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1960-06-21 第34回国会 参議院 建設委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年六月二十一日(火曜日)    午前十一時二十二分開会   —————————————   委員異動 六月十七日委員米田正文辞任につ き、その補欠として石谷憲男君を議長 において指名した。 六月十八日委員鹿島俊雄辞任につ き、その補欠として河野謙三君を議長 において指名した。 六月二十日委員武藤常介君、北畠教真 君及び石谷憲男辞任につき、その補 欠として三木與吉郎君、田中清一君及 び米田正文君を議長において指名し た。 本日委員小山邦太郎君及び三木與吉郎辞任につき、その補欠として青木一 男君及び武藤常介君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君    委員            青木 一男君            小沢久太郎君            太田 正孝君            田中 清一君            武藤 常介君            吉江 勝保君            米田 正文君   衆議院議員            遠藤 三郎君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   政府委員    建設政務次官  大沢 雄一君    建設省道路局長 高野  務君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国土開発縦貫自動車道中央自動車道  の予定路線を定める法律案内閣提  出、衆議院送付) ○東海道幹線自動車国道建設法案(衆  議院提出)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。六月二十一日付、小山邦太郎君が辞任せられ青木一男君が選任されました。   —————————————
  3. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 国土開発縦自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案議題といたします。  本案につきましては去る五月十九日提案説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。御質疑の方は順次御発言願います。
  4. 太田正孝

    太田正孝君 長い間の問題で中央道の問題が進んできたことはけっこうであります。ただしどうか、私は賛成する意味で聞いておるのでございますが、技術上の問題などについていろいろ問題がありましたが、政府当局からそういう点についてはわれわれの安心するような意味説明をいただきたいと思うのであります。たとえばもう技術関係のことですから、あるいはトンネルがどうとかあるいは機構がどうとかいったような問題について、この法案をきめるについてのわれわれの心がまえを聞きたいというだけにすぎないのです。
  5. 高野務

    政府委員高野務君) 中央自動車道につきましては三十二年度から三十四年度まで三ヵ年間、一億六千三百三十万の調査費をもちまして調査をやって参ったわけでございますが、ただいま御審議をお願いしております予定路線につきましては、国土開発縦貫自動車道別表に示されております経過地基準として現地踏査を行ない地形、地質の実情に基いて幾多の企画線をも検討し、高速道路として目下建設中の名神高速道路企画により、技術的にできるだけ建設費の節減をはかって計画したものでございまして、私ども現在までの調査によりますと、技術的には不可能ではないという考えを持っておるわけであります。何しろ工事費が相当かかるのでございますので、今後さらに長大トンネル地質調査気象調査あるいは比較線検討等をいたしたいと思っております。
  6. 太田正孝

    太田正孝君 もう一つ予算委員会青木委員から御質問がありました路線車線といいますか四車線、二車線、あの問題とかあるいは単価の問題など出ましたが、あるいは用地買収問題等出ましたが、そういう点に関連しまして経費の点を、大まかな政府考えをお聞きいたしたいと思います。
  7. 高野務

    政府委員高野務君) この中央道高速道路ということでございますので、私ども往復分離車線、すなわち二車線ずつ、まん中に分離帯を置きました道路で、出入制限をしております。どこからでも勝手に入れないように出入制限をしておるわけでございます。設計速度につきましては名神国道にならいまして、平地百二十キロ、丘陵地百キロ、山地八十キロというものを適用してやっておるわけでございます。  ただいま御質問車線の数につきましては、今のところは四車線、二車線ずつ、分離帯をもった四車線高速道路でございまして、また高速道路であるからには往復分離しないと高速道路と申しかねますので、そのつもりでやっております。
  8. 太田正孝

    太田正孝君 もう一つ大まかな線でいいが、これは大臣から建設費及び維持費関係換気という問題がある。たとえば静岡県の宇津谷などに問題があったようですが、こういう点についてしろうとわかりのするように……。
  9. 高野務

    政府委員高野務君) さっきの御質問で、工事費の点につきまして申し落としましたので申しわけございませんが、私ども調査の結果積算いたしました建設費は、これはさらに検討いたしますと、幾分の修正を必要としますが約三千二百億と計算いたしております。  それから長大トンネルがございますが、これはもちろん換気を必要といたします。換気につきましては現在換気方法をいろいろ検討いたしております。
  10. 青木一男

    青木一男君 私は建設大臣にお尋ねいたします。  この国土開発縦貫自動車道建設というのは、数年前、衆議院参議院総意、すなわち両院とも全会一致総意によってできた国策立法であります、これは一面においては、今後の日本高速自動車交通網幹線たらしめると同時に、普遍的な国土開発の根幹として立案された立法でございまして、日本の今後の建設の上からも非常な大きな期待を寄せられておる法律であるわけでございます。第一着手として中央自動車道が取り上げられているわけでございますが、そのうちすでに小牧——吹田間は工事着手しておるのでございますから、六大都市を結ぶところの中央自動車道小牧から東京までつながらなければ当初の目的を達成しないことは、これは明瞭なことでございまして、従って小牧——吹田間の工事に引き続いて小牧——東京間の工事を促進するということは国民のひとしく期待しておるところでございます。そうしてその事業着手には、まずもって法律の規定に基づいて予定路線法案というものが必要となっておるのでございまして、これは参議院修正の結果そうなったのでございますが、その法案が今回、本日審議議題となっておる法案でございます。私どもこれはすでに国策としてきまっておることであるし、政府工事を今日まで調査等を進めてきましたのは、これを実現するという意味調査も進められてきておるわけでございますから、この法案が通過するということについてはおそらく何人も異存ないと思うのでございます。たまたま先般、東海道幹線自動車道建設法議員立法提案がありまして、御承知通り非常にこれは紛糾をきたしたのでございますが、中央自動車道関係地方人たちがどうして東海道の案に容易に賛成できなかったかと申しますると、いろいろの理由はありましょうが、中央自動車道実現が、それがために、はばまれてしまうということを恐れたことが一番大きな原因だろうと私は思います。先般この両法案の対立を憂慮された建設大臣は、私どもに対して政府中央自動車道建設には誠意をもってこれを実現するから安心して、そうして東海道法案にも賛成するようにという率直なるお話があったわけでございまして、私どもも大局から見まして建設大臣の御提案に賛同したわけでございます。  つきましては、その建設大臣の私どもに明言されたことを公けの席であるこの委員会の席上において、政府中央自動車道建設について、どれだけの誠意熱意を持っておられるかということをお語いただきたいと思います。
  11. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 中央自動車道の最も大事な点は、いわゆる今日の都市に集中する人口の分布あるいはあらゆる資源開発、こういうような点と、またこの大都市東京と大阪、関西と最も短距離で、しかも高速でつなぐということ、幾つかの重要な目的を持っておるのでありまして、建設省といたしましては、これが一日も早くその実現のできることを念願いたしておるのであります。従いまして一応調査段階を終わった今日、これが予定路線をすみやかに決定いたしました上で、必要な地質調査とかあるいは積極的な着工に至る準備等についての基礎調査をする必要があるのでありまして、非常に長い区間でもありますしまた山間重畳たる地点でもありますので、これには細心な注意を払いながら、これらの基礎調査をしなければならないと思っております。私はこの中央道のいろいろな採算上の問題等につきましては、まだいろいろと検討をする必要もあろうかと思いますが、現在までに示されておるものでは、これはなかなか経済的に、ただ自動車交通量だけを取り上げた場合にはいささか物足りないものがあると思います。しかしながら、前申し上げましたような一地域に集中する人口のバランスをとっていくとかいうようなこと、あるいは地下資源その他の資源開発等の点から考えますならば、ただ単にこれを自動車のみの交通量によって、そのものさしだけではかるということは考えものじゃないか。従ってさらばといって今国費の巨額な導入ということは、これはまた非常に困難な点もあろうと思います。しかし採算のとれる部分に対しては私はこれを有料でやっていく、採算のとれない部分はこれを国費で、その基本調査が終わった後には国費によってこれをまかなっていかなければならない、かように思っておる次第であります。従いましてこの中央道路線決定は一刻もすみやかに御決定を願うことが、基本的な計画に取りかかる最も大事なまず段階であろうと、かように思っておる次第であります。
  12. 青木一男

    青木一男君 建設大臣から、この法案を急いで成立させてその上必要なる調査を行ない、各一部は有料道路として、一部は国費をもって建設したいというお気持はよくわかりました。先般党の機関等において建設大臣から今後の道路整備計画の必要を説かれて、その際における中央道実現等について御腹案お話しいただいたのであります。また衆議院においては、この法案が通れば関係地方人たちの安心を得るためにそれぞれ替地に事務所を設置するとか、そういうような具体的のことを考えるというお話もあったようでございますが、そういう点は大臣としてどの程度腹案と申しますか熱意を持って実行されるか、その点もあわせて伺っておきたいと思います。
  13. 村上勇

    国務大臣村上勇君) この法案路線決定を見ました上は、どこまでも具体的にその基本調査に取りかかる必要がありますので、まあ名地にその調査事務所を置きたいのでありますが、経費関係から一応飯田市南部の方にその調査事務所を設けることにいたしておるような次第であります。
  14. 吉江勝保

    吉江勝保君 ただいま青木委員から質問がありましたので、いま少しくお聞きしてみたいと思うのでありますが、中央道はここ二十二国会以来のずっと懸案でありますが、きょうここに路線決定法律案が上程になりまして一歩これで踏み出しますので、中央道関係のものは非常に喜び期待をいたしておるのであります。これは単に中央道関係しております三県か四県のみではないのでありまして、ひいて日本全国国土開発縦貫自動車道予定をされておりまする県におきましては、今回のこの法案決定され、この道路が開設されるようになりますることによって、他の国土開発縦貫自動車道関係者は非常に大きな期待を持ってくるのであります。これは建設省におきましてもむずかしい困難な事業であろうと存じまするが、どうか、国をあげまして大きな期待をかけておりまするこの自動車道につきましては、一つ全力を尽くしまして技術面も動員していただきまして、そうして日本におきましてはもちろんのことでありまするが、世界におきましても冠たる誇るに定る一つ自動車道を完成していただきたいのであります。  私もかつて海外を回りましたときにオランダ干拓関係の大きな工事を見たのでありますが、しかしオランダがやっておりまする同じ山岳地帯におきまする工事になりますると、実に幼稚な工事をやっておったのであります。日本におきましては出岳重畳たる所に従来から日本公共事業が行なわれておりまして、そういう方面技術は今日すでに世界水準をはるかにこえておりまして、その上位にあるものと私は信じており、また期待をいたしておるのでありまして、今度行なわれようとしておりまする——すでに小收—吹田間におきましてもさようでありまするが、今度日本山岳地帯を通るこの中央自動車道工事につきましては、日本の全技術陣をあげましてりっぱな世界に誇るべき道路を完成していただきたい。大きな情熱をもってお当たりを願いたいと思うのであります。こういう点につきましては、質問と申しますよりも期待をかけるのでありまするが、そういう点につきまして、技術の面につきましてお当たりになろうとなさる建設省の責任の方に、一つその情熱と申しましょうか、その決意を承らせていただきたいと思います。
  15. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいまの御意見に対しまして建設省考え方を申し上げたいと思います。私どもはこの日本国土の全面的な開発というようなことを考えますならば、少なくとも鹿児島から青森、あるいはまた青森から札幌、釧路、これらの線を結ぶいわゆる中央道というものを一つの理想といたしております。そのうちの最も重要度の高い小牧—東京間におきましては、これが開通がその地域住民だけでなく、この国の民生安定に及ばす影響というものは非常に大きなものであると考えておる次第でありまして、ただいま御指摘になりました技術問題等については、八キロぐらいのトンネルは私は問題でないと思います。今日の日本技術水準から申しますならば、これらのトンネルの掘さくとかあるいは橋梁その他の施設について何らその意に介する必要はないと思います。ただそのあとの維持管理についてはこれは十分世界各国例等も研究いたしまして、これらの管理のよろしきを得るということが大事でありまして、国家財政さえ許すならば、これらの点についての技術的な問題については私は何ら危惧の念を抱いていないのでありまして、少なくともわれわれといたしましても、一刻も早くこの中央道の所期の目的が達成されるように念願をいたしておることは、その地域の方々のお考えと全く同じであります。
  16. 吉江勝保

    吉江勝保君 技術の昭につきましての何と申しますか、確信のある御答弁をいただきたいと思いまして、あえてこの将来残りました経営と申しますか、維持方面財政面につきましては、他に質問者がありまた私ども考えておりますが、ただ問題は、こういう山岳重畳場所に初めてできます中央自動車道でありまして、これは将来東北にも中国にもまた及んで参りますので、ことに先ほど申しますような日本技術について、世界に誇りますような大工事であろうと思いますので、特に建設省技術の面を担当されております局長からも一つはっきりと確信をお述べいただきたいと思います。
  17. 高野務

    政府委員高野務君) 中央自動車道につきましては、先ほども申し上げました通り、現在まで一億六千数百万円の予算をちょうだいいたしまして真剣に調査して参っておるところであります。このたび予定路線を定める法律を通していただきましたならば基礎調査にかかります。基礎調査にかかりますと、この道路建設をすべき基本計画を立てるために真剣な調査がまたさらに再開されるわけであります。この基礎調査におきましては、実際に仕事をやるための建設費確定という問題があるわけでありまして、建設貨確定にあたりましては、これをどういうふうに施行するか、どういう工事をやるかというほんとうの調査をいたしまして、建設費確定していくわけでありまして、これは困難な問題でございますので、私どもとして技術的に未経験の問題もございますが、しかしこれは私どものところの技術者なりあるいは専門家の同意を得まして克服できるものではないかと思いまして、私どもこの基礎調査を真剣にやっていきたいと思っております。
  18. 吉江勝保

    吉江勝保君 すでに調査がここ数年行なわれておりまして、きょう出ました経過地点も大体前の法律別表できめましたのと同じ場所が指定になっておるのでありまして、私ども関係者が一番期待をいたしますところは、これが早く促進されますことを念願しておりますので、それが一に建設省情熱を持ってやるという気分でお当たりになりますことが大事でありまして、もし予算面等におきまして要求がありますれば、私どもおぼつかないながらもそういう面に努力をいたしますので、どうかこの世界に誇るべき大きな大工事を完遂されます中核、中心に立って進まれますところの建設省技術関係の方におきましては、調査はもちろんよく承知しておられると思いますが、どうかその調査情熱をもって私は一日も早く完成していただきまして、調査を終わっていただきまして、また進めていただきまして、この工事全国民の期待に沿いまするようにりっぱなものが早く完成できまするように、特に希望を申しまして私の質問を終わります。
  19. 米田正文

    米田正文君 予定路線をきめる法律案は、国土開発縦貫自動車道建設法の第三条によって提案をされてきたものでありますが、この第三条には「政府は、すみやかに、前項の法律で定めるべき国土開発縦貫自動道予定路線に関する法律案別表に定める路線基準として作成し、これを国会に提出しなければならない。」とこう書いてあるので、一般的にいいますと別表についている画線についてすみやかに出すというのが原則であろうと思う。まあそのうちの中央自動車道だけが今ようやく出てきたと思うのですが、この法律趣旨からいうと、全国——北海道から鹿児島に至るまでの国土開発縦貫自動車道法路線調査をして、そうして早くその予定路線をきめることが必要だと思うのですが、まず全体についての御意見を承りたい。
  20. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 中央道国土縦貫の全体計画につきましてはまだ御期待されるほど進んでおりませんが、しかし東京から青森までの縦貫自動車道路につきましては、本年度予算の中にわずかではありますが百五十万ばかりの調査費を計上いたしております。これによりましてこの区間調査を始めるまあいわゆる頭を出したということであります。がしかしこの東京—小牧間の中央自動道につきましては、御承知のように別表によって示されている通り予定路線決定をいたしているということであります。
  21. 米田正文

    米田正文君 私の言っている趣旨は、全体の国土開発縦貫道路全国的な調査を早くすべきではないふという趣旨で申し上げている、まあこれは、この今の中央道だけは二百九十五キロのものを三年がかりで一億六千万を使って調査をされているということになっているのですが、私はこれは特に問題があったところであるので非常に正確な調査をされたのでおそくなったし、金もかかったと思うのですが、一般の北海道から鹿児島に至るまでの関係はそんなに金をかけぬで私はできるのだと思う。時間もそう時日もかからなくてもできる、そうして全国一ついわゆる国土開発縦貫道全体の線を概略でもいいから早く調査をして、そうしてその上に立ってプライオリティをきめていくという考う方に私は立つべきだと思う。そういう意味で三十五年度では青森—東京の間ですか、その分の調査、そのほかにも多少あるのじゃないかと思うのですが、そういう調査を始められているようでありますが、私はこんなものは三年間くらいで全国概要調査ぐらいをする必要があるのではないか、そうすると全体の中でプライオリティ、どこが一番急ぐのだ、どこが一番必要だということがわかってくると思うのです。早くやかましい所から先にやるという考えでなくて、やはり理論的に一つ私は基本のところを出しておく必要があるという考え方で申し上げておりますが、その点について……。
  22. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 御指摘になりました点につきましては、私どもも全く同感でありまして、でき得る限り早い機会にこれらの路線概略でもきめる必要があろうと思っております。特に九州地方につきましては、九州地方開発審議会ですか、そういうようなもので鹿児島から関門に至るまでの中央路線というものが大体きめられておるようであります。中国方面については、やはりそれぞれ皆その地域において検討されておるようでありますが、やはりこれは建設省政府としてとり上げて、そして鹿児島から北海道までの中央路線の大体のその経過地等を私は早く制定しておく必要があろうと思います。
  23. 米田正文

    米田正文君 私は、希望を申し上げるならば、一つ来年から三年くらいで全国の、この別表にあります線については、一応概略調査をするというようなお考えをぜひ一つお立て願いたいと思っておりますという希望を申し上げておきますが、そのうちのこの中央道についての調査報告書ができて、非常に私は今までの調査報告としては、特に予定路線をきめる程度調査としては、万全なものであって、これ以上はなかなか私は今日本では期待できないものではないかと思うのです。思うのですが、私は、スタンド・ポイントがいろいろとあるので、その辺の問題がむしろ今後の問題じゃないかというように考えます。で、ここに出ております「主たる経過地」を見ましても、別表そのものずばりであっても、一県に一地点を掲記しておるということであって、この点多少私どももどうかと思う点もありますが、まあこれは別表にあるから、その別表の線に沿って今まで調査をされたので、その綿に従ってこういう経過地になったのだろうとは思いますが、まあ一応別表基準とするとなっております。私はその基準というのをこの幅の考え方をどの辺にとるか、これはまあ一つの今後の建設省がおやりになる方針でも非常に大きな問題になると思うのです。基準となると、基準ということを法律に書いてありますから、一体基準というのは、付近と書いてあれば、付近範囲内を通るのか、あるいは付近以外はもちろんある程度は出ても全体の、小牧東京の間を結ぶ線という目的からいえば、もっといい線があるといえばその方をとるのかというような、相当幅があると思うのですが、その辺これは大臣よりもむしろ局長の方がいいかとも思うのですけれども、その今後の全国的な縦貫道をやる上においての考え方を、重要な考え方だと思いますので私は一つ念を押しておきたいのですが、基準というのは一体どの程度のものなり幅で考えていくか、一つ……。
  24. 高野務

    政府委員高野務君) 中央自動車道予定路線を作りますために、国土開発縦貫自動車建設法別表経過地基準といたして、その経過地を何々付近ということで基準を示されておりますので、この付近基準といたしまして調査いたしまして、そしてその地点付近において高速道路とし得る路線を選定いたしまして案を作ったのでございますが、中央道につきましてはこの法律の示す別表経過地付近において線を選ぶことができたのであります。今後につきましてもやはりこの経過地基準としてその範囲内で最終線を選んでいきたいと思っております。
  25. 吉江勝保

    吉江勝保君 ちょっと関連して。この「基準として」とこう書いて、予定路線法案を出しますときは、将来ともにその法律に書いてあります基準地点だけをあげた予定路線法案をお出しになるつもりでございますか。
  26. 高野務

    政府委員高野務君) この経過地につきまして、今別表にあげてあるだけが経過地かという御質問かと思います。必ずしもそうではございません。特殊なもし必要なものがあればさらに加えていきたいと思います。たとえばすでに着工しております名古屋—吹田間につきましては、名古屋、大垣、大津、京都というだけの経過地予定路線がすでに法律できめられておりますし、今度もこの路線別表経過地程度で大体ルートが表わせるものですから、今までの経過地通り表わしたわけでございます。必ずしも主たる経過地そのままでほかの場合もいくということではないわけです。
  27. 吉江勝保

    吉江勝保君 大体私の尋ねましたことはお答えになったのかと思いますが、私の尋ねましたのは、もうすでに国土開発縦貫自動車道法できめてありますその基準といいますか、になる地点があげられておりますが、またあらためて法案を出しまするときに、そのきめられております地点だけをまた法案にしてお出しになるおつもりですかと、こういうのです。もう少しそれを基準にして具体性を持ったものをお出しになりますつもりですかということです。
  28. 高野務

    政府委員高野務君) この予定路線につきましては、さらに今後基礎調査をいたしまして基本計画を作るわけでございます。やはり別表そのままで今後あるというわけではないわけでございますが、もし必要な地点があれば加えていくわけでございます。大体路線経過地の地名で表わし得ると考えましたので、予定路線法律経過地そのままで表わしたわけであります。
  29. 米田正文

    米田正文君 その辺私はこの経過地別表に書いてありますが、これはあの当時早々の間に書いたことで、私はまあ今の中央道だけについて言っているのじゃない。全体について言っているのですが、早々の間にやったので、私は必ずしも適切な地点ばかりでないと思う。そういう点は十分今後検討していくことであって、技術的にあるいは経済的にいい案があるならば、私はそれを出すのが国のためだとこう思っております。これは一つこれも御検討を願っておきます。  そこでまあこの法律案は当然縦貫自動車道建設審議会にかけて、そしてここに提案されたと承知をしておりますが、この審議会で特に何か御意見がなかったかどうかお伺いをいたします。
  30. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 審議会におきましては大体多数によって決定されたのであります。一、二のこれに対して反対意見もありましたが、まあ審議会で採決ということはできる限り私は除こうという考えでありましたが、しかしどうしてもこの中央道に対する意見を異にしている委員がありまして、少数意見がありましてやむを得ず採決いたした次第であります。その一、二の人を除けば満場一致に近いもので決定いたしておる次第であります。
  31. 米田正文

    米田正文君 私はおそらくその審議会でいろいろと審議されたと思うのです。こまかい点をいろいろと検討せられたことと思うのですが、ごく一般的に見てこの案を見た直感では非常に三千二百億という事業費がかかる。距離は二百九十五キロに対して三千二百億というような経費がかかる、そうして一キロ当たりにすると十億八千万というようなキロ当たりになっておる。これは世界的に見てもべらぼうな一キロ当たりの単価で、こういうものは私ども今までこういう高い単価を開いたことがないんです。そこで私はこれは十分今後検討する必要がある。私は線について反対の意味で言っているんじゃないんです、私はこれは賛成という前提で言っているんですが、この工事費についてもっとうんと下げる方法はないか、あの線についての構造規格等についてもそれが現地に適応するようなもっと考え方はないか。それからこれは一つの理想案といえば語弊があるかもしれませんが、完全に高速道路としての今の世界水準で作ればこうだという結論だと思うんですが、これらについても私は必ずしも規格を今ここでおやりになっておるような規格に拘泥しないで、カーブにしても勾配にしてもあるいは幅員等にしても、あるいは車道あるいは路肩等の構成にしても私はもっと考える余地がないかということと、それからいよいよこれを実施するという段階に至ったときはに、いわゆる段階建設、ステージ・コンストラクションというような考え方に立って逐次やってゆくというような考え方が必要じゃないか。これを報告書によると、六千五百台の自動車が通ると、こういうんでしょうけれども、これは見方によっては私は一万台近く通ると言う人もありましょう、あるいはしかしまた逆に三、四千台しか通らぬと言う人もあると思う。この推定の中にいろいろな仮定が入っておりまするからして、これは統制経済の完全な国は別として、今のような自由経済の体制の中においてがちっと数字をきめるということは非常に困難だと思う。ですからこれは一応のめどとしてけっこうですけれども、どこまでもめどですからして、建設を初めから今ここに、図面に書いてあるような二十四メートルの道路で二車線できちっと、四車線できちっとしてやるというような考え方は私はとるべきじゃないんじゃないか、やはりその事態、自動車交通量に応じて、そうしてだんだん完全な道路にしてゆくという考え方が最も適切じゃないかと思いますが、その点建設省としてのお考えを承りたい。
  32. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 米田委員の御指摘通り、私どもとしてもできない計画を立てて、今三千二百億というような大きな金のかかるようなことを、幾らこれを基本計画が終わったからといって、それじゃすぐ五年間にあるいは十年間にこれをやろう、完成させようということは、私はとうてい不可能だと思う。やはり可能な形にしてゆくということが大事でありまして、四車線は理想案ではありますけれども、これは私は交通量等を考えますと、これを二車線にするとか、あるいはまた御指摘通りに勾配あるいはカーブ、これらの点についてももう少し緩和していったならば非常に格安に工事費があがるということを考えております。従いましていよいよ基本調査にかかる際にはそれらを勘案しながら、実際に仕事のできるような、実現できるような方法によって基本調査をやり、そうしてまた何年か先、何十年か先に二車線ではとうていもう輻湊して何ともできないという場合がきたならば、そのときはまたあらためて考える必要があろうと思います。今非常な大きな国費をこの事業にのみ投入するということは、これは常識上からいってもとうてい困難なことでありますから、今日のでき得る範囲の形に一応……そういう形、大きな完全な形、少し縮少した形、あらゆるものをここで比較研究した上で、なおその上でまた御審議を願うようになると、こう思っている次第であります。
  33. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御発言もなければ、質疑は終了したものと認め、これより討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  34. 太田正孝

    太田正孝君 私はだんだんの話もお聞きし、かつ青木委員などから希望的な御意見まで出たのでございますが、けっこうな案でございまするから私は賛成いたします。しかし、だいぶ米田委員の言われたような技術上の問題もありますし、しかも政府技術上について非常な自信のある点を示されたのでございますが、しかし山にぶつつかり川にぶっつかりトンネルを作り、あるいは橋をかけるなどの点は実際問題でございますので、どうか、そのきょうの自信を裏切らないように、技術関係については特に留意せられまして完成のすみやかならんことを希望いたします。私はこれで終わります。
  35. 吉江勝保

    吉江勝保君 私は本法案に賛成をいたすものでありまして、もうその趣旨は先刻来他の委員からも発言されておりまするので、趣旨は明らかであろうと思います。ただこの法案を議決していただきまするときに、付帯決議を私は動議として提案をいたしたいのであります。本法案につきましては今まで十分に検討されて参っておりましてすでにかような法案提案になったのでありまするが、しかし今日の状況によりましてさらに検討を加えるものがあろうと思いまするので、付帯決議を動議として提出をいたしまして、皆さん方の御賛同を得たいと思います。付帯決議を朗読いたします。    国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を止める法律案に対する附帯決議案   政府道路整備五ヵ年計画を再検討し現状に即するよう抜本的交通対策を樹立すること、その際中央自動車道建設促進をはかること。   右決議する。  以上でございます。何とぞ御賛同いただきたいと思います。
  36. 太田正孝

    太田正孝君 ただいま吉江委員の言われたこの付帯決議の趣意にも全面的に賛成いたします。
  37. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御発言もなければ、討論は終結したものと認めこれより採決を行ないます。国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案全部を問題に供します。  本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  38. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお審査報告書につきましては、委員長に御一任を願います。  なお、討論中に述べられました吉江君提出の付帯決議案を問題に供します。  吉江君提出の付帯決議案を、国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案について、本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  39. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 全会一致と認めます。よって本付帯決議案は、本法案について本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお本付帯決議について村上建設大臣の所見をお伺いいたします。
  40. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線の御審議を願うに当たりまして、政府が五ヵ年計画を再検討し、この現状に沿った抜本的な交通対策を講ずるということは当然でありまして、なおその際に中央自動車道建設促進をはかるために、あらゆる措置をして参るということにつきましては、私どもも全く同感であります。   —————————————
  41. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に東海道幹線自動車国道建設法案議題に供します。  これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  42. 米田正文

    米田正文君 中央道と並んで東海道建設法案が時を同じくして提案されたことについては、私どもかねてからこれらの問題に関係の深かったものとしては、大へん喜ばしいことだと思っております。が、今新しく出ました東海道幹線自動車国道建設法案は、これはいわゆる高速自動車道の特別立法であり、ちょうど縦貫道法と同じような特別立法にまあなってくるわけであります。もともと高速自動車道法が、実は中央道よりあとでできたものですから、今日の法律の体系としてはちょっとおかしいところも現在あるんですが、それらをまあ私はこれを契機にして今後は直していく必要があるというように思っております。が、ここに出ましたこのことをつかまえて、一例として一つお伺いをいたしたいのは、高速自動車道法でなくて、こういう単独立法をされた趣旨一つお伺いをいたしたいと思います。
  43. 遠藤三郎

    衆議院議員(遠藤三郎君) 私は提案者を代表いたしまして申し上げたいと思うのでありますが、実はその高速自動車道路法の一般原則の法律でもってやることが普通だと思うのであります。しかし、ただいま御審議になりましたような中央道との関係がありまして、東海道にこういう法案ができないと、東海道高速道路を作ることができないような結果になってくる、それをはっきり国家の意思として明示していただきたい、こういうことにほかならないのでありまして、それ以上の何ものもございません。でありますから、ただいま議決になりました中央道法案が通ると同時に、東海道の方もやっていくんだということが国会において確認されていけば、私どもはそれでもう満足であります。そういう意味でこの法案提案したような次第であります。
  44. 米田正文

    米田正文君 これは現在の東海道自動車交通の現状から見て、非常に急を要するものだと思うのですが、これはまず調査をすることが第一段階だと思うのですが、この調査についての今年度の予算状況を一つ説明を承りたい、これはまあ建設省から一つ承りたい。
  45. 高野務

    政府委員高野務君) 旧国道一号の東京名古屋の問につきましては、最近の急激の自動車交通の状況によりまして、麻痺するのではないかという心配が出て参ったのであります。このため建設省におきましては、三十四年度に三千八百万円、三十五年度に四千三百万計上いたしまして、東海道の抜本的な交通処理対策を確保するために、東海道交通処理対策調査を実施しております。三十四年度の調査は、旧国道一号線の東京名古屋間の交通の現況、輸送現況並びに将来交通事情の推定等に基づいて高速自動車国道、自動車専用道路を起点とするバイパス、あるいは全国の改良も調査いたしました。この路線の選定及び事業費の概算を行なって」おります。三十五年度は、三十四年度に引き続きまして、空中写真の地形による五千分の一の地形図を利用いたしまして、高速自動車道路の計画線の調査を実施いたしております。
  46. 米田正文

    米田正文君 これは東海道についても、従来からいろいろの路線の案があったのですが、それらは比較の線をとるつもりですか、それとも一本の線をきめて、それを調査しようというのですか。
  47. 高野務

    政府委員高野務君) 東海道につきましては、昭和二十六年から三十二年まで調査をいたしました。それからまた三十四年から調査をやっておるわけであります。  その際におきましては、従来の資料をもとにいたしまして——従来の調査は、ある時期に早目に調査をしておるわけであります——これをもとにいたしまして、これと比較をして、さらに検討をしたい。あるいは当時やりました工事費の積算を、再検討しているわけでございます。
  48. 米田正文

    米田正文君 それじゃ数年前からやっておった建設省東海道線を基本にして調査されるのであって、例の産業計画会議で案を出したりしておったのがありましたね。あれは、今のところ、あの線についての調査をする予定はありませんか。
  49. 高野務

    政府委員高野務君) 私ども調査は、従来やって参りました計画線についての調査はもちろんございます。産業計画会議から勧告のありました海岸線についての検討をいたしましてやっておるわけでございます。
  50. 米田正文

    米田正文君 それで、その調査は、いつごろまでに完了する予定ですか。  私は、まあこれは、あまりこまかい調査をして、予定路線をきめる程度のものは、中央道でも非常に詳しい調査をしたもんですから、あれが前例にならぬように、これは私は、東海道だけでなくして、全国のことを考えて言っておるものですから、特にそういう気がするのですが、あまり詳しい調査をされるのは、どうか。それよりも、数多く、一本よりも二本をするという方が、適当ではないかという考えですが、どうですか。
  51. 高野務

    政府委員高野務君) 東海道につきましては、従来も調査をやっておりました関係もございますし、大体、今年度で概要の調査は終わりたいと思っております。
  52. 米田正文

    米田正文君 これが、まあこの予定路線ができるとすると、整備計画を立てるわけですが、一体整備計画を立てるには、整備計画を立てるときに、まあ詳細な調査をしてやらなければいかぬと思うのです。だから私は、特に重ねて希望しますが、あまり中央道の詳しい調査を、気象の霧のかかるのから何までやっておるというと、非常に時間がかかると思う。だからそういう点は、まあいわゆる概略調査であってそうしてあとで、今度は整備計画を立てるときに、しっかりした調査をするというように、一つ、ぜひそういうようにお進め願いたいと思います。
  53. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 ただいま議決されました縦貫自動車道中央自動車道、これが大体三千数百億か、今ここに提案されておりまする東海道幹線自動車国道、これが一体、事業費は、大体幾らくらいと考えておられますか。
  54. 遠藤三郎

    衆議院議員(遠藤三郎君) ちょっと、今聞き漏らしましたが……。
  55. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 事業費ですね。金が幾らかかるか。
  56. 遠藤三郎

    衆議院議員(遠藤三郎君) これはもちろん精細なる調査をしてみなければ、はっきりいたしませんが、私ども、大体千七、八百億程度でできるのではないか。これは、大見当であります。
  57. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 それで、この二つの道路が、やはり数千億の事業費が要るのですが、これに対して、それぞれの予算の何といいますかに対する成算といいますか、それはどういうふうに考えておられますか。
  58. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 私は、東海道の方は、これは国家予算でやるということは非常に困難であろうと思います。時間的にも、非常に困難な問題があろうと思います。これはでき得る限り——でき得る限りでなく、全面的に外資等の導入をはかって、有料式の道路建設をすることが適当であろう、かように思っております。
  59. 田中清一

    田中清一君 この東海道幹線高速道路の、今これを一応、採決しなければならぬ段階になっておりますのですが、お話のように一千六、七百億円という建設費は、一体、起点がどこで終点がどこであるかということの図面とか、あるいはそれに対する心組みでもあって、なさっていらっしゃるならば、その資料を出していただきたい。それで、この点については遠藤先生ではなく、建設大臣から、その金は確かに千六、七百億でできる。その起点はどこ、終点はどこであるかということを、ちょっと企画等も、一つお聞きしておきたいと思います。参考のためにお聞きしておきたい。
  60. 高野務

    政府委員高野務君) これは私ども、今調査しているわけでございますので、それから遠藤先生の御説明になりました千六、七百億というものとは、直接関係はないのでございます。  私ども東海道に、高速自動車国道を計画する場合といたしまして、東京都の環状六号から愛知県の小牧市まで約三百六十キロ、往復分で四重線、設計速度は平地百二十キロ、丘陵地百キロ、山地八十キロという企画で、大体の概算をしているわけでございます。これが大体千七百億から千九百億円という事業費でございます。これをさらに、今後検討をし、固めていくという数字でございます。確定したものではございません。一応、そういう数字を持っております。
  61. 田中清一

    田中清一君 ただいま私が申し上げました起点と終点は、東京の起点はどこでそれから小牧——小收であるか、あるいはその付近であるかということを伺いたい。
  62. 遠藤三郎

    衆議院議員(遠藤三郎君) ただいまの質問は、政府の方へ質問のようでありますけれども、実は政府の方は、それを知らないのであります。私どもの方の案で、担当が違うのであります。私どもの案は、どこであるかというと、東京都が起点になっております。そうして名古屋付近ということになっております。名古屋市の周辺の適当なところへ持っていくということであります。今小牧へ持っていくというような説明がありましたけれども、あれは、建設省が前から調査しておったそのキロ数や何かの参考に申し上げたことではないか。私どもの方の法律では、名古屋付近という建前になっているわけであります。  そのことを一つ、御了承願いたいと思います。
  63. 田中清一

    田中清一君 ただいまのその三百六十キロというもので、それだけ千七百億ないし千九百億でできるということは、確かでございますか。
  64. 高野務

    政府委員高野務君) これは、既往の調査結果の数字というものから検討いたしたものでありまして、大体このような数字が出ると思います。  さらに、先ほど申し上げましたごとく、これは、さらに調査して、検討を加えなければならぬ数字ではございます。
  65. 田中清一

    田中清一君 そうすると、まだ確かな数字ではないということでございますね。
  66. 高野務

    政府委員高野務君) 最後的の数字ではないと申し上げておるわけでございます。
  67. 吉江勝保

    吉江勝保君 私も、東海道案に賛成をする意味でお尋ねいたしますが、先ほど、東海道調査につきましてはまあ中央道のように何年もかからずに、もっと早く終わるようにという米田委員の発言があったのでありまして、まあ建前から申しますというと、政府の方で提案しておりまする法案の実施につきましては、もう割合に確実なものを提案されておると思うのでありますが、まあ私ども提案しながら、自分からのものについて、どうこう言うのはおかしいですが、まあ議員提案のものでありますれば、ある程度は、コンクリートになりますまで、政府の方におきまして、法案通りました後におきさましては一つ——責任は、今度は議員にはないのでありまして政府に、今度はかかるのであります。どうか慎重に、しかも完全な調査をお遂げになって、そしてりっぱなものを作っていただきたい。  で、その意味は、中央道に何年もかかっておったので、そんなに何年もまたかかるのは、少しこまか過ぎるのじゃないかというような御発言であったと思うのでありますが、私は、今言ったような意味で、早くやるという意味は、決して疎漏という意味ではなかろうと思います。より一そう、一つ慎重な調査をしていただきたい。さらに、国土開発縦貫自動車道に続いて参りまする東北とか、あるいは中国、九州等におきまする予定路線調査につきましては、まあ中央道におきまして、相当経験も積み、綿密にやられましたので、これは別に学問というよりも、実際の実地に即する調査でありますので、中央道で長年かかったから、たその方は簡単に切り上げるというわけにはいかないのかもしれませんが、しかし、他の、国土開発自動車道につきましては、またできるだけ、これも能率を上げて、調査をしていただきたい。そういう意味で、米田委員もひっくるめておっしゃったのだろうと思いますので、東海道の案だけを簡単にやれという意味ではなかったと思うのでありまして、どうか、中央道に要されましたような長い日子を、他のすべてのものにかけられないように、一つ能率を上げていただくように希望申し上げます。
  68. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は終了したものと認め、これより討論を行ないます。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  69. 青木一男

    青木一男君 私は、本案に賛成をいたします。そしてこの東海道の案も、先ほどの法案中央道も、ともに、なるべく早く完成してもらいたい。先ほど付帯決議で、道路整備五ヵ年計画という話が出たわけでございますが、再検討ということが、建設大臣も御同意であったのでありますが、まあそういう趣旨から考えましても、こういう重要地帯の建設ということには、一段の力を入れていただきたいという希望を付して賛成いたします。
  70. 太田正孝

    太田正孝君 もちろん私は賛成する——提案者の一人になっておりますので、言うまでもないことであります。もともと交通量が非常に多くなったという事柄が、重要なるわれわれの考え方でございました。どうかこの意味におきまして、現在の目に見るごとき混雑した交通事情を、よく調査するようにお願いいたしたい。しかも交通費、あるいは運搬費が企業経済における非常に大きな項目になっておりまするので、こういうものが早くできまして、あるいは自由化であるとか、所得倍増などの関係もございまするし、日本の経済の発展のために、企美経済における交通費及び運搬費が少なくなるように、一日も早く実は望みたいのであります。よってもって、縦貫工業、あるいは臨港都市の発展に寄与されんことを希望いたします。
  71. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 他に御発言もなければ、討論は終結したものと認め、これより本案の採決を行ないます。  東海道幹線自動車国道建設法案全部を問題に供します。  本案を原案通り可決することに、賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  72. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 全会一致と認めます。  よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書につきましては、委員長に御一任を願います。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十五分散会