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田上松衞君
本案については
賛成いたします。ただしこの場合、
付帯決議というほどのことでもないのですが、一応の点に対して希望を申し上げておきたいと思います。
と申し上げますことは、大体
首都高速道路公団が行なうところの
事業費は、
昭和三十四年から四十年までの七カ年にわたって一千三十七億円のはずだということであります。そこで、その中で
関連街路の百八十五億円を差し引いた残りの八百五十二億円というものが、
公団単独の
責任において行なう
事業だと理解するわけです。そこでその八百五十二億の中の
用地及び
補償費はわずかに八十四億円にすぎないわけであります。率から見ますると実に九・八%という少額なものであります。さらにその内訳を見てみますると、
補償費が二十四億円で
用地費は六十億しかないという
状態であります。私は先日来、
用地取得について非常な関心を持っているわけでありますが、この
立場から、特に最近の
土地値上がりの
状態等について実例を引用しながら、ある
意味では警告を発しているわけなんです。この観点からこのようなわずかな
金額で
用地費を見ておいてしまって、一体これで危険がないだろうかと
考えるわけです。今でさえもこの前申し上げましたように、場所によっては
ウナギのぼりというよりも、むしろコイのぼりのような様相を呈していましてほとんど停止するところを知らない。しかもこれについては昔のような、頭ごなしに押えるということもできないというような
事情があります現在において、向う六年も七年もの先の
土地の
取得についての
金額をこういう
程度で見て危険はないだろうか。単に
金額の問題だけではなくして、先だって申し上げた熊本の下筌のダムに見るような、あの種の
問題等もあるいは起こり得るだろうかということを
考えてみますると、直接
工事に要する費用は、これは
専門家がやるのですから大した間違いはあるまいといたしましても、
用地取得の点では
土地価格の
値上がり等、あるいは状況の
変化等について多くの問題が起こるであろうことを、憂慮せざるを得ないと実は
考えているわけなんです。別の
関連街路についているのは、これは
公団が三分の一しか負担しないわけなんでしょうから、別に
東京都という大きな力を持っているものがございますから、これはいろいろな
考え方ができるでしょうけれ
ども、失礼なことを申し上げますが、まだ発足して
幾らもならない、ほとんどしろうとにちょっともが生えた
程度の人をとる
公団の
首脳部が、この種の問題を解決するには非常な苦心が要るのではないかと、こういうことがまず心配されるわけです。
しかも、これについて今度改正されようとするこの
要点は、「
政府は、法人に対する
政府の
財政援助の制限に関する
法律第三条の規定にかかわらず、
国会の
議決を経た
金額の範囲内において、債券に係る債務について保証することができる。」これは保証しなければならないことに結局はなってしまうわけなんで、この間におきまする
政府の
責任というものも相当重大なものがあろうかと、こういうことを
考えておかなければならないと思うわけなんです。そこで、
要点は、
公団に対して、
土地取得及び
補償等について非常な勉強をされ、十分これについて配慮を払うべきことを特に
公団に対して念を押しておく必要があるだろう、こういうことを
一つ注文をつけまして、この
法案が間違いなく、将来紛争を起こすことのないようにしていただきたい。この
意見を付して
賛成をしておきたいと、こう
考えます。