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1960-02-16 第34回国会 参議院 社会労働委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月十六日(火曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     加藤 武徳君    理事            高野 一夫君            吉武 恵市君            坂本  昭君            藤田藤太郎君    委員            鹿島 俊雄君            勝俣  稔君            紅露 みつ君            谷口弥三郎君            徳永 正利君            山本  杉君            秋山 長造君            片岡 文重君            小柳  勇君            田畑 金光君            村尾 重雄君            竹中 恒夫君   国務大臣    労 働 大 臣 松野 頼三君   政府委員    労働大臣官房長 三治 重信君    労働省労政局長 亀井  光君    労働省労働基準    局長      澁谷 直藏君    労働省婦人少年    局長      谷野 せつ君    労働省職業安定    局長      堀  秀夫君   事務局側    常任委員会専門    員       増本 甲吉君   説明員    労働省職業安定   局職業訓練部長  有馬 元治君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○労働情勢に関する調査  (昭和三十五年度労働省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それではただいまから委員会を開きます。  労働情勢に関する調査の一環として、昭和三十五年度労働省関係予算に関する件を議題といたします。  前回に引き続いて質疑をお願いいたします。おありの方は順次御発言を願います。  なお、政府からはただいま松野労働大臣三治官房長亀井労政局長渋谷労働基準局長堀職業安定局長村上労災補償部長有馬職業訓練部長等出席をいたしております。
  3. 小柳勇

    小柳勇君 この前の質問に続いて炭鉱離職者の問題をもう少し質問していきたいと存じます。この前の質問関連したものから二、三質問して参りますが、要請によって今炭鉱離職者援護会役員及び幹部職員の名簿がここに出されております。これを見ると、ほとんど会社の社長、重役などと役人ということになりますが、こういうようなことで炭鉱離職者、すなわち労働者離職援護というものが、自分のものとして完全に援護対策できるものと労働省はお考えになっておるかどうか。
  4. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 援護会の任務は、先般の法案で御審議をいただきましたように、援護業務という、雇用の吸収ということを目標にしておりますので、なるべく各産業界協力を得られるということを第一前提にいたしまして、同時に、やはり労働者方向としましても、内容をよく知っておる方という意味で、この役員以外に協力員という制度を置いたことは御承知の通りでございます。さらにこの運営が一方的になってはいけないというので、運営委員会経営委員会のようなものを置けという附帯決議もございました。その趣旨に沿っていわゆるこれには三者構成と申しますか、労働者の立場を十分認識できる代表者の方を入れまして、経営委員的な方向内容のための制度法案以外に運営上において考えて参りたい。こういうものはこの役員の中には出ておりませんけれども、先般の協力員経営委員というものに参加をしていただくということで私たちは万全を尽くしたい、こう考えております。
  5. 小柳勇

    小柳勇君 職業安定所あるいは労政事務所——労政事務所の方は監督官庁ですけれども職業安定所など、そういうものと、こういう役員並びに幹部職員とが密接に連携をとっていけるものと考えておられるかどうか、大臣質問しておきます。
  6. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 職安とは十分連携をとりまして、できれば職安の同じ窓口の近くにこの援護会のものを派遣して参りたい、事務もできれば同じところでやりたい、こう考えておりますが、必ずしも職安行政援護会と同じ仕事じゃございませんので、まあ私の気持としては、同じ窓口援護会からも出張をして、同じ書類を基礎としてやるのでありますから、一緒にできれば仕事もさせたい、こういう気持でおりますが、必ずしも建物が一緒かどうかは、それは仕事性質上おのずから差はございまして、ことに集中的な炭鉱地方における職安においては、同じところで私は事務も並べておきたいという気持で今整備をいたしております。
  7. 小柳勇

    小柳勇君 関連して協力員などを委嘱される場合に、たとえばかつて労働組合役員であったとかあるいは地方議会議員であったとかというような方で非常に有能な、しかも世話のできるような方を出すべきであると思うが、そういう人を協力員に頼む場合の基準といいますか、そういうものについて何か労働省の方でワクのようなものでも考えておられるのかどうか。
  8. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 協力員の委嘱は、私の気持としては炭鉱労務者経験された方、今日の役職がどういうことかそれは別であります。今日の地位がどうかということは別であります。いわゆる全然炭鉱労務者経験のない方という意味じゃない、炭鉱労務者内容を知り、その労働経験を有する方を私たちは委嘱したい。従って、幹部とか、労働組合とかという差は、私は毛頭考えておりません。今日の地位としてどういう肩書きの方か知りませんけれども経験としていわゆる労務者に理解のある方、労務者経験を経た方あるいは労務者から信頼を得た方ということを基準協力員の方を各炭鉱会社及び炭鉱関係者から御推選いただくのであります。私の方で、組合とか、幹部とか、そんなことはこの法案に関する限り毛頭考えておりません。もともと趣旨労務者援護でありますから、私たちはそういう気持で、基準で各社に御推選いただきたい、こういうことで今せっかく人選について御協力を得ているところであります。
  9. 小柳勇

    小柳勇君 協力員などが実際現場第一線部隊であり、尖兵ですから、私の言わんとするところを十分労働省としても汲んでもらって、適材適所、ほんとうに就職の世話ができる人、転職の世話ができる人を委嘱してもらうように希望して、次の質問に入ります。  第二の質問ですが、この前、離職者職業訓練に対して実情調査してもらいたいと言っておきましたけれども飯塚並びにその他の職業訓練所が、費用がない、あるいは講師が適当でないなどで、職業訓練の効果が上がらぬ、そういうような実態がありはしないか、調査されたならば、その報告を聞いておきたいと思います。
  10. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) 御指摘の点につきましては、実は、先週から労働省の係官を現地に派遣しております。おそらく今週中に戻ってくると思いますが、それを聞きまして善処いたしたいと考えます。  なお、職業訓練所につきましては、これはものによりましては、この一月の末もしくは二月の初めから開所いたしたものもございますし、それからあるいはこの四月から開所するものもあるわけでございます。この一月の末もしくは二月の初めに開所いたしましたものにつきましては、まだ開設早々のことでございますので、機械その他の施設がまだ不十分な点もございますので、こういう点につきましてはただいま鋭意その整備を急いでおりますので、なるべくすみやかにその内容も充実いたしまして、この前御指摘のようなことのないように一つ努めて参りたい考えでございます。
  11. 小柳勇

    小柳勇君 実際離職者というのは発生しているのでありまして、失業保険も切れるということで、職業訓練は、これから講師を探しますとか、設備を充実いたしますでは間に合わないような情勢であります。そういう切迫したものに対して、今の局長の答弁は、今、鋭意研究中であるというようなふうにとれますが、そうしますと、その失業者については、失業保険が切れたならば、暫定的でも、この際、職業訓練が充実するまで見ていこうというような具体的な対策でも考えているのかどうか。
  12. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) すでに増設いたしました訓練所におきましては、たとえば飯塚、直方には約八十名ずつ、それから小野田、佐世保、磐城等には約四十名程度、すでに入所されております。先ほど申し上げましたのは、機械その他の施設につきまして、まだ不十分な点がございますので、その点を整備して参りたいという考えでございます。訓練そのものはすでに開始しているわけでございます。なお、すでに入られました者につきましては、実は失業保険が切れましても、職業訓練手当、これを援護会から支給することになります。この援護会業務も、この前御指摘にありましたが、すでに準備を全く終わりました。九州はこの十六日、ちょうど本日でございます、窓口を一斉に開きまして、職業訓練中の訓練手当、それから移住資金、こういうものにつきましても一斉に業務を開始いたしました。これは十二月十八日にさかのぼりまして支給を行なうということになりますので、ただいま御指摘のような点につきましても、だいぶこの業務開始によって、潤おって参るであろう、このように考えております。
  13. 小柳勇

    小柳勇君 発足したのは喜ばしいことですが、すでに二カ月ですね。それでも、私ども現場に参りまして、何しているか、せっかく法律ができたけれども移住資金ももらえぬではないかという苦情を聞いておったことも申し上げておきますが、私が質問しているのは、職業訓練を受けている人たち失業手当が切れて、職業訓練手当ではやっていけないというような諸君に対して、そういう延伸などを考えられたかどうか、そのことを具体的に質問しておるわけであります。
  14. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) ただいまの考え方といたしましては、訓練手当、これは大体一日二百三十円程度でございますが、これを支給いたしまして、これで職業訓練をやっていただきたい。もとより十分ではございませんが、職業訓練中のいろいろな費用一助にしていただきたい、このように考えているわけでございます。なお、失業保険がすでに切れたものについて、職業訓練中の者についてあるいは失業保険の期間を延長すべきであるというような議論もございます。これにつきましては、そのような緊急性もありまするので、われわれの方としましては検討しているわけでございますが、さしあたり、ただいまの考えといたしましては、職業訓練手当支給することによって訓練中のいろいろな費用一助にしていただきたい、このように考えておるわけであります。
  15. 小柳勇

    小柳勇君 職業訓練手当二百三十円については、これは私が言うよりも、現地責任者言葉を率直にそのまま受け継いでおきますが、大牟田の市長と先日会いまして、非常に切々として訴えられたのは、二百三十円では遠方に職業訓練を受けに行く人がいない、このことは国会の中で十分もう一回論議してもらいたいという切なる陳情を受けておりますから、これは私どもの言うよりも、そういうふうな現地で苦労している県知事とか市長言葉を率直に伝えて、考えていただきたいと思います。  それに関連して、昨年の十二月十六日の社会労働委員会吉武委員提案されました附帯決議です。満場一致で三項目附帯決議決議されましたが、この決議について、二カ月の間に政府当局はどういう措置をとられたか、お聞きしておきたいと思います。
  16. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) この委員会におきまして前の臨時措置法成立の際に附せられました決議につきましては、御趣旨を十分尊重したいと考えまして、いろいろ努力しております。特にこの第一の「鉱業権者炭鉱労働者雇入れに関しては、単なる訓示規定にとどまらないよう、その実効をあげること。」という点につきましては、これはまことに御趣旨ごもっともでございまするので、大手、中小炭鉱代表者を集めました機会にこのような趣旨を十分徹底さしておりまして、なお、現地労働それから職業安定課長、これも最近集めまして会議をいたしましたが、その際にも十分これを徹底するようにしておきました。  それから、第二の「一般職業訓練所費用については、地方公共団体負担を軽減すること。」という点でございまするが、これは、炭鉱離職者臨時措置法に基づく炭鉱離職者職業訓練所の経費につきまして、三分の二の補正予算が計上されておるわけでございますが、これを実質上五分の四に上げるということを目標にいたしまして、その差額援護会から都道府県に対して補助をいたす、そういうことに決定をいたしました。  それから、第三番目の「生業資金借入の保証」につきましては、これも援護会相談業務におきまして最も大事なことでございまするので、援護会支部を開設すると同時に、この生業資金中小企業金融機関その他から、あるいは国民金融公庫等から借り入れまする際に、援護会がこの仲立ちをいたしまして、この借り入れが十分に、また、早く行なわれまするように、援護会として積極的に御相談に応じていろいろなあっせんをいたしたい、このように考えている次第でございます。
  17. 小柳勇

    小柳勇君 第一項については、いつ、どういう会合であったかという点、それから第二項については、決定の日と、それからどういう通達を処置しておられるか、もう少し具体的に説明願いたいと思います。
  18. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) まず第一の問題でございますが、現地職業安定課長には、一月のたしか二十二日だったと思いまするが、東京に招集いたしましてこの離職者問題を詳細指示いたしましたときに伝達してございます。なお、二月二日に労働部長も集めましてその旨を徹底さしております。なお、炭鉱業界につきましては、これも日をちょっと忘れましたけれども、たしか二月の初めでございまするか、業者の集まりがございましたときに、その旨を労働省からも特に要望しておきました。  次に、二番目の一般職業訓練所費用につきましては、これは、援護会におきましてその差額補助するということを、これは大蔵省とも相談いたしまして決定いたしましたので、援護会業務方法を指示いたしまする際、これも一週間ばかり前のことでございますが、現地支部長支所長を集めまして会議をいたしましたその際に、援護会から現地支部長支所長に通達いたしたところでございます。
  19. 小柳勇

    小柳勇君 それからこの附帯決議の裏に、二百三十円の訓練手当も少ないので適当に考えようというようなこともあったのですが、その問題について、この三十五年度の予算ではなお前進がないようであるが、どう考えておられるか。
  20. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) この点につきまして、まあ二百三十円程度ではなかなか足りないという点もごもっともな点があると思います。この点につきまして、実は政府部内におきましてもいろいろ努力をいたしたのでありますが、予算上はどうも二百三十円の壁をただいまのところ破ることはできないわけでございます。ただし、その代わりに、寄宿舎等に泊られる場合に対し、寄宿舎管理費光熱費等にこの関係の増額になるような予算を計上いたしまして、管理費として流しておる食費等につきましては、この関係から実費よりもさらに安く支給することができるというような方法でまあ事実上の補いをいたしたわけでございます。なお、われわれといたしましては、今後ともさらにこの向上につきましては努力する考えでございます。
  21. 小柳勇

    小柳勇君 それはどのくらいですか、その金額が上がりましたのは。
  22. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) その点につきましては、これは結局現地職業訓練所管理費として流しますので、それが正確にどのようになるかということは、ちょっとただいま資料がございませんけれども、大体、ただいままでの総合職業訓練所あたり食費が九十円程度でございまして、実費でございます、これをまあ少なくとも十円ぐらいは安くすることができまするように管理費の中で組みたい考えでおります。
  23. 吉武恵市

    吉武恵市君 ただいまの質問関連して私も一言お聞きしたいんですが、先ほど小柳君から御質問がありましたように、この訓練手当が二百三十円では少ないというのは、この前の国会のときにも議論になったところで、炭鉱で失業してせっかく更生をしたいというので訓練所へ入るというのは、私は、炭鉱失業者としては非常に奇特な方々だと思うんです。それが、今言うように、遠く離れて二百三十円で実際やっていけないことはもう事実なんで、それを無理をして行けといっても、これはなかなか容易じゃない。せっかく政府があれだけの金をかけて施設も充実してやられるんですから、この点にはもう少し努力をされていいのじゃないかと思うんです。で、この前の国会のときに附帯決議としてはその問題は入れなかったんですが、懇談の際に何とかならぬかということで前局長とも話し合いをしたわけです。今のお話では、その点を光熱費とかあるいは食費等で若干の考慮はされておるようでありますが、十円ぐらいの程度考慮では、私、ただ言いわけ的なような感じがするんですがね。せっかくあれだけの大きい金をかけて炭鉱離職者処置を講じられ、特に訓練所等については相当の金をかけているのですから、それを実際作って利用する者がないということは、これは政府としても実際の施策上私は意味がないんじゃないかと思うのです、それでこれは当時他の一般失業者との関連考慮されて、簡単にできないという点、気がねされているんだと私は思うのですが、大臣こういう点は特に特別の炭鉱離職者について失業者処置を講ぜられたのですから、その点は他にあまり気がねをして実際の効力を発生しないようなことにしないで、もう少し考えられたらどうかと思うのです。で、政府の正規の予算の上からではなかなか簡単にいかぬでしょう。しかし、この炭鉱離職者については特に援護会という団体ができている。団体の金によって弾力性のある処置が講ぜられるのですから、その援護会の方の運用の面においてもう少し、たとえば食事の半額補助をするとか何とかという方法がとれるのじゃないかと思うのですが、どうですか、もう一度御考慮願いたい。
  24. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) この問題は、私も審議の過程においてもたびたび申しましたように、二百三十円で一銭も上げないとか、そういう性質のものでも私はないと思います。ただ予算としては、政府半額出資しておりますので、関係省とも連絡いたしまして、やはり一般会計予算のようにそう単価をうるさく言うわけにもいきませんが、しかし、一応関係省出資政府出資部分もあるわけでございますから、それに関連をいたしましてぜひ私ども考えたい。  なお今度失業保険法の一部改正という問題も出て、この国会におそらく出ると思います。政府提案議員提案か、提案内容はわかりませんが、やはり失業保険法訓練所における訓練生についての失業保険を延期して参りたいと、これもかねてから考えておりました。それと勘案をして、私はこの問題もなるべく善意意味考慮したい。予算編成まではいかんせん、まだ実施いたしましても現実の実況が出ておりませんので、財政当局との折衝においてもなかなかこれは議論がまだ固まっておりません。しかし、ただいまの委員各位お話のように、現実に非常に入所者が少ないというのが単価に影響するから、それは一つ当然私も考えなければならぬ、こう考えまして、まだ実は実施が進んでおりませんから、どういう実情かも調査させていただいた上でこの問題は一般失業保険訓練者に対する失業保険金支給というものとあわせてこの問題も考えて参りたい、こう考えて、私どももまあいずれこの問題は再検討する時期がくると思います。今日ただいま高い安いというわけにもいきませんので、もう少し内容を調べさせていただきたいと、こういうつもりで善意に私の方も考慮したいと考えております。
  25. 吉武恵市

    吉武恵市君 ちょっともう一つ、大体大臣も御考慮になっているようですし、たぶん失業保険との関係があったようですから、その点もあわせて考えなければならぬかと思います。しかし、まあ失業保険改正も今国会に出され、そう簡単に……問題はないでしょうけれども、すぐ通過するというわけにもいかない。日にちがかかると思うのです。それで今の政府予算関係ではなかなかそう他との関係があって、私簡単にいかないと思いますが、幸いその援護会政府半額出資会計以外に民間の寄付金というものを受けておりますから、寄付金をどういうふうに使うかということはこれは会にまかされた私は権能じゃないかと思うのです。ですからそういう点をもあわせて一つ至急に御考慮になったらいかがか、かように思いますので、ただ気づきを申し上げておきます。
  26. 小柳勇

    小柳勇君 この前、局長から答弁聞きましたけれども大臣おられなかったから大臣質問しますが、せっかく交付した金を地方知事なり市がとるが、資材費施設費などが足らないためにその離職対策というものができない。やるためにはもうその倍も三倍もの、国から補助される金の倍、三倍もの金を地方自治体で負担しなければならない。従って、その特別交付ができないとすれば、起債ワクを広げて起債を許してもらわなければ困る、できないと、そういうふうな労力費だけでは失対事業はできないと、こういうふうなことでしきりに訴えておるが、大臣の方針を一つお聞きしたい。
  27. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 緊急就労の実は地元負担金という、こういう特別なものができて、しかも財源としての非常に貧弱な府県、市町村において緊急就労をやるその負担金は非常に困るんじゃないか。これは昨年は特別平衡交付金で、いわゆるめんどうを見たわけであります。三十五年度においても特別平衡交付金及び起債ということで大体自治庁との了解を得ておりますので、どちらになるかということは地方財政によってきめさせていただくということで、とにかく平衡交付金起債地元負担金の一部のものを見るということだけはきまっておりますので、今後あわせてそういう問題も含めて私どもはやっていきたい、そういう考え自治庁には連絡しております。基本的には特別平衡交付金または起債で見る、そういうことになっております。その内容については、各地方財政計画を見てからきめさせてくれということでございますので、一応私は起債特別平衡交付金で見られる部分が相当出てくるんじゃないか。一項目項目についてはなかなか自治庁との連絡がつきませんが、各地方団体財政計画が出てから自分の方で考慮する、こういう実は了解のもとでこの予算を編成いたしましたので、いろいろな場面が出てくると存じますので、善意意味で、よく自治庁においても考えていただきたい、こういうふうに話をしております。
  28. 小柳勇

    小柳勇君 石炭離職者の問題もまだありますが、私だけでもいけませんので、この間の予算案に沿ってもう少し質問を続けていきたいと思いますが、第一は、駐留軍離職者職業訓練費用が五百万円減りました。私ども考えるところによりますと、今現在ですらなお十分でない。それに何らか数字の上で駐留軍関係離職対策訓練費用というものが五百万円、初めから当初予算で減るということは納得できないので、具体的にもう少し御説明を願っておきたい。
  29. 有馬元治

    説明員有馬元治君) 駐留軍離職者訓練費用が二割ばかり減少したわけでございますが、これは最近の駐留軍離職者状況が二、三年以前よりもぐっと減っておりますのと、それから現在三千数百名の規模訓練を実施しておりますが、現実入所者状況を見ますと、離職者入所状況は必ずしも定員一ぱい入っていない、こういうふうな状況を勘案いたしまして、ことしの予算では約五百万円の減を見たわけでございます。これで大体駐留軍離職者訓練といたしましては五百万円ほど減った規模において十分やっていけると、こういうふうに見ておるわけでございます。
  30. 小柳勇

    小柳勇君 私が言うまでもなく御存じでありますが、芦屋キャンプもことし一ぱいには全部なくなる。先日、中央離対協を開いておるようでありますが、非常に中央離対協の動きに労働者諸君は期待いたしておるわけであります。こういうふうな数字の上から訓練費が減少いたしますと、それによって将来を非常に悲観いたしますから、納得のいく線で十分な職業訓練並びに離職対策については離対協などで考えてもらいたい。  それから規模ですけれども中央離対協は県まではありますが市町村にない。市町村まで離対協をおろしていただきたいという要請は中央離対協にいたしておきました。明日また決算委員会でも、要求いたす予定でありますが、そういうものと関連して十分な一つ離職対策考えていただきたいと思います。  それから次の質問は、この予算案の十ページでありますが、一般失業対策事業費の中で労力費というものが二十八円プラスになりました。今まで、昨年までの政府の答弁によりますと、労力費というものはPWによって計算して、基準できめていくから簡単に上げられないということで、そういう答弁一辺倒であった。ところが、今回はPWに関係なく二十八円プラス、引き上げておられるが、その根拠、理由、そういうものをお聞かせ願いたい。
  31. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) 一般の失対就労者の賃金、これは御承知のように、緊急失対法十条の規定に基づきまして労働大臣が同一職種に従事する労働者に通常支払う賃金の額より低く定められることになっております、そこで、現在の失対事業の労務者の賃金の予算単価は、昭和三十二年四月にPWを改訂したことに伴いまして、従来の二百八十二円を三百二円に改訂したほか、同年十月の米価改訂に伴い、三百六円に増額したまま今日に至っておるわけであります。そこで、労働省といたしましては、昭和三十四年八月に屋外労働者職種別賃金調査を実施したのであります。この結果は、詳細ただいま集計中でございまするので、そのうち失対事業労務者の賃金に関係のある部分、軽作業、重作業等をしておる労務者の賃金につきまして、その分を取り急ぎ集計いたしてみますると、その結果を現在のPWの算定方式によって試算してみますると、結局現在の賃金よりも大体九%ないし一〇%程度の上昇になっておるという結果が速報的にわかるわけでございます。その結果を参考にいたしまして、PWの方では、屋外労務者の賃金調査全部の集計が近く完了いたしまするので、これを待って正式に改訂が行なわれると思いまするが、失対労務者の賃金につきましても、ただいまのような結果でございまするので、この趨勢を見込みまして、現在の昭和三十二年十月の三百六円に対しまして九・一%の上昇を見込み、二十八円というものを増額する。このような予算を計ししたわけでございます。
  32. 小柳勇

    小柳勇君 上げられたのだから文句はないのですが、今まではPWを主としてたてにして上げない、上げないで押して来られた、今度は関係なく上げて来られた。そういうふうな尺度というものが適当に作られるような気がしてなりません。それともう一つは、上を見ますと、最近の雇用情勢から一万八千人失業者が減るものと考える。こういうふうなことで、そうしますと、二十八円プラスするけれども、一万八千人減少ということでは、トータルにおいてはあまり変わらぬ。こういうようなからくりがあるような気がしてならないわけです。これは岸総理大臣の施政方針演説でもありましたし、経済企画庁の報告にもありましたが、非常に経済を楽観的に見てある。そういう楽観的に見て、経済の伸びは一応数字的に見れようが、失業者の数も非常に楽観的に見て、減るものと考え予算を組んである。そういうものは私ども納得できないわけです。一万八千人減るものと見る。そういうものをもう少し具体的に、経済的に数字的に統計的に説明願いたいと思います。
  33. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) ただいまのワクの問題でございまするが、これは最近の日雇い、労働市場の状況を見てみますると、就労総延べ数は、民間事業では、たとえば三十三年の四月から十一月を平均いたしましたものと、三十四年の四月から十一月を平均したものとを比べて見ますると、一カ月平均の総延べ数は、民間事業におきまして百五十六万二千人から二百二万人、四十五万八千人の増加になっておるわけでございます。また、公共事業につきましても、四十万八千人から四十六万七千人と五万九千人の増加になっておるわけでございまして、これを反映いたしまして、就労率が最近非常に高くなっておる。こういう状況でございます。そこで、来年度におきましても本年度と同じような経済の好況が一応続くということを見込みまして、最近の景気の動向、それからただいま申し上げました民間就労、日雇いの増加の傾向等を見込みまして、大体三十四年度と同数の月間二百万人というものを見込んだわけでございます。その結果、民間就労の日雇いが増加するということになります。また、一面におきまして公共事業、それから、財政投融資等につきましてもこれは御承知のように、予算額が約二割程度増加しております。これを見込みまして、公共事業につきましても三十四年度の見込み五十万の一割増の五十六万人というものを見込んでおるわけでございます。  以上のようなことを含めまして日雇い労働者全数に対し三十四年度と同じく月間二十一・五日の就労日数を確保するための予算規模一日平均二十四万人、このように見込んだわけでございます。その結果、昨年度の予算に比べまするとワクとしては減っておりまするけれども、これはただいま御説明いたしましたように、民間就労の伸び、それから、公共事業等における吸収の増加というものを見込みますると、その一万八千人のワクは減少になっておりますが、その方の伸びによりまして十分補えるものではないか。このように見込んでおるわけでございます。
  34. 小柳勇

    小柳勇君 大臣一つ質問しておきますけれども、各官庁あるいは公社、あるいは会社など合理化政策をどんどんとっておる。一つの官庁、たとえば国鉄ならば国鉄だけをとりましても、志免炭鉱だけとっても一千人からの配置転換をやる、あるいは電通がやる、各官庁やあるいは会社などが経営合理化で人減らし政策をとっておって、しかも学校卒業者は年々同数ぐらいずつ卒業してくる。こんな、まあ男女の平均年令が増加いたしまして、五十五才定年でやめた方がまたそういうふうな職業紹介所などに登録して働く場面も考えられる。政府考えるように一般失対事業というものは、単に今数字を言ったようなことで減少と見る、数字の上から減少と見るということについては、私どもとしてはまだ了解できないわけです。大臣一つもう少しそういう問題、この労働人口というようなものからもう少し大臣の見解を聞いておきたいと思います。
  35. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) いろいろ統計上の説明はただいま局長からいたしましたように、概略的に考えまして昨年度も御承知のごとく、伊勢湾台風というもので既存の失業対策経費の中から伊勢湾台風をまかないまして、それからさらに、五千五百人の炭鉱離職者緊急就労というものももちろん同じような性質でございましたからやはりこの中に加えられるものだと思います。今回は七千五百人の緊急就労ということになれば、一番問題はやはり石炭鉱業でございますから、石炭鉱業の離職者をなるべく一般失対に落ちないようにするということが大きな目標であります。そうすれば、一般失対の人員にさらに炭鉱のこの離職者をなるべく加えないようにという意味で各般の施策をとる。従って、一般失対には、なるべくふえないという対策を立てたわけであります。  第二番目には、やはり公共事業及び特失、臨就という公共事業になるべく吸収する、伊勢湾台風の災害復旧工事も相当順調に進んでおりますので、これに対してある局部的には災害公共というものが相当伸びてくる。そのほかに一般的に相当今年は公共事業のワクがふえております。それによって雇用を吸収する。これは労働大臣としては当然、一般失対よりもより前進した政策を立てるために吸収人員をそちらにふやしたわけであります。  第三番目には、それでは一般失対の特殊性からいうと完全失業者の数とか、雇用数から見ると、私は一万八千以上、もっと減ってもいいと思うという数字が出て参ります。しかし、一般失対はなかなか地域的、居住的、あるいはその特殊性からいいましても、年令が高年令者でありますから、そういう統計だけで減らすならば二万以上の数字も統計から出て参ります、減少の数が。それは無理でありますから、一万八千と私はかたく踏んで、一万八千というのは一般失対の民間就労という一番局部的な場面を取ってみても一万八千ならば私は十分だ。こういうふうな統計の取り方いろいろあります。もっと実は減ってくる統計の取り方もあります。しかし、一般失対の年令が四十八才、また、居住地というものもございますから、円滑にはそういかないだろうと勘案しまして一万八千という数字をはじいたわけでありまして、統計はいろいろあります。私たちはかたく、一般失対の特殊性に応じて、割に一般失対というものは激減するとは見られませんので、統計数字だけにたよれないというので、ある程度地域的を勘案しまして一万八千、統計的にすればもっと減らすという数字も出ておりますが、なるべく失対というものを少なくするためにある程度余裕を見て一万八千減、私はある程度余裕を見て一万八千減と踏んだわけでありまして、私は年度中には十分やれる。年度中には十分やれるという数字をきめますときに決定したわけであります。大蔵省的にはじけばもっと多数の数字が出ると思いますけれども労働省としては安定した数字を見ていかなければなりませんので、そういうものを勘案して一万八千という数字を見たのであります。
  36. 小柳勇

    小柳勇君 失業者の吸収人員についても、当初の予算要求と今回の予算案というものは相当差がある。われわれに説明される場合と、一時の労働省考えというものは若干変わってくるだろうが、全般的に見て失業対策事業そのものが非常に楽観的に労働省考えられておるとするならば——数字の面は言いません、一万八千とか二方とか言いませんが、楽観的に一般失業者というものは減るものであると、こういう見解で今後の仕事をやられるし、そういう決意であるとするなら、私は納得できません。数字の上ではいろいろトータルの予算がありますから、いろいろ操作されたでありましょう。そういう苦心は多といたしますけれども、そういうものについてはもう少し積極的に……、当初予算を要求された労働省のそういうこともわかっておりますから、ここで無理にこじつけませんで、次の質問いたしますと、就労日数についても私どもが要求したものを取っておらない。就労日数について、今回の予算、これでよろしいとお考えであるのかどうか、将来どうしようとされておるのかお聞きしておきたいと思います。
  37. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) 就労日数は本年度と同じ二一・五日を見込んでおります。しかし、できればこれよりもさらに就労日数が事実上増加するということは望ましいことでございます。そこで、これにつきましては先ほどから御説明いたしておりまするように、民間就労の伸びというものが非常に最近の実績を見ましても著しく増加しておる。それから公共事業関係の就労の伸びというものも増加しておるわけでございます。でございまするから、安定所に登録いたしました失対労務者につきましても、一般失対以外の民間就労、それから公共事業等にも就労し得る余地がずいぶん開けておるわけでございますから、こういうものと合わせまして、実質上の就労日数というものはさらに大きくなる余地がある、このように考えておるわけでございます。
  38. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ちょっと私関連して一言。  今の小柳君の、雇用は拡大されるであろうという点ですね、きょうでなくてもいいですから、少しお聞かせを願いたいと思うのですが。たとえば、経済成長率が三十四年度の実績見通しで一三%、公共事業生産で二七%ということです。しかし、収入の面から見ますと、法人が四五%収入がふえて自営業は九%ですか。それから、勤労所得は一一%ということになっておるわけです。これが三十五年度で、設備の拡大が、三五%上半期だけで経済企画の何では見込まれておるわけですけれども、片一方で四五%も収入が法人がふえる。二七%が公共事業生産ですね。経済成長が一三%もしておっても雇用はあまり伸びていないわけですね。結局、サービスとか自営業というところで低所得の就労がふえたということになっておるわけですから、三十五年度の経済計画の中で労働省はどのくらいの意見を出して雇用計画を立てられたか。大ざっぱに経済企画庁の三十五年度の経済見通しでは、百万人就労がふえるだろうということが表示されておるけれども、どういうところにどういう工合にしてふえるのかということがわからぬわけです。だから、具体的に労働省として、ことしの経済見通しと、それから政府の経済計画との関係において、この就労がどういう工合に伸びていくか。ことし、来年、再来年ですか、三十七年度までは中学入学者がふえる。また、中学を終えて就職する人がふえるわけですから、そういう関係からいっても、今の民間はよくなるのだという、就労がよくなるのだという概念だけでは、私はこの問題解決しないと思うので、ぜひそういう関連について資料を一つ出してほしい。そうでないと、なかなか理解ができないと思います。
  39. 小柳勇

    小柳勇君 今のに関連して。  そういうふうに失業者の移動も激しいし、職業紹介事業というものも拡充しなければならぬが、職業安定所などを拡充強化するのにどういう方針であるのか。予算はどのくらいとってあるのか。
  40. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) ただいまのような情勢に対処いたしまして、ただいま御指摘のように、職業安定機関について、離職者あるいは新規就職者をなるべくすみやかに就職させる、要するに、労務需給の円滑な調整をはかるという機能の拡大が要請されることは当然でございます。そこで、本年度の予算につきましては、安定所関係予算につきましては、約一億三千万円を計上いたしました。これは前年度に比べますと約五百万円ほどの増額でございます。それから安定所庁舎の改善をはかるために、前年度とほぼ同額の二億一千万円を計上いたしまして、安定所の施設整備をはかった次第でございます。
  41. 小柳勇

    小柳勇君 施設だけでは仕事ができぬのですが、安定所の人数ですね、定員などどのくらい増加するのですか。
  42. 堀秀夫

    政府委員堀秀夫君) 職業安定関係事務費につきましては、一億三千万円を計上いたしました。前年度に比べますると五百万円程度増額しております。なお、人員につきまして、これはまだ不十分な点もございますが、本年度は前年度に比べますと約五十五人の増加をいたしております。
  43. 小柳勇

    小柳勇君 次に、十三ページの中小企業労働対策について質問いたしておきますが、第一点は、中小企業労務管理改善指導費というものがあります。労働省として中小企業の労務管理をどういうように指導しようとされるのか、その根本的な与え方を聞いておきたいと思います。
  44. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 昨年以来、中小企業労働争議が非常に激化したものが二、三、——非常に見られます、内容を調べてみますると、やはり労働組合というものに対する理解がないこと、組合もまた、労働法というものに対する感覚が激しいこと、ある場合には個人的感情も含まれたこと等、そういう点で労働法以前のものと申しますか、労働法そのものよりももう少し、労働組合というものに対する理解が両方とも欠けておったことが非常に争議が激化した原因かとも存じますので、従って、この際おのずから労働法の調停とか、あっせんとかいうものが、ほとんどその問題がかかっておりません。調停にも出さない。委員会にも諮らない。いわゆる労使だけでいつまでも調停ルールに乗らずに、力と力で争うという傾向が見られますので、今日の労働法のそういうふうな以前のものとして、ある程度やはりあっせんする前の段階としてこういうものをこうしたらどうだ。まあ一つ労働法のルールを教えると申しますか、方向を教えるというもう一つ前の場面が中小企業には必要じゃないか、こう考えまして、今日は労政事務所というのがございますが、労政事務所はあくまでこれは労政事務所だけの仕事よりできませんので、ある程度労働組合に理解のある方、あるいは経世事業に携わった方、あるいはその中間的な方というふうな者を各労政事務所の中に置いて教育をして、そうして争議の両方からの相談を公平に聞いてはどうだ。いわゆるこれは今日の労調法にもありますように、なるべく政府労働争議というものを解決するために努めなければならないという文句があります。この努めなければならないという言葉がいわゆる私たちから言うならば、そういう場面が今欠けておったのじゃないか、そういう意味で今回労政事務所を中心にそこの地域の労働組合及びその経営者の方にある程度集まっていただいていろいろの争議の場合に、その当事者じゃございません、第三者として側面からその争議に対する注意とかあるいは指導というものをされたらどうだろうという意味で、もちろん今日の労働法、労調法の規則とルールを守っていただきまして、その前のものがだいぶ今日ございますので、そういう意味で労政事務所中心に労使間について経験のある方が労働組合相談にも乗ってやろう、あるいは使用者側の相談にも乗ってやろう、そういうところを私はやるべきじゃなかろうかというので、今回そういう方向としてこの予算の、少々でございますけれども方向を示して参りたい、こう考えたわけでございます。
  45. 小柳勇

    小柳勇君 中小企業関連もたくさんあるのですが、ほかの委員質問があるようですし、またの機会もありますが、しかし、途中で切りましても何ですから、今の問題のケリをつけるためにもう一問今の問題に関連して質問しておきたいと思います。そういうことで、これは労働相談員というようなものがはっきり書いてありますが、どういうものを労働省として労働相談員ですか百四十七人労働相談員などという名称を掲げて、予算まで計上して、そして中小企業の労務管理を講習会などを開いて教えたいと言っておられるが、労働相談員などの構想は一体どういうものでしょう。
  46. 亀井光

    政府委員亀井光君) 現在二百七十七の労政事務所の中に中小企業労働問題相談所が設置されております。そして年間に労使のいろいろの御質問なりあるいは相談に応じます件数が大体四万件をこえておるわけでございます。そこで役所の職員がそういう相談をして争議を未然に解決するというよりも、民間のその地方における有識者、労働問題に対して十分な知識と理解を持っておられる有識者を充てまして、その御援助を得まして、そうしてそういう未然の防止あるいは相談をするという方がよりスムーズにいく場合があるとわれわれ過去の経験から感じまして、今回予算で、そういう意味相談員でございます。各府県大体三人程度労政事務所に配属いたしまして、役所の職員でできないそういう争議の未然防止、あるいは相談をするという処置を講じておる、そういう趣旨でございます。
  47. 小柳勇

    小柳勇君 その問題はもう少しありますが、関連して中小企業労働者の退職金共済制度ですね。この問題についてもう少し詳しく説明を願っておきたいと思います。そのあとで資料を要求いたしまして、私の質問を終わります。
  48. 亀井光

    政府委員亀井光君) 中小企業退職金共済制度は御承知の通り、昨年十一月から業務を開始しておりまして、今月の上旬分までで加入労働者が五万七千人を突破しまして、大体三月末までに十万五千人程度のものを一応われわれとしては予定いたしておりますが、大体この予定は到達されるのではないだろうかというふうに考えております。
  49. 小柳勇

    小柳勇君 ほかの委員質問もありますから、私はこれで質問を終わります。  資料要求をいたしておきたいと思います。労働協会というのがありまして、この予算にも入っておりますが、労働省予算補助しながら指導育成している協会でございますが、この労働協会から出版されている書籍あるいは著者あるいは座談会などがありましたら、その座談会に出席している人、そういう者の一覧表を出してもらいたいと思います。
  50. 亀井光

    政府委員亀井光君) 資料を取りまとめて差し上げたいと思います。
  51. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は二つの問題を、きょうは時間がありませんので、概要と経過の御説明だけ願っておきたいと思います。  一つは静岡の金指造船所の問題、これは職安法の四十四条の問題と基準法の六条の問題なのです。総括して申し上げます。ここの造船所の概要を言いますと、常雇いが四百人、それから社外工が六百三十八人、こういう状態でございます。そこでその六百三十八人の社外工のうちの四割くらいは固有の資材なんかを持って請負制度でやっているわけでございますが、あとの五割から六割くらいの人は請負という名目だけで、会社の機構の中に資材、それからそういう物を持ち込まずにやっている。結局同じその会社の管理の中で仕事をしているということになっているのに、賃金の面を見ますと、八百五十円くらいもらって、四百円台から五百円台の賃金を払っている。そうなりますと、四十四条の労働者供給事業の面からと、六条の要するに賃金のピンはねの面からも、これは会社側も請負業者も違反であるということを認めているわけです。そこへ首切りが起きたわけで、問題が大きくなってきて、首切りの問題は何とかして撤回するような空気にあったのですけれども、これの経過を一つ聞かしていただきたい。ちょっと私一週間あけたものですから、その経過を一つ聞かせてもらいたい。同時に、社外工の一般論としての取扱いで、四十四条の関係基準法六条の関係は非常に重要な問題で、これはほかにも例があるように見受けられるのですが、両方から御見解を承ると同時に、処置を承っておきたい、これが一つでございます。
  52. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) ただいま御指摘がございました金指造船所における社外工の問題でございますが、ただいま御指摘のように、安定法四十四条と、基準法の六条の中間搾取排除の条項違反の問題がございましてこれは先生も御承知のように、二月六日に社会党の調査団が現地に参りまして現地状況調査になられたのでございます。労働省の出先といたしましては、そういった要請がございましたので、社会党の調査団とは別個に、これは当然の職責としてそれらの条項違反の事実があるかどうかということについて、現地で詳細に調査をいたしたのでございます。この社外工の問題でございますが、いわゆる職業安定法四十四条の労働者供給事業に違反するかどうかという問題でございますが、これにつきましてはまだ現地からのはっきりした報告は参っておりませんが、これは労働省考え方としましては、当然こういった実態上に労働者供給事業ということが行なわれておる、そうすれば、当然基準法の第六条の中間搾取の条項の違反にもなって参りますので、これをもう少し実態を調査の上で、もし条項違反の事実があれば、これは厳正にそういったことがないように排除に努力して参りたいというふうに考えておるわけでございます。なお、労働省といたしましては、かねてこういった社外工あるいは貸し工といったような非常に望ましくない状態があることは遺憾でございますので、昭和三十二年に貸し工を多く雇用すると思われております鉄鋼業、造船業、化学肥料製造業の三業種に対しましては、こういう制度をすみやかに排除するように勧告をいたしまして、引き続き監督指導を行なって参っておる次第でございます。で、この一貫した方針に基づきまして今日の金指造船所の場合におきましても、実態を十分調べた上で従来の方針通り違反の事実があればこれは厳正に排除して参りたい、こういうふうに考えております。
  53. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 それはわかりました。これはもう少し事実の把握の上において将来の問題として、これは研究をわれわれもしていきたい。ただその前提に申し上げました作業を打ち切るとか打ち切らぬとかいうことで首切りの問題があったその争議状態は、どういうふうに解決しましたか。
  54. 亀井光

    政府委員亀井光君) その資料はまだ実は私どもに参っておりませんので、至急調べましてお答えを申し上げたいと思います。
  55. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 次にもう一つ。これは厚生省の関係ですが、京都の双岡精神病院というのに争議があった。厚生行政の面で私は少しこの問題を表に出さなければならぬと思っております。ただその争議がありましてから、その争議中に何かさわったとか触れたとかいうことで、京都の警察本部が特別捜査本部を作って検束をしているわけですけれども、こういう問題について、労働省はどういう工合に把握しておられるか、伺いたい。
  56. 亀井光

    政府委員亀井光君) 双岡の病院の争議につきましては、経過につきましては藤田先生十分御承知と思いますが、現実問題といたしましては、本月五日、地労委のあっせんによりまして一応問題としては解決いたしたわけでございます。ただその中で警察の介入等があったということでございますが、それ自体がそれほどこの争議の中において大きなウエートを持っておるようには報告を実は受けていないのであります。
  57. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私のお聞きしたいのは、争議はあっせんによって五日の日に……六日に調印ができて解決した。そういうものは実施するごとく、せぬがごとくの状態に片一方はあります。もう一つは、警察で検束問題が起きてそういう中で、これを御破算にしようという動きが病院との間にあるわけです。これはまあ医療行政の問題が主ですからここであまり論じたくないのですけれども、そういう格好の中で、警察がことさらに私はやはり労働運動に対する干渉弾圧というような格好に出てきている節がありますので、労働省はどう把握しているか。きょうは時間がなかったので、警察やその他の関係を呼べなかったのですが、そこらをちょっと聞いているわけです。
  58. 亀井光

    政府委員亀井光君) 労働争議の中に警察力の介入しますることは、警察としてもできるだけそういうものに介入しないように努力をしておると思います。ただ問題が治安上の問題その他の問題になりますると、これは警察の本来の使命からいたしまして発動する場合がありまして、この双岡の事件につきましては、私が先ほど申し上げましたように、京都府からはそういう警察の介入によってこの問題がどう変化したか、あるいはどう影響したかということにつきましては、こまかい報告がございませんし、また、そういうことにつきましては、その事件そのものが警察の介入によって曲げられたという報告は、実は受けていないのでございます。
  59. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 いや、これはきょうは時間がないから、私はもう長くやれないのですけれども、もう少し双岡の問題は労働省の立場からも把握してもらいたいと思うのです。それから、先ほどの金指造船の職安法と基準法との関係、その点についてもこれは金指造船ばかりじゃないと思うのです、社外工の問題は。もう少し厳正な立場で常時監督行政を強めてもらうということだけは、ここで私は意見、希望として申し述べておきます。
  60. 片岡文重

    ○片岡文重君 資料要求をしておきたいのですが、その前に、最近の労働災害がどういう傾向にあるのか、漸減の傾向にあるのか、漸増の傾向にあるのか。たぶん漸減の傾向にあると思うのですが、しかし、どうも新聞やラジオ等の伝えるところでは、大きな事故が絶えないようです。これを企業別に、業種別にどう労働省として考えられ、また、今まで出された資料もあるわけですから、それらに準じて一つ資料を出してもらいたいのですが、取りあえず今どういう状況にあるのか、今おわかりであるならば概略でけっこうですから御説明をいただきたい。
  61. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 最近における労働者の災害による死傷件数の推移を申し上げますると、実は昭和二十七年以来一貫して死傷件数の統計が数字が上がってきたわけでございます。そこで、このままの状態で放置しておくならば、さらに一そうこの死傷件数が増加していくであろうという事態が予想されましたので、御承知のように、昭和三十二年にいわゆる産業災害防止五カ年計画というものを策定いたしましてその線に沿って各般の施策を実施いたしているわけでございますが、昭和三十二年の数字を申し上げますると、死傷件数が年間七十一万件であったわけでございます。昭和三十一年が六十五万件、そこで三十二年から運動を始めましたその成果の反映もあったと思いますが、三十三年には七十万件に、一万件減ったわけでございます。これは非常に望ましい傾向であったわけでございますが、三十四年になりますると、またこれが数字が上昇いたしまして、三十四年末におきましては七十三万件に、対前年三万件の増加と、こういうふうな遺憾な数字を示しておるわけでございます。これについてはいろいろ原因を究明しなければならぬわけでございますが、参考までに申し上げますると、三十三年から三十四年にかけては、御承知のように、生産活動が非常な勢いで伸びた。たとえば指数で申し上げますると、昭和三十三年の生産指数が二〇三・一が、三十四年になりますると二四三・〇というふうに非常な勢いで生産活動が上昇した、従いまして、これに伴って長時間労働がふえてくる、あるいは現場に慣れない、不慣れな新規労働者が大量に投入されたというような事情がございまして、災害件数もその生産活動の伸びに応じてやはり増加したということではないかというふうに考えておるわけでございます。  なお、詳細な資料につきましては、すみやかに整備しまして提出したいと思います。
  62. 片岡文重

    ○片岡文重君 生産指数の規模に従って傷害件数が多くなるということも、一応関連がないとは言えませんが、同時に、この防災施設、安全装置がどうもないがしろにされておるのではないか。特に中小企業においてその傾向が現われておる、大企業においても必ずしもその点については万全だとは言えないのではないかという気がいたします、いろいろの資料を見て、従って、この防災という考え方にもっと大企業が率先して当たると同時に、労働省においてもその方面における指導をもう少し厳重にしなければいかぬのじゃないかと思うのですが、この防災関係から見た資料もあわせてありまするならば御提出いただきたい。詳細な点については、時間の約束があるそうですから、きょうはやめておきます。
  63. 秋山長造

    ○秋山長造君 時間がないようですから、私、一言だけちょっと労働大臣にお尋ねしておきたいのですが、この前の委員会のときに、労働大臣の新年度における労働政策の基本方針を承ったわけです。その中で問題のILO八十七号条約の批准の問題についての方針もあわせて承ったわけですが、その直後、十二日の閣議で、労働大臣の御主張で、この国会中に批准承認の手続をとるという方針をきめられたように承っているのですが、事実かどうか、それを伺いたい。
  64. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 先般も当委員会で申しましたことは、なるべくすみやかに国内法を整備して、そうして批准案件を提出いたしたい、こういうわけで時期の問題は実は触れておりませんでした。ただ私の気持としては、なるべくすみやかにということは、その文句通り、なるべくすみやかにでありますので、先般の閣議で、各省間の連絡がなかなか実は進まないところがございますから、閣議で各閣僚の協力を得たいということで、実はこの国会を目途として進めたいという私の意思を先般の閣議で発表いたしまして、各関係閣僚間の御協力を願ったわけであります。従って、政府としてこの国会ということは、私の気持としてはそれを目標にしませんとなかなか進みませんから、それを目途として整備をいたしたいというのが私の偽わらざる気持であります。各省間にはなかなか、これは御承知のごとく、各省みな一々議論があるので、非常に私としては苦労しているわけで、私の気持はこの国会になるべくという気持で各閣僚の御協力を得たいという発言を実は強くいたしまして、総理も非常に強い御意思で労働大臣の意向に沿って各閣僚協力しろ、こういうわけで、閣議といたしましても、政府といたしましても、この国会と期日を切るまでにはまだ進んでおりません、いかにせんいろいろな広範な問題がありますから。しかし、延々としておるわけには参りませんので、私としては、この国会を目途として労働省は準備するから各閣僚も一つ協力を願いたい、こういう意味が閣議の中の発言の私の気持であります。従って、委員会におきましても、国会におきましても、期日はまだ残念ながらこの国会と言い切るまでには準備が進んでおりません。これはまあその意味では私としても努力するつもりで一生懸命やっているわけであります。その気持を先般発言したわけであります。政府といたしましても、期日まではまだ明言できる段階にきておりません。
  65. 秋山長造

    ○秋山長造君 実は今の大臣の御答弁聞いて、私もちょっとまた多少どうも早合点し過ぎたと思うのですが、ただしかし、この前——一週間前に大臣がここでしゃべられたこの文章を読み返してみますと、「できる限りすみやかに」というように書いてあるのですが、この間の閣議決定では、この国会中に……、その「すみやかに」という中でさらに期限を、それほどはっきりした期限でもないけれども、少なくともこの国会中には間に合わせるというぐらいな線では閣議決定ということになったのじゃないかと思っておったのですけれども、そこまでもいっていないのですか。何か今の大臣のお言葉でもそうですが、新聞等でわれわれ拝見するところによっても、総理大臣自身も非常に積極的にやはりこの国会でやるべきじゃないかというような意思表示をされたように聞いておったのですけれども、そうでもないのですか。
  66. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 私も総理もぜひこの国会にやりたいという気持を今でも持っております。ただ閣議でこの国会へ出すのだという決定までいきませんので、私と総理大臣の意向は、それだから各閣僚これに協力してくれということがきまったわけであります。意思としてはこの国会を目途としてやるのでありますから、各閣僚の協力を得なければ法案整備ができません。それについてはぜひこの国会を目途に努力してくれ、こういう意味で、閣議で全部よかろう、各閣僚がよしこの国会でやるのだということまではまだ閣議決定しておりません。私と総理の意思は、この国会にぜひやりたいから各閣僚協力してくれということが私と総理の実は意思であったわけであります。しかし、各閣僚が全部それじゃそうだというところまではまだ至っておりません。いかにせんいろいろ各省とも労務管理をしているものですから、各省々々の立場がなかなかこれはあるのです。その意味で私も総理もぜひ各閣僚の御協力を願うということを言ったわけで、ただ協力してくれということではいけませんから、労働大臣としてはこの国会を目途にしてやりたいから協力してくれ、この意味で私の気持はこの国会という目標で発言をいたしました。しかし、各閣僚とも国内法の整備がよかろうというところまでまだ至っておりませんので、その辺が発表の内容と、これは偽わらざる……その通りであります。従って、閣議できまったからといっても、閣議では期日はきまりません。私の発言は、この国会を目途という意味で発言したことには間違いございません。
  67. 秋山長造

    ○秋山長造君 もうこれでやめますから……。大臣の積極的な御熱意はよくわかるのですが、しからば労働大臣としては、この国会中にといううちには、これはやっぱり審議期間というものを見ておかなければならぬのです。だから労働大臣としては、この国会中にいつごろまでを目途として国会提案したい、いつするかどうかという確答はできぬだろうけれども、たとえば今月中とか来月中には少なくともという一つのやっぱり大臣としてのめどがあると思うのですが、その点をお漏らしいただきたいということと、それからもう一つは、各大臣まちまちな議論が出てなかなかまとまらぬというお話ですが、大臣がこの間おっしゃったように、公労法四条三項とか、地公労法五条三項の廃止ということは当然だれも異存がないと思うのですが、問題はあとの一般公務員にこれを適用するかどうかというようなことで文部省だとか、大蔵省だとか、自治庁だとか、いろいろなそういう各役所の間で意見がまちまちな点と、それからさらにまあいささか悪意に解釈すれば、これを批准するかわりにまあそれと引きかえにいわゆる労働関係法規の改悪といいますか、こっちでゆるめるのだから片一方で締めようというようなことが内々あってそのためによけいすっといけばいくはずのものがなかなか途中のところで道草を食っているのじゃないかということもわれわれ考えられる。まあ大臣がこの間おっしゃったように、関係法規をすみやかに整備するということを言う……、一言でそれらのいろいろな複雑な事情を含めておっしゃったのだろうと思うのですが、具体的に今もお尋ねしましたように、大臣としては少なくともいつごろまでに国会に出したいというめどを持っておられるかということと、それから同時に、いろいろな意見がまちまちだという、そのまちまちの意見の中で大体どういう点が閣内で最も大きな障害になっているのかということをお漏らしいただければ……、簡単でけっこうですから、お漏らしいただきたい。
  68. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 第一点は、実は昨年の二月の閣議決定というものが関係法規を整備した上批准の手続をとる、こういうことが昨年の二月に実は閣議決定になっておったのです。その基本線に沿って私は就任以来この問題と取り組んだわけであります。各関係法規を整備の上……、この整備がじゃあどういうふうになるか、これはまあ労働問題懇談会からの答申の中にも実は非常に不明確で、なかなか議論の多かった点が多々あります。  第一点は、国家公務員に対する問題をどうするか、もちろん国家公務員法に八十七号条約は例外措置として、国家公務員は例外だと断定もできません。しかし、国家公務員は特殊なものだということもやはりILOの中では認められている。この意味で、国家公務員法にはどういうふうに取り入れるかということが一つの問題点じゃなかろうか。これが一つの今のところ大きな問題であります。そして国家公務員に進んだときには、国家公務員の人事管理をどうするかということが次の問題点であります。従って、各省別に今日やっておられることであります。これは労働省の所管というよりもやはり人事院という所管庁もございますし、内閣にもやはり一応の一般的な所管もございます。労働省の所管ならば私もこの辺が問題だと申し上げられますけれども、各省の意向というものも、その辺でいろいろな意向が出てくるというわけで、いろんな角度からの御議論が出ておるわけであります。これは労働省の所管の法案ではございませんので、私どももこれからどうだとはなかなか申し上げられません。ただ私は公労法、地公労法の問題は、明らかに四条三項と五条三項の問題で、これはすでに明確になっている。なかなかこの意味でいろんな意見が多いわけであります。私がここで取捨選択するには労働大臣として早過ぎる。各省の意向、人事院の意向、内閣の意向がきまりましてから、その上で労働省とも調整的に私の意向を申し上げたいという意味で各省の中で、非常にいろいろな問題、ILO八十七号の条文を読みますと広範囲であります。それだけにいろんな意見も出て参るところであります。そういうところが今問題になっておる。なるべく私も早く国内法の整備と意見をまとめていただいてその上で内閣としての統一的見解をきめて、しかる後に国内法を整備してすみやかに批准手続をとりたいというので、私自身もなるべく一週間でも早く、毎週二回ずつぐらい各省の連絡もやっております。ぼつぼつ問題点も、賛成派もあれば反対派もありますが、ぼつぼつ意見がはっきりしてきつつあります。今まではただもやもやと何となしに皆が手を触れたくないという印象でしたけれども、先般の閣議で非常に総理からも促進していただきましたから、各省ともこれは本気でやらにゃいかぬぞというので賛成意見もはっきり出て参りました、反対意見もはっきり出てきつつある。これから先は私もまだ予想しておりません、事務次官及び連絡局長会議を毎週二回ずつぐらいやっておりますので、その促進を一日も早くということだけ命じておきますけれども、私の所管ばかりでありませんので、私が期日を明言をするのはまだ私として申し上げられる段階になっておりません。
  69. 小柳勇

    小柳勇君 今の問題ですが、三月には理事会がございます、六月には総会もありますことですから、実はきょう質問しようかと思いましたけれども、問題が大きいので、きょうはこちらの委員も控えたのですが、この次のあれで、たとえば長期経済計画とか、あるいは産業災害防止綜合五カ年計画とか、大臣の施政方針に対しても根本的に質問したいと思いますが、ILO条約八十七号の批准につきましてももう少し詳しく質問いたしたいと思いますので、この次の委員会までに、大臣、もう少し各省の意見の取りまとめをお願いしておきたいと思います。
  70. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それでは本日の質疑はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。それではこれで散会いたします。    午後零時十四分散会