○吉武恵市君 けさほど来、三池炭鉱について
質問になりましたおもな点は、
警察官の出動についてであったと思うのであります。で私ども
争議に
警察が入ることは好ましくない。できるだけ避けたいということはこれは常識であります。ただ、今回の三池の炭鉱につきまして、私も
現地に行って
事案を
調査をいたしました。行ったのが二十八日、九日の事件後でございました。第一組合にも私参りまして組合長にも会いました。組合長のそのときに話しましたことは、
警察がもっと早く手を出してくれれば、ああいう惨事が起こらなかった。手ぬるいということをはっきりと言っておられます。これは私だけではございません。第二組合の組合長も私会いまして、第二組合の組合長は真剣に二十八日のあの暴行傷害についてほんとうに訴えていたのであります。市民について尋ねてみましたが、市民の方も非常に恐怖におののかれておった。でありまするから、私は普通の
争議にすぐ
警察が出るということは、これは極力差し控えていただきたいのでありまするけれども、あれだけの刺殺事件を起こし、そうして二百数十名の負傷者を出して、中には重傷者が相当出ております。これだけの事態を引き起こしておりながら、なおかつ
警察が出るのはけしからぬじゃないかということは、私はいかがかと思うのであります。従いまして、私は労政
局長なり、あるいは
警備局長にお尋ねをいたしますが、ただいままでの社会党の方の
質問に対してのお答えでは、私はさほど心配はいたしませんが、とかく
争議がございました
あとで、
国会内の論議が
警察官の出動について批判的な態度が行なわれる、行き過ぎについて行なわれることは私は当然であると思います。しかしながら、その際の
答弁の苦しさとか、あるいは暗々の威力に屈しられて、もし
警察が従来のような消極的な態度に出られますると、私は今後三池の
争議において第二、第三の事件が起こると私は心配しております。でありまするから、あなた方もまじめに真剣に、いやしくも
警察は不当に干渉はしないぞというはっきりした原則を立てられると同時に、どんなことを言われようと、人命の救助に対しては
自分たちの与えられた使命であるというはっきりした信念を持って私は当たっていただきたいのであります。けさほど聞いておりますると、四月十八日のあの入構について、相当多数の
警察官が出られました。
ピケはわずか十三名余りであったのだと、何らの
抵抗もしなかったのにそういう処置をしたのはけしからぬじゃないかという御批判があったようであります。それ自体を見ますると、私は少し大げさなような気がいたします。しかし、二十八日、九日のあの事件を私ども直後に行って見た感じから見ますれば、当然の処置であるように私は思う。これは立場を異にされる方々には違った御見解があるかもしれませんが、それほどのかまえをしなければ、流血の惨事を防ぐことは私は不可能である、かように
考える。現に一十八日の
三川鉱の事件でありますが、私どもの調べたところによりますと、
三川鉱の五分か十分かを隔てた神社に千数百名の
警察官がいた、直前にきていた。そこへ第二組合の千五百名ぐらいの
組合員が出動といいますか、入構しようと思って出かけたのを私は知らないはずはないと思う。しかし、もしその前に
警察が出るというと、また
警察が不当に干渉するであろうという批判を受けるであろうと、これは私の推察でありますけれども、そういう気持でやや時間を手間どつた、それがために、わずか十分か十五分の差でおくれていったために、第二組合の人とぶつかって、あれだけの事件を起こして、
新聞にはあまり出ておりませんが、私はここに
報告も持っております。いずれ明らかになるでありましょう。
ピケも相当これも必死でありましょう。お互いの立場を異にするのですから、必死であるということは私どもも想像がつくけれども、そのぶつかり合いがあれだけの青竹やこん棒でけがをさして、それでもなお第三組合の人はそのすきにかきを越えて中に入ったのです。相当の鉄柵です。二丈くらいあるその鉄柵を越えて中に入った、中には年寄りもいたようです。それほど立場は違うけれども、第二組合の人としてみれば、働きたいのは一生懸命です。働かなければ食えない。これも私は第二組合の立場に立つ人から見れば、正当の行為である。そうして入ったのを
あとから追い打ちをかけてあれだけの事件を起こしたようであります。ですから、
ピケが門前でやったなぐり合いというものが相当であっただろうと思いますけれども、そのときのなぐり合いの事件による傷害というものは、私はまあそう大きい重傷にはならなかった、中に入っておるのを行ってなぐったのが、あれだけの重傷になっておるのであります。でありますから、(「違う、違う」と呼ぶ者あり)違えば、その事実が
あとで明らかになると思います。私どもの
調査したところによりますと、間違いはございません。でありますから、四月十八日の事件を見まして、結果的にいえば
抵抗しなかったから、こういうことでありますが、それは結果を見てからのことでありまして、もしあのときに
抵抗がなかったからといって、今後もし油断をされると必ずやります。これは私の推測ですけれども、それは第一組合の者は第一組合で必死の点がございます。第二組合としても、ただ日にちをむだに食うということは、おそらくできない。そうすれば必ずぶっつかる。それをお互いにぶっつからせれば、目の前にけが人を出すだけです。罪人を作るだけです。
警察官は気の毒だけれども、
警察官が間に立って、けが人を出さないようにして処置をするということは、私は当然だと思う。でありまするから、
先ほど来からの質疑の点はございましたが、私は最後に
警察当局や労政当局に申します。
警察が不当に干渉をすることは極力避けると同時に、人命の救助についてはどんなことを言われようとも、国が責任を持ってけが人を出さないように、そういう処置を講じていただきたいと思いますが、いかがでありますか、もう一度最後に両方の当事者の方からお答えを願いたいと思います。