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永井分科員 大臣に伺いますが、九つの
電力を統一しますと、これは相当に
合理化ができると思います。ヨーロッパの共同市場も各国違った
電力会社が、電線をつないでヨーロッパ共同市場の
地域内の
電力を一本にしようという動きが相当に出ておりますことは、これはもう御
承知の
通りだと思うのであります。それを日本が戦争に負けて小さくなった、小さくなったと言いながら、その小さくなった
地域の中で九つに分割しているこの不合理な体制を、どこまでも続けようとしている。ヨーロッパの方では国が違っても、あの広い
地域を電線を一本につないで、さらに
合理化をしよう、広域
運営をやろう、この
産業の
基礎的
条件を単一にしていこう、同じような
条件に引き上げようというようなことをしておる。そういうところに、ただ
電力会社の利益だけをはかるような立場でものを
考えておることに対しては、われわれ非常に不満であるし、猛省を促したいと思うのであります。そこでこの
料金の問題をちょっとお伺いします。大口需用は、三千キロ以上は一キロワット時三円七銭、五百キロ以上が四円二銭というような安い
料金、これに対して
業務用の方は七円四銭あるいは六円五十九銭、さらに電灯
料金になりますと、十一円四十九銭というようなひどい価格をくっつけておる。これは大口で原価を切って赤字を出したものを、家庭用電灯で補いをつけているという、こういう価格の割り振りであります。こういうものに対して大臣は無関心でいられるのですかこれを一つ伺いたい。
さらに今日の電灯
料金というものがどういう過程で改訂されてきたかといえば、もとは冬
料金、夏
料金という二つがありました。
電力料金は原価主義というならば、夏
料金と冬
料金と二本建てであることは当然だと思うのです。原価主義の上からいって私は合理的だと思う。それを高い冬
料金から安い夏
料金にかわるときに冬
料金のまま一本化してしまった。高い方の
料金に一本化してしまう、こういうずるいやり方で値上げをやった。さらに今度は
電力料金の計算の単位を変えて、定額であるとかあるいはメートルとかそういうものを今度はアンペア制に切りかえる。計算単位を切りかえて、この切りかえた当分の間はこれを置きかえる——アンペアの機械がそうできないから、アンペア制、五アンペアは幾らに置きかえる。十アンペアは幾らに置きかえると、従来の定額に一応換算してやっている。そしてそれが一応ついたところで、アンペア制でぐっと引き上げていった。五アンペアなんかではラジオもあるいはアイロンも電燈もというようなことができない。そんなのをするとすぐヒューズが溶けてしまう。ですから五アンペアで従来十分であったものが、今度は十アン。ヘアを設置しなければいけないというような形で計算単位を切りかえて、そうして実質的な値上げをやる。これが公益
事業かと思われるような
料金の改定の仕方や足どりをずっとやってきて、これが原価主義によって
政府が許可を与える
料金の内容だということについては、われわれは非常に不満を持っておるし、当局の行政
指導というものに対して非常な疑義を私は持つものであります。さらに農村の
関係に入りますと、これは大臣も御
承知のようにもっとひどい。北海道のような場合は電柱を二本半以上つくところはそろばんに合わないからつけないのだというので峻拒いたします。でありますから、農家の場所によっては永久に電灯がつかないような状態に置かれている。それをつけたいなら自分で負担せいという。でありますから開拓農民であるとかなんとか、こういうみじめな人たちが一戸、電灯一つをつけるために十五万円内外の自己負担でつけておる。そうしてその
電力料金はどうかといえば、組合を作って、そうして高い
料金で配電されておる。さらに補修その他は自分たちの組合でやっていかなければならぬ、こういうひどい状態になっておる。さらに
料金の
関係では、基本
料金というのがきまっていて、たとえば酪農家なら牛を飼う牛を飼って一日十分か十五分まぐさを切る動力に使うというようなものでありましても、基本
料金が一カ月千幾らという
料金を負担させられる。でありますから、一時間当たりの
料金から申しますと非常に高い。一時間当たりの実質
料金が三百十一円、こういうひどい
料金になっておる。こういうひどい
料金の内容をそのままに見過ごしておる。これが公益
事業だ。公益
事業ということは国民
経済的な立場から見た公益ということではなくて、公益
事業という名において
電力会社が、一
企業が、営利
会社がその利益を
確保され、そうして税金を安くしてやる。当然ここからは配電しなくてもいいんだ。お前の公益
事業はこの限界でいいんだというような利益の立場から国民
経済を切り捨てる、こういうようなやり方をやっている。そうして現在はどれくらいあるかというと、三十四年の上期において四百三十五億一千四百六十二万円というような渇水準備金を蓄積しておる。そうして零細な地方の農民なんかの利益というものは踏みにじられておる。こういうようなやり方というものは厳に戒めなければならない問題だと思うのであります。事務的な答弁はあとに回わしまして、こういう一般的な
企業のあり方というものについての大臣の御所見をお伺いいたします。