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1960-03-15 第34回国会 衆議院 本会議 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月十五日(火曜日)     —————————————  議事日程 第十号   昭和三十五年三月十五日     午後三時開議  第一 滅失鉱業原簿調製等臨時措置法を廃止する法律案内閣提出参議院送付)  第二 日本原子力研究所法の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提出第四一号)  第四 農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 水産庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第六 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案内閣提出)  第八 法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第九 酒税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十 奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十一 裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第十二 検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第十三 不動産登記法の一部を改正する等の法律案内閣提出)  第十四 公立学校学校医公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案文教委員長提出)  第十五 盲学校、聾(ろう学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第十六 昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)      昭和三十三年度特別会計予備費使用調書(その2)      昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書      昭和三十三年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書      昭和三十四年度一般会計予備費使用調書(その1)      昭和三十四年度特別会計予備費使用調書(その1)  (承諾を求めるの件)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件  裁判官弾劾裁判所裁判員選挙  首都圏整備審議会委員選挙  日程第一 滅失鉱業原簿調製等臨時措置法を廃止する法律案内閣提出参議院送付)  アジア経済研究所法案内閣提出)  日程第二 日本原子力研究所法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提出第四一号)  日程第四 農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 水産庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第七 在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第九 酒税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十 奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十一 裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十二 検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十三 不動産登記法の一部を改正する等の法律案内閣提出)  日程第十四 公立学校学校医公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案文教委員長提出)  日程第十五 盲学校、聾(ろう学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十六 昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)        昭和三十三年度特別会計予備費使用調書(その2)        昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書        昭和三十三年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書        昭和三十四年度一般会計予備費使用調書(その1)        昭和三十四年度特別会計予備費使用調書(その1)  (承諾を求めるの件)  電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案内閣提出)     午後四時二十六分開議
  2. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  議員請暇の件
  3. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) お諮りいたします。  議員岩本信行君及び同帆足計君から、朝鮮赤十字社の招請により在日朝鮮人帰国状況並びに引き受け状況視察のため、三月十五日から三月二十八日まで十四日間請暇申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————  裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
  5. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) なお、お諮りいたします。  裁判官弾劾裁判所裁判員清瀬一郎から、裁判員を辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出を許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————  裁判官弾劾裁判所裁判員選挙
  7. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) つきましては、この際、裁判官弾劾裁判所裁判員選挙を行ないます。
  8. 天野公義

    天野公義君 裁判官弾劾裁判所裁判員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  9. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。  議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員大橋武夫君を指名いたします。      ————◇—————  首都圏整備審議会委員選挙
  11. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 首都圏整備審議会委員が二名欠員となっております。この際、同委員選挙を行ないます。
  12. 天野公義

    天野公義君 首都圏整備審議会委員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  13. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。  よって、議長は、首都圏整備審議会委員に       塚原 俊郎君    平岡忠次郎君を指名いたします。
  15. 天野公義

    天野公義君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、日程第一とともに、内閣提出アジア経済研究所法案を追加して両案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  16. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第一、滅失鉱業原簿調製等臨時措置法を廃止する法律案アジア経済研究所法案、右二案を一括して議題といたします。     —————————————
  18. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 委員長報告を求めます。商工委員長中村幸八君。     —————————————     〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————     〔中村幸八君登壇
  19. 中村幸八

    中村幸八君 ただいま議題となりました滅失鉱業原簿調製等臨時措置法を廃止する法律案外一件につきまして、商工委員会における審査経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  滅失鉱業原簿調製等臨時措置法は、戦災によって九州及び東北の地方鉱山局にありました鉱業原簿等が滅失し、鉱業に関する権利関係が不明確になっておりましたのを明確にするため、昭和二十五年五月制定されたものでありますが、今般、鉱業原簿調製七千四百四十三件、鉱区図調製七千三百四件、鉱業に関する願書の確認三百六十七件及び関連事務手続が完了し、この法律目的が達成せられましたので、本法律を廃止するために提出されたものであります。  本案は、去る二月二十六日参議院より送付せられ、本委員会付託されたのでありまして、三月一日政府委員より提案理由説明を聴取した後、三月八日、質疑並びに討論を行なわず、採決を行ないましたところ、本案全会  一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  次に、アジア経済研究所法案について申し上げます。  わが国におきましては、アジア地域経済に関する基礎的かつ総合的な資料が整備されておらず、経済協力の促進及び貿易の伸張をはかる上に幾多の不便を感じておりましたので、一昨年より財団法人アジア経済研究所を発足させたのでありますが、昭和三十五年度からは、政府から一億円の出資を行なうとともに、同研究所政府の監督する特殊法人として、調査研究体制の確立をはかることとなり、この趣旨に基づいて、今回本法案が提出されたのであります。  本案は、二月二十九日当委員会付託され、三月一日に政府委員より提案理由説明を聴取した後、同日より質疑に入り、その後、参考人より意見を聞き、また、外務委員会との連合審査会を開く等、慎重な審議を行なって参りましたが、本十五日、討論を行なわないで採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  なお、その際、日本社会党田中武夫委員より、研究所業務運営自主性尊重ほか二項目についての発言がありましたことを、特に申し添えておきます。  以上、御報告を終わります。(拍手)     —————————————
  20. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告通り可決いたしました。
  22. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第二、日本原子力研究所法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  23. 清瀬一郎

  24. 西村英一

    西村英一君 ただいま議題となりました日本原子力研究所法の一部を改正する法律案につきまして、科学技術振興対策特別委員会における審査経過並びに結果について御報告を申し上げます。  本案は、日本原子力研究所理事定員を一名増加しようとするものであります。御承知通り日本原子力研究所昭和三十一年に設立された特殊法人でありますが、発足以来三年半を経過した今日、国産一号炉の完成を初め、各種施設は急速に整備され、人員も大幅な増加を見たのでありまして、さらに今後の飛躍的発展が期待されるところでありますので、その拡大していく業務を円滑に運営するため、理事定員を、現在の五名から六名に増加しようとするものであります。  本案は、去る二月十七日、中曽根国務大臣より提案理由説明を聴取した後、特に日本原子力研究所利用等に関し参考人より意見を聴取するなど、慎重なる審議を行なったのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。  かくて、三月八日、採決を行なった結果、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  なお、委員岡良一君より、日本原子力研究所業務管理、機能の充実をはかるに際し、これに関連して次のごとき附帯決議が提案されたのでありますが、これまた全会一致をもって可決いたしました。  附帯決議を朗読いたします。   政府は、日本原子力研究所運営に関し、研究者の処遇、利用者利便等について、特殊法人たるの実を発揮しうるよう指導するとともに、万一の場合を考慮してその施設の周辺における放射能障害の防止及び災害補償等につき、速かに適切なる措置を講ずべきである。  以上、御報告を終わります。(拍手)     —————————————
  25. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  27. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第三、総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提出第四一号)、日程第四、農林省設置法の一部を改正する法律案日程第五、水産庁設置法の一部を改正する法律案日程第六、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案日程第七、在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案日程第八、法務省設置法の一部を改正する法律案、右の六案を一括して議題といたします。     —————————————
  28. 清瀬一郎

  29. 福田一

    福田一君 ただいま議題となりました六法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、総理府設置法の一部を改正する法律案は、昨年設置された訴願制度調査会が、その設置期限である本年三月末までに審議を完了することは困難な状態であるため、これが設置期限を本年十二月末まで九カ月延長しようとするものであります。  次に、農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして、改正のおもなる点を申し上げますと、第一点は、青果物行政の一元化をはかるため、青果物の流通及び消費改善等に関する事務振興局所掌に移すこと。第二点は、放射線利用によって農作物及び林木品種改良飛躍的発展をはかるため、これが試験研究を行なう機関として放射線育種場を茨城県に設置すること。第三点は、飼料検査を強化するため、畜産局飼料課分室を独立の飼料検査所とし、これを農林省付属機関とすること。第四点は、繭糸価格の安定のための生糸の買い入れ及び売り渡しに関する事務の一部を生糸検査所に行なわせることができるとすること。第五点は、伊勢湾における高潮対策を急速に実施するため、名古屋農地事務局臨時高潮対策事業部を設置すること。その他、中国農業試験場の所在地を広島県に改めること、国有林野事業特別会計に新設された治山勘定の経理に関する事務林政部所掌とすること、及び、臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会を廃止すること等であります。  次に、水産庁設置法の一部を改正する法律案は、北海道のサケ・マス孵化場におけるヒメマスの種卵の生産が著しく増加して全国の需要量を確保できる状態となったため、十和田湖の孵化場は今後国営として存置する必要がなくなったので、これを本年七月限り廃止しようとするものであります。  次に、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案は、宇宙科学技術に関する行政事務を効率的に処理するため、これを計画局所掌させることとして、計画振興両局の所掌事務を整備しようとするものであります。  次に、在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案は、カナダ国ケベック州のモントリオール及びローデシア・ニアサランド連邦のソールズベリーにそれぞれ総領事館を新設するとともに、これらの在外公館に勤務する職員の在勤俸の額を定めようとするものであります。  次に、法務省設置法の一部を改正する法律案は、長野刑務所位置長野市から須坂市に変更するとともに、町村合併等に伴い、法務局及び地方法務局管轄区域等を定める別表について所要の整理を行なうものであります。  以上六法案のうち、五法案は、二月十一日、十二日、二十日、三月一日と、相次いで本委員会付託され、法務省設置法の一部を改正する法律案は、二月二十六日、参議院より送付、本付託となり、各法案について政府より提案理由説明を聞き、質疑を行なったのでありますが、その詳細につきましては会議録によって御承知を願います。  かくて、前半の三法案につきましては三月八日、後半の三法案につきましては三月十一日、それぞれ質疑を終了し、討論通告もありませんので採決を行ないましたところ、いずれも全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。     —————————————
  30. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 六案を一括して採決いたします。  六案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、六案は委員長報告通り可決いたしました。
  32. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第九、酒税法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  33. 清瀬一郎

  34. 植木庚子郎

    植木庚子郎君 ただいま議題となりました酒税法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を報告申し上げます。  この法律案は、最近における清酒及び合成清酒消費状況に顧みまして、本年四月一日から、清酒については新たに準一級という段階を設けるとともに、合成清酒については、その級別を廃止しようとするものであります。  まず、清酒につきましては、御承知通り、現在、特級、一級、二級という三段階級別が設けられておるのでありますが、一級酒価格と二級酒の価格との間には約七割の開きがあり、級別区分上大きな断層が生じておりますために、取引面消費面から見まして少なからず弾力性を欠いているうらみがありますので、本案は一、二級のほぼ中間に新たに準一級を設けようとしておるのであります。すなわち、現行の一・八リットルびん詰品小売価格一級酒八百三十五円と二級酒四百九十円の中間に準一級酒六百五十円を設け、その規格もほぼ一、二級の中間的なものを予定し、税率は一キロリットル当たり十八万五千五百円とすることになっております。  次に、合成清酒につきましては、現在、一級及び二級の二段階級別が設けられておるのでありますが、ここ数年来、一級消費は漸減いたしまして、最近では全数量のわずか〇・七%程度にすぎない状況になっているのであります。すなわち、もはや合成清酒級別を設けておく実質的な意義が失われているのみならず、かえって九九%以上を占める二級が、二級という名称で販売せねばなりませんために、その消費が伸び悩んでいる面がありますので、本案におきましては、この級別を廃止し、その税率現行の二級と同額の一キロリットル当たり八万七千五百円とすることといたしておるのであります。  また、以上のような改正に伴いまして、準一級清酒につきましても、他の清酒と同様、アルコール度数の低いいわゆる準一級ソフト清酒を出荷できるようにするため、租税特別措置法所要改正を加えることとしております。  なお、以上の改正を行ないましても、酒税収入予算額といたしましては差引増減なしと見込まれております。  本案は、去る二月八日大蔵委員会付託となり、自来、慎重に審議いたしました。主として酒税税率、酒類の販売マージン原料米配分等の問題について熱心な質疑応答がかわされましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、三月八日、質疑を終了し、採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案通り可決となりました。  以上、報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  35. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。
  37. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  38. 清瀬一郎

  39. 濱地文平

    濱地文平君 ただいま議題となりました奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  奄美群島復興事業は逐次推進を見つつあるのでありますが、御承知のように、群島経済がはなはだ脆弱でありますため、産業資金の融通は円滑を欠き、これが同島復興の大きな隘路となっておりまして、かねてよりこれに対する対策の樹立が痛感されていたのであります。  本案は、奄美群島のかかる実情にかんがみ、奄美群島復興信用基金融資業務に要する資金としての国の出資額一億円を一億八千万円に増額し、あわせて、同基金資本金の額を改めることとしております。  本案は、二月十一日当委員会付託され、同十二日政府より提案理由説明を聴取し、慎重に審議を行なったのでありますが、その内容は会議録によって御承知いただきたいと存じます。  三月八日、質疑を終了し、同九日、別に討論通告もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の共同による附帯決議案が提出され、これまた全会一致をもって可決いたしました。  決議文を朗読いたします。    附帯決議   奄美群島復興特別措置法に基く同群島復興事業は、年を逐つてその成果を高めつつあるが、なおその後の情勢の推移にかんがみ、政府はとくに左記事項に留意して復興計画が所期の目的を達する上に遺憾なきを期すべきである。   一、復興計画の完全かつ効果的な達成をはかるため、必要な予算措置を講ずること。   一、公共施設復興事業進捗状況に比し、群島民生活水準の向上、福祉の増大等直接民生に寄与する施策が著しく立遅れている実状にかんがみ、速かにその充実強化をはかること。   一、復興信用基金制度をさらに拡充強化するとともに、木制度趣旨にかんがみ、融資対象の選定、貸付条件等につき群島経済復興に寄与し得るよう配意すること。   一、群島基本産業たる甘蔗糖生産の健全なる発展のためとくに原料びの適正価格保持について特別の措置を講じ、蔗作農民の保護に万全を期すること。   一、大島本島に、空港整備法による第三種空港を設置して航空路を開設し、航空運送利便をはかること。    一、鹿児島県に対しては、群島復興事業を一層広汎かつ積極的に推進せしめるため、必要な財源賦与の方途を講じ、あわせて群島内市町村についても、財政能力の増強をはかること。   右決議する。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  40. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。
  42. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十一、裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案日程第十二、検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案日程第十三、不動産登記法の一部を改正する等の法律案、右三案を一括して議題といたします。     —————————————
  43. 清瀬一郎

  44. 瀬戸山三男

    瀬戸山三男君 ただいま議題となりました裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案及び不動産登記法の一部を改正する等の法律案につきまして、委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、裁判官の報酬及び検察官の俸給に関する改正法案について申し上げます。  御承知のように、政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般の政府職員の給与の改訂を行なうこととし、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出しておりますが、この裁判官の報酬及び検察官の俸給に関する両法案は、一般政府職員の給与の改訂の線に沿って、裁判官及び検察官の報酬または俸給の各月額を改正しようとするものであります。  その改正の要点は、まず、一般職における中級職員の給与の改善の例にならい、月額三万円以下の報酬または俸給を若干増額しようとするものであります。  次に、判事、判事補及び簡易裁判所判事並びに検事及び副検事については、現在、暫定手当の一定額が報酬または俸給の各月額に繰り入れられ、百円未満の端数を生じておりますので、今回、この端数を切り上げる等の措置を講じようとするものであって、これらの改正昭和三十五年四月一日から施行しようとするものであります。  さて、法務委員会におきましては、去る一月八日両法案付託せられ、三月三日、質疑を終了、討論なく、一括して採決に付しましたところ、両法案は全員一致をもって政府原案通り可決せられたのであります。  次に、不動産登記法の一部を改正する等の法律案について申し上げます。  現行制度におきましては、不動産の権利関係を明確にする登記簿と、権利の客体である不動産自体の現況を明らかにする土地台帳及び家屋台帳が分離しておりますため、ひとしく登記所の所管である登記制度と台帳制度がそれぞれ別個の制度となっておることは、御承知通りであります。このため、この制度を利用する国民は、同じ内容の台帳申告と登記申請をしなければならず、また、台帳と登記簿の両者について閲覧、謄・抄本の交付申請を必要とする等、二重の手数と費用を余儀なくされており、他面、国家においても、不動産の現況に関する事項については二重の手続をしなければならないのであります。  本法案は、現行制度におけるこのような不備欠陥を合理・簡素化して国民の不便を除去し、登記事務の能率化をはかるとともに、登記簿をして国土利用の基礎資料たらしめる道を開こうとするものであります。  次に、この法律案のおもなる改正点を申し上げますと、第一に、本案は、明治二十二年から行なわれていた土地台帳及び昭和十七年から行なわれていた家屋台帳と不動産登記簿とを一本化する画期的措置でありまして、これがため、土地台帳及び家屋台帳を廃止するとともに、不動産登記法に土地、建物の現況を明らかにするために必要な規定を加えることとしたことであります。第二に、いわゆる地面師の横行している現状をも考慮し、虚偽の保証書を作成した場合、新たに刑事罰を課することとしたことであり、その他、今回の改正に伴い、所要経過規定を設けるとともに、関係法律の整理をすることとしております。  さて、法務委員会におきましては、本案が二月十二日付託せられてより、参考人意見を聴取する等、慎重審議を重ねました。これらの詳細については会議録に譲りたいと存じます。  かくて、三月八日質疑を終了し、三月十日討論に入りましたところ、自由民主党から賛成、日本社会党から反対、民主社会党から賛成の討論が行なわれました。賛成討論におきましては、登記事務量の増加に対する職員の増員、待遇の改善並びに庁舎の増改築の施策に遺憾なきを期するとともに、職権調査を行なうについては行き過ぎのないよう十分留意するよう等の希望意見が述べられました。  よって、採決いたしました結果、本案は多数をもって政府原案通り可決せられた次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  45. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) これより採決に入ります。  まず、日程第十一及び第十二の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  46. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告通り可決いたしました。  次に、日程第十三につき採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  47. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。
  48. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 日程第十四は、委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。日程第十四、公立学校学校医公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案日程第十五、盲学校、聾(ろう学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案、右両条を一括して議題といたします。     —————————————     —————————————
  50. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 提出者の趣旨弁明及び委員長報告を求めます。文教委員長大平正芳君。     —————————————     〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————     〔大平正芳君登壇
  51. 大平正芳

    ○大平正芳君 ただいま議題になりました公立学校学校医公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容を御説明申し上げます。  本案は衆議院文教委員会提案の法律案でございまして、その趣旨とするところは、従来公立学校学校医だけに適用されていた公務災害補償を、学校歯科医、学校薬剤師にもこれを適用しようとするものであります。  去る第二十六回国会において、公立学校学校医公務災害補償に関する法律が制定せられ、公立学校学校医が公務上の災害を受けた場合には公費負担による適切な補償の道が講ぜられることになったのであります。その後、第二十八回国会におきまして学校保健法が制定せられ、同法第十六条には、学校医学校歯科医及び学校薬剤師の三者が、学校の保健管理に関する専門的技術及び指導に従事する者として同等に規定されるようになりました。しかるに、右三者のうち、公立学校学校医だけが公務災害補償の恩恵を受け、学校歯科医及び学校薬剤師が本法より漏れていることは、まことに片手落ちというべきでありまして、学校における保健管理の重要性にかんがみ、学校歯科医及び学校薬剤師を新たに補償の対象に加える必要を認め、今回の改正案を提出するに至ったものであります。  なお、附則において、本案の施行日は、準備の都合を考慮に入れて、公布の日から起算して三カ月をこえない範囲内において政令で定める日からということにいたしました。  以上が本案提案理由及び内容でございます。  文教委員会におきましては、本案の起草に際し、慎重討議の上、政府意見を徴しましたところ、公立学校学校歯科医並びに薬剤師の公務災害については、そうした災害が予想しかねるので、過去の事例等をよく調査して、その上で検討したいと思っているから、今直ちに立法措置を講ずることには賛成いたしかねる旨の意見が文部大臣から述べられましたが、文教委員会としては、本案が適切妥当な措置であると認めまして、全会一致をもって委員会提案として発議した次第でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。(拍手)  次に、盲学校、聾(ろう学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議経過並びにその結果を御報告申し上げます。  御承知のように、現行法では、盲、ろう学校及び養護学校への就学の普及奨励をはかるために、これらの学校に就学する児童、生徒にかかる教科用図書の購入費、学校給食費等の全部または一部を国及び都道府県が支弁することを規定いたしておりますが、今回、さらにこれらの学校の小、中学部の児童、生徒にかかるものについては修学旅行費を、専攻科を除いた高等部の生徒にかかるものについては学校付設の寄宿舎居住に伴う経費をそれぞれ新たに加え、それらの経費の全部または一部を国及び都道府県において支弁すべきことを規定するものであります。  本案は、去る二月三日当委員会付託され、以来、慎重に審議されて参りました。特に、盲、ろう学校等への就学状況、修学旅行の実態と、これに対する父兄負担の実情、就学者中、寄宿及び通学の比率、並びに寄宿舎居住に要する経費について、また、専攻科を対象とする国庫補助の拡充、職業教育の実情、なかんずく、全盲者のための職業指導の強化、さらにまた、盲人のために新たにその職業分野を保護する一施策いかん等に関し熱心に検討されましたが、これらの詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、三月十一日に至り、本案に対する質疑を終了し、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって本案原案通り可決されました。  次いで、自由民主党臼井莊一君から、本案に対し、盲学校ろう学校及び養護学校への就学奨励に関しては、その適用範囲を高等部(専攻科を含む)に拡大するとともに、食費、通学用品費、見学旅行費等の費用にもできるだけ配慮するよう要望する。 との附帯決議案が提出せられました。 これに対し、日本社会党の山崎始男君、民主社会党の小牧次生君から、それぞれ賛成の意見が述べられ、採決の結果、起立総員をもってこれまた可決すべきものと決しました。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  52. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) これより採決に入ります。  まず、日程第十四につき採決いたします。  本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。  次に、日程第十五につき採決いたします。  本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。
  55. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 日程第十六、昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件(承諾を求めるの件)、右六件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。決算委員長鈴木正吾君。     —————————————     〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————     〔鈴木正吾君登壇
  56. 鈴木正吾

    ○鈴木正吾君 ただいま議題となりました昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件の事後承諾を求める件について、決算委員会における審議経過並びに結果について御報告申し上げます。  本件は、いずれも本年二月十九日本委員会付託せられ、三月九日政府当局より説明を聴取した後、審議に入ったのであります。  まず、昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)について申し上げますと、昭和三十三年度一般会計予備費の予算額は九十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十三年四月四日から同年十二月二十六日までの間において使用を決定いたしました七十億円余については、第三十一回国会において承諾済みでありますが、その後、昭和三十四年一月二十日から同年三月二十五日までの間において、政府は、河川等災害復旧事業に必要な経費、農業施設災害復旧事業並びに農業施設災害関連事業に必要な経費等に十九億円余の使用を決定いたしております。  次に、昭和三十三年度各特別会計の予備費の予算総額は一千九十六億円余でありまして、このうち、昭和三十三年四月二十二日から同年十二月二十六日までの間において使用を決定いたしました四百四十七億円余につきましては、第三十一回国会において承諾済みであります。その後、政府は、昭和三十四年一月二十日から同年三月三十日までの間において、失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における昭和三十三年産麦の買い入れ増加に伴い必要な経費等に八十二億円余の使用を決定いたしております。  次に、昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条及び第十五条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、交付税及び譲与税配付金、特定物資納付金処理及び郵政事業の三特別会計でありまして、その内訳は、交付税及び譲与税配付金特別会計において支出いたしました地方道路譲与税譲与金に必要な経費二億円余、特定物資納付金処理特別会計において支出いたしました産業投資特別会計への繰り入れに必要な経費五億円余、及び、郵政事業特別会計において支出いたしました業務量の増加等に必要な経費十七億円余であります。  次に、昭和三十四年度一般会計予備費の予算額は百六十億円でありまして、このうち、政府は、財政法第三十五条の規定により、昭和三十四年五月一日から同年十二月二十五日までの間において、農業用施設災害復旧事業等に必要な経費、河川等災害復旧事業等に必要な経費、災害救助に必要な経費等に八十三億円余の使用を決定いたしております。  次に、昭和三十四年度特別会計の予備費の予算総額は一千二百七十六億円余でありまして、このうち、政府は、昭和三十四年七月二十八日から同年十二月二十五日までの間において、食糧管理特別会計国内米管理勘定における昭和三十四年産米の買い入れ増加に伴い必要な経費、国有林野事業特別会計における災害復旧事業等に必要な経費等に五百五十九億円余の使用を決定いたしております。  以上六件につきましての審議の詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。  本委員会は、本月十一日、質疑を終了し、討論を省略し採決の結果、全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  57. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 採決いたします。  六件は委員長報告通り承諾を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、六件とも委員長報告通り承諾を与えるに決しました。      ————◇—————  電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案内閣提出
  59. 天野公義

    天野公義君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  60. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案議題といたします。     —————————————
  62. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 委員長報告を求めます。逓信委員長佐藤洋之助君。     —————————————     〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————     〔佐藤洋之助君登壇
  63. 佐藤洋之助

    ○佐藤洋之助君 ただいま議題となりました電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案につきまして、逓信委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法律案は、去る二月一日内閣から提出されたものでありまして、その提案理由とするところは、政府及び日本電信電話公社においては、公衆電気通信設備の整備拡充につき、昭和二十八年度以降、長期継続計画を策定して鋭意努力の結果、相当見るべき成果を上げているのであるが、近時、わが国経済発展と国民生活水準の向上とを反映して、加入電話に対する需要の伸びはまことに著しいものがあり、電話加入申し込みを例にとりましても、最近における申込数は、既定計画による架設数をはるかに上回って、現に八十万に近い申し込みが積滞しておる現状でありますので、電電公社におきましては、昭和三十五年度以降、設備拡充計画の規模を修正拡大し、電信電話に対する国民の強い要望にこたえようとしているのでありますが、この改訂計画の実施に要する資金は相当の巨額に達し、これをすべて電電公社の自己資金、財政投融資、公募社債に求めることはすこぶる困難でありますので、本法律案により、電話加入申込者等の電信電話債券引き受け制度を設けて、加入申込者等に建設資金調達上の協力を求めようとするものであります。  本案のおもな内容といたしましては、第一に、現行の電話設備費負担臨時措置法にかえて、昭和三十五年度から電話需給の均衡を得ることができると予測される昭和四十七年度までの期間の暫定措置として、加入電話及び加入電信の加入申込者等による電信電話債券引き受け制度を設けたことであります。  第二に、引き受けるべき債券の払込額は、単独電話については、電話取扱局の等級に従って、一級局たる東京、大阪の十五万円以内を最高とし、十二級局の二万円以内を最低として、その範囲内で政令で定め、その他の払込額は、公社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。これを現行制度と比較いたしますと、債券引き受けの金額及び引き受けを要する場合の範囲は拡大されておりますが、他方、設備負担金の制度を廃止して、電話加入申込者等の実質的負担の軽減をはかっておるのであります。  第三に、引き受けるべき債券の種類及び発行条件については、郵政大臣が告示で定めることとし、債券の利回りについては、政府保証債との均衡を考慮して定めることとなっております。  第四に、国に対しては、この法律の適用を除外し、地方公共団体の警察、消防機関等については、公社が、郵政大臣の認可を受けて債券引き受けを免除することができることとしております。  第五に、附則において、公衆電気通信法の一部を改正して、従来の装置料にかえ、電話加入者より電話開通の直接工事費として一万円の設備料を徴することとしております。  なお、本法律案の施行期日は本年四月一日となっております。  逓信委員会におきましては、去る二月一日本案付託を受けまして以来、十回にわたって会議を開き、まず、政府提案理由説明を聴取し、次いで、政府及び日本電信電話当局に対してあらゆる角度から質疑を行ない、慎重審議を重ねたのでありますが、その詳細は会議録に譲り、ここには二、三の主要な質疑応答について御報告申し上げるにとどめます。  まず、単独電話の場合の債券引受額を最高十五万円、最低二万円の範囲内において政令でいかに定めるかという問いに対しては、電話一加入当たりの直接経費約二十一万円の半額十万円を目途として、電話取扱局の規模及び電話利用価値、当該地域の経済力等に応じて公平適正に算定する旨の答弁があり、債券引受額が増大された結果、払い込み能力を欠く階層が電話の利用から締め出されるおそれはないかとの質問に対しては、公社は、一時の払い込みを困難とする向きに対しては銀行等から簡易に金融を受けられる制度を全国にわたって実施するよう準備中である、と答えております。  次に、本法施行後における電信電話債券の市価の見通しについては、政府及び公社は、発行条件も有利になるので、公社に対する信用と相待って、債券市価が暴落するようなことはないと思うが、なお市場価格の維持、安定については十分努力する旨を答え、電話売買に関連する諸種の不正、弊害の防止についての質疑に対しては、電話加入者の利益保護につき万全の措置をとる旨を言明いたしております。  また、電電公社従業員の待遇の改善に関する質問に対しては、政府及び公社当局は、労務管理については格段の注意を払って合理的施策を講じ、電信電話拡充計画に対する従業員の協力を一そう強化する考えである、と答弁いたしております。  かくして、委員会は、本日、本案に対する質疑を終了し、引き続き討論を行なったのでありますが、その際、日本社会党を代表して森本靖君は本案に反対、自由民主党を代表して橋本登美三郎君は本案に賛成の意見を述べられ、次いで採決の結果、自由民主党及び民主社会党の賛成を得て、多数をもって本案を可決いたした次第であります。  なお、本案の議決後、民主社会党堤ツルヨ君より、自由民主、民主社会両党共同提案にかかる次の附帯決議案の提出があり、趣旨説明の後、採決の結果、これまた多数をもって可決いたしたのであります。  附帯決議の内容を朗読いたします。    電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案に対する附帯決議   この法律の施行に当り、政府並びに日本電信電話公社当局は、次の各項の励行に努むべきである。  一、この法律による電信電話債券の市場価格の安定を図るため、債券の利率の設定その他の措置につき格段の考慮を払うこと。  二、電信電話債券の引受けを容易ならしめるため、電話加入申込者等が、全国にわたり、簡易に、銀行等から融資を受けることのできる方途を講ずるとともに、その方途の周知徹底に努めること。  三、電信電話事業における労働条件の特異性にかんがみ、労務管理、特に給与、配置転換、労働時間等につき、万般の合理的施策を行い従業員の電信電話拡充計画完遂への協力をはかること。  四、電話売買取引に関する諸種の弊害を根絶するとともに、業者の善導に努めること。   右決議する。 以上であります。  これをもって御報告を終わります。 (拍手)     —————————————
  64. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 討論通告があります。 これを許します。 片島港君。     〔片島港君登壇
  65. 片島港

    ○片島港君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案に対して反対の討論を行ないます。  日本電信電話公社は、第一次五カ年計画の初年度に当たる昭和二十八年度には収支差益金七十六億円、その後漸増して、昭和三十二年度には百九十五億円、三十三年度には二百七十一億円、三十四年度三百十八億円の収支差益金を計上しており、政府機関による独占事業として、不況知らずの極端なる岩戸景気を継続いたしております。このように、もうけるだけもうけておりながら、本法案において、最低二万円、最高十五万円、平均十一万円という高額なる加入者債券を押しつけようとしているのでありますから、不当きわまる計画と申さなければならぬのであります。(拍手)  公社は、先に発足をいたしました第二次五カ年計画を拡大修正して、三十五年度予算において加入者三十七万戸の増設を企図し、これが建設資金は千二百八十五億円、前年度八百五十億円に比べまして五〇%をこえる激増でありますが、そのうち、本法案による加入者債券等、新規加入者に押しつけたものが四百八十八億円で、三八%、すなわち、一加入当たり十二万六千円、及び、損益勘定利益金から債務償還費を差し引いた金額四百二十四億円で、三三%であります。もうけるだけもうけておりながら、申し込んで三年たっても電話をつけてくれぬという国は、日本だけでありましょう。(拍手)お役所式で、非能率、怠慢のそしりを免れません。国民の強い要望にこたえて、計画を拡大修正し、加入電話の増設をはからんとするのは、まことにけっこうでありますが、問題は、そのやり方であります。架設負担金制度は廃止しておりますけれども、加入者債券は、現在一加入当たり最低ゼロ円、最高六万円でありますのに、これを一挙に最低二万円、最高十五万円に引き上げようとしております。これでは、みずからの怠慢によって生じた積滞の増加を、高額債券の引き受けという方法によって、せきとめようとするものであります。債券だから負担金ではないと説明しておりますが、それだけの金を出さなければ電話をつけてもらえません。公社に金を貸していただくのだと説明しておりますが、貸す金がないといえば、つけてはくれません。電話の新規需要は、中小零細企業がその数において圧倒的に多いのであります。いつつけてくれるかわからない、申し込んで三年たってもつけてくれないところもある。中小、特に零細企業は、十万はおろか、三万の金も遊んでいないことが多いのであります。二年も三年も前に申し込んで、今急につけるから金を持ってこいと言われても、間に合わぬことが多いのであります。しかも、指定の日に持っていかなければ、権利は取り消されるのであります。これではまさに、公衆電気通信法第一条にいう、「あまねく、且つ、公平に提供する」という規定に違反するものといわなければなりません。(拍手法律違反であります。  問題の第二点は、債券の額面の級別算定根拠がきわめて薄弱であるという点であります。加入者の数によって六つの段階に区分しておりますが、この区分は、まことに安易な目の子勘定であります。委員会において、わが党委員の質問に答え、利用の範囲の広狭によって区分したと言っておりますが、市内通話における度数料は、利用の範囲の広い狭い、多い少ないによってきめてはおりません。また、市外通話におきましても、利用の範囲ではなく、市外回線のキロ数によってきめております。債券の区分だけを利用の範囲できめるというのは、八百代言的な言い分と断ぜざるを得ないのであります。科学的な、数字的な根拠を追及せられますと、大体とか、常識的とか、ちょうど極東の範囲の政府答弁と選ぶところはありません。(拍手)たまりかねた、穏健篤実なる与党の委員長から、きびしく警告をせられたのでありますが、委員長の警告の後、二週間もたってから、おざなりの資料を読み上げてその場をつくろうという醜態ぶりでありました。  問題の第三点は、収支差益金四百二十四億円をそのまま建設資金に投入するという点であります。収支差益金は、現在の加入者からもうけた金であります。現在の加入者は、架設資金の減価償却費と維持費を支払えば足りるはずであります。減価償却を行ない、債券償還を行ない、なおかつ四百二十四億円残るのなら、利用者へのサービスの向上、料金制度の検討、従業員の労働条件の改善という三つの角度から、計画を練り直すべきでありましょう。利用者へのサービスは、設備の近代化、方式の改良によって救済されますが、一体、料金制度や労働条件の改善について、いかなる配慮を加えておりますか。従業員の処遇改善も行なわず、料金制度にも何らの検討も加えず、何百億円という利益金を、現加入者からは直接関係がないかもしれない新規建設の分までにこれを投入するということは、現在の加入者はもとより、従業員諸君を愚弄するもはなはだしいものといわなければならないのであります。  利益が激増するということは、生産性の向上、反面から言うならば、労働強化によるものであるか、料金が高過ぎるかによるものであります。第一次五カ年計画発足以来、電話加入者数、市外回線、事業収入、ともに、おおむね倍増しているのでありますが、その裏には、設備近代化、合理化という美名のもとに、総計一万人に近い減員が行なわれております。年々計画が拡大されているのでありますから、表面上は首切りという形で現われず、予算上は新規増員の中から差し引かれて隠れておりますが、個々の取扱局においては、本人の意思に反して、職種転換はもちろん、半強制的に配置転換が行なわれ、合理化という言葉を聞くたびにおびえておる現状であります。先ほども申し上げました通り、三十五年度の建設計画は、前年に比べ五割増でありますが、これが建設に伴う定員増はわずかに二百五十名であります。前年度に比べまして四百三十五億円の資金増による要員増はわずかに二百五十人でありますが、これでも労働強化にならないと強弁できましょうか。設備の合理化は、公社経営の経済化と利用者へのサービスの改善を目的とすることは言を待ちませんが、それと同時に、従業員の労働条件の改善という一本の柱も忘れてはなりません。公社経営の経済化は、職員の減員と事業収入の増加によって数字で明確に現われております。また、サービスの改善は、利用範囲の拡大、即時通話の実施、市外回線の待ち時間短縮という点で、これも明確に数字をもって現われております。ところが、職員の労働条件の改善は、どこの計画にも現われておりません。ベース・アップは一般公務員と同様であり、労働時間も同様である。公社経営の経済化と利用者へのサービスの改善という二本の柱だけで、労働条件の改善という一つの柱が取り除かれておるのであります。  私は、委員会におきまして、設備の近代化によっていかなる効果を期待するかと質問したのに対し、公社経営の経済化と利用者へのサービスの向上であると答え、職員の処遇は考えないのかとただしたのに対し、うっかり言い落としたが、それも考えている、と追加されたのであります。言い落としたのではなくて、考えていなかったのであります。このことは、第一次五カ年計画においても、第二次五カ年計画においても、また、このたびの拡大修正においても、従業員の労働条件の改善については一言半句も触れていないのを見ても明々白々であります。現に、全電通労組が労働時間の軽減と賃金問題について要求したのに対し、ゼロ回答を行なっております。組合の要求をそのままのむということは公社の立場としてできないとしても、ゼロとは何ですか。民間労組においても、組合から資料を完備して要求があった場合は、事業の経営状態が上昇しているならば若干の色づけをするのが、常識であり、通例であります。数百億円の利益を上げておりながら、ゼロとは何ですか。百円も上げられないのでありますか。日本電信電話公社法第三十条には、ここは大事なところでありますが、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」、こういうふうに書いてあります。年々目ざましい能率を上げておるのに、何らの考慮を払っていないというのは、明らかに法律違反でございます。  新聞の報ずるところによりますれば、経団連と全労会議との話し合いでも、生産性の向上に伴い、労働時間は漸次短縮するということに意見一致を見たとのことであります。設備の近代化に伴い、労働の質が高度に変化をすることは言うを待ちませんが、労働時間を一分間も短縮できないのでありますか。ゼロとは一体何でございますか。ゼロならゼロとして、それなら、四百八十九億円の利益を、債務償還と改良工事は別といたしまして、残り全部を建設資金に充てることは、現在の利用者の負担を増すことになります。現在の加入者は、縁もゆかりもないかもしれない新規加入者の分までを負担することになります。従業員の処遇改善もゼロ、労働時間の軽減もゼロなら、少しばかり現在の料金をまけてやるということを検討することはできませんか。電話のことだから、北海道から九州まで、お互いに通話をする者もありましょう。毎日長距離電話を数多く利用する大企業もありましょうが、中小零細企業の現加入者には、おおむね縁もゆかりもないかもしれない新規建設や長距離改良の分までも含めて負担をさせるということは、断じて許すことはできないのであります。  さらに、加入者債券の問題でありますが、従来、毎年数十億円の発行でありましたものを、ここに一挙に三百五十八億円を発行して加入者に押しつける。数から言えば、新規加入者は中小零細企業が圧倒的に多いのでありますから、低金利の長期債をたんすにしまっておくわけには参りません。過去一カ年における実績を見ましても、最低と最高では十円の相場の開きがございます。過去五カ年間で見れば、最低七十六円二十銭、最高九十五円九十銭で、十九円七十銭の開きがあります。過去五カ年間は、毎年おおむね六十億円から七十億円でありましたが、三十五年度は、一挙に三百五十八億円でありますから、相当の低落が予想されます。政府保証でない債券でありますから、加入者こそ、いい迷惑であります。  最後に、この法律の施行期間であります。電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案は、その名称のごとく、暫定措置に関するものであります。ところが、その施行期間は、昭和三十五年四月一日から昭和四十八年三月三十一日までの十三カ年間であります。臨時的な暫定措置に十三カ年とは驚いたものであります。十年間の安保条約の期間が問題になっておりますが、暫定措置として十三カ年という期間を設けた法律は、いまだかつてお目見えしたことはございません。  以上、きわめて簡単に、しかも、きわめて明瞭に反対の理由を申し上げて、私の討論を終わります。何とぞ諸君の御賛同をお願いいたします。(拍手
  66. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  67. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  68. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  69. 中村高一

    ○副議長(中村高一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十七分散会