○飛鳥田
分科員 くどいようですが、六千箱になんなんとする火薬というものは、周囲住民の何万という人々を傷つける可能性を持っているわけです。普通の場合とは違うだろうと私は思うのですが、この周囲住民何万という人々の生命、身体に関する問題について、
アメリカ軍が多分よくやっているだろうという程度で、
日本政府としては責任は果たせるでしょうか。ボン協定などを見ますと、基地の中におけるそういう問題については、少なくともドイツ国政府が定めている水準よりももっと厳格なものである。駐留軍の自治的な規則制定を認めるけれども、ドイツ国政府が定めた法規の水準以下は認めないということを、はっきり書いてあるわけです。
日本では何もそういうことを考えずに、ただ
アメリカさんが一生懸命やってくれるでしょうというだけで、何万という人々の生命にかかわる問題を放置していいかどうか。もしはねたらどうしますか。はねたときの責任は、あなた方多分いいと思ったのだけれども、
アメリカ軍に手違いがありました、これでいいだろうか。だれだって、火薬を扱うのに、手違いがあっていいと思っている人はありません。だがしかし、やはり手落ちというものは、どんなに努力をしてもあるものです。そういう場合に、一人の目よりも二人の目、二人の目より三人の目が、これをよけい監督をした方がいいのではないだろうか。こういうふうに考えますと、今も現に行なわれつつある田奈の弾薬庫における危険作業、こういうものについて、調達庁はなぜもっと積極的に出ていかないのか。
米軍に対しても、あなたの方でも手落ちはないでしょうけれども、私の方でも監督官を派遣します、こういって、監督官を派遣して、そして作業に無理があれば、それは無理です、また作業の施設に不十分な点があれば、ここはこうしてほしいということを、なぜ言おうとしないのか。そういうことを申し出て、
米軍が拒絶をしたというならば、話は別です。申し出ても多分
米軍は拒否するだろうなどということで、勝手に自分であきらめてしまう必要が一体あるだろうか、こう私は思うわけです。従って、くどいようでありますが、調達庁は、通産省の火薬取り締まりその他に関するエキスパートと、あなた方のレーバー・オフィサーとを、ともに出して、現実に危険作業を今やっておる田奈の弾薬庫の中に派遣し、監督するということを、
アメリカ軍に申し入れる意思がありますか、どうですか。基地管理権の問題として、これは非常に重要な問題じゃないだろうか。権利、権力、権能を絶対に基地の中で
米軍が持つというその規定に縛られて、もしそれが爆発すれば、周囲数万の人間を傷つけるようなそういう危険物に対して、
日本政府は指をくわえて見ていていいのか、こう考えないわけにはいかないわけです。田奈の弾薬庫はやがて閉鎖されるでしょう。しかし、そこにある六千箱は池子の方へ運び込まれます。もしこの池子の弾薬庫で間違いがあったならば、逗子の市民、鎌倉の市民、横浜市の金沢区の市民は、大部分消し飛んでしまうはずです。大部分けし飛んでしまうようなこんな危険な施設を、何ら
日本政府が関与せずして維持管理させるということについて、
長官はどうお考えでしょうか。当然こういうものの維持管理については、調達庁の官僚あるいは通産省の人、こういう人を常時そこに派遣をして、
米軍と共同して管理する。あるいは軍の秘密ということもあるでしょう。だがしかし、その出かけていった人は、
日本国の官吏として秘密を守る責任を負えばいいのです。民間人が入っていくのではないですから、当然そういう人々を出して、危険なきょうに政府としては全力をあげるということを考えるべきじゃないだろうか。そういうことをやる意思がありますか、ないですか。これを伺いましょう。