運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-02-11 第34回国会 参議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月十一日(木曜日)    午前十時二十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            田中  一君    委員            小山邦太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            武内 五郎君            永岡 光治君            安田 敏雄君            小平 芳平君            田上 松衞君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   政府委員    建設政務次官  大沢 雄一君    建設省計画局    長       關盛 吉雄君    建設省道路局長 佐藤 寛政君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○土地区画整理法施行法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○建設事業並びに建設計画に関する  調査  (昭和三十五年度建設省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  初めに土地区画整理法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回において説明を聴取いたしておりますので、本日はこれより直ちに質疑を行ないたいと思います。御質疑の方は順次御質問を願います。
  3. 田中一

    田中一君 第一に伺いたいのは、現在旧法による組合はどのくらい残っているのかということ、次にその全体が三十四年三月三十一日でその施行期日は終わっておりますから、現況はどうであるかという点を伺いたいと思います。
  4. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 旧法によります土地区画整理事業につきましては、今お話しの通り法律は、旧法で行ないます事業は、本年の三月三十一日までに仕事完了しない場合においては、解散をするということになっております。従ってわれわれは、旧法によることができる期限がただいま申しましたような日限になっておりますので、一昨年から指導努力をして参ったのでございます。特に昨年の夏ごろからも、いわゆる切りかえの措置につきましても、さらに努力をして参りましたのでございます。それで、現在の見通しにおきましては、旧法関係のいわゆる事業をやっておりますものは、組合関係地方公共団体との二つに分かれるわけでございます。土地区画整理組合関係におきましては、昨年末現在におきまする見通しについて、まず組合関係から申し上げますと、事業完了いたしまして解散することになるものが七十五件ございます。それから新法組合の組織を変更いたしまして事業を継続して行なうものが十四件、それから旧法換地処分完了いたしまして、清算法人登記及び清算金徴収交付を行ないますものが四十三件、それから事業地方公共団体に引き継ぐものが四件、それから事業が未若手のまま解散になるものが十八件。これらの組合につきましては問題はないのでございますが、これから申し上げますものは、事業中途解散になるものが十一件ございまして、その内訳といたしまして、解散後の権利関係等につきまして、関係者調整策を講じて参りますから支障がないと考えられるものが、そのうち三件ございます。それから解散地方公共団体等において終束を考慮しておるもの、これが四件ございます。それからいま一つは、解散後円満な終束が今のところ著しく見通しといたしましては困難なものと考えられるものが二件ございます。それから組合実体がわからないものというものが二件ございます。で、これらがその全体のものとして、われわれも相当に指導し、また考慮を要するものと考えておりますが、さらにもう一つの問題は、今回の施行法改正によって一年間なお旧法規定によって事業施行さしていただきますれば、旧法の一年延長期間規定によりまして、事業が完全に一年以内にさらに終わるもの、これが七件ございます。全体合わせまして、旧法関係組合の昨年末現在で残っておりますものが百七十二件、その内訳は以上のようになっているのでございます。  それから次は地方公共団体でございますが、地方公共団体旧法で実施いたしております組合終束関係はどのようになるかということでございますが、これは全体で百五十九件ございます、そのうち、旧法事業完了いたしますものが二十三件ございます、新法事業を切りかえるものが四十三件ございます。それから換地処分完了いたしまして、地方公共団体におきまして登記清算金徴収交付を行なうものが八十六件ございます。従って、大部分のものは法律の定めております範囲内において事業を達成して解散するか、あるいは五カ年間の期間内に新法による切りかえを行ないまして事業を継続完了するという形になっておりますが、未着手のまま廃止されるものが七件あります。これが地方公共団体関係状況でございまして、建設省といたしましてはできるだけこの事業の円満な達成、公共団体等につきましては特にこの新法に切りかえる方法を考えて指導して参っておる次第でございます。
  5. 田中一

    田中一君 大体の実体はつかめるような気がするのですが、今度の法律改正によって中途解散しなきゃならぬという分の十一件のうち、七件だけがこの法律改正によって継続し得る、そうして一年間の猶予期間といいますか、延長期間において完全に終わるんだというようなことになるように聞いたのですが、その他の分は四件ですか、これは不明というものが二件、実体がわからぬというものが二件あって、そのほかの二件というものは困難という説明があったのですが、困難という二件がどういう実体になっておりますか。それから不明というものの内容はどういうふうになっておりますか。
  6. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 私の説明が少しまずかったので御理解に支障を与えたと思いますが、事業中途解散になりますもの、これがいわゆる法律期限内に事業完了しないし、また切りかえが困難であるというわけで解散になるものでございましてそれが十一件ございます。それから今回の法律改正されますれば、さらに一年なお旧法規定によって事業を実施し得るもの、これが七件と申しましたのは、この十一件の、また別ワクでございます。それで十一件の中にあります、おっしゃいました二件というのは、組合実体が不明であるもの、これは非常に前から、戦前からその仕事をやっておることになっておる組合でございますけれども、何分にも戦後の農地改革による所有者の数が変動がありましたり、また組合実体というものがなくなっているので、これはどうしてもその実体をつかむことがきわめて困難な状況でありますのでわからないのでございます。従って、その意味で実体不明と申し上げたのでございます、それが二件ございます。それから解散後円満な終束が署しく困難となるものというのは大阪東京にございまして二件あるのでございます。ただこれは一部仕事にも着手しておる部面もございますので、まず一番望ましい方法といたしましては、組合実体というものの当事者がかなり変わって、組合発足当時から来ておりますので、従って今、直ちにこの発足当時の組合員を探しまして、事業を実施するしないということをこの期限内に行なうということは、今のところの見通しでは困難じゃなかろうか。従って、われわれといたしましては、地方公共団体におきまして、これらの仕事の跡片づけを新し関係者方々と相談をいたしまして進めていこう、こういうふうな方式をとりたい。従って、この問題は今回の法律改正とは別問題に事実上の指導をやっていきたい、こういうふうに考えております。
  7. 田中一

    田中一君 御承知のように、土地区画整理事業というものは途中で解散ということになりますと、あるいは事業が完成しないから解散するんだということになりますと、利害関係が非常に複雑になるわけですね。結局損をした得をしたという現象が現われてくる、結論として。従ってそういう形のものでは最初からしない方がいいのです。これはまあ全部が政府責任とはいいませんけれども、この今のどうにもならぬ中にそういう訴訟問題が起きるというようなことはありませんか。そしてまた著しく損害を受けたという区域市民実態というものがどういう形になっておるか。かりにこの法律が通って一年の延期をしたという場合でも、どうしても政府指導なりあるいは地方公共団体助力等によっても、それが完了しないのだという前提に立っているものなのか。もう少し努力すればそうしたような紛争が避けられて、曲がりなりにも納得づくの事業が終了するのではなかろうか、というような見込みのものがあるかないかの問題です。もしも、かりにどうしてもだめであって、そして別の方法裁判等にかけられて解決するのだというのも解決なんです。そういう形も解決なんです。しかしこれは好もしい状態ではないわけです。今回の対象はどこまでも十五号台風というきめ方をしているその中に、この法律が通ったならば円満にいくのだという前提のもとに、この改正の案というものは出されたものと思いますが、それ以外の地区におけるところのこうしたような今詳細に報告を受けたような各事業のうち、二年延ばしたならば完全にいくのだというものがありはしないかどうか、あるいは三年延ばしたならば完全にいくのだというものが含まれておりはせぬかという点を考えますと、ただ単に十五号台風によって混乱があり、解決の道と申しますか、事業施行完了が見られないものだけを取り上げたということでありますと、これは土地区画整理法というこの法律の運営と、今後の事業のあり方についても相当考慮しなければならぬ、そういう疑問が生まれてくるわけです。途中でどうにもならぬから投げ出してもやむを得ないのだという前提に立つならば、少なくとも土地改良という問題は前進しないと思うのです。従って今、建設大臣でもくればその点の考え方を十分ただしたいわけです。十五号台風だけを対象として考えるというもの以外に、当然考慮しなければならぬものがあるのではなかろうかと思うのですが、一カ年というものをさらに六カ月延ばしたならば、完成するものがあるというものもあり得るのではないか、というような点ですね、実態を完全に把握してないという現在の計画局の現状をはなはだ遺憾に思うわけです。その点は何かすっかりつかんでいるものがあるのですか。
  8. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) ただいまの御説まことにごもっともでございます。実はわれわれも本年の三月三十一日で施行法に定めております従来の組合施行あいるは公共団体施行土地区画整理事業が、そのことによってただいまおっしゃったような形で仕事支障を来たしてはいかぬということを考えまして、昨年の当初以来この当事者の不明もしくは混乱を来たす、事業終束がちょっと困難であろうという所につきましては、特に個別に調べたのでございます。何分にも組合施行にかかる土地区画整理事業は、組合員の自発的な一つの意欲がなければできないのでございますので、従って先ほど申しましたように戦後の混乱からいろいろな事業計画に蹉跌を来たしまして、またその利害関係人がずいぶん交替をしてしまって今、土地区画整理をやる形になっておらない、こういう実態のものが先ほど申しました二件の中にあるのでございます。しかしながら先ほど申しましたように、これらは法律期限延長によって解決することはとうてい困難でございますので、実際上の仕組みといたしましては、途中ででき上った一部の仕事につきましては、それの法律による問題じゃなく、新しい方法でその仕事の不公平にならないように、利害関係人がやはりディスカリッジされないような仕組みというものを指導して、考えていかなければならない。その方法としてはやはり公共団体にあっせんをしてもらう、あるいは新しい発足をしてもらう、そのいずれかをとらざるを得ないのじゃないか。こういうふうな結論に立ちまして、ただいまの組合旧法関係指導をいたしたのでございまして、今の終束の著しく困難なものにつきまして直ちに訴訟が今起こっている、こういうことはないというふうに聞いております。
  9. 田中一

    田中一君 政府の方で一年間延期する、五年を六年に延長するのだということの提案があれば、従って一年、一年半、二年というもの、三年というもの、これは可能なんです。この一年に限ったという根拠を、実態を見て承認したいという気持からこういう質問をするわけなんです、もうこれは土地区画整理事業そのものが非常な複雑した利害関係にあるわけなんです。そこで途中でその事業が挫折をする場合には、非常な利害に対する関係の格差というものが非常に広がってくるものが実態であろうと思うのです。そこで私は今あなたが、そういう訴訟が起きるようなものはないであろうというけれども、ないであろうという予想で一応ここで中途半端でもこれを打ち切ってしまって、引き続き新法によって新しい計画を立てていくのだという前提を、該当する区域市民が認めるならば、これはいいと思うのです。しかしながら行政施行とか公共団体施行はいいと思いますけれども、組合施行の場合はそれが困難を来たしたということ自体、不公平なる事業が強行されたということがあったのじゃないかというような見方をすると、ちょうど五年目になってからこのへんで打ち切って今までの重荷をきれいにしてしまえ、というような気持でやられても困るわけなんですよ。でありますから私は今度の法律改正については、うたっているように、台風十五号によるところの区域方々ということを政府が限定しておるから、それだけに大臣が指定する事業というものは、的確なものであってそうしたいたずらな紛争を巻き起こすものではない。こう信じておりますけれども、この際これをちょん切ってそうして今までの重荷から逃げようなんという考えがあっちゃならぬと思うんですよ。もし、もう少しもう一歩よい指導をするならば、もう六カ月延ばす、あるいは八カ月延ばすということも予想されるのじゃないかという点から伺うのですが、政府の方でそうした紛争はないであろうという予想ならば、これはもうそれを一応信頼しようとも思うけれども、私はそんなに簡単に組合施行の場合、一年延長したから、あるいは一年延長しないから、大臣が指定しない区域も円満にいくとは思えないのですよ。その点はもう一ぺん重ねて伺いますけれども、もし私がさっきちょっと委員会開く前に伺った実態というものの例を、中途解散の十一件のうちにこういう実態もあるのだというような一つの事例をお示し願うと、これは幸いだと思うのです。そういうものがもしあればそれを一、二説明していただきたいと思うのです。
  10. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) ただいま御質問の点でございますが、お説の通り組合自然解散ということになりますと、事業が従って廃止されまして権利関係混乱をきたす、従ってお説のように不公平が起る、途中までやった仕事中途半端になって、あとに残った人がえらい日に合う、不公平が起る。従ってこれは善後策といたしましては、その場合にいかなる方法が適当であるかということをいろいろ検討いたしたのでございます。今お説のように、今回の提案いたしております施行法の一部改正のごとき、存続期限をさらに延長することによって、その適正な事業完了の目途がつくかどうかということ、この見通しがあれば、それも一つ方法でないかということで立法論的にも検討いたしたのでございますが、先ほど申しましたように、これらはいずれもその組合実態として、直ちにこの仕事を進めるという形にはなっておらないのがはっきりわかりましたので、従って先ほど申しましたような、この組合員の同意を得ながら、地方公共団体が既成事実を引きついで土地区画整理事業を行なう、こういうふうな指導が、法律措置としてじゃなくて、一番適切な方法じゃなかろうか、こういうふうに考えたのでございます。  それでただいま申しました一つの例を申しますと、東京のいわゆる円満解決解散、円満な収拾ということがなかなか困難じゃなかろうかというふうに申し上げましたのも、実はここでは先ほど申し上げましたように一部の工事を行なっておりますが、昭和二十八年ごろから組合内部抗争がございまして、なかなか事業の再開ができない、従って総会も開かれない。こういうふうな状況でございまして、やはりこれは新法に対する切りかえも困難でありましょうし、またこれを期限延長することによって話し合いがまとまるというふうな見通しも、当事者の話しによりまして得られない。こういう状況でありますので、もう少し別の角度でこの仕事の編成がえを考えなければならぬというふうに考えたのでございます。  それからいま一つ大阪でと申しました組合につきましては、昨今の、ここでは今著しく困難と申しましたけれども、何とか当事者で話をつけまして、円満な解決をして解散に持ち込める。こういうふうな連絡を受けておりますので、大宗といたしましては、今申しましたような東京の代々幡にあります一件が、非常に指導上今後もわれわれは留意をしなければならない、こういうふうに考えております。
  11. 田中一

    田中一君 土地区画整理事業というものは、ただその該当する区域の利益のみの事業ではないわけなんです。その都市全部あるいは民族全部の要望のために行なわれるというのが、この事業実態だと思うのですよ。従って、今あなたが説明されるように、内部抗争というものがあるから、円満な収拾が半年や一年延ばしても見込みがないものというふうなものは、結局利害対立なんです。一部の利害対立のために、市民全部が、しいて申しますならば、平和な明かるい町作りができないということになりますと、被害者市民全体のものということになる。単に利害関係者範囲じゃないのです。そこで一年はなるほど十五号台風によるところの区域要望というものがあるから延ばすけれども、他の組合施行の場合はもうそのまま組合内部ですきになさいというようなつっぱね方をなさるということは、少なくともその事業を認可したところの建設大臣としては責任があろうかと思うのです。単なる組合内部市民たちのみならず、その都市あるいは国民全体に対する責任というものが生じてくるわけなんです。そういうものをどういう工合に今後指導しようとするのか。土地区画整理事業公共性というものをそう軽く見ちゃ困るのです。その区域内の市民だけのものであるという見方をしてはならないのです。その点についてはまあ局長に聞くだけじゃいかぬかと思うから、これは大沢政務次官が見えているが次官はそれを今後どういうふうにもっていこうとするのか、この点明らかにしていただきたいと思う。できないからやめるのだということだけでは済みません。
  12. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) ただいま田中委員の御意見まことにごもっともに存じました次第でございます。  ただいま計画局長から御説明申し上げましたように、事業中途解散になる見込みのもの十一件、そのうち円満に収拾見込みが今のところ立たない、そのまま法律の失効によって三月三十一日に消滅の運命にありますものは一件ございますが、しかしながらこれにつきましては、ただいまの御意見通り、なお本省といたしまして十分責任を感じまして、協議指導をいたしまして、できまするならば地方公共団体等におきまして、さらにこの解散後の収拾策を講じまするように努力をいたしたい、と存ずる次第でございます。御了承願います。
  13. 田中一

    田中一君 建設大臣が指定しようとする手業団体、それなんか数が多ければ資料でお出し願いたいと思う。少ないものならばちょっとここにメモしますから。
  14. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 今回の法律によりまして、一年の存続期限延長が行なわれる予定の組合として該当するものは七組合考えられます。これはいずれも名古屋市の区域に存する土地区画整理組合でございまして、この名称を申し上げますと、港区にあります明徳組合、それから同じく港区の遠若組合、同じく港区の土古、これはドンコと読んでおります、次は中川区の中郷線組合、同じく中川区の荒子組合、同じく中川区の中島新町組合、南区の水袋組合、この七つの組合でございます。
  15. 田中一

    田中一君 私のところにきた資料に入ってないのです、ほかはみな入っているらしいけれども。やはり資料はちゃんとそろえて下さいよ。僕は言いたくないです。
  16. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 差し上げます。
  17. 田中一

    田中一君 そこで今名古屋市内の七組合だという説明がありましたが、もしこのほかにぜひとも一年延長してくれ、そうするならば完了するからというような申し出があった場合には指定するつもりですか。
  18. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) もとより十五号台風災害がなかったならば、三月三十一日までに旧法事業完了するということが確実であったんだが、この台風があってそのために三月三十一日までに仕事完了ができなくなった、こういう組合に限るわけでございます。われわれの方では万遺漏なく調査をいたして今日七組合となっておりますが、まあ先生のお話のような、もしこれと実質上変わらぬものがかりにあったといたしますれば、職権で調査をいたしまして、そのようになるのは理論的に考えられるのでございます。
  19. 田中一

    田中一君 この法文の改正だけで他のものができますか。「昭和三十四年台風第十五号による災害のため土地区画整理施行に著しい支障を生じた旧組合建設大臣が指定するものについては、六年とする。」こうなっているのですが、台風十五号以外の区域のものが申し出があった場合には、該当しないのではないですか。
  20. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) その通りでございます。
  21. 田中一

    田中一君 しかし今局長の答弁はそうでないように私はとったのですが、結局こういういやがらせみたいな質問するのも、ちょっと時間を延ばせば円満にいく、先ほど申し上げたように利害が非常に激しいものなんです、対立があるものなんです。でありますから、ここで打ち切ってそのまま済ますということも一つ責任のがれの方法であろうかとも、許可をした立場から見ればあろうかとも思うけれども、その紛争というものを下に回してしまって知らぬ顔することは、その事業を認可した以上、建設大臣責任はそれでは済まないということを言っているのです。おそらく今度の改正も地元からそういう要望があってそれにこたえようとするものであったろうと思います。しかし、これ以外に台風によらないけれども、一年延長したならばその仕事完了し得るという見込みのものがあった場合には、今局長は十分調査してそれに当てはめてもよろしいというような、非常にこれが責任ある行政権の、それはもう卒直希望だと思うのです。これはもうその発言は認めます。しかし、この法律改正条文ではそれに該当しないということになると、これは困るのです。そうすると、今、手を振っておったから、手を振ったことはどういう工合にそれを否定しようとするのかわからぬけれども、その点を明らかにしてもらわぬといかぬと思います。なぜ三十四年の台風十五号に限ったかということです。これはそれだけ済めばいいということは、その地区希望がそうであったからということになって、別に否定するものではない、それ以外にそういうものがあった場合にどうするかということを考えますと、今回の通常国会法律改正をするか、あるいはいつくるかわからぬ臨時国会法律を新しく提案して改正をしなければ、この条文では実施できないことになるのです。これは局長にそういうことを質問しちゃいけないというなら、あと政務次官なり大臣なりから答弁願いますけれども、私はしかし、あなたが、今私が理解した点では、そういう一年待てば円満にいくのだというものがあるならば、それに対してもなるべくそうさしてやりたいということは、こういう発言があったように私は受け取ったのですが、それは確かに行政の最高の権限を持つ局長というか、建設大臣としてはこれは一番いいことなんです。認めたらいいのです。この条文ではそれに当てはまらぬからどうするかという点を伺っておきます。
  22. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、台風十五号による災害がなかったならば三月三十一日までに区画整理の事業を終わったであろう、災害が起こったために事業の実施に支障を生じたという組合につきましては、七組合と先ほど該当候補者を申し上げましたが、それと実質的に変わらぬものが出た場合には、これは理論的に七つが八になるということもあり得るというお話を申し上げるつもりで申し上げたのでございます。
  23. 田中一

    田中一君 そうすると、あなたは区画整理事業実態というものよりも、台風第十五号にウエートをおいて、この規定した条文に当てはまるならばという限定をしての考え方だということに今お話があったからわかりましたけれども、あなたが所管しているところの土地区画整理事業というものは、台風があろうとなかろうと、もしもこの際一年間の延長というものを認められるならば、他のものも円満に事業完了するというものがあるならば、それをも何とかしょうという考え方はなかったわけですね。もしないとするならない理由を明らかにしていただきたいのです。
  24. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) ただいま非常に現在の新法の立法経過にお詳しい先生からの御質問でございますが、これは新法ができましたときには、施行法の制定によりまして五カ年間は旧法というものの基礎法規で区画整理事業完了するというふうにできるものは、それでどんどん進める、ただ完了する見込みのないものにつきましては、たとえその期間内といえどもより民主的な新法に切りかえる、これが旧法から新法が制定されましたときの立法の沿革、というふうにわれわれ記録によって承知いたしておるのでございます。しかも旧法中といえども、できるだけ新法の精神を取り入れた運用に留意をするように努めて参ったのでございます。ただそれは一つの重要な方針でございますと同時に、実際の区画整理の仕事の影響する範囲が非常に大きいものでございますから、特に組合の場合につきましては、各組合につき一昨年来法律上の終束期限もございましたし、また個別に実態等につきまして指導をし、またそれの切りかえ並びに切りかえるだけじゃなくて、事業終束並びにその実績の跡始末、こういうことも同時に法律外の問題として、法律以上に重要な問題でありますので、せっかく検討をいたしたのでございます。その結果先ほど申しましたような旧法関係規定による終束見通しを得たのでございまして、何でもかんでもその規則通りにということは、それだけのいちずの精神で考えたのではないのでございますが、新法の制定の理由並びに土地区画整理事業の実施という面についての現状の摩擦というものを、いかに実態に合わせて進めるか、この二点から考慮した結果が、今回の災害で発生いたしました完了困難なこの組合については、一つぜひ一年延長をお願いしなければならない、こういう結論に到達いたしまして、それで実は御審議をいただいておる、こういう状況でございます。
  25. 田中一

    田中一君 まあ私が言っておるのは、この法律実態がそうであろうからこれは認めよという前提に立って言っているのですが、しかしこの際申し上げたいのは、他の旧法による先ほど説明された百七十二件というものは、私の質問に対して、現在三十四年度末において行なわれようとするところの事態を伺った御答弁だと思うのです。しかしこれも、もしもこういうように継続してやるかあるいは解散するとか、あるいは円満解散とかあるいは清算事務に入るとか、公共団体が引き継ぐとかという事態は、何も立法当時の沿革ということをあなたは言っておりましたけれども、今三十四年度末によって初めてこうしなければならないという事態じゃないのです。もう少し指導よろしきを得れば新しい法律によるところの民主的な利害関係者発言の場もある、少なくとも新しい憲法に即したところの土地区画整理法によって乗りかえてやればやり得るのです。ところが百七十二件というもの、あるいは公共団体施行しておるところの百五十九件というものも含めて、ぎりぎりの時間に来て初めてそうしなければならないという追い込み方は、これははなはだ怠慢とは言いません、怠慢とは言いませんけれども、努力が足りなかったんじゃないかという気がするわけなんです。そういう事態に追い込んできて、これはもっと早く土地区画整理法が制定されて以来切りかえができるわけです。直ちに切りかえた事業団体もあるわけなんです。それがここまで追い込んできたということを追及しながら、今後の対策を伺っておるわけなんです。こういう年度末でこの法律旧法によるところの施行法律的な根拠がなくなるという、ここに追い込まれたという事態は、やはりどこにその原因があってどうしたかということを伺わなければならないのです。ただ単に七つの対象だけに限定した今回の法律改正ということには、私は見ておらないわけなんです。そこで伺ったのですが、これ以上質疑を続けますと時間がなくなりますからこの辺でやめますけれども、今後の運営にあたっては、この延長される七つの組合をも完全な親切な指導をして、あとに問題を残さないような方途をお取り計らい願いたい。同時に、災害地の状態というものが、いろいろ都市全体の、名古屋市全体の面から見ても新しい都市計画というものが生まれる可能性があるのじゃないかと思うのです。その際には、いち早く旧法というもので施行させて、三十五年三月三十一日に追い込まないで、その事前において切りかえなりあるいは計画変更なりの形において、追い込まれる形のないような指導をしていただきたいという点をお願いして私の質疑は打ち切ります。
  26. 永岡光治

    ○永岡光治君 参考のために私聞いておきたい点が二、三あるのです。一つは、ただいまおくれて参りましたから、田中委員質問で触れたかもしらんと思いますが、台風十五号に関係するものに限って、しかもその特に指定する組合に限って六年間ということにしているわけですが、それ以外のもので支障を生じている組合はないのですか。五年で打ち切られた場合に支障を生ずる組合一つもないのですか、あるのですか。
  27. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) ただいまの御質問は、旧法によって土地区画整理事業を実施している土地区画整理組合関係事業は一体どうなっているか。すなわち、それが三月三十一日までに仕事を終えると解散することになる。つまり仕事が続いている場合は新法に切りかえていくわけでございます。従って新法に切りかえていきますからして、土地区画整理事業の実施に支障があるということはないわけでございます。ただ名古屋の場合は三月三十一日までに仕事完了することになっておったのでございます。すなわちもう換地の一歩手前までいっておったのでございます。ところが台風が参りまして、書類あるいは浸水日数が長期にわたりまして、組合員自身のそれぞれ各家が浸水しましたので、かりにそれを新法に切りかえようといたしましても、総会を開くいとまがないのでございます。ことに新法によって切りかえをするためには、百日あまりの日数を手続きに要しますので、従って、これは当初から三月三十一日までに仕事完了することがはっきりいたしておったものですから、従って新法に切りかえるという必要はなかったのでございます。そういうわけでこの災害というものが予期せざるときに水をたくさん溜めたものでございますので、今回の名古屋につきましては、一年延長させていただければ基礎法規がなくならなくてすむ、こういうわけでございます。その他の問題につきましては、新法という法律がございますのでそれによって切りかえる。切りかえないものは一体どうなるかということにつきまして先ほど件数を申し上げた、こういうことでございます。
  28. 永岡光治

    ○永岡光治君 そうすると、支障を生ずるものは相当数残るわけですね。結果的にはそういうふうに解職してよろしいですか。
  29. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) 法律上の支障というものはないのでございます。つまり法律的には、この組合名古屋関係のものにつきまして旧法期限を一年存続するということでございまして、その他のものは新法に切りかえて参りますか、あるいは旧法解散をするか、事業完了いたしまして、あるいはこの旧法換地処分完了いたしまして、清算金徴収交付を行ない、あるいは地方公共団体に引き継ぐ、こういう格好になりまして、きわめて合理的な、きわめて……今、田中委員から御指摘になりました完了後円満に収拾見込みのいちじるしく困難なもの、こういうものが一件ございまして、これにつきましては、事業中途のいわゆる実績があるのでございますから、影響する範囲等も非常に大きいものですから、これは法律問題ではなくて行政指導の面で、われわれも責任のある指導と言後処置を講じて参りたい、こういうふうに申し上げて御了解をお願いいたしたいのでございます。
  30. 永岡光治

    ○永岡光治君 そうしますと、実質的に問題になるのは一件ぐらいだが、それは行政指導で何とか解決できるのだと、こういうふうに解釈していいわけですね。  そういう関係であれば、まあいいわけですが、もう一つお尋ねしたいのですが、この前、私たちも災害地を見に行きましたときに、これは一つの道路の例ですから、そういうことはないと思うのですが、これと関連があるかどうかよくわかりませんのでお尋ねしておきたいのですが、ここへ道路をつけてもらっては困ると、ある国道をつけるために、そういうことで地元側は非常に反対をしておったけれども、災害になった。それで、うむを言わせずそこにすぐ道路をつけてしまった。そして、それを既成事実にしてしまったという傾向があるという話を、ほんとうかどうか知りませんが聞いたわけです。そういうことで、何かこういうものを、そういうのに引っかけて関連がないとは思う、ないような丸がしますけれども、何か、一年延長することによって、今まで区画整理に反対しておったところを無理に入れるということは、そういうことは余りないでしょうね。これは気になるから聞いてみただけで、支障がないとすればけっこうです。
  31. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) ただいまのお話は、土地、区画整理組組合なり土地区画整理事業の事柄とは違った問題のように拝聴いたしたのでございます。  すなわち道路計画を立てます場合に、川地取得等の困難なときに、特に災害のときにでも一つ、その計画を達成するというふうな事例が、まあいいかどうかと、こういう御質問のようにお聞きしたのでございますが、これはまあ道路計画そのものの問題でございまして、そういうふうなことは、今回の組合事業、あるいは区画整理事業というものとは、直接関係はないのでございます。  これはもう、もともとから都市計画を立てまして、そして組合が設計の、事業計画の承認を受けまして、そして進んでおる仕事でございます。
  32. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御質疑はございませんか。——他に発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認め、これから討論に入ります。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより本案の採択を行ないます。  土地区画整理法施行法の一部を改正する法律案全部を議題に供します。  本案を原案通りに可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  33. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 全員一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお審査報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
  34. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に、建設事業並びに建設計画に関する調査といたしまして、前回に続き昭和三十五年度建設省関係予算を議題に供します。各局別の説明を聴取いたします。まず、計画局関係につきまして、計画局長から説明を受けます。
  35. 關盛吉雄

    政府委員關盛吉雄君) それでは、私からお手元にお配りいたしてあります昭和三十五年度予算説明書、横書きの計画局、この印刷物に従いまして、簡単に概要の補足説明を申し上げたいと思います。  まず、第一ページでございますが、分類をいたしておりまして、その第一は、公共事業費でございます。昭和三十五年度におきまする計画局所管の都市計画事業予算は、道路整備特別会計に計上されておりますもの百五十六億二千三百万円これは補助金でございます。それからそのほかに特別会計では首都高速道路公団に対する川資金五億円が別に特別会計に計上されておりますので、補助金の百五十六億二千三百万円と、首都高速道路公団出資金五億円を加えますと、特別会計計上の部分は百六十一億二千三百万円ということになっております。  次は、一般会計計上の事業でございますが、二十二億一千百万円ということになっております。このほかに災害関係といたしましては、都市災害復旧事業費が五千六百万、都市災害関連事業費が四百万、下水道施設の一般鉱害復旧事業費が三百四十三万円、合計いたしまして百七十八億九千七百四十三万円ということになっておりまして、公団出資金を加えますと、さらに五億増加いたしますが、公団出資金を除きましても、昭和三十四年度の予算額に比しまして三十億一千八百四十一万八千円という増加となっております。これがその概要の姿でございます。  次に、第二ページに参りまして、二ページの五行目でございますが、増加のおもなるものは、街路事業の約二割四分と下水道の約四割がおもなる増加の原因になっております。なお都市計画事業の予算は、国労公園整備費が三千二百万円ありますが、これだけが直轄事業でございまして、その他はすべて地方公共団体に対する補助金でございます。  それからなお都市計画事業予算には、特別失業対策事業費として十三億一千五百万、臨時就労対策事業費といたしまして二十三億七千万円というものが含まれております。一般公共事業費は百四十二億一千二百四十三万円、こういうことになっております。  それから次は、第三ページの事項別説明とありますところでございますが、まず道路整備特別会計に計上されております都市計画街路事業の国庫補助額は、先ほど申した通りに百五十六億二千三百万円でございまして、これによって実施されます事業費は二百五十億四千八百十万円となります。そしてこれは道路整備五カ年計画における街路関係事業費の約二一%に相当するものを、三十五年度で実施することになるわけでございます。この百五十六億二千三百万円でございますが、この中には再建団体の補助率差額及び五カ年計画外の区画整理に関する部分を含まれておりますので、道路整備五カ年計画分として実施いたしますものは、百五十一億九千四百万円ということになります。道路からあとで御説明があります数字は、百五十一億九千四百万円となっておりますのは、そのような関係でそうなるのでございます。ここでは所管計上の部分を全部書いてございます。  次にはその内訳でございますが、まず土地区画整理事業の予算でございますが、これは三十三億三千八百万円ということになっておりまして、三十四年度におきましては、土地区画整理事業には、戦災復興事業、それから災害復興事業、港湾地帯整備事業、接収解除地の整備事業都市改造事業、及び旧軍関係土地区画整理事業の六種の事業を行なっておったのでありますが、戦災復興事業におきましては、三十四年度において予算は終わるということになりましたので、三十五年度におきましては、戦災復興を除きました五種の事業を実施する予定でございます。この事業費は、道路整備五カ年計画における事業費の約二〇%に相当するものでありまして、三十五年度末におきましては五八%の進捗率を見る予定でございます。そのうち第一は、災害復興中業でございまして、予算額一千百万円、これは三十一年八月の火災を受けました秋田県の大館市の中心市街地の復興をはかるため、土地区画整理事業に対するものでございます。この事業は三十五年度をもって完了をする予定でございます。  第二は、港湾地帯整備中業でございまして、予算額は一億五千四百万円でございますが、これは大阪港湾地区に対しまして、港湾修築専業と町制対策事業に並行いたしまして土地区画整理事業を行なっておるのでございますが、今後三十五、三十六の二カ年で事業完了する見通しであります。  第三は接収解除地の整備事業でございまして、予算額が九千八百万円でございますが、横浜、神戸の両市の駐留軍の接収跡地のうち、都市計画上緊急に整備を要する地区に対しまして、土地区画整理事業を実施いたしておりましたので、この予算によって、横浜市は昭和三十五年度、神戸市は三十六年度に事業完了をする予定になっております。  次は、第四の都市改造専業でございますが、予算額が二十九億七千五百万でございまして、既成市街地の交通増加の結果と宅地難に対応いたしまして、土地の高度利用というものをはかりますために、区画整理の手法によって行なっております市街地の再開発事業でございます。昭和三十五年度におきましては、戦災復興事業終束いたしましたことに伴ないまして、三十四年度の予算実施額の二十億三百四十五万円に対しまして、いわゆる四割八分増の国費予算が計上されておりますが、これによりまして実施される事業は、道路整備五カ年計画における都市改造事業費の約二四%に相当するものでございます。三十五年度におきましては約四五%━━都市改造事業の二四%でありまして、三十五年度末におきましては約四五%の進捗を見る予定でございます。なお三十五年度におきまして実施する予定個所は東京駅前の八重洲口、五反田等、継続四十八地区のほかに、京都市の伏見地区等の新規の十八地区を予定いたしております。  それから第五は次の六ページでございますが、旧軍関係土地区画整理事業でございまして、予算額は一億円でございます。これは戦時中に軍部整備事業なり、あるいは新工業都市整備事業などを行なって膨大なる土地がそのときには計画されたのでございますが、終戦となったことと、それから経済変動に伴いまして整理が完了されないものが出て参りましたので、都市計画上特に緊急を要する相模原市等の九地区に対しまして、この事業を実施いたしておりまして、これは昭和三十五年度を最終年度といたしまして事業完了する予定でございます。  次は街路作業でございまして、街路事業の地域別予算額等という表がそこに掲げてございますが、昭和三十五年度の予算額は一番左の方のところをごらんになっていただきまして、首都圏が三十五億九千万、四大市が十二億一千七百万、一般都市が七十億三千七百万、合計いたしまして百十八億四千四百万、こういうことになっております。  このほかに街路交通調査といたしまして千二百万円の調査を実施することになっております。  昭和三十五年度におきまする街路事業は、前年度に対しまして約二割四分の増加でありますが、道路整備五カ年計画におきまする事業の約二一%を三十五年度で実施する予定でありまして、三十五年度末におきましては五一・一%で、約五〇%の進捗率を見る予定でございます。  事業の実施の重点と考えておりますことは、比較的大都市に重点を指向するのは、先ほどの表で御承知の通りでございますが、また、この首都圏につきましては、首都高速道路に関連する街路と、オリンピック東京大会に対処するために環状七号線、放射四号線の整備を推進することといたしておりまして、なお各地域の事業につきましては、踏み切りの除却、あるいは戦災復興等で拡幅された街路の舗装を促進する考え方であります。  次は三十五年度の事業の種別の個所数を掲げてございますが、立体交差におきまして四十八カ所、一般改良の個所が五百八十五カ所、橋梁が四十五カ所というふうに計画する予定でございます。  さらに再建団体補助率差額というものが四億二千九面万円というものがありますので、その結果予算総額は、道路整備特計におきましては公団出資金を除きまして百五十六億二千三百万、こういうことになっております。  次は、一般会計に計上するものにつきまして九ぺ一ジのところに掲げてございますが、これは公園、墓園と下水道及び災害関係事業を申しているのでございます。予算額は二十二億七千四百四十三万円ということになっております。  まず第一は国営公園整備作業でございまして、予算額は三千二百万円でございますが、この対象は皇居外苑、それから新宿御苑、それに京都御苑、この三旧皇室苑地の整備ということと、さらに本年からやっております霞ヶ関公園の整備を目的とする事業でございます。  第二は公園及び墓苑整備事業でございまして、予算額が一億八千三百万円でございますが、この事業は、都市の主要公園、それから児童公園及び国際観光上重要な公園につきまして、その整備の促進をはかる経費でございます。  昭和三十五年度におきましては、このほかに東京オリンピック大会に対処するためにオリンピック関係の運動公園のうち、最も緊急に着手を要する明治公園の整備につきまして、さらに予算を増加いたしております。  それから第三は下水道専業でございまして、昭和三十五年度の下水道事業の種目別予算額は、内地、北海道、離島、別にまた公共下水道、都市下水道、特別都市下水道、地盤沈下対策、これは別にその表を掲げてございますが、国費の総額は、計の欄の一番右の下欄をごらんになっていただいておわかりの通りに、十九億九千六百万ということになっております。  この下水道は、最も都市施設の中でおくれておりまして、最近は、都市人口の増大に伴いまして、公共水の汚濁防止とか、あるいは都市の浸水防止、屎尿処理の問題、あるいは地盤沈下の地域におきましては、下水道の整備によりまして地盤沈下の対策を行なう、あるいは道路の舗装に先行する下水管の敷設等を行なう必要がもっぱら重要な問題となって現われてきておるのでございますが、三十五年度におきましては、ただいま申しました十九億九千六百万円の国費になったので、三十四年度に比しまして約四割増であります。三十四年度の十四億二千五百万円に対しまして四割増でありますのと、それからまた、起債につきましても、昨年の六十億に対しまして、約五割増加の九十億円が予定されております。ただ、この起債の九十億円品は、厚生省関係の終末処理事業の部分も含めてございますので、建設省関係といたしましては、建設省所管の下水道の部分といたしましては、おそらく従来の実績から見まして、七割程度がその部分になろうと推定されております。これだけの国費と起債と、それからさらに地方の自己負担を合わせまして実施されます事業量の効果といたしましては、排水面積にして五千二百ヘクタールがこの事業量で増加するだろう、従って、従来の排水面積と合わせますと、五万二千二十ヘクタールということになるわけでございますが、これは全国の市街地面積の約一六%になる程度でございますので、下水道事業は、まだこれからひとつ大いに増加しなければならないと思っております。  以上が一般会計に計上の都市計画事業予算の二十二億一千万円の口でございますが、そのほかに、先ほど申しました都市災害復旧の五千六百万円、都市災害関連の四百万円、下水道施設一般鉱害復旧の三百四十三万円というものがあるのでございます。  それから次は、十二ページに参りまして、計画局関係の行政部費でございますが、この行政部費のうち、おもなるものは、まず公共用地取得制度調査会に必要な経費六十八万七千円、それから都市計画事業の確立推進に必要な経費百二十二万四千円、産業開発青年隊事業に必要な経費五千三十九万四千円、都市地盤調査に必要な経費五百万、水路水質汚濁防止の調査に必要な経費三百三十九万円、建設技術の研究助成に必要な経費一千九百五万九千円、国土計画、地方計画の確立推進に必要な経費一千百四万六千円、合計━━申し上げませんでした所管の分を合わせますと━━九千三百三十七万八千円ということになっております。そのうち、十三ページにその概要を掲げてございますが、第一は、公共用地取得制度調査会に必要な経費でございまして、これは公共事業等の増大に伴う公共用地の取得難に対処するために、臨時に建設大臣の諮問機関として土地收用法の改正等、公共用地の取得に関する重要事項を調査審議するための調査会を設置するに必要な経費でございまして、別途法律によりまして建設省設置法の改正を準備しておるわけでございます。  第二は、都市計画事業の確立推進に必要な経費でございますが、これは大都市の土地の高度利用、それから市街地の容積あるいは形態等を調査いたしまして、いわゆる市街地の高度利用の実現方策として緊急に都市改造を要する地区権利関係等実態調査しようとするものでございます。  それから産業開発青年隊事業に必要な経費は、三十五年度におきましては、特にブラジル移住の推進を図りますために、直轄の一キャンプを改編いたしまして、新たに幹部訓練所を設置いたしまして移住隊員の幹部となるべき者を二十五名まず育成しようという経費が新規に認められております。なお、これに必要な教官等の増員も認められたのでございます。直轄の八キャンプと府県の三十八キャンプにつきましては、若干教育内容の充実を考えております。  それから都市地盤調査に必要な経費といたしまして五百万ありますのは、これは新規でございまして、特に工業用地の需要と、それの立地の方向、臨海土地造成、あるいは大都市周辺の市街地化という傾向が顕著になりましたので、防災の見地から、都市施設計画を合理化して効率的な土地利用を図りますために、伊勢湾、東京湾の名一部につきまして地耐力の調査を行ないまして地盤図を作成しようとするものでございまして、これは科学技術庁の勧告に基づいて三十五年度に新規に計上されたのでございます。  それから水路水質汚濁防止の調査に必要な経費は、三十四年度からの継続でございまして、特に水路水質の汚濁の実態調査いたしまして下水道整備計画の樹立を図るために必要な経費でございます。  建設技術研究助成に必要な経費は、三十四年度からの継続でもありますが、金額がふえておりますが特にこれは、三十五年度におきましては、道路整備の緊急性にかんがみましてこの研究に重点を置くと、こういう方針でございます。  それから国土計画、地方計画の確立推進に必要な経費でございますが、これは三十五年度は、全部直轄ということになったのでございまして、その業務内容のおもなるものは、大規模開発計画調査として、利根川下流の地域の利用計画調査、瀬戸内海沿岸開発計画調査ということでございまして、いずれも利水あるいは用水需要に関する調査、それから瀬戸内海方面では陸上交通並びに観光ルートの調査も、あわせて実施することになっております。それから重要水系の利水実態及び対策調査につきましては、鬼怒川外三河川の取水量あるいはまた水の賦存量その他を農業との関係につきましても調査することになっております。それから交通体系の調査といたしまして、新たに三十五年度から二百七十三万五千円をもちまして、全国を七つのブロックに分けまして、それらの物資流動状況あるいは輸送構造の調査を行なうことでございます。既存資料の収集も行ないますが、このことによって、新たなる交通体系の調査を手始めにやる計画でございます。  次は、財政投融資でございまして、これは計画局関係では、首都高速道路公団と、それから日本住宅公団の宅地造成関係事業、この二つがございます。首都高速道路公団の関係では、出資金が五億円、それからこれは道路整備特別会計から出資されるものでございまして、借入金が八十二億円、それから日本住宅公団の関係では二十五億借り入れる。こういうことになっております。それで、十七ページには、首都高速道路公団の事業の概要を掲げてあるのでございますが、首都高速道路公団は、三十五年度におきましては予算額は百十一億四千万円の予定でございます。三十四年度に比しまして、七十五億九千百余万円の増加となっておりますが、このうち道路整備五カ年計画事業は、三十五年度におきましては九十八億九千万円でございます。三十四年度は二十一億五千三百万ということになっておったのでございます。事業計画の重点といたしましては、高速道路の建設そのものがこの公団の最も重要な使命でございますが、三十五年度は八十二億六千万を予定いたしておりまして、一号線の建設に重点を置きまして、あわせて二号線の建設を考えております。新規には八号線を予定しております。なお次は高速道路の建設に伴う道路、街路の関連事業の高速道路の公団の負担する部分十一億九千三百万と、それから新たに駐車場といたしましては、三十四年度から着工いたします汐留の駐車場の完成と新規江戸橋駐車場の建設に着工するに必要な資金九億円を予定いたしておるのでございます。収支の計画は、そこに表を掲げてありますので、ごらんをお願いいたしたいと思います。  次は、日本住宅公団の宅地造成事業でございまして、これは現在住宅公団の宅地造成といたしましては、住宅地の造成、それから工業用地の造成、埋立地の造成、この三種をやっております。  それで、三十四年度におきましては、三十九億七千二百五十六万八千円という事業費であったのでありますが、約二割増加いたしまして、四十八億四千二百万の事業費をもって、今申しました三種の事業を実施いたしますが、まず宅地造成事業といたしましては、第一期の事業として計画しておりましたものを今年は完了する。それから第二期事業には、さらに二十四億二百万を追加いたしまして実施をいたします。それから第三期分といたしまして、新たに事業費一億二千八百万円をもちまして、住宅地の造成でございますが、内陸も、それから埋立地も含めまして百万坪の宅地造成を着手する、こういう予定でございます。それから工業用地の造成につきましては、首都圏の構想でやっております継続の個所、これのほかに引き続き新規に二個所五十万坪の造成を考えております。それから埋立地の造成につきましては、これは三十二年度から着手いたしました三十万坪を、三十五年度は三億六千七百万円をもって工事を完了する。こういう予定でございます。  以上が、その概要でございまして、そのうしろには、公共事業関係の一般会計、特別会計の予算の細目を掲げてございます。  以上でもって、説明を終らせていただきたいと思います。
  36. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に道路局関係について説明を願います。
  37. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 昭和三十五年度の道路整備予算について御説明申し上げます。  御承知のように道路予算は建設省の予算に計上されますほかに、総理府に北海道関係、それから離島振興関係がございます。それから、また特別失業対策事業は、労働省の予算として計上されておるわけでございますが、これらは一本といたしまして、道路整備特別会計に受け入れまして、一つ全体として、この道路事業の実施をしておる実情でございます。従いまして、これからの説明は、それらを一括して申し上げたいと存じます。  まず、説明の順序といたしましては、三十五年度予算の方針と規模と構成とについて申し上げたいと存じます。  お手元に資料として差し上げてございます道路整備費予算説明資料という謄写版刷りのものがございます、お開きをお願いいたします。  まず予算編成の基本方針でございますが、第一といたしまして、昭和三十五年度は道路整備五カ年計画の第三年度目に当たるわけでございます。従いまして、この五カ年計画全体から考えまして、第三年度事業として、相当するものを計画いたしまして、それに必要な予算を計上いたしておる次第でございます。  第二といたしまして、直轄道路事業の実施の合理化をはかりますために工事及び用地の買収等に対しまして、三十四年度に引き続きまして国庫債務負担行為、三十五年度は三十三億でございますが、この三十三億を計上いたしてございます。  第三といたしまして一級国道直轄維持区間、いわゆる指定区間でございますが、これを三十五年度におきましては約八百キロ追加いたしまして、従来の指定区間と合わせまして、指定区間の延長を約三千キロといたしてあるわけでございます。かようにいたしまして、直轄維持の強化をはかり、もって長距離輸送の円滑化をはかるように努めたいと考えておるわけでございます。  第四といたしましては、これは、必ずしも道路ばかりではございませんが、道路におきましても直轄道路事業地方分担金にかかわる交付公債制度、これを三十五年度から改めまして現金納付制度といたしました。これによって地方公共団体の公債費負担の軽減をはかるとともに、地方財政運営の健全化をはかるようになっておる次第でございます。  かような方針のもとに編成されておるわけでございますが、その道路費予算は、どういうふうになっておるか、二ページをお開きいただきます。三十五年度の道路事業は、ここに書いてございますように八百一億余でございます。前年度と比較いたしまして約六十九億ほど増加になっております。予算の比率で申しますというと一・一ぐらいになっております。  街路事業の方は三十五年度百五十一億余、前年度と比較いたしまして約二十二億の増、比率といたしまして一・一八ぐらいに当たっております。  機械整備費でございますが、これは三十一億余、前年度四十六億八千八百万円に対しまして、三十五年度は十五億ほど減少いたしております。これは五カ年計画を遂行いたしますにあたりまして、あらかじめ準備を要します機械施設に対しましては先行いたしました関係上、三十五年度におきましては減少しております次第でございまして、これにつきましても、予定に従ってこのようにいたしておるわけでございます。  次に、地方財政再建団体補助率差額でございますが、三十五年度二十五億余、前年度に比較いたしまして五億余増になっておりますが、これは年々事業の量が増加いたしております関係上、三十五年度は五億ほどふえておるわけでございます。これらを合計いたしまして千十一億七千万というのが三十五年度の事業でございます。前年度に比較いたしまして八十二億ほど増になっておりまして、比率でいいますと一・〇九に当たるわけでございます。これらの事業は公共事業と臨就事業と特別失業対策事業というふうに分かれるわけでございますが、公共事業といたしましては九百十三億余、臨就事業は八十二億でございます。また特別失対事業は十四億余と相なっております。臨就事業は、前年度よりやや増額いたしておりますが、特失事業は、前年度よりもごくわずかでございますが減少いたしております。おおむね前年度にほぼ等しい程度の臨就及び特失という失業救済事業を三十五年度においても実施いたすことになっておるわけでございます。  これらのほかに日本道路公団に対します出資金がございます。これは三十五年度五十五億ございまして、前年度と比較いたしますというと、三十億ふえることにいたしてございます。また首都高速道路公団に対します出資金五億、これは前年度と比較いたしまして五億減らしてございます。これらのものを合わせまして、合計千七十一億七千万、この額にさらに普通工事費その他の経費として二十九億三千五百万、これを加えまして千百一億五百万というのが道路の特別会計の総体の規模でございます。ただ特別会計にいたしまして正式に計上されております数字は、これといささか違うのでございますが、それは御承知のように道路工事事務費の一部、北海道の事務費に対しましては、これは一般会計の方で実施いたしておりますので、この一千百一億五百四十五万七千円という数字から、北海道工事事務費十一億九千二百四十万円を差し引きました残、すなわち一千八十九億一千三百五万七千円というのが特別会計の数字でございまして、三十五年度道路整備特別会計は、正確に申しますというと、ただいま申しました規模と相なっておるわけでございます。ここで街路事業の中には、特にオリンピック道路事業として推進することになっております環状七号線あるいは二十二号線等を含んでおりますと同時に、区画整理分も含んでおるわけでございます。  次に、この事業に要する経費の財源構成はどういうふうになっておるか、四ページでございます。まず揮発油税収入でございますが、三十五年度におきますこれの見込み量は九百五十一億余でございます。前年度に比較いたしまして百四十五億あまりの増という大幅な増額が期待されておるわけでございます。これに対しまして、さらに過年度におきます揮発油税の決算加算額、三十五年度におきましては十一億一千三百万円、これがございます。前年度におきましてはこの決算加算額が六億一千七百万円の減でございましたが、来年度におきましては十一億一千三百万円の増が見込まれるわけでございます。これを合計いたしまして九百六十三億余というのがこの三十五年度におきます揮発油税による財源でございます。前年度と比較いたしまして百六十三億余の増ということになっておりまして、比率をとりますというと一・二というガソリン税収入に対しまして、非常に大きな飛躍が期待されておるわけでございます。  このほかに、一般財源といたしまして二十五億ございます。前年度は、この一般財源が九十億余でございまして、これを比較いたしますと、六十五億余のかえって減ということになっております。で、これらを加えました国費合計は九百八十八億余、前年度に比べまして九十七億余増ということになっております。この九百八十八億というこの資金を一般会計から道路特別会計へ受け入れまして、さらに特別会計といたしまして、直轄事業に対する地方分担金八十三億六千三百万円ございますが、これを加えまして合計千七十一億七千万円、こういうことに相なるわけでございます。そのほか付帯工事その他の経費がございまして、二十九億三千五百万円、合計いたしまして一千百一億五百万円ということに相なるわけでございます。  次は、日本道路公団の予算について御説明を申し上げます。  三十五年度におきます日本道路公団の予算は、五ページの表の通り、収入、支出ともに三百二十二億でございます。前年度に比較いたしまして約六十一億余り増に相なっております。この収入の方は、政府出資金が先ほども申しましたが五十五億、借入金といたしまして二百四十九億でございます。  この借入金の内訳は、運用部資金と道路債券と、それから国際復興開発銀行借入金ということに相なっておりますが、運用部資金を利用いたします額が六十六億、道路債券を発行いたします額が百五億、国際復興開発銀行、すなわち世銀でございますが、世銀から借り入れる分が七十八億、こういう予定にいたしております。ここで国際復興開発銀行借り入れ分といたしまして三十四年度に八十九億を見込んであるわけでございますが、三十四年度におきましては、世銀からの借り入れについて、いろいろ交渉はいたしましたが、ただいまの見込みでは、借り入れができるところまではいかない見込みでございます。従いまして三十四年度の八十九億は、これはワクとしてはいただいておりましたが、このまま次へ繰り越しまして、後年度に繰り越すということに相なるわけでございます。従いまして三十五年度におきましては、新しい立場から工事の工程を考えまして、各種借入金等を見合いまして世銀借入金は七十八億ということにいたしてある次第でございます。  このほかに営業路線に対する業務収入等が十八億ございまして、そうして合計が三百二十二億、こういうふうに相なる次第でございます。  次に支出でございますが、支出といたしまして、まず建設費二百五十四億余、前年度に比較いたしまして約四十九億余増でございます。この建設費のうち最も大きいものは、申すまでもございませんが、名神高速道路分として三十五年度におきましては百七十一億余を見込んでおります。それから一般有料道路分といたしまして八十億余を見込んでおります。それから駐車場として三億、管理費その他の分といたしまして六十七億余を見込んであるわけでございます。  事業計画について御説明いたしますと、まず名神高速道路でございますが、これは従来用地の取得等に非常に難航いたしておったわけでございますが、おかげをもちまして、三十四年度現在におきましては、相当進捗いたしました。従いまして三十五年度におきましては建設工事を大幅に進める予定でおります。名神高速道路の全体のうちで最も緊急を要するものと考えております部分は、栗東—尼ヶ崎間、約七十二キロでございますが、この分につきましては用地等の問題も、ほとんど九〇%近く進捗いたしておりますので、特に建設工事の促進をはかるつもりでおるわけでございます。その他の部分につきましても三十五年度におきましては全線にわたって、用地買収を進めたい、こういうふうに考えております。  また、一般有料道路でございますが、これにつきましては、従来工事を実施いたしております継続個所が十九個所でございますが、このうち京葉道路、東京—千葉でございますが、この京葉道路、また北九州道路、島原道路、高野山道路、伊勢神トンネル、それから伊東遠笠山道路、松山小松道路という七本を三十五年度においては完成させたいと考えております。その他の個所につきましても大いに工事の促進をはかって参るつもりでございます。また三十五年度におきましても新規事業を選びまして、若干右手する計画を持っております。  なおまた、以上道路事業のほかに、自動車駐車場でございますが、ただいま実施いたしております東京の日比谷の駐屯場でございますが、これが完成いたしますので、三十五年度におきましては、大阪市内に自動車駐車揚を一カ所建設にかかる予定でございます。  次は、首都高速道路公団の予算でございますが、この収入支出は百十一億四千万円でございます。これに対しまして政府出資金は、先ほども申しましたように五億でございます。なお、この収支計画並びに事業計画につきましては、計画局長から御説明があったかと存じますので、省略させていただきます。  以上が、三十五年度事業におきます方針、規模というようなものでございますが、このような事業を実施いたしますというと、道路整備五カ年計画は、どういうふうになるかという点でございます。十ページをお開き願います。この一番左側の方に一般道路事業の小計として六千百億円、有料道路事業の小計二千億円、合計いたしまして八千百億円と書いてございます。これが道路整備五カ年計画の数字でございます。これに地方の単独事業が一千九百億円このほかにございまして、合わせまして一兆円と申しますのは、そういう意味でございます。  この五カ年計画に対しまして、三十三年度、三十四年度の事業費、進捗率は、ここに書いてございますが、これは省略さしていただきまして、昭和三十五年度におきましては、予算は先ほど申しましたような数字でございますが、事業費にいたしますというと、一般道路事業の道路が九百六十一億、街路が二百四十三億、機械が三十一億、合わせまして千二百三十七億余ということに三十五年度は相なります。一方有料道路の方の事業は二百七十六億、首都高速公団の方が九十八億、合わせまして三百七十四億余、これらを合計いたしまして千六百十一億余の事業を三十五年度におきましては実施するということに相なるわけでございます。  こういうふうな事業を実施いたしますと、三十五年度の末においては、五カ年計画全体に対する進捗率は十一ページに書いてございますように、五カ年計画全体八千百億円に対しましては四八・三という進捗率になります。一般道路事業では五二・六%、道路でいいますと五二・四、街路が五二二、機械が六一・七、機械は先ほども申しましたように、事業として先行させてございますから、六一・七という数字でございます。それからまた有料道路の方の日本道路公団の方は四一・三、この進捗は非常におそいような感じでございますが、そしてまた事実この一番大きな事業である名神高速道路が、用地の関係で非常におくれていたのでございますが、先ほども申しましたように、その方も、非常に進捗いたしまして、今年度は、相当進捗する、さらに引き続き三十六年におきまして、大幅に進捗し得る見込みでございますので、ただいまのところは進行程度、これで差しつかえないものと考えております。首都高速公団の方は、昨年からの発足でございますので、今後の進捗を期待しているわけでございます。こういうふうにいたしまして道路整備五カ年計画全体としては四八・三という進捗に相なるわけでございます。  次に、道路予算の項目につきまして主要な点を御説明申し上げます。これは前に差し上げてございますかと存じますが、建設省関係予算内訳表を一つごらんいただきたいと思います。これの道路は二十六ページでございます。これは非常に複雑でございますから、この中で要点を御説明申し上げることにいたします。  まず、道路事業全体といたしましては、三十五年度五百六十六億余、前年度に対しまして約四十三億増ということに相なっております。ただし、この道路事業と申しますのは、先ほども申しましたように、北海道とかそれから離島関係、それから失業救済関係は別途に計上されておりますので、それらを除きました道路関係でございます。前年度に比較いたしまして一・〇八ぐらいの割合になっております。この表でこの数字の上にカッコをしてございますのは、工事事務費を含めました数字でございまして、このカッコのないのは、工事事務費をこれから除きまして、最後に工事事務費という項目を作って、そこで一括して計上してあるために、この数字の違いが出ているわけでございます。この道路事業のうち一級国道改修費でございますが、これは三百十三億余ということにいたしてございます。前年度に比べまして約三十三億の増、申すまでもございませんが、一級国道におきましては、七カ年で行なうということを目途といたしまして、五カ年計画で最重点をおいております関係上、来年度におきましても相当大幅に進捗させる予定にいたしております。次は2の国道改修費補助でございますが、これは八十七億余ということになっておりまして、前年度と比較いたしまして約十億ほどの減に相なっております。このうちその下に書いてございます一級国道で申しますと、三十五年度八億余でございまして、前年度に比較いたしまして八億六千万という大きな減でございます。しかしながら、これは御承知のように、一級国道につきましては年々逐次指定区間を広げまして、指定区間の中へ含めるようにいたしております。また従来補助事業で実施しておりましたのを、建前といたしまして直轄事業に振りかえるということをいたしておりますので、形式的には減少になっておりますが、実質的にはかなりかえって増額になっておるはずでございます。  次は二十七ページ、二級国道でございますが、上の方に寿いでございますが、七十九億余に対しまして、前年度は八十一億余、これは二億余の減ということに相なっております。二級国道が減ということに相なっておりますが、これは従来二級国道の実施に対しましてはかなり先行させました関係上、来年度におきましてはこういうことに相なりますが、これにいたしましても、このほか臨就事業とか北海道等を加えました二級国道全体といたしましては減ということはないように相なっております。それからそのページの下の方の地方道改修費補助でございますが、三十五年度百二十九億余でございます。前年度に対しまして約十四億ほど増額に相なっております。比率は一・一三くらいに相なるかと存じます。  それから飛ばしまして、二十九ページに雪寒地域道路事業費というのがございます。これも前年度に比較いたしまして、この事業としては相当増額させてございます。この二十九ページの数字は、これは直轄でございます。次に、三十ページに参りまして、三十ページに雪寒地域道路事業費補助がございますが、これもできるだけ増額いたすようにいたします。  次は七番目の道路事業調査費でございますが、三十五年度におきましては四億二千四百万円を見込みました。この調査費のおもなものについて若干御説明を申し上げますというと、二番目の国土開発縦貫自動車道中央自動車道の調査費でございます。これは御承知の縦貫自動車道法によります大事な路線の調査でございますが、三十四年度におきまして七千三十万円の調査費をつけて調査を実施いたした次第でございますが、来年度におきましても若干調査の残っております部分を完成させますために三千万円を見込んでおる次第でございます。それから次の東海道交通処理対策等調査費でございますが、これは三十四年度に三千八百万円の調査費をつけましたが、本年度四千三百万円を見込みまして、本年度をもちましてこの東海道交通処理対策の調査を終えるつもりでございます。  それから次は、その下の本州四国連絡架橋調査でございます。これは瀬戸内海に橋をかける調査でございますが、この架橋地点にいろいろ予定地の候補がございまして、なかなかむずかしい問題もございます。また、事業として、申すまでもなく、非常に大規模な事業でございますので、経済調査、技術調査等を十分実施いたしたいと考えておるわけでございまして、三十四年度において手初めに着手したのでございますが、三十五年度におきましては、本格的に調査を実施いたしたいと考えておるわけでございます。  それからその次、三十一ページに参りまして、北海道道路事業費でございますが、これは総理府に計上されるものでございますが、三十五年度百四十一億余でございます。前年度対比いたしまして十一億余の増ということに相なっております。詳細は省略いたします。それから三十七ページに参りまして、離島振興関係の道路でございます。主十五年度五億六千八百万円、前千度に対比いたしまして一億九千二百万円の増ということに相なっております。これも総理府に計上される予算でございます。  次に、三十九ページへ参りまして、臨時就労対策事業でございます。三十五年度八十一億余に対しまして、前年度は七十五億余、前年度に対しまして五億余の増ということに相なっております。これは建設省でございます。次は四十四ページへ参りまして、特別失業対策事業、三十五年度十四億余でございます。前年度に比べまして三千八百万円ほど減少いたしております。先ほど御説明した次第でございます。次は、四十五ページに参りまして、ここに日本道路公団出資金、首都高速道路公団出資金というのがございます。その次に道路事業工事事務費、三十五年度は三十三億余でございます。  さらに四十六ページに参りまして、事務費、付帯工事費、それから受託工事費、他会計への繰り入れ、予備費等を見込みまして、歳出合計は千八十九億一千三百五万七千円、これが特別会計の数字でございます。このほかに北海道開発事業工事事務費十一億余がございまして、それを合わせますと千百一億五百四十五万七千円、こういう数字、実際は千百一億でございますが、特別会計の正式な数字は千八十九億というのが来年度予算の特別会計上の数字、こういうことに相なるわけでございます。  以上で、非常にはしょりまして、概略でございますが、御説明を終わることにいたします。
  38. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 本日はこの程度で散会いたしたいと思います。    午後零時二十九分散会