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1960-03-01 第34回国会 参議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月一日(火曜日)    午前十時四十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            武藤 常介君            田中  一君    委員            小沢久太郎君            小山邦太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            武内 五郎君            永岡 光治君            田上 松衞君            小平 芳平君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   政府委員    首都圏整備委員    会事務局長   樺山 俊夫君    建設政務次官  大沢 雄一君    建設省計画局長 關盛 吉雄君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省河川局次    長       曾田  忠君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 稗田  治君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○首都高速道路公団法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○建設事業並びに建設計画に関する  調査  (昭和三十五年度建設省関係予算に  関する件)   ―――――――――――――
  2. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  本日は、委員長が所用のため見えませんので、私が指名によりまして委員長の職務を行ないます。  初めに、首都高速道路公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案は、去る二月二十五日衆議院送付、同日当委員会木付託になったものでございますが、前回委員会質疑の際の申し合わせによりまして、本案質疑は大体終了しておるのでありますが、特に質疑のおありの方はこの際御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 村上さんに一、二点念を押しておきたいのですが、首都高速道路公団から三十五年度の事業計画案として示されたものの中に、事業計画高速道路のうち(ロ)にこういう点がございます。「蓬来橋、汐先橋間の部分については、駐車場工事進捗を見合わせて必要な経費を計上する。この経費は約四億円以内と見込まれる。(東京高速道路株式会社の築造する道路とは、接続するには至らないものと考えられる)」という条文がございますけれども、なぜ接続しないのかという点です。予算の面がこれを不可能としておるのか、あるいは東京高速道路株式会社予算あるいは工事進捗度接続するに至らぬのか。少なくとも首都高速道路公団としては接続しなければならないという前提に立って仕事をしなければ意味がないのです。御承知のように、鍛冶橋先東京駅あるいはこちらの方は土橋からのその間を完成しておるのです。関連工事というものが事業計画案にも計上されておりますけれども、金がないならば融通したらばいいじゃないか。この会社がそのような弱体ならば取り上げないことが正しいのです。東京高速道路株式会社高速道路を作るという美名のもとに数々の悪徳を重ねております。これは都民全部の指弾の的だったのです。なぜこれが接続されないかという点をわれわれ都民として不可解千万だと思うのです。どういう事情があろうとも今日の首都高速道路公団の実力からいって接続しないはずはありません。この点について御説明願います。
  4. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいま御指摘になりましたこの個所については、工事接続はするわけなのですけれども、三十五年度中にはこちらの株式会社の方の工事がちょっとできない、おくれるというような意味に解して差しつかえないと思います。接続はこれは当然しなければならぬのであります。
  5. 田中一

    田中一君 一号線は三十五年度にはどの辺まで行くのですか。そして一つ図面があれば図面でお示し願いたいです。三十五年度中に完成できないでも使用することになるならば、それがどこからどこまでが使用されるか、説明して下さい。
  6. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 一号線の工事の三十五年度における予定区間は、前回も御説明申し上げました通りに、南の方は東品川でございまして、それからずっと浜離宮から汐留橋、さらに中央区の楓川、築地川の河川敷の上の工事にかかりまして、大体そういったような区間工事並びに工事に必要な用地取得等をまず先行して行なう考え方でございます。従いまして、三十五年度中にはまだ一号線の区間につきましても使用を開始するということには至らないのでございます。ただいまお話の一号線から分岐をいたしましてでております、東京高速道路株式会社道路運送法によるいわゆる自動車道路接続するまでの蓬来橋と汐先橋間につきましては、これは首都高速道路公団実施をいたします区間でございまして、この方は駐車場計画と合わせまして三十王年度実施いたしますが、高速道路株式会社実施いたします予定埋め立てに関する免許、それとこの地元の意見を聴取するについての、公有水面埋立法によります都議会議決が、昨年の十二月に行なわれたのでございます。東京都におきましては、公共団体公有水面埋め立て実施いたしますので、この埋め立て実施に要する予算が、二月末から開催されます三十四年度の最終都議会に上程される、こういうことになっておりますので、当委員会におきましても、昨年公団法の際に工事の急速なる実施ということについていろいろ御意見が出たのでございますが、法的手続予定よりおくれましたので、ただいま公団からお示しいたしました資料にありますように、東京高速道路株式会社の担当いたします道路につきましては、公団実施いたします道路とは三十五年度中にはまだ接続するには至らない、こういう意味でございます。
  7. 田中一

    田中一君 この資料としてお出しになった事業計画案というものは、余分なことをお書きになっている。こんなものを書かなければいいのです。何も関係がないことなんです。あえて書くということは、三十五度には完成させなければならないという意図が、首都高速道路公団にも政府にもおそらくあったのではないかというふうに考えられる。だからもう一ぺん村上さんに伺いたい。
  8. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 全く今、田中委員の御指摘がありましたようにこういうよけいなことを書く必要はないと思います。公団では接続しないということになれば、これは道路道路接続しないというふうに解釈されてもやむを得ないと思います。そういうことは絶対にあり得べきこととではないのでありますが、作文の書き方についてはなお反省させますからどうぞ一つ御了承のほど願います。
  9. 田中一

    田中一君 次に地下または地上駐車場新設ということは方々でやっておりますけれども、これは建設大臣に質問すべきものではないと思いますけれども国務大臣としての一つ村上さんに伺っておきたいのは、道路交通法案がいよいよ衆議院に上程されたようでございます。従って自動車増加による市民に反ぼす交通上の不安というものは相当増大している。これを多少緩和するための地下または地上駐車場新設ということは当然でございましょう。しかしながらこの自動車増加という問題を、今日の段階では日本の都市の現状から見て政治的な考慮をしなければならぬ段階が来ているのではないか、こう考えるわけです。聞くところによりますと、何といいますか、単車というかオートバイ類似のものなどは、後につける番号の準備がない。もう二、三カ月たつと毎日のように走っております車の増加単車増加によってナンバーがなくなってきておるというのです。何とか手を打たなければならない。今の自動車のように、いろはとかあいうえおとかそれからABCというものにするとか、これはそういうような増加率を示しているのです。これは自由主義的な自由経済のもとではとやかく言うことはできないと思います。しかし今日の段階においては少なくともそれらのものは都心を横行している。人間交通が正しいのか、自動車が主となってものをやるのか、その辺がはっきりつかめないくらいなわがままな行動をしておる、それは単なる道路交通法のみで取り締まるということだけであってはならない。われわれは取締まりということは、今日の憲法下においては好ましくないことなんです。今度提案された法律道路交通法といって基本法になっておりますけれども、少なくとも自動車オートバイを走らすのは人間です、道路上を歩くのも人間なんです。従って取り締まるというものじゃなくして、もっと根本的な増加というか累増といいますか、勝手気ままな新製品製品で売り出すものに対する対策が、やはり今日では考えられなければならぬのじゃないか、こう思うのですが、その点はどういうふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
  10. 村上勇

    国務大臣村上勇君) この増車してくる状態についての規制等につきましては、これはどうも私のところでとやかく言えないのですが、十分御指摘になりましたような点は今後考えていかなければならないと思います。関係閣僚ともよく私相談してみたいと思いますが、取り締まりの方の面は御承知のように警察庁の方でやっておりますが、私どももそういう取り締まりの面につきましても、できる限り民主的な方法によって取り締まりをやっていけるような方向に持っていきたいと思います。そういう点につきましては、十分関係閣僚とも相談して万遺憾なきを期して参りたいと、かように思っております。
  11. 田中一

    田中一君 首都圏整備では学校とか工場とかの建設を制限して、人間社会増というものを防ごうというので、こういう法律も出して通っております。車の問題は首都圏整備の今ではほんとうのガンです。これを何とかシャット・アウトする考えがなければならないと思うのです。夕方になれば、建設大臣の車は大きいからなおさらでしょうが、銀座なんか歩けるものじゃない、都心なんかどこも歩けるものじゃない、これは首都圏整備人間シャット・アウトする、車は野放図もなく自然にまかしておくということは罪悪ですよ。累増する交通事故というものは、これは生命に関係がある、たとえ道路交通法整備されたとしても、人間一ぺん死んでしまえば死んだ方が損なんです。たかだか保険料三十万くらいもらって泣き寝入りするというような現状です。これは大臣考えてもらいたい。こういう現状から見ると、幾ら首都高速道路公団が、あるいは政府都会地における道路整備をしようといったって追っつくものじゃないのです。人間社会生活地下に、もぐっちゃって、地上はそういうものが通っておるならいいのですが、それは追っつきません、とても。そうすれば銀座辺なんかは駐車場を置くということはおやめになる方がいい、お入れにならないという方がいい。下手に駐車場を置くからそこにどんどん入ってくる。こういう点は道路あるいは街路を担当する建設大臣としては、とうていそれの交通を満たすことができないという現状から見て、通産大臣なりあるいは他の閣僚なりに強い発言をして、人間生活を不安に陥れないようにしていただきたいと思う。幾ら首都高速道路公団がやろうと、道路局長があれやこれや手を考えても、今のような急激な増加というものに対しては間に合うものではありません。十分御考慮願いたいと思うのです。
  12. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はございませんか。……ほかに御質疑もなければ、本案についての質疑は終了したものと認めまして、これより本案について討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  13. 田上松衞

    田上松衞君 本案については賛成いたします。ただしこの場合、付帯決議というほどのことでもないのですが、一応の点に対して希望を申し上げておきたいと思います。  と申し上げますことは、大体首都高速道路公団が行なうところの事業費は、昭和三十四年から四十年までの七カ年にわたって一千三十七億円のはずだということであります。そこで、その中で関連街路の百八十五億円を差し引いた残りの八百五十二億円というものが、公団単独責任において行なう事業だと理解するわけです。そこでその八百五十二億の中の用地及び補償費はわずかに八十四億円にすぎないわけであります。率から見ますると実に九・八%という少額なものであります。さらにその内訳を見てみますると、補償費が二十四億円で用地費は六十億しかないという状態であります。私は先日来、用地取得について非常な関心を持っているわけでありますが、この立場から、特に最近の土地値上がり状態等について実例を引用しながら、ある意味では警告を発しているわけなんです。この観点からこのようなわずかな金額用地費を見ておいてしまって、一体これで危険がないだろうかと考えるわけです。今でさえもこの前申し上げましたように、場所によってはウナギのぼりというよりも、むしろコイのぼりのような様相を呈していましてほとんど停止するところを知らない。しかもこれについては昔のような、頭ごなしに押えるということもできないというような事情があります現在において、向う六年も七年もの先の土地取得についての金額をこういう程度で見て危険はないだろうか。単に金額の問題だけではなくして、先だって申し上げた熊本の下筌のダムに見るような、あの種の問題等もあるいは起こり得るだろうかということを考えてみますると、直接工事に要する費用は、これは専門家がやるのですから大した間違いはあるまいといたしましても、用地取得の点では土地価格値上がり等、あるいは状況の変化等について多くの問題が起こるであろうことを、憂慮せざるを得ないと実は考えているわけなんです。別の関連街路についているのは、これは公団が三分の一しか負担しないわけなんでしょうから、別に東京都という大きな力を持っているものがございますから、これはいろいろな考え方ができるでしょうけれども、失礼なことを申し上げますが、まだ発足して幾らもならない、ほとんどしろうとにちょっともが生えた程度の人をとる公団首脳部が、この種の問題を解決するには非常な苦心が要るのではないかと、こういうことがまず心配されるわけです。  しかも、これについて今度改正されようとするこの要点は、「政府は、法人に対する政府財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、国会議決を経た金額の範囲内において、債券に係る債務について保証することができる。」これは保証しなければならないことに結局はなってしまうわけなんで、この間におきまする政府責任というものも相当重大なものがあろうかと、こういうことを考えておかなければならないと思うわけなんです。そこで、要点は、公団に対して、土地取得及び補償等について非常な勉強をされ、十分これについて配慮を払うべきことを特に公団に対して念を押しておく必要があるだろう、こういうことを一つ注文をつけまして、この法案が間違いなく、将来紛争を起こすことのないようにしていただきたい。この意見を付して賛成をしておきたいと、こう考えます。
  14. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) ほかに御発言ございませんか。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより直ちに本案について採決を行ないます。  首都高速道路公団法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  15. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 全会一致であります。よって、本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決しました。  なお、審査報告につきましては、委員長に御一任願います。
  16. 内村清次

    内村清次君 委員長、ちょっと大臣に一点だけ。
  17. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 衆議院大臣が呼ばれているそうですから、簡単に一つ願います。
  18. 内村清次

    内村清次君 実は、この前の委員会のときも言ったように、どうも総括質問が済まない。これでは困るのですから、衆議院関係もありますから、きょうは道路の問題を最初やると言ったけれども、これも差し控えます。まだ治水の問題もあるのですが、それで、衆議院がきょう上がりますでしょう。だから一つ十分、時間をつけていただきたい。週に二回ですから。この点はこの前も委員長に頼んでおいたのですけれども、どうもこの点が十分徹底してないようですから、ぜひ一つ時間をとっていただくように、まず議事進行としてお願いしておきます。
  19. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいまの内村委員の御意見、ごもっともだと思います。ただ、御承知のように、きょうは衆議院で最後の総括でありますので、予算でありますから、もうこれが二、三日うちに終わりますから、私もできる限り時間をあれして委員会に出席いたしたいと思っております。
  20. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 次に、昭和三十五年度建設省関係予算に関する調査を行ないます。  前回に引き続き質疑を行ないたいと存じますが、建設大臣は、衆議院予算委員会のために時間がきめられておりますので、大臣に対する質疑は簡単にとどめたいと思います。
  21. 内村清次

    内村清次君 最近、たとえば沿線の静岡、神奈川、愛知というような出身国会議員の間に、東海道の第二国道というものの促進議員連盟というものが設立されておる。これは建設大臣も御承知と思いますが、そうやった中に私たちの方にもこうやった陳情書というものが回わってきております。話を聞いてみますると、内部的には相当熾烈な要望があるようです。そこで、大臣にお尋ねいたしますことは、これはさきにこの国会衆議院予算分科会では、当然この法案予定になっておりまする、国土開発縦貫自動車道中央道路予定路線というものが法案となって現われてくるということは、だいたい建設省の私たちに対するところの予告でも明らかであります。建設大臣もその予定線については法案として提出するということを言明されておる。この縦貫道路の問題につきましては、東京名古屋間ですか、小牧までの間にすでに建設省の方では三カ年にわたって調査をしておられる。この調査の内容を見てみますると、どうも建設省の方でも何か意見が多分にあるようです。まあそういう中にこの国会では予定路線というものを出しておいでになるのですから、これはもうすでに法案としては基本線はきまっておるし、この問題の建設も相当な予算額というものは必要だ。ところが一方において第二国道という問題が出てきておる。これに対して大臣はどういうふうな態度をとって今後処していかれるのか、この点を一つまず明確にしておいていただきたい。
  22. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 最近、東海道の第二国道ということが、各議員さんの間でとり上げられておりますことはお説の通りでありまして、私どもといたしましては、東海道は必要に迫られてやむを得ず道路新設するか、あるいはまた通路によってバイパスで間に合うということならばバイパスで間に合わせる方法をとるかということは、検討してみなければまだはっきり申されませんが、これはもう必要やむを得ざる状態になったということによって、道路の問題がとり上げられることになります。いわゆる中央縦貫自動車道路の方はすでに法律によって決定いたしております。従いまして、建設省が二、三年間にわたって調査した結果を、路線決定法律によって路線決定するということは、すでにもう前の国会からずっと私どもはお約束いたしておりますし、今、路線決定についての法案提出準備をいたしておりますが、御承知のように、一応交通関係閣僚懇談会の議を経てそれに了解を求めて、そうして道路審議会の方にかけ、道路審議会の議を経て初めて提案できる段階になります。ところが先般来ずっと数回にわたって、事務的段階ではありますけれども関係各省幹事会をいたしておりました。なかなかやはり、国家の最高意思決定をすればすぐそれには予算づけをして、こうしてこうしなければならぬというような心配をされる省もありまして、それらの一、二の省からもう少し慎重にという発言もありました。しかし他の関係省たとえば農林、通産、運輸、これらの省は、これは直ちにやるべきだというような力強い賛意も表されております。従って私は、事務的段階でそういうような意見があったのでは困るから、先般の閣議の席で各関係閣僚に、これはどうしても法律によってきめられているんだから、とにかく中央路線建設法律を提出するという段階までにはぜひとも賛成願いたい、ということを申しましたところ、一人も反対する者がないので私は閣議では了解できたものと思っております。従いまして、引き続き今事務的に各省と折衝いたしておりますから、遠からず成案を得るものと私は確信いたしております。私としては必ず前回からお約束申し上げておりますように、本国会に提案いたすということは前回同様の気持でおる次第でございます。
  23. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) なお時間の関係がありますので、この問題は相当重要ですからこの次に回してもらったらどうですか。
  24. 内村清次

    内村清次君 まだ重要な問題を持っているから、その点で引き続き一点だけいいでしょう。
  25. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) では簡単に。それはまたあとでゆっくり……。
  26. 内村清次

    内村清次君 今の答弁では、私が大体最初言いました第二国道の問題、この問題に対してはただそういう動きは知っておるということだけでしょう。私たちが心配しておりますのは、きょうは委員長最初大臣には道路の問題もやりたい、こういうような話でしたけれども衆議院の方も急いでおりますから私も……。実はこの根本問題としては三十五年度の道路予算の問題です。この問題を私は十分あなたときょうは論議したいと思ったのです。こうやった道路予算の十カ年計画あるいは前五カ年計画にしましても、どうもこの問題で私たちは心配している点がある。それにまた第二国道というものが出ておるのですから、これに対して議員議員立法をもちましてこれを可決するという点もありましょう。そのときに建設委員としての私たちがどう判定していくかということは、これは十分立場上やはり予算その他の問題を勘案して考えなくちゃならぬ。がしかしこれは建設省の方でも相当乗り気だ、というようなうわさをやはり関係議員方々から聞いております。そこで私たちは判定をしまする上につきましても、大臣の意向を、この国道についてはどういうふうにお考えなのかというようなことを、やっぱり聞いておかなくちゃ工合が悪いという点で質問しておるわけです。それに対する所感を述べていただきたい。
  27. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 先ほどもお答えいたしましたように、東海道の第二国道ということにつきましては、これは中央道の問題とは全く別個の問題でありまして、これに対する予算なんかまだ何にも、五カ年計画の中にも入っておりませんし、これはまた別に御審議を願うことになると思いますが、やるとしても。しかし東海道は必要やむを得ざる状態になったと、もう車が歩くよりもおそくなるという状態にまで迫ってきておる、極端に申しますと。そういうように、非常に車馬が輻湊してきて初めてこれはやらなくっちゃならぬという、それを大体見通しを立ててどういうふうにやるかということになるのでありますが、よしんばこれをやったからといって中央道には何ら関係はございません。中央道中央道東海道東海道というのでありまして、おのずから今ある予算のワクの中で東海道をやるというのでなくて、そうなればそうなったで予算措置については別途に考えなくっちゃいかぬし、中央道にいたしましても、路線決定をして計画を立てた暁にはこれを  いかにすべきかということについて、直ちにこれを着手するということになれば、やはりこれは予算を別途に考えていくことであろうと思います。従いまして、まあ必要によってやることになりますので、ただいまから私の方でこれをいつどうしようとか何とかいうことについては、まだ言明できないところであります。
  28. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) それじゃありがとうございました。  次に、予算関係について政府委員に対する質疑を行ないたいと思いますが、本日は道路関係について調査を行ないます。御質疑のある方は御発言下さい。   ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  29. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 速記を始めて。
  30. 田中一

    田中一君 今、内村君の質問に対して建設大臣も答弁しておりますけれども、既存の道路交通の輻湊状態というものは、それはもう異常なるものがある。従って、道路整備というあの五カ年計画計画以外に、新線等も考慮しなければならぬ段階にきたのではないか、というような考え方を持つわけです。そこでかりに三十七年度までの五カ年計画であるならば、今日の段階ではそれを改定して、新しい観点から道路計画というものを立てなければならぬと思うのです。むろん道路整備は今まで通りすべきものはしていかなければならぬけれども新設の面の計画というものも持たなければならぬと思う。その点なんかどういう考えを持っておりますか。ただその予算上――道路局に与えられておる予算のワク、それだけで進めていこうとするのか。ほんとうの意味道路計画というもの、それを整備以外に考えておるかどうかを伺っておきたいのです。
  31. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 最近におきます道路交通の異常な増加から考えますと、道路整備計画を立案するにあたりまして、ただいま御指摘がございましたように、量的な面だけの考え方では相当不十分なところがあるんではなかと思われます。現在の道路が御承知のように非常に整備が悪い状況でありますものですから、従来は、極端に申しますならば前時代的と申しますか、それほどおくれておる道路をとにかく一応の自動車の通行可能な状況に整備して、水準を引き上げていくというような考え方が、過去数年間における道路整備のもとになっておる比較的大きな考え方だったと存じますが、最近におきましては、そういう考え方のほかにさらに質的な考え方を入れていかなければならない。と申しますのは、自動車が御承知のように非常に多くなっておりますが、同時にまた自動車と申しましても、先ほどもお話がございましたように、単車のようなものから、それから最も進んだ高速度の自動車がございまして、いろいろ交通の種類が種々雑多になってきておるわけであります。その間に、自転車交通または歩行者の交通というものも、どの道路も主要な部分では非常にふえて、いろいろなものがお互いに数が多くなって入りまじっておるというのが現状ではないか。そういう交通をさばいて参りますには、それに必要な交通路の面積、道路の幅でございますが、その幅を十分にとっていくというほかに、もう一つ、そうしたいろいろな交通の種類をうまく区切りましてさばいていく、というような考え方も必要なのではなかろうか。実は昨年道路法の改正をお願いいたしまして、自動車専用道路という制度を取り入れていただいた次第でございます。またその前には高速自動車道に関する法律を作らしていただいたわけでございますが、そうした交通の種類によって、やはり特別な交通路というものをえがいていって、それらをあわせまして主要道路整備考えていくことが必要ではなかろうか。従いまして今後の計画におきましては、たとえば、高速自動車道路というようなものの全国的な道路網としての考え方を研究しなければなりませんと同時に、一般道路におきましても部分的にはあるいは交通制限のような方向も必要でございましょうし、また昨年の法律改正に相なりました自動車専用道路路線の一部、部分的な専用道路の取り扱いというようなものも必要になって参ります。それらを十分、交通現状並びに将来の状況を推定いたしまして、それらの考えを取り入れた道路整備計画を立案して参る必要があろうかとこう思っておるわけであります。
  32. 田中一

    田中一君 これは全国的に、縦貫自動車道と申しますか、九州、四国、中国等も、かつての国土総合開発で見られたような現象が各地に起きているんです。これはむろん国会議員が中心になって、その推進をはかっておりますけれども……。そこでそれらの動きと、昨年法律改正した高速道路との関連というもの、それからまた、国としては、国会議員を中心としたそうした動きに対して、実態調査というものを持とうとしておるのかどうか。本年度の予算では三千万程度ついているに過ぎないわけです。これは中央道路を主として、当然もう、説明が今あったように新しい観点の長期計画というものを立てなければならぬ縦貫道路等の動きと見合いながら、何か構想は持っておるのですか。構想というより具体的なここに資料として提出し得るようなものはできておりますか。
  33. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 御指摘がございましたように、すでに国土開発縦貫自動車道建設法という法律によって、一応国土を縦貫いたします路線というものはある程度予定されております。そのほかに各自動車会社等でいろいろそういった、これは部分的でございましょうが、御計画もあるようでございます。そこで私どもといたしましては、まず全国的に高速自動車道路の配置がどういうふうにあるべきか、国土の諸種の条件によってどういうふうに考えられるかということを、これはなかなか総合的な問題で、またいろいろな条件に支配されますからむずかしいのでございますが、しかしながら今日におきましては、どうしてもいわゆるオーバーオール・プランと申しますか、そういうものを持つ必要があると存じまして、実は本年度に調査費をいただきまして、具体的な計画に入る前に、全国的な大幹線、高速自動車道路のネットを研究してみようということで調査をいたす予定でおります。ただいまごらんに入れるところまではいっておりませんが、本年度におきましてもよく調査いたしまして必要な資料を作るようにいたして参りたいと思っております。
  34. 田中一

    田中一君 この考え方は、どこまでも既設の都市あるいは現在あるところの必要度というものから出る調査であるのか。一方、日本の産業構造、分布等、計画性ある日本の国土計画の一環としての調査をしようとするのか、その点の心がまえはどうですか。
  35. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) その点につきましては、現状把握がまず第一でございます。そうしてその現状が将来どういうふうに伸びるかという推定、それからまた、ただいまお話のように、この後進未開発地域に対しましては、いろいろの御計画があるようでございますから、その辺はよく調査、把握いたしまして、それらに沿うた基幹となる路線の配置を考えてみたいということでございます。
  36. 田中一

    田中一君 そうすると、どこまでも地方計画に基づく国土計画の一環というように理解していいのですか。
  37. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) そういう点も、関係当局とよく相談いたしまして十分取り入れて参りたいと思います。
  38. 田中一

    田中一君 日本の国土計画というものは、ただ今日の問題、今日の現象に対してあとを追っかけていくべきものではないのです。どこまでも民族の将来ゆくべきところを指向しながら、われわれの前にその計画というものが示されなければならぬ、私はこう考えておる。そこで、ただ単に道路が先行してもこれはならぬわけです。日本の国土計画の全体の上に立ってそれが固まったならば、当然これは道路が先行しなければならぬわけです。従ってそこまでのものは、ただ道路局だけの問題として現在取り上げられておるのか、あるいはせまい国土ですもの、このせまいながらの国土を国の意思として調査をしようとするのか、その点はあるいは閣議で問題になったかどうか、あるいは国土総合開発審議会等という機関もあるのですから、それらに付議された何らかの計画があるのか。その点は、今度の三千万円というのは、どれがそうなんですか、その調査費というものは。その点の明確な計画の方向というものを明らかにしてほしいと思います。
  39. 田上松衞

    田上松衞君 関連して。今、田中さんが非常に大きな立場での質問をしておられますが、私手っ取り早く、首都高速道路公団との関係において、東京都内の問題で今の問題に関連してちょっとお聞きしておきたい。要点は、こういう方面を御調査なさっておられるか、どう考えられるかという点です。それは公団がやっていきまする六号線及び七号線、いずれもこれらは荒川放水路並びに新荒川に遮断されて、部内の足立区、葛飾区、江戸川区等との間にはもう断ち切られておる状態になってしまうのではないか。これではせっかくの作られた道路の機能が非常に狭められている、制限されているのじゃないか。これを荒川を渡って向うへ、さっき申し上げました、これらの区との間に何か接触を持たすようなことが必要じゃないのかと考えておりますが、これらについての御調査等はなさっておりますか、どうですか。
  40. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 田中先生の御質問に対してまずお答えを申し上げます。先ほど申しました、全国的な高速自動車道路法の調査につきましては、本年度は行政部費で九十三万円ほどいただいております。今年度はその程度でございます。この調査は、実は建設省におきまして、最近の交通状況、自動車道路に対する要請、また国土開発縦貫自動車道建設法による御趣旨を考えまして、一応全国的な構想を把握しておく必要があるという考え方に基づきまして、建設省が他省に一応関係なく御要求いたしたのでございます。しかしながら、この調査を進めて参ります場合には、先ほど先生の御指摘のように、いろいろ地方計画、また特別な国としての産業発展の方針等も当然関係して参りますし、なおまた、せっかく自動車国道考えましても、その利用が十分でなければ非常に不経済になりますので、いろいろな方面との関係が出て参りますことは当然でございます。従いまして私どもは、まず関係方面にございますいろいろの資料をもとにいたしまして、第一段の素案と申しますか、最初のプランを作りましたならば、関係方面とよく連絡いたしまして、だんだんその調査を精密に具体的にしていきたい。その第一着手を来年度やろう、こういう趣旨でございますので、従いまして予算もこの程度のものを要求いたした次第でございます。  次に、田上先生の御質問でございますが、首都高速道路との終端部における接続でございますが、これはやはり現在のところは、もっとも都心を対象にいたしまして計画ができておりますが、いずれも近い将来におきまして、この先における交通ということが問題になってくるわけであります。全国的な道路網を考える際に、そうした終末との連絡、また都市内は東京ばかりではございません。大阪あたりもあるいはこういうことを考えていかなければならないのかもしれない、それらの計画との接続、調整といったようなものも調べるようにして参りたいと存じます。
  41. 田中一

    田中一君 これは打ちあけて道路局長から話を聞きたいのだけれども、今年は一般財源からちょっと二十四億円出していますね。三年ぐらい前の池田勇人君が大蔵大臣時代だと思いますが、予算委員会で、今日はもはやガソリン税というものは道路整備の目的税というように割り切りましたというような答弁をしているのです。この道路整備五カ年計画法律をわれわれが審議した当時は、これは諸君御承知通り、一般財源を相当投入せよということをずいぶん要求しておった。ところが年次的にガソリンの消費が高まってきたものだから、それに対する税率も高まってきている。従って、もう今日の段階では完全な目的税になりつつある。そこで二十四億円というものを一般財源からこれに入れたということ、これはどういう考え方に立っておったのですか。もっとガソリン税のみならずそのほかに、ガソリンの生産というものが、われわれ明らかに承知しておりませんけれども、少なくとも自然増収というものは相当あると見ている、私たちは。昭和三十六年か七年ごろの決算期にあたって、今日の五カ年計画工事費と見合うと事業費が足りないから二十四億円の一般財源投入というものが行なわれたかどうかという点は、どういう計算に立っているのですか。まあ、回りくどい言い方をしたけれども、もしもガソリン税の自然増収というものが、最初に聞きますが、ガソリン税の自然増収というものは一体どういう率で上がっておりますか。予算と決算の問題です。それは後年度にそれを上がったものを全部ぶち込んで新しい計算を立てているのですか。
  42. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 私どもはガソリン税の推定をいたします際には、もちろん建設省だけではございませんが、関係方面と御連結いたしまして、まず今後自動車の利用がどういうふうになるかという予想を、後年度に対する予想を立てまして、そういたしますと、大体自動車の数から使用ガソリン量というものが出て参ります。それらからいろいろ税金の関係でございますから非課税のものもございますし、目減りというようなものもございますので、それらを勘定いたしまして、この五カ年計画樹立の当初には御承知のようなガソリン税を見通して参ったわけでございます。それが大体毎年一割増ぐらいになっているかと存じます。その後実績を見ますというと、当時予想していたものに対しまして、まずその根底の自動車数が予想よりもずっとふえている。従いまして、ガソリンの量もふえ、ガソリン税もふえておる。特に来年度あたりの予想につきましては、相当従来の予定よりもふえる見込みでございまして、予算で御説明いたしたように推定いたしたわけでございます。しかし、これらはいずれも推定でございますから、まあ決算に対しましては過不足があるわけでございます。御承知のように三十四年度予算におきましては、前々年度の決算額といたしまして、これは不足でございまして、たしか六億不足だったと思います。ところが三十五年度、来年度に対しましては、前々年度の決算額から十一億加算されておるのでございます。従いまして、来年度は来年度の揮発油税の税収入の見込みが相当多い上に、さらに前々年度の決算加算額十一億があるということで、ガソリン税による収入の額が三十五年度予算は相当多くなっておるわけでございます。そういう理由でございます。
  43. 田中一

    田中一君 そこで道路整備五カ年計画というものを完遂するには、やはり三十五年度としても二十四億円の一般財源からの投入が行なわれなければできないのだというところから二十四億円の投入が行なわれたのですか、その点はどうなんです。
  44. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) この道路整備事業の年々の事業量は、これは従来ともにガソリン税の収入の割合で大体その各年度の予想を立てておるわけでございます。三十五年度事業に対しましても、既定の残事業全体に対しましてそういう割合で事業予定をいたしたわけでございます。そういうふうにいたしますと、それに必要な国費の総額が出て参りますわけで、その国費を調達いたしますのに、ガソリン税と一般財源とで必要な分をまかなうようにいたしたい、その結果が二十四億、こういうことでございます。
  45. 田中一

    田中一君 私は二十四億の一般財源を投入しちやいかぬというのじゃないのですよ。もっと入れろということを言っておるのです。いかぬという、そんなもの必要ないじゃないかというような印象をあなた受けたならば、それは大へんな違いでございます。一般財源をもう少し投入して、五カ年計画そのものが三十七年度まででおそらく仕事が残るのではないかというような予想を立てておるのですが、従ってあなた自身が、道路局長自身が、計画を推進しながら、完全に今までの計画が三十七年度で終わるのだというような見通しのもとに立っていますか。
  46. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 私も二十四億を実はもっとふやしていただきたい気持でおるのでございます。まあできるならば、交通状況がこういうことでございますから、もっともっと三十五年度の事業を多量に実施をいたしたいのでございますが、五カ年計画というものを確定いたしまして、それによって計画的に事業実施をいたしておるただいま段階でございますので、三十五年度予算は、先ほど申しましたように要求をいたしました。しかしもっともっと事業をやりたいという点では大いに希望を持っておりますので、その点については今後考えたいと思っております。
  47. 田中一

    田中一君 三十七年度までに完遂する見通しが立っているかどうか。
  48. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) その点につきましては、従来この五カ年計画予定事業のうち、一部道路公団によって実施しております名神高速道路の方は若干おくれておる気味でございますが、ただいまの段階では、三十七年、五カ年計画において予定通り事業進捗し、完成させる見込みを持っております。
  49. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいまガソリン税の方がどんどん上がってくる、道路は五カ年計画の目標を立ててやっておるのですが、再々私申し上げておるのですが、現在の五カ年計画というものでは国民が満足しない。ことに主要県道というものは、一体どれが主要県道であるか、大体今日の県道は、主要な県道であるのでありますが、これがなかなか舖装ができないというのは、非常に地方に影響を来たす。ことに最近論ぜられておりますのは、国土縦貫道路あるいは東海道の第二国道、こういうものを盛んに論じられておりますが、これはきわめてけっこうなことですが、わが国の産業の将来の発展する余地というものは、北関東から奥羽地方に向かって相当の余地があると存じますが、そういう方面に対するところの道路計画は、現在の六号国道であるとか、あるいは宇都宮方面の何号国道ですか、の国道をただ完成させるだけで能事終われりとしていってよろしいかどうか、こういうことを私は相当考えなくちゃならないのじゃないか、かように考えておるのですが、これに対して道路川の方ではどんなふうなお考えですか。
  50. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) これは先ほども申し上げましたように、現在の一級国道整備につきましては、ただいまの道路整備五カ年計画で一応見通しを得ておりますが、その後の交通対策に関しましては、先ほど申し上げましたように、これは全国的に見て高速自動車道路というものの配置が必要であろう、こう思っております。そこで全国的に調査実施することにいたしておりますが、この全般的な調査をいたしますと同時に、三十五年度におきましては、東北地方に対します自動車道の調査をやってみたいと思っております。
  51. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいまの局長さんの御意見通りでありますが、現在の北関東なり、あるいは東北地方において最近、農村が相当多いのですが、現在の内閣が所得の倍増ということを目標にして進んでおるようでございますが、なるほど全体からいうとあるいは倍増ということになるかもわかりませんが、農村の所得を倍増すること、農民の個々の問題についてこれは相当考えなくちゃならないことであろうと思うのですが、こういうことから考えると、やはり北関東あるいは東北方面の鉱工業方面に伸ばす必要があろう。それにはどうしても道路整備が必要である。また新設も私は必要であろうと思うのですが、どうかこういう方面にも意を注いでいただきたい。こういうように存じておる次第であります。
  52. 田中一

    田中一君 五カ年計画の当初の計画ですね。これの計画の見通し、それからこれの三年たっておる今日の現在におけるところの実態というものは相当食い違っておると思う。たとえば交通量にしても相当な違いが出ておると思う。それが大した違いはないというのなら、まだいいと思いますが、相当な食い違いができておるが、現状から見ると、もうこの辺でもう一ぺん新道路整備五カ年計画というものを立てなければならないと思うのです。先ほど九十三万円からの調査費で、全国的なものを調べる。これは一つのしなければならぬ問題で、けっこうだと思いますけれども、五カ年計画現状の実態というものは相当な食い違いがあるということを政府が認めるならば、当然この辺で改訂をしなければならぬという段階であろうと私は思うのです。その点はどういう考えを持っているのか、これは道路局長から説明してもらって、大沢政務次官から……。大沢さん、あなたはし手に答弁なさるけれども、政治家の一人として答弁していただきたいのです。あなたは上手にいつも答弁するから困るのだ。あなたが真剣に政治家の一人として答弁してもらいたいのだ。道路局長のあとから大沢さんに答弁してもらいます。
  53. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 自動車の数の増加、それから、トラック、バス、乗用車等におきまする輸送量の増加、それらを数字的に見ましても、御指摘のように、道路整備五カ年計画を立案いたします当時にいろいろ予想いたしましたものに対しまして本年度あたりの実績は、相当実績の方が上回っております、数字的に見まして。これらから考えまして、道路整備五カ年計画事業は、現状交通状況からすると、まだまだ十分なものじゃない。整備は相当大幅に進めておりますが、一方、交通の伸びから考えますというと、総体的に考えるならば、道路交通がはたして緩和ができているかどうか、円滑な交通という目的が果たされているかどうかという点については疑問があるのではないか、こういうふうに思われます。従いまして私といたしましては、こういうふうに非常に条件が違って参っておりますので、その点については基礎的にもう一ぺん調べ直して、現在の計画を検討してみる必要があるのじゃないだろうか。従いまして、ただいま準備にとりかかっておりますが、いろいろそうした点について調査、検討を加えてみるつもりでおります。
  54. 大沢雄一

    政府委員(大沢雄一君) 道路五カ年計画の改訂につきましての考え方につきましてのお尋ねでございまするが、田中先生初め諸先生から御質問あるいは御意見等がございました通り、現在の五カ年計画を策定いたしまするときに考えました経済の伸びが、現在におきましては、三十二年当時と違いまして、非常にその当時の予測を上回って経済が伸びておりますることは、もう私から申し上げるまでもないわけでございます。直接道路財源として、最も関係の深いガソリン税の伸びをとりましても、三十二年にはガソリン税の伸びは二・六%ということに考えておったのでございますが、三十三年から四年の伸びの実績は一五・八%という非常に大きな伸びを示しているわけでございます。こういうことがいろいろ、国家財政のいろいろの需要の関係等におきまして、現在の道路計画、五カ年計画を達成いたしまするためには、先ほど田中委員から御指摘がありました通り、一般財源からの繰り入れが前年より激減いたしまして二十四億で、計画しておりまする五カ年計画は達成の見通しは立つというようなことになりまして、私どもといたしましては、非常に不満でございまするが、当初相当多額の前年度を上回る一般財源の投入をした予算要求をいたしておりましたのが、引き下らざるを得なくなりましたわけでございます。これはどうしましても、現在の交通事情に対処いたしますためにも、また経済の成長を円滑に安定成長をはかりますためにも、どうしてもこの道路五カ年計画のワクを広げなければならぬということは、もうまことに後糧の私が政治的な発言をいたしますのは恐縮でございますが、政治家として当然考えなければならぬことでございます。従いまして建設省といたしましては、私もその中の推進者の一人でございまするが、何とかいたしまして、明年度におきましてはぜひこの五カ年計画を改定拡張をしたい、新しい観点に立って拡張改定したい。ガソリン税の伸びの投入はもちろんでございますが、一般財源の投入も、経済が伸びるからといって引き下げるというのは、まことにこれは情けないのであります。これもどうしてもふやしてもらわなければならぬ、こういう観点に立ちまして、及ばずながら私ども大臣を助けて内部におきまして努力をいたしておりますような次第でございます。
  55. 田中一

    田中一君 これは一般財源の投入を促進するには、また財布のひもを締めている大蔵省の連中を同調させるには、計画の改訂以外にないと思うのです。実際に国民のものなんです。すでに道路は国民のものなので、大蔵省のものじゃないのです。出し得る財源もあるわけなんです。そういう意味一つ今年は何とか計画改訂という方向に努力をしていただきたいと思うのです。それができなければ、これはやはり今まで通り程度の一般財源からの投入が行なわれる、こう思うのですからして、その点は一つ十分に努力していただきたいと思うのです。九十三万円程度のものじゃどうにもしようがないけれども、しかしその点はどういう方面に使うのか知らぬけれども、地方の計画といいますか、地方の調査等が上ってくれば、そんなに金もかからぬで済むかと思いますが、努力していただきたいと思うのです。
  56. 内村清次

    内村清次君 これは田中君の意見と私も同感ですけれども、ただ建設省が三十五年度の一般財源の二十四億という小さな数字に満足――これは先ほどは大沢次官は、不満だけれどもこれに従わざるを得ないということですが、ほんとうにあなた方は努力したかどうか、その点を私たちは十分大臣にも承りたかったのです。というのは、たとえば三十三年度に全体計画といたしまして一般財源は三百十七億でしょう。そうして今日まで三十三年、四年度と済ませて、三十五年度が二十四億、そうすると三十六年、七年度には百五十五億残っておるわけですね。そこでワクの拡大ということをしばらくおきまして、ガソリン税が三十四年度が八百億、三十五年度が九百六十三億、そうするとあとの三十六年、七年度に二千二百九十一億、これは先ほど政務次官の言われましたのを、今年度は一、二ですか、一二%の伸びを考えておられるようですけれども、先ほどの実績からして見ると、一一・八%が一五・八%になった。こういった将来の伸びを考えていけば、私はこのガソリン税だけは、二千二百九十一億円、これは何とか六年、七年には計上できるだろうと思う。がしかし、問題はこの一般財源の投入の百五十三億というものが、はたして今のような建設省の態度、今のような大蔵省の態度でこの五カ年計画の遂行というものができるか、一般財源の投入というものができるかというところに私たちは懸念を持っておるのです。そうして見ると、先ほど道路局長も、田中委員の言われましたときに、はたしてこの五カ年計画はあと残された三十六年、七年度に完成できるかという点に対しては、できますという確約はあなたはお言いじゃないでしょう、そうでしょう。私もそれはパーセンテージから見ましても、たとえばこのあなたの方の資料を見ても、三十五年度の完遂は約五二%でしょうが、そうでしょう。そうするとあと半分残っておるのです、半分。その進捗率で二カ年で半分が完成するかということは私たちも断言できない。しかしもう経済基盤としての要請というものは、これは先ほど言われたように、根本から変えてワクを拡大する時期にきておると私たちは判定しておる。もう一般財源の投入は当然しなければなうそですよ、ガソリン税のみに依存することはいけない。だから、あなた方が本腰を入れてこの道路計画というものに対して大蔵省とぶち当たったかどうか、大臣がその点努力されたかどうかというところに私たちは疑問点を持っておるのです。この点を私は大臣とも十分議論したかったのですが、どうもそういう熱意が大蔵省にもない。あなた方は、どうも努力はされたかもしれないけれども、もう一ふんばりということは見られないのですね、この予算計画からして見ますと。この点をどういうような大蔵省の態度であるか、建設省はどういうような努力をしたか、これは政務次官から一つ答弁願いたいと思うのです。私は既定の五カ年計画ではこれはとてもだめだと思うのです。
  57. 大沢雄一

    政府委員(大沢雄一君) この点につきましては道路局長から事務的な御答弁がございまして、予定事業量を五カ年計画に基づいて行なう。そのための必要な経費をがんばってこれを確保できたという、これは事務的な答弁でありました。事務的にはその通りでございまするが、私が申し上げました通り建設省といたしましては、実は予算の要求におきましてはもっともっと実は大きい要求をいたしておりまして、御案内の通り、オリンピック関係の直接、間接の道路、これもワク外で、これは五カ年計画のワク外で一般国費の投入によりまして相当多額のものを要求しておったわけでございます。しかし予算折衝の最後の段階に、大臣初め私、各局長、まあ不眠不休でほんとうにこれは努力をいたしたわけでございます。自分たちのことを申しますのは恐縮でございますが、私どもとしてはもう根限り努力をいたしたつもりでございますが、予算編成当時のいろいろないきさつも御承知であると思いますが、最後にどういたしましてもこのワク外の道路といたしましては、六億六千万円が五カ年計画のワク外で一般国費からオリンピックの関係のものはつきまして、この計画内の道路財源といたしましてはとにかくこの予算計画量が確保できまするので、私どもとしては泣く泣く、予算の編成を所定の期間までにこれを終わらせなければなりませんので、泣く泣く引き下がったというのが実情でございます。大臣はその間におきまして、ほんとうに私どもから見ましても涙ぐましい御努力をなさっておりますことは断言するにはばからない次第でございます。
  58. 内村清次

    内村清次君 この点はまああなたとしては大臣の努力はそう言わざるを得ぬでしょう。しかし数十にはっきり現われていますからね。こんな三十五年度に二十四億なんという数字をうのみにされた。しかも各公団あたりに対しては六十億でしょう。これをマイナスすると、いわゆる三十六億というものはガソリン税に依存しなくちゃならぬという形がちゃんと出てきておるのです。そうすると三十六年度、三十七年度にはほとんどガソリン税が公団出資金あたりに対しましては見合っていく、そうするともう一般財源というものは、今のあなた方の立場、今の大蔵省の考え方では、みんなガソリン税におぶさってしまうというような形になっておりますね。そうして何とか五カ年計画はガソリン税で一つまかなっていこう。こういうような法律の中にある一般財源の使用ということが少しも努力されておらない。そうしてみますと、もう御承知のごとく、これは三十二年からガソリン税、ガソリン税といって、どんどん増徴しておりますね。こういったガソリン税の納税関係者の中にも重大な影響が私はありはしないかと心配しておるのです。そこで私はむしろ田中君が言うように、この際一つ再検討をして、やはり拡大をして、そしてこの道路五カ年計画を御実行なさる時期にきておりやしないか、こういったことを私は直言したいと思います。
  59. 大沢雄一

    政府委員(大沢雄一君) ただいま内村先生の御意見まことにごもっともでございます。限られたますの中で幾ら議論をし合っておりましても、なかなか立場々々でやはり相当の理屈がつきますが、何といたしましても、現在の交通の実勢、経済の成長が、もうこの五カ年計画のワクではこれは足らないのでございます。ワクを広げるということが、これは私はやはり第一の問題ではなかろうかと、この点につきまして、全く先生の御意見に傾聴する次第でございます。その方向に従いまして私どもは最善の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
  60. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいま田中委員並びに内村委員の御質問に対しまして、大沢政務次官並びに道路局長の御答弁はしごく私も賛成であります。私は現実的にその内容を申し上げてみますと、たとえば六号国道東京に入るとき、また宇都宮方面から来る国道東京に入るとき、宇都宮からはきわめて短時間で来るが、東京都内に入りますと一時間もかかる。水戸から東京都内も、境までは一時間で来るが、東京に入ってからまた一時間かかるというような現状にあるのでありまして、これは東北地方の産業の開発に非常な影響を及ぼすものであると思うので、どうかこのワクを拡大するときには東北方面にも重点を少し向けてもらいたい、かように私は希望する次第でございます。道路局長の御意見をちょっと伺います。
  61. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) ただいま御指摘通り、せっかく一級国道ができまして、東京都の入口までは円滑に参りますが、都内に入りまして、どの路線も非常に難渋するという状態でございます。従いまして、新計画の樹立にあたりましては、これらも十分考えなければならないし、また御指摘になりました東北地方の交通輸送の問題についても慎重に考慮することにいたしたいと存じます。
  62. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいまの局長の御答弁けっこうでございました。この東北方面は割合に道の幅が広いところが多うございまして、こういう道路が非常にたくさんあるのでありますが、これはどうもいかんせん、ないがしろに見られておりまして、いずれも交通が悪い。私個人の話を申し上げるとおかしなようでありますが、昨年の間、私各方面を歩きましたが、実に道路が悪い。これが今日の日本の道路かと思うような道路がたくさんありまして、その道路を通ってみたらば、どうしても何だから、逆行してまた向こうの道路を通る、そうするとまた向こうの道路も完全でない、あるいは通れない。かような道路が非常に多いのでありまして、これは必ずしも茨城県ばかりでなく、栃木県にも福島県にも、あるいは岩手県にもそういう道路が非常に多いだろうと思うのでありまして、道路計画は、ただいまのところ、ガソリン税がたくさん入るのでありますから、これを道路公団の資金に回すとか何とかいうことを避けて、直接道路の改修に投じてもらいたい、かように存ずる次第であります。
  63. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 本日はこの程度にてとどめまして、次回は三月三日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会