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1960-06-09 第34回国会 参議院 建設委員会 第32号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年六月九日(木曜日) 午前十時四十八分開会
—————————————
委員
の
異動
五月三十百
委員横山フク
君、
大谷贇雄
君及び
上林忠次
君辞任につき、その補 欠として
田中清一
君、
稲浦鹿藏
君及び
小山邦太郎
君を議長において指名し た。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
岩沢
忠恭
君
理事
稲浦
鹿藏
君 松野 孝一君 武藤 常介君
委員
小沢久太郎
君 太田 正孝君 河町 謙三君
田中
清一
君 吉江 勝保君
米田
正文
君 国務大臣 建 設 大 臣 村上 勇君
政府委員
建設政務次官
大沢 雄一君
建設大臣官房長
建設省住宅局長
事務代理
鬼丸 勝之君
建設省河川局長
山内 一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
理事補欠互選
の件 ○
派遣委員
の
報告
○
建設事業
並びに
建設
諸
計画
に関する
調査
(
チリ地震津波
による
災害対策
に関 する件)
—————————————
岩沢忠恭
1
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) ただいまから
建設委員会
を開会いたします。 初めに
理事
の
補欠互選
についてお諮りいたします。 去る五月二十八日の
委員
の
異動
に伴いまして、
理事
が一名欠員となっておりますので、この際その
補欠選挙
を行ないたいと存じます。選任は前例により
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岩沢忠恭
2
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 御
異議
ないと認めます。それでは
委員長
から
稲浦鹿藏
君を
理事
に指名いたします。
—————————————
岩沢忠恭
3
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に
チリ地震津波災害対策
に関する件について
調査
を行ないます。 初めに
本件災害状況調査
のため、先般
東北
、
南近畿地方委員派遣
を行なっておりますので、その
報告
を聴取いたしたいと存じます。それではまず
東北派遣委員米田
君の御
報告
をお願いいたします。
米田正文
4
○
米田正文
君 私は
三陸地方
の
津波災害
の
実情調査
を命ぜられましたので、去る三十日出発をいたしまして五日に帰京いたしますまで一週間にわたりまして、
現地
の
調査
をいたしております。ちょうど他の
社会労働
及び
運輸
の
委員会
からも
委員
の
派遣
がございまして、一緒に視察をして参ったのでございます。
報告書
はお手元にお配りをいたしておきましたが、その内容の
概要
について御
説明
を申し上げたいと思います。
被害
の
調査
の
概要
をまず申し上げますが、私
ども
の参りました
宮城
、
岩手
、
青森
の三県で、いわゆる
三陸地方
と称せられる
地域
でございます。この
地方
は御
承知
のように、過去において明治二十九年の非常な大
津波
がございました。その後、
昭和
八年の三月にまた大
津波
がございました。そして、
各地
で非常な
被害
を受けたのでございますが、今回の
被害
は、さらにそれらの二回の大
津波
の
被害
を上回る
被害
を生じたのでございます。
三陸地方
は御
承知
のように、
海岸
が
リアス式
と申しまして、非常にのこぎりの歯のようになった
海岸
でございまして、ちょうど
津波
を受けると、その湾に入ってさらに波の高さが高くなるというような地形のところでございまして、宿命的に
津波
に対して非常に弱い性格を持っておる
地域
でございます。今回の
災害
におきましては、不幸中の幸いと申しましょうか、非常に
被害
が大きかったのにかかわらず、
人命
に関する
被害
は比較的少なくて済んだということでございます。これは一に
地元民
の過去二回の非常に尊い体験が
津波
の来襲を予測いたしまして、そうして適切な
措置
をとったからでございます。地元をずっと回って見ますと
各地
に
石碑
が立っておりました。
昭和
八年直後に立てたものでございますが、
各地
に見られましたがその
石碑
には、
地震
があったら
津波
と思え、それから潮が異常に引いたら
津波
と思え、というようなことを書いてあるものがあり、かつはそういう逃げるときの心得も書いてありました。そういう
避難
をするときには物を持つな、物は全部家に置いて行け、というようなこまかいことまで
石碑
に彫り込んで、もう
村民
、
部落民
が毎朝毎晩その
石碑
を見るようにしてありまして、私は非常な
感銘
を受けたのでございますが、そういう
地帯
でございまして、従って、今回の
災害
についても、漁師は朝の三時ごろから海に出ていくわけですが、出ていってみたところが非常に潮が引いておって、非常に異常な引き潮だというので漁夫がびっくりして市役所、あるいは
部落
あるいは
市町村
の長にそれぞれ朝早く連絡をした。従って、
市町村
は半信半疑ながらその
報告
を受けて手配をして、
避難
の命令を出したということが、今回の
人命
に関する
被害
を少なくしたゆえんであったのでございます。 まあ、そういうような
現地
における
人たち
の
予報
によって
処置
がとられたのが、今回の特徴であったように私は感じて参りました。残念なことには、気象庁の警報が非常におくれて、もう
津波
の来た
あと
に通知があったというようなことでございます。この点は将来の問題でございますが、
予報
の総合的な
対策
を立てて、
予報
が早くできるような
措置
を、これを契機にして確立をする必要を痛感いたして参りました。 今度の
被害
は三県を通じまして見まして、いわゆる
個人被害
が非常に大きいのでございまして、
建物
、
住宅
あるいは非
住家
、そういう
建物
が非常に大きな
被害
を受けて
流失
、
全壊
、
半壊
というようなものが非常に多かったのでございます。 それに、あそこは
漁業地域
でございますので、
漁船
の
被害
、漁具、
漁業施設等
の
被害
がまた非常に大きな額を示しておりました。
公共施設
は
災害
が非常に
金額
あるいは
数量とも
に僅少でございます。その理由の
一つ
は、これらの
地域
についてはまだ
公共施設
が完備されておらない、
公共施硬
の非常に少ない
地帯
であるために、
公共施設被害
が非常に少なかったという結果になっております。 そういう
現状
でございましたが、その
被害
の現況は、私
ども
が参りましたときは
官民一体
になりまして
善後処理
をいたしておりまして、ようやく復興の途上にございました。特にまた今回も機敏な
自衛隊
の
活動
によりまして
地元民
は非常に
感謝
をいたしておりました。なお、
復旧
も非常にそのために手ぎわよく
処置
をされておったのでございます。
自衛隊
は
倒壊家屋
の
整理
、
施設
の
補修
あるいは鉄道の
復旧
にも出て、それから
防疫
、
給水
、入浴に至るまでの仕事に携わっておりました。各
市町村
においても、
市町村民
は非常にその労に対して
感謝
をいたしておりました。 それから、被霊地に
発生
しがちな
赤痢発生
の予防のための
屎尿処理等
も専門的に
防疫活動
が行なわれておりましたし、日赤及び
県市町村
の
努力
と相待ちまして、
患者
の
発生
を
最小限度
に食いとめておりました。現在、
宮城
県で当初、
真性赤痢患者
が三名、
擬似患者
が二十数名、
岩手
県下で
真性
が十一名、
擬似
が十名程度出ました。これらはすべて隔離をいたして適切に
処置
をいたしておるように見て参りました。 それから
救援物資
が続々と
現地
に届いておりますが、これも非常に順調に支給されておりまして、民心もようやく落ちつきを取り戻しておるという
状態
でございまして、それらの
処置
についての不満がほとんど聞かれなかったということは、これらが非常に順調にいっておる、適切に行なわれておると言うてよかろうと思うのでございます。 次に、三県についてごく
概要
を申し上げたいと思います。
宮城
県の
被害概要
でございますが、
宮城
県下は、二十四日の未明四時ごろから潮が高くなって参りまして、波高が三メートルないし四メートルの
津波
が四時を前後にいたしまして数回にわたって襲来をいたしまして、
津波
による損害を生じた。
死者
が四十二名、行方不明十二名、
家屋
の
全壊
が千四十五戸、
家屋
の
流失
が四百九十五戸、
被害総額
八十六億七千九十八万四千円という
数字
を県庁において
報告
を受けました。
被害
の甚大であった地点は、
志津川
あるいは女川、塩釜、
石巻等
でございました。これらの
地域
においては非常な
被害
を受けて、特に
志津川
のごときは非常な
被害
でございました。一見したところでは全
町全壊
というような感じを受ける所でございます。町長は率先して先頭に立ってその
復旧
に涙ぐましい
努力
をいたしておりました。その中でこの
委員会
に
関係
のあります
土木
の
関係
の
被害
といたしましては、
総額
四億四千三百万円で、
河川
が二千八百九十三万、
海岸
が四千八百二十三万、
道路
が六千七百五十四万九千円、
橋梁
が七千七十万円、
港湾
が五千万円という
内訳
になっております。 次に、
岩手
県を申し上げたいと思います。
岩手
県は、
土木施設
、
農林業施設
及び
漁業施設
、並びに
家屋等
の全
被害額
、
被害
の
総額
九十八億三百十八万七千円になっておりました。
人命
の損傷におきましては、
死者
五十五名、行方不明六名、並びに
重軽傷者
三百七名というような
数字
になり、
罹災者総数
三万五千二百七十九人を数えるに至っております。
岩手県内
におきましても
自衛隊
の
活動
は活発でございまして、非常に適切に行なわれておりました。特に
米軍
の
三沢基地軍用機
及び
航空自衛隊
の飛行機による
食糧
の
投下等
が行なわれたりいたしまして、非常に活発でございました。本
県内
における主要な
被害
、特別な
被害
と申しますのは、
陸前高田
市の
防潮林
がその
中央部
において
決壊
をいたしておりました。そうしてそれから
津波
が入って参りまして市街地に
浸水
をいたしというのでございまして、この
陸前高田
市の
防潮林
と申しますのは、
昭和
八年のあの
津波
の
あと
、すぐに町の
前面
に、
前面
と申しましても
相当
距離がありますが、二キロぐらい、半道ぐらいありましょう、その
前面
の海の中に
防潮林
を作って、ちょうどそれから三十年近くたっておるので、ちょうど松も
相当
に伸びて繁茂いたしており、
防潮林
の効果を発揮いたしたのでありますが、残念なことに、なお弱い
部分
があったためにそこから
決壊
を始めて
津波
が入ってきたというような
実情
でございました。あの
昭和
八年の当時には、最近のような
特別立法
は行なわなかったんですが、そういうような
防潮林
をやったり、あるいは
防潮堤
をやったりするような、
施設
をするようなことが行なわれておりますが、
各地
に
昭和
八年後の
対策事業
が残っておる
実情
を見て参りました。それから山田町も
前面防潮堤
がございました。それからの
越水被害
もありましたが、
織笠川以南
の
防潮堤
のない
部分
から
津波
が侵入いたして参りまして、
木材工場
がやられましてその貯木してあった
木材
が流れ出して、そして市内の町の
建物
を
木材
の衝撃によって破壊をいたしたという
実情
でございました。 そういうような、私
ども
はこの
岩手
県におきましては、
昭和
八年のときの教訓を非常に
感銘
をいたして見て参ったのでございますが、なお、
田老
町というところがございますが、ここは
昭和
八年後にすぐ大
防潮堤
を町の
前面
に築きまして、それをさらに
昭和
二十九年から
補修
をいたしまして、
前面
、りっぱな
防潮堤
で町を囲んでおります。たまたま、ここには今度は大きな水がこないで、二メートルぐらいな高さの
津波
しかこなかったので、ほとんど問題にならなかったのですが、まあしかし住民は非常に安心をいたしているということで、全然
被害
はなかったということで、この
三陸地方
の人は、その
田老
町の
提防
を見て、ああいう
堤防
をやってくれというのが、どこに行ってももう——いろいろな
説明
をしないで、
田老
町のような
防潮堤
をぜひ頼むというのが、合い言葉になっておるという
実情
でございます。
岩手
県の
総額
は九十八億三百十八万七千円の
被害総額
と
報告
をされましたが、その中で
土木関係
のものといたしましては九億千三万七千円ということになっております。これらも
河川
が八千四品七十一万、
海岸
が六千八百十万円、
道路
が四億二千三百四十一万八千円、
橋梁
が九百七十五万円、
港湾
が二億八千七百七十八万五千円、
都市計画
が、千六百二十七万四千円という
内訳
になっております。 主要な
被害
を受けた
地域
は、
陸前高田
市、大船渡市、釜石市等でございました。その他ございますが、主要なるものはそういう
地域
でございました。それに宮古市、普代村という
地域
でございました。それに
久慈
市でございましたが、
久慈
市は比較的
被害
は軽少でございます。 次に
青森
県の
被害概要
でございますが、これは
潮位
が一番大きかったのでございまして、
潮位最高
は五メートル以上にも達しておりました。特に
八戸
市の
被害
が著しいものでございまして、
八戸
市にはもちろん
災害救助法
が発動をされました。
自衛隊
及び
航空隊
の出動によりまして
人命救助
、
道路維持
、
給水等
の
事業
が実施をされておりまして、また
三沢
の空軍による
食糧投下
の協力もあったのでございます。 今のところ判明をいたしております
死者
は一名、行方不明が三名、
重軽傷
四名というような、比較的
人的被害
は少なくて済んでおりました。
住家
の
被害
は
流失家屋
が二十四戸、
半壊
は三十四戸という
数字
でございました。ただ御
承知
のように、
八戸
はいわゆる
水産関係
で
漁船
の大
集結地
でございます。
漁船
の七、八割までがもう漁に出るというので、出漁の体制ができ上がって勢ぞろいをしておるところにこの
津波
が来たというので、その
集結
をしておった半数にわたる
漁船
が
被害
を受けた。
動力船
で三百七十三隻、無
動力船
で百八十四隻というようなものが
被害
を受けたのでございます。こういう
水産基地
であるだけに、
水産関係
の
被害
が非常に甚大であったのでございます。
土木関係
といたしましては、
八戸
港の
工業港
の防波堤が
決壊
をいたしております。及び、商港の泊地が埋没をいたし、
浚渫船——
これは
直轄工事
の
運輸
省の
浚渫船
が流されて座礁をしておる、ほとんど使いものにならなくなっておるというような
被害
もございます。
土木関係
全体といたしましては五億四千万百、全部では五億七千万円に
被害
が及んでおります。で、
青森
県の
被害総額
といたしましては四十六億九千万円でございます。大
部分
は
水産関係
の
被害
でございまして、
水産関係
がほとんどを占めておりまして三十二億六千万円がその中に
水産関係
として含まれておるのでございます。
八戸
は
港湾施設
が非常に進んでおりまして、それからいろいろな
工場施設等
も最近非常に著しく伸展をいたしてきておる所でございましたので、その
被害
の額が非常に上っておるのでございます。
地域
の狭かった割に非常に大きくなっておるというような
実情
でございます。最近でき上がったばかりの魚市場の
前面
が今度の
津波
で足が洗われて、まさに
倒壊
をしようとしておるような
実情
でございます。その
対策
を非常に急いでおる
現状
でございます。 以上大体申し上げましたような
現地
の
実情
でございましたが、詳細は
報告書
の中に各
主要市町村別
に書いてございますので、
あと
でお読みを願いたいと存じます。 で、最後に各県でいろいろと
要望
がございます。今回の
被害
の
復旧
に対する
要望
がございました。その点をまとめて書いてございますが、そのうちのおもなるものを申し上げてみますと、
宮城
県におきましては、
公共土木施設災害復旧
に関する
特別立法
をしてもらいたいという点がございます。 それから第二は、
住宅
、
工場等
の
立地条件
の改善のための
特別措置
をしてもらいたい。これは
被災地区
における
住宅
、
工場等
の
立地条件
を改善するために
土地区画整理事業
及び
宅地造成事業
について、
高率
の
国庫負担
をする
特別立法
をしてもらいたいという
要望
でございます。 それから、
公共土木施設
の
単独災害復旧事業
に対する
起債
並びにこの
元利補給
についてでございますが、これは今回の
災害
に関連する
単独復旧事業
については
起債
を
全額
してもらいたい。そしてこの
元利
については、
全額
を補給してもらいたいという
趣旨
でございます。 それから
失業対策事業
でございますが、特別に今回の
津波対策
として
各地
に
失業者
の
救済事業
をやってもらいたい。そのためには現在行なわれておる
失業救済事業
のほかに、
一般公共事業
としてやれるような
事業
を起こして吸収をしてもらいたい。というのは今回の
災害
に限らずそうですが、
失業者
として
安定所
に
登録
をして、そうしてその
登録
を受けた者を
失業救済事業
に使うという制度のほかに、自分らは
安定所
に行って
失業救済
の
手続
まではするのではない、しかし現在非常に何もかも流されて困っているからして、
工事
に出てその日の賃金をもらいたい、
現金収入
を得たいという
趣旨
でございます。
失業救済
としての
安定所
に届出をして、
失業救済事業
に吸収されるというのではない
措置
をお願いしたいという
趣旨
でございます。 それから
災害復旧事業費国庫負担
の
対象限度額
の引き下げについての
要望
もございました。これは
現行法令
による
国庫負担対象限度額
は、県の
工事
で十五万円、
市町村
の
工事
で十万円を
限度
としておりますが、それぞれそれを五万円、三万円に下げるように
措置
をされたいという
要望
でございます。
災害住宅適用基準緩和
と
建設基準
の
引き上げ等
についてでございますが、これは
公営住宅法
第八条による
災害住宅
の
適用基準
を
緩和
するとともに、その
建設基準
を、
県下全域
における
滅失住宅戸数
の二分の一以上に引き上げてもらいたい。そうしてその
建設費
及び
既設公営住宅
の
補修
に要する経費は、
高率国庫補助
とし、その他は
全額起債
によって充当できるような
特別措置
をはかってもらいたいというのでございまして、なお
災害公営住宅
については、今回の経験にかんがみまして、なるべく
耐火構造
とする、これはおそらく
永久構造
という意味でございましょうが、特に
簡易耐火構造
の二階建並びに
中層耐火構造
を考えてもらいたい、これは各県でございましたが、
津波
が来たときに一番最
前列
の家がみなやられて、それがまた
うしろ
の家をこわす、次々にこわしていく
状態
になっておりますので、海に面する
最前面
の
建物
は
永久構造物
にして、
津波
がきてもこわれないような家を最
前列
に建てたいという
希望
でございます。これは各県を通じての
希望
でございます。 それから
住宅金融公庫
の
融資ワク
の拡大と
融資条件
の
緩和
でございます。
一般被災住宅
の修繕及び
復旧等
に、
住宅金融公庫
の
融資ワク
の
大幅増加
をしてもらいたいというのと、
融資条件
を
緩和
し、かつ
貸付手続
の
簡素化
をはかってもらいたいという
趣旨
でございます。 それから
津波
及び
高潮防災
の
施設
についてでありますが、これはしばしば
津波
及び
高潮
の
被害
を受けておる
地域
では、この根本的な
対策
として
現地
では
防浪堤
とさかんに呼んでおりますが、いわゆる
防潮堤
あるいは
防波形式
のものを
全額国庫負担
で
一つ至急
にやってもらいたいという
要望
が、これも
各地
を通じての
要望
でございます。 各県とも大体今の
宮城
県の
要望
のような点をそれぞれ
要望
いたしておりましたが、それらはこの
報告書
に書いてございますので、これでお読みとりを願いたいと存ずるのでありますが、要するにこの
災害復旧
は比較的
土木関係
の
金額
は小さい、その
復旧金額
も小さいのでございますが、
現地
としては、今後また
津波
が来てこういう
被害
を受けることのないような、予防的な
措置
の方に重点を置いていただきたいというのが
現地
の強い
要望
でございますので、この点を力説いたしまして私の
報告
を終わらせていただきます。
岩沢忠恭
5
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に同じく
南近畿班
の
田中清一
君に御
報告
をお願いいたします。
田中清一
6
○
田中清一
君 私は
南近畿地方
における
チリ地震津波
の
被害状況調査
のために、同僚の
運輸委員会理事天埜良吉
君、及び
農林水産委員
の
植垣弥一郎
君とともに、五月三十日の夜九時に東京を出発いたしまして、
和歌山
県及び三重県の順に
現地
をたずね、
罹災関係者
をお見舞申し上げるとともに、
被害状況
を視察いたしまして、六月三日帰京いたしました。
現地
におきましては、可能な限り広範囲にかつ詳細に
被害
の
状況
、
応急措置
及び
復旧対策等
について
調査
を行ない、また
現地
の
要望
、陳情を受けて参ったのでございます。 まず
和歌山
県について申し上げますと、本県は
津波
の当日午前四時過ぎから十時ころまで五回にわたりまして二メートルから五メートルの
津波
に襲われ、
海岸地帯
における
道路
、
堤防
、
橋梁
、特に
水産関係
の
真珠養殖
、その
施設資材等
に莫大な
被害
を受けておったのでございます。
和歌山
県の
被害
の
総額
は約十四億三千五百八十万円でございまして、そのおもなものを申し上げますと、
家屋
の全
半壊
、
床上浸水
、
床下浸水
二千百五十余戸、
罹災者
は一万人余でございます。
田辺
市、
白浜
町、
海南
市、及び
和歌山
市に
災害救助法
が適用されましたが、
死者
のなかったことはまことに不幸中の幸いであったのでございます。
農耕地関係
は約一億六千七百万円であります。
土木関係
では
道路
の
流失
、
路側欠壊九
ヵ所、
河川
の
護岸欠壊十二
ヵ所、
港湾
では
護岸欠壊
、
樋門倒壊
、
物揚場欠壊等十
三ヵ所、
橋梁
の
流失欠壊
が二ヵ所、
海岸
一ヵ所の
被害
で、その額は約一億二千万円でございます。
農林畜産関係
の
被害
は約二千万円でございます。
水産関係
の
被害
は県全体の
被害額
の半ばに達する約七億
手品余
が円であります。そのおもなものは
真珠養殖関係
の
被害
であります。
商工関係
の
被害
は
製材工場施設
の
浸水
と約八万石に及ぶ
木材
の流出がございまして、約三億一千八百万円。また
商業関係
の
被害額
は約六百万円であります。その他
公共施設
、
建物
、
住宅等
の
被害額
約四千万円余となっております。 このたびの
災害
の特質は、
被害
の
地域
とその
対象
が比較的限定されておることであります。
リヤス式海岸線
の
港湾
がそれでありまして、そのおもなものは
海南
市、
田辺
市、
白浜
町及び
勝浦
町等の
各地
区でございます。
勝浦
町のうちには串本も入っております。
被害
はそれに伴う諸
施設
と
水産関係
、特に
真珠養殖
と
木材
とでございました。 以上の
被害
に対しまして
県当局
から
要望
のありました点は、
昭和
二十八年及び昨年九月の
台風
に続く今回の
被害
に
県財政
の立ち直るひまもなく、苦しい
財政事情
のもとで早急に
復旧
せねばならぬ必要に迫られておりますので、昨年の
伊勢湾台風
の
被害
の
復旧
に際して講ぜられましたと同様な
措置
をされたいとのことでございました、 次に
現地
を視察いたしました順に申し上げますと、
海南
市は当時
最高
の
潮位
が三メートル三でございます。
日方
川及び
山田川
の
上流部
及び琴の
浦地区
に
浸水
し、
家屋
、田畑が被災いたしました。その後大小数回にわたる
津波
によりまして
日方
川及び
山田川護岸
は約五十メートルが
決壊
いたしまして、
海南
港、琴の
浦海岸
の
決壊
と
築地樋門
が
倒壊
いたしました。これらの
被害額
は約九百万円であります。
海南
港は
昭和
二十一年
南海地震
によりまして六十センチ地盤の沈下があったのでございます。同二十六年の
ジェーン台風
の
高潮
によりまして多大の影響を受けまして、全市に
浸水
、
相当
の
被害
を受けたのでございますが、この
対策
として同二十五年度から
工費
一億九千余万円をもって
護岸
の
高潮工事
を
着工
、同二十九年度に
完成
、さらに同二十六年度より
工費
八千七百万円をもって
防潮堤工事
に
着工
、現在延長五百九十七メートルが
完成
いたしておりますが、なお
北防潮堤
三百六十三メートル、
南防潮堤
百二十メートルが未
完成
となっております。しかしながら今次の
津波
に対しまして多大の役割を果たしており、この際未
完成
の
部分
を一気に
完成
されたいとの強い
要望
がありました。なお国道四十一号線は今度冠水いたしましたが、これには大した
被害
はございませんでした。 次に
田辺
市に参りましたが、当
地区
においては
道路
の
流失
、
路側
の
決壊
及び
護岸
の
決壊
並びに
橋梁
の
流失決壊等
二十一ヵ所、
被害額
は約三千万円に達しております。文里港は当時
最高潮位
は三メートル七十を記録し、
同港物揚場
及び
護岸
九ヵ所が
決壊
いたしております。その
被害額
は約七百四十万円であります。
護岸
は
工事別
により強弱及び高低があり海水の侵入がありました。これが
災害復旧
は
原形復旧
ではなく、
改良復旧
として万全を期されたい旨の強い
要望
がございました。 次に
白浜
町堅田に参りましたが、
海岸線一帯
に侵水を受け
真珠養殖関係
について大きな
被害
がありました。ついで
那智勝浦
町に参りましたが、今合併して
那智勝浦
町となっておるのでございますが、
津波
による
被害
は、
水産関係
と
家屋
の侵水に限られておりました。ここは大したことはございませんでした。 次に三重県について申し上げますと、本県は
津波
の当日、午前四時十五分
津波
の第一波が尾鷲湾に来襲いたしましたのを初め、県南部
地方
に数次にわたって
津波
があり、特に四時四十五分、五時十五分、五時五十分の
津波
は
潮位
が最も届く、伊勢湾南部から熊野灘沿岸にかけて、波の高さは二メートルから三メートルに達し、尾鷲市、北牟婁郡、海山町、長島町、度会郡紀勢町、南勢町、南島町、志摩郡一帯はもとより、伊勢湾南部一円にわたる広範囲な
地域
に大きな
被害
を与えたのでございます。今次の
災害
の特徴といたしましては、
津波
の急激なために、
真珠養殖
施設
や漁業
関係
の
被害
の大きいこと等でございますが、ここも
死者
のなかったことは不幸中の幸いでございます。三府県の
被害
の
総額
は五月三十日現在で約四億四千八百万円でありまして、その中でおもなるものを申し上げますと、全
半壊
、侵水七千戸以上に及びました。
家屋
、
建物
関係
が約三十八億一丁が円で、農地農林
関係
が約二億六千七百万円、
水産関係
は総
被害額
の半ば以上の、約五十九億五千七百五十万円に達しておるのでございます。その他畜産開拓
関係
約一千万円、
商工関係
が約一億七千二百万円となっております。
土木関係
につきましては
河川
九ヵ所、
海岸
五ヵ所、砂防二ヵ所、
道路
八ヵ所、
橋梁
六カ所及び
港湾
十二ヵ所、合わせて四十二ヵ所、
被害額
約一億一千八百万円でございます。なお
被害
地の尾鷲市、海山町、南島町、長島町、紀勢町及び南勢町に対し、
災害救助法
が適用されました。 次に視察いたしました順に申し上げますと、尾鷲市は当時の午前三時四十四分
津波
第一波がきております。しこうして八昨十分ごろの第七波をもって終わっておりますが、五時二十分ごろの第三
津波
が最も大きく
潮位
三メートル三十六を記録しております。
被害
は主として旧町内で、
海岸
一帯に侵水いたしましたが、市内
海岸
正面の
防潮堤
が大きな効果を示しました。
被害
の
総額
は約四億一千万百で、そのうちおもなるものは
家屋
の約二億七千万円、商工業
関係
の約七千二百万円であります。
水産関係
は約三千二百万円でございます。
土木関係
は約八百五十万円で、矢の川
堤防
約百メートルが
流失
いたしました。また矢の浜
海岸
護岸
が同じく百メートル
決壊
いたしましたほか、木造仮橋三綱が
流失
いたしました。市は
災害救助法
を適用するとともに、事後の
措置
の適切なため伝染病の
発生
もなく、また
被害
者に対する見舞金も
伊勢湾台風
当時と同額の配分がされておりました。
要望
といたしましては、
伊勢湾台風
に対すると同様の
措置
を講じられたいこと。
災害
の
復旧
をすみやかに行なわれたいこと。また海潮
対策
として
防潮堤
、
護岸
の新設及び既存の強化、かさ上げが強く
要望
されておりました。 次に海山町に参りまして引本
地区
及び矢口
地区
を視察いたしました。両
地区
はそれぞれ
最高潮位
四メーター七十、五メーターという記録を示しておりました。そのため引本港の護津が百メートル及び矢口漁港の樋門前後等二百メートルの
護岸
の
決壊
を初め、
河川
、
道路
及び
橋梁
九ヵ所の
被害
があり、それらの
総額
は約三千五汗七十万円であります。同町の
被害
の額は約三億二千四万円でありますが、
住宅
関係
が最も大きな
被害
を受けておりました。同町といたしましては昨年に続き今回の
災害
は個人の
被害
が特に甚大で、
海岸
地区
に対する
高潮
対策
の強化を切望されました。 次に志摩郡阿児湾に参りまして賢島から船に乗り込みまして、湾内、帯の
真珠養殖
いかだの
被害
の
実情
を見て回りました。当時は
水産関係
の
被害
が大きく、それ以外のものは
被害
はほとんどない
状態
でございます。
現地
及び
県当局
の
要望
されましたところを申し上げますと、今回の
被害
に対しては昨年の
伊勢湾台風
と同様の
措置
を講ぜられたいということでございます。
被害
市町村
に対してはその資金繰りに必要な緊急融資を配分されたい。また収入減に対する財政
措置
並びに
公共土木施設
の早急な
復旧
を講ずるため、
元利補給
づき
起債
を認められたい。災小
復旧
住宅
建設
資金の
災害
融資については、
住宅金融公庫
のワクの拡大について
措置
せられたい。
公共土木施設
の
災害
については
伊勢湾台風
と同様の
措置
を講ぜられたい。また
伊勢湾台風
による災
復旧
事業
として
工事
中に今回の
被害
を受け、再び
復旧
を必要とするものは、特に緊急を要するので手戻り
工事
として取り扱われたい。また伊勢湾
高潮
対策
の
海岸
復旧
事業
に対する
現地
査定は現在再
調査
の段階にあり、いまだ最後的決定に至っていないので、大
部分
の
堤防
は構造、断面、高さ等がきまらず
着工
できない
現状
にあるが、今次の
災害
等にもかんがみ、すみやかに決定されるとともに
災害復旧
費については、
工事
の進捗をはかるため必要な
事業
費を確保されるよう予算の増額をはかられたい等でありました。 以上をもって
報告
を終わりますが、今次の
災害
の特徴は比較的に公共
土木関係
の
被害額
は少なく、個人の
被害額
が大きくなっており、また
水産関係
の
被害
が両県を通じてそれぞれ
総額
の半ばを占めております。また
高潮
、特に
津波
に対する認識を改め、これが
対策
を講ぜられ、政府において有効適切な
措置
をとられんことを切望いたすわけでございます。特に私の聞きましたところによりますと、
伊勢湾台風
と同等のすべての
措置
をしていただきたいということが論旨のおもなるものでございましたが、その上特に
伊勢湾台風
のときは真珠のいかだが十台以下の小企業者に対しましては、補助その他非常な便宜を与えられたけれ
ども
、十台以上のものには与えられなかったと申します。御
承知
のように真珠のいかだは約十八メートルの長さで据え口二寸五分ぐらいの材木—杉、ヒノキでございます。それが十八本ないし二十本をもって並べていかだ一台としております。これが四万五千円ぐらいの原価でできるそうでございます。それに真珠のかごを八十ぐらいつって、そしてそれに養殖することになっておるのでございますが、このさきに
伊勢湾台風
のときに
復旧
に対するその資金をお借りするワクはありましたけれ
ども
、五億もあったそうでございますけれ
ども
、五千万円ほどしか借りられぬでまだそれが
復旧
できないのであったということでございます。それは
家屋
とか田地田畑の抵当でなければ貸せぬということでありましたので、それでは小企業者はとうていそういうことはできないから、どうかこのいかだというものも
一つ
それを担保のなにに見ていただくように特に
措置
を願いたい、こういうことが
要望
のおもなものでございました。 以上御
報告
申し上げます。
岩沢忠恭
7
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 以上をもちまして
派遣委員
方の
報告
は一応終了いたしましたが、引き続いて
建設
大臣から本件
災害
に対する
建設
省の方針をお示し願いたいと思います。
村上勇
8
○国務大臣(村上勇君) 今回のチリ
地震
による
津波
の
災害
施策のために、当
委員会
におきましてせっかく
委員
派遣
を行ないまして、ただいま御
報告
のような詳細にその
実情
を御
報告
いただきましたことはまことに
感謝
にたえない次第であります。
建設
省におきましても直ちに係官を
派遣
し、また私自身も
各地
の視察を終わったのでありますが、局部的ではありますけれ
ども
、非常にはげしい
被害
についてこの被災者に対してまことに御同情にたえないところでございます。
対策
といたしましてはそれぞれ
現地
の機関を指揮して応急緊急の
対策
はいたしましたが、どうしても恒久的な
措置
によって再びかような
災害
を繰り返すことのないような抜本的なことを考えなければいかぬので、各方面と十分ただいま検討いたしております。特に与党の政調会との緊密な連絡によりまして、これらの
被害
に対してのこの
復旧
のためには、どうしても一部
特別立法
による
措置
がなければとうてい抜本的な
対策
を講ずることができない、かように考えまして引き続いて協議をいたしておりますが、大体きょうは結論が出まして、各
関係
方面との話し合いを終わりました上で、ぜひ
特別立法
の御審議を願いたいということにいたしております。つなぎ資金とかあるいはまた公営及び民間の
住宅
の
被害
に対するあらゆる融資、あるいは補助の
措置
につきましては万全を期すようにいたしておる次第であります。
岩沢忠恭
9
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) ただいまの大臣の御
説明
に対して御質疑のおありの方は順次御発言願います。
米田正文
10
○
米田正文
君
特別立法
をしなければならぬ問題がいろいろあろうと思うのですが、これらについての私
ども
も意見もございますが、今のお話のように与党の政調会とのお話を進めておるということでありますが、これはまた
一つ
この次ぐらいの機会にいたしたいと思うのでありますが、事務的にできる問題としてお伺いいたしたい点は、
災害
査定の日程を
一つ
まず伺いたいと思います。
山内一郎
11
○
政府委員
(山内一郎君)
災害
の査定の問題でございますが、
被害
の激甚でございました県に対しましては緊急査定をやるべく現在準備いたしております。大体の目標といたしましては北海道、
岩手
、
宮城
、これらにつきましては今月の大体十日に準備ができるという県の
報告
もございまして、十日を目標にいたしましてわれわれの方は準備でき次第手がけると、こういうようにいたしております。
米田正文
12
○
米田正文
君 つなぎ融資の
要望
は各県の
状況
はどうなっているのですか。
山内一郎
13
○
政府委員
(山内一郎君) つなぎ融資につきましては、最近大蔵省の方で迅速に処理をされまして、
東北
関係
では
東北
財務局に二億円でございますか、それがさっそく財務局の方に参っておりまして、それらの
関係
の各県がそれぞれ申し込みをしてやっておりまして、特に公共
土木
について
建設
省のあっせんを願いたいとこういう話は現在のところございません。
米田正文
14
○
米田正文
君 それからこれは
建設
省だけでできることですが、今さっき
調査
報告
の中で申しましたように、
失業救済事業
というのは、これは拡充しようという方途は、いろいろ講ぜられておることも聞いておりましたが、
失業者
として働くのじゃなくて、
現金収入
を得るために、普通の農家なり漁家なりが働きたい、そして日銭をもらいたい、一日の現金が欲しいというのが非常に多いのです。 これは、
建設
省の
事業
の配分を一部変えることによって、ある程度のものができると私は思うのです。そしてこの
事業
は、そう多くの
事業
を要するものでもない、ごく緊急な期間だけについてやっていいものだと思うが、そういう
措置
についてのお考えを承りたいと思います。たとえば
道路
の緊急就労だとか、あるいは
河川
の方の
事業
についてです。
山内一郎
15
○
政府委員
(山内一郎君) 非常に
被害
を受けまして、何か仕事に従事しなければ、きょう一日の食事にも困るという漁民の方が特に多いと思いますので、それらの
失業対策事業
につきましては、
河川
関係
についても、いろいろ
米田
先生が言われましたように、個所の変更とか、そういうことも考えておりますが、
要望
は、
道路
事業
が非常に多いようでございます。労働省との
関係
もございますので、打ち合わせてやりたいと思っております。
米田正文
16
○
米田正文
君 それから、これは
特別立法
に入るのですけれ
ども
、今
現地
では、非常に
建物
の
被害
が多かったために
避難
しておる。これは、自分の家の
復旧
をしなければならぬというので、
市町村
はこの調べを、要求をとっておるわけでありますが、今度のは、今までの水害のように、まばらにやられたのじゃなくて、ごっそりやられておる。そこで、今までの率からいうと、全体の
被害
家屋
の三割という標準は、
河川
災害
なら大体いいらしいのです、あれで。ところが今度のように、ごっそりやられておるのですから、その三割というのは、今度のでは基準が非常に困るということを言っております。 私は
実情
を見て、なるほどこういう
津波
のごっそりいくやつと、
河川
災害
のようなやつとは違うという感じを受けてきたのですが、この点、大臣はいかにお考えですか。
村上勇
17
○国務大臣(村上勇君) 私も伊勢湾等の
特別立法
をこの
住宅
災害
に適用した場合には、ごく少数の
部分
を除いては、非常に深い
災害
を受けておりますけれ
ども
、この法の適用のみでは、とうてい引っかかってこないと思います。 従って、その点については、党の政調会等と連絡をして研究をいたしておりますが、御指摘のように、
河川
災害
と非常に違うところがありまして、その
部落
が非常に小さくても、しかしその三十戸の
部落
が、十戸しかやられていないのでありますけれ
ども
、その
被害
の深さというものは、非常に目も当てられないような
状態
でありますので、こういう点についての今後の救済の
措置
をどうするかという点について、
現地
に即応した結論を得たいと思っておる次第でございます。
米田正文
18
○
米田正文
君 最後に、この
特別立法
の御研究をなさっておるということでありますから、その結論をお出しになられると思うのですが、先ほどから申し上げておりますように、その主要項目としては、今の
住宅
関係
の
公営住宅法
の問題、それから、
公共土木施設
災害復旧事業費国庫負担
法の改正の問題、それから、あるいは単独立法になれば、これは別として、その関連の問題、それから単独
事業
、
単独災害復旧事業
費の問題、それから、特にあそこは、三陸は
津波
常襲
地帯
という名前を最近非常に
現地
でいっております。九州は、
台風
常襲
地帯
ですが、向こうは
津波
常襲
地帯
、そういうところですから、この
津波
対策事業
というものを、
災害復旧
のほかに、そういうものを考えていく必要があるようにも思っておりますから、そういうような点について、
一つ至急
、御研究をお願い申し上げたいと思います。
小沢久太郎
19
○
小沢久太郎
君 実は、私は千葉県の
海岸
を、ずっと
被害
地を見てきたのですが、
海岸
堤防
が、たとえば飯岡とか、ああいうところで、完璧になっているところは非常に助かっております。それから、
災害復旧
のときに、関連
事業
でちゃんとした
工事
をしたところは、大体みな助かっております。非常に喜んでおるというわけでございまして、今後、これは全国的にございますけれ
ども
、
海岸
堤防
を重視されて、りっぱなものを今後、やはり
計画
の中に織り込んでいただきたいというふうにお願いいたしたいと思います。 それから、もう
一つ
は、
防潮堤
がなくて
浸水
を受けて、非常に困っているところがあるというので、
防潮堤
を早速作らなければならぬというような問題になるのでありますけれ
ども
、これまでの
災害復旧
のときには、そういうことができないというようなことも、
特別立法
で、そういうものを実施するように願いたいというふうに私
ども
は思うのであります。
村上勇
20
○国務大臣(村上勇君)
海岸
堤防
等につきましては、十分研究いたしまして、その背後地等の
関係
を考慮して、
津波対策
というものを考えていく必要があろうと私は思います。 ただ、非常に困難な点は、今回の三陸方面の
海岸地帯
が、ほとんどが漁港あるいは
港湾
の指定になっておりまして、漁港は水産庁、あるいは
港湾
は
運輸
省の
港湾
局というようなことで、
建設
省が
海岸
堤防
として力を入れて参ります部門は、非常に制約されておるのであります。 従いまして、この漁港あるいは
港湾
の背後地の
関係
を考慮して、最も適切なところへ
施設
を作るというようなことを考える必要があろうと思います。こういう点につきましても、
各地
の
立地条件
を研究いたしまして、特にこの
津波対策
につきましては、ただ単に
建設
省のみではなく、
関係
各省がそれぞれの立場から、その
対策
の、いわゆる
施設
についての協議会等を設けて、かつて行なわれております伊勢湾等の
高潮
対策
に対する協議会のような、民間の学識経験者も含めた
一つ
の協議会を設けて、私は、この結論によって
施設
をしていくことが、一番適宜な
対策
であろう、かように思っておるわけであります。
太田正孝
21
○太田正孝君 新聞で見たのだが、今、
特別立法
のことで、閣議で何か
一つ
、うまくまとまらなかったというようなことを言うておりますが、
災害
に対する考え方が、被災者に響くことが非常に大きいのですから、ああいうことはないように願いたいのです。 またこれは、早急にできないでしょうが、先ほど私は、
米田
さんの
報告
で感じたのですが、
東北
地方
は、公共
事業
がずいぶん今まで顧みられなかった。
田老
町の話など、私は実は涙ながらに聞いたのですが、そういう事情もありますから、出すなら、もう少しさっぱりやる方がいいんじゃないか。ましてや党との
関係
もありますから、そんな点、事情がもしあるならば、これは聞かぬ方がいいかもしれませんが、目的を達するように、しっかりやっていただきたい。どうも新聞の記事が、あまりよくないんです。何だか、少し銭惜しみをしているような感じが私起きましてね。ましてや与党としては、こういう問題については、もう少し神経を高めて、実績を早く出していただきたい、こう思います。
村上勇
22
○国務大臣(村上勇君) ただいまの、閣議において、何か足踏みをしているんじゃないかということでありますが、先般の閣議におきまして、ある閣僚から、この
特別立法
をやるなら、一刻も早い方がいいんだ、もう少し急いでやってほしいという
要望
がありました。これに対して各閣僚は、金曜日の閣議でなくてもいいじゃないか、臨時閣議を開いてでも、立法ができたら直ちに提案するようにしたらどうだというような意見で、そして最後に総理から、もしも事務的に折衝しておそくなるようであるならば、
関係
閣僚だけで相談した方が早いんではないかというような、非常に積極的な意見が出ましたので、新聞で伝えられていることが、どういうことであるか知れませんが、もしも
災害対策
についての熱意がないようなことであれば、それは間違っておると思います。
稲浦鹿藏
23
○
稲浦鹿藏
君 私も
東北
に参りまして、いろいろ
現地
を見まして
要望
を聞いて来ましたが、さきほど大臣が御発言になられたように、
うしろ
が都市として非常にやられておるが、
前面
が漁港であるために、しかもその漁港が第一種漁港で、それに対する
施設
は、
市町村
でやらなければならないというようなことで、これじゃもうとても
海岸
保全の
事業
なんかできないから、どうしても
建設
省で、これをやるような方途を考えてもらいたいということをしきりに陳情を受けて来たんですが、さきほどの大臣の考えておられる後方の
状態
を十分検討なすって、漁港と
建設
省所管との区別をはっきりして、できるだけそういう方途をとっていただきたいと私
要望
しておきます。
岩沢忠恭
24
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) ほかに御発言もなければ、本件の
調査
は、一応この程度にとどめたいと存じますが、終わりに、一言、
委員長
から政府当局に、一日もすみやかに
関係
各省と折衝の上適切なる
災害対策
を樹立され、遺憾なく必要な
措置
をとらるるよう、特に
要望
しておきます。 それでは、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三分散会