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田中一君
藤巻さんに伺うのですが、一体あなたの所は何をしているのです、何の
仕事をしているのです。昭和二十五年にでき上がったところの
国土総合開発法というものが生まれ、そして過去十年間に
日本の民族がどのくらい死に、傷つき、そして
日本の
国民の持っている富を失い、国費の天文学的な
災害復旧
費用というものを
負担し、まして個人の
負担というものなんかは全然国は当然のこと見るものではございません。
国土総合開発法には今回の
法律の
目的となるものが含まれておるのですか。一体今まで十年間何をしておったか。政府は今度これに対して緊急措置法という言葉を使っております。
国土総合開発法は
経済的な
効果だけを追求するものではないのです。宿命的な
日本の地形上からいっても、
国土の
保全というものは緊要なものであるということをうたわれて今日まできておるにかかわらず、まあ
計画屋とはいいますけれ
ども、プラン・メーカーとはいっても、
実施権はないのだというような欠点はあろうとも今まで何をしておったか、あまりにも……
経済企画庁の中の他の局は比較的動いておるように私は見受けておるのですが、
総合開発局だけは各省のうば捨て山みたいになって、ちょっと
局長という身分をとるためにそこに転出してそしてまた元へ戻ってくる。職階の
一つの階段にすぎないというような
現状では、このように十カ年
計画というものを一応策定されて、どうやら戦後十五年たって初めて第一歩、いわゆる
災害復旧の査定を終えた
計画性ある
国土保全の
仕事が出発しようとしているのです。これは
経済企画庁の
国土総合開発局の無能からくるものなんですよ。こう言ってあなたをいじめてもしようがないのですが、昨日も参議院の本
会議では、中国
総合開発の決議案が上程されております。主として衆議院の同僚議員の名において、四国
総合開発だ、九州だ、何だかんだと言って、あなた方の担当しているこの
仕事にあきたらないというところに、そうした数々の地方的な
計画が生まれてくるのです。しかしあなたの方には少なくとも十九ないし二十の
特定地域としての地方的
計画がたっておるはずです。なぜその上に四国とか九州とか……今度中国が出るでしょう、山陰が出るでしょう、北陸が出るでしょう、あらゆる所にそういう州的な
——府県ではなくて州ブロック的な
計画を出すということは、これは屋上屋を架すようなものであり、かつあなた方
経済企画庁の
総合開発局に対するところの否定なんです。あなた方を否定する思想なんです、これは。それでもって、ここにこうして歴年の
災害からようやく目をさましたのが今の内閣であって私
どもは野党でありながらも、ずいぶんこの
計画性ある
国土保全には協力したものでございます。つい、四、五日前にも
国土総合開発審議会があるので、私はこっちも重要な
委員会がございましたが、あなたの方へ行っていろいろ伺っても、あなた方が否定されているのですよ、
経済企画庁が。少なくとも
国土総合開発というこの
法律が否定されている
現状、これを見て一体あなたはどう考えますか。私はこれはあなたが菅野長官のところへお帰りになって十分に
お話願いたいと思うのです。一面、同じこれは
企画庁ですが、東南アジアに対する五十億円そこそこの
開発基金などというものを二年前に予算を計上し、そうして
法律がようやくこの国会にやっと出た、一体あなた方は何をしているのかと思うのですよ。
経済企画庁は
日本の民族のためにある役所なんです。それが十年間何にもしない
——私は何にもしないと言います。今あなたの方に要求したいのは、全国
計画というものをお持ちでございますかと言うのです。
国土総合開発の全国
計画、これをお持ちでございますかという点を伺いたいのです。そうしてその全国
計画の中には、今回の上程されておりますところのこの
治山治水緊急措置法に織り込んであるところの思想、
事業、こうしたものが
相当勘案され、そうして十年後の
日本の
国土のあり方
——大体寄り合い所帯のあなたの方でございますから、
林野庁の方からも出向している者もございましょうし、あるいは農林省の方からも出向している者もございましょうし各省から来ておるでしょう、それらと、今回緊急措置
法案と銘打ったものと対処して
国土保全の
計画を立てること、これによって次にくる
経済効果、
利水の点を考慮されながら、全国的な
国土総合開発の青写真をお作りになるおつもりがあるかどうか。こんなことじゃおやめなさい、あなたのお役所は何にも用はないのです。せめて数々の
法律のうち、
経済効果をあげるという面について余地が残っておりますから、それらに対する地図なり青写真なりを当
委員会にお出し願いたいと思うのですが、お帰りになったら菅野長官とも相談して、作るつもりがあるかないか。それからどうしようとするか、
一つ当
委員会に答弁してほしいと思います。これにつきまするあなたの見解、ちょっと言葉が荒ら過ぎたかもしらぬけれ
ども、せんだっても
国土総合開発審議会に行ってみるとまことにお粗末きわまるもので、私はおそく行きましたけれ
ども、三十何人かの
委員がいながら来ているのはばらばらと四、五人来ているきりです。そうして
委員会にも諮らないで、ものを議決しようなんという
考え方に立っているので、まことにおそろしいものである。このような役所があるために歴年の
災害も招き、そうしてこういう
治山治水緊急措置法などという
法律が出なければならなくなったと思うわけなんです。御見解をお示しを願いたい。