○佐々木(良)
委員 論議になりますから先べ進みたいと思います。ただ大蔵大臣、話が違っているのです。私が言っているのは、一月の
国際収支が実質赤字が出た、こういうことを先ほどあなたに聞きましたが、それから今
為替局長の答えられた問題は、二月の外為会計が一千万ドル減少したということ、二月の外為会計の減少ということと関連をしまして、そして今私が三十五年度の限度額の問題を出したわけです。三十五年度の限度額は、繰り返して言うようだけれ
ども、昨年の場合には、実質の
国際収支一億六千万ドルの黒字を見越して三千五百億円の限度額を繰り入れた。ところが三十五年度の場合には、一億五千万ドルの黒字を見越して、しかも五千五百億円を繰り入れている。いいですか、
国際収支の黒字の減少だけから見ると一千万ドルしか減っていないわけでしょう。それだのにかかわらず、三十四年度に比べて三十五年度は二千億円もプラスをしている。このことはあなたは知らぬかもしれないけれ
ども、事務当局の方は逆に、ことしは自由化の問題が進むから、同時にまた
国際収支の見通しもそう楽観も許されないし、自由化の問題が進むにつれてドル買いも相当ふえていくのではなかろうかという見込みから、私はこういうふうなふやし方をしたのではないかというふうに思ったのですけれ
ども、どうもあまり
内容に入り過ぎてぴんとこないようでありますから省略いたします。ただ問題は、一月の
国際収支の赤字が出てきておること、二月の外為会計の引き揚げ超過が予想以上であること、この辺を十分考えられないと、普通の
国際収支の見方をしておると、これから自由化に向かおうとするときだから、注意を大いに喚起しなければならないのではないかということを言っているわけでございます。時間がありませんから、御
答弁はよろしゅうございます。
今度はもうちょっとわかりやすいやつにいきたいと思います。ほんとうは自由化の条件の
国際収支と、外貨の保有高の問題にも触れたかったのですけれ
ども省略します。つまりそれはヨーロッパの自由化に踏み切ったときと条件が違うということを認識をしてもらって対策を考えてもらいたいということなんです。
もう
一つの問題は、御
承知のようにヨーロッパの自由化が進む場合に、その前提に共同市場という非常に安定市場を持っておった。ところが
日本の場合には、東南アジアという低開発諸国並びに中国、
ソ連という共産圏、この地域に隣接している貿易地域を持っている。このことは非常に大きな相違であると思うわけであります。従いまして今度の自由化を進められるについて、東南アジアとの経済提携について従来とは違った
考え方なり方法が考えられておるのかどうか、これは
一つ総理大臣にお伺いをいたしたいと思います。従来ともあなたは東南アジアとの経済提携の問題を非常に言われておったわけでありますが、必ずしも具体的には別に何も上がってきておらない。それから今度の
予算で五十二、三億の基金を作られておる。これは一体どういう目的で、どういう方法で従来とは違ったような形で東南アジアとの経済提携を進められようとしておるのか。同時に東南アジアはあなたが行かれましてから数年後、ちょうど今や政治の焦点になって参りまして、アイゼンハワーがあの辺を近くまで訪れてきた。それから最近におきましては
ソ連の
フルシチョフ首相が次々に三カ国を回って経済提携をし、援助方針をきめ、共同声明をおのおのぶつ放してきておる。そういうふうで、非常に
東西両
陣営の冷戦が緩和の方向に向かうにつれて経済競争が激化してきつつあるまつ最中に、経済未開発地域の中心である東南アジア諸国というのが脚光を浴びてきたと思います。従って、この新しい
状態に対して、具体的に経済提携をはかられる方針があるかどうか、
総理大臣の御所見を伺いたい。