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森本分科員 これは非常に
郵政省としては、
貯金局長、保険局長は一応保険、貯金のベテランでありますけれ
ども、私が想像しまするには、
政府が
財政投融資
資金を総花的にやらなければならぬ、また、今一般会計の
財政が非常に苦しい、こういうことになって参りますと、
財政投融資の面における花を持たせなければならぬ。そうなって参りますと、何といっても
郵便貯金の増収ということが一番大事であるというところから、今
貯金局長は昨年の実績云々ということを言いましたけれ
ども、今まで
郵政省始まって以来の最高の成績をもって
予算額に計上するということは、非常にこれは危険なやり方であると思う。そういう点からいって、まあこれは
財政投融資という政治的な至上命令を
郵政省がそのまま受けざるを得ないという形において、今度受けておる。その結果、
郵政省におきますところの末端の従業員というものは、
郵便貯金というものは
簡易生命保険と違いまして、実際にそう勧誘に行ってこれがふえるというものじゃないわけであります。窓口に来てくれるものが多いわけでありまして、大体勧誘するというのは、積み立て貯金と定額貯金だけでございます。通常貯金と、積み立て貯金、定額貯金の占める割合というものはそんなに違っておらぬわけでありまして、そういう点からいって、
郵便貯金というもののふえるという場合は、局員が大いに努力をしてふえるという意味合いのものではないのであります。そのときの経済状態が反映をして、
郵便貯金がふえる、減る、こういう問題でありますから、たまたま本年千三百億ということになりますと、御
承知の
通り、本省としては各郵政局に、さらに郵政局は
郵便局に、その貯金の純増の目標額というものを、強制的に各
郵便局に割付をする。各
郵便局としては、やむを得ぬから、実際に勧誘すべきものでないけれ
ども、通常
郵便貯金まで勧誘して回らなければならぬ、こういう結果になって、そのしわ寄せが全部従業員に来てしまうというのが通例であります。本省の
大臣なり
貯金局長というものは、千三百億ときまったからこれでやれ、こういって命令をすれば、それでよいようなものの、一番下で働く者にとっては、これはまことにありがた迷惑であるということが言えると私は思う。こういう点は十分
郵政省としても
考えて、さらにこういう目標額を設定するという場合には、
郵政省は
郵政省としての科学的な根拠において、この
程度はむずかしいというふうな突っぱりと粘りを持つような準備態勢を一つとってもらいたい。いつでもそういう点については
大蔵省にやり込められるというのが、私は
郵政省の実態ではなかろうかという気がするわけであります。ほとんどそのときの政治的な
考え方によってこういう目標額が設定され、また支配をせられるということについては、
郵政省の従業員としてはまことに迷惑千万な話でありまして、非常にそういう点が
——特に第一線の従業員のことも
考えると同時に、やはりそのときの経済状態というものを
考えてやっていかなければならぬと思う。今、保険局長は、
答弁のときに、
簡易生命保険については、あまり経済状態については影響がないということを言われましたけれ
ども、
郵政省の保険局自体が各郵政局に郵政局から
郵便局に、
簡易生命保険の目標額を割り付ける際には、五〇%以上そのときの経済状態というものを見ておるわけであります。現実に、郵政局が各
郵便局に、お前のところは何万円の目標額ということを設定する場合には、そのときの普及率、さらにそのときの経済状態、さらに
定員、こういうものを見て、いわゆる目標額というものを決定するわけであります。だから下部における目標額を設定する場合にはそういうことがはっきりとうたわれるわけでありますから、実際大どころの目標額においても、その経済状態が半分以上は入っておるのが当然であります。だれか見ても、貯金がこれだけふえて保険がふえてない。私は保険をふやせと言っているわけじゃない。
郵便貯金だけ、こんなにぽこっとふやすというのはけしからぬ。しかも政治的な、法律の改正案については貯金の方があまり優遇されておらない。保険の方が優遇されておる。こういうちぐはぐな行政措置というものは私はやるべきでない、こう
考えるわけであります。今ここで
幾ら大臣に説教したところで、もう済んだ問題でありますからこれは仕方がないといたしましても、確かにこの点は不合理であろうと私は
考えておるわけであります。
そこでちょっとついでに聞いておきたいと思いますが、
郵便貯金の目標額が一千億円から千三百億円に、約三割がたふえておるわけでありますが、それに応じてこの
郵便貯金の従業員に対する報償費その他の施設費というようなものについては、その割合にこの経費がふえておるかどうか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。