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田中一君 これは
大臣に伺っておきたいのですが、この不良、不良という言葉を使っては……、法文にはないけれ
ども、
不良住宅地区の
改良という目途が、
家そのものずばりに対する
改良ということに考えていいのか、あるいは家というのは結局
憲法できめられているような平和な文化的な
住居ということを意味して言っているのですか、この
住居というのはそれだけでいいのかということです。私はやはり平面的にスラム化したところの町というものは、
土地の問題が重要な要素となって含んでいると思うのです。従って今ここにある「
住宅地区改良事業施行順序の
図解説明」というものを見ても、第一にやはり
土地の
利用ということが
主眼になっていると思うのです。そこでどうも前向の
委員会でも、
住口局長の
考え方というものは、
住宅そのものにだけ自分の
考え方のポイントを置いてものを考えようとしているのです。そこでその点が、
住宅だといえば
住宅だということも言えるでしようが、であるならばかかる
法律は要らないのです。少なくとも今日の
日本の
段階では、
土地の
利用です、
土地の
利用以外にないのです。
不良住宅地区を
改良するということが
土地の
利用であり、ひいていえば
高度利用であり、そしてそれがその
市街地なら
市街地の全部の
町作り、いわゆる
都市計画です、
都市計画にも触れなければならないんじゃないかということなんです。そこでどちらに
ウエートを置いて考えておるのか、むろん御
答弁は両方考えておりますという
答弁だと思うのです。そうなりますと、これから出ようとするところの
市街地の
改造の問題、これはどこまでも
土地の問題なんです。たとえば三軒茶屋の例をとりましても、三軒茶屋で今十メートルくらいの幅員しかない、これを四十メートルに広げるのだ、広げるについては四十メートルの
土地がほしいということなんです。これに付随してあらゆる市民の
権利というものを認めようとするならば、どうしても今度
店舗なり
住宅なりに移行しなければならないのです。そこに初めて三階なり、五階なり、十階なりという、いわゆる
住宅建築というものをもって、それをカバーしていこうということになるのが、今度出そうというところの
都市改造の
法律案、どこに違いがあるかということを言いたいのです。私は
住宅地区の
環境をよくするとかいうものと同じように、大きくは
都市の
環境をよくすることなんです。
そのものずばりの
不良住宅地区というものを直すということだけであってはならないと思うのです。そこでどこにこの
法律のねらいがあるかということ、どちらに
ウエートをおいて考えておられるかということです。そこで先だっても
住宅局長に質問しているのですが、私
どもの
態度として、
市街地改造の
法律案と、この
住宅地区改造法の
法律案とを並行して
審議しなければ、われわれの頭に浮かんでくるところの将来への姿というものは発見できないわけですよ。だから私は昨年の暮でしたか、ことしの一月ごろでしたか、この
法律案二つのものと、これに
現行法の
耐火建築促進法というものを合わせて、そしてよりよいものを発見しようという
努力をしようと私はしておったのです。同時に
政府もその点については十分に
検討してくれということを申し上げておいたはずなんです。従ってこれは決して別々のものではないのです。しいて申しますならば、これから出ようとするところの
都市改造の
法律案というものの
内容が、
道路の
拡幅ということが
主眼であるならば、
道路の
拡幅ということだけは、いわゆる
計画法としてこれから出る
法律案で
施行なさいということです。そしてそこに新しく家というものを
作つて町作りをする場合には、この
法律案にはどこまでも
不良住宅と言っておりますけれ
ども、
不良住宅の
定義というものはむずかしくなります。一面掘
立小屋があって、たとえば隅田川の、何といいますか河川敷に家を立てている
バラックが
不良住宅というか、四十年五十年たって傾いているものが
不良住宅というか、あるいは自動車
一つ通らないところの細い路地の中に一方だけの
道路しかないような
住宅地区を
不良住宅というか、
定義はいろいろ広いですよ、たとえば南の方、東の方に
高層建築が立ち並び、新しい
りつばな新築した家であるけれ
ども日当たりが全然ないというような家を
不良住宅というか、数々ございます。従って、これから出ようとする
都市改造の
法律案と一緒に並べて見なければ、
不良住宅というものの
定義というのはまちまちになっているのですよ。それで、これから出る
法律案がどんなものかは、くわしい
内容はわかりませんが、少なくともわれわれが知り及んでいる範囲では、今私が申し上げたような程度のものだと思うのです。そうすると、家を作るということはこの
法律案でやったって一向さしつかえないのですよ。われわれはここ数年来、厚生省が持っているところの、何と言いましたかな、あの
住宅は……、たとえば
産業融資住宅にしても、それから
引揚者に対するあの
バラックの
住宅にしても、そういうものがあっちゃならない。
建設大臣の
所管のもとに一元的な
住宅政策を持つべきであるということをるる詰問してきたわけです。そのさ中に、同じ
建設大臣のもとに、
計画局においても家
作りをする。同町にまた
住宅局においても
町作りをする――これは
地区ですから
町作りですよ、そういう作るということであっちゃならないと思うのですね。まあまあ
官僚諸君の
セクトというのは非常に強大なものであって、
大臣のような根つからの
政党人はおやりにくい点も多々あると思います。思いますが、その点についてのよりよいものを発見しようとしてわれわれは
努力しているのです。そういう点についてはなはだ不親切な
態度なんです。まあ、
都市改造、
地区改造の問題についてはまだいろいろ問題があって、
提案される
段階になっておらぬと言いますけれ
ども、あるならば、
草案くらいはこちらの方にお
出しになって併行して
審議させるような
努力が必要だと思うのですよ。われわれの目を、私が今申し上げたようなわれわれの
見方、
考え方というものを閉ざさして、そしてこれは
不良住宅でございます、これは過去のものでございますということを抽象的に言っておるから、こういう
資料を出せということを言うのです。
資料を
出してみると、なかなかこれは複雑怪奇なものなんです。
家そのものずばりでものを言っているのか、その
地区を言っているのか。
地区ということになりますと、今度出るところの、大きくは
都市計、それから今度出る
都市改造の
法律案にも
関係がある。その上で今度は町を作る、家を作る、これは当然
住宅行政の
一元化ということでもって
住宅局がやるべきであるということになるわけなんですよ。私はその点を最初から、これらの
法律案を本
国会に出すという当初から疑問を持ちまして、これが単なる
官僚諸君の
セクトであってはならない、
縄張り主義であってはならないということを
指摘しているわけです、今日まで。先だっても、
課長の
諸君、
課長補佐の
諸君といろいろ話し合ってみても、結局その点が私は納得できないのです。
住宅行政の
一元化ということを強く強調して今日まで来ていながら、同じ
建設大臣のもとにおいて、
計画局と
住宅局において、
住宅を建てつこをする、
町作りをしっこするということでは、これは
大臣にはずいぶん苦しいだろうけれ
ども、これはどう考えてもおかしなものです。これはもう
官僚諸君の
セクトにすぎないというような
見方をするのです。それで、聞いてみると、じや、それをどうするかの問題になると、なかなか
解決のつかぬ問題があり、かつ本
国会に
提案になるような
段階にならないのだというような
説明を聞いておりましたけれ
ども、不十分なものを出すよりも、もう一歩進んで、今日の
段階では家を作るよりも
土地の問題ですから、
土地の
利用をどうするかという問題が両面にかかってこなければならぬと思うのです。
そこで、この
住宅地区改良法の
主眼というものが、家だけのものに限つて考えようとするのか、あるいは
施行順序を、
資料に出ておりますところの「
住宅地区改良事業施行順序」というものの中にある「
事業計画の安定と認可」の中で第一に示しておるのは「
土地利用の
基本計画」というものが出ておるわけです。どこにその
ほんとうのものを持っているのか伺っておきたいのですよ。