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1960-04-15 第34回国会 参議院 運輸委員会交通の秩序と安全に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月十五日(金曜日)    午後二時二十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     天埜 良吉君    委員            谷口 慶吉君            相澤 重明君            大倉 精一君   担当委員外委員            村上 春藏君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   参考人    第一石産運輸株    式会社機材部次    長兼車両課長  宮原 末喜君    相模興業株式会    社専務取締役  加藤 一郎君    東武興業株式会    社社長     大村正五郎君    東京砂利協同組    合理事長    加藤 政由君    神奈川砂利協同    組合理事長   菅沼 繁蔵君    小田急運送株式    会社社長    沼田 利一君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査砂利運送  の実状に関する件)   —————————————
  2. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) これより交通秩序と安全に関する小委員会を開会いたします。  本日は、交通秩序と安全に関する件、特に砂利運送実情について六人の参考人方々から御意見を聴取いたしたいと存じます。参考人方々には御多忙のところ、本委員会のためにわざわざ御出席下さいましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。御承知のように、当委員会交通秩序と安全に関する調査をいたして参ったのでありますが、本日は皆さん方に御出席を願い、砂利運送実情について忌憚のない御意見をお聞かせを願いたいと存じます。参考人の御発言は一人大体十分間くらいでお述べを願いまして、全参考人発言が終わった後に委員方々から御質疑をお願いいたします。  それではまず、第一石産運輸株式会社機材部次長車両課長宮原末喜君にお願いをいたします。
  3. 宮原末喜

    参考人宮原末喜君) お許しを得まして発言させていただきます。  第一石産運輸株式会社千代田飯田町一丁目四番地にございまして、代表取締役越智善三郎と申します。資本金は二千万円でございまして、営業の種別は一般区域貨物自動車運送事業、そのほかに砂利、砂、砕石等生産販売土木建築用工事請負をいたしております。一般区域貨物自動車運送区域は、免許は東京全般埼玉県の中の大里郡と秩父郡の二郡を中心としました区域でございます。営業所は、本社営業所千代田飯田町にございまして、そのほか福生営業所は西多摩郡の福生町本町、拝島営業所は昭島市拝島花園営業所埼玉大里花園大字荒川でございます。従業員といたしまして、役員八名のほか事務員五十六名、運転者八十七名、助手十名、人夫二十二名、自動車の修理工が八名、重機械類操縦者が十四名、機械工が四名でございます。現在保有しております営業車は、普通車が七十二台、小型車が二台でございます。その車名の銘柄を大別いたしますと、いすずトラックが五十二台、トヨタトラックが四台、ふそうのトラックが十六台、そのほかに小型トヨペット三台でございます。車両積載量の別に申し上げますと、七トン車が十六両、六トン車が五十一両、五トン半積みが一両、五トン積み二両、四トン積み二両、一トン半積みが二両、一トン積みが一両、こういうふうな区別になっております。  平常の輸送については、一応は東京都内区域埼玉県内、この両県を一応主要輸送区域といたしまして、輸送方法といたしましては、積み込みますのは、砂利のホッパーによる積み込み、機械積み、その積み込みましたのをトラックにおいて輸送するという方法をとつております。年間輸送トン数は一応昨年度で九十四万八千三百六十五トン、これを一ヵ月に平均いたしますと七万九千三十トンで、これが一ヵ月一台の平均輸送トン数は千百二十七トンでございまして、これらの一日の一車の平均輸送トン数は三十七トン半でございます。走行キロは、年間三百八十一万六百三十六キロでございまして、これを一ヵ月の平均にいたしますと、全車両で三十一万七千五百五十三キロ、一ヵ月の一台の平均走行キロは四千五百三十キロ、一日に一台の走行キロが百五十一キロでございます。  以上が一応の輸送の概況でございますが、この輸送に従事しておりますところのおもな運転者給与を申し上げますと、一応月給制をとりまして、そのほかに時間外と、それから公休出勤の手当もこれは労働基準法規定通り方法で支給しております。この平均給与は、運転者に対しては、本年の三月分で一人当たり二万三千五百九十円が平均でございます。稼働の時間は一応八時間ないし十時間を一応の限度といたしております。この稼働いたしました月間平均収入を申し上げますと、一車当たり月間収入は二十四万五千三百九十四円でございまして、これに要するところ平均の支出が二十二万四千六百十二円でございます。  かようにいたしまして、それでは事故はどういうことになっておりますかと申しますと、昨年度一ヵ年間人身事故、これは死亡一件、負傷三件、それから物件の事故がこれは小さな、自転車を損傷したとかあるいは自損行為その他を含めまして全部で十七件、合計で二十一件の事件をやっております。この事故にかんがみまして、この事故防止に対するところの私ども希望を申し上げますと、まず一番にトラックスピード違反徹底的な取り締まりをお願いしたいということと、次には道路状態の改善をお願いする。それから三番目には自家用トラックによるところ有償運送行為徹底的にお取り締まりを願いたい。この三項目をお願いいたしたいと思っておるわけであります。  先ほど申し上げました、私どもの方の事故防止に対するところの方策はどういうふうな具体策を講じておるかと申しますと、まず一年ごと車両のほとんど大部分の更新を行ないまして、車両整備不完全から生ずるところ事故防止するということにしております。二番目には、月に一回の整備日を定めまして、そうして整備点検を完全に行ないます。この場合各自動車会社からサービス係が各営業所に所定の日に出張いたしまして、そうして総員で整備点検をすることになっております。この日数は四営業所で八回行なうことになっております。次に講習会を開催いたしまして、運転者に対して所管の警察署から交通事故防止についての講習会を年六回ずつ開いております。その次には、車両取り扱いについては、自動車販売会社からサービス技師の方が臨席されまして、自動車取り扱いについての講習会を開催し、三番目にはタイヤ取り扱いについて特にタイヤ販売会社技師を招聘いたしまして講習会をやっております。これら警察あるいは車両会社タイヤ会社講習が終わりましたら、この講師に対して試験の問題を作成願いまして、そうして受講した運転者を集めまして一応試験をやるというような方法をもってその講習徹底の度合を見ております。  それからこの事故防止につきまして奨励金の制度を確立いたしまして、これが実施をしております。その方法は一年を三ヵ月ごとに四期に分けまして、そうしてこの運転無事故者に対しては最高月額二万円までを支給することにしております。その方法といたしまして、四月から起算いたしまして最初の三ヵ月は二千円、その運転者が次の三ヵ月、つまり七月から九月までの三ヵ月間無事故であった場合にはこれは四千円、次にさらに次の三ヵ月無事故であった場合には六千円、最後に一月から三月まで三ヵ月、つまり一ヵ年間を通して無事故であればこれは二万円、こういう奨励金を支給することによって事故防止をはかっておる次第でございます。次に直接事故防止委員会を設けまして、そうして発生しました事故については三ヵ月ごとにこれの事故の実際について討議いたしまして、そうして運転者の責任を明らかにすると同時に、その事故の内容を社内に公表いたしまして、そうして事故についての反省の資料とすることにいたしております。  以上でございます。
  4. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 次は相模興業株式会社専務取締役加藤一郎君にお願いいたします。
  5. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) 相模興業株式会社は、本社所在地神奈川県高座郡寒川町倉見三千六百七十五番地であります。代表取締役野崎清治資本金は受権資本一千六百万。トラック所有台数は八十一台であります。その内訳は四トン車が三台、五トン車が二十一台、五トン半が一台、六トンが五十三台、七トンが三台、計八十一台になっております。営業所所在地といたしましては、神奈川厚木東京千代田区の飯田町二丁目に東京営業所横浜の天神町に横浜営業所、それから栃木に一ヵ所ございます。役員といたしましては、九名ございまして、職員は七十五名、労務者が二百三名、うち運転手が七十九名であります。合計二百八十七名。営業種目は、砂利、砂、砕石、玉石それから機械修繕、これをおもな営業種目としております。トラック運搬区域厚木から横浜—川崎間が大体八〇%、それから厚木—東京間が二〇%。運搬方法といたしましては、自家用運搬のほかに、品物を買わせまして持ち込ませる請負制をやって両方併用しております。一日の平均稼動台数厚木—東京間が七十五台。一回の必要時間は厚木—横浜を往復して二時間半から三時間、厚木—川崎間の場合は三時間から三時間半ついやしております。厚木—東京間は四時間から四時間半。主たる営業区域は、神奈川全般東京都それから栃木県に及んでおります。一日の輸送トン数は二十五年三月の平均は八百七十四トンです。四月の最近までの平均ですと、ちょっと落ちておりまして五百六十二ドンであります。それから昨年度におけるところ事故発生は約四十件でございます。事故発生を防ぐために、自家用修繕点検を厳重にさせまして防止に努めておりますが、現在うちの営業といたしましては、貨車輸送を元来は主眼に置いたのでございますが、最近国鉄貨車の不足とか輸送車関係で、申請してもこれが入ってこないということから、最近においては非常にトラック輸送が多くなっておるような現状でありまして、らちといたしましてはなるべく国鉄貨車を多くしてもらって、そしてトラックによる事故防止したいということに考えております。もう一つは、非常に道路の幅員と申しますか、幅が非常に狭いということから、非常に狭い道路におけるところ事故が、非常に当社としては目立っております。  以上でございます。
  6. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 次は東武興業株式会社社長木村正五郎君にお願いいたします。
  7. 大村正五郎

    参考人大村正五郎君) 木村でございます。社名東武興業株式会社でございます。所在地新宿区信濃町三十一番地、払込資本金五百三十万、代表者木村正五郎、私でございます。  事業の種類といたしましては、利根川におきまして砂利並びに砂の採取をいたしまして、その販売をいたしております。車両台数はいすずの五トン二台、トヨタの五トン四台、六トン半二台、日産五トンが二台、小型一台。従業員数は六十名でございまして、そのうち運転手は十三名おります。そのほかは一般労務者助手でございます。輸送区間といたしましては、十台のトラックのうち都内の小運搬に四台充当しております。それから次は利根川採取場から都内現場まで、いわゆる直送をやっておりますのですが、これは六トン半を二台充当しております。次は私の会社におきましても、大部分のものを貨車輸送によっておりまして、採取現場から専用側線のホームの間、トラックの小運搬をやっております。これに四台充てさせておるわけであります。輸送品目は、もちろん砂利及び砂でございます。それから工場所在地埼玉県妻沼町小島でございます。それからもう一つは、埼玉県羽生市川俣。次は年間輸送量でございますが、大体都内の小運搬年間三千トン、それから工場直送年間六千トン、貨車積み込み年間総量は七万二千トン。  次は事故回数でございますが、現在十一台ございますが、三十四年度におきまして対物の事故が十回でございます。人身事故はございません。  次に今後の防止方法でございますが、私ども業者といたしまして一番お願いいたしたいことは、まず第一に道路整備でございます。私どもの所では、中仙道を経由して、工場直送をやっておりますのですが、道路状態が悪い個所が相当ございますので、時間を食うことと、それからよそさまの状態を見ておりまして、非常に大きな事故がございまして、現在はなるたけ私の所では工場直送をやらない方針でやっております。それで道路状態を見ますと、非常に道路状態がよろしい所は、スムースに車が動いているようなんでございますが、途中道路工事をやっているとか、非常に状態の悪い所においては制限速度どころではございません。おそらく八キロか十キロぐらいのスピードで走っている、そのために道路がよくなった所で、その時間を取り戻すために、制限速度四十五キロの所を六十キロも出して走っているというような状況でございます。私ども会社におきましても、事故防止のために制限速度を絶対超過してはいかんという指示を、再三再四与えております。現にこれの違反事例も非常に少のうございます。  それから積載量制限の問題でございますが、これも雨の降り初めですとか、やんだ直後のような状況におきましては、過重積載によりましてブレーキがきかないためにとんでもない方向に車が曲がつてしまいましたり、衝突事故が起こるというような事例が非常に多うございますので、私の会社もこの制限積載量の厳守については非常にやかましく、工場それから車両とも留意してやっております。  次はこの自動車事故の大なる原因は労務管理問題がございますのですが、たとえば昼夜兼行で、運転手一交代で二十四時間突っ走らせるとか、または一回幾らというようなノルマの賃金体系にいたしまして、いや応なしにたとえば私の工場まで片道は八十五キロでございますが、これは往復にしますと百七十キロでございますが、これを二回やらなければ一日の生計が保てないような給与体系にしておいて、無理やりに二回運転させるというような例が私ども業界では非常に多いのでございます。  次は車両整備の問題でございますが、これもたとえば急ブレーキをかけて、ブレーキが片ぎきのために左にそれるとか右にそれるとか、事故原因も、不完全な車両整備のために大きな事故が起こるというようなことが非常に多ございますので、このために私の会社におきましては月二回休みまして、その間休みの前日に車両工場に入れて車両点検をさせるというふうにいたしております。いろいろ社内的の事故防止のこともございますが、実際の業界の実相を見ますとなかなか制限速度も守れない、積載制限も守っていたのではトラック月賦も落とせないというような経済的の実情にございまして、やむを得ずスピードも出し、積載量過重積載をやっておるということなんでございます。これがためにたとえば現在私ども業界関係しております砂利採取法というのがございますが、これですとか、先般できました団体法に基づきまして、私ども業界でも工業組合の設立ができましておりますが、実態は何らこの業界自主統制の役に立っていないというのが実情であります。  以上であります。
  8. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 次は東京砂利協同組合理事長加藤政由君にお願いいたします。
  9. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 全般的なことから組合といたしまして申し上げますと、関東で大体業者の数はどれくらいあるか、こら申しますと約千二百軒、所要のトラックがどれくらいあるかと申しますと、これが全体で約三千五百台。それから東京組合東京の中で東京だけの業者が約八百五十軒、トラック台数が二千五百台、この八百軒余のうちで東京組合自粛運動に入っておる業者の数がこれは四百八十軒で、トラック台数が千六百台でございます。  これは以前に非常に神風トラック砂利トラックというようなことで騒がれましたのが、一昨年、三十三年の三月ごろでございます。それで私ども組合といたしましては耐え切れなくなったので、五月から輸送部会というものを設置いたしまして自粛運動に入ったんでございます。それから昨年の三月に、なお事故件数が減らないというようなことから、昨年の三月にトラックの過積みの問題に対しては白線を引きまして、そうしてこれより以上積んではいかぬというようなことで、白線を引いた運動を開始したのでございます。それがようやく実を結びまして、最近ではトラックに倍積みするような積載量オーバーというようなものは、非常に自粛されたというようなことを、これは取り締まり当局も認めたことでございます。  それでしからばどうしてそのようないろいろな事故が起こるか、こう申しますと、トラックを持っておる台数、いわゆるこの八百五十軒の砂利業者の中で、それではどういうトラック分布状態になっておるか、こら申しますと、千六百台の中で、大体一台しか持っておらぬ業者、これが百三名、それから二台の業者が二百二十二名、そのほか一番多いのは六十台—七十九台、こういうふうなことで、大部分業者は一台、二台、三台というふうな業者が非常に多いんでございます。そこでこれらのほかを推定いたしましても、わが輸送部会に入っておる組合員、約半数でございますが、その中においても一台、二台の業者半数近くある。ましてこの自粛運動に入っておらぬ組合員というものはやっぱり一台、二台の業者だ、こういうことからいろいろな面の徹底が期せられないというのが一つは大きな原因でもあると考えられるのであります。  その次に、最もこうしたことを大きく支配する問題というのは経済事情でありまして、いわゆる砂利トラックの一台で砂利を積んできてそうして幾ら賃金が上がるか、こういうようなことが一番問題でありまして、少なくとも六トン車を運転して砂利運搬するということに対しては、一日一万円の運賃をかせがなければならないというのが実情でありまして、その一万円の運賃をかせぐにはどれくらい走らなければならないか、こういう計算になるのでございます。そこでいわゆる過積みをしたりスピードを出して走行キロを延ばしたりするというのが一番大きな原因になるんじゃないかと、こういうふうに組合側としては見ておるのでございます。そこでいろいろ警視庁とも相談いたしまして、そうして、一挙に規定通りのことを強制されることは、なかなか望めないことだ、どうか一つ経済状態が立ち直るまで、幾分でも過積みを許してもらいたい、しかしスピードの問題は、これは厳重に取り締まってもらいたい、こういうことを種々警視庁と連絡をとりまして、そうして実をあげてきたのでございますが、なおそれでも事故件数は減つておらぬ。これは警視庁の調べでございますが、砂利の二月中の事故件数は二百五十五件、そのうち死亡者が六名、負傷者が二十七名、こういうような数字が出ておるのでございまして、これはまことに私どもといたしましては寒心にたえないのでございますが、何とか業界といたしましては、法律に違反せずに、また正当の運賃をもらって、そうして食つていけるようにというのが私ども希望でございますが、なかなかその通りにいかないというのは、いわゆる先ほども申し上げましたように零細業者が非常に多いということと、また一面にはそうした者の団結がはかれないことと、それから次には過当競争、そういうようなことが重なって、そうして積載違反をやったり、スピード違反をやったりして事故が起きているんだ、こういうふうに私ども見ておるのでございます。  そこで何としても経済状態を回復しなければならない、たとえばはなはだこれは申し上げにくいことでございますが、砂利業者は一台、二台のトラックを持っている人々は、採算ということに対しては大体一日の水揚げを一万円にしろ、こういうことが主でありまして、それに対するガソリンの消費量とかタイヤ消費量とか、そういうものを計算に入れずに、いわゆる月賦を払うためには、どうしても一万円の収入をあげなければならないんだ、それには三百キロも走ってそらしてやれ、こういうような実情にあるのでございまして、これらからも事故件数はなかなか減らないんじゃないか、こういうふうに見ておるのでございます。そこでわれわれといたしましては、どうしてもこの経済状態を何とかして、そうして採算のとれる価格にもっていかなければならない、こういう見解をもっておるのでございます。  以上後ほどの質問に答えることにいたしまして、大体の意見といたしましては、私どもの考え方としては、事故を絶滅するにはスピード違反を厳重に取り締まってもらうこと、それから道路をもう少しよくしてもらうこと、それからわれわれ業界といたしましては、至急に経済状態の回復をはかること、この三点に尽きるんじゃないかというふうに考えております。以上御質問にお答えいたしたいと思います。
  10. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 次は神奈川砂利協同組合理事長菅沼繁蔵君にお願いいたします。
  11. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) 私は神奈川砂利協同組合理事長でございますが、組合業務としましてのこの砂利トラック関係は、ただいま東京加藤理事長からいろいろお話がありました。東京神奈川は特に隣接しておりますからすべての事情が一致しております。まあ砂利トラックに対しますいろいろの御希望は、今加藤理事長からいろいろ申し述べましたことと全く同一でございます。  私の立場としまして神奈川県内事情を御説明いたしますと、神奈川県も、神奈川警察といたしまして一昨年あたりから、この砂利トラック事故という問題につきまして、非常にいろいろと御注意を受けまして、またわれわれ業界にもいろいろと自粛の問題につきまして呼びかけを受けまして、足かけもう三年になりますが、いろいろ警察とは御懇談しまして、業者自粛また事故防止という問題を検討しておりますが、まだ満足な成果までいきませんで非常に残念に思った次第であります。組合といたしましては、一昨年いわゆる輸送部会というものをわれわれ業者だけ集まりまして結成いたしまして、現在では大体輸送部会会員数が二百五十名、車両台数が約千台となっておりますが、神奈川全般砂利業者にしますと約三百五十名、砂利トラック台数は千五百台というふうに推定しております。そうしますと輸送部会に入っておりますのが大体三分の二くらいで、三分の一のアウトサイダーがあるというような現状でございます。問題はただいまもお話がありました通り砂利業界の過去における過当競争から始まっておりますいわゆる荷重スピードオーバーというような問題が、事故根本原因でございますが、それにつきましても先ほどお話いたしました通り関東工業組合というような一つ団体を作り適当な価格に戻そう、さすればまた運賃も適正なる運賃がいただけるのだというふうに努力して参りましたが、現在でもまだそれは実つておりませんで、大体砂利業界実態お話ししますと、トラックの公定の現行運賃は三分の一相当額じゃないか。これはまた後ほどお話いたしますが、そういうような状態でありまして、まず砂利業者としてもいわゆる収益の問題に追われる。いたし方なく荷重オーバー、またスピードも出して回数をよけいにするというような問題が根本原因でありまして、この点大いに今後とも研究いたしたいと思います。  それからまたただわれわれ考えておりますと、まあ神奈川県自体のことを考えましても、新聞報道その他に砂利トラック事故ということが日々非常に出ておりまして、はなはだ残念に思うのでございますが、これはまた一面考えますと、砂利トラックというものの台数が非常に多い。一面先ほどお話ししました千五百台の車が、一日二回ずつやりましても、三千台の車が県内を走っているというような問題になりまして、そういうようなところで、砂利トラック事故というのは非常に目立つのではないかというふうにも思われております。まあ今後とも、組合員に対しましても、常日ごろいわゆるポスターを配り、またいろいろのものを、自粛文を配付いたしまして、自粛を極度に要請しております。  それからまた御承知の通り神奈川県は生産地でございますから、生産業者にも呼びかけまして、トラック積載量のある程度以上は販売しないように、生産者が販売すればまたトラック業者はよけい積むというような問題がありますので、この問題を極力生産者に懇請いたし、できるだけ定量に売るというふうにも運動しております。  大体神奈川県の実情は以上の通りでございますが、また後ほど御質問にお答えいたします。
  12. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 次は小田急運送株式会社社長沼田利一君にお願いいたします。
  13. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 小田急運送株式会社、本社を東京都世田谷区上馬町一丁目六百九番地に置きまして、代表取締役は私、沼田利一でございます。資本金は百十万円、車両の保有台数は六十台でございます。東京都及び神奈川県の一部すなわち厚木市、相模原、高座郡を事業区域といたしまして、一般区域貨物自動車運送事業、それから東京—小田原、東京—藤沢間の一般路線貨物自動車運送事業を営んでいるものであります。  砂利関係につきまして申し上げますと、営業所厚木市の厚木二千四百八十番に置きまして、使っております車が六台、予備一台、計七台で、いずれもダンプ車でありますが、仕事としては、砂利の生産地から、小田急電鉄の貨車積みまでの運送の仕事をいたしているのであります。厚木とそれから相武台に営業所が二ヵ所ございますが、厚木の方は陸選場から厚木の停車場の間、これを一日大体二十回いたしております。距離は一・五キロであります。この所要時間は往復二十分でございます。それから積みおろしの方法は陸選場の方は落ち込みダンプと申しまして、上へ積んでおりますのを、貨車には、ダンプ車でありますから、ざっとそのまま貨車積み込む、こういうやり方でありますが、もう一ヵ所相武台の方は、これは相模川の新田宿という所から小田急の相武台駅まででありまして、これは大体一日七・五回になっております。距離は七キロでありまして往復四十分を要します。積み込みの方はショベルを使いまして貨車積みはダンプ車であります。従業員は、運転手が七名、それから貨車積みならしの人夫が九名、それに監督者二名を置きまして、計十八名でございます。給与関係を申し上げますと、運転手は一万八千九百七十五円に平均なっております。それから人夫の方が一万六千百八十八円でございます。これは非常に少ないようでありますが、本採用が四名に、最近入りましてまだ本採用にならないのが三名おります関係で、運転手が一万八千九百七十五円ということになっております。運輸成績は、三十四年の四月から三十五年の三月の間で、年間輸送量が十四万七千二百四十トン、収入が千五百九十七万一千六百七十円、一日一車平均走行キロが九十キロ、一車一日の平均収入が七千六百八十一円、キロ当たり収入が八十七円、トン当たり百八円ということになっております。  過去三ヵ年間事故発生状況につきまして申し上げますと、人身事故死亡が一件、重傷が一件、これもいわばもらい事故と申しますか、非常な不幸な、私の方にとりましても不運な事故でございました。その他の事故車両破損が二件で、物件破損二件でございます。事故防止の対策といたしましては、毎月一日、十五日に、従業員に対しまして、監督官庁の示達事項あるいは法令規則の解説というようなものをいたしますし、それからそのつど本社の示達事項を伝達しております。車両整備につきましては始業点検に重点をおきまして、朝一時間の早出を特に求めまして、一時間は始業点検にかかるとは思っておりませんが、一時間の早出の手当をつけまして、始業点検に重点をおいております。これは私の希望といたしましていたしております。それから上がりましてから、翌日のためにまたもう一ぺん車をよく改める。これに対しても一時間ほど手当をつけていたしております。そのほか、本社の方から技師を時折派遣いたしまして、一々運転手に個々の運転方法を、あるいは車の整備方法について指導いたしております。そのほか、本社の方に事故防止対策委員会を設けまして、事故がございましたときに、再びその事故を繰り返さないように個々の審議をいたしております。そのほかに、これは金額は少しで、事故防止の役には立たぬかもしれぬが、月八百円ずつ無事故者に無事故手当を支給いたしております。  当社といたしましてお願いいたしますことは、もう前者から申し述べられましたことで尽きておるのでありますが、私はこの事故のうちの一件に非常に苦い経験を持っております。小さな子供を路上で遊ばせぬように、何か小公園とかそういうふうなものを作ることを、何か国家の力でできぬものだろうか。町々を運転いたしまして、小さい子供がちょくちょく歩くのは実に危険であります。私どもは特殊のこういう作業でありますので、そうスピードを出す必要もございませんし、何はございませんのですが、どうも小さな子供が遊び回るのには、運転手は苦労いたしておるわけでございます。  以上でございます。
  14. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 以上をもって参考人発言は終わりました。御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。  なお、御質疑にあたりましては、答弁を求められる参考人の方を指名の上御発言を願います。
  15. 大倉精一

    ○大倉精一君 一番あとの沼田参考人の方からお尋ねいたしたいのですが、この資料の中で厚木、相武台、これは一日一台何回ですか、相武台の方は七回半でしたね。
  16. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) はい。
  17. 大倉精一

    ○大倉精一君 一日の回数ですね。
  18. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 厚木の方でございますか。
  19. 大倉精一

    ○大倉精一君 厚木ですね。
  20. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) これは陸選場から厚木まで二十回。約二十回。
  21. 大倉精一

    ○大倉精一君 一台ですか。一台一日。
  22. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 一台が二十回。
  23. 大倉精一

    ○大倉精一君 相武台の方は七回半ですか。
  24. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 七回半。
  25. 大倉精一

    ○大倉精一君 二十回一台の収入が七千六百八十一円でしたね。それから一トン当たりが百八円。大体一日の輸送トン数は七十一トンになるのですか。収入七千六百八十一円、それから輸送一トン当たりの単価が百八円ですから、大体七十一トンになるのですね、一日のトン数が。そうなりますか。これは相当過積みしないと、これだけのトン数運べないじゃないか。どのくらいの過積みになっておりますか。
  26. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 陸選場の方が二十回で、一車当たり百トンです。それから相武台の方が七・三回で、三十六・五トンになります。
  27. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは、さっきのお話によると、大体警察の方にも若干の過積みは黙認されておるというお話ですが、今のお話ですと、大体規定通りのトン数になりますね。二十回で大体五トンですね。それで合うですか。
  28. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 私のところは、ちょっと特殊のケースでありますので、料金が同系の小田急の砂利会社から相当仕事をいただいておりますから、割方いいのであります。
  29. 大倉精一

    ○大倉精一君 それから関連するのですが、運転手さん七名とほかに臨時の人が三人お出でになるということですね。
  30. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 七名のうちに臨時が三名なものですから、給与の一人平均が低いと、こう申し上げたわけであります。
  31. 大倉精一

    ○大倉精一君 臨時の人の給与はどのくらいですか、大体でいいのです。
  32. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 臨時になりますと平均で本人給で二千円ぐらい違うと思いますが、それは数字を持ってこなかったから……。
  33. 大倉精一

    ○大倉精一君 日給が二千円ですか。
  34. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 一ヵ月二千円くらい違いますね。
  35. 大倉精一

    ○大倉精一君 それは本人の固定給ですね。
  36. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 臨時というのは組み方が少し違うものでございますから。
  37. 大倉精一

    ○大倉精一君 ちょっと臨時の人の雇用関係ですね、それから給与体系とか雇用条件等についてちょっと一つ御説明願えませんか、一般と違うような状況について。
  38. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 一般の従業員と同じでございますけれども、やはり入りまして経歴というか、素質、一応試用期間というような意味において、うちでは三ヵ月間ぐらい日給にして置いておるわけであります。それが終わりましてから準社員にしまして使用しております。取扱いについては交通費が入らない程度で、ほかは正社員とほとんど取扱いについては変わつておりません。
  39. 大倉精一

    ○大倉精一君 二千円という月の手当は三ヵ月間たってからもらうわけですね。
  40. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) そういうことでございます。それは年功によって給料も違いますけれども、大体運転手としての初任給になるわけであります。
  41. 大倉精一

    ○大倉精一君 あとは全部一回幾らかあるいは何トン幾らということになるんですか、給与体系は。一回について幾らというのか、あるいは何トン幾らというのですか。
  42. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) そういう歩合はつけておりません。かせぎ高歩合といってある一定の全体としての仕事量を毎月やっておりますが、四千五百円をかせぎ高歩合として一応全員につけておるわけでございます。
  43. 大倉精一

    ○大倉精一君 それは在籍従業員ですね。
  44. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 砂利業については会社全体といたしましてそういう制度がございますが、砂利はどの車も十分にかせぎ高がありますので砂利については差別をつけておりません。
  45. 大倉精一

    ○大倉精一君 非常に恐縮ですけれども、各参考人の方は砂利業者並びに一般について運転手並びに助手あるいは在籍従業員、臨時従業員等の雇用条件の状況についてちょっとお話し願えませんか、いろいろ違うだろうと思いますが、各組合ごとにあるいは会社ごとに。
  46. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 雇用条件の問題でございますが、これは先ほども申し上げましたように、一台、二台の業者それから御主人みずからが運転している業者あるいは七十台、八十台持っている業者、こういうことで非常にまちまちなんでございます。それで全部歩合制でやっておるところもございますし、それから固定給のみでやっておるところは割合に少ないと思います。そのほかに固定給をきめ、あるいは何回走ったら歩合給というようなのが大部分を占めていると思います。そういう関係から全体の収入平均を調べてみますると、一万五千円から二万五千円の間で、作業時間等もなかなかまちまちでございます。そういう点で実に何と申しましょうか、非常に差が大きいこともこれも一つの大きな原因になっていやしないか、こういうふうに考えております。それからこれはちょっと大きい方でございますが、一石の方ここにおみえでありますが、この例をみますと、三年で二万四千二百十七円、それから五年で三万四百八十三円、九年たちますと四万一千二百十六円と、こういうふうな数字も出ておりますが、これらは待遇がいい方だ、こういうふうに見ております。
  47. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでさっき言ったように、一トン幾らという歩合になっているのか、一回幾らという歩合になっているのか、そのとり方はどうなんですか。
  48. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは大体車も五トン車、六トン車、七トン車、こういうふうになっておりまして、そうして回数で歩合をつけているのもございますし、それから何トン積みで何トン運んだからこうだという歩合も、両建てのところがかなり多いと思います。
  49. 大倉精一

    ○大倉精一君 たとえばですね、朝起きて、朝飯食う前に一回かせいでこようか、こういう格好のところが相当多いのじゃないですか、回数一回幾らということになりますと。
  50. 加藤政由

    参考人加藤政由君) まあ、そういうのがかなり多いのです。
  51. 大倉精一

    ○大倉精一君 勤務時間というのは、大体作業開始は何時ごろから始めて終るのは何時ごろに終るわけですか。一般に。
  52. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これを一般情勢から見ますると、一昼夜勤務のところもございますし、それから八時間勤務で、十時間なら十時間やらして残業というところもございますし、一昼夜勤務のところでは大体二交替あるいは一昼夜やってその次の日が明け番というふうなことになっております。それで大体これらのトラック平均走行キロというふうなものを見ますると、平均しまして、一台のトラックが約百五十キロぐらいの平均になっておる、こういうふうに見ております。
  53. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで月にどのくらい休みますか、運転手さんは。全く自分の時間として休む日数ですね。
  54. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは二日ないし三日、こういうふうに大体データとしては出ております。
  55. 大倉精一

    ○大倉精一君 それからその運転手さんは、大体、平均といいますかね、一番多い年令層は、幾つくらいですか。臨時の在籍を含んでですね、幾つくらいの人が、一番多いのですか。
  56. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 年令層を申し上げますと、砂利トラック運転手は、大体バスとかそれからバイヤーなどの見習いだと、まあこういうふうな傾向がございますので、年配者の運転手は、ごくわずかでございます。多く、十八、九才から二十四、五才までというのが大部分を占めております。ですから、大体三年ないし四年の経歴を持つと、あるいはバスの運転手になったり、あるいはバイヤー、タクシーの運転手になっていくというような傾向がありますので、その点、砂利トラック運転手としては、どうもあまり感心しない、こういうことは言えると思います。
  57. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、大体泊まり込み、住み込みが多いと思うのですが、そういうような施設関係は、どういう格好になっておりますか。二、三の例をあげて、参考になるようなことがあったら。
  58. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは、極端な例を申し上げますと、トラックの中に泊まり込んでおるのも見受けられる、あるいは、それは大きなところでは、宿舎を持つたり何かしておるものもございますが、先ほども申し上げましたように、一台、二台のトラックを持っておる業者が多いものでございますから、多く、そうした設備の問題は、まあ非常に悪い、こう申し上げる方が一番端的なことかと、こういうふうに考えております。
  59. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこで、相当、まあ過積みをやらなければ、業者も食っていけないだろうと思うのだが、警視庁の万と、も了解済みと言っておるのですが、大体、どの程度の了解を得ておるのですか。
  60. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは、一昨年の三月ごろでは、約十割の過積みがかなりあったのでございます。それで、新聞、ラジオ等に、相当たたかれまして、それから警視庁の方からも、相当やかましく言われまして、そうしてこれを一挙に、その通りに持っていってもらうのでは、とうていやりきれない、何とか自粛するから緩和してもらいたいというようなことを嘆願いたしまして、そうして、この経済状態が直るまでは、漸進的に少なくしていくから、一つぜひお願いしたいというようなことから、初めは、大体四割くらいを目標にやりましたのですが、それもうまくいかぬ、なお、非常におしかりを受けたものですから、その後三割というようなことで、まあ一見して取り締まりの簡単にできるようにというようなことから、経済が立て直るまで、何とかこれだけで一つお願いしたいというようなことで、現在では、大体三割くらいのことを黙認していただいておると申し上げますか、まあ、そういうようなことで、いましばらくというようなことで、やっております。  それで、なおそうしたものに対して、運賃の問題も計算いたしまして、現在では、まだそれまで経済状態がいっておらぬ、もうしばらくの間、がまんしてくれというようなことでやっております。
  61. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあこれは、あなたの方ばかりではなくて、鉄鋼輸送も、あるいは木材輸送も同じだと思うのですが、特に、過積みは、砂利トラックに多く見受けるのですけれども、そのこと自体が、非常に危険な運転でもあり、各業者間において、みずから首を絞めていくという格好になると私は思うのですね。それで、正規に、正常な積載量と運行によって、正当なやはり利益を得なければならぬのですけれども、そうやって過積みをしなければならぬという、あなたの言葉で言えば経済状態ということですけれども、過積みをしなければならぬという原因は、一体どこにあるのか、これは、たとえば砂利業者の方から、それを強要されるのか、そういういろいろな議論があると思うのですけれども、それをもう少し聞かしていただきたいと思うのです。
  62. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) ただいま過積みをしなければ、どうしてもならぬかというようなお話でございますが、これは、先ほどもちょっとお話しいたしましたが、非常に業界過当競争であるとか、価格が下落しているとかで、いろいろとその運賃も、先ほどお話ししました通り、公定運賃の三分の一にひとしい運賃をもって、現在運搬しておる、これが実情でございます。ですから、勢い、多少なりよけい積んでかせぐというような問題になります。
  63. 大倉精一

    ○大倉精一君 ですから、これはもう、だんだん上から悪循環がきて、砂利業者が、不当競争をやって価格が安くなる、それをあなたの方の運輸業者にしわ寄せして押しつける、運輸業者は、どうしても運転手に若い者を使って、安い給料でやる、運転手は、回数をよけいやらなければ食つていけないということになるのですね。
  64. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 今言われる通り、そういう状態を繰り返しておる業界でありまして、まことに残念な次第でございますが、何とか一日も早く、そうした立ち直りをせんがために、盛んに努力いたしておるのでございますが、何分にも、いわゆる簡単な作業なるがゆえに、ちょっとよくなったと思うと、業者の数がぐんとふえる。それから悪くなったとなると、たちまちにお手上げだ、こういうふうな状態を常に繰り返しておる業界でございまして、この点、まことにわれわれといたしましては、汗顔の至りな次第でございます。
  65. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこで、先ほどお話があったように、一台持ち、二台持ちという業者が非常に多いということですね。この一台持ち、二台持ちに雇われている運転手及び助手、上乗り、こういう人たちの雇用条件は、どういうふうになっているんですかね。
  66. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは非常に悪いという一言に尽きるのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、主人みずからが運転したり、あるいはその助手というような者は、親戚とか、あるいはいなかから連れて来た人とかいう者を住み込ましてやっておる。  こういう状態ですから、決していい賃金にはなっておらぬ、こういうふうに申し上げて差しつかえないと思います。
  67. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで、いろいろ事故対策について御意見も伺ったのですけれども、なかなかこれは、朝、訓辞をしたり、ポスターを張ったりということだけじゃいかぬと思うのですね。道路を直せといっても、そう簡単に直るものではありません。どうしても、やっぱり今の雇用条件なり、業者実態なりというものを改善していくということが先決ではないかと思うのですね。そういう点について、一番隘路になっているのは、どこですかね。そういう業界状態を改善しなければならぬ——つまり業界自体の団結も、私は非常に必要だと思うのですが、いわゆる業界があるのだ、組合があるのだけれども、これが統制力があるかどうかということも問題だと思うのですね。  ですから、幾ら業界で協定したって、どんどん裏から協定を破ってダンピングをやられたら、どうにも仕方がないということになる。何かあなた方の方で、そういう打開策についてお考えになったことがありますか。
  68. 加藤政由

    参考人加藤政由君) この問題は、常々繰り返しておるので、組合といたしましても、いわゆるわれわれといたしましては、商工組合法を非常に期待いたしておったのでございますが、その商工組合法も、かなり骨抜きになっておるということは、いわゆる強制力を持たないということは、われわれの業界のようなところでは、簡単にトラック一台持てば業者になり得るということから、団体加入の強制権とか、あるいはそれに対する組合の、違反行為に対する罰則とか、そういうものが、なかなか実行に移せない。関東工業組合、いわゆる団体法は基づく組合を一昨年の十月結成したのでございますが、その点も、ある程度、官庁方面の許可条件とか、そういうことはある程度満足いったのですが、実際組合の内部の統制が、あんまりうまくいかないということから、どうもそうした実情に、いつでも引っぱり込まれるというような現状でございまして、この点も、はなはだ遺憾な次第でございます。
  69. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ私はちょいちょい、いろいろなことを聞くのですけれども、そういうことはあまりないと思うのですけれども、たとえばそういうことが重なって、業者運転手もやけっぱちになって、そんなことで、びくびくしていたんじゃ仕事にならぬ、商売にならない。まかり間違えば、罰金払えばいいじゃないか、行って来いということにもなり、あるいは運転手は、人の一人ぐらいびくびくしておったんじゃ仕事にならぬというような気持にもなるということを聞くのですね。これは私、大へんなことだと思って聞いたりしているのですが、そんなことはないことを念願しておるのですがね。今の状態、ずっとお聞きしておると、私が運転手だったら、そうなるかもしれぬ。あるいは業者だったら、そうなるかもしれぬと思いますね。そういうところに非常に大きな問題があるのじゃないですか。  ですから、こういうところに、やはりこの砂利トラックというものの、まあわれわれが言えば、危険な一つ状態があり、そしてまた皆さん方とすれば、非常に苦しい困難があると、こう思うのですね。だから、何とかこれはやっぱり打開しなければいかぬと思うのですね。これは、このなりじゃ私はいかぬと思うのですね。
  70. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 今、まことに痛いところを突かれておるのでございますが、先ほどから申し上げましたように、待遇の問題あるいは運転者の未熟の問題、こうしたことが、大きな原因になっておると同時に、これはいわゆる先ほども言われましたように、一件起こしても三千円の罰金だと、三千円なら罰金払ってもやった方が得だというふうな声もわれわれは聞くので、これまことに、この点も汗顔の至りなんですが、一つには、こうした罰則の強化ということも、一つ事故防止方法じゃないかというふうにも考えられるのでございます。  これは、たとえば一件やれば一万円も二万円も罰金とられるというふうなことになると、あるいは事故も少なくなるのじゃないかと、それと同時に、これでは、とうていたまらぬから、値段の問題も安売りしなくなるのじゃないかと、こういうふうにわれわれとしては考えておるのでございますが、一日も早く、そうした違法行為の商売をしておるというようなことから、早く脱却しなければいかぬということで努力しておるのでございますが、これらの点、なかなか遅々として進んでおらぬので、まことに残念に考えております。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ、ほかの委員の方も質問があると思うので、もう一点だけお伺いしますけれども、今の問題は、罰金とればいいと言いますけれども、これは業者が持てば、もちろん別なんだけれども運転者が持つということになると、悪循環になって、その穴埋めのために、また無理をする。業者が持っても、これまた穴埋めのために走れということになるでしょうからね、それも問題だと思うのです。もう一つ聞きたいことは、車の数に比例して、運転者が少ないのですね。ずっとこれを見ますと、少ないような気がするのですが、一台の稼働率は、どのくらいになっておりますか。一台の一ヵ月の稼働ですね。
  72. 大村正五郎

    参考人大村正五郎君) 私のところ台数は、十台でございますが、今までの実績を見ますと、絶えず一台は修理に、車両工場に出さなきゃいかぬと、十分の一でございます、実稼働車両は。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 もっと少ない台数ところは、どのくらいになるのですか。
  74. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 小田急運送は七台、予備車を入れて七台でありますが、これが八七%実績が上がっております。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 今の一台持ち二台持ちというような車は、どのくらいでございますかね。一台持ち二台持ちという業者の稼働率ですね。わかりませんか。
  76. 加藤政由

    参考人加藤政由君) その算定は、たとえば新車を入れて、月賦を一ヵ月十五万ずつやるというような車は、おそらく一〇〇%の稼働率じゃないか。それからなお古い車を、まあ砂利は、重量運搬ですから、割合古い車は少ないのでございますが、そうした車を買い入れたものは、やっぱり八〇%から九〇%ぐらいの率じゃないかと、こういうふうに想像しております。これは私、実際問題としては、ちょっとうといのでございます。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 最後に一つ、例のやみ輸送ですね。白ナンバーの砂利運搬ですね。  これは一体、今の全部の、まあ全部といっても、東京なら東京神奈川なら神奈川ですね。業者トラックに対して、やみトラックは一体何%くらいあるか。その形態はどういう形態になっておる。たとえば砂利業者が、自分で車を持っておるような格好にして運転手に請け負わせてやっておるか、これは実態において黄ナンバーと同じようなものだと思うのですがね、そういうやみ輸送実態について、一つお話を伺いたい。
  78. 加藤政由

    参考人加藤政由君) この間、東京都内に入ってくる自動車実態調査をしたのでございますが、全部で三千三十台、朝の六時から晩の六時まで十六ヵ所で調査いたしまして、三千三十台の自動車が入ってきたのでございます。そのうちで白ナンバーが二千七百七十一台、それから黄色ナンバーが二百五十九台……。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 白ナンバーが二千七百……。
  80. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 白ナンバーが二千七百七十一台、黄ナンバーが二百五十九台。砂利業者といたしましては、大部分が白ナンバー、自家用車、これで仕事をしておる。  その実態を申し上げますと、一台トラックを手に入れて、そうしていわゆる神奈川県なり、あるいは埼玉県なりに砂利を買いに行って、そうしてそれを積んできて、そうして東京へ持ってきて売ると、こういうのが、非常に簡単な砂利業者実態なのでございます。
  81. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで、その一台買つてということもあろうし、二台、三台買ってということもあろうと思うのですが、これは、運転手に対する給与といいますかね、それは請負給になっておるのですか。どういうことになっておるのですか。わかりませんか。
  82. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは、たとえば一台持っておる人は、これはまあ運転手雇っておるところもありましようし、それから自分みずからがやっておるのもあると思いますが、一応土建業者と契約いたしまして、そうして、それをまかなうために、現地に行って買ってきて、そうして納入する、こういうのが実態でありますし、それから三台ならば、あるいは一台は自分が運転し、一台は運転手を雇ってやる。それは大体、雇用制度になっておって、運転手自体には、やはり給料制度でやっているのが実情でございます。
  83. 大倉精一

    ○大倉精一君 それは、形の上からいけば、そうなんだが、これは土建業者に対して、砂利運搬業をやっているというような格好になるのですね、率直に言って。自分が買いに行くという手もあるのですけれども、何かその辺が、名義は白ナンバーで持っているけれども請負給なり、あるいは何らかの、内容いかんによっては、白ナンバーのいわゆる営業類似行為ということになり兼ねないと私は思うのですが、その点は、どうなんですかね。
  84. 加藤政由

    参考人加藤政由君) この問題は、非常にむずかしい問題だ、こういうふうに考えております。それは、なぜかと申しますと、一応トラックを持つた業者が、砂利を掘っている現場に行って買ってきて、そうしてそれに自分の運賃を加算して、そうして幾ら幾らで売る、これは、そういうケースなのがかなり多いのでございます。ですから一面から見れば、それは白ナンバーで運送行為じゃないかというようなことも言えるとは思いますが、一応運送の請負行為じゃないから、これはやはり商売じゃないか、こういうふうに考えるのでございます。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 どうもその辺に、何か問題がありそうですね、これは。
  86. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 別に問題はないというふうに考えておりますが……。
  87. 大村正五郎

    参考人大村正五郎君) ただいまの大倉委員さんから疑問の点がございましたんですが、まことにごもっともだと思うのでございますが、それにつきまして、この砂利というものの現物の動きを御説明した方が早いんじゃないかと思いますので簡単に御説明申し上げますが、たとえばこの議事堂ならば議事堂の建築が、たとえば大蔵省なら大蔵省から公示が出ますと、土建業者が入札でもって、その実際の施工業者がきまります。そうしますと、土建業者はこの建物に使います骨材の所要量を積算いたしまして……、平常取引しております砂利業者というものは、大体きまっているのでございます。たとえば大成建設さんならどこそこ、清水建設さんはどことどこというような、大体、出入りの商人というのは、何年間かきまっているのでございます。そうしますと、五軒なり六軒から見積書の提出を求めます。そうしていろいろ月間納入数量に対する生産能力とか、それから単価並びに品質というようなものを勘案いたしまして——一番重要な要素は単価でございますが、単価だけでもいきません。相当量のものは、大業者に発注しなければ、実際にコンクリートを打つときに間に合いませんという点から、高いところと契約する場合もありますが、大体、単価の互いところにきまります。そうしますと、その土建業者と契約したわれわれの砂利業者は、どういうものかと言いますと、大体、大きいところに出入りしております砂利業者というものは、純然たる販売業者か、もしくは本日おいでになる第一石産運輸さんですとか、相模興業さんですとか、割合純然たる販売を業としております大きな販売業者でございます。それらが、土建業者と納入契約を結びます。  そうしまして、いよいよ現物の納入開始になりますが、いつから幾日間、一日大体何立米のコンクリートを打つから砂利を何立米、砂を何立米、毎日入れてもらいたいというような電話連絡がございます。そうしますと、私ども、それにマッチしました納入計画を立てますが、たまたま自分のところの生産だけでは間に合わない場合がございます。そうしますと、いわゆる私の会社なら私の会社へ出入りの下請業者というのがございます。  今、大倉委員さんの御質問になりましたのは、おそらく下請業者の問題じゃないかと思うのでございますが、下請業者実態を申し上げますと、これはいわゆる先ほどお話が出ておりますトラックを一台、二台、多いのでせいぜい三台から四台ぐらいの月賦トラックを持ちまして、そうしまして、私自身生産者でございますが、私の工場へ、その下請業者トラックを持って、現物を取りに行くという場合がございます。そうしますと、私の会社とその下請業者との間は、どういう精算になるかと申しますと、たとえば工場に、その下請業者が取りに行きますと、一トン幾らの割合で伝票を持って、その下請業者に仕切って売るわけでございます。その下請業者は、私の会社の土建業者との契約のある現場に持ち込み運搬をいたします。そうしますと下請業者が、土建業者現場から何立米というような納入伝票の受領書を持って参ります。そうしますとその受領書によって、単価を掛けて私の会社が買い上げるわけでございます。月末精算になりますと、その伝票の総売り上げから、私の工場で売りました砂代を差引きましたものが、下請業者に対する払い前になるというのが実情なんでございます。  それで、トラック一台、二台を持っておりますような業者が、もちろん大きな土建業者さんのところに直接参りました契約が、何千立米、何万立米の契約がとれるわけはございませんので、ほとんど大きな砂利の生産者か、もしくは大きな販売業者の下請をやっている業者なんでございます。  その辺でよろしゅうございましょうか。
  88. 大倉精一

    ○大倉精一君 だんだんわかってきたのだが……。  そこで、あなたの方は、今、砂利採取販売なんですけれども、あなたの方の運転手給与というのは、やっぱり月給ですか、日給ですか。あるいは一回幾ら、何トン幾らというのですか。
  89. 大村正五郎

    参考人大村正五郎君) 私のところでは、初めから固定給でやっております。正式運転手は日給五百円、免許証を持っていない助手は、日給四百円でございます。助手——別に、われわれの業界で上乗りと言っておりますが、スコップを持っていって積み込みをする助手が四百円、運転手は五百円、大体平均一日十時間稼働をやっておりますが、一時間五十円で、二時間で百円というオーバー・タイムをつけているわけなんであります。大体、実際の手取りは運転手で一万八、九千円、助手で一万四、五千円でございます。
  90. 相澤重明

    ○相澤重明君 ちょっと、資料の点から東京砂利協同組合の加藤さんにお尋ねしたいのですが、東京都区内現場持込価格というのはプリントに出ているわけなんですが、ここに各関東地区の生産業者数及び機械施設調べが出ておりますが、この中で見ると、一番多いのが神奈川東京埼玉、こういう順になっていますね。この機械採取と、あるいは手掘りも入れてみると……、そこで、これらの生産地によるところ価格の差はあるのですか。
  91. 加藤政由

    参考人加藤政由君) この差も、うしろの方に出ておりますが、最高が、十トン当たりでございますね、これが五千円、それから最低が二千三百円、こういうふうな差がございます。
  92. 相澤重明

    ○相澤重明君 差があるというのは、今の申し上げた、たとえば神奈川とか茨城とかいう、その生産地の差がある、こういうことですね。
  93. 加藤政由

    参考人加藤政由君) そうです。
  94. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこでこの中で、非常に資料としては、よくできていると思うのですが、公定の場合ですね、ここに運賃あるいは砂利の値段が出ているわけですが、たとえば十トン当たりの料金、六立方メートル、一立坪ということですが、多摩川の場合に、都心で四十五キロで、公定運賃が九千七百円、実費運賃は四千五百円で、三割過積みの場合が三千四百六十円、こうなっていますね。これは、先ほどからのお話を聞いていると、結局、過当競争で、業界としては、どうしてもよけい積まざるを得ない、こういうお話であると思うのですが、あなたの、東京としては、やはり協同組合を組織をしている、従ってその協同組合としての一定の協定といいますか、そういう形は、どういうふうに行なわれているのですか。
  95. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは、東日本砂利協同組合連合会というものを関東一円の業者で作りまして、そうして、ここで協定値段を発表しているのでございます。  ところが、これにも相当アウトサイダーの数が半数以上もございますが、実際問題といたしましては、約八〇%は、組合員の納入でございますが、その二〇%のものに押されて、いわゆるダンピング価格になり、協定価格が守れない、こういうふうな実情でございます。
  96. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、先ほど東武興業の木村さんですか、お話になっておりましたが、二〇%の今言った公定を乱すといいますか、そういう人たちの持っているトラックというものは、どのくらいの両数か。あるいはそういう人たちは、どのくらいの業者の数か。全部ここに上がっておりますが、そのうちの何%くらい実際にはなっているか、今言った二〇%というのは、概数であって、業者の登録からいくと、神奈川の場合は百三十五、東京が百四十四というふうに業者数があげられているわけですが、そういう中で、どの程度見込んでおりますか、それから、何台くらいトラックを持っているとお考えですか、この資料の中から。
  97. 加藤政由

    参考人加藤政由君) この資料は、生産業者だけでございまして、販売業者は含んでおらぬのでございます。  それで先ほどから、この事故の問題から輸送トラック台数を見ているのでございますが、砂利業者の数が東京では八百五十名、それから関東全部で見ますと千二百名、その中で組合員数は四百八十名でございまして、その台数が千六百台、これは東京の場合でございますが、これを全部で見ますると、やはりわれわれが、いわゆる推定して見ますると、大体組合員で持っているのが二千五百台、関東全体で。それからアウトサイダー、いわゆる組合員外の者が約一千台、こういうふうに大体見ているのでございます。
  98. 相澤重明

    ○相澤重明君 それで組合員外だというと、ほとんどあなた方の手はつけられないという形になると思うのですが、先ほどお話の中で、警視庁なり警察庁と連絡もとつているだろうし、あるいは陸運局とも御相談になっていると思うのですが、陸運局あたりは、あなた方が、こういうやみトラックを取り締まってくれということを言われていると思いますが、そういう場合に、何と言っています、今陸運局は……。たとえば今の千台がアウトサイダーの車とすれば、そういう問題について、何かあなた方が業界としてお話しになったことがあると私は思うのですが、運輸省は、何と言っています。
  99. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは運輸省の方とは折衝したことはございません。警視庁の方とは、いかにしてこれを組合に入れて、そうして警視庁なり何なりの示達事項を徹底するかということに対しては、よりより相談もいたし、最近の動きといたしましては、各警察庁を通じて、各支部長を置きまして、そうして警視庁と連絡のもとにやっていきたい。  これは私どもの考えといたしましては、値段の問題も、もちろんそうでありますし、それから事故防止の問題も、もちろんそれらによって徹底いたしたいという考えから進んでおるのでございます。これはいわゆる経済事情から、そうした事故がどうしても起こるのだというふうな観点から、そうしたものも含めて、組合として統括いたしたい、こういうふうな考え方を持っております。
  100. 相澤重明

    ○相澤重明君 いかがですか、まあいろいろ資料を出されておるわけですが、実際には、組合員ならば、お互いに話をすればわかることなんですね。組合員以外の者が、一番値段についても、あるいは事故についても、やはり大きな影響を持つのじゃないかと、こういう点を心配されておるわけでしよう。  そこで、そのたとえば二〇%の人たちは、登録をしておりますか、それとも、しておらないで持っておりますか、いかがですか。
  101. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは砂利営業として届出しないのも、かなりあるのじゃないかと、こういうふうに想像しております。
  102. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると、やはり業界としては、とにかく公定を守るというのが、業界の建前だと思いますから、結局業界を乱すものが、そういうものがあれば、当然関係方面には、取り締まりを要請をされる、みずからも自粛をすると同時に、そういう形になると思うのですが、そういうことを、今までおやりになったのですか、やらなかったのですか、たとえばその運輸省の場合、どうなんですか、やっておらない……。
  103. 加藤政由

    参考人加藤政由君) 運輸省の方とは、折衝したことはございませんが、いろいろそうしたことに対するPRは、かなりやっておるんでございますけれども、その実は、なかなか上がっておらぬ、こういうことで、まことに困っておるのでございますが、何とかそういうものも、先ほど申し上げましたように、あるいは団体法に沿ったようなもので、これは実は、相当団体法を何とか利用して、そうしてうまくやりたいというような考えで、かなり期待をかけておったのでございますが、それもなかなか、その通りにいかなかったというのが実情でございます。
  104. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、このお使いになっている組合員の皆様の各会社台数が出ておりますが、大体どのくらい、車は持ちますか、砂利を運んでおって、あるいは砂を運んで、どのくらい、いわゆる使用期間というものが見込まれておりますか。各会社によっても違うと思うのですよ、もし何だったら、関係者からお答え願いたい。
  105. 宮原末喜

    参考人宮原末喜君) これは、先ほどお手元に差し上げました資料によって申し上げますると、私の方の会社では、実は、昭和三十三年から毎年一回車両更新をするということで、本年も三月の二十九日に、ほとんど大部分車両を入れかえました。要するに一年間使用。といいますことは、いろいろ従来の統計によりますと、非常に重量品であるという建前、それから、これはいわゆる土建関係現場にも出入りするというような関係で、走る道路が非常に悪いというような関係で非常に車の故障率が多いということで、これは思い切って一年間、最も稼働率のいい状態において使って、そして毎年これは取りかえれば、これらのロスが少ないんじゃないかということでやってみましたところが、従来の三ヵ年間の実績によりますと、かなり成績はいい。ただこれにつきましては、車両のいわゆる購入資金、こういう問題がありますので、どこでもこれができるということは、ちょっとむずかしいんじゃないかと思いますけれども、実は、そういうことで私どもはやっております。
  106. 相澤重明

    ○相澤重明君 神奈川なり東京の協同組合理事長さんおいでですから、大体、そういうふうに毎年かえておるのが業界では多いのですか、それとも、いかがですか、その点。
  107. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これは第一石産のごとき大業者ならば、そういうことも可能なんですが、おそらく月賦に追われておる業者が多いことでしょうから、まあ月賦も、大体一ヵ年半から、長いのになりますと二十ヵ月というような月賦でやっておって、月賦を抜けたころには、大体車ももう相当ひどくなると、こういうような実情で、実際問題としては、やっぱり二年から三年で車を更改しておるという状態に、われわれは推定しております。
  108. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから最後に、うしろの方の中に載っておるわけですが、鉄道による場合とトラックによる場合の輸送の比較が出ておりますね。  これでいきますと、かなりやはり、長距離の場合は別ですが、ほとんどトラックが多いということですね、これは。今のようなお話で、一年ないし一年半という、あるいは二十ヵ月ということでいくというと、かなりもう近距離の往復が激しいというと、修繕がかかると思うのですが、大体この車の寿命は、どれくらい平均してもっておりますか、寿命としては。業界の皆さんいかがですか。
  109. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) らちの場合は、大体二年から二年半くらいで交換しておりますが、寿命としては四年か五年はもつんじゃないかと思いますけれども、ただしその場合においては、古くなるほど故障とか、そういうことが多いので、効率は悪くなると思います。
  110. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、このトラックによる場合、事故の点を考えると、警察庁の資料をちょうだいをしておるのですが、警察庁のこの資料から見ると、長距離関係あるいは砂利トラック、これがまあ比較的事故件数が多いのですね。その中でも、事故件数を比較してみると、営業と自家用に分けると、自家用が多いということなんですね、これは事故は。  そこで、皆さんの中では、登録をされておる業者としては、当然営業用車としてみな持っておると思うのですが、そのほかに自家用車は、どれくらいの比率でお持ちになっておるのですか。営業用車のほかに自家用車というのは、どれくらいお持ちなんですか、大体の比率でけっこうなんですが、概算で。
  111. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) うちの場合においては、全部自家用車でやっておりますが、許可の申請の都合上営業ナンバーだと、非常になかなか許可もおりないというようなことから、自家用が非常に多いのじゃないかと思います。  この点については、なるべく規格にはまった申請を出したならば、スムーズに許可をしていただくようにお取り計らい願いたいと思います。パーセンテージにつきましては、組合の方から、ちょっとお話していただきたいと思います。
  112. 相澤重明

    ○相澤重明君 わからなければ、けっこうですが、それで、今の加藤さんのお話で、営業する方が営業用の申請をされるということについて、なかなか認可がならぬというのですが、現実に、あれですか、運輸省へ出されて、どのくらいで認可になっておるのですか、それとも、今加藤さんの場合は、自家用車でやっておるといっておるのですが、認可の申請をされて却下されちゃうのですか、その点、いかがですか。
  113. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) うちの、近くに一台申請を、去年のたしか秋だと思いましたけれども、出してあるのですけれども、まだ何の連絡もないように聞いております。許可の申請を、営業用ナンバーの申請を提出してあるのですけれども
  114. 相澤重明

    ○相澤重明君 昨年のいつです。
  115. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) はっきりは覚えておりませんけれども、昨年の秋だと思いますけれども
  116. 相澤重明

    ○相澤重明君 そういうところに、非常に問題があるように思うのですが、業界としては、東京なり神奈川の協同組合の責任者の皆さんはいかがですか、こういう点、下部組合員の中で、それぞれ申請をしておっても、運輸省がなかなか認可をしてくれない、こういうような状態ですね、いかがですか、その点は、業界としてはお考えになっておりませんか。
  117. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) その問題は、業界としてはよくわかりませんが、大体、われわれの方の組合員は、全部砂利業者でございますから、運搬業者ではありませんでございますから、その点、はっきりしませんです。
  118. 相澤重明

    ○相澤重明君 砂利業者であるから、なるほど自家用ということも多いわけですが、しかし兼業は、かなりあると思うのですね、運搬も、そうでもないですか、もう自家用車で、生産から販売まで、いわゆる神奈川の場合ならば東京現場まで、それはもう全部自家用車で間に合う、こういうお考えで、今後も進まれるのですか、それとも、やはり運送については業界としても、そういう点をなおお考えになるつもりがあるのかどうかですね、その点、いかがですか。
  119. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) 先ほど東武さんからお話があったのですけれども、非常に大きい工事をいたしますと、やはり協力会社というものが必要じゃないか、今後も非常に規模が、だんだん数が大きくなっていくので、そういうためにも、やはり営業ナンバーの申請を出したらば、許可していただくように、お骨を折っていただきたいと思います。
  120. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、先ほど御説明をいただきました小田急さんの場合ですね、小田急さんの……。先ほども大倉委員からも御指摘がありましたが、運転手さんの、たとえば七人のうち本採用四名、臨時が三名ということですが、年令は、平均幾つになっておりますか。
  121. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 約二十五才強でございます。
  122. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、先ほどお話で、大体二十才から二十五才ということですから、免許をとってからやはり三、四年という人が多いのですか、それとも、免許のとりたての人が平均多いのですか、いかがですか。
  123. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) やはり二年から三年くらいの者が多いです。
  124. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、いま一つお尋ねしておきたいのは、事故防止については、非常に御苦労されておるようですが、特に京浜国道は、非常に車両往復が多いわけですが、この京浜国道を通る場合に、あなた方の指導としては、どういう指導をされておりますか。ラインを引いてあるような場合には、やはり低速車、高速車というようなものを、十分区分けをして運転をするようにお話しになっておるのですか、いかがでしょうか。
  125. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) その問題につきましては、もうかねがね警察当局からも言われておりますし、まあ運転手の教育をよくするようにというので、私どもの方も、支部が神奈川県下に十支部ございまして、その各支部ごと運転手を集めまして、よく訓練するように、というふうに年じゅう指導しております。  なお、警察当局の了解も得まして、また、いろいろのポスター、パンフレット、これはまた常時注意を喚起するようにいたしております。
  126. 相澤重明

    ○相澤重明君 いずれ道運法がきまればまた別な角度になると思うのですが、現実についても、かなり私ども見ておると、苦労されておるようです。また、無理な運転もされているのじゃないかという心配をしているわけですが、そこで、先ほどの過積みの問題がありましたけれども、たとえば神奈川県の場合は、どうなっていますか。これは、警察の了解事項というものはあるのですか。
  127. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) 神奈川の実は取り締まり問題も、東京警視庁の方が一歩先んじて発足いたしまして、やはり東京神奈川は隣接しておりまして、自動車が、みんな交流しておりますから、勢い、神奈川警察としても、この取り締まりが非常に厳重になりまして、それで、いろいろ部会としましても、警察当局にも、黙認の形をお願いしたいというように懇請はしておりますが、やはり法規一点ばりで、県警の方では、まあいいような返事がありませんで、われわれ業者としましても、一応自粛の線を守るというんで、勝手にでございますが、自粛の線を、そこに引きまして、そして自粛態勢の足並みをそろえるという程度になっておりまして、県警の黙認とか許可とかということはございません。ただ、自粛を見ていただきたいという線で進んでおります。
  128. 相澤重明

    ○相澤重明君 その場合に、自粛というお話ですが、トラックのボディに何か、それでは自分たちの協会としては、この辺が、というような目じるしでも、つけておるのですか。
  129. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) その問題は、東京が、大体先ほど加藤理事長お話で、約三割程度というようなお話でございますが、われわれの方も、大体それにならいまして、三割を線に、ボディに黄線を引きまして、その黄線のところは、アウトサイダーその他がまねをしまして、勝手な線を引くという問題が多いようでございますから、スティッヵーなど張りまして、それが動かせないというふうにし、なおラジエーターの正面には、桜のマークを張って、これは部会員の車であるというように、目じるしをしまして、実行しております。
  130. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、先ほど大倉委員からもお尋ねがあったわけですが、その中で、一昼夜交代とか三交代とかというお話がございましたが、夜間の場合は原則として、どういうことなんですか。深夜作業は、夜十時ころ走るとか、あるいは朝四時とか五時とかに走るとか、そういうことはないんですか。
  131. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) それは、神奈川の場合は、実は、神奈川地区から東京に来るというのが、大体神奈川の生産量の三分の一ございます。ですから、やはり交通関係またはその他で、まあ昼夜ぶっ通しで、夜間オール・ナイトでやるというのも相当ございました。ですが、この問題は御承知の通り神奈川県の河川課の指令でございまして、今後、夜間採取は禁止するという問題ができましたものでございますから、今後は、夜間運搬というものは非常に激減するのじゃないかというように、われわれとしても想像しております。
  132. 相澤重明

    ○相澤重明君 昨年の暮に御承知のように、京浜第二国道の子安台で、砂利トラックと火薬積みが衝突をして爆発したのは御承知の通りなんですが、神奈川県の場合は、いつから今後、夜間の、そういうことをしないというお話になったんですか。
  133. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) ただいまの御質問は、夜間の採取を禁止するという問題でございますか。
  134. 相澤重明

    ○相澤重明君 ええ。
  135. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) それは、大体この四月一日から、朝五時から夜七時までにしろという、県から達しがございました。  ですが、今、ただいま、ちょっと暫定的な期間で、多少はまちまちになっておりますが、将来は、来月あたりから、大体それに右へならえするのじゃないか。ただし、その点も、いろいろ公共的な仕事であるとかいうようなものは、また県と相談して、多少の延長を認めるというようなこともございますから、絶対になくなるということも言い切れないのでございます。
  136. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は、もうこれ一つで終わりますが、最後に、せっかく協同組合を作られておって、しかも、二〇%の人が、無分別な人たちがおるというので、業界も非常に混乱する、こういうことで、御苦労されておると思うのですが、砂利を使う——先ほど、ちょっとお答えになっておりましたが、業界の人、請負業者の人たち、あるいは建築さん、そういう人たちとお話し合いをして、そうして砂利を購買する場合に、協同組合を通ずる、こういうような話はできないものでしょうか。それとも、今までやったことがあってもだめなのか、いかがですか。その経過と、これからの見通しを一つお聞かせいただきたいと思います。
  137. 加藤政由

    参考人加藤政由君) この問題に対しましては、まことに苦しいものでございますから、しょっちゅう、そういうことに対して言っておるのでございますが、何分にも業者とのつながりと経済の関係があるもので、建築業者としては、安いものさえ買えば、それでよろしいということで、なかなか話の一致を見ないので、これは協同組合自体が、そういう線に持っていくことが望ましいのでございますけれども、なかなか、そこまで一致した意見に持っていけないというのが現状でございまして、協定値段を作つても、ちょっと需給のバランスが乱れると、すぐ競争過程に入る、こういう状態で、まことにその点の統一に対しては困っております。  それから次に、輸送問題の、過積みの問題ですが、こういうものも、大体砂利業界としては、関東一円と申しますか、神奈川埼玉あるいは群馬、こうしたものの、警察ならば警察取り締まりの一本化をお願いしたい、こういう考え方を持っておるのであります。たとえば、警視庁では、こういう取り締まりをしている、神奈川では、こういう取り締まりをしている、埼玉では、こういう取り締まりをしている、そうすると、多くのものが東京に入ってくるのでございまして、関東で——大体砂利のトン数を調べてみますと、関東で使用する——動くのが、一ヵ月大体百十万トンぐらいと想像されます。その中で、東京都内に入ってくるものが、一ヵ月約七十万トンぐらい入ってきております。そうすると、東京都内のものといたしましては、多摩川近辺しかない。そうすると、勢い、神奈川あるいは鬼怒川、栃木あたりから持ってくる、こういう状態で、それに使用する車の台数等を調べてみますと、一日大体、東京都に入ってくるものが二十五万トン、これには、二回やるのもございますが、約四千台のトラックが動いておる、こういうことが想定できるのであります。  そうすると、どうしても、そうした問題もまちまちでは、非常にこれは困るんで、何かそうした問題も、連絡をとれた一つのものにしていただきたいというのが、われわれの希望でございます。
  138. 相澤重明

    ○相澤重明君 まあ取り締まりの方は、警察庁でもだいぶ手分けをして、よくできるようになっておるらしいですがね。  私が、まあお尋ねしたいのは、日ト協がありますね。あなた方の全般業者関係の、この日ト協の中で、砂利運搬をする人や、木材運搬や鉄鋼運搬の人とか、そういう人たちが一緒になって、そうして、今やみトラックといいますか、そういうものを追放して、そうして公定値段を順守する、こういうような運動は、お考えになったことはありますか、いかがですか。
  139. 加藤政由

    参考人加藤政由君) これも、もちろんやっておるのでございますが、何分にも、先ほど来、自家用車の問題、それから黄ナンバーの問題、営業車の問題、砂利業者は、ほとんどが自家用車で運搬しておるということで、そうした密接な連絡が、完全にとれておらぬのでございます。この点で、砂利業者だけが、この資料にもございますように、約公定値段の半分にも満たぬような運賃でやっておるというのが現状でございまして、そういう点も、まことにまあ苦しい立場に置かれているわけであります。
  140. 相澤重明

    ○相澤重明君 まあ、私はこれで終わりにしますが、私どもの専門委員会、この運輸委員会としては、先般も、木材あるいは鉄鋼関係を現地調査をしたわけです。いずれまた、この砂利関係の方も、現地調査をさしてもらいたいと思っておるわけですが、やはりどこの業界でも、今一番の悩みは、過当競争、そうしてまた、やみトラックという問題ではないかと思うのです。  ですから、白ナンバーだから、どうもほかの業者と、なかなか歩調がとれぬということでは、やっぱり問題が残るのではないか、こう思うので、私の希望としては、せっかく日ト協というようなものが作られておるのだから、その中で、十分業界のお互いの発展を考えていく必要があるのではないか、こういうことで、お尋ねをしたのでありますが、まあできれば、お互いの事故防止あるいは業界自体が、生活を守る建前で、そういうものを御検討いただきたいと思うのですが、どうですかな。これはまあ注文らしくなったが、いかがですか。そういう方針は、お持ちになりませんか。
  141. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) そのやみトラの問題につきましては、神奈川としましても、われわれは年中県警の方へ、いろいろ意見を具申いたしまして、徹底的にとにかく取り締まっていただきたいということは、もう口をすっぱくお話をしているのでありますが、なかなかその問題は、やはり人員、当局の手の問題などもありまして、現在に至りましても、なかなかはっきりしませんのですが……。
  142. 加藤一郎

    参考人加藤一郎君) 今の輸送の、輸送業界の方との話ですけれども、われわれの業者から、輸送業者に今運搬してくれというようなお願いをしても、先ほど言ったような、非常に低運賃のために、また全然——それに車も痛むというようなことから、ほとんど手伝っていただけないというような現状であります。  そういう関係から、おそらく協力態勢というものはなかなかむずかしいんじゃないか、こういうふうに考えております。
  143. 沼田利一

    参考人(沼田利一君) 先ほど大倉さんに申し上げましたことで、一部訂正いたしたいと思います。  過積みが、五トンというのは、私どもところ平均、出た数字でございます。過積みが絶対にないとは、過去に言い切れないのでございます。何か、過積みがなかったようにおとりになったかと思いますが、訂正いたします。  その理由は、貨車積みでありますので、採取場で、機械が故障なんかいたしますと、どうしても貨車の出るのに間に合わない。これは仕方なしに過積みいたす場合もございます。訂正いたします。
  144. 大倉精一

    ○大倉精一君 私、どらも錯覚を起こしておったようですけれども東京神奈川砂利協同組合の方は、生産者なんだ、運送業じゃないわけですね。ですから、どうもこんがらかっちゃったのですが、今の、大体一台持ち、二台持ちが多いとおっしゃったのは、それは、砂利運送業に一台持ち、二台持ちの業者が多いというのか、あるいは砂利業者に多いというのか、どっちなんですか。
  145. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) 今まで御説明いたしましたいわゆる一台、二台の零細業者というのは、いわゆる砂利業者をさす意味でございます。運搬業者じゃありません。
  146. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこで、どらもややっこしくなってきたのですが、というのはあなたの方で、どらも公定運賃は守れない。公定運賃の三分の一くらいじゃ守れないとおっしゃった。それを聞いていると、運送屋のようでもあるし。
  147. 菅沼繁蔵

    参考人菅沼繁蔵君) 別に、運送業者ではありませんから、公定運賃云々ということを言うのはおかしいのでございますが、大体標準として、こういう程度の運賃しか収入がないのだ、こういうお話をしたわけでございますから。
  148. 大村正五郎

    参考人大村正五郎君) 今の件について、補足御説明申し上げたいと思いますが、全くごもっともなんで、一台、二台の零細業者は、販売業者なんでございます。再三話題に出てきますいわゆるもぐり業者の件でございますが、実際は、法的にいいますもぐり業者というものは、最近は非常に少ないのでございます。——もぐり業者の定義でございますが、何がもぐり業者に相当するかといいますと、いわゆる白ナンバーでもって、私ども業界で、賃引きといっておりますが、一立米幾ら、一トン幾ら、一立坪幾らで、運送だけをする業者が、いわゆるもぐり業者でございます。それは現実の情勢としましては、非常に少なくなっております。  なぜそうかといいますと、先ほどお話が出ておりますように、純然たる現在のような業界の低運賃ならば、運賃だけの賃引きでは、採算がとれないというために、いわゆる賃引きの業者というのは、ほとんどないのでございます。  ざらに運賃は、どういうことかといいますと、たとえば今、一台なら一台の車を持っております零細な販売業者が、多摩川の第一石産なら第一石産の工場に、砂利を買いに参ります。そうしますと、たとえば簡単な計算でいきまして、一台六千円で砂利を買って参ります。そうしまして、卸の大問屋の下請の現場に持って行きまして、八千円で買ってもらいますと、その差額の二千円が運賃だ、こういう計算になるのであります。  以上でございます。
  149. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうすると、結局黄ナンバーで運ぶという砂利は、幾らでもないわけですね、そうなりますね。ですから、結論的には運賃ばかりじゃなくて、一回でもよけい納入して、一トンでもよけい納入しなければ、収入が減るということですね、わかりました。
  150. 天埜良吉

    委員長天埜良吉君) 参考人方々には、長時間にわたりまして、いろいろと貴重な御意見をお述べ下さいまして、まことにありがとうございました。皆様方の御意見を、十分参考にいたしまして、今後の調査を進めていきたいと思います。  本日は、これで終わります。    午後四時三十九分散会