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1960-02-27 第34回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月二十七日(土曜日)     午前十時三十分開議  出席分科員    主査 岡本  茂君       加藤 精三君    久野 忠治君       水田三喜男君    山口六郎次君       島上善五郎君    楯 兼次郎君       中島  巖君    兼務                 竹山祐太郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      山内 公猷君         運輸事務官         (自動車局長) 國友 弘康君         建設事務官         (大臣官房長) 鬼丸 勝之君         建設事務官         (計画局長)  關盛 吉雄君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建設事務官         (河川局次長) 曽田  忠君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君  分科員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   宮崎  仁君         日本国有鉄道常         務理事     大石 重成君     ————————————— 二月二十七日  分科員島上善五郎委員辞任につき、その補欠  として中島巖君が委員長指名分科員選任  された。 同日  分科員中島巖委員辞任につき、その補欠とし  て島上善五郎君が委員長指名分科員選任  された。 同日  第二分科員竹山祐太郎君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十五年度一般会計予算運輸省郵政省  及び建設省所管  昭和三十五年度特別会計予算運輸省郵政省  及び建設省所管  昭和三十五年度政府関係機関予算運輸省及び  郵政省所管      ————◇—————
  2. 岡本茂

    岡本主査 これより会議を開きます。  昭和三十五年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算中、運輸省及び建設省所管を議題といたします。  運輸省所管につきましては、質疑は一応終了いたしておりますが、この際特にこれを許すことにいたします。  質疑を続行いたします。中島巖君。
  3. 中島巖

    中島(巖)分科員 まだ運輸省がお見えにならないそうでありますので、建設省所管関係について二、三お尋ねいたしたいと思うわけであります。  実は前国会から問題になりました中央自動車道小牧——東京間に対する予定路線法案提出について、大臣にお尋ねいたしたいと思うのであります。臨時国会におきまして、たしか十二月二十三日だと思いましたけれども、私の建設委員会における質問に対しまして、大臣は十二月中に審議会を開いて、おそくも一月には、十二月中に開けなかったから審議会を開いて、予定路線法案審議を願い、すみやかに国会へ提出したい、こういう御答弁だったのであります。それから昨年のたしか二月の十八日だと思いましたが、中央自動車道審議会におきまして前の遠藤建設大臣は、次の通常国会、すなわち昨年十二月より始まるところの通常国会のなるべく早い時期に、予定路線法案を提出することを言明されたわけであります。また第一回の審議会におきまして、岸総理もすみやかにこれにかかるというような意味の言明をされたわけであります。しかるに今回建設省が提出されました建設省関係通常国会提出予定法律案調においては、十五件の予定法律案が出ておるのでありますが、他の法案につきましては、二月中旬であるとかあるいは二月上旬であるとかいう日付があるのでありますけれども、この予定路線を定める法律案に対しましては提出期日が未定と、こういうようになっておるわけであります。ところが本月のたしか四日だと思いましたが、審議会におけるところの村上建設大臣の御答弁は、いろいろ最初はそういう考えであったけれども政府部内の調整その他について思い違いがあり、ただ法案を提出すればいいというものではないから、各省と連絡したり、あるいは交通閣僚懇談会に諮ったりして、そして今通常国会において法律案が必ず通過するように提出する、こういう意味の御発言があったわけであります。以上総合いたしまして、また新聞その他から推しまして、建設省といたしましてもこれに対して鋭意努力されておる、こういうように私どもは善意に解釈いたしておるわけであります。しかしながら国会におけるところの予定路線法律並びに昨年の大臣答弁などと非常に食い違いがありますので、御心配になっていることは十分了解いたしておりますけれども、この際国会においてあらためて大臣よりどういう御所見であるか、あるいは今までの経過はどういうことになっておるか、今後のお見通しなどについてお伺いいたしたいと思う次第であります。
  4. 村上勇

    村上国務大臣 国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案につきましては、中島分科員指摘のように、昨年の暮れの二十三日の委員会において、私は一月中には提案できるものというような御答弁を申し上げたのでありますが、この調査が終わったので、調査が終わればすぐ審議会の議を経て、国会に提案できるものというように私も考えておりました。ところがもしもそういう簡単なことをして、関係各省の間で納得がいかない、反対するというようなことになりますれば、せっかく出した法案も、これはすべての当たりをとって出さない場合には、これがどうなるかわからないというようなことも考えますと、どうしても交通閣僚懇談会なり、あるいはそれらの幹事会等をやって、そうして各省理解と協力を十分得て、その上で審議会にかけ、審議会の議を経てこれを国会に提案するということが、最も妥当であるということに考えられましたので、その後鋭意関係各省との間の連絡会議をいたしております。その結果、四、五回協議会を開いた結果は、大体において運輸、通産あるいは農林、これらの各省は当然法案を出すべきだ、法律によって定められたものを提案すべきだ。ところがある一、二省のいわゆる事務的段階における交渉でありますけれども、どうも国家意思を決定してしまうということはどうかというような点について、いささかの疑義がある。絶対反対ということではありませんけれども疑義がある。そういう疑義を残してこれを無理押しいたしましても、国会に提案された後のことを考えますと、それよりももう少し事務的段階あるいはまた提案までにすっきりしたものにしておかなければならない、こう考えましたので、先週の火曜日の閣議だと記憶いたしておりますが、私から閣議の席上、各関係閣僚の御了解を求めるということで、現在こういうような状態になっておるようだが、これは法律によってきめられておることでもあるし、路線決定法案を提出するということはどうしてもやらなければならないので、その辺についてのいろいろな意見があるようだが、ひとまずその意見をおいて、ぜひとも路線決定法案が成立するように、提案できるようにお取り計らい願いたいということを申し入れましたところが、これに対しては従来いろいろと疑義のあったと思う閣僚からも、何にも反対意見がなかった。反対意見がなければ私は閣議で了解したもの、こういうように思っております。従いましてその後事務的段階幹事会においていろいろと調節をはかっておりますが、大体来週月曜には何とか目鼻がついてくるのではないかというように期待をいたしておりますが、よし月曜にはっきりしなくとも、なるべく近い機会にこれをすっきりしたものにして、そして交通閣僚懇談会というものを形式的にでも開いて、そこでこれを承認してもらって審議会にかける、こういうことに進めておるのであります。私といたしましては、何としてもこの国会には成立できるように十分努力をいたしますので、私の昨年申しましたことが時間的には多少の食い違いができましても、法案通過については、私はどこまでも以前の通りの気持で邁進いたしたい、かように思っておりまするので、御了承願いたいと思います。
  5. 中島巖

    中島(巖)分科員 ただいま大臣から非常に御苦心なされておることを聞きましたが、私もかねがね各方面からそういうことを伺っておったのであります。そこでこの審議会開催予定日であるとか、その他二、三御質問をいたしたいというわけで準備を進めてきたわけでありますけれども大臣がそれほどまでにいろいろ御苦心なさっておるのに、これ以上畳みつけての質問も失礼かと存じまするので、中央道に関する予定路線法律に関しては質問をこれで打ち切りまして、今後もお力添えのほどをひとえにお願いいたしまして、やめることといたします。  次に御質問いたしますことは、これは大臣でなくとも道路局長でもけっこうでありますが、中央道の現在着工しておりますところの小牧——神戸間の工事進捗状況についてお尋ねいたしたいと思うのであります。これは私が申し上げるまでもありませんが、昭和二十七年度供用開始という大きな目標をもちまして、予算は八百九十四億三千万円という数字でもって開始をいたしておるわけであります。またあとからこまかい質問をいたしますけれども、現在までの状況を見ますといつも予算の二、三割しか使っておらぬ、こういうような状況でありますので、あわせて今後の見通しなどについても詳細にお答えをお願いいたしたい、かように考えるわけであります。
  6. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ただいま日本道路公団で実施いたしております名神高速自動車道路、この中で中央自動車道小牧——吹田間、この区間を実施いたしておる次第でございますが、この事業進捗につきましては、ただいま御指摘のございましたように、従来鋭意進めておりますにもかかわらず、なかなか思うように実績が上がっておらない。この原因は用地買収用地取得に非常に難航をいたしておる次第でございます。まず用地取得ができませんと、その後の工事にも着手ができないというようなことで、従来非常におくれておった次第でございますが、この二十四年度、昨年の春以来、世銀関係等もございまして鋭意努力をいたして参りまして、昨今におきましては用地補償関係はかなり進捗を見まして、これならば次年度事業、その後の計画も大体予定通りに進むのではないかという見通しをただいまは持つに至った次第でございます。  その進捗状況をちょっと申し上げますと、用地買収関係を申し上げますと、名神高速道の全延長は、御承知のように百八十八キロでございますが、この中で用地買収関係は全体の三二%を進めております。物件関係は全体の四三%程度でございますが、この全線のうち、特にその第一期区間考えまして建設を進めております尼崎—栗東区間でございますが、この区間につきましては、延長は約七十二キロに相なりますが、用地関係は八四%、非常に進捗いたしました。物件関係は六三%、これも過半数を解決いたしております。こういうふうに、最も建設の第一順位として力を入れております尼崎—栗東間は非常に進んでおります。全体としてもかなり進んで参りましたし、また昨今の空気にかんがみますと、話の上ではかなり理解を深め、進捗して参りましたので、今後におきましてはこの用地関係の解決はかなり急速に進むものと考えております。従いまして次年度に予定しております事業も、今後は円滑にいくものというふうに期待しておる次第でございます。
  7. 中島巖

    中島(巖)分科員 これは私が申し上げるまでもありませんけれども、三十三年度予算はたしか百三十二億と思いましたけれども、このうちで八十三億というような繰り越しをいたしておるわけであります。さらに三十四年度におきましても百八十三億ですか、これに対しまして六十九億しかの仕事ができておらぬ。これは道路整備五カ年計画以前の三十二年より開始いたしまして、すでに三カ年になっておるのでありますが、最初建設省年次計画を発表いたしましたのは、たしか四百何億かを三十四年度までに使うような計画が発表されたのでありますけれども、わずかに九十一億程度しか使っておらぬ、こういうような状況なのであります。従いましてあまりにも予算と実際の仕事の量とが開きがあり、わずか二割程度しか仕事ができぬというような、非常なアンバランスになっておるわけであります。従いまして私ども道路公団事業計画並びに予算というものに対して、遺憾ながら信頼することができない、こういう感じが年々深まっていくわけであります。  そこで大臣にお尋ねいたすことは、道路公団は、たしかこれは公団法の二十何条かだと思いましたけれども公団でもって事業計画を立て、予算を立て、そして建設大臣が承認するという建前に法律でなっておると思いますが、そういたしますれば、結局これは建設大臣に大きな責任があるわけであります。一年くらいならいろいろな間違いがある、これはわれわれも認めざるを得ないのでありますけれども、年々歳々こういうような予算仕事のでき工合との間に大きな食い違いを生じておるのでありますが、これに対して大臣はどういうお考えを持っておるか、あるいは公団に対して何らかの処置をとられておるのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
  8. 村上勇

    村上国務大臣 なるほど御指摘のように、大体ことし、去年、三十三年、三十四年というものは仕事はできておりません。これは一番困難な用地取得の問題が大きな隘路になっておるのでありまして、これさえ片づけば仕事はできたようなものだと思います。まだあと五、六、七とまる三年ありますから、大体日本事業でまる二カ年間仕事をしたら、それでできない仕事というのは、大きな何百億というようなダムなんかは別として、私としては二、三年やれば完全にこれは消化してしまうという考えを持っております。ただ、今中島委員の御指摘の点については、今までの二カ年間というものについては、私ども進捗率が非常に悪いということを認めます。従って今後もう一年見ていただきますと、大体世銀の融資もほとんど確定しているようでありますから、この春からは活発に動いて参りますから、昭和三十七年までの五カ年計画の中で、これらの事業は私は完全に終了するもの、かように思っております。
  9. 中島巖

    中島(巖)分科員 大臣はいつもそういう御答弁をされるのでありますけれども、すでに道路整備五カ年計画以前の一年から数えますと、三カ年にわたってそういうような状態でおるわけであります。これはこの問題のみにかかわらず、道路公団あり方について後刻大臣の御所見を承りたいと思いますが、それ以前に承りたいことは、このごろの新聞によりますと、岸道路公団総裁がアメリカに行かれまして、四千万ドルの借款が成立したというようなことを報じておるのであります。これは中央道審議会におきまして、私はその話を聞いてあらかじめ承知はしておるのでありますけれども、その間の事情をお聞かせ願いたいし、それからこの百四十四億に上るところの借款は、これは尼崎—栗東間に使うことも承知いたしておりますけれども、これは本年度全部使うのであるか、あるいは明年度に繰り越すものであるか。またこの世界銀行に対する借款は、これだけでなしに、続いてこれが消化次第要請さるべきものと思うのでありますが、今後の御方針はどうか、この点もお伺いしたい。
  10. 村上勇

    村上国務大臣 道路公団岸総裁が、世銀借款のために渡米をいたしておることは御説の通りであります。まだはっきり借款できたという回答がありませんが、しかしおそくとも来月半ば前後には四千万ドルの借款が確定するものと、かように今思っております。この四千万ドルのうち、八十三億円を本年度、いわゆる三十五年度で使う、あとは翌年に繰り越して使用するということでありますが、大体道路公団としての総額の申し入れば一億ドルでありますので、この四千万ドルを消化すれば、必要に応じて次の借款を申し入れて具体的に解決したい、かように思っております。
  11. 中島巖

    中島(巖)分科員 先ほどこの尼崎—栗東間、神戸—小牧間について、非常に仕事のおくれておることを指摘いたし、大臣の御所見をお尋ねいたしたのでありますが、道路整備五カ年計画においては、有料道路二千億を計上いたしまして、そのうち中央自動車道に対しまして九百九十六億七千七百万円を計上いたしておるわけであります。さらにこの内訳といたしましては、神戸—小牧間に八百九十四億、東京—小牧間に対して百二億を計上いたしておるわけでありますが、すでに五カ年計画も三年目を迎えまして、あと三十六年、三十七年と二カ年を余すのみとなったわけであります。しかるにただいま申し上げましたような、この九百九十六億に対しまして、三十四年度までにわずか九十億しか使っておらぬ、こういうような状況であります。従ってこの小牧—神戸間の事業を急ぐことはもちろんでありますけれども、すでに五カ年計画にも、東京—小牧間にこうした予算が計上されておるのであります。  それからただいま大臣から今国会中に予定路線法律が成立するように努める、こういうお話を承ったわけであります。そこで私の希望といたしましては、小牧—東京間に対する予定路線法律を提出すると同時に、基本計画審議会にかけられて、本年度わずかながらもこの線に着工することがよいのではないか。ことにオリンピックを迎えまして、富士周辺に対する中央道の完成ということは、大きな意義があるから、本年度よりこの準備を進めるべきである、こういうように私考えるわけでありますが、建設省といたしましてはそういうような研究をしたことはないかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  12. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 予定路線法律案扱い方につきましは、先ほど来大臣から詳しく御説明がございました通り、私ども事務当局といたしまして最大の努力をもって進捗に努めておる次第でございます。なおその東京—小牧間の予定路線法律が確定いたしました暁の次は基本計画、こういうことになるのでございますが、御承知のように法律によりますと、十分調査をして基本計画を立てるようにということに相なっております。先ごろ調査をいたしまして、一応の結論を私どもとしては出した次第でございますが、これにかんがみまして、基本計画をできるだけ早く作成いたすつもりでおりますが、基本計画を作るまでには、なおいろいろな御相談、調査検討が要るものと考えます。
  13. 中島巖

    中島(巖)分科員 今道路局長答弁で大体了承したのでありますけれども、この小牧——東京間の基本計画を一気に立てるということは、これはなかなか困難だと思いますけれども、すでに三カ年にわたって、一億数千万円をもって調査されたのでありますから、そのうちの一部分の基本計画は、必ず皆さんの手元の調査において準備できるものと私は推測するわけであります。従いまして御研究の上適当な処置を講ぜられんことを希望いたしまして、これ以上の質問は申し上げないことにいたします。  それから道路公団あり方につきまして、大臣にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、これは私が申し上げるまでもなく、先ほど申し上げましたように、公団法の二十何条かにおきまして、道路公団において事業計画を出し、予算を立て、そして建設大臣の承認を得ることになっております。従いましてこれらの企画は道路公団において行なうことは明らかになっておりますけれども、この公団予算というものは、ほとんど全額が国において負担いたしておるものでありまして、従いましてどうしても道路公団のこれらの計画とかあるいは予算消化などにつきましては、建設大臣責任を持って見ねばならない、こういうように考えておるわけであります。  そこで現在の道路公団状況を、私もあまり詳しくはありませんけれども見ますと、すでに供用開始になった線が三十二線ありまして、その中で黒字はどうかこうか七線だけで、あと二十五線が赤字線になっておるわけでありまして、はなはだしいのは、利子と維持費と申しますか、管理費と申しますか、それだけの収入すら上がらないような個所もあるように聞いておるわけであります。予定収入が十三億八千万に対しまして、実収入が八億九千万円、四億八千万円の供用開始をしておる路線でもって現在赤字を出しておるような状態であります。  時間がありませんので、一括いたしてお尋ねいたしますけれども、さらに現在着工中のものは二十九線ありまして、その費用は三百四十二億五千万円と、こういうように計上いたしておるわけであります。ところがこれらの内容を調べると、国策的な道路というものはほとんど——中には国道の補助事業のような京葉道路だとか、伊勢神隧道だとか、あるいは本州—四国道路というものもありますけれども、その他おおむねは北霧島道路であるとか立山登山道路というような観光道路ばかりだ。こういう観光道路は、何も国家がやらなくても、その地方の観光会社が、国家が幾分補助の手を差し伸べてやりさえすれば行なえるのであります。それに対しまして、一千億というような予算を計上してやることについては、再検討をしなければならぬのじゃないか。すなわち国策的な道路に対しまして全力を注ぐべき段階にきておるのじゃないか、こういうように考えるわけでありまして、従いまして建設省と申しますか、道路公団事業を行なわせるについての大臣基本的態度はどうであるか。そして現在供用開始になっておる路線、それからさらに現在事業着手中の三百四十二億に上るところの事業費などについて、再検討する御用意はないかどうか、この二点についてお尋ねいたしたいと思います。
  14. 村上勇

    村上国務大臣 御指摘になりました道路公団はどうも損するところをやっておるではないかということでありますが、今の段階とすれば損のところもありますが、しかし総体的には大体バランスがとれていくものと私は思っております。なお道路公団としての使命は、ただ単なる私企業の利益追求をするということだけでなくて、やはり国民大衆の福祉に沿うということが、まず道路公団使命でなくちゃならぬと私は思います。従いましてそういうようなことから考えますと、ただ単に利潤だけを追求するわけにもいきませんので、総体的にバランスがとれていくような方法で、一般大衆の利便に供するというように、考え方としてはそういう考え方を持って、そうしていかにすれば経営も成り立つか、国民大衆の、要するに公共の用にも供することができるかということを十分検討しながら、私どもはこの道路公団の規模、計画あるいは工事施行等については、十分そういう点を考慮して、そうして指示して参りたい、かように思っておる次第でございます。
  15. 中島巖

    中島(巖)分科員 どうも私の質問に対してぴったりした御答弁をいただけぬわけでございますけれども、私ども基本的の考えは、この公団運営について、根本的に考えを変えねばいかぬのではないか、こう考えるわけであります。たとえば公団仕事を見ますと、観光道路のようなものがほとんど七、八〇%を占めておるわけであります。ただ採算さえとれればいいというような観点ではなくて、国の一般会計財政投融資を多大に使っておる公団でありますから、国の国策事業に沿うような方向に持っていくべきである、こういうようなことをお尋ねいたしたわけでございますけれども、非常に時間もありませんので、先へ急ぐことといたします。  それから本年度道路公団首都高速道路公団に対しまして、政府出資が六十億あるわけであります。本年度道路事業は画期的なもので、建設省直接の国の予算が千百億ある、さらに道路公団が三百二十二億、首都高速道路公団が百十一億、計画関係で百三十何億というような数字になりまして、千六百六十九億近いところの膨大な数字になっておるわけであります。このうちでただいま申しました六十億がダブっておるわけであります。  そこで、この問題について大臣にお尋ねいたすことは、道路整備緊急措置法の第三条の第二項でありますが、これによりましても、五カ年計画政府が支弁するところの金にガソリン税を使わねばならぬ、こういうように法律で規定されておるわけであります。しかしながらこの六十億は出資金でありまして、道路整備五カ年計画にはたして使うのか使わぬのか。これは出資金でありますから、非常に性格のぼけておるものであります。これはしいていえば、有料道路をこしらえるのも道路計画だということは言えますけれども、これは非常にあいまいなものだ。本年度道路整備のこの大きな予算に、政府はどれだけ出資しているかといいますと、二十五億しか出資しておらぬ。政府は一般予算から二十五億だけ出資しておいて、そして逆にガソリン税から六十億をとって公団に出資しておるというのが、現在の状況であります。このまま見過ごしておくと、こういうようなちょっとでも理屈のつくところなら拡大解釈をして、そしてこのガソリン税を他の方へ流すおそれがある、こういうように私は考えまして、今後におけるところの建設省と申しますか、大臣の御方針はどういう御方針であるか、お伺いいたしたいと思うわけであります。
  16. 村上勇

    村上国務大臣 公団出資に、道路公団に五十五億、それから首都高速道路公団に五億、この出資はほんとうは一般会計の中から出資すべきが私ども適当と思います。お説の通りです。しかし大体五カ年計画で三百二十億程度の出資を政府がするということになっております。去年が幾ら、おととしが幾ら、ことしが幾ら、来年、再来年というように、この五年間では三百二十億を大体政府一般会計の中から出資するということにならざるを得ないのですが、御承知のようにことしは非常に大災害のために一般会計の財源が非常に困難でありましたので、私どもとしては好ましいことではないのですけれども、一応ガソリン税の中から幾らか加えてこれに出資をするということにいたしております。しかしそれでは何かおかしいではないかというようなことになりますが、政府出資は御承知のように金利もつかないし、そういう金利のつかない金を公団に出して、そしてそれによって一キロ当たりコストの安い道路ができれば、それだけ料金の安いもので、そのはね返りは結局一般利用者にくるというようなことを考えますと、必ずしも合法的でないということは言えない。合法的なものでないかと思います。しかし必ずしもそういうことでどこまでもいこうという考えはありませんし、ことしはやむを得ないからこういう措置をとらしていただいて、また来年は来年の一般会計の中からこれをカバーしていくということに改めたい。これは昨日か、建設委員会で大蔵省からも政務次官が見えまして、ことしを例としない、そしてトータルにおいては五カ年間三百二十億という政府出資というものは一般会計で必ず補充していくということははっきりいたしておりますので、ことしのところは非常な大災害等によるいろいろな関係がありましたので、一つ御了承願いたいと思います。
  17. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ただいま大臣から数字の御説明を申し上げましたが、ちょっと私補足させていただきます。御承知のように道路公団に対します出資金は、道路公団の資金は預金部資金を使い、また一般の道路債券を発行し、あるいはまた世界銀行の金を借りるというような、いろいろな資金を使っておるわけでございます。それらの資金の利子は、御承知のように若干種類によって違っております。そこで私どもは出資金を出しまして、それらの資金の総合金利と申しますか、全体的に見た金利が平均的に六分になるように調整して、資金を考えていこうということにもともとなっておるわけでございます。そこで五カ年計画策定当時におきましては、道路公団事業に対しまして資金の関係を想定いたしまして、ただいま大臣から御説明申されましたように出資金を考えておるわけでございます。しかしながらこれはただいま申しますように、実際の資金の導入のあり方が予定と実際とはやはり変わって参りますものですから、それに応じて総合金利ができるだけ安くなるように、私どもは六分と考えておりますが、それくらいになるように調整して参る、こういう考えでおりますので、五カ年全体の数字は、予定はそのようでございますが、実施はある程度変わることは、これはやむを得ないのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
  18. 中島巖

    中島(巖)分科員 どうも今の大臣並びに局長の答弁は、私非常に了解しかねるのでありますが、これに費やしても時間がとれますので、先へ急ぎますけれども、この道路公団の金利を六分にするためにガソリン税までぶち込んで、そうしてそこらの観光会社みたいな仕事をやって赤字を出しておるというようなことでは、これは国民が納得できないだろう、こういうように考えるのであります。そこでただいま大臣は、これは当初計画にもありましたけれども、三百数十億を一般予算から出す、こういうことを繰り返して言われたわけであります。当初計画においてその通りであるから、それは間違いないと思います。ところが最近のガソリン税状態を見ますと、昨年度は八百六億に対しまして本年度は九百五十一億、こういう数字になりまして、わずか一年間に百四十五億九千万円の増徴を見ておるわけであります。従ってただいま大臣の言われたように三百数十億を一般会計から出すといたしますれば、道路整備五カ年計画の一兆予算を根本から変えなければならぬ時期に到達いたしておる、こういうように考えるわけでありますが、そこで政府の方針と申しますか、御見解は、こういうような予想以上のガソリン税の増収とあわせて、この道路整備五カ年計画の策定を、本年度あたりはそろそろさらに増額して変えるべき時期が来た。どうしても数字の上からそうならざるを得ぬのでありますが、お考えはどうか、この点をお伺いいたしたい。
  19. 村上勇

    村上国務大臣 御指摘通り大体ガソリン税も非常に伸びてきておりますし、また五カ年計画を樹立した際の客観情勢というものを、今日十年経済倍増というような計画を立てつつある時期になりますと、相当道路の整備計画というものは変えていかなければいかぬ。ことしあたりはどうしてもこの規模を大幅にか中幅か知りませんが、私とすれば大幅に変えていきたいということは、オリンピックも控えておりますし、オリンピックということも大事ですが、なおその上に経済の伸びに対してやはりどうしても道路の拡大強化ということは、これはもう不可分な関係にあると思うのです。従って御指摘のような考え方をもって今日われわれは目下研究をいたしておる次第であります。
  20. 中島巖

    中島(巖)分科員 これはちょっとこまかい問題になって、建設委員会なんかで質問するのがいいかと思いますけれども、一級国道に対しまして大幅に五カ年計画進捗いたしておりますが、二級国道についてはごく微々たる増額であって、諸物価の値上がりとにらみ合わせれば旧態依然たる状態だ。従いまして二級国道に対していま少しこの計画を変えて重点を置かねばいけない。数字もありますけれども、時間が長くなりますから数字の説明は省略いたしますけれども道路局長でもけっこうですが、これに対してどういう建設省としては腹案を持っておるか、お伺いいたしたい。
  21. 村上勇

    村上国務大臣 一級国道には相当重点を置いておることはお説の通りであります。二級国道もある程度計画には入れておりますけれども、しかし二級国道の計画は御意見のように相当変えていかなければならぬと思います。その他地方の重要道路につきましては、十分これから検討して、大幅に規模を変えていくということは私も同感でございます。
  22. 中島巖

    中島(巖)分科員 その他お聞きしたいこともだいぶありますが、これは建設委員会の方へ譲りまして、今まで道路関係に対して質問いたしました要旨は、結局有料道路の五カ年計画のうちの、特に中央道に対します予算が約一千億近くあるにもかかわらず、九十億ぐらいしか使っておらぬ。従ってこれに対して画期的な方途をきめなければいけない。ことに四千万ドル、百四十四億に対するところの借款見通しもついたこの現況において、大臣は構想を改めてかかっていただきたいということが一点と、それから道路公団に対するところの運営のあり方についていま少しく御研究を願って、民間でできるものは民間へまかして、国策に合致するような重点施策に重点を置いていただきたい、この二つの点と、さらにガソリン税が予想以上の増徴になりましたので、道路整備の五カ年計画の一兆予算をこの際再検討していただかねばならぬ時期がきたのではないか、この三点を強く要望いたしまして、道路関係についての質問は打ち切りたいと思うわけであります。  次に河川関係についてお尋ねいたしたいと思いますが、本年度の岸内閣の内政面の大きな収獲といたしまして、私どもも全面的に支持し賛成いたしたのでありますが、治水特別会計が設置されたわけであります。そこでこの問題につきましては双手をあげてわれわれも賛意を表するのでありますけれども、この治水特別会計が設置されると同時に、特別会計に対するところの従来昭和二十八年以来とって参りましたところの交付公債制度を廃止いたしまして、現金納付制度に今回切りかえたわけであります。これは地方財政の健全化という建前からいえばうなずけるのでありますけれども、現在の地方財政の現況におきましては、政府答弁は一五%ないし二〇%の現金納付だ、こういうように言っておられるのでありますけれども、これでも現在の地方財政から考えれば非常に心配なのでありますけれども、これらに対して政府ははっきりした見通しを立てて行なっておるのであるかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  23. 山本三郎

    ○山本(三)政府委員 お説の通り特別会計の分につきましては、従来の交付公債制度を廃止いたしまして、現金でその当該年度に納めていただくという処置に相なったわけでございます。従いましてその年に金は要るわけでございますが、それに対しまして全国を平均いたしまして八〇%程度は直轄事業債を認めていこう、従いましてこの直轄事業債の分につきましては、二十年間で元利を償還するということに相なっておりますから、従来の交付公債制度と同じ程度の地方の償還の計画になるわけでございます。残りの約二〇%につきましては、各府県で平均して二〇%程度は現金で納めることに相なりますが、どういうふうに具体的に各府県の出し前をさせるかということにつきましては、今検討中でございます。非常に財政の貧弱な県におきましては、現金で納めることは非常にむずかしいわけでございますので、それらの県はなるべく起債の直轄事業債の方で支弁するようにいたしまして、不交付団体等で財源に余裕があるようなところについて、現金納付をお願いしようということに考えておるわけでございます。地方財政全体の計画といたしましては、交付税のふえた分もありますし、そういうふうな面からいいまして全体として調和がとれているわけでございますが、それらを県の財政に応じていかに按分するかが問題でございますが、それらの点につきましては自治庁、大蔵省とも連絡いたしまして、万遺憾なきようにやっていきたいと考えておる次第であります。
  24. 中島巖

    中島(巖)分科員 二十八年から交付公債制度を実施しましてから、道路といわず河川といわず、非常な事業の伸びを来たしたわけでありますが、今回交付公債制度を打ち切りまして現金納付制度ということになりますと、道路関係の方は財源を与えてありますので、これはあまり問題はないと思います。特に問題のあるのは河川局関係でありまして、これについては今局長から、一五%ないし二〇%の現金納付については各地方公共団体の財政事情について考慮するということで、自治庁その他と打ち合わせ中である、こういうような御見解を承ったのでありますが、そこで地方財政再建団体に対してはどういう処置をする考えであるか、それから負担率も財政再建団体に対しましては現在も当時の通りの減免の負担率を適用したのか、この二つの点についてお尋ねいたしたいと思います。
  25. 山本三郎

    ○山本(三)政府委員 直轄の事業の分担金をきめる際の処置でございますが、これにつきましては、やはり財政再建団体につきましては従来通り国の負担を多くする、結局二割多くということに相なっておりますが、その通りにして地方負担を計算いたしまして、その計算した地方の負担額によりまして納めていただく、こういう処置に相なるわけでございます。
  26. 中島巖

    中島(巖)分科員 なおこれは河川局長についででありますからお尋ねいたしますが、本年度の災害に対しまして、大臣もたびたび災害対策特別委員会におきまして、原形復旧ではなくして適当な改良事業も含めて実施する、こういうことを国会といたしましても要望し、政府といたしましてもそういう答弁をし、現在その通りになされておるわけであります。これはことに河川関係あるいは橋梁関係なんかにおきましてはもう公然の事実で、改良を含めて現在実施いたしておるわけであります。  そこでお尋ねいたしたいことは、公共土木災害の国庫負担法におきましては、この法律の精神からいっても条文からいっても原形復旧ということになっておりまして、その中にわずかに適当でないと認めるものとかなんとかいう逃げ言葉があるだけであります。従って法文通りに解釈すれば、精神からいっても条文からいっても原形復旧以上はできないことになっておるわけです。ところがもう国会の世論も政府考えも、現在実施しておることも、災害復旧事業と同時に改良事業も合わせて行なうこういうことになっておるのでありますから、これは法を曲げて解釈するよりは、国庫負担法の第二条を改正すべき時期になっておる、こういうように考えるのでありますが、政府はそれに対して研究したことがないか、あるいは研究しておるとすればどういうお考えか、その点をお伺いいたしたい。  第二点といたしまして下水道の災害でありますけれども、下水道は公共施設とは若干の食い違いもありますが、いろいろな雨水を集積して流すというような観点から見れば、下水道も公共土木の国庫負担法に当然入れるべきものだ、こういうように考えるのでありますが、この二つの点についてお尋ねいたしたいと思います。
  27. 山本三郎

    ○山本(三)政府委員 まず公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法改正の問題でございますが、お説の通り現行法におきましては原形復旧が原則とされておるわけであります。しかし「災害にかかった施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代るべき施設をすること」を災害復旧事業とみなしておるわけであります。「困難又は不適当」の解釈でございますが、困難と申しますのは、原形に復旧することが非常に金がかかるとか、あるいはできないというような場合がございます。そういうものをさしておるわけでございます。不適当とは、やはりそのまま復旧したのでは、いろいろの機能上からいいましても非常に不適当な場合ということに解釈いたしまして、お説のように現状におきましては相当程度の改良復旧と申しますか、そういう意味の改良復旧を災害復旧として採択をいたしておるわけでございます。一方それ以上の災害に加味する改良復旧につきましては、昨年の台風にかんがみまして災害関連事業というようなことも、法律上もはっきり打ち出したわけでございまして、それらのものにつきましても、激甚地におきましては十分の八の補助を出そうというようなことで、それらも新しく規定されたわけでございます。それをあわせてやるならば、改良復旧が全面的に推し進められるというふうに考えておるわけでございます。これらの点につきましての研究も、従来いろいろとやって参ったわけでございますが、全面的に改良復旧を災害として扱うということにつきましては、やはり一般の改良事業との関連もございますので、一般的の改良事業まで災害と同じように補助率を高めるというような点につきましては、いろいろと政府部内におきましても、意見があるわけでございまして、この点につきましてはさらに研究を要するわけでございます。政府部内といたしましても、従来もなかなか異論がございまして、現在までその点につきましてはまとまった意見が出ないような状況でございます。私どもといたしましては、さらに研究は要するのでございますけれども、現行法におきまして、その運用によりまして相当程度の改良復旧が実施されておるというふうに考えておるのが実情でございます。
  28. 關盛吉雄

    ○關盛政府委員 ただいま下水道の災害復旧を、公共土木施設災害国庫負担法の公共土木施設の中に加えるべきではないか、特に下水道の構造が合流式のような場合には、雨水を合流するわけでありますし、同じような公共土木施設という機能を営んでおるというお説でございまして、この点につきましては建設省といたしましても、下水道法の制定の際に、公共土木施設負担法の公共土木施設の中に挿入すべきであるということについて、いろいろ検討もいたしたのでございます。政府部内におきましては、下水道の事業を今後さらに伸ばすというためには、準公営企業と申しますか、使用料的なものも下水道整備の財源にして伸ばしていこう、水道とはそういう点においては本質的に違うと思いますけれども、そういう意味において準公営企業的なものの要素もあるということで、いまだに結論を得ないのでありますが、そういう状況でありますので、下水道の災害復旧にあたりましては通常の補助率より高めまして、二分の一の補助率をもって行なう。さらに昨年の台風のような場合につきましては、特に排水問題というものが非常に重要でありましたので、三分の二の補助率によって実施しておる、それが現状でありますが、なお将来にわたって検討をいたしたいと思っております。
  29. 中島巖

    中島(巖)分科員 根本建設大臣、当時に、政府は河川法の改正の意図があるということを表明されたわけであります。もう相当の年数がたつのでありますが、まだこれらの構想についてお聞きしたことはないのであります。これは私が説明するまでもなく、明治二十九年にできた法律でありまして、新憲法下におきましていろいろ矛盾があり、食い違いがあるわけであります。その端的な例を一つあげても、行政処分に対する訴訟の問題にしても、都市計画法では訴願前置主義をとっておるけれども、河川法においては主務大臣、地方行政庁の処分に対しては行政訴訟をせよ、こういうことになっておるわけで、同じ建設省の中において二重の、違った法律の建前をとっておる、こういう現況なのですが、建設省としてはこういう何と申しますか、旧憲法下において立案された河川法をこのままにしておく考えであるか。たといこのままにしておく考えにしても、同じ建設省内で、ただいま申し上げましたような二つの食い違った方法をとっておるということはどうかと思うのですが、この点について局長並びに大臣の御所見を承りたいと思うわけであります。
  30. 山本三郎

    ○山本(三)政府委員 お説の通り河川法はその制定が非常に古いわけでございまして、従来もこの河川法の改正につきましては、内務省当時からいろいろ企図いたしておったわけであります。しかしその後相当の年月を経ておる間に、部分的な改正は相当行ないまして、実情に合うように努力はして参ったのでございます。しかし今申されましたような事実、あるいは河川の管理をどういうふうに国と地方で分けるか、あるいは利水に関する条文が河川法には少なくて、政令とか省令に規定されるところが非常に多いわけでありますので、それらを加味いたして、利水に関する条文をもっと整理しなければならぬという点があるわけでございますが、それらの点につきましては、私どもといたしましても常に研究をいたしておるのでありまして、建設省といたしましてはある程度の省内の成文は持っておるわけであります。しかしこの問題につきましては、各省、あるいは地方公共団体との関係等にかんがみまして、いろいろと困難な問題があるわけであります。しかしお説のように非常に古い法文でございますので、何とか早く新しい形にしたいという点があるわけでございますので、今後におきましてもできるだけ早く各省等との連絡をいたしまして、改正に持ち込みたいというふうに考えておる次第でございます。  それから行政訴訟の問題につきまして、従来もいろいろと御意見を承わったわけでございますが、これらの点につきましても、改正の場合におきましては、何とか統一的な方向に持って参りたいというふうに考えておるわけでございまして、今の解釈が省内において違うという点も私ども承知しておるわけでございますが、これらの点につきましては従来のいきさつもありますので、そういうふうな解釈にいたしておるわけでございますが、法の改正にあたりましては、統一の方向に持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  31. 中島巖

    中島(巖)分科員 それ以上いろいろお尋ねいたしても仕方がないと思いますので、この程度にしておきます。  それからこれは計画局関係になると思いますが、一言お尋ねしておきます。ただいま道路局長道路公団事業について質疑応答いたしたので、十分おわかりだと思いますが、今回首都高速道路公団では、百十一億余の予算を計上いたしておるように記憶しております。これは用地取得の非常に困難なことを新聞で伝えておるわけでありますが、はたしてこの予算消化できるかどうか、この点について、用地関係は局長から、見通しについては大臣から御答弁をいただきたい。
  32. 關盛吉雄

    ○關盛政府委員 首都高速道路公団の行ないます事業は、東京都内の人家の密集した地域内において実施いたすものであります。従ってお説の通りに、まず首都高速道路公団の作ります自動車専用道路は、公共用地を極力用いる計画になっておるのでありますが、高速道路が構築されます下の街路の拡幅に要する事業が、一番困難な問題になるわけでございます。全体として高速道路の通過いたします計画は、高速道路そのものが民有地を利用いたしますのは全体の一四%でございます、しかしながらいわゆる関連街路事業と申しまして、今お話の一般の下の道路を拡幅する、この仕事を並行して進めなければならないのでございます。これは御承知通りに、東京都が実施する公共事業を中心といたしております。なおそのほかに公有水面等の埋立関係等もございますので、これらはいずれも、目下公団並びに東京都におきまして、事業の実施に必要な地元とのいろいろな打ち合わせをいたしております。同時にまた建設省といたしましては、このような公共施設を整備するためには、公共施設の道路の拡幅に際して除却せられなければならない建物というものを合わせまして、その道路用地に接続した一部の部分について、いわゆる現在の都市計画法に超過収用という制度がございますが、そういう制度を活用した市街地の改造というような法律等も並行いたしまして準備を進めて、この方法と相待って、道路建設の実施計画をできるだけ達成できるように努めたい、こういうふうに考えております。
  33. 村上勇

    村上国務大臣 首都高速道路公団事業見通しにつきましては、これはもうこの種のいわゆる公共事業につきましては、何と申しましてもその用地取得の問題が一番難関にぶつかるのでありますが、しかしながら国民全体の公共の福祉のためには、私は地元の方々も十分御理解を願えるものと思っております。従ってこの用地取得の問題さえ解決すれば、事業面における工事進捗等につきましては何ら不安がないものと思っておりますので、この用地取得について鋭意努力を続けて参りたいと思っております。
  34. 中島巖

    中島(巖)分科員 以上をもって建設省関係の質問を終わることにいたしますが、防衛庁で二百何十億の予算を残して、内閣委員会予算委員会でずいぶん問題になっておるのです。ところが道路公団予算の残し方なんというものは、使う方が一割五分か二割で、八割も残しておって、率からいえば防衛庁の比較にならぬという状態でありますので、事業計画予算執行について十分な監督、御配慮をお願いいたしまして、建設省関係の質問を終わることにいたします。  運輸省の方がお見えのようでありますので、ごく簡単にお伺いいたしたいと思います。第一点といたしまして、新東海道幹線と申しますか、これのどういう年次計画を持っておられて、いつ完成されるか、それから総予算はどんな状態であるか、この点についてお聞きしたいと思います。
  35. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 東海道新幹線の計画といたしましては、三十四年の四月に国有鉄道から、東京—大阪間の東海道新幹線増設工事の認可の申請がありまして、四月に認可をいたしたわけであります。三十四年度予算といたしましては三十億円計上されておりまして、三十四年の九月に新丹那隧道の掘さく工事から着手しております。本年度予算は二百七億になっておりますが、利子を含んでおりますので、実際の工事費は百九十七億と算定いたしております。それで計画といたしましては、大体五カ年間をもって完了するという予定でございまして、現在の国鉄の情勢では、自己資金による支弁の額はそう多く出ないので、大体外部資金を期待いたしておるわけでございます。それで今後の計画、三十六年、三十七年、三十八年といたしましては、大体年間五百億円程度、これは利子を除いての計算でございますが、導入をいたしまして、総額、工事費だけで—車両費が百億入っておりますが、車両費の百億を含めまして、千七百二十五億というのが総工事費になっておるわけでございます。
  36. 中島巖

    中島(巖)分科員 そうしますと、これはごく大ざっぱな、常識的な御答弁でけっこうですが、現在の東海道線と今度新設される東海道線との輸送力の比較というようなものは、どういう計算になるか、御説明願いたい。
  37. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 御承知のように今度新しく敷きます線は広軌でございまして、この新しい線と現在線とを一緒に考えまして、総合的な輸送力を多くしようということで考えております。それで現在の東海道線の輸送力は、列車回数にいたしまして、片道百二十往復が大体最高でございます。片道百二十往復というのは、輸送としてはほとんど行き詰まっておる状態でございます。と申しますのは、ただ走らせておるというわけにもいかないのでございまして、問題はその間に保線の問題がございます。そういうものを考えますと、百二十往復というものは、ほとんどリミットに達しておるわけでございますが、現在の東海道線では大体線区別には百二十往復に達しておるところは相当あります。これが三十六、七年になってほとんど全線にわたって百二十往復になりますと、麻痺してしまうという計算になるわけであります。それで新幹線を増設いたしますと、現在の東海道線のダイヤが一体どれくらいになるかと申しますと、現在では百二十往復、つまり百二十回でございまして、これは御承知のようにいろいろスピードの違う車が走っております。これをなるべくスピードを同じにして運行するということが可能になって参りますと、現在の列車回数百二十回が百八十回くらいになり得るということでございます。ちょっと御理解がむずかしいかとも思いますが、これは非常にこまかい輸送計算でございまして、スピードの同じ汽車が同じ線路上を走りますと、等間隔で走りますので、非常に回数がふえるということが、百二十回から百八十回にふえる理由でございます。一方新設いたします方の線は、大体百五十回くらいの輸送力というふうに考えております。この百五十回でございますが、御承知のように現在の東海道は三フィート六インチでございますが、今度敷こうといたしておりますのは四フィート八インチでございますので、現在線に直しましたときには大体二百回くらいの輸送力になるであろうということが考えられるわけでありまして、その点におきましては相当輸送が多くなるということでございます。これは本数の関係でございますが、運行といたしましては、大体急行、特急に類するような旅客列車は新しい線に移行いたしまして、残ります旧東海道線につきましては、中距離運送を主といたしまして、スピードを高め、経済線のサービスを相当向上できるであろうということを考えております。現在でも国鉄ではいろいろな列車を走らせたいのでございますが、ただいま申しましたように百二十回と押えられておりますのでできない点が多いわけでございます。今度はダイヤがあきますので、相当地元の御要望にこたえ得る輸送ができるというふうに考えております。
  38. 中島巖

    中島(巖)分科員 局長から非常にこまかい御答弁があったのですが、どうもしろうとにはちょっと受け取りにくいのです。フル・スピードに両方使ったら、今度の新線の方は大体何割増くらいの輸送力があるかというようなことを、具体的にしろうとにわかりいいようにお話し願いたい。
  39. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 平たく言いますと、現在百二十回やっております。新線の方は一応百五十回と計算いたしておりますが、広軌でありますので、これを現在の線に直しますと二百回くらいになりますから、百二十分の二百だけふえる。従って両方で倍以上の輸送力になるということでございます。
  40. 中島巖

    中島(巖)分科員 次に鉄道建設線についてお伺いいたします。これは鉄道敷設法で定められておるのでありますが、現在建設線というものは何ぼくらいあるのか。これは名前をあげていただければなおけっこうであります。それからそのうちで建設線に編入されても、聞くところによると全部工事にかかっておるというわけではないそうでありますが、工事着手しておる線は何線あって、未着手の線は何線あるのか。こういうようなことを大ざっぱにお伺いいたしたい。さらに現在建設線に指定されておるものの建設費の総合計はどのくらいになっておるのか。また本年度建設線の予算はどうであるか。さらに現在の建設線の完了の大体の見込みはいつごろであるか。これらの点につきまして平たく、わかりやすく、どこもそうつつくところもないわけでありますから、一つ安心してお話し願いたいと思います。
  41. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 現在着工中の新線は二十五線ございます。その一線々々申し上げるのは後ほどにいたしまして、この二十五の着工線のうち未着手のものは六線ございます。その六線の名前を申し上げますと、北海道の根北線、興浜線及び芦別線、関東地区におきましては武蔵野線、北陸地区では氷見線、九州の小国線でございます。そのほか調査線が十六線ございましたが、昨年鉄道建設審議会で御決定になりまして、うち十一線が三十五年度より着工線として指定を受けておるわけでございます。現在着工中の二十五線の総工事費は、概算でございますが千億でございます。新たに入りました十一線の総工事費が約六百億でございます。千六百億というものが現在の段階では一応三十六線の総工事費でございます。三十四年度予算は九十五億でありまして、この中には海峡連絡鉄道と申しまして、本州から四国、あるいは本州から北海道への調査費が三億含まれておりますので、純粋な新線建設計画の費用といたしましては九十二億でございます。三十五年度予算も前年同様九十五億の予算で今国会に提出いたしておるわけでございます。
  42. 中島巖

    中島(巖)分科員 この二十六線の建設費に対しまして、千六百億とか千七百億とかいう数字で、予算が九十五億ですと、現在の建設線の建設だけでも、現状予算では二十カ年かかるわけですが、もっと予算を倍額くらいに増額してどしどし進めたらいいというふうにしろうと考え考えるのですが、予算の獲得上の問題点はどういうところにあるのですか。
  43. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 問題はいろいろあるわけでございまして、一番大きな問題は、国鉄全部の工事費、改良費並びに修繕費その他が、国鉄の現在置かれております経済状態があまりよくありませんので、多くないということでございます。国鉄のそういう工事は、全般的なあらゆる要請を満たしていきますために、平衡を持った予算を組まなければなりませんので、新線建設だけをたくさんにするとか、あるいはそのほかの電化だけを進めるというわけにもいきませんで、やはり全体的に平衡をとった予算を組まなければならないということが第一点でございます。  それから新線建設につきまして、われわれは鉄道建設審議会の御答申をいただいておりまして、年間百三十億あれば一番経済的な建設ができるという予定でございましたが、実は現在線の中でも、東海道、山陽そのほかにおきましてほとんど赤字線でございまして、今後建設をしていく線路につきまして、収益を上げるという線がほとんどないわけでございます。また一方、国の経済の状態、地方開発の状態から、新線建設の御要望が強いわけでございます。それらを調節してやっていかなければならないわけでございますが、国鉄の財政状態並びに新線建設において相当赤字を招来するというようなことが、あまり新線建設費にだけ予算をたくさん盛り込むということができない状態でございますが、運輸省といたしましては、ある程度手がけました工事は経済的にやはりやっていかなければならないので、現在よりもある程度ふやした、各工事が経済的に進行し得る程度予算は獲得いたしたいというので、毎年努力いたしておるわけでございます。
  44. 中島巖

    中島(巖)分科員 局長に予算の問題をえらい追及いたしても仕方がありませんけれども、また運輸大臣や総理大臣に対しましても、わが党といたしましても極力予算を増すように要請する考えでありまして、せいぜい早くこの線は完成していただきたいということを要望いたしておきます。  それから自動車局長にちょっとお伺いいたしたいのでありますが、最近バスやタクシーが非常にふえまして、事故が多いわけであります。そこでこの災害に遭遇した場合において、自動車保険はありますけれども、これはごく微々たるもので、二、三年前は、事故で死んだ人なんかの統計を見ると、大体三、四十万で済んだものが、今は二百万とか三百万とかいうような賠償費になったわけであります。私は人命を傷つけるのだから二百万とか三百万とかという慰謝料が、こういう大きい額が当然だと思います。そうなりますと、とうてい現在の災害保険制度ではこれを充足することができない。従ってここに何らかの処置を講じねばいけないと思うのです。そこで例の、あの巨大な国家資本を使っておるところの電力会社などでも、渇水準備金制度というものがあって積み立てておるのです。そこでこのバスとかハイヤーの、人命を託されておるところの事業に対しましては、災害補償に対するところの準備金の積立制度というものを設けることが、これらの事業の健全化ということもでありますが、それ以上に正当な慰謝料を遭難者に支払える、こういうような大きな人命尊重の上からいっても、必要じゃないか、こういうように考えるわけでありますが、これらに対しまして運輸当局はお考えになったことがあるかどうか、もしお考えになったことがあるとすれば、その内容などについてお聞きしたいと思うわけであります。
  45. 國友弘康

    國友政府委員 最近自動車事故によりまする死傷事故がふえて参っておることは、自動車の激増に伴いまして見られる現象でありますが、目下のところ、自動車損害賠償保障法によります保険金は死亡三十万円、重傷十万円というような最高額が払われるわけでございますが、これでは少ないという議は方々で出ておりまして、大蔵省の方の付属機関でありますところの自動車損害賠償責任保険審議会でも、これの支払い保険金の増額ということが問題になっておりまして、死亡五十万円程度に引き上げるべきでないかという意見が出ておる状況でございます。ただこの五十万円に引き上げますためには、やはり保険料を相当上げなければいけない。昨年の八月から補償準備制度の赤字を埋めますための保険料の増額をいたしましたが、それに引き続いて上げることもどうかというので、目下のところは三十万円で押えているわけであります。しかし当然近いうちに五十万円程度までは増額することをぜひ考えなければいけないのではないかと私は思っております。先生のおっしゃいます電力会社の渇水準備金のような制度を作るというような問題につきましては、実は私どもとしましては、保険金によります支払額の増額の方を考えておりまして、今までそういう制度を考えたことはないのでございますが、ただ今の保険が、自家保障の場合でございますが、そういう場合におきます準備金を損金として立てるような方法について、大蔵省と折衝したことはあるのでございます。しかしこの場合も、損金で立てることについては賛成が得られない状態でございまして、今お話のありましたような制度を考えまして大蔵省と折衝いたしましても、相当困難が伴うものと思っておりますが、しかし先生のお話も一つのいい考え方だと思いますので、私どもの方でも今後研究をいたして、その研究ができましたら大蔵省の方とも打ち合わせをするということをいたしたいと考えております。
  46. 中島巖

    中島(巖)分科員 平たく申し上げれば、ただいま局長から御答弁になったような当然三十万を五十万に保険として引き上げなければいけないでしょう。けれども、バスやハイヤーみたいにたくさんの人命を預かっている商売に対しましては、ただいま申しましたような電力会社の渇水準備金と同じように、災害準備積立金制度というようなものを作れば、これは損金で落とさなければならぬから大蔵大臣に問題があると思います。問題があると思いますが、その積立金は他に流用できないことにして積み立てるということにいたしますれば、現在の情勢に合ったような遭難者に対しては十分な手厚い慰謝料が出せることになるわけであり、さらにまた会社の内容も堅実になることでありますので、この保険金制度と今の災害補償に対する準備金制度との両建を行なうべきではないか。ことに最近の自動車事業の趨勢から見てそういうように私は考えるわけであります。ぜひ一つ御研究をお願いいたしたいと思います。  一人でだいぶ長時間にわたって質問させていただきましたが、以上をもって打ち切ります。
  47. 岡本茂

  48. 竹山祐太郎

    ○竹山分科員 私は簡単に東海道新幹線の問題についてお伺いいたします。東海道新幹線は、やり始めた以上は一日も早く完成すべきだと思います。それについて考えられることは、今は山の中の鉄道とか、あるいは昔東海道を作ったときとは時代が違うし、それから場所柄が非常に違う。都会の中を通り、あるいは農村といえども非常に集約な地帯を通りますし、大きな堤防を作るについては今までのような考え方では、私はいよいよになって行き詰まるのではないかということを非常に心配しておる。そこでこれを順調に進めるためには、国鉄なり運輸省だけの力でやろうとしても困難だ、建設省とか農林省とか政府全体が協力体制をとらなければ私はできないと思いますが、それに対して今どういうことをやっておられるか。
  49. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 御指摘通りでございまして、この線を作りますのにはいろいろ困難が多いと思っております。そして実は昨年の九月新丹那トンネルの着工でこの工事が始まったわけでございまして、来年度予算からいわば本格的な買収その他の行為が行なわれてくるという段階になっております。国鉄といたしましては中央官庁のみならず、地方の県あるいは市町村という段階の御協力を得なければならないので、現在そういったところにいろいろお願いをしておりまして、私どもといたしましては、現在建設省でおやりになっております国土開発自動車道、いわゆる名神国道におきまして道路公団内に各省の方々に集まっていただいて、いろいろの問題の解決をはかっておられる。結局現実的な問題を一つ一つ解決していくことが大切でございますので、新しい年度になりましたらそういう組織を国鉄部内に作りまして、各省の御協力を得ますとともに、地方にもできるだけ御協力を願えるような組織が、もしもできましたならば作って参りたい、かように考えておるわけであります。
  50. 竹山祐太郎

    ○竹山分科員 役所としてはやれるだけのことをやっておると思いますが、私の感じでは、普通の場合のように地方で土地の買収ができればいいという問題ではない。むしろ政府がこれだけ乗り出した以上は、まずまっ先に中央官庁の間でもっと組織的な、体系的な協力をやっていかなければ、地方がどうしろといったって地方ではどうなるものでもない問題が非常に多い。そういう意味からいうと、新年度からやられるというから期待をいたしますが、私は非常に不十分だという感じを持っておる。これは将来の都市計画なりあるいは農地の計画なり非常に変化の激しい地帯にやるのですから、現状のままで堤防を作られてしまったら大へんなことになるというのが国民の感じですから、その辺はむしろ中央から積極的に一定の計画と方針を示してやらなければ、私はおそらく地方ではどうにもならぬと思う。そういう体制をすみやかにおとりを願うべきだと思いますが、それについてはただ計画だけではできない。その裏打ちをどうするかという問題になるのですが、私がしろうとの感じから言うたって、それのすべてを国鉄がやれるものではないと思う。そうなれば政府全体として建設省なり農林省なりの予算的裏打ちというものが当然必要になってくると思いますが、その予算的な問題というものはどういう段階まで政府の内部で話が進んでおるか。
  51. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 現在の段階でございますと、各工事区間計画を今立てておる段階でございまして、先生のおっしゃいますような中央的なそういう機関というものは、ぜひわれわれも必要であるということで、そういうものを作る準備を今いたしておるわけでありますが、他省の関係につきましてはまだ具体的にどういう必要があるというまでの検討ができておりませんですが、そういう組織ができましたら、いろいろわれわれ他省の関係で知らない点もあると思いますので、各省の方々からいろいろそういった問題の点も御指摘を願い、また解決に御協力を得るように努力して参りたいと思っております。
  52. 竹山祐太郎

    ○竹山分科員 端的に申すと、私はぐずぐずしていると土地買収もできないし、仕事をやろうとすればできない。簡単に言えば道路を将来一体何メートルにするか、川はどっちに向けて持っていくかということは、中央でなければきまらぬと思う。それの方針を早く政府部内できめて、そうして建設省なり農林省なりが当然国家としてそれの裏打ちをするなり、そういう予算的方向をできるだけ来年度予算、新予算からやるべきだと思うが、もう今から間に合わない。それについては私は少なくも来年度予算の中で、経済企画庁の調整費の中からでもできるだけのものをやって裏打ちをするなりして早く道を開いていかないと、あなたの方の仕事進捗しないと思う。経済企画庁の調整費をこれに向けることについて、今いいとか悪いとか答弁できないまでも、そういうことを考えておられるかどうか、政府部内で早く話をするお考えがあるかどうか。
  53. 山内公猷

    ○山内(公)政府委員 御指摘の点重々私どものためにお考え願っていると思うのであります。われわれも今言いましたように、実は東海道新幹線工事の今度の予算をお認めいただきますと、本格的な工事に入るわけでございます。現在国鉄におきまして本年度の二百七億というものについてどういう計画をするかということで、新しい年度にあたり計画をいたしております。運輸省といたしましては、それに並行しまして今言いましたような組織を作りましてやるつもりでございますが、その中で各省官庁の了承があれば、ぜひわれわれとしてもこれに調整費を使わしてもらいたいと考えているわけであります。国鉄の計画がわかり、そういう会合におきまして各省の具体的なお話を伺えば、そういう方向に努力いたしたいと思います。
  54. 竹山祐太郎

    ○竹山分科員 最後に希望を申しておくのは、それはあくまで役所仕事ではなしに政府の大きな仕事だということ、われわれもその意味で賛成をしているのですから、国鉄なり運輸省が積極的にどんどん働きかけない限り、よその省が協力しましょうという、それほど役所というものは親切なものではない。そういう点をわれわれは全体として心配をしておるわけですから、予算が取れてからゆっくり相談するといったって仕事はおそくなってしまう。むしろ早目にそういう問題は運輸省がどんどん手を打っていかなければ、私はこの仕事は非常におくれるという心配を持ちますから、念のために一つきょうは質問をし、希望を申し上げる次第でございます。この程度です。
  55. 岡本茂

    岡本主査 ほかに御質疑ありませんか。——質疑がなければ、これにて本分科会所管の予算各案に対する質疑は全部終了いたしました。     —————————————
  56. 岡本茂

    岡本主査 この際お諮りいたします。本分科会所管の予算各案についての討論、採決は、予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 岡本茂

    岡本主査 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。分科員各位の御協力によりまして円満に議事を進行することができましたことを厚く御礼申し上げます。  これにて散会いたします。     午後零時十八分散会