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政府委員(
牛場信彦君) 岸総理とマクミランとの
お話は、そういう具体的なところまではどうもなかったように私伺っております。ただしかし、
アフリカなどや一般低開発国、ことに
アフリカなんかにつきましても、
日本も
一つ協力してもらいたいというような話は
向こうからもしていたようでありまして、ただ日英協力してやろうというようなところまで
向こうも言ったのではないと思っております。しかし、
イギリスもかつては非常に
アフリカにつきまして閉鎖的な態度をとっておったことがありますですけれ
ども、最近はとにかく現地の要望も非常に強うございますし、また各国が
独立して参るような機運になって参りましたし、また一方
イギリスの
資金にも限りがあるということで、現在では非常に開放的な態度をとっておりまして、来たるものは拒まずで、どこでもどんどん
一つ金を出して開発やってくれるならばけっこうだという態度はとっておるわけでございますから、これは
日本としましても、当然今後
努力していく価値はあると思っております。
それから具体的なプロジェクトということになりますと、これは、たとえばガーナにいたしましても、あるいはナイゼリアにいたしましても、これはいずれも五年
計画というようなものを持っておりまして、どういう産業を起こしたいということは、ちゃんとこれは資料ができております。これは
外務省にも来ておりますので、これはいつでもお目にかけることができると思います。それからベルギー・コンゴな
ども、これは十年
計画というのをやっておりまして、相当膨大な資料が来ております。それから、
イギリス領の東
アフリカあたりは、そういう
計画的なことはあまりございませんですけれ
ども、しかし、長期
計画というのはございませんですけれ
ども、しかし、具体的にどういう産業を起こしたいという希望はずいぶんあるようであります。それから、水力電気開発につきましては、これは御
承知のように、
ローデシアで例のカリバのダムはことしから発電を開始いたしまして、あそこには
世界で一番大きな人工の湖ができるという非常に大きな
計画であります。それからベルギー・コンゴのコンゴ河の下流でインガという発電
計画がありまして、これは全部開発すれば
日本全体の電力ぐらい、つまり二千万キロ・ワットぐらい出るというような、非常に膨大な
計画、その一部を大体ことし中ぐらいにおそらく
国際入札に付すのじゃないかという予定のようであります。ガーナには御
承知の
通りヴォルタの開発
計画がございまして、これはこの電力
会社ができますと、おそらくガーナはアメリカ、カナダに次いで
世界三番目のアルミの生産国になるであろう。これはいずれも非常に金のかかることでありますので、いつ、それじゃ実際に
仕事が始まるかということになりますといろいろ問題があるようでありますけれ
ども、いずれも国の面目にかけてもやりたいという希望であるようであります。私
どもも、むしろこの業界の方に対しまして、そういうことだからぜひ
一つアフリカに、もっと
関心を持って見にいかれたらどうか。ヵリバ・ダムなんていうのは一番いい例だから、あれはイタリアの
会社がコントラクタ治になりまして、まあ
イギリスの非常に力の強いところでありますけれ
ども、そこでイタリアが
国際入札に勝ちまして取りました。非常にそのとき
イギリスでは問題になりまして、どうしてイタリア人に取らしたのだと、いって問題にしておったようでありまして、結局やった
仕事は非常にりっぱなものをやりました。しかも、土人の労働者を使って、その労働者に半ば教育をやりながら
仕事をやつでおった、といって、予定よりもむしろ早くあれは完成したと、非常にまあ
日本が将来また
アフリカで
仕事をするとすればモデルとしていいようなケースだろうと思いまして、ぜひ
一つ日本の方からも業界から視察団を出していただきたいということを私
どもの方から強く申し上げているような
状況でございます。
それから具体的には、最近、ガーナに
一つミッションを出しましたことは御
承知の
通りでありまして、ガーナからは去年ガットの総会のときに大臣が来られまして、非常に
日本に感心して、経済協力協定を作りたいということで先ほ
どもお話がありましたが、
日本に毎年二百五十人ぐらい
留学生、研修生を送りたいというような非常な大きな話を持ってこられたわけであります。その話は今まだ続いておりまして、われわれはぜひ何とか協定まで持っていきたいと思っておりますが、その先駆として、先般、これは業界の方にお願いいたしまして、それに一部通産省の人なんかも加わってミッションを出して、現在
向こうに行っております。これが帰ってこられますればまたいろいろ具体的な事情もわかって参ると存じます。その節にはこれは全部業界の人に、はっきりお示しいたしまして、ぜひ
一つアフリカに対する
関心を具体的に
一つ盛り上げていただきたいと考えております。