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1960-04-14 第34回国会 参議院 運輸委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年四月十四日(木曜日) 午前十時四十四分開会 ――
―――――――――――
出席者
は左の
通り
。
委員長
平島
敏夫
君
理事
天埜
良吉君
江藤
智君
小酒井義男
君
委員
谷口
慶吉
君
鳥畠徳次郎
君
三木與吉郎
君 相澤 重明君
大倉
精一君
中村
順造
君
松浦
清一君
白木義一郎
君 加賀山之雄君
政府委員
防衛政務次官
小幡
治和君
防衛庁教育局長
小幡
久男
君
運輸政務次官
前田
郁君
運輸大臣官房長
細田 吉藏君
運輸省鉄道監督
局長
山内
公猷君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長
廣瀬 真一君
運輸省航空局長
辻
章男
君
事務局側
常任委員会専門
員 古谷
善亮
君
説明員
気象庁次長
多田 寿夫君
日本国有鉄道常
務理事
中村
卓君
日本国有鉄道
自
動車局長
高倉 一雄君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件 ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
派遣委員
の
報告
○
運輸事情等
に関する
調査
(
日本国有鉄道
の運営に関する件) ――
―――――――――――
平島敏夫
1
○
委員長
(
平島敏夫
君) これより
運輸委員会
を開会いたします。 まず
参考人
の
出席要求
についてお諮りいたします。明十五日、
交通
の
秩序
と安全に関する小
委員会
の
調査
のため
参考人
の
出席
を求めたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
平島敏夫
2
○
委員長
(
平島敏夫
君) 御
異議
ないと認めさよう決定いたします。なお人選及び
手続等
につきましては
委員長
に御一任願います。 ――
―――――――――――
平島敏夫
3
○
委員長
(
平島敏夫
君) 次に、去る九月
委員派遣
を行ないました
調査
の結果について
派遣委員
より
報告
を願います。
天埜良吉
4
○
天埜良吉
君 ただいまから
名古屋空港
における
調査
について御
報告
申し上げます。 派遣されました
委員
は
平島委員長
、大埜
委員
、
小酒井委員
、
松浦委員
の四名でありまして、
現地参加
として
大倉委員
が参加されました。 四月九日、全員が
現地
に参集、
調査
を行なったのであります。今回の
調査
に際しましては、
航空局
から
辻局長
、
亀山航務課長
、
防衛庁
から
小幡教育局長
が見えられ、
現地
におきましては
久保名古屋航空保安事務所長
、
航空自衛隊
第三
航空団司令丸田空将補等
が
現地
での
説明
に当たられました。 まず
調査
の
日程
について申し上げます。
空港到着
と同時に
事故
に対する
説明
が
運輸省当局
と
自衛隊当局同席
の上、
両者
からなされました。それから
名古屋市内
において
名古屋空港協議会
との
懇談会
に臨み、その
会員
から熱心な
要望
を聞き、再び
空港
におもむき
事故発生
の
現場
において当時の実情をつぶさに
調査
いたしました後に
コントロール
・
タワー
、
GCA
すなわち
無線誘導盲目着陸装置
でありますが、この
運用状況
を
視察
いたしました。また
自衛隊小牧基地司令室
を訪問して
小牧基地
における
自衛隊
の
活動状況
についての
説明
を聴取いたしました。
最後
に
空港
の片隅に置かれてある
DC
―3の
残骸機
を見たのでありますが、
後部胴体
から
右翼
が切断されており、当時の
事故
がいかに悲惨なものであったかその実感を生々しく受けたのでございました。 大体以上のような
日程
でありますが、
報告
の
都合
上、
空港
内における
事故調査
と
空港協議会
との
懇談会
における
状況
との
二つ
に分けて御
報告
申し上げたいと思います。 まず、
空港
内における
事故調査
について申し上げます。
本件
の
調査
につきましては
名古屋航空保安事務所
から、
事故
の
概要
についてというのと、
名古屋航空保安事務所
の
概況
というのと、
空港管理規則
というのと、
小牧空港
の
管理等
に関する
覚書
というのと、
事故
のときの写真二枚というのが
資料
として提出されておりました。これらの
資料
に基づきまして重要な
諸点
について御
報告
いたします。
名古屋空港
の沿革と
施設
の
概要
でありますが、同
空港
は
昭和
十九年旧陸軍によって建設されたもので、終戦により
米軍
に接収され、
昭和
三十三年九月返還されたものであります。その後の
使用
につきましては
防衛庁
と
運輸省
との間に、
小牧飛行場
の
管理等
に関する
覚書
というのを交換いたしまして、それに基づいて
共同使用
の
飛行場
になっているのであります。敷地は約九十九万坪で、
滑走路
の西側約六十一万坪が
運輸省所管
に、それから東側約三十八万坪が
防衛庁所管
になっております。
滑走路
は長さ二千七百四十メートル、幅四十五メートルでありまして、
保安施設
としては、
飛行場夜間照明施設
、
無線通信施設
、
有線通信施設
、
コントロール
・
タワー
、
GCA等
があります。 次に、
飛行実績
については次の
ごと
く述べられております。すなわち、現在
名古屋空港
としては、
民間側
の
飛行場
としてのほかに、
防衛庁
第三
航空団
の
訓練飛行場
として、また新
三菱小牧工場
の
修理
あるいは生産の
テスト飛行場
として、
相当数
の
飛行
が行なわれ、
民間
と合わせて一カ月の
フライト
の
実績
は約六千回から七千回、
うち民間機
は約六百回で一日平均二百回の
離着陸
が行なわれる。今後
ジェット機
の
増加
とともに、
フライト
の数はさらに
増加
するものと思われると述べられています。 次に
事故
の
概況
について申し上げます。
本件
に関しては、
航空局
より当
委員会
において二回にわたり口頭による
説明
がなされており、また本日の
委員会
に地図を付してその
概要
についての
資料
が提出されておりますが、この際
現地
で
航空保安事務所
から受けました
報告
を
もと
として申し上げたいと思います。それにより、まず
事故発生概況
について申し上げますと、
全日空DC
3五〇一八は
乗客
三十名、乗員二名、
スチュワーデス
一名を乗せ
東京羽田飛行場
を十八時七分出発、十九時三十七分
小牧飛行場
の
滑走路
三四より進入し、
滑走路
の
中央
近くで百八十度旋回し、南に
引き返し
中、
小牧
第三
空団
のF86
Dジェット機
が
滑走路
の南より北に向って
離陸
して参りました。このとき
DC
3と
ジェット機
が接触し、
ジェット機
はそのまま左に
滑走
、炎上し、
DC
3は
右主翼尾部
をもぎ取られ、
滑走路上
に機首を接地して
停止
しました。このため
DC
3の
乗客
のうち二名と
スチュワーデス
は即死し、ほかに
重傷
五名、
軽傷
三名を出しました。
事故先生
とともに
自衛隊救難消防隊
は直ちに
死者
、
負傷者
の救出、
ジェット機
の消火に努めました。
即死者
は直ちに第二
空団
に運び安置し、
重傷者
は
小牧病院
に、
軽傷者
は
名古屋
市
上飯田病院
に収容し、
手当
を加えました。
ジェット機
は午後八時ごろ消火し、
パイロット
は
停止
とともに脱出し異状はなかったのであります。 次に
事故発生
当時の
模様
でありますが、本
事故
は
タワー管制官
の
管制指示
が適切であったか、また各
パイロット
の処置が適切であったかどうかが問題であります。
事故発生
当時の
模様
につき、
関係者
の話を総合すると、当時の
タワー
には
トリックチーフ賀
好悠二、二十八才、七
レベル
、
村手昌一
、二十九才、三
レベル
、
栗原勲
三曹、二十五才、五
レベル
が勤務しておりました。
村手管制官
は
空港管制
をやっており、賀好
管制官
はVFR、すなわち有
視界飛行管制
を
指導
し、
栗原
三曹は
進入管制
を担当しておりました。
村手管制官
は
DC
3が
滑走路
三四から進入し、第三
タクシー
・
ウェイ付近
を過ぎたので百八十度旋回し、引き返えすよう
指示
し、当然第三
タクシー
・
ウェイ
に入ったものと思い、南端に
離陸
を待っていたF86Dに
離陸
を
指示
しました。
ジェット機
はそこで
離陸
を開始しました。ところが
DC
3は第三
タクシー
・
ウェイ付近
を過ぎて百八十度ターンしたのではなく、もっと手前の第二、第三
タクシー
・
ウェイ
の間くらいでターンして
引き返し
の途中でありました。
DC
3、
ジェット機とも
にそれぞれ他を認め、危険を避けるためそれぞれ機を左にねじったのでしたが、
前記
のように接触し大
事故
になりました。当時の天候は快晴であり視野も良好であったので、
ジェット機
もたとえ
離陸
の
都合
があったにしても、
前方
の
障害物
を確認すべきであるが、一応
DC
3の
着陸灯
を
滑走路北方大山
川の
蓋工事
の
夜間点灯
の光のように感じ、変に思いつつ前進をしたので、
DC
3の機体を認めたときはすでにおそく、機を左にねじるとともに、
操縦桿
を少し引いたので浮き上がり、
右脚
にて
DC
3
右翼
を切り取り、
ジェット
の
右主翼
にて
胴体後部
半分をもぎとった上発火し、百五十メートルくらい
滑走
して
停止
、炎上したのであります。 次に、
事故
後の
措置
ですが、
死傷者
は
前記
の
通り
処置したが、
事故現場
はそのまま
自衛隊員
、
警察官
の警戒の
もと
に十七日朝まで過ごし、六時より
航空局
、
防衛庁
第三
空団
、検察、
警察官立ち会い
の
もと
に
事故調査
と
実地検証
に入り、九時過ぎ
検証
を終わり、取り片づけに入り、午後一時半終了しました。しかし、
滑走路
の
中央
約二ヵ所に
ジェット燃料
による
コンクリート
の
損傷
があり、これの
修理
を直ちに始め、十九時、
コンクリート舗装
を終了したが、
コンクリート硬化
のため、十八日朝八時十五分まで
飛行場
はクローズしました。また、
航空局
より
亀山航務課長
、
泉管制課補佐官
が十七日朝三時半ごろ
到着
、
実地調査
と
パイロット
、
管制官
の口述をとり、
事故調査
をしました。
死傷者
に対しては、
航空局
よりの
指令
により、
死者
には花輪、
負傷者
にはくだものを
運輸大臣名
によりそれぞれ職員をして弔慰と
見舞
をさせました。十八日には、
現地
の
状況視察
、
死傷者
に対する
見舞
のため
前田運輸政務次官
、
関口技術部長
が来名した。 以上が、
現地
の
航空保安事務所
から提出された
資料
に述べているもので、所長の
説明
もこの
通り
でありました。ただし、
自衛隊側
はこの
説明
を全面的には認めたものではなく、部分的には
意見
の相違があるように思われたのであります。 この
報告
を
もと
にして、実際の
事故
のあった
現場
において、当時の
模様
を聞いたのでありますが、
現場
には
事故
のときの
損傷
の跡や、芝生の焼け跡が残っており、
事故
の経過についてははっきり想定されるのであります。これらの点を総合して、一応
事故
の
原因
を想定すれば、ある程度のことは考えられるのでありますが、直接の
関係者
である
村手管制官
は
身柄拘束
のまま送検され、また、
ジェット機
の。
パイロット
である平野二等
空佐
は
書類送検
になっておりますので、その方において
事故
の
原因
と、それに基づく責任の所在がはっきりすると思います。 ただ、今回の
調査
により、
参考
までに種々の
問題点
をあげてみますと、第一に
村手管制官
の
指示
についてでありますが、
DC
3の位置の誤認に基づくもので、適切でなかったのではないかという点については、大体、
現地関係者
の間でも確認されているようであります。 ここで一言付言しておきたいと思いますことは、第二
タクシー
・
ウェイ
は
入口
及びその
両側
に基準に従っての
照明施設
が設置されておりますが、第三
タクシー
・
ウェイ
は昨年三月末に新しく作られたもので、その
入口
だけ
照明施設
が設置されておりまして、
タクシー
・
ウェイ
の
両側
には設置されていない
現状
で、第二
タクシー
・
ウェイ
と比較して
夜間
の識別は困難なため誤認しやすかったことも考えられるという点であります。 第二に、それでは
管制指示
以後、各
パイロット
は適切な
措置
により
事故
を回避できなかったかどうかという点でありますが、
事故
当時と全く同一の
環境
を再現することは不可能であり、
両者
とも、想定に基づく
意見
ではありますが、
自衛隊側
としては、
パイロット
はベストを尽しており、当時の
状況
では
ジェット機
から
DC
3を見ることはできなかったという
説明
がなされました。 第三に、
管制官
の
指示権
についてでありますが、この点についての
航空局長
の
説明
は、
管制官
の
指示
には命令的なものと許可的なものとがある。
離陸
のときは許可的な
性格
のものである。通常は
滑走路
においての
Uターン等
はあまり行なわないが、
滑走路
の
有効利用
の面からは、安全が
確保
されれば行なうことがあるという
説明
がなされたのであります。これに対し、
丸田司令
は、
タワー
からの
指令
は疑いもなくすべて命令であると確信しておる、それでなければ
航空交通
の
秩序
の
確保
は困難であるという
発言
がありました。 第四番目に、
空港
の
共同使用
についてでありますが、
自衛隊側
の
説明
によれば、
小牧基地
内には
ジェット機
が五十四機あり、その六〇%が稼動しており、一日延べ六十五機が
飛行
しておる。
自衛隊
としては、
民間定期航空
のダイヤに合わせ
訓練計画
を立てている、しかし、
民間機
の発着は、
定刻通り
のものは百回に二、三回ぐらいで、その
調整
に苦慮している、
民間機
を排除して発着するような
緊急状態
はきわめてまれである、
空港運用
については、
運輸省
、
三菱
と月に二回
協議
して、十分留意してやっているとのことでありました。また、
現地
の
空港使用状況
は、
外国
に比較すれば三分の一ぐらいで、まだ
十分使用増加
ができる、しかし、
訓練回数
は現在以上には
原則
として
増加
しないという
説明
がなされました。これに対し、
現地
の
管制官
は、
滑走路
一本で二分間に一回の
管制業務
は激烈なもので、これが連続される場合は、現在の
管制体制
ではたえられない、その面から、単に
外国
との比較で三分の一ということには疑問があるという
発言
がなされたのであります。なお、
自衛隊
の
管制団
の定員は四十八人でありますが、実員は三十八人であるとのことでありました。 第五は、
管制業務
及び
施設等
についてであります。そのうち、特に問題になりました点は、
無線通信施設
の
統一
の点であります。現在、
民間航空
はUHFを、また
自衛隊
はVHFを使っておりますが、これが
統一
について考慮されているかという点に関しては、
航空局
としては十分検討しているとのことでありました。 ここで、
管制官
の
勤務条件
と
待遇
について申し上げてみたいと思うのであります。
コントロール
・
タワー
及び
GCA
内に入ってその
執務状況
を見たのでありますが、その
職場環境
はきわめて悪いものであると思われました。また、
待遇
については、
村手管制官
を例にしてみても、三月の手取りは約一万一千円ぐらいで、
管制官手当
も支給されていなかった
状況
であります。また、同じ
場所
で働いている
自衛隊管制官
と比較した場合、相当低いとのことでありました。また、現在十五人の
管制官
のうち、病気、
事故等
で六人が休んでいる
状況
でありました。現在の
管制方法
がワンマン・
コントロール
を建前としているとき、今回の
事故
の実態から見ても、
管制官
の
職場環境
の
改善
と
待遇
の
改善
とは、きわめて重要問題であり、その
解決
を強く
要望
するものであります。 次に、
空港協議会
との
懇談会
の
状況
について申し上げます。
協議会
の構成は、愛知、岐阜、三重の三県知事、
県会議長
、各市長、
商工会議所等
から成っており、当日は
会員
約三十名が参集され、
会長主催
の
もと
に、終始熱心な
要望
がなされました。
要望
の
趣旨
は
書類
によって提出されましたが、それは先般の当
委員会
において、印刷し各
委員
に配付されましたものと同
趣旨
でありますから、それによって御承知を願いたいと思います。 ただ、これと関連して
発言
されました
諸点
について申し上げますと、今回の
事故
に関して、特に
共同使用
を廃止して、
民間専用
にしてほしい、
自衛隊
は近くにある
各務原飛行場
を整備して移転することを考慮してほしい、そして、
名古屋空港
を
国際商業空港
にされるようにとの強い
要望
がなされました。
共同使用
にあたっては、
民間団体
をも含め、
自衛隊
、
運輸省
の三者による
話し合い
の場を作り、民主的に
運用
をはかるべきである、また今回の
事故
にかんがみて、
自衛隊
と
民間
との
無線周波数
の
統一
、
ジェット機訓練回数
の制限、
管制官
の
指示権
についての
法的根拠
の
明確化
、
航空便
による
貨物輸送
の
強化等
についての
要望
がなされました。 なお、北里村村長から、未
買収土地
千坪について
交渉
中であるが、地主は
飛行場
が
民間専用
になることを
条件
としておってその
交渉
に困っているとの
発言
がありました。また他の
会員
から、
航空新聞ウィング
に記載されている
源田空幕
の
発言
を引用され、F86Dの。
パイロット
は、
離陸
に際しては内部の諸計器の点検が必要なので、レシプロのように
前方
ばかり見て
離陸
するわけにはいかんとか、
訓練
はまだ不足で、さらに猛烈に行なわなければならぬとかの
発言
は、末端に与える影響を考えると心配である旨の
発言
もありました。 大体主なる点は以上のような次第であります。これで
空港協議会
との
懇談会
についての
報告
を終わります。
最後
に、今回の
視察
を通じ特に付言したいと思いますのは、やはり
共同使用
の点であります。根本的に
性格
、
目的
の異なる
自衛隊
と、
民間航空
との
共同使用
におきましては、
空港運用
上もきわめて問題が多く、現実問題として完全な
意思統一
に基づく
共同使用
は困難なのではないかと思われたのであります。今回の
事故
も
共同使用
の欠陥の現われであると見ることもできるのでありまして、今後の
事故防止
の上からも、単に
名古屋空港
だけではなく、他の
飛行場
においても分離の方向に進むべきであることの認識を深く持ったのであります。 なお、
飛行場
諸
施設
の充実をはかるとともに、
管制官
の
技能向上
の
指導
と、
管制業務
の厳格を期し、
離着陸
の確認をさらに明確にし、航行の安全に万全を期するよう、
関係者
の一そうの注意を喚起したいと思うのであります。今回の
事故
による
犠牲者
に対し、心から弔意を表して
報告
を終わります。
平島敏夫
5
○
委員長
(
平島敏夫
君) ただいまの
報告
について御質疑のある方は順次御
発言
願います。
小酒井義男
6
○
小酒井義男
君 私はただいまの
報告
に対する直接の
質問
ではないのでありますが、
現地
に
調査
に参った一人として、少しただしたいことがありますが、そういう
質問
でよろしうございますか。
平島敏夫
7
○
委員長
(
平島敏夫
君) けっこうでございます。
小酒井義男
8
○
小酒井義男
君 やはり根本的な
解決
ということになりますと
共用
の問題になりますし、それに対する今後の
方針
を
政府
に
お尋ね
をするということについては、私は次回に譲りたいと思うのですが、
昭和
三十三年の八月に
小牧飛行場
の
使用
について
運輸省
、
防衛庁
の次官の間で
覚書
がかわされて、それで
現地
に
説明
に行かれて、いろいろ取りきめられたことの承認がされておるようでありますが、それに基づいて
現地
では、
運輸省
の出先と
防衛庁
の
現地
の部隊、新
三菱
との間で、いろいろ
飛行場
の
使用
についての
協議会
というものが持たれておるようですが、本省の方でこの間にどういうことが行なわれておるか
お尋ね
をしておきたいのです。
辻章男
9
○
政府委員
(
辻章男
君) お答え申し上げます。今、
小酒井先生
から御指摘もございましたように、
小牧飛行場
の
管理等
に対する
覚書
には、
中央
及び
飛行場
に
協議機関
を設置するものとするということが掲げられてあるのでありますが、実は結論を先に申し上げますと、
現地
ではこれに基づきまして
協議
をいたしておりますが、
中央
はこの条項に基づきまする
協議機関
は設置いたしておりません。ただ
防衛庁
の方と私どもの方とは、
小牧
に限りませず
施設
の取り扱い、またその維持の問題あるいは
管制
その他の問題で、実は常時
適宜打合会
をやっておりまして、そういう際に
小牧
の問題も議題として
討議
をいたしておるというふうなのが
現状
でございます。
小酒井義男
10
○
小酒井義男
君 そうすると、少し
覚書
の
内容
にあるようなことがやられておらないことになるのじゃないかと思うのです。私の調べた
覚書
では、
今井監理部長
が
現地
に行ってされておる
説明
によると、こう言っておるのです。これは
使用
についてでありますが、
防衛庁
は三ヵ月
ごと
に
飛行場
の
使用計画
をきめて
文書
で提出する、この場合、
運輸省
は
民間航空機
の運航上支障があると認めるときはその変更を求めることができる、まずこのために
中央
、地方に
協議会
を設ける、このように
二つ
の
覚書
では
民間優先
の
原則
をきめておりますと、こういう
説明
をしておるのですね。そうすると当然
防衛庁
は三ヵ月
ごと
の
計画
というものを書面で
運輸省
に出さなければならぬことになっておるのです。それを
防衛庁
はなぜおやりにならぬのか、その点を
防衛庁
の方に
お尋ね
します。
小幡久男
11
○
政府委員
(
小幡久男
君) お答えいたします。
お尋ね
の三ヵ月の
訓練計画
につきましては、
現地
の三
航団司令
から在
小牧
の
航空管理司令
に出しております。
現場
で
調整
しております。
小酒井義男
12
○
小酒井義男
君 そうすると、この
覚書
によれば、私は
中央
でそういうものが出されるような
内容
に受け取れるのですが、そういう点の解釈はどうなんですか。
辻章男
13
○
政府委員
(
辻章男
君)
現場
として話がつきますものにつきましては
現場同士
で、今
防衛庁
の方から御
説明
がありましたようなことでけっこうであると考えております。
江藤智
14
○
江藤智
君 ちょっと関連いたしまして御
質問
したいのですが、こういう軍と
民間
との
共用飛行場
のこういう
管制
については、基本的な何か
規則
というか申し合わせというか、そういうものがあるのですか。
辻章男
15
○
政府委員
(
辻章男
君) これは
文書
でどういうふうにやろうという申し合わせたものはございませんが、大体
民間
の方とそれから
防衛庁
の方と非常に密接に関係いたしますものにつきましては、先ほど申し上げたような
連絡会議等
で
協議
いたしまして、
双方
から人を出してやっております。
江藤智
16
○
江藤智
君 今のように、ただ
協議
をやる、
双方
で人を出しておるというような程度じゃ、どうもはっきりしないのですな。ということは、事安全に関する問題ですからね。ですからもっと根本的な
方針
というものがあると思うのですよ。もしそういうものがあれば、それについて、それからそういうものがなくて、個々の
飛行場
について
覚書
か何かかわされておるならば、やはりその
覚書
というもの、
小牧
あるいはその他主要なものでけっこうですから、一応それについて
説明
をしていただきたい。われわれはそういう
覚書
なんかについてはまだ全然白紙なんです。これから入るわけで、
現地
に行かれた方は、そういうあれがあったかもしれませんが、そういう
資料
を
一つ
出していただいて、一応そういう
共用
の
場所
についての根本的な
管理
の
方法
、あるいは
管制
の
方法
についての
原則
を
説明
していただきたい。
辻章男
17
○
政府委員
(
辻章男
君) ただいま御
要望
がございました点につきましては、さっそく
資料
を提出いたしたいと思います。
江藤智
18
○
江藤智
君 おそらく
米軍
の
管理
のものがこういうふうに解除された場合に、そういう根本的な
管理
あるいは安全の
確保
ということについての
方針
というものが、
防衛庁
と
運輸省
との間に当然されておらなければいかぬ。ですからそういうことについて
一つ次
の機会でけっこうですから、よく御
説明
願いたい。
小酒井義男
19
○
小酒井義男
君 そうすると、今まで
現地
の
話し合い
ですべてが
解決
がついてきて、
中央
で問題になったというようなことはなかったのでしょうか。
辻章男
20
○
政府委員
(
辻章男
君)
小牧
の
飛行場
に関しましては、
現地
で
話し合い
がつかずに
中央
で
調整
をとらなければならぬような事柄はございませんでした。なお恐縮でございますが、ただいま
江藤先生
の御
質問
に関連しまして私失念しておりましたが、
運輸省
の
航空行政
と
自衛隊
の
業務
との間の
調整
に関する
覚書
のようなものが、昨年六月に両
大臣
の間で長い
間討議
の結果できておりますので、これもこの次の
委員会
に提出させていただきます。
小酒井義男
21
○
小酒井義男
君 それからもう
一つ
、
覚書
当時の
小牧飛行場
を
防衛庁
が
使用
をした
目的
なり
性格
と、現在の
防衛庁
が
小牧
に置かれておる
飛行場
の
使用
とは、その
目的
としては私は相当
性格
が変わってきておるのではないかと思うのです。そういう点についてどういう御見解を持っておられるか、両省の
政務次官
に
一つお答え
を願いたいと思います。
小幡治和
22
○
政府委員
(
小幡治和
君) 大体初めに
小牧
の
飛行場
を
自衛隊
が使わしていただくときは、
訓練
をアメリカの
指導
によっていろいろ受けるということで始まったわけなんですけれども、だんだんこちらの
ジェット機
の整備もできて参りまして、そしてあすこに
航空団
を置くというふうなことになって充実してきておるという
変化
はあります。しかし基本的な根本的な
変化
というものはありませんが、だんだんそういうふうに
機数
もふえてきておるし、またこちらで
航空団
という
一つ
の組織も作って本格的にやり出したという意味の
変化
というものはあります。
辻章男
23
○
政府委員
(
辻章男
君) ただいま
防衛庁
の方からも御
説明
がありましたように、私どももそれと同じ感じを持っております。
小酒井義男
24
○
小酒井義男
君 これは表現の
方法
が、私は専門的なあれでないですからあれですが、
訓練
の
性格
から、実戦部隊という
性格
に私は変わっておるというふうに考えておるのです。そういう大きな
変化
があったことは、私は
民間優先
というこの安全性を守っていく上において大きな事情の変更が生まれてきておると思うのです。そういうことに対してそういう重要な問題については、私は
中央
で
防衛庁
、
運輸省
間で何らか一回ぐらいは
協議
をする機会が持たれなければならぬと思うのですが、先ほどからそういうことは
中央
ではなかったとおっしゃっておるので、そういうことではたしていいのかどうか。
小幡治和
25
○
政府委員
(
小幡治和
君) そういうふうに
現地
の
ジェット機
というものが整備されて来、また
一つ
の
航空団
というものができたということで、今小酒井氏の言われる量質ともに強化されてきているじゃないかというふうな面につきましては、その
通り
なんですが、そういう推移に応じましては実は
現地
でこまかくいろいろ
協議
をいたしまして、そして
民間航空
等に支障のないようにそこらは十分
現地
で
協議
の上やっておるわけであります。そういう面、ただ
中央
で何らの話がないじゃないかということですが、それはただそういう
小牧
についての取りきめというものは
小牧
にまかしておりますけれども、しかし全体としてのそういう動きについては
中央
でときどき会って話をしておるわけで、全然知らぬ、
現地
だけでやっておるということではございません。
小酒井義男
26
○
小酒井義男
君 それから
中央
ではこの
覚書
というものの精神は両省において確認をせられておると思うのですが、いわゆる私が先ほど言いました
民間優先
という建前はあると思うのですが、それがはたして
現地
でそういう精神で
飛行場
が使われておるかどうかということについては、私は若干疑問を持ったのです。これは言葉じりをとらえるようですが、一番端的な
現地
の考え方だと思って私が聞いてきたのは、この
自衛隊
関係の某幹部が、とにかくこの
飛行場
へ
民間機
が割り込んでくるのでという、こういう
発言
をせられたのです。これは私はやはり
自衛隊
の
飛行場
に
民間
の
飛行
機が割り込んできたという、こういう頭が平素からあるから
発言
として出てきたというふうに私は受け取ったわけなんです。そういう点で
運輸省
の出先と
運輸省
の
中央
、あるいは
防衛庁
の
中央
と、
小牧
の
現地
における
飛行場
の
使用
の考え方、認識の点において相当ずれがあるのではないか、こういう印象を私は受けてきましたので、こういう
覚書
などを出して
質問
をしておるのです。そういう点について私の受けてきた感じが間違いであればけっこうですが、そういう危険性といいますか、ずれというものがあるというふうにお考えにならぬかどうか。
小幡治和
27
○
政府委員
(
小幡治和
君) 今の
覚書
も、これは先ほど
中央
と
現地
のことを
話し合い
ましたが、この
覚書
も両事務次官の
中央
の
覚書
、
話し合い
でありますし、またそれに基づきまして各
局長
同士のまた
覚書
もあるというわけで、この
覚書
はただ
中央
にあるだけではなくてそのものはやはり
現地
に行っておるわけでありますから、それにのっとって
現地
でもってやっていると思うのですが、ただ今小酒井君の御心配は、実をいいますと、あそこをやはり
自衛隊
の方は相当先ほどお話し申し上げましたように強化されてきておりますから、一日にあそこらでやはり六、七十回も使うということになってきております。
民間
が使う何倍というふうに使っておるような格好がありますので、そういう印象もあったかと思いますけれども、われわれとしてはあくまでも
共用
のものであり、またいろいろな
管制
なども、むしろ
運輸省
の
管制
の一元化の
もと
にわれわれがその下で従ってやっておるわけですから、そういう考え方は出てこないのじゃないかという気がいたすのでありますけれども、
現地
の
発言
につきましてもそういう気持は私はないと思っております。
辻章男
28
○
政府委員
(
辻章男
君) 先ほど
小酒井委員
からの御指摘も
中央
には全然話がなしに
現場
でやるかということでござ いますが、これは昨年の暮近くだったと思いますが、特に防衛
局長
からお話がございまして、
名古屋
の
小牧飛行場
でエスコート・スクランブル、何と申しますか、これは演習でございますが、味方の
飛行
機で空中で位置を見失った、つまり迷い子になった
飛行
機をできるだけ早く味方の
飛行
機が誘導して、地上へ着陸させるという
訓練
をしたいという申し入れがございまして、私どもの方で内部で相談した結果、けっこうでございますということを申し上げまして、それを実施されておるように伺っております。その点を御
説明
申し上げます。
小酒井義男
29
○
小酒井義男
君
防衛庁
の次官、今私が言っているようなことはないと思うとおっしゃっておりますが、そういう危険性はあります。これは
一つ
そういう点は出先に十分、
覚書
の精神を尊重をするような
指導
をやはり私はしていただく必要があると思うのです。やっていただけますか。
小幡治和
30
○
政府委員
(
小幡治和
君) もちろんこれはもう本省同士で話し合っておる
覚書
ですから、出先はこれに従わなければならぬのは当然でありますので、もしそれに
もと
るような気持なり言動なりがありますれば、この
覚書
に従っていくようにとくと伝達いたすつもりであります。
大倉精一
31
○
大倉
精一君 関連して、
使用
目的
が変わってきたという点について、本省の方ではいろいろ話があったかもしれませんが、
現地
の方では、あそこの何といいますか、
名古屋空港協議会
というのがありますね、あるいは愛知県議会もありますが、
現地
においてはだまされたという感情があるんですね。というのは、初めは
訓練
だけならいいじゃないかということだったのだが、今ではりっぱな実戦部隊にしているというふうにも言っております。でありますから、
現地
の
民間
の方では、そういう了解をしていないと私は思う。それから
現地
の空軍司令ですか、これが言っている
発言
の中に、今小酒井君が言った
発言
の中に、
小牧
の
飛行場
は
訓練
上においても作戦上においても、第一級の
飛行場
という
発言
があるんですよ。そうしますと、あそこは
民間優先
ということは、全くの言葉の上だけであって、作戦上も第一級の
飛行場
である、
訓練
の上においても第一級の
飛行場
ということになれば、これは自然に
民間機
が割り込んでくるというような
発言
になってくるのじゃないと思う。あの
小牧
の
飛行場
を
防衛庁
の本庁において、どういう工合に評価されておるのですか、作戦上、あるいは
訓練
上。
小幡治和
32
○
政府委員
(
小幡治和
君) 先ほどお答え申し上げましたように順次充実してきた。そのつど
現地
には
自衛隊
の方から十分話をいたしまして、そうして、こういうふうにだんだん強化されてきている。それについてはこういうふうにしようじゃないか、またああいうふうにしてくれというような了解というものは得ている。また漸次そういう点については何度も話し合って了解の
もと
にやっているということをわれわれとしては聞いているわけなんです。それともう
一つ
は、今
民間優先
というお話がありますけれども、われわれとしては、
民間
の
飛行
機の発着というものをじゃましないという意味で言っているのでありまして、別に
民間
がすべてに優先するのだというような意味の言葉というものは、今
運輸省
の方とも話してみたのですが、
民間優先
というそういう言葉は使っていないわけでございます。要するに、両方が
共用
でございますが、お互いがじゃましないように話し合って、両方とも円滑にいくようにということで、われわれとしては三ヵ月
ごと
に
計画
を出し、それについて了承を求めてやっているわけです。それから今の
管制
の
指示
なんかも、これはむしろ
運輸省
の
指示
に従ってわれわれは動いているわけでありますから、独自でこちらがやるということは一切ございません。そういう点で今
大倉委員
いろいろ御心配になりましたが、われわれとしては仲よくいっている、そういうふうに考えている。しかし
現地
で、先ほど
小酒井委員
の言うように、少し違った点があれば、われわれとしてはこの考えの
通り
に進めるように努力いたしたいと思っております。
大倉精一
33
○
大倉
精一君
現地
で聞いた私の感じとあなたの今の御答弁の感じとは、非常に食い違っていると思う。これは私の聞き違いであれは訂正をいたしますけれども、現在のお話ではどうもだまされたんだというようなことを言っておりました。そこで、おそらく充実したとおっしゃるけれども、初めは
訓練
だけやると言った
飛行場
の
使用
目的
が、作戦行動の基地になっている、そうじゃないですか、初めは
訓練
だけ、
訓練
基地であったものが、現在では第一級の作戦基地になっている、こういうふうにわれわれは
現地
で伺ってきたのですが、その点はどうですか。
小幡久男
34
○
政府委員
(
小幡久男
君) 第三
航空団
が第一級の作戦基地になっているじゃないかという御
質問
がございました。それについてお答え申し上げます。三航団はやはり
訓練
――実質は
訓練
中心でございます。現在は総隊司令部の
もと
にありまして、作戦師団にはなっておりますが、千歳と違いまして、領空侵犯に立ち上がるというような任務はあそこには与えておりません。実際は
訓練
中心の作戦部隊ということになっております。
大倉精一
35
○
大倉
精一君 そうしますとあれは作戦行動の任務を持った部隊じゃないという工合に了解してもいいんですか、あすこの航空兵団は。
小幡久男
36
○
政府委員
(
小幡久男
君) 作戦任務はそのつど長官から
指示
して与えるわけであります。現在千歳がその例でございますが、
小牧
は千歳のように現在作戦任務は現実に与えておりません。その点千歳とは若干違っております。
大倉精一
37
○
大倉
精一君 そうしますと
小牧
にいる航空兵団の任務はどういう任務ですか、どういう部隊ですか、部隊の
性格
は。
小幡久男
38
○
政府委員
(
小幡久男
君) 総隊司令部の下におります作戦部隊ではありますが、現在は作戦任務を持たない、
訓練
を主にしておる部隊でございます。
大倉精一
39
○
大倉
精一君 やはり作戦任務を持つと私は思うのです。ある航空兵団はただ
訓練
部隊じゃないと思うのですが、今の答弁におきましても現在は作戦任務を持っていないとおっしゃるが、作戦任務を持つ部隊です。ただ教育兵団じゃないと思うのです。
小幡久男
40
○
政府委員
(
小幡久男
君) 教育師団司令部に属しないという意味では正式の
訓練
師団ではございません。作戦可能の作戦師団でございますが、ただ現実に作戦を行なうという任務は現在持っておりません。従って潜在的にはあるのでございます。
大倉精一
41
○
大倉
精一君 大体答弁はわかるような気がしますけれども、大体
状況
が起これば直ちに作戦部隊として
小牧
の
飛行場
は第一級の作戦基地として
使用
される、こういう予定をされていると思うのですが、いかがですか。
小幡久男
42
○
政府委員
(
小幡久男
君) それは時の情勢にもよりますが、その基地がそういう任務を持つべき時期が到来いたしますれば、そういうことになると思います。
大倉精一
43
○
大倉
精一君
民間優先
とか何とか言うけれども、結局あすこは軍の重要なる虎の子基地なんです。だから先ほどの
小酒井委員
の
民間
が割り込むというような言葉が出てくる。それから頭の中ではおれたちは国の空を守る重大な隊部だ、
民間機
がこれに割り込んでくるというような言葉が出てくる、そこに
現地
が必ずしもしっくりいっているかというと、受けた感じがそうでないような気がしますから、そういう点について
現地
の実態を把握して遺憾ないようにしてもらいたいと思います。
松浦清一
44
○
松浦
清一君 私もしろうとだし、両次官もおそらく専門家ではないと思いますので、
お尋ね
をするうちにわからないことが出てくれば、
都合
によっては
防衛庁
長官、運輸
大臣
そろって御
出席
をいただいて
お尋ね
をしなければならぬことになるかもわからぬ。私ども最初しろうとの悲しさで、
共用
々々という言葉を使っているものだから、完全にあすこの
小牧
の
飛行場
は
運輸省
の所管であって、
自衛隊
が一時借用している、使わしてもらっている、そういう形に置かれているものだという考えでおったところが、実態は
共用
ではなくて共有になっている。名目上は
運輸省
の所管するところの
飛行場
であるかもしれないけれども、
滑走路
を除いて、用地も建物も全然
運輸省
と別々に所管している、こういうことです。そこであすこに行ったときにもらってきた二枚の名刺がここにありますけれども、
一つ
は
運輸省
の
名古屋航空保安事務所
の所長、
一つ
は
航空自衛隊
第三
航空団
司令兼
小牧基地
司令の名刺がありますが、名
目的
にはこの
運輸省
の
名古屋航空保安事務所
があの
空港
の全体の所管をしておるように見えるけれども、あの中に入って実態を見ると、そうではないんだね。実態は
自衛隊
の方が非常に強い勢力を持っているという、そういう印象を中に入って見れば受けるわけです。そこで
飛行
機の数も
自衛隊
が多いし、
飛行場
全体を使う度数からいっても
自衛隊
がうんと多いわけなんで、どうしても
運輸省
関係の
民間機
の方は、名
目的
には
運輸省所管
の
空港
であるけれども、実際の
使用
する実勢力というか、実力というものは
自衛隊
が掌握しておるというような形ではないか。そういう感じを私どもは受けてきたのでありますが、そこで一ぺんに尋ねてしまいますけれども、今問題になりかけた単なる
訓練
用の
飛行場
と考えるか、一たん事があればやはり
飛行
基地として参戦するようなことになりはせぬかということが
一つ
の心配になるわけですね。今安保条約の審議をやっておるが、どうなるかしらぬが、あれが通れば極東の平和と安全が侵されるという事態が起こって、日本が参戦をしなければならぬということになれば、
防衛庁
の長官は
航空自衛隊
に対して参戦の
方法
等について
指示
をしなければならぬ。そうすると、
小牧
の基地も
指令
を受けて参戦をしなければならぬ。何年間も何ヵ月もかかって
協議
をしておるひまはないということが安保条約の審議の過程を通してよく問題になっておるが、さあといったときにどういうことになるのか、あの
飛行場
そのものの
使用
をすることは、
運輸省
の
航空保安事務所
の所長の許可を得て、第三
航空団
司令兼
小牧
の基地司令の丸田空将補がその久保さんの許可を得てあすこの
飛行場
を参戦のために使う、こういうことになるのですか。実際問題が起こったときにどういうふうになるんでしょうか。
民間
の旅客機は追っ払われてしまうということになりはせぬか。三ヵ月
ごと
に
計画
を出して今やっておるんでしょう。
小幡治和
45
○
政府委員
(
小幡治和
君)
小牧飛行場
の
共用
というやつは、やはり
現地
できっと図によって御
説明
もあったと思いますけれども、要するに
運輸省
の方の持っておるものと
防衛庁
の方で持っておるものとがあるわけなんです。そしてそれにまた供用部分というものもあるわけなんです。ですからそれぞれの分野においては、これはまあ
運輸省
が全体を持っておって、それをこっちへ貸してもらっておるという格好じゃないわけです。そういう意味で、まあ
防衛庁
、
自衛隊
としては、みずからの持ち分といいますか、持っておるものについては独自で権利を持っておるわけなんであります。決して貸してもらっておるという格好じゃありません。ただまあ今お話しのいざという場合にどうなるかということなんですが、そういう場合は結局そのときの
状況
によって判断するより仕方がないと思いますけれども、まあそのときの
状況
で、どうしても使わしてもらわなくちゃならぬというふうな
状況
になりますれば、そこでまた
運輸省
の方と御相談をしてやる、
協議
をしてやるということになると思います。しかしまあそういうような事態にならぬ限りにおいては、今言った
防衛庁
の方は
防衛庁
の方、
運輸省
は
運輸省
、
共用
部分は
共用
部分というように
協議
をしてお互いに支障がないように進めていくということにやっておるわけであります。今お話しのいざという場合に至りますれば、まあそのときの
協議
でやるよりしようがないと、こういうふうに思っております。
松浦清一
46
○
松浦
清一君 僕が心配するのは、そのときに
協議
をするというようなことになれば、結局いい
飛行場
だといって
自衛隊
が喜んでいるんだから、
民間
の方が追っ払われて、
自衛隊
主体の
飛行場
になりはせぬかということを心配するんですよ。それを結論をその先の方を言つちまえば、共同というのはちょっと無理じゃないかという感じを僕は持っておるわけなんですね。地元の人も全部
共用
ということは無理だと言っている。
共用
である限りにおいては、北里村かどこかの村長も言っておったけれども、千坪の土地を手放すわけにはいかない、
民間
だけで使ってくれるならしようがない、国際
空港
になって
民間
だけで
使用
するならばこれはしようがない、しかし
共用
である限りは手放すことはできない、こういうことをその村長ははっきり言っている。だから、その村長のみならず土地に関連していろいろな問題が起こっているところの人たちと
懇談会
を開いても、そういう方面の人は
共用
ということは困ると
発言
している。ですから、僕らがそういうことを言い出しているということは、何とかこれを分割して別々に分離する
方法
というものはないだろうか、こういうことを今から心痛している。事が起こったらそのときそのときで相談するとおっしゃるが、事が起これば軍の重要な空軍基地になることは今の状態では明らかだと思う。だから、
共用
だ、
共用
だ、そうして
運輸省
の所管の
飛行場
であるというようなかわいらしい言葉で今までまるめられてきておるけれども、実際はそうでなくなるという危険性を私どもは憂慮しておるわけです。安保条約が通らなければ別だけれども、あれがもし通ってその体制がはっきりしてくると、これは軍の力というものは非常に強く入ってきて、国際
空港
というような地元の
要望
というものは押しつぶされてしまう。そういう危険性を痛感するわけです。そんな心配はないと言い切れますか。そのとき御
都合
のいいように相談をする、これ以外にはあなたは言えないでしょう。
小幡治和
47
○
政府委員
(
小幡治和
君)
共用
しておるから非常に支障があるというふうな前提の上にいろいろお話があるようでございますが、私はそれはもう全然別個にこれができればこれにこしたことはないと思います。しかし今日のいろいろな実情から見まして、別個にあれだけの大きな
飛行場
を作るということ
もと
てもできません。そういう面でやむを得ず
共用
ということをいたしておるような次第でありまして、そういう点からいきますれば、結局
共用
してもお互いに支障がないようにどうすればいいかということを、もっともっと研究すべきじゃないか。そういう点を私は今度の事例にもかんがみまして、もっと研究し、またあそこの
両者
の間を緊密に調和させていきますれば、
共用
していても平時においては別に支障がないようにいき得るのじゃないかというふうに私は思っております。いざという場合に――たとえば安保条約との関連においての御
質問
ですが、いざという場合、安保条約の発動というときには、いわゆる侵略が行なわれたときですから、もう日本の国土に侵略が行なわれているようなときには、やはりこれを排除するという意味において日本の国としても全面的に立たなければならぬというようなときになると思います。そういう場合には私は
運輸省
と話をして、そこはその
状況
によりますけれども、
中央
の
大臣
同士の話になってこれはきっぱりと話がつくのじゃないかというふうに思っておりますので、そういうような
状況
におきましては非常の事態でございますから、非常の事態においては非常のいろいろな
協議
というものもあり得ると思います。
松浦清一
48
○
松浦
清一君 ここで安保条約の論議をするつもりはありませんけれども、あなたの安保条約に対する
内容
の理解がちょっと足りない。日本が侵略されたときだけ日本の軍隊が発動するというだけじゃない。いわゆる極東の範囲が問題になってきて、日本から日本の土地以外の所にも日本の
飛行
機が出ていく可能性というものが安保条約の中に出ている。そういう場合には軍に専用されるおそれがある。今度のような
事故
が起こらなかったならば、われわれはまだだまって円満に
共用
していくことを黙認しておったかも上れないが、今度の
事故
が起こったから、この機会に
共用
、
民間機
と軍用機の
飛行
機が
共用
するということは無理だということを認識されて、そうしてそれはすぐあすどこかに行ってくれというようなことはおそらくできないけれども、その
計画
を立てる必要があるのじゃないかということを私どもは言っているわけです。地元の各務原はどうなっているか知らぬけれども、各務原だってりっぱな所だから使えるということを
現地
の人は言っている。使えるか使えないかは私は知りません。知りませんけれども、こういうことの起こったことをチャンスにして、そして分離をするというその
方針
をお考えになる必要はないかと、こういうことを申し上げているわけなんです。だからおざなりの質疑応答なら、あなたのおっしゃることでそれは済むかもしれないけれども、そういう
計画
を立てるのにはいいチャンスじゃないかと思うのだね。これは、今の結果は司直の手に渡っているのだからわからぬけれども、行って実情を聞いてみるといろいろ言う人がある。
民間側
の方は、
ジェット機
から全日空の
飛行
機が見えたと言うのだ。同じような
状況
で
自衛隊
の人は見えなかったと、こう言うのだ。それは調べてみなければわれわれが今とやかく論議すべき性質のものでは、それはありませんけれども、そういうことなんか心理的に非常にいろいろ対立しているわけなんです。円満にやっている、円満にやっていると言うけれども、そんなことはな。心理的にはもう完全に対立している。だから、新たに
自衛隊
の使う
飛行場
を作って、そしてやるということは、予算の伴うことだから、ここでこういう工合にやりますということをはっきりおっしゃることはできないだろうけれども、こういうチャンスにやはり分離する方がいいんだという考えを持たれて、その
計画
を進められる必要はないかということを申し上げておるので、そういうことになると、あなた方では、そういたしまし、よう、とおっしゃることは無理であろうから、
防衛庁
長官なり運輸
大臣
なりに、おそろいの上で話をしなければいけないと、こういうことを申し上げておるわけです。
小幡治和
49
○
政府委員
(
小幡治和
君) まあ、理想からいいますれば、分離してそれぞれの
飛行場
を持つことが一番いいと思います。ですから、これをチャンスにそういう方向に進んだらどうかと、これは
大臣
なり長官なりの
意見
を聞きたいというお話でありますが、私の方の長官といたしましても、独立のあれが持てれば一番いいということははっきり言っております。しかし、今日の
現状
からいきまして、それじゃそれをどこの地域に求めて、それができるかというと、これは非常に至難な問題でありまして、実は各務原の問題を考えてみておるわけでありますが、しかし、各務原も御存じの
通り
、あそこのあの
状況
では、とても
ジェット
飛行
機のあれには通用できぬような
現状
であります。そういうわけでまあやむを得ず
共用
というふうなことになっておるわけでありますので、今お話の、そういう方向としては、まあわれわれもそういう希望は持っておるということだけはっきり申し上げておきます。
松浦清一
50
○
松浦
清一君 それで分離するといったって、それはきょうやあすにそんなことができるはずのものでないことはよくわかるのですよ。わかっておるけれども、方向をやっぱりはっきりきめられる必要がある。これはまああなた方の方の次官はよくわかるから、あなたがここでそんなことをおっしゃったって、かわった次官にどないもしようがないから、やはりいつかの機会にこの結末をつけるときには――これは
委員長
にもお願いしておくけれども、やっぱり運輸
大臣
、
防衛庁
長官にも来てもらって、じっくりと相談をして、そういう
方針
を立てて、何十億も、もっとかかるかもしらぬ、新しい
飛行場
を作るということなら、大きな予算を伴うことじゃから、
方針
としてはそういうことをこの機会にお考えを固められる必要があろうと、こう思うので聞いているわけなんです。そんな、あなた、
飛行
機――ああいう
事故
があったからことし中にどっかへ
自衛隊
、行って下さいなんという、そんなわけのわからぬことを言おうとは思わない。考えを固められるのにはいいチャンスじゃないかと、こういうことを申し上げている。 それから、こまかい話になりますけれども、
自衛隊
の方から三ヵ月
ごと
に
計画
を出すようになっておるわけですね。そうすると、三ヵ月間絶対に狂うことはありませんか、
計画
というものと演習の状態と。
小幡治和
51
○
政府委員
(
小幡治和
君) 三ヵ月の
計画
は相当前の
計画
でありますので、時にはやはり変更がございます。そのつど
航空保安事務所
と相談しまして了解を得ております。
松浦清一
52
○
松浦
清一君 それは、向こうの
小牧
の
自衛隊
の方の基地の司令が、向こうの保安事務所長に話を取りつけて、そうして、あした、こういう工合に変わりますからということになるのですか。向こうへ行って聞いたところによると、
離陸
する
ジェット機
というものは予定より十分か十五分おれるということがあるそうですね。そういうこともそのつど、連絡をとるわけですか。
小幡治和
53
○
政府委員
(
小幡治和
君) そのつど、とっておると思います。
松浦清一
54
○
松浦
清一君 思いますじゃ困る。そんなことが
事故
を起こす
原因
になっておる。
小幡治和
55
○
政府委員
(
小幡治和
君) 今おっしゃったように、向こうの
飛行
機の着陸が非常におくれまして、そのとき、その事態の起こったという場合には、そのつど、とりましょうし、前日からそんな
計画
が変更があるということがわかっておるときは前日とるというふうに、ケース・バイ・ケースで
調整
しておるというふうに思います。
松浦清一
56
○
松浦
清一君 その
計画
が完全に連絡がとられる限りにおいては、
事故
は起こらぬということですね。
小幡治和
57
○
政府委員
(
小幡治和
君) 結局、それを容認して、
管制
的見地から許可するのが
航空保安事務所
でありますから、そういうことがスムースにいっておる限りは、まず
事故
はないと思います。
松浦清一
58
○
松浦
清一君 そうすると、今度の
事故
は、結局は
管制官
の誤認、それから
ジェット機
の平野
空佐
ですか、あの人、どっちの責任になるかわからないけれども、
事故
の
原因
というものは、この二人の責任であった、こういうふうに断定できるわけですか。
計画
全体そのものにそごはなかったわけですね。
小幡治和
59
○
政府委員
(
小幡治和
君)
計画
にそごがあったとは思っておりません。ただ、そのときの
指示
並びにそのときの操作という点において、ああいう
事故
が残念ながら起こったというふうにわれわれはとっております。
松浦清一
60
○
松浦
清一君
飛行場
施設
や何かに不備な点はなかったでしょうか、
運輸省
の。
航空局長
どうですか。
辻章男
61
○
政府委員
(
辻章男
君)
名古屋
の
管制
上の
施設
といたしましては、大体ほかの一般の
空港
と――東京の羽田の
空港
と比べますと見劣りいたしますが、その他の
空港
に比べまして特に見劣っておるという点はないと考えております。
小酒井義男
62
○
小酒井義男
君 関連してちょっと一点だけ、
防衛庁
次官に。 先ほどの御答弁されておる過程で、あそこを
自衛隊
だけで使わなければならぬような場合も、そういう場合もあり得るというお話があったのですが、そういう事態は私どもは回避しなければならぬと思いますが、そういう事態がもしあるとしたら――これは仮定なんですが、そうしたときに、
名古屋
という大都市を控えて、周辺に非常に人口の多い犬山であるとか
小牧
であるとかいういろいろな中小都市が取り巻いておる、そういうまん中にある
飛行場
を、そういう非常の状態ができたときにあれを使うということは、私は非常に危険じゃないかと思うのですが、どうですか、そういう点はお考えになりませんか。
小幡治和
63
○
政府委員
(
小幡治和
君) まあ非常の事態ですから、そのときの
状況
によって判断する以外にないと思います。われわれといたしましては、何といたしましても、今、小酒井さんも言われておる
通り
、順序をつけろといえば、それはあまりいい
場所
ではないのですから、あとの順序になると思いますけれども、しかしそのときの非常事態の
状況
によっては、一斉に立ち上がらなければならぬ、あらゆる軍の
ジェット機
の使い得る
飛行場
は全部使わなければならぬという状態になる場合もあると、そういう点をお話し申し上げたわけであります。そうでもない場合におきましては、今お話しの
通り
順序ということになれば、あそこはそういい
場所
とは思っておりません。
松浦清一
64
○
松浦
清一君 ほかの人の御希望がなければ、僕だけでは強くは申しませんけれども、やはり本質的な問題を
防衛庁
の長官や
大臣
がそろったところで、もう一ぺん聞く必要があるのではないかと思うのですが、
理事
会で相談なさってこのままでいいならいいですが、私は……。
江藤智
65
○
江藤智
君 ちょっとそれに関連して
運輸省
に伺いたいのですが、この
事故
対策本部ですね、これでとにかく
大臣
の、これは
運輸省
令でこういうものを設置されて、その項目を見ると
管制
組織、
管制
の
運用
の
改善
、
管制官
の
待遇
、
技能向上
、
飛行場
の
共同使用
の問題、今非常に問題になったのですが、それから
管制
施設
及び航空
保安施設
の整備、こういうものをはっきり早期に具体的
方法
をきめるのだと、こういうお話なんですね。いつごろまでにできますか、これは。
辻章男
66
○
政府委員
(
辻章男
君) これはただいま私どもの方で各担当の課に命じて原案を作成中でございますが、ものによりましては相当期間かかるものもあるかと思うのでございますが、まあ年度早々からこういうことを申し上げて恐縮でございますが、大体予算時期――私どもの役所といたしましては、大体八月か九月には予算要求を全部そろえなければなりませんので、おそくとも八月末ぐらいまでには全部成案が得られる、かように考えております。
江藤智
67
○
江藤智
君 ここで根本的な問題は、もちろん
質問
してもいいのですけれども、やはり非常に専門にも入る事柄ですから、一応こういう項目について検討して、ある程度の成案を得次第、順次ここで
説明
を受けて、そうして検討をするということにしたらどうでしょう。
平島敏夫
68
○
委員長
(
平島敏夫
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
平島敏夫
69
○
委員長
(
平島敏夫
君) それじゃ速記をつけて下さい。
江藤智
70
○
江藤智
君
運輸省
に伺いたいのですが、この当時の気象
条件
で視界二十マイルと出ておりますね。二十マイルというのは、見える限り見えるのだ、この視界二十マイルということは、物体が見えることですか、それともあかりのことですか。
多田寿夫
71
○
説明員
(多田寿夫君) これは物体が見えることです。
江藤智
72
○
江藤智
君 そうしますと、さっきの
報告
の中で
パイロット
、いわゆる
自衛隊
の方の
パイロット
の人は、そういうものを見るのは不可能だ、見えなかったのだ、こういうようなたしか
報告
があったと思うのですが、物体がともかく二十マイルはっきり見えるのが、それが見えなかったというのは、どういう意味ですか。
小幡久男
73
○
政府委員
(
小幡久男
君) お答えいたします。 当時
DC
3とF86Dとの距離は九百メートルですから、ただいまの二十マイル以下であったことはむろんでございますが、御承知のように月あかりが同夜ございませず、非常に視界は暗がりで物を見るのには適していなかったのではないかと思います。それからF86Dは御承知のように高々度を飛ぶものですから、
パイロット
はマスクをつけております。これは
民間機
と違うところでございます。それからさらに風防を締めて飛ぶ前に計器を点検したり、あるいはアフター・バーナーをかけた後には、ブレーキを慎重に見守ったりする関運動作が相当多いのでありまして、
前方
視認というものについては、少なくとも他の
パイロット
よりは非常に制約された
条件
で
前方
を見るという状態にあったと思っております。で、当時の
飛行
士は、光は視認しておると言っておりますが、物体は視認してないと言っております。
江藤智
74
○
江藤智
君 今、
防衛庁
の方は、まあ一般の
民間機
よりもそれは見にくい状態であるだろうということは言われましたけれども、片一方の正式な
報告
には視界二十マイルと、こう出ておって、そうして一方では見るのが不可能だったと、こういうような、まあそこに大きな差があるわけですね。これについて私はどっちの味方もしているわけじゃないけれども、とにかく両方でそれだけのはなはだしい差が起こるということは、これはおかしいのじゃないか。やはり注視を怠ったのか、あるいは実際、二十マイルの視界という、これが間違っておったのか、どちらがほんとうなのか、もう少しはっきりさせたいと思うのですが、まず、二十マイルということから……。
多田寿夫
75
○
説明員
(多田寿夫君) 二十マイル視界という点につきましては絶対に間違っておりません。というのは、その前の時間、それからそのあとの時間、三時間ぐらいずっとはかっておりまして絶対に間違いございません。
江藤智
76
○
江藤智
君 ではこの点はもう少しあとで検討するといたしまして、その次に大きな
報告
の中でやはり差がありましたのは、
パイロット
に
前方
注視の義務があるかないか、すなわち、
タワー
の
指示
といいますか、
指示
は命令であるか許可であるかという点が、非常に食い違いがあるのです。
運輸省
の方はこれは許可だと、こういう
説明
をこの前しておりますが、この点間違いありませんか。
辻章男
77
○
政府委員
(
辻章男
君) 私ど
もと
いたしましては出発の、特にVFRにおきまする出発の許可は、文字
通り
許可的な性質を帯びておるものであるというふうに解釈いたしております。
江藤智
78
○
江藤智
君 先ほどの御
報告
によりますと、
現地
のどなたか
自衛隊
の方の方は、いや、それは命令だと、こういうふうに言われたということでありますが、
防衛庁
の方ではこれは命令と解しておられるんですか。
小幡治和
79
○
政府委員
(
小幡治和
君) この問題は、われわれとしては九十六条に基づきまして、
指示
という言葉が使ってありますが、われわれとしては
指示
と見ておるわけなんです。ですから、単なるばく然とした許可じゃなくて
指示
なんだ、だから、その
指示
に従って行動するのが、われわれとしては通常やらなくてはならんことなんだ、というふうに解釈しておるわけです。もしこれが許可であって、自由に――単に許可をもらっただけで、飛び立っても飛び立たなくてもいいんだというのだったら、
管制
というものは乱れてしまう。やはりこれは、
指示
を受けた以上は、やはり常識的に飛び立たなければ、そこで許可を受けただけなんだ、だから飛び立っても飛び立たなくてもいいんだ、あるいは自分の判断で周囲を一生懸命見詰めておるんだということで、一分も二分もそこでぐずぐずしておったのでは、これは
指示
にならない、また
管制
にならないというふうに、
自衛隊
の方としては解釈いたしておりますので、これが出ますれば
指示
を受けた、だから
前方
においては絶対に安全だ、そのために
指示
が出たんだという意味において、その
指示
に従って行動するということになっており、またそう解釈しておるわけであります。
江藤智
80
○
江藤智
君 まあ
自衛隊
はそういう御解釈のようですが、この問題は相当
一つ
掘り下げなきゃいかぬと思う。とにかくこれだけ重要な問題について
運輸省
側は許可であると考えておるし、
自衛隊
の方は命令と考えておる。私はどっちがいいとも言いません。ただ命令だということについては私は非常な疑問を持っておる。第一それでは、洞爺丸の船長があの場合に、とにかく出発命令を受けて、出て、しかもその責任を問われておるのですね。その判断というものについては、やはり船長がその場合に出たということについて非常な責任を負わされておる。このとき明らかにとにかく出発命令はあそこから出ておるわけですね。列車においてもそうです。出発の合図があって
もと
にかく
前方
注視の義務というものはどこまでも運転手にあるわけです。ですから、目の前にとにかくそれでは
飛行
機がおっても、めくらめっぽう、ただ
管制官
が出てもよろしいと言ったらもう出ていくんだ、もうこれは命令だから出ていくんだと、こういう極端な解釈を
自衛隊
はとっておられるのですか、もう一度
一つ
承りたい。
小幡治和
81
○
政府委員
(
小幡治和
君) まあ私の方としては
指示
としてやはり命令に近いものだと……。しかしそうだからといって注意義務を全然没却してそこにあろうがなかろうが、とにかく命令だから飛び立つというふうには考えておりません。やはり。プラス注意義務というものがやはりあると思います。ただその注意義務というのは、
一つ
の
指示
の
もと
に注意というものを考えなくちゃいかんということなんです。そういう意味で、まあそこで
指示
が出たということで、一応心理的にも安心だという面があってそれから今、視界が二十マイルと、こうありますけれども、われわれだって夜、月のないときに、二十マイル見えるかどうか。これは常識的に私ら、ちょっと考えられんと思うのです。二十マイル先をわれわれの目で見えるかどうか。ことにいろいろなものをかぶったりなんかして、しかも風防もやっておるというふうなことで、そこにプラス注意というものが必要ですけれども、その注意というものの限界というものがある。その限界をこえて注意を要求されても、これはちょっとやりにくいのじゃないか、し得られないのじゃないかという点なんです。問題はそこにあると思うのです。私はこの問題について、やはり許可というふうな点よりも、むしろやはり
指示
として考えて、しかもそこにある程度の限界はあるけれども、注意というものをプラスしていくということで解釈するのが至当じゃないか、こういうふうに考えております。
江藤智
82
○
江藤智
君 今のお話につきましては非常に議論があるのです。実際二十マイル見える、見えないということは言いませんが、とにかくこれだけのお天気で相当の視界がある。しかも
滑走路
というものは全くの直線ですよ、御承知の
通り
。そうしてわずか九百メートルですよ。
滑走路
が二キロ七百のうちの三分の一ぐらいの所にあれだけの大きいとにかく
飛行
機がとまっておるのに、それすら注視をしないで、とにかく命令だからといって飛び立つという面にも相当われわれとしては納得できない面がありますが、もっと私はここで根本的に考えたいことは、それだけの命令とすら考えるのに対して、その命令を出す人は一体だれが出しておるか。わずか
管制官
になって日の浅い二十才代の人が一言言ったら、もうそれが命令だといって、それだけの重要な生命あるいは財産のある
飛行
機をどんどん飛び立たせていくというところに根本的な問題があると思うのですが、そういう点についてはどうお考えですか。
辻章男
83
○
政府委員
(
辻章男
君) そういう点につきましても、先ほどお話が出ておりました対策本部の方におきまして、私どもの方としては根本的に検討したいと思っております。
江藤智
84
○
江藤智
君 そこで私は今度の
事故
の一番根本は、たった一人――これだけの重大な責任のある
事故
が、たった一人のとにかく錯誤によって一応起きたという格好になっておるわけですね。そこが一番問題だと思うのです。人間というものは神様じゃありませんから場合によって錯誤が起こり得る、むしろこういう場合は人間というものは錯誤があるのだ、その錯誤を克服してこそ初めて
管制
であり、いわゆる保安であるのであってその点を
一つ
根本的に考えていただきたい。そこで、
管制
規程といいますか、そういうものがあるのですか。
辻章男
85
○
政府委員
(
辻章男
君) これは
運輸省
令で
管制
規則
というのがございます。
江藤智
86
○
江藤智
君
一つ
その
管制
規則
というのを
参考
に出していただきたい。それには今の
タワー
からの
指示
というものは一体どういう性質のものか、あるいは今の
防衛庁
のように命令と言われ、片方では許可と言われる。これは非常な差があるわけですね、そういう点が。はっきり
管制
、なんですか、
規則
というのにははっきり出ておるんですか。
辻章男
87
○
政府委員
(
辻章男
君) これは法的な解釈……
政府
といたしましては
管制
規則
ではその点は明確になっていないんじゃないかと思われます。
江藤智
88
○
江藤智
君 もう時間もないようですから、きょうこれの結論を得ようとは思いませんが、とにかく
飛行
機というような、非常に、
事故
を起こしたならば、たいへんな
事故
が起こるような運航の
管制
の
方法
としてやはりこういう全部人間の判断にまかせるようなやり方しか今の世界の
管制方法
はないものかどうか、一応そういう点を聞かしていただきたい。
辻章男
89
○
政府委員
(
辻章男
君) これは世界の現在の
管制方法
は
最後
は眼と耳と口にたよっております。その過程におきましてレーダーを使うとかあるいは電子計算機を使っておりますが、最終的には今申し上げた眼と耳と口によってやっておるようでございます。
江藤智
90
○
江藤智
君 そうなれば、なお一人の錯覚というものが直ちに
事故
に結びつかないで、その間にチェックの
方法
が何段階か必ずなければいけないのですね。そういうようなことについて
一つ
十分検討されて、そうしてあなたの方の対策本部で御検討になるでしょうから、
一つ
その結果御
説明
願って、また私は御
質問
いたしたいとかように考えます。
大倉精一
91
○
大倉
精一君 関連して。今の
最後
は眼と耳と口とこう言うのですけれども、この前の
視察
の席上で、
滑走路上
を移動するものをキャッチするクォド・レーダーというものがある。四千何百万円でこういうものがあるというからそういうものを取りつけたらどうですか。
辻章男
92
○
政府委員
(
辻章男
君) 今御指摘ございましたようなレーダーの問題も検討したいと思いますが、なお、私が今眼と耳と口と申しましたのは、レーダーを使いましても、レーダーが
指示
する意味においての眼と申し上げた、そういう意味でございます。
大倉精一
93
○
大倉
精一君 私の言うのは、こういう
事故
はめったに起こらないと思う。起こったらとんでもないので、わずか四千何百万円で買えるものならば、
滑走路上
を移動するのをキャッチするクォド・レーダーというものを取りつける必要があるんじゃないか、こう思うのですが、いかがですか、そういう御意向がありますか。
辻章男
94
○
政府委員
(
辻章男
君) 今申されましたその点もわれわれ検討題目に入れておるのでございますが、今まだ結論を申し上げるわけにいかないのですが、今度の
事故
は不幸にして私どもの予想外の
滑走路上
にあったのでございますが、一体、空中用のレーダーが先か
滑走路上
が先かというような点につきましては、全般的な視野に立って検討したいと思います。
中村順造
95
○
中村
順造
君 この前の
委員会
でこのたびの
小牧
の
事故
がいろいろ直接検討されたのですが、きょうもまた大局的に言えば、根本的な対策としてはどうあるべきかということがずっと続けられておるわけで、それで、この点は先ほどお話があったように後ほどまた両
大臣
を呼んで根本的な対策を検討するが、私が
お尋ね
したいのは、きょうの
委員会
の質疑の中で一番問題になっているのは、
事故
を中心にして考えているのですが、旅客機は確かに二十分くらいおくれておった。それから
管制官
が何らかの錯覚をした。それから何といっても、これは旅客機と
ジェット機
が衝突したから
事故
になったので、そうすると
一つ
だけでは決して
事故
にならない。相手があるから
事故
になったので、この点が先ほど
江藤
委員
も指摘されたように、視界の問題それから
ジェット機
の操縦の方にやはり大きな
原因
があると思うのですね。その点を、しかし先ほどのお話になると、何かマスクをかぶっておったから視界がきかなかった、天蓋があったとかこういうことを言われるのですが、それからまたさらに、いや、あれは命令でなくても
指示
だとかいろいろなことを
防衛庁
の側からは言われておるようですが、これはこうしたらぶつかるだろう、こういう想定の議論ならそういうことも必要かもしれませんが、衝突したあとから、マスクをかぶっておったから、天蓋があったからとか、あるいはそういうことが計器を見なきゃならぬかったとか、あるいはこれが
指示
であったから出たんだ、こういう議論は全く私は納得できないんですよ。いやしくもあれだけの高速度のものを操縦する者が、そういうマスクをかぶっておるから
前方
が見えないとか、計器を見なければならぬから……。先ほど
天埜
委員
の
報告
の中にもやはりそういう点が、何か
源田空幕
長の
発言
として
現地
で問題になっており、非常に心証を害しておるというような
報告
がなされておるのですが、そんな危険なものなら、一般の旅客の
飛行
機が
滑走
するような所へいかないということがまず考えられなければならぬ。あれだけの高速度で四百メートルの
前方
が見えないというような、そんな危険物ですよ、これは。しかも私どもは現実から見て、その平野
空佐
ですか、明らかに
事故
が起きる瞬間には、天蓋をはねのけたかどうか知りませんけれども、りっぱに生き延びておるわけです。これが
前方
が見えなかったなんということは全然、いやしくも高速度のものを操縦する者の立場から見てそういうことは絶対納得ができない。これは次官ではその
説明
は無理だと思う、技術的な
一つ
の経験なりあるいはそれだけの知識のある人からお答え願いたいと思うわけです。事実不可抗力的なものか。この前の
委員会
でも、
交通
事故
というものは
一つ
だけの
原因
ではなかなか起こらない。たとえば
飛行
機が二十分おくれたにしてもそれだけでは
事故
にならぬ。あるいは
管制官
が錯覚を起こしてもそれだけでは
事故
にならぬ。少くとも
二つ
か三つかの
事故
の
原因
が競合した場合に重大な
交通
事故
として起きるんだ、ということをこの前言っておったんですが、そういう意味から
一つ
、専門的な技術的な知識のある人から、事実、私が解釈しておるように、
ジェット機
というものはそういう場合に全く危険物のような状態になっておるかどうかお答え願いたいと思うのです。おられませんかどなたか。
防衛庁
の教育
局長
じゃわかりませんか、盛んにわかったようなことをさっきから言われておった。
小幡久男
96
○
政府委員
(
小幡久男
君) 技術的な専門的な知識、数字をあげてと言われますと、私も
資料
を持っておりませんので……。繰り返してなお、視認が困難であったという理由についての補足的な御
説明
を申し上げたいと思います。 まず第一に、
夜間
で、月明りがなくて有視界
飛行
でありましたが、地上すれすれで塵埃なんかも相当地上近くきておるという
状況
で、物体そのものは視認できなかったということを言っております。 それからテイク・オフ・クリアランスが出ておりまして、心理的にはまず、許可であるか命令であるかは別としまして、
前方
はまず安全であるということを責任ある
管制官
が保証したという
一つ
の安心感はあったと思っております。 それから
DC
3が百八十度ターンをしてくるということは、
管制官
自身も誤認しておられるというふうに、先ほどの
調査
にもありました
通り
、当時としては異例な
措置
であったということは
一つ
の問題だろうと思っております。 それからちょうど
滑走路
延長上の北方に数日前工事をやっておりまして、その工事の灯が当日はついておりませんでしたが、ちょうど
飛行
機のライトはその工事の灯とまぎらわしく誤認された。それは実際にも灯が
滑走路上
の外にある
二つ
の灯に見えたそうでありますが、そういった遠近感のない夜、灯が非常にたくさん交錯しておるという
状況
の
もと
では、そういうこともあったんではないかと考えております。それからなお
DC
3の
飛行
機にはアンティ・コリジョン・ライトというものがつくようなしかけになっておりません。これは通常赤い灯火が尾翼の頂上についておりますが、この衝突予防灯というものはつくようには当機はなっていなかったのであります。これがついており、多少とも
滑走路
の中心でそういう灯が明滅しておれば、あるいは
事故
は避けられたのではなかろうかと考えております。そのほかには、先ほど申しました
ジェット機
の非常に制限された
条件
というものは、これはやはり技術的にもあるというふうに考えております。以上先ほど御
説明
の補足を申し上げたわけであります。
中村順造
97
○
中村
順造
君 ライトの話は、そのときの客観的な情勢というのは、この前の
委員会
で各方面からその
説明
があって、私もよくわかっておるわけです。それからライトなんてのは、まぎらわしいライトというものはその夜は全然なかったということもわかっておりますしね。ただ私は今答弁された中で、百八十度転向をして再び
滑走路
に入ってくるおそれがないという心理的な影響だとか、あるいは
離陸
の
指示
があったという大きな前提に立った上での心理的な作用であるとか、こういうことを言われるわけなんですがね。きょうは新しい
一つ
のあれですけれどもね、しかし心理的な影響というものは、私は若干動力を操縦した経験もあるんですが、もしそういう重大なときに、まさに
滑走路
から
離陸
するというふうなときに、ほかの心理的な作用を受けるような。
パイロット
は、これは私どもから常識で考えれば、これは
パイロット
としての適性に欠けておるわけです。ほかの雑念というか想像をたくましうして、いわゆる工事の灯がついておったとか、そういうことでなしに、
前方
四百メートルにまぎらわしいものがあれば、直ちにその処置をすべきなんですよ。それができなかったら、これは操縦者としての適性に欠けておると、私はこう思うんです。しかし
防衛庁
ではそれは当たり前のことだ、そういう人は今の操縦者の中にはたくさんいるのだということなら別ですよ。しかし私どもが今日まで社会的な常識から、これはわれわれの浅い経験ですけれども、それらの中から判断をした場合に、非常な高速度で
一つ
のものを操縦しておる、こういう場合に他の雑念、妄想をたくましうするような、そういう人間は人間的にこれは適性に欠けておるということなんですよ。私はまあそういうことはここで論議したって仕方がないから、ただ
一つ
だけお伺いしておきたいんですがね。先ほど
報告
にもありましたように、平野
空佐
ですか、これは
書類送検
という処置がされて、今検察庁で調べておると思いますが、どこに責任の所在のあるなしという断定はいろいろ影響する面もあろうし、困難だと思います。しかし常識的に考えれば、ぶつかった以上は不可抗力だということは考えられないわけなんですからね。しかも気象庁の方で言われておるように視界も二十マイルだと、こういうことでありますので、全然不可抗力という判断はここではできないと思うんです。そうしますと、だれかに責任がある。これは
管制官
は身柄を拘束されて、
最後
には起訴されたというような状態になっているようですが、起訴はどうなっておるかわかりませんけれども、将来問題があろうと思いますが、もし
防衛庁
のこの平野
空佐
、これに検察庁の方で若干の責任があるというふうな見解から起訴され、それが最終的な審判が出た場合に、
防衛庁
としてはどういうお取り扱いになるんです、この点を
一つ
承っておきたい。
小幡久男
98
○
政府委員
(
小幡久男
君) お答えいたします。 もしかりに検察庁で平野操縦士に責任がありというふうな断定が出ました場合に、私は主管でございませんが人事局の系統で調べまして、しかるべく
調査
をして、もし必要な処置をとるという必要があればとりたいと考えております。しかし私は主管でございませんので、これは人事局の系統の処置であろうかと思っております。
中村順造
99
○
中村
順造
君
最後
にもう一点だけ。この前の
委員会
でやはり私は
管制官
側のいろいろな客観
条件
と申しますか、そういうものが整ってないんじゃないかということで
大倉委員
の
発言
もありまして
資料
を求めたわけなんですが、これは今後も
待遇
の問題あるいは勤務
環境
の問題等、やはり重大な関連があるし、ひいてはそのことが再び重大な
事故
に影響する、こういうことも考えられますので、その
資料
を出された側から
一つ
われわれの
参考
として一応
説明
願いたいと思うのです。
辻章男
100
○
政府委員
(
辻章男
君) お手元に提出しました
資料
につきまして簡単に御
説明
申し上げます。 第一に、「
管制官
の定員現在員調書」という
資料
がございます。この
資料
はこちらの左の方に「区分」とございますのが
飛行場
及び
管制
本部、本局も入っておりますが、その区分でございまして、「定員」と「現在員」とございまして、おのおの「
管制
塔」「その他」に分かれておりますが、
管制
塔と申しますのは、今問題になっておりまする
管制
塔に入りまして航空機に対して
指示
する要員でございます。その他は盲目着陸装置の
運用
、それからそれの保守等の要員でございます。各
飛行場
の配置はこの以上の
通り
でございまして、一番下に定員の計の欄にございますように予算定員は四百八十名でございます。現在研修中の者が、今度は現在員のところでございますが四十四名、それから引き続き研修予定の者が三十四名を含みましてこういうふうな配置になっておる次第でございます。 それから次の「
管制官
資格別人員調書」というものがございますが、これに研修中と研修予定の者を除きまして、
管制官
運用
関係が三百三十七名、それから技術関係が六十五名おります。それで資格別に申しますと、上級
管制官
が百六十三名でございまして、中級
管制官
が百八名、初級
管制官
が六十六名でございます。この初級
管制官
が、俗に見習いと言われておる階級でございます。 それからその次に、「
管制
職員給与比較(月額)」というのがございます。これは
防衛庁
関係の者は
防衛庁
の方に照会いたしまして私の方で作成したものでございます。これで大体私どもの方は短大卒の力を持ちました者を採用いたしまして、六ヵ月の研修をいたしまして、初級
管制官
として実務につかせるわけでございます。
防衛庁
の方はたしか高校卒業者をとられまして、これに研修をやられまして技能試験に合格しました者を三等空曹として採用になるように相なっております。それで食事、被服等におきまして現物的な給与の問題として差がございますが、一応の給与として、金額として受け取るべきものにつきましては、
運輸省
関係の力が四級地で一万円、それから無級地では八千八百円、
防衛庁
関係は地域給が本給に入っておりますので、一万九百五十円ということに相なっております。 それからその次に操縦士給与比較という給与表がございます。これは私どもの
運輸省
関係の操縦士と、それから
防衛庁
、それから日本航空の国内線の
関係者
というものをとりまして、比較表を出したわけでございます。給与金総計の欄にございますように、
運輸省
が三万七千百円、
防衛庁
が四万六千六百八十円、で、
ジェット機
に乗られますと、
ジェット
手当
が一般のプロペラ機よりも多うございますので、五万四千六百五十円になります。国内の方は、
民間
の国内線は九万四千百八十円ということでございます。 それから
最後
に
民間機
と
自衛隊
機の保有数の比較表でございます。これは本年の三月三十一日現在で、
民間機
の方はヘリコプターの五十機を合わせまして、二百七機でございます。で、
自衛隊
機の方はやはりヘリコプターの八十七機を含めまして、千四百七十八機ということに相なるわけです。以上簡単でございますが……。
大倉精一
101
○
大倉
精一君 細部についてはまたあとで検討して
お尋ね
するとして、
管制官
の
防衛庁
の方の定員及び現在員はどうなっておるのですか。
小幡治和
102
○
政府委員
(
小幡治和
君)
小牧
の定員ですか。それとも全部の……。
大倉精一
103
○
大倉
精一君 全部の。
小幡久男
104
○
政府委員
(
小幡久男
君)
防衛庁
の
管制
要員の定員は、航空
管制
、
管制
塔、着陸
管制
を含めまして四百四十七名でありまして、現在員は三百七十五名でございます。
大倉精一
105
○
大倉
精一君 この人員の各
飛行場
に対する配置人員はわかりますか。
小幡久男
106
○
政府委員
(
小幡久男
君) ちょっと今各
飛行場
配置の定員表を持っておりませんので……。
大倉精一
107
○
大倉
精一君 そこでこれは次官にお伺いしていいかどうかわかりませんけれども、
防衛庁
の
管制官
が
管制
塔の中に加わっておるという理由はどういう理由なんですか。その必要性についてもっと御
説明
を願いたい。
小幡久男
108
○
政府委員
(
小幡久男
君) お答えいたします。
防衛庁
の
管制官
は補助者として参加しております。その理由は、いろいろ
自衛隊
の
飛行
機の特性上、レーダー・サイトの連絡があったりいたしますので、そういったことにつきましても補助するようにいたしております。
大倉精一
109
○
大倉
精一君
運輸省
の方では、やはり補助者として
航空自衛隊
の方から
管制官
が入ってもらわないと工合が悪いのですか。
辻章男
110
○
政府委員
(
辻章男
君)
運輸省
の側といたしましては、
防衛庁
の方からの補助員が絶対に必要ということではございません。
大倉精一
111
○
大倉
精一君 どうもそれがぴんとこないんだが、
防衛庁
の
管制官
がいなければレーダー・サイトやなんかそういう専門的にはわからぬということじゃないと思うんですね。やはりこれは教育過程を経ておるんだから。これはやはり
運輸省
なら
運輸省
一本でおやりになった方がだんだん
都合
がいいんじゃないですか、いかがでしょうか。
辻章男
112
○
政府委員
(
辻章男
君) これは
防衛庁
と
共同使用
しております
飛行場
につきましては、
防衛庁
側との連絡その他の理由によりまして現在補助者を出していただいて共同でやっておるということでございましてこれらの問題も
大倉
先生の御指摘がありますように、
運輸省
で一元的にやるという考えももちろんあるわけでございますが、実際問題といたしまして共同のものにつきましては長らく補助員の形で共同でやっておりまして、これらの問題につきましても、
共同使用
の問題の一環の要素といたしまして検討して参りたいと、かように考えておる次第であります。
大倉精一
113
○
大倉
精一君 給与、
待遇
あるいは所属が違っておる者が同じ塔の中に入って隣同士仕事をやっているというのは私はかんばしくないと思いますが、これはまた
大臣
がみえたら所見を伺うことにして……。
自衛隊
の方の
管制官
の任務は単なる
管制
任務だけであるか、防空的なものを含んでおるか、
自衛隊
の方はどうですか。
小幡久男
114
○
政府委員
(
小幡久男
君) 防空の任務は含んでおりません。
大倉精一
115
○
大倉
精一君
自衛隊
の方が使っておる
飛行場
施設
というものは、これは
民間
と違って防空的な要素、任務はやはり加わっておると思うのですが、これはいかがですか。
小幡久男
116
○
政府委員
(
小幡久男
君)
管制官
そのものにはそういう任務は含まれておりません。
大倉精一
117
○
大倉
精一君
管制官
はわかりましたが、航空
施設
ですね、
管制
塔なり、その他の航空
施設
については防空的な任務、役割を持っておると思うのですが、いかがですか。
小幡久男
118
○
政府委員
(
小幡久男
君) もちろん重要な
施設
でございますから、防空のことは関連を持っておると思います。
大倉精一
119
○
大倉
精一君 防空の役割を持っておる
施設
でだれが防空の任務を持ってやっておるのですか。人間がやはり任務を持たなければ防空の役割を果たさないじゃないですか。
小幡久男
120
○
政府委員
(
小幡久男
君) 防空という意味が一たん事ある場合に、その
飛行場
を守るという意味でございますれば、私の方では
航空自衛隊
がその任務を持っております。
大倉精一
121
○
大倉
精一君 防空という言葉が適当であるかどうかはわかりませんけれども、言葉をかえれば軍事的な任務、軍事的な要素をこの
施設
が持っておるとすれば、やはりこの
管制業務
を防空的なあるいは軍事的な任務を持った人がやっていなければどうもつじつまが合わないじゃないですか。
小幡久男
122
○
政府委員
(
小幡久男
君) そういう非常事態になりますれば、当然そういう関連は出て参ると思います。そのときはそういう意識でそういう
管制
をやって参ります。
大倉精一
123
○
大倉
精一君 どうもさっきから非常事態、非常事態と言いますけれども、のべつまくなしに戦争があるわけではないでしょう。ですから
自衛隊員
、まあ軍人みたいなものですけれども、当然そういう役割をもって教育
訓練
をされ、そうして平常勤務をされておる。そういう任務というか使命を持っておる。ですから私は
管制官
を両方でおやりになっておるということは、任務の違ったものが両方でやっておるという格好になるのじゃないか、こういうところにもまずいものがあるのじゃないかということを心配するのです。ですから
自衛隊
の
管制官
というものは一たん有事の際には、当然これは防空的のものでなければならない。平時からそういうような
訓練
を受けておるのじゃないですか。
運輸省
の方はどうなんですか。
運輸省
の
管制官
は、一朝有事の際には防空的な任務を持って活動するような教育
訓練
は受けておるのですか。
辻章男
124
○
政府委員
(
辻章男
君) そういう
訓練
は受けておりません。
大倉精一
125
○
大倉
精一君 ですから
訓練
課程が違う、教育課程が違うのだ。それからそれが机を並べてやっておる。一朝有事の際に云々というようなことになると、どうも狭い
管制
塔の中ではうまくないんじゃないか。で、結論的に、
自衛隊
が来なくてもちゃんとやれるということでありますから、これはやはり
一つ
一緒に入っておるのは好ましくないじゃないか。これは
運輸省
で単独でやっぱりおやりになって、そうして、そういうそご、間違いが起こらないように責任を持ってやるということが、一番私は適当だと思う。これは
大臣
が来てからお伺いしましょう。 それから、もう
一つ
は、
現地
を見ておりますと、非常に私は勤務が過酷だと思うのです。八時間なら八時間勤務をして塔から離れることができないと、こういうのです。わずかに生理的な用をたすためにちょっと下におりてやってくるというくらいのもので、ほとんど塔を離れることができないという。あるいはまた、レーダーの何といいますか、見る所もまつ暗ですね。あれは野戦用の移動式のものですよ。まつ暗の中でほとんど休みなしでレーダーとにらめっこをしておる。これは非常に私は人道上よくないと思うのですが、これは定員が少ないためにそうなっておるのか、これはどうなんですか。
辻章男
126
○
政府委員
(
辻章男
君) お答え申し上げます。 これは
タワー
におきましても、それから盲目着陸装置の
GCA
におきましても、今御指摘がございましたように、非常に仕事が立て込みまして、これが相当時間続くという場合には、おっしゃるように非常に無理な状態が起こり得るのであります。この点につきましても私ども
改善
策を考えたいと思っております。現在そういう状態にあるということは、定員が少ないからではないかというようなお話もございますが、これは総合時間をとりますと、まあ一時的にはそういう事態が、ある時間あり得るということでございますが、非常に私ども、これは弁解がましいかもしれませんが、ああいう仕事で非常に私ども勤務の配置を考えますのに頭を悩ましますのは、ある
飛行場
が常時そういうふうな状態でありますと、人間の配置も非常にやさしいのでございますが、非常に天気がいいときに急に天気が悪くなってきて、みな計器の
飛行
状態になり、着陸するものが盲目着陸装置を使うというような、そういう時機に非常に込んでくるという状態でございますので、つまり、一日の間の仕事の時間によりまするピーク時におきまする仕事の非常なピーク、それからある閑散時においては比較的閑散な状態にあるというようなものを、どういうふうに調和させていくかという点が非常にむずかしい点でございますが、これらの点につきましても再検討いたしまして、できるだけ勤務体制を正常にして、それが
航空交通
の安全に役立つように考えたいと、かように考えております。
大倉精一
127
○
大倉
精一君 先ほど、
報告
を見ましても、そういうような勤務状態が
原因
であるかどうかわかりませんけれども、欠席者が非常に多いということですね。たださえ定員が少ないのに、そういう多い欠席のままで一体やっていけるのかどうか。しかも、今度、見習い
管制官
が間違いを起こしたとしても、そういう錯覚を起こすような、そういう勤務状態に
原因
があるのじゃないか、そういう勤務をさしておいたところに私は
原因
があるのじゃないかと心配するわけです。現在、ただでさえ定員が少ないのに、たくさんの欠勤者がある。それで平常
通り
にやっていけるのですか。
辻章男
128
○
政府委員
(
辻章男
君) 先ほど
天埜
委員
から御
報告
がございましたが、たしか、私、ここで拝聴いたしておりまして欠勤が六名というふうに拝聴したのでございますが、私どもの調べでは、二名が休んでおったような状態でございまして、そういうような場合にはどういうふうに勤務するかと申しますと、これは八時間拘束で三交代システム二十四時間制をとっておりまして、四シフトをとっておりますので、四人はいつも休息をしておる、そういうところに病人が出た場合には、それらを臨時に応援させましてやっておるような次第であります。
大倉精一
129
○
大倉
精一君
防衛庁
の方の
管制官
の勤務は何時間勤務ですか。
小幡久男
130
○
政府委員
(
小幡久男
君) 同じく八時間でございます。
大倉精一
131
○
大倉
精一君 これは、
管制官
定員の算定の基礎は、
防衛庁
は一直六時間の勤務の計算でやっておる。
運輸省
は一直八時間で定員を計算して要求しておるというように聞いておるのですが、間違いありませんか。
小幡久男
132
○
政府委員
(
小幡久男
君) 予算の積算の当時の基礎としては、時間的な積算に使った数字は、現在記憶しておりませんが、実際は八時間の勤務であります。
大倉精一
133
○
大倉
精一君 私は
現地
でこれは聞いたのですけれども、
運輸省
は、積算の基礎は一直八時間の基礎で計算しておる。
防衛庁
の方は、一直六時間として積算しておるというのですが、これは
現地
で聞いたことは間違いですか。
防衛庁
、わかりませんか。積算の基礎は一直何時間かということはわかりませんか。これは定員を要求するのに、大体勤務時間を計算して何人要るということはあたりまえだと思いますが、記憶しておらぬということはどういうことですか。わかりませんか。だれかわかる人はおりませんか。
小幡久男
134
○
政府委員
(
小幡久男
君) 今手元にありませんので、すぐ
調査
しましてお答えいたします。
大倉精一
135
○
大倉
精一君 そういうところにももうすでに、あそこに勤務しておる
防衛庁
の
管制官
と
運輸省
の
管制官
と、勤務時間の積算の基礎が違っておる。しかも、そう苦痛を感じないというのだから、これは大いに再考してもらわなければならぬ、何かの便宜的に、なわ張り争いか何かで、妥協的にこういうものができ上がったのではないかという、きわめて不明朗な感じがするのですが、これはぜひ検討願いたいと思います。運輸
大臣
おいでになったらこれは申しましょう。
平島敏夫
136
○
委員長
(
平島敏夫
君)
本件
につきましては、この程度にいたします。 ――
―――――――――――
平島敏夫
137
○
委員長
(
平島敏夫
君) 次に、
運輸事情等
に関する
調査
を議題といたします。
相澤重明
138
○相澤重明君 運輸次官に
一つ
お尋ね
をしたいと思うのですが、それは過日、運輸審議会の
委員
が九州の方においでになったようであります。その際、西鉄との懇談を行なったようでありますが、どういう
目的
でどういうことを相談をされたのか、それからその行った者はどういうことなのか、その人数、氏名、おわかりになったら御発表いただきたいと思います。
前田郁
139
○
政府委員
(
前田
郁君) 私詳しいことを存じませんので、今官房長が参りますから、官房長から御
説明
いたしますので、ちょっとお待ち下さい。
相澤重明
140
○相澤重明君 少なくとも、国
会議
員や認証官とそう変わらない報酬をもらっておる運輸審議
委員
が、地方鉄道のごちそう政策にあうというようなことであっては絶対にならぬと、こう思うのです。しかしそういうことが非常に今強く叫ばれておるし、また業界紙にもそのことは大きく掲載されておる。これは私は運輸審議
委員
として全く身分を忘れたことになろうと思うのです。従ってその詳細を御
報告
をしてもらいたい。場合によれば、私は運輸審議
委員
の全員をこの際解職をすべきである、こういうふうに私ども社会党としては考えているわけです。従って、次回にその点についての御
報告
を
一つ
いただきたいと思うのですが、わかるだけのことを
一つ
官房長
説明
をしてもらいたい。
細田吉藏
141
○
政府委員
(細田吉藏君) 先日衆議院の
運輸委員会
におきまして本年の一月に運輸審議会の会長以下
委員
の方々が公聴会で九州に出張されました際に西鉄から宿泊料を払ってもらった、というような疑いがあるという御
発言
がございまして私どもの方から人事課の者を
現地
に
調査
にやったのでございますが、私の方の
調査
いたしました範囲では、少なくともそういうことは事実ございません。いろいろはっきりした証拠もあるのでございまして、この点につきましては、衆議院の方におきましても問題をさらに明白にしろということで、
調査
の間待っていただいておるということでございます。概略を申し上げますと、そういうことでございます。
相澤重明
142
○相澤重明君 私ども社会党の衆議院
運輸委員会
はこのことを非常に重要視しております。そうしてまた私ども社会党としては全員の打合会を行なっておるわけです。で、そのことの話で聞くと、少なくとも、先ほど申し上げたように、認証官にも値するような高給な報酬を受けておる運輸審議
委員
が、地方の公聴会の名によってそうしていろいろな援助を受けておるというようなことは非常に誤解を招く。そういうようなことは事実かどうかわかりませんが、業界紙ではこれはすでに大きく取り上げられておる。従って、
運輸省
が、そういうことがないという確信があるならば、当然そのことを発表すべきである。私どもはそう思う。そこで西鉄とどういう関係であったのか知らぬが、とにかく任務、
性格
、そして行った人たち、またどのくらいの費用がかかったのか、そのことを
運輸省
は明らかにしてもらいたい。これが私のきょうの緊急
質問
です。そのことを
一つ
官房長いかがですか。
細田吉藏
143
○
政府委員
(細田吉藏君) 一部の業界紙に報道されておることも承知いたしております。これは公開の
運輸委員会
の席上で御
質問
があったわけでございますので、これが一部の新聞に出たということは事実でございます。
内容
につきましては、博多の帝国ホテルの宿泊料――金額も一人々々違いますので私今ちょっと記憶いたしておりませんが、大体七千円から一万円、中くらいまでのところでそれぞれ違うのでございます。それから丸明という旅館に一人ということをあげて御
質問
になったのでございまして、私どもの方ではそれを調べまして、そういう事実は私どもの
調査
した範囲ではございません。そこで発表すべきである云々ということでございますが、
委員会
の席上の問題でございます。
委員会
にお答えを申し上げるということにいたしておりますので、衆議院の
運輸委員会
の方で申し上げることが妥当であると、かように考えておりますので、別にどうこうというふうには考えておらない
状況
でございます。なおその点につきまして、ただいまも実は平井
委員長
からお電話をちょうだいいたしまして、いつにするかというような御相談も実はあったような次第でございます。
相澤重明
144
○相澤重明君 そのことはわかりました。衆議院であると同時に、やはり参議院でもそういう非常な関心を持たれていることでありますから、次回に
一つ
御
報告
をしていただきたいと思うのです。そこで私はこの点は以上で終わります。 きわめて簡単に国鉄当局に
一つ
お尋ね
をしたいのでありますが、時間もありませんから大づかみに
一つお答え
をいただきたいと思うのですが、国鉄では臨時職員が非常に多いということでありますが、現在の臨時職員は何人いるのか明らかにしていただきたいと思うのです。
中村卓
145
○
説明員
(
中村
卓君) お答え申し上げます。ただいまはっきりと正確な数字はちょっと持ち合わせておりませんけれども、先生も御承知のように、臨時職員というのは季節的な繁忙
業務
に主として使うものでございますので、時期によって若干数字が違って参りますが、大よそのところは大体一万人前後ではないかと思います。
相澤重明
146
○相澤重明君 そのうち自動車関係には何人配属されておりますか。
中村卓
147
○
説明員
(
中村
卓君) 大体八百人あまりでございます。
相澤重明
148
○相澤重明君 この臨時人夫の
性格
でありますが、これは国鉄の正規の採用試験を通ってそうして採用さるべき
性格
の者が、臨時的に雇用されておるという者と、季節的に、あるいはやむを得ざる場合の
措置
として認められている臨時的な者と、
二つ
の
性格
があると思うのですが、正規任用のつもりで、いわゆる採用試験を行なって現在臨時職員になっている者は何人くらいおりますか。
中村卓
149
○
説明員
(
中村
卓君) 大体がただいま八百二十人ばかりでございますが、そのうちほんとうの意味の季節的な者は割と少なうございましてあとは長期的に採用しております。ただし三十三年度かと思いますが、それから以降につきましては、必ずしも職員としての採用を前提としての採用ではございません。
相澤重明
150
○相澤重明君 採用を前提としての採用でないというのは、それは何年度からそういうふうにしましたか。
高倉一雄
151
○
説明員
(高倉一雄君) 私どもの方の本社といたしまして各事務所に
指令
を出しましたのは、三十三年の六月ごろでございます。それ以後は正式職員としての採用予定者につきましては本社の承認を得てやるということにいたしておりまして、三十三年の十月ごろまでのものにつきましては、それは全部本社が認めた採用予定者でございます。
相澤重明
152
○相澤重明君 そうしますと、今の、少なくとも三十三年度の正規採用試験を行なった者が雇用されておるということでありますから、それまでの正規採用試験を受けた者は何人になっておりますか。
高倉一雄
153
○
説明員
(高倉一雄君) 約五百人になります。
相澤重明
154
○相澤重明君 その五百人の人は、正規採用をする見通しはどのくらいなんですか。いつごろなんですか。
高倉一雄
155
○
説明員
(高倉一雄君) 現在の三月末で特退がございまして、その特退の補充といたしまして、今各事務所で採用を進めておりますのでありますが、その特退補充と、さらに三十五年度の定員の配賦を待ちまして、五百人全部とはいきませんが、
相当数
につきまして、この際採用していきたいと思っております。
相澤重明
156
○相澤重明君 三十四年度末の特退というのは、どのくらい予定されておりますか。現在わかっておるでしょう。
高倉一雄
157
○
説明員
(高倉一雄君) 自動車関係だけでありますと、大体百八十人ぐらいでございます。
相澤重明
158
○相澤重明君 そうしますと、三十二年度、それから三十三年度の今の約五百人ぐらいというのは、その三十二年度以前のものは、もう臨時雇用というものはないと、こう確認をしてよろしうございますか。
高倉一雄
159
○
説明員
(高倉一雄君) 三十二年からでございまして、三十二年度前はございません。
相澤重明
160
○相澤重明君 そうしますと、三十五年度の予算の中で考えられることは、特退の百八十人の者を含んで、三十三年度までのものをここに正規採用をする、こういうお考えであるということを確認してよろしうございますか。
中村卓
161
○
説明員
(
中村
卓君) 大体そういう気持でございますけれども、ただいま高倉自
動車局長
からお答え申し上げましたように、三十三年度の十月に、いわゆる採用予定で採用した臨時職員が、全部が全部職員になるということはちょっとむずかしいかと存じます。
相澤重明
162
○相澤重明君 それは正規採用試験を受けておらない者がおる、こういう解釈ですか。
中村卓
163
○
説明員
(
中村
卓君) そういうことではございませんので、結局職員のワクの問題に制約されまして、先ほど申し上げましたように、約百八十人ぐらいの特退の補充と、それからあといろいろ工面いたしまして、全部で四百弱ぐらいを職員化したい。そういたしますと、先ほど申し上げましたように、五百未満あるものでございますから、百前後の者はやむを得ず、またしばらく臨時職員として残っていただくようになるんではないかということでございます。
相澤重明
164
○相澤重明君 そこで、きょうは時間がないから、昼から十河総裁の激励の会もあるので、
質問
がこまかくできませんが、少なくとも日鉄法や、あるいは国鉄の現金の収納金扱い等の問題から考えれば、やはり責任ある体制を作らなければならぬだろうと私は思うんですよ。そういう面で、国鉄のいわゆる体制を確立することが私は大事ではないかと、こう思うんですが、今の分でいきましても、現在は三十五年度ですね、そうしますと、三十三年度のが百人くらいいる。三十四年度に採用したのは幾人になっておりますか。臨時に採用しているのは幾人になりますか。
中村卓
165
○
説明員
(
中村
卓君) 三百七十人くらいが臨時職員として採用されております。
相澤重明
166
○相澤重明君 それは季節的のものは全然含んでおらないでしょう。いかがですか。
高倉一雄
167
○
説明員
(高倉一雄君) 季節的なものは含んでおりません。
相澤重明
168
○相澤重明君 そうしますと、これは予算定員の問題に私はかかってくると思うんです。従って、自動車関係の者が、特に他の改札係なり、あるいは出札係なり車掌と違うということは、やはり私は営業の建前がよろしくないと思うんです。そういう意味で、先ほど体制の確立ということを申し上げたんですが、だとすれば、少なくとも予算定員の必要数というものをきめるということは大事なことではないか。そういうことをどういうふうに三十五年度の運営の中でお考えになっているのか。これを
一つ
。 それから、少なくとも百名前後のものであれば、私はもっと実際に本社の中で
措置
ができるんじゃないか。実際に必要であるということになれば、それは私はやはり当然その任務を与えなければならぬということになれば、正規の職員にしなければならぬだろうと、こう思うんですが、そういう点を三十五年度の中でお考えになるつもりなのかどうか。
二つ
の点を
お尋ね
しておきましょう。
中村卓
169
○
説明員
(
中村
卓君) 三十五年度の予算定員につきましては、いろいろと折衝したわけでございますけれども、御承知のように、国鉄といたしましては、新幹線の定員は予算的に増員を認められただけでございまして、ほかの
業務
に関しましては、全然予算としては認められなかったという段階で、われわれとして非常に遺憾に思っておるわけでございます。従いまして、自動車につきましても、先ほど申し上げましたように、特退補充以外に考えたいというのは相当無理でございまして、全体から何とかそれだけひねり出そうというようなことでやっておるのでございまして、何と申しましても全体のワクが限られておるわけでございますので、ずいぶん努力はいたしましたが、
現状
ではこの程度でやむを得ないのではないかと考えております。
相澤重明
170
○相澤重明君 それじゃ
一つ
、あともう私の
質問
を終わりますが、いずれ後日、もっとこまかい点をやりたいんですが、
一つ
だけ伺っておきたいのは、現金出納という問題は非常に国鉄の場合は重要な問題なんです。で、不足があった場合に当然弁納をしなければならぬ、というのが私ども長い間の経験だと思うんです。そういう意味で、もし自動車の車掌なり、あるいはまた車掌ができない場合には、人がいないから、運転手の人が手伝うかどうかわかりませんが、そういう場合に、一体不足が起きた場合の弁納はだれがいたしますか。
高倉一雄
171
○
説明員
(高倉一雄君) それは車掌の仕事をいたしております者、その場合が臨時雇用員でありますれば臨時雇用具が弁納することになると思います。
相澤重明
172
○相澤重明君 ですから、そこは非常に重要な問題を私は生むと思うのですよ。少なくとも国鉄が旅客なり利用者から現金を収受する場合に、資格のない者、あるいはまたそれの弁償をする場合の規定というものがどういうふうにして作られておるかということは、これは国鉄法に基づいて私はやはりはっきりさしておかなければならぬだろうと思う。そういうことからいけば、非常にこれは私は将来に問題を残すことではないか、こう思うのです。そういう点については、後刻こまかい点について
一つ
説明
を私は求めたいと思うのです。きょうは時間がないから
最後
まで御
質問
することのできないのはまことに残念ですが、少なくとも疑惑を受ける、あるいはまた資格のない者が扱って、それがまた第三者からひんしゅくを買うような取り扱いをさせるべきではないと、こう私ども思うのですが、それらの専門的なことについても後刻
一つ
御
説明
をいただきたいと思うのです。きょうはこの程度で終わっておきますから、いま一度再検討して、そうしてできるだけ三十三年度までの採用者については本採用にできるように、私は努力してもらいたいと思う。そうしないと非常に
業務
定員というものは必要でありながら、実際には
業務
量に即応した定員化がされないと、こういうことになって大衆にも迷惑をかけるし、職員も安心をして働くことができない。そういう意味で、いま一度検討をされたことを次の機会に御
報告
をいただきたい、こう思うのです。以上で私きょうは
質問
を打ち切ります。
平島敏夫
173
○
委員長
(
平島敏夫
君) 本日はこの程度にとどめ、散会いたします。 午後一時二十一分散会