましたように、
資金
の配分等の場合には、いろいろな配分をするための
基準
というものが考えられますが、少なくとも都道府県単位に
資金
をどういうふうに按分しなければならぬかという場合に、その地区における既存の
病院
、
診療所
なり薬局の数というものがやはり
一つ
の
基準
になるわけでございます。つまり増改築をするため、これを
一つ
の
基準
にする。それからもう
一つ
は、
医療機関
なり、あるいは薬局のいろいろ
整備計画
というものを国が今それぞれ作りつつありますから、これとのやはり
関連
は当然
公庫
が持たなければならぬ。そこで、各県別のそういう
医療機関
関係
の
整備計画
というものが、
一つ
の配分の
基準
になる。大体少なくともこの二つは地域別の配分をする場合の
基準
になるのではなかろうかという意味で申し上げたのでございまして、単なる無薬局なり無医地区の
整備計画
だけではない、全体の
医療機関
あるいは
関係
機関の
整備計画
の
関連
で申し上げたのでございます。
鹿島俊雄
33
○鹿島俊雄君 私の質問しております要点は、その際のウエートの
考え方
であります。ウエートの置き方を聞いておるのであります。もちろん無医村に対して適正配置も当然考えられる。ウエートをどう置くか、これがはっきりいたしませんと、先ほど来の
貸付
の
ワク
の
基準
、どう配分するかという問題の解決がつかない、その点を
一つ
重ねてお尋ねいたします。
黒木利克
34
○
政府委員
(
黒木利克
君)
資金
の配分の場合に、何を重点に置くかということが確かに大きな問題でございますが、ただ、初
年度
におきましては、国会等の御審議、特に
医療金融公庫
の
資金
をこういう点に重点を置くべきであるというようなお考えをお聞かせ願えれば、そういうことがもちろん大きい
基準
になると思いますが、
厚生省
としては、先ほど申しましたように、過去の実績とか、あるいはそういうような
整備計画
というようなものを勘案いたしまして、公正妥当にきめていこうというような
程度
でございまして、ここで今何に重点を置くかということを御質問がありましても、明確にはまだお答えは、実は当局としてはできないのでございます。御審議の経過によりまして特に重点を指向すべきものが御意見が一致しましたならば、それにもちろん従いたいと思いますが、先ほど申しましたような
程度
にしか考えていないのでございます。
鹿島俊雄
35
○鹿島俊雄君 ただいまの次長の答弁は、そうであろうとと思うのであります。従って、
基準
があるというようなことを言われますので、議論が沸騰するのだと思う。従って、過去の各
公庫
の医療団体、
関係
機関に対します
貸付
の実績は、実績にならない。というのは、真に
医療機関
におきまして
貸付
を要求するようなものは、一般金融機関の対象にならない。従って、長期でない、力の弱い長期金融を可能としない
条件
あるいは
担保
力の少ない機関等には
幾ら
申請しても貸さない、この累積が過去の
医療機関
におきます
貸付
の実績であります。従って、これを
貸付
の実績として考えることは間違いです。そういうことを打開するために
医療金融公庫
の設置が必要とされるのです。過去の実績は実績とならぬということをはっきりと私は強調しなければならない。従って、
基準
がない。これから考えなければならぬ。たとえば竹中
委員
からも発言がありましたが、
歯科医師
会で要求しております需要額は八十五億円
程度
要求しております。従って、過去の実績から見ますると相当の開きがある。そのことをはっきりと確認しなければなりません。基金をどう立てるかということは重大問題だと思います。従って、それは一カ月におそらくこれはさような率が出るはずはないと思うのであります。これはここではっきりとしておきませんと、私どもはまた納得のできない
資料
を見て反論を起こさなければならない。この際、率直にこの新しい機関の運営については検討を加え、われわれもともに検討しなければならないと思います。従いまして、地域別にこれを配分するということになりますと、わずか三十億円のものを都道府県地域別に分けたものは、わずかに七千万
程度
のものに分散してしまう、そうしますと、
一つ
の
診療所
を建てる場合にも、二、三千万円かかる。二つの
診療所
しかできなくなってしまうということも起こってくるのであります。従って、ただ地域的にこれを分けるということも問題である。また、
貸付
対象そのものを
基準
に貸すのがいいかというような二つの問題が起こるわけであります。そこで今度は、
貸付
の優先度というような問題が起こってくると思います。何に重点を置くか。そこで私は先ほど申しました通り、その優先度を置く場合に、適正配置を主体とするために無医村対策を唯一とすべきであるということは賛成できないということも言っておるわけであります。かようなことをさっきから議論を進めておるわけであります。こういったことはなかなか軽々しく決定は不可能と思います。しかしながら、問題は、この
公庫
の資本金なり、借入金が
あまり
に少額であるということにも大きなネックがあります。従って、これがどう適正に考えようが、わずか三十億円というところに私は問題があると思います。将来の問題は別であります。そこで発足早々できましても、おそらく全
医療機関
はこの運営なり開始後の実態を見たときに非常に絶望を感ずると思うのであります。はっきりと今から予告しておかないと、ほんとうに二階から目薬という実態が起こってくる。しかし、ここに
医療金融公庫
ができたということは、重大な意味があると思います。これは大臣も御出席でありますが、この努力に対しまして満腔の敬意を表しております。また、
関係
当局に対しましても、事務
関係
に対しましても私は功を多としております。従って、この際にある
一つ
の
推計
からくるものを見ますと、この金融という問題は非常に深刻であります。従って、過去の実績ということは実績でないということをはっきりと私は強調したい。この点について
厚生省
並びに
大蔵省
の所見を伺いたい。
黒木利克
36
○
政府委員
(
黒木利克
君) 先ほど過去の実績と申しましたのは、実はこの五
年間
に、
病院
、
診療所
なり薬局なりが一体どれくらい新設されたか。どれだけベッドが増床になったか。どれだけ増改築になったかという実績を
年間
平均
で出したものを実績と言っておるのであります。決して
資金
需要の実績という意味ではございません。そこで、それに共同検査
施設
なり、あるいは特に無医地区というものはこれから新しく
公庫
は取り上げるわけでありますから、これは一応共同検査
施設
なりあるいは無
医地区等
のことである
程度
の
年間
の
計画
というものを出さなくちゃならぬと思いますが、それを加えて
一つ
の
資金
配分の
基礎
にする、こういう意味で実績ということを申し上げたのであります。
磯江重泰
37
○
説明員
(
磯江重泰
君) 過去の実績につきましては、
市中金融
機関の
医療機関
に対する融資等につきましては、いいところに貸しておる。返済とか、
金利
の支払いとか、
条件
のいいところに貸しておる。従って、そういうものは実績じゃないのじゃないか。ほんとうに低利な金がほしいような
医療機関
、金が借りられなくて、そういう医療
施設
というものが十分整理されないでおるという実態ではないかというような御趣旨じゃないかと思うのですが、そういうところにおもなる金融機関の手の回らなかったところに低利の長期の金を貸していこうという趣旨でこの
公庫
が誕生するというふうに私ども理解しております。従いまして、本
公庫
の運営に対しましては、そういった御趣旨の意に沿うように気をつけて参りたいと思います。
鹿島俊雄
38
○鹿島俊雄君 ただいまの御答弁の中で、問題は発足後に窓口金融機関、受託金融機関の取り扱いが非常に影響いたしますというのは、先般
医療機関
に対しまする災害復興融資が行なわれた。ところが、実際問題として窓口受託機関の扱い方というものは、やはり従来の実績というようなものを、取引実績というようなものが中心になったような傾向が多分にあります。また、当然この災害を受けました機関でありまする以上、すでにいち早く着手をしたものも当然この災害立法、金融の
ワク
内にこれを振りかえることが必要である、当然であるにもかかわらず、依然として
公庫
本来の利息でこれを貸し付けておる。低利に切りかえておりません。こういったことは結局、いかに上から指示を行ないましても、受託機関の裁定によってそれが行なわれます。そこで、これを私どもは、この
公庫
運営の面で非常に重視しておるわけであります。先般、この法案につきまして私は意見を述べたつもりですが、要するに、そういった弱い対象に対して
貸付
を行なうためには受託機関に対して、この回収不能の場合、こげつき等に関する責任をできるだけ軽減しておかなければならぬというようなことから、むしろそういった回収不能の場合、全額
公庫
が負担する、窓口機関には負担をかけないというような議論もあったと思います。しかしながら、大蔵当局等の意見もあって、これが一応二〇%の危険負担をするということになったわけでありますが、この趣旨を十分
一つ
生かさないと、従来の金融機内と何ら変わらぬものになってくるのじゃないか、これはほかの方の相当例があります。また、このほかに
貸付
を行ないましても、その場合に歩積みを取るというようなことで、実際問題としては低利のものが必要以上に借りられないというようなこともあり得るわけであります。従って、この受託金融機関に対しまする
大蔵省
の
考え方
、今後の指導のあり方等について
一つ
格段の私は御留意が望ましいのであります。この点につきまして少しく御意見を承りたいと思います。
磯江重泰
39
○
説明員
(
磯江重泰
君) ただいま御意見の点はまことにごもっともでございまして、私ども既存の
公庫
等の運営につきましても、その
資金
が要するに
公庫
本来の目的にふさわしいところに貸し出される、そのように運営されるよりに、かねがね
公庫
に通じまして、また、
公庫
を通じまして各代理店に対しましても指導をいたしておるところでございます。しかしながら、まあ、実際にはたびたび御指摘のありますような本来の目的に使われておらぬ、あるいは
条件
が不利になっておるというような事例が中にはまま見受けられるのでございますが、そういった点につきましては、すでに改善を要求いたしておりますし、ほんとうに
公庫
の金を必要とするところに、また、きめられた
条件
で出ていくということを適正に代理店が運営してもらうということは、私どもは一番重要なことだと考えておりまして、代理店に対しては、そのように十分指導するように今後とも注意いたしたいと思います。
鹿島俊雄
40
○鹿島俊雄君 もう一点お伺いしたいのでありまするが、次に、資本金の問題であります。先ほども
利率
の問題でいろいろ御意見が出ました。当初六分五厘の
平均
利息の実施はできない、これは当然でありまして、わずかに資本金十億円、借入金につきましては、その根本的な建前から今後の運営におきましても
平均
六分五厘の
金利
が保証し得ない、七分四、五厘のものに
平均
なっていくということは当然であります。従って、これを解消するためには需要量を満たすため、また、
金利
の問題を解決するためにはどうしても資本金の増強、
増加
をはからなければ当然なりません。従いまして、明
年度
以降において年次
計画
でこれを増資することはよくわかっておりますから、できるだけこの近年において比較的、可急的すみやかに
一つ
増資を行ない、借入金の
ワク
をふやすということが必要であると思うのであります。従って、それでない限りこの本来の低利という
公庫
の目的に沿わない面が出てくることになります。次
年度
以降における資本金の増額、借入金の
ワク
の拡大増強について
大蔵省
はどう考えられるか、せっかく作りましたこの
公庫
に魂が入らぬことになりまするので、この点について
一つ
の御所見を承りたいと思います。
磯江重泰
41
○
説明員
(
磯江重泰
君) 来
年度
以降の
公庫
の
資金
がどうなるか、ことに出資がどうなるかという問題につきましては、具体的には財政事情との
関連
においてきまってくることでございますので、銀行局の立場として、それにつきましてはっきりしたことを申し上げられる段階ではありませんのでございますが、私ども
金融公庫
の、主務官庁としての立場、ことに銀行局として、金融機関の監督機関としての立場から申し上げますと、一たび誕生しました
公庫
でございますから、これが来
年度
以降も当然新規に事業を行なっていくということは当然でございまして、そのためには新規に
資金
を投入しなければならない、しかも貸出
金利
をかりに六分五厘といたしましたものを、来年からまた上げるということはできないわけでございまして、そういった低利の金融を今後引き続き行なっていくためには、どうしても出資
資金
の投入が絶対必要でございます。従いまして来
年度
以降につきましても新規に
資金
を投入する、そのうちどの
程度
になりますか、出資
資金
は当然に必要であるというのが私どもの見解になるわけでございますが、具体的にどういたしますかという点については、ただいま申し上げる段階ではございません。
鹿島俊雄
42
○鹿島俊雄君 大体わかりますが、とにかく銀行局等におかれまして、その御熱意を持ってやっていただかぬとこの増強は不可能だと思うのであります。従って、われわれも来
年度
以降この増資
計画
については、近年において比較的多くある
程度
の需要量のまかない得るような線には持っていきませんと、作った精神が生きない、かような意味で、次
年度
のことを申し上げるのはどうかと思うのでありますが、その点、御意見を参考に聞いたわけであります。よろしくその線で、今後
公庫
に対する方策はやっていただきたい、かように考えております。
小柳勇
43
○
小柳勇
君 全般的な質問は後日いたしますが、きょうは今の
委員
の質問、答弁を聞いておりまして、
厚生省
並びに
大蔵省
の答弁が、そのときそのときには聞こえますが、全般的にずっと先日からの答弁を見てみますというと、支離滅裂であるので、大臣もおられるから、二、三質問しておきたいと思います。 第一は、
公庫
の方で
資金
の貸出を調整しない、こういうことを三月十日のこの社労
委員会
で答弁しておられます。これは私がこういう質問をしたわけです。「
施設
がもう十分だと
厚生省
で判定するようなところには、たとえば法人なり個人が融資を申し込んでも、それは
厚生省
で調整するということですか。」こういう質問をしたことに対しまして川上
政府委員
は、「いや、調整はいたしません。」というような答弁をしておる。すなわち
医療金融公庫
としては、個人なり法人が融資を申し込んだ場合には、
厚生省
として調整するものではないのだと、こういうことを三月十日の答弁では答弁しておられます。ところが、四月七日の
資料
説明
のときの答弁では、
黒木
政府委員
はこういう答弁をしておるのです。「過剰な地域には
金融公庫
から貸し出しはしない。」その機関は、
医療機関
やあるいは薬局が過剰な地域にはこれは貸さぬのだ、こういうことを答弁しておられる。今ずっと各
委員
が質問をしまして、その答弁の中でも、この
利率
の問題、
佐藤
委員
が
利率
を質問されました、その
利率
のときに、この無医村等貸さなければならぬところには低利で貸すと、大体六分五厘は
最低
限であるが、これは
基準
であって、その地域によって変わるのだということを言って、そういう答弁をしておられる。そういうことで、この
原則
を、基本を聞きますが、この
金融公庫
というものは、
医療機関
なりあるいはこれに貸し出しの範囲の人が融資を申し込んだ場合、この
金融公庫
が調整するのかしないのか、そのことからまず御答弁願いたいと思います。
渡邊良夫
44
○国務大臣(渡邊良夫君) なるほど御指摘の点は御疑問があるだろうと、かように存じておるわけでございます。私どもに
医療金融公庫
の使命といたしまして発足するものは、先ほど申し上げましたように、開業医なりあるいは
歯科医師
なりあるいは薬局なりあるいは産院なり、こういうところに低利かつ長期の金融をすると、こういうことが
原則
ということになっております。それで先ほども申しましたように、将来
資金
量というものが大きくなり膨張いたしまして、そして運用面において、やはり地区の事情等によりまして、これが無医村地区に対しましても非常に考慮いたさなければならぬということは、これは当然でございます。運用面におきまして弾力性を持たせていきますけれども、この
金融公庫
の発足の使命というものの
原則
というものは厳としてきまっておる、こういうことでございます。
小柳勇
45
○
小柳勇
君 そうしますと、
医療金融公庫
というものは融資の申し込みがあった場合、
原則
としてはそういう地域的なものをやる、
厚生省
の考える必要度、そういうものとは別に貸し出すものである、金がありさえすれば貸し出すものである、こういう
原則
である、こういうことですか。
渡邊良夫
46
○国務大臣(渡邊良夫君)
原則
としてさようでございまするけれども、ただいまも申し上げましたように、地区の事情等によりまして、これは多少その面において、運用面において考慮する場合もございます。
小柳勇
47
○
小柳勇
君 そこのあいまいさを、もう初めから終わりまでそういうあいまいさがこの
委員会
における
質疑
応答を混乱せしめておると思うのです。
医療金融公庫
法というものは、医者あるいは薬局などがそういう今非常に金融に困るのでこれを援助して、そして国民皆保険なりあるいは国の医療全般的な改善に資する、そういうものであろうと思うが、極端にいいますと、
医療金融公庫
ができまして、その
公庫
の役員が、医者なりあるいは薬剤師等が融資を申し込んだ場合に、自分の考えによって、判断によってそこに融資をしたりしなかったりするという現象が起こる、そういうことをやらせないと、はっきりそういう権限は
公庫
にはないんだと、こういうことを確認しておいていいですか。
川上六馬
48
○
政府委員
(川上六馬君) 先ほど私が調整をしないということを申し上げたということでございますが、この統制的な意味で調整するということはさしたくないと思っておるわけでありますが、たびたび申し上げますように、この
医療機関
の過剰な地区に対しましては、
資金
量も少ないことでございますので、そういうものに対しては一応貸し出さぬ、かような地区に
医療機関
を新設する場合におきましては、それに対しては融資をしない、しかし、過剰な地区でも、現在あるものが老朽化したために改築する、あるいは設備を更新するとかいう場合は貸し付けるというようなことは考えております。この法律の最初に書いておりますように、一般
市中銀行
からの一般融資が受けにくい者に対して融資するという、そういう方針でもございますので、代理店は全然そういう点の審査はしないかと申しますというと、それは本人の信用状態もありますし、また、許可しない場合、
病院
は許可制でございますから、そういうものに貸し付けることもむろんできないし、そういう面でこの窓口の方におきましても一応調査をしまして、そして代理店としての意見というものはつけ加えて
公庫
に申達されると思うのでありまして、最終の決定は
公庫
でいたしたいと思っております。
小柳勇
49
○
小柳勇
君 この前の川上
政府委員
の
説明
も大体そういう趣旨でございました。それで紛糾したわけけでございます。どういうことかといいますと、過剰な地域といいましても、そこは今は自由営業なんですね、医者というものは。ここには過剰な地域だから営業できないという法律がないわけです。そうしますと、ここに開業しようとする、その場合に、そこは過剰地域だといって金は貸さない。貸さないのはいろいろ部面がありましょう。
厚生省
がぴしゃっと
基準
をきめればいいのですよ。その
基準
を求めたわけです。ところが、はっきりした
基準
はないでしょう。ただ
一つ
の案はできているのですよ。
参考資料
として出ておりますけれども、もうここは一ぱいでございます。ベッドの数やあるいは
診療所
の数や
人口
など出ておりますけれども、それは
一つ
の
基準
でしょう。そうしますと、ここは過剰であると思うけれども、ここにはなお医者が開業すればもうかるから開業しようとする。その場合に、これを
公庫
として、もう少し言いますと、
医師
会などがこれを貸せと強力に言う場合があるだろう、あるいはボスがおってこれを貸すなと言う場合があるだろう。そういうことを心配しながら、この前、それでは
一つ
基準
は何ですか。それからもう
一つ
、過剰でない無医村についてはあなた方が必要だと思っている、ところが、医者は行かないだろう、金を安くして六分五厘で貸しますと言っても。そういう場合にどうしますかと言ったら、
一つ
の医務局案がありますが、無医村対策はまだありません。さっき高野
委員
が言われたのはそれだろうと思いますが、その
基準
というものは、あなた方は調整はしないと言われるけれども、若干調整しなければならない。これは申し込んでおる金だけで百三十億です、必要な金だけで。それで三十億しかないですから事実上は調整しなければならないでしょう。それを今高野
委員
は八月一日までに案を出しなさいと言っておるけれども、私はそういうことは逆であって、その法律を作る前にちゃんとそういうものは
厚生省
として八月一日までに案が出るのなら今出して、そして各都道府県別の融資の
ワク
とかあるいはこういうところは無医村でありますからこうしますとか、ここは過剰地域でありますからどうしますとか、そのくらいの大綱くらいは
委員
に出して、そうしてこの法律を論議することが正しいと思うが、そういうことについて高野
委員
がさっき要請して言われましたけれども、私は要請でなく、それはまだこの法律を通すのは反対です。あなた方はもう少し具体的に
説明
になりませんとこの法律を通すことはいかぬです。それは今言いましたように、いろいろ金を借りようとするものが、
金融公庫
から調整されて非常に今
医師
会対
厚生省
以上の不明朗なものが出てきますよ。
医師
会の動きについても、われわれ第三者から言ったときに非常ににがにがしく思うことがあります。あるときは
厚生省
をやっつけるからそれはよろしいと思うことがありますけれども、こういうのがもう
一つ
できますよ。
医療金融公庫
というそういう
仕事
がまたできます。従って、私はこの法律を出す前に、もっとあなた方から懇切丁寧に、私が今言ったようなことについて答弁を
一つ
お願しいたいと思います。
黒木利克
50
○
政府委員
(
黒木利克
君) 実はここに差し出しました
医療金融公庫
の
貸付条件
の
基準
と、それから先ほど申しました
資金
需要の調べを勘案をして、
資金
計画
を立てるというので、
資金
計画
の一応大まかなことを差し出してあるのでありますが、実は従来の既存の
中小企業金融公庫
法とか、国民
金融公庫
法案の審議の経過を
関係
省に問い合わせまして調べましたところが、こういうようないわば業務
方法
署の詳細なことは、
公庫
ができて、
公庫
の
当事者
と主務大臣とがきめるべきであって、法案の審議の過程におきましては、一応従来はこういうものを出していない、
大蔵省
、またそういうような先例がないということで衆議院の審議に実は臨んだのでございますが、ただ、衆議院の方におかれまして、やはり少なくとも
業務方法書
の基本になるようなことは出す必要があるという御要請がございまして、
大蔵省
と相談をいたしまして、お手元に差し出しました
資料
の
程度
がきまったのでございます。従って、この
基準
によりまして、
細目
は
業務方法書
できめるということになるのでございまして、一応この
基準
の範囲内で大体
金融公庫
の運営の大綱は尽きるのではなかろうか、こういうような判断をいたしておるのでございます。
小柳勇
51
○
小柳勇
君 まだありますけれども、
最後
に、時間がありませんから大臣に
一つ
聞いておきたいのは、今の朝日新聞に、医療行政について毎日書いておりますね、続きものを。あれをお読みになっておるのかどうか。お読みになって、あの記事は一体厚生大臣として見てどう考えるか。無医村のこともありますし、お医者さんが非常に苦しい。スクーターを持っておらぬとやっていけぬというようなことまでいろいろ書いております。いろいろずっと医療行政について朝日新聞が続きものとして書いておりますが、お読みになっておるかどうか。なっておったら、あれを厚生大臣から見て大体妥当だとかあるいはあれは行き過ぎだとか、
一つ
なにして下さい。私はあれによって
関連
して質問したいと思ってずっと読んでおりますから、
一つ
大臣からそれだけ聞いておいて、後日に質問を譲りたいと思います。
渡邊良夫
52
○国務大臣(渡邊良夫君) 読んだ面もありますし、読まない面もあります。一貫いたしましてあの記事につきまして御答弁を要求されましても、私といたしまして、ちょっと申しかねるわけであります。
小柳勇
53
○
小柳勇
君 医務局長どうですか。
川上六馬
54
○
政府委員
(川上六馬君) 私も、お尋ねの文は一、二、三と出ておるのでございましょうかと思いますが……。
小柳勇
55
○
小柳勇
君 そうです。
川上六馬
56
○
政府委員
(川上六馬君) 読むことは読みました。
小柳勇
57
○
小柳勇
君 どうですか、担当者として。
川上六馬
58
○
政府委員
(川上六馬君) 非常に参考になると思っております。
坂本昭
59
○坂本昭君 速記とめて……。
加藤武徳
60
○
委員長
(
加藤武徳
君) 速記をとめて。 午後零時四十八分速記中止 ―――――・――――― 午後一時十六分速記開始
加藤武徳
61
○
委員長
(
加藤武徳
君) 速記を始めて下さい。 それでは引き続いて
質疑
を行ないます。
質疑
のおありの方は逐次御発言をいただきます。
坂本昭
62
○坂本昭君 銀行局にお伺いいたします。 今度の
医療金融公庫法案
は、従来の、特にあなたのところの所管の国民
金融公庫
、あるいは
中小企業金融公庫
、こういったものにならった新しい
公庫
法でございますが、これらを通じてすでに国民
金融公庫
法の第一条、あるいは
中小企業金融公庫
法の第一条、いずれも「一般の金融機関から
資金
の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、」あるいは「一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通すること」というふうな形容詞といいますか、
説明
がついております。で、今回のこの法案におきましても「一般の金融機関が融通することを困難とするものを」というふうになっておりまして、大体
厚生省
の
説明
を聞いていると、これはあらゆる
公庫
法に通ずる、何といいますか、共通の形容詞であるふうな
説明
ですが、
大蔵省
の
説明
を聞くというと、融通することを困難とするという点に重点を非常に置いておるように感じますが、これの意味について
大蔵省
の
一つ
御見解を聞かしていただきたい。
磯江重泰
63
○
説明員
(
磯江重泰
君) 各種の政府
関係
の金融機関、特に
金融公庫
につきまして、一般の金融機関が融通することを困難とするものに対して、あるいは困難とするような
資金
を出すというような法律となっておるわけでございますが、これはそもそも金融の建前といたしまして、金融というのは大体一般の
市中
の金融機関がやる方がまず常道なんでございまして、政府の特別の金融機関でもって特別に財政
資金
をつけて金融を行なうというものにつきましては、これは一般の金融機関ではやれないのだという実態があって初めて、しからばこういう特殊機関を設立する必要があるということになってくるのでありまして、従いまして、法律におきましてもこの種の金融機関が存在するのは、一般の金融機関では融資ができない、そういうものを相手としての存立価値があるのであるということをはっきり法律の目的におきましても明示しておるわけでありまして、その場合の「融通することを困難とする」と申します点につきましては、
一つ
は
貸付
を受けます者でございますが、これは信用力が薄弱である、従って、なかなか
市中
の金融機関では相手にしてくれないというものがございます。これは国民
金融公庫
の対象には多いわけでございます。それからもう
一つ
は、信用力という点ではなくてむしろ
条件
の点でございます。
資金
が非常に長期にわたる、あるいは低利の
資金
でないとその事業の性質上
採算
がとれない、こういうものでございまして、こういうものはやはり
市中
の金融機関でありますと、期間もそれほど長くならぬ、あるいは
条件
につきましても一般の通常の金融でやるわけでございますから、そういった
条件
の点におきまして、一般の金融機関が融通しがたいというものがあるわけでございます。大体そういったいろいろの面から見まして、一般の金融機関では融通しがたいというものが
公庫
の対象として取り上げられるというのが基本的な
考え方
でございます。
坂本昭
64
○坂本昭君 そうすると、その困難ということの中に、たとえば
償還能力
、
償還
の可能性あたりが非常に乏しい、そういうことも入ってくるわけですか。
磯江重泰
65
○
説明員
(
磯江重泰
君) 金融でございまして金を貸し付けするわけでございますから、やはり
償還
されるということは当然の前提でなければならないわけでございます。ただ、
償還
の見通しにつきましてこれはもう全く安全であるというものか、あるいは事業の
見込み
等について多少不確実な要素がある、あるいは信用力について必ずしも万全でないという点がある。従って、一般の金融機関としては金融ベースからいうと多少むずかしいというようなものにつきまして
公庫
が貸すということになるわけでございますが、全然これはもう返る当てがない、初めから返る当てがないというものは、金融でございますからこれは初めから対象にならない、こういうことでございます。
坂本昭
66
○坂本昭君 それでは特にこの金融というものは、もちろんもうかることが本来の目的でしょうけれども、やはり再々大蔵大臣も言われるが、公共福祉のためというやつですね。だから、公共福祉のために特に非営利性のもとに基づいている事業、そういう場合にはその非営利性というような立場も場合によればこの「困難とする」という
一つ
の
条件
の中に入って、全然もう戻らないということの場合は、これは例外としてそういう場合には、いわば優先的な
貸付
の対象となり得ると、そう理解してもよろしいですか。
磯江重泰
67
○
説明員
(
磯江重泰
君) 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、営利性云々ということは申し上げなかったのでございますが、その営利的であるとか、あるいは非営利的であるということはやはりその
採算
と申しますか、あるいは融資を「困難とする」場合の
条件
いかんということを申し上げましたが、その裏から見た点もあるわけでございまして、非営利的ということは利益を追求しない、従って、
採算
ということのぎりぎりのところでやっていくものであるということになるわけでございますから、それからまた、医療の場合は別でございますが、いろいろ公共性なり非営利的な事業で、何といいますか、収入面が抑えられるという面があると思います。そういうものにつきましては、やはり経費の面をなるべく低くしていかなければならぬ。そのためには
金利
等も低くしていかなければならぬというような要請が伴うものがあると思います。そういった点につきましてもやはり融資を「困難とする」という場合には当然考えられる要素になると思います。
坂本昭
68
○坂本昭君 次に、この国民
金融公庫
法では十条に国民金融審議会という制度があります。これは
中小企業金融公庫
にはありませんが、今度の
医療金融公庫
にもありません。これはどういうわけで作り、また、どういうわけで今度の
医療金融公庫
には省かれておりますか。
磯江重泰
69
○
説明員
(
磯江重泰
君) 国民
金融公庫
はその目的にも書いてございます通り、国民大衆に対して
資金
を融通するという目的を持った機関でございまして、国民大衆と申しますのは、国民の各般にわたり非常にバラエティに富んでおるわけでございます。そしてそれらに対して融資を行なう機関でございますが、主務官庁といたしましては
大蔵省
が唯一の主務官庁でございます。従いまして、
大蔵省
がこういった国民各般の層に対しまして十分滲透し、そして
バランス
のとれた金融を行なうというためには各部面の御意見を伺って、それを審議会の形で伺いまして、それによって運営していくということが適当であろうという見地から、このような審議会が特に国民
金融公庫
につきましては設けられておるわけでございます。で、今度新設されます
医療金融公庫
につきましては、すでに法律に明記されております通り、大蔵大臣のほか厚生大臣がその主務大臣となっておられるわけでございまして、その事業の主管大臣が、主務大臣が直接入っておられるわけでございますから、特に国民
金融公庫
と同じような意味での審議会というものを設ける必要はないわけでございまして、医療行政の見地からの意見は
厚生省
におきまして十分直接的に反映せられるわけでございます。もちろん
厚生省
がその場合におきまして
厚生省
独自の立場から、あるいは医療行政という見地から審議会を活用なさるということは別の形であり得ると思いますが、
公庫
の運営につきましての審議会というものは特に設ける必要はない、かように考えております。
坂本昭
70
○坂本昭君 それでは、今回の
医療金融公庫
の特殊性にかんがみて厚生大臣も主務大臣となっておって十分に厚生行政の実をこの
金融公庫
の働きの中に発揮させることができると、そういう見地のもとにこれはもう省かれる、そう理解してよろしいのですね。
磯江重泰
71
○
説明員
(
磯江重泰
君) その通りでございます。
坂本昭
72
○坂本昭君 次に伺いますが、第四条に、これは先ほども問題になりましたが、「
公庫
の資本金は、十億円とし、政府がその全額を出資する。」この資本金の変更、増額、これが法律
改正
についてはここではすでに問題になりましたからお尋ねしませんが、増額の見通しにつきまして、特に
大蔵省
当局の見解を承りたい。
磯江重泰
73
○
説明員
(
磯江重泰
君) ただいまの御質問に対する答弁は、先ほど私が来
年度
公庫
の
資金
繰りがとうなるかという点につきまして申しましたことに尽きるかと思うのでございますが、本
公庫
は、今後とも事業を継続していくためには資本金の増額は、金融機関として当然必要になろうということを申し上げてお答えとしたいと思います。
坂本昭
74
○坂本昭君 それでは次の
説明
、二十四条の借入金の問題、これについてもおそらくは同じような御答弁が、先ほども申されましたが、特に伺いたい点は、今回は
資金
運用部
資金
から出されておりますが、今後もやはり
資金
運用部
資金
から出される、そういうことになるという見通しですか。
磯江重泰
75
○
説明員
(
磯江重泰
君) 現在
金融公庫
等に対します財政投融資の原資といたしましては、
資金
運用部の
資金
と簡易保険の
資金
と両方あるわけでございます。従いまして、来
年度
以降も医療
公庫
に対しまする借入金の
資金
の原資といたしましては、こういった財政投融資の一般的な原資が考えられるわけでございまして、当然
資金
運用部
資金
ということが第一義的には考えられるのではなかろうかと思いますが、具体的にどういう
資金
を使うかということはそのときどきの、その
年度
々々の財政投融資
計画
との
関連
においてきまりますので、はっきりとして来
年度
どうするかということまでは申し上げられません。
坂本昭
76
○坂本昭君 大蔵当局に伺っておきたいのは、こういう医療という社会保障に
関連
する問題でございますが、厚生年金の積立金、あるいは来年から行なわれる国民年金の積立金、こういったものを特に優先的にこういうものに回し得るのじゃないか、これは純然たる
大蔵省
当局の意見として承りたい、いかがですか。
磯江重泰
77
○
説明員
(
磯江重泰
君) ただいまの御質問に対しましては、私がちょっと御答弁いたす立場にはないわけでございますが、ただいま
お話
のございましたような
資金
は、現在のあれでいきますと、
資金
通用部の原資として考えられておるのでございます。それを優先的にどの
程度
ということにつきましてははっきり申し上げることはいたしかねるのでございますが、そういうようなことも考慮に入れつつ運用がなされるのであろうということを私の立場としては申し上げたいと思います。
坂本昭
78
○坂本昭君 それでは
最後
に、厚生大臣に伺っておきたいのですが、この
公庫
の役員が五名きまっております。七月の一日からこれは発足して八月十五日からたしかもう金融が始まる、そうしますと、あと一カ月ちょっとしかない。私も新しいこの
厚生省
の
仕事
をやったことがありますが、発足の一カ月、二カ月前から関与しなければ
仕事
ができない、当然役員は私はきめられているのじゃないか、内定しているのじゃないかと思いますが、いかがですか。
渡邊良夫
79
○国務大臣(渡邊良夫君) 業務の開始はたしか八月十六日というように記憶しております。役員につきましては、これは目下この法案が通りましたならば、
大蔵省
当局とも相談をいたしまして、各種の事情等も考慮いたしまして、できるだけすみやかにまず当初
理事
長となる者を選定いたしまして、その後に逐次すみやかに決定いたしたい、かように思っております。
坂本昭
80
○坂本昭君 それでは、ほぼまあ人名をあげるわけにはいかないでしょうが、ほぼ内定の線のほどには進んでおられると私は思うのですが、その
程度
の準備をしていなければ、先ほど来他の
委員
からも指摘されましたが、いろいろな点で不十分な点が多い。さらにまた、この
理事
長、そういう人選においても不十分なことがあれば、いよいよもってわれわれとして安心ができませんので、一応その点をどの
程度
に進んでいるのかということをお聞きしておきたい。
渡邊良夫
81
○国務大臣(渡邊良夫君) 人事の点でございますので、どの
程度
まで進んでおるかということにつきましては、ちょっと申し上げられる段階ではございません。
坂本昭
82
○坂本昭君 きょうは、先ほど来、午前中からいろいろ各
委員
から意見が出されましたが、特にその中で無医地区に対する対策がないということは、与党の方からも徹底的に追及をせられた点であります。これはもう繰り返して申し上げることもありませんが、もう三十五
年度
の予算の中においても、特にこれは医務局長の所管のことでありますが、国立
病院
の整備についても基幹
病院
の整備はされているけれども、その他特に僻地における国立
病院
としての
任務
を達成するためのそういう整備費は組まれていない。また、公立
病院
についてもこれは六百床、特に無医地区に作られるべきであるにかかわらず、今年の予算は減っている。また、僻地
診療所
についてもわずか三十六カ所、さらに国民健康保険の直営
診療所
についても、これも昨年よりも予算は減っておる。口を開けば保険局の方では、巡回自動車だとか、巡回船だとか、あるいは厚生大臣は、保健
施設
だとか、そういうことを言われるけれども、全然予算はないのですよ。どこにも組んでいない。そしてまた、今度の
医療金融公庫
というものは、これは無医地区対策のために使われるものではないのであります。こういう無医地区の、人のいない、もうけにならない、非常利的と言うよりも、おそらく
償還
不能の地域に、この
医療金融公庫
を持っていって融資をするということは、これは国の怠慢だと思います。そういうところはずべからく公的な
医療機関
を配置させるというのが
厚生省
としての
任務
だと思うのです。そういうことを全然やらないで、こういう
医療金融公庫
法を出してこられるので、非常な皆さんからの反発を食うわけであります。これはおととい厚生大臣には意見を求めましたが、所管の医務局長はおられませんでしたから申し上げますが、イギリスでも、アメリカでも近年非常に膨大な医療
計画
というものを作って、どの国でも
病院
整備計画
というものを大々的に作っている。たとえばアメリカの場合はヒル・バートン法という法律によって、たとえば僻地に対しては国の負担、それを非常に高める、そういうふうなことによって全部無医地区というものをなくしていく、こういう基本的な法律を作って、それでその年からやるのではなく、その
計画
的な地ならしをやっておいて、そして十年ぐらいでその
計画
通りに仕上げてしまう。こういう
計画
が実は非常に少ないと思うのです。もちろん次長から
説明
があった、たとえば
医師
だとか、
看護婦
あたりのこの
需給
がどんなふうになっているかというようなこともなかなかこまかい計算をしておられて、われわれとしてもこれは無視するものではありません。非常にいい御調査だとは思いますが、しかし、もっと大事なものが欠けているということだけは特に指摘しておきたい。特に高野
委員
から指摘されました二十九億五千万円の
ワク
の問題について、これは私は非常な問題点があると思う。これについては方針は三つしかないと思うのです。
一つ
は、
厚生省
が一定の
原則
に立った方針を立てること、その方針というものは、結局これを高野
委員
も、皆さんが要求しておられる最もこの段階において、国民皆保険をやろうとする段階において、この二十九億五千万円を有利に、私的
医療機関
に融資させるのに一番合理的な
方法
は何かという、厚生当局の皆保険並びに皆医療対策の上からできる
一つ
のプラン、そうしてこれはだれが何と言ったって押しまくるより私はしようがないと思います。これが第一案。それからその次は、やはりここへ
資金
の
需給
調査、例の百三十億というものを出してこられましたが、つまり過去の実績に基づいたものですね、結局これに基づいて、いろいろと各方面から御異議があるかもしれません。――あるかもしれませんが、一応この百二、三十億も要る中で、わずか二割三分くらいのはした金にしかならない二十九億五千万円です。これをどう分けるかということは、これはけんかになることはわかり切っている。だから、これを既成事実に基づいて按分するということだ。何ならこれはこれだということではっきり方針をお示しになったら、これでも私は納得できると思う。場合によれば、この既成事実というものは不合理だという御批判があれば、その批判に対するあなた方の反駁を作ればいい。医務局の
説明
を聞いていると、結局百三十億に対して今までのこの内容を見ますというと、たとえば
病院
関係
が五十一億、
診療所
関係
が五十億、
歯科
関係
が二十三億、それから共同
施設
が十六億、薬局
関係
が四億と、大体こういう按分で二十九億五千万円を分けていけば一定の比率のものが出てくる。一定の比率のものが出てきて、それを今度あなた方のように三分の二を
病院
並びに
診療所
の新改築に回すか、あるいは二分の一を回すか、どっちにするかわからぬと言っていましたね。しかし、私はこれはけしからぬと思う。私は三分の二の原案をとるべきだと思う。というのは、あなた方の調査表を見ると、三分の二よりももっと多い比率で
病院
なり
診療所
の方が作られているというのを、半分にするというのは私は誤っていると思う。そういうふうな既成事実に基づいて二十九億五千万円を分けるのだ、こういう態度も私ははっっきりしていると思う。一番いかぬのは、全部あいまいのうちに厚生大臣の政治的配慮によってつかみ取りにして分けてしまうということですね。こういうことをしたら、もうこの次にはたたきつぶします。これは山本先生はひどく早くあげろということでしたけれども、一番おそろしいのは、この政治的な配分であって、こういうことをしたのでは、もう将来
大蔵省
の信用も失ってしまうので、これはぜひとも先ほど述べました
厚生省
のオリジナリティのある方針で押し切るか、あるいは既成の事実で押し切るか、いずれかをとるよりほかに道がないのではないか、それについて厚生大臣の御意見を
一つ
承っておきたい。
渡邊良夫
83
○国務大臣(渡邊良夫君) 公正かつ適正な運営を遺憾なくいたしたいと、かように考えます。
坂本昭
84
○坂本昭君 政治的配分はいたしませんか。
渡邊良夫
85
○国務大臣(渡邊良夫君) 政治的配分はいたしません。
藤田藤太郎
86
○
藤田藤太郎
君 ちょっと、それは厚生大臣は
厚生省
の立場でやると言われるけれども、こういう状態の中で一日も早く推進しようというわれわれの考え、これは野党も与党もないと思う。そういうことはいつじゅうにどうするという、この
委員会
にどういう格好でやるかということを了解を得て、そうして実際に
委員会
で意見を聞いて、どういう工合に実施するかという問題は、もう少し具体的に言ってもらわなければそれは困る。
加藤武徳
87
○
委員長
(
加藤武徳
君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
加藤武徳
88
○
委員長
(
加藤武徳
君) 速記を始めて下さい。
渡邊良夫
89
○国務大臣(渡邊良夫君) これは先ほども申しましたように、主務官庁と
公庫
との間においてやることでありまするけれども、しかし、前提といたしましては、指導要綱をすみやかに私どもの方で作成いたしたいと考えております。今も大体において考えておるのでございまするけれども、先ほどから申しました、事務当局が申しましたのがまだはっきり皆様方の御納得がいかないような節もございまするので、すみやかにその点を、指導要綱を作らして皆様方に御提示いたしたいと、かように考えております。
坂本昭
90
○坂本昭君 そのことは、私たちが確認のできた配分の方式で融資をやるということになってもらわなければ、われわれとしては納得ができません。つまり
公庫
ではこの
厚生省
でできたその配分方式に従っていわば電気計算機でただ計算するだけで配分のできるような、そういうことにしておいていただきたい。この人がどうだから、あの地区はどうだからということでなくて、そこに客観的な
条件
で融資のできる、そういう指導要綱を作っていただきたい、そういうことでございますが、それでよろしゅうございますか。
渡邊良夫
91
○国務大臣(渡邊良夫君) 十分その趣旨の線に沿うて努力をいたします。
加藤武徳
92
○
委員長
(
加藤武徳
君) ちょっと速記をとめて下ざい。 〔速記中止〕
加藤武徳
93
○
委員長
(
加藤武徳
君) 速記を始めて下さい。まず
委員
の
異動
を報告いたします。五月十九日付をもって
久保等
君が
辞任
し、その
補欠
として
江田三郎
君が選任されました。 ――
―――――――――――
加藤武徳
94
○
委員長
(
加藤武徳
君) ただいま議題になっております
医療金融公庫法案
につきまして、他に御発言もないようでありますから、
質疑
は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
加藤武徳
95
○
委員長
(
加藤武徳
君) それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見等おありの方は討論中にお述べを願います。――御意見もないようでありますから、討論は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 『異議なししと呼ぶ者あり〕
加藤武徳
96
○
委員長
(
加藤武徳
君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより採決に入ります。
医療金融公庫法案
全部を問題に供します。本案を
内閣提出
、衆議
院送付
案の通り可決することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
加藤武徳
97
○
委員長
(
加藤武徳
君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって
内閣提出
、衆議
院送付
の原案通り可決すべきものと決定いたしました。 この際、厚生大臣から発言を求められております。これを許可いたします。
渡邊良夫
98
○国務大臣(渡邊良夫君) このたびこの
医療金融公庫法案
を皆様方の御審議にお願いいたしまして、ただいま可決をいたしていただきましたことにつきまして、心から感謝をいたす次第でございます。 先ほどからの御意見等も十分尊重いたしまして、これが使命の達成、完全なるところの運営面におきまして十分なるところの努力をいたしたいと、かように考える次第でございます。
加藤武徳
99
○
委員長
(
加藤武徳
君) なお、
議長
に提出する報告書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
加藤武徳
100
○
委員長
(
加藤武徳
君) 御異議ないものと認めます。 本日は、これで散会いたします。 午後一時四十五分散会