○
石村英雄君 私は、
日本社会党を代表、たしまして、一
政府提出の
昭和三十五
年度予算案を
不満として、その撤回を求め、
社会党の主張する
趣旨に基づいてその
編成替えを行ない、すみやかに再提出せられんことを
要求するものでございます。(
拍手)
私
たちが
政府案を
不満だといたします点は数多くありますが、その詳細は後ほど
反対討論をせられる
同僚議員に譲りまして、その二、三の点についてのみ順序として申し上げたいと存じます。
私
たちが
政府の
予算書を手にいたしまして、これをひもといたときに、その耳に聞こえてきましたものはロツキードの爆音でありました。
ロケット砲弾の炸裂する響きであったのでございます。さらに、目に浮かんできましたのは、おりてくる死の灰を洗い流しながら鯨のように潮を吹いて戦場に突っ込んでいく
駆逐艦の姿であり、その背後に上がる原水爆の
キノコ雲であったのでございます。すなわち、硝煙が漂い、血にまみれだ
予算書であったのでございます。平和を求めるわれわれ
国民は、断じてこれを認めることはできません。(
拍手)「
さらに、
政府は、
昭和三十五
年度の
租税、
印紙収入及び
専売納付金を、三十四
年度当初
予算よりも二千三百十七億円、第三次
補正予算よりも千七百十九億円の大幅な
増収を見ておりながら、
びた一文も
減税をいたしておりません。今日、
所得税の
課税最低限は、
給与所得者五入
世帯で三十二万八千円、
事業所得者で二十五万円、
独身者で、
給与所得者は十一万八千八百円、
事業所得者九万円で、これでは、学校を出て月給を一万円もらえば直ちに税金がかかってくるのであります。五人
世帯の場合にいたしましても、
昭和三十四年の全都市の
勤労者の
家計支出は四十万円をこえております。このように、
生計費には
所得税をかけていながら、
びた一文も
減税をせず、
他方、大
企業のみが主として恩恵を受けております
租税特別措置、現在では一千百六十億円にも上るその
減税措置は、依然として温存いたしておるのでございます。まことに言語道断、不合理きわまる
態度だといわなければなりません。(
拍手)
大蔵大臣佐藤さんは、
減税しろという
要求は無理もないが、何分、
伊勢湾台風その他
災害がありましたので、と逃げておられますが、なるほど、
治山治水や
災害復旧を含めまして、
政府の
予算を見てみますと、
公共事業費で、三十四
年度当初
予算よりも約五百八十億円
増加いたしております。しかし、
公共事業費なるものは、言うまでもなく、ひもつき利権
予算であり、ピンはね
予算であります。善良な
国民が、河川の堤防がよくなって、これで安心だと喜ぶその陰で、にんまり笑って
国民の血税を懐中にねじ込む連中がたくさんいることは、天下周知の事実であります。(
拍手)また、
減税ができない
理由、いな、
減税をしない
理由として、
所得税がかかる人はいい方だ、
所得税のかからない人
たち、すなわち低所得者がその二倍もいるのだから、と言われる方もおられます。一応もっともな言い分でありますが、それなら、
増収分でこれら低所得者層に対して
政府はどれだけのことをしておるかと申しますと、
社会保障関係費で三百三十八億円の
増加にすぎません。しかも、この
増加分は、ほとんどが義務的
増加分であって、何ら見るべきものはございません。
さらに、
政府は、アメリカに強要せられまして
貿易の
自由化を強行せんとしております。もとより、
貿易の
自由化は、
資本主義的
立場に立てば、あるいは合理化を
意味するかもしれません。従って、
資本主義を金科玉条と信奉せられる
政府の
態度としては、あえて異とするに足りませんが、合理化によって外国の産業との激烈な競争の谷間に突き落とされる
中小企業や
農業の運命を、
政府はどのように見ているのでありましょうか。一体、どのような
措置を今度の
予算で講じようとしているのでありましょうか。
予算面では、遺憾ながら、ゼ口だといわなければなりません。
中小企業対策費をとってみましょう。三十四
年度は二十二億二千万円でありました。大体、これが少な過ぎるのであります。全国の
中小企業者のためにわずか二十二億円、これではスズメの涙にもなりません。それを、
自由化に備えてといって、幾ら増額しているかと申しますと、驚くなかれ、たったの三億六千万円であります。すなわち、合計二十五億八千万円であります。これでは、
自由化の問題を考えますと、むしろ、実質的には
減少しておるとも書目えましょう。なぜ
政府は
中小企業対策費を二倍、三倍にしないのでありましょうか。これでは、
自由化の口実のもとに独占
資本の強化をはからんとしておると言えましょう。(
拍手)
農業またしかりであります。
自由化を
日本が目ざすときに忘れてならないことは、
日本の
貿易の安定であります。それには、お隣の中国
貿易、北鮮
貿易を無視することはできません。しかし、岸内閣は、イギリスのイーデン氏が八年前に指摘したといわれることを、今日なおほおかぶりしているのであります。一体、なぜ
政府は
国民に対してかくも冷酷無残なのでありましょうか。また、なぜ
日本の前途に対して深く思いをいたさないのでありましょうか。私
たちは、この点にさかのぼって探求をしなければならないと思います。その一切の根源は、つまるところ、
政府が
日本の
憲法を忘れておるからでございます。(
拍手)知っていても、これを無視しておるからでございます。
私は、今ここで
日本憲法第九条、第二十五条、第二十六条、第二十七条を読み上げようとはいたしません。読み上げなくても、口先だけでは
政府はよく知りております。しかし、大臣諸公は、ちエうど、仏様の前で毎日殊勝らしくお経をあげながら、済むと口をぬぐって悪事を働く破戒僧のように、
憲法をばかにしておるのであります。(
拍手)一体、私
たちは、
日本国民は、どのように考えて十四年前に今日の平和
憲法を制定したのでありましょうか。それは、言うまでもなく、私
たちが犯した、
日本国民が犯した罪を反省したからであります。
戦争の罪悪を悟ったからであります。今日なお、私
たち日本国民の手についておる血のしみはとれておりません。ちょうど映画の「蜘蛛巣城」の奥方の手のしみのように、ただ洗っただけではぬぐい去ることはできません。このしみを私
たちが消すことができるのは、ただ
一つ、あの十四年前に作った平和
憲法を誠実に実践することでございます。それによってのみ、初めて可能でありましょう。
数日前、あちこちで、朝鮮の人
たちが、北鮮系といわず、韓国系といわず、みな三二節の行事を行ないました。大正八年春三月、朝鮮では、どこからともなく、朝鮮が
日本から独立したといううわさが流れてきたのであります。
日本帝国主義によって田を奪われ、家を失い、流亡の民となった朝鮮の諸君は、独立したと聞いて狂喜乱舞、万歳々々と叫んだのであります。これに対して、
日本帝国主義は何をもって報いたか。彼等を集めて村の教会堂に追い込め、火を放ち、銃殺をしたのであります。さらに、いわゆる支・那事変、あるいは大東亜
戦争で、私
たちは何をしたか。中国の民衆に対してフィリピン、ビルマ、マラヤの人
たちに何をしたか。ここで私は
極東軍事裁判の証言を繰り返すに忍びません。これら外国の人
たちばかりではございません。酷寒のアッツ島で玉砕した方々、灼熱のニューギニアで散っていった兵士の諸君、沖縄の健児の塔、ひめゆりの塔、広島、長崎は言うもおろか、この東京でも、業火に焼かれて死んでいった人
たちを、私
たちは忘れることはできません。今日なお、浅草一の舗道に立てば、焼けただれて死んでいった兄弟の血とあぶらをかぐことができるではありませんか。私
たちは、敗戦によって初めて過去の罪悪に気がつきました。過去の罪を深刻に反省してあの平和
憲法を作ったのであります。深くこうべをたれて、素っ裸になって、
世界人類の前にひざまずいたのであります。
しかるに、今日、何ぞや。岸さんは、先日、大阪で、中国は片手落ちだ、カナダや西ドイツは、中国を承認していないにもかかわらず、
貿易をしておる、
日本に対してのみ政経不可分とは一方的だ、と言い、アメリカと結んでミサイルを中国に向けながら、それに文句を言う中国を、内政干渉だときめつけているのであります。(発言する者あり)しばらくお聞き下さい。1私
たちの罪は、一東条大将が十三の階段を上ったからといって帳消しになっておるのではありません。お隣の奥さんや娘さんに乱暴をし、子供や老人をなぶり殺しておいて、その謝罪もしないで、お前の方には粘結炭がある、鉄鉱石がある、ウルシがある、それがうちではほしい、こっちには鉄、銅がある、人絹がある、商売をしようじゃないか、双方仕合わせるではないかといっても、ちょっと無理な相談ではありますまいか。顔を洗って出直せといわれるのは、むしろ当然でありましょう。
岸総理大臣、あなたが、にこにこしておやりになるゴルフ揚の草葉の陰で、だれの目が光っているか、忘れないでいただきたい。しかし、と申しましても、私は、この場で岸さん個人のことをあげつらう考えはありません。それは、岸さん自身の良心の問題であり、人間性の問題であります。私は、
日本民族の問題として、特にわれわれ政治家、議員の問題として提起せんとするのであります。与党の皆さん、私
たちもまた、この本
会議場の壮麗なるステンド・グラスの陰から私
たちを見守っておる眼を忘れないようにしなければなりません。いずれにしても、私
たちは、この大きな罪をあがなわなければなりません。その道はただ
一つ、私
たちが平和
憲法を忠実に守り、実践することであります。
このように論じてきますならば、
社会党がなぜ
政府予算案の撤回を求めるか、その
理由は明らかでありましょう。(
拍手)また、どんな
方向に
編成替えを求めているかも、きわめて明確でありましょう。従って、具体的な点につきましては、きわめて簡単に申し上げたいと存じます。
私
たちが、
政府案を撤回して、どのような形で作りかえていくべきであるか、こう
要求します
内容について申し上げますと、
歳入については、
減税は、
所得税三十七万円までを無税にする。
所得税をかけないという
方向、
中小企業者の法人税、あるいは
中小企業の償却資産の耐用年数の短縮をはかる、このような方法によって七百八十億円を
減税し、
増収すべき面は、
所得税百万円以上の所得者、あるいは五百万円以上の法人に対して
所得税の累進度を引き上げ、法人税は四〇%にし、また、一千百六十億に及ぶあの
租税特別措置の中を整理改廃いたしまして、あるいは富裕税を作るというようなことで約千百三十億、この
程度生み出したい。差し引き三百五十億の
歳入増となると予定いたしております。
歳出の面におきましては、まず、防衛庁費千四百八十五億のうち、八百億
程度は直ちに削減できる。あるいは、軍人恩給千四十億のうちから、これを余命年月を考えての交付公債に切りかえることによって約四百九十億
程度浮かすことができる。防衛
支出金六十億は全額削除。
公共事業費も、先ほど申しましたように、ひもつき利権
予算、これにメスを加えることによって二百八十億の削減ができる。
造船利子補給は九億、あるいは公安調査庁、
憲法調査会等、あるいはその他いろいろな反動的諸立法、諸
機構、これを廃止して十五億、計千六百五十億、この
歳出の中から、組み替え千六百五十億と
歳入増の三百五十億、合せて二千億をもって、
憲法二十五条、二十六条、二十七条の示す
方向に向かって
支出すべきである、とわれわれは主張するものでございます。(
拍手)
私
たちの組み替え
要求は、この
趣旨にのっとって
政府はやりかえろ、
憲法の精神に基づいて
予算を作って出てこい、こういうのでございます。(
拍手)何も、一銭一厘がどうだこうだという修正案ではございません。
憲法二十五条に何と書いてあるか。(発言する者多し)大へんやかましいようですから、これを読み上げますが、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」、二十六条、すべて
国民は「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」「義務教育は、これを無償とする。」二十七条、すべて
国民は、勤労の権利を有する、このように、
憲法は、はっきり規定しておるのでございます。ただいま申しました二千億の金を、この
方向に
政府は使って出てきなさい、こういうのであります。(
拍手)(「どれくらいやるのか」と呼ぶ者あり)これはきわめて不十分でございます。どれくらいを考えておるかという御希望でありますから、詳しくお話し申し上げます。先ほども申しましたように、数字が一々
政府をそのまま拘束しておるというのではありません。こういう
基本精神でやりかえろ、
政府の考え方は間違っておるというのが、こちらの
要求であります。御希望のように、われわれが考えておる一応の数字を、それで一はさらに申し上げます。
まず、私
たちは、防衛庁費一千四百八十五億円のうちから八百億を浮かさんとするものでございますが、その残りの六百八十五億は何に使うか。すなわち、直ちに現在の防衛庁費、防衛庁の軍事的性格を払拭して、平和国土建設の
方向に防衛庁を変えていきたい。(
拍手)初
年度五万人
程度を平和国土の建設に使いたいと思います。
次に、
社会保障関係費として私
たちが大づかみに考えておるのは、千二十億円を二千億のうちから向けろというのであります。生活保護費として、そのうち、三百八十五億円の増額を予定いたしております。生活保護率を五割引き上げ、現在、約八百万人のボーダー・ライン層を
対象に含めて考えております。さらに、
国民年金費としては百五十億円を予定いたしております。老齢年金の六十才以上千円、六十五才以上二千円、母子年金三千円、障害年金三千円——障害年金は一級に四千円、二級に三千円、三級に二千円、これを第四・四半期から
実施するように、こういう主張をいたしております。さらに失業
対策費五十一億、これは、失対の
賃金を八十円引き上げ、就労日数を二十一日半から二十五日に改めようとするものであります。また、失業保険
特別会計の繰り入れを約百五十億円、これは、失業保険給付を月収の六割から八割に引き上げ、給付期間を平均六ヵ月から九ヵ月とする、国庫補助率の三分の一は、これを継続する。
国民健保や日雇い健保の国庫補助を、二割を三割、三割を五割に引き上げる。あるいは児童保護
措置その他の社会福祉費二十億、
勤労者の住宅も、さらに九十六億円をふやして、大幅に第一種、第二種の公営住宅の建設をはかるべきである。部落
対策として、今まで何もしていない、あの部落に対する
対策として四十八億円
程度を
政府は
支出すべきである。こう主張するものでございます。
その他、
農業関係において約二百億、
中小企業対策費に百億、
文教関係で約二百三十四億、このような
方向を向いて……。(「少ないじゃないか」と呼ぶ者あり)これは増額分ですよ。それをおやりなさい。こういうのであります。(
拍手)
石炭対策、これに対しても百一億をふやせ。従って、地方交付税は、
地方財政の確立をはかるために、交付税率を三〇%に引き上げて、約二百八十億円の
支出増。こうわれわれは考えておるわけでございます。
さらに、
財政投融資計画について申し上げますと、
財政投融資につきましては、
開発銀行だとか、電源
開発だとか、あるいは輸出入銀行に対する
資金運用部の
資金を回しておる分を三百億、つまり、それぞれ百億ずつ、計三百億を削除して、
中小企業金融公庫に五十億、商工中金に百億、
国民金融公庫に百億、電電公社に五十億をふやすべきであると主張するものでございます。さらに、
国民金融公庫には
一般会計の中から五十億を
支出すべきであるといっておるわけでございます。従って、公募公債は約五百億円の
増加となるわけでございます。
この際、われわれが申し上げておきたいことは、この三百五十億の
歳入増を見ておるから、
社会党の
計画ではインフレになるのではないかという御
意見があるのでございます。しかし、皆さんは、インフレになるとは申されぬと思います。これは、言うまでもなく、
政府自身が、今度の
予算は健全でござる。なぜ健全か。今度は公債なんかの発行を
一般会計でいたしておりません、税収で全部まかなっておるから、今度の
予算規模は
拡大はしたが、決して不健全なものではございません、と
政府自身がおっしゃっておられる。その理屈をそのまま採用すれば、
社会党が三百五十億の
増加をはかっても、税収からの
増加でありますから、
一切の
影響はございません。(
拍手)しかし、実は、われわれは、
政府の言うように、自民党の諸君のように、そのように簡単にこのインフレ問題を考えているのではございません。
財政規模が
拡大したら直ちにインフレになるかならぬかという問題は、
歳出面でどのような金が使われておるかということが、まず第一に問題でございます。(
拍手)
政府は、最も不生産的といわれるあの防衛庁費に千四百億をこえる金を使っておるのでございます。このように不生産的な金を使っておるならば、たとい
歳入を税収をもってまかなっておっても、短期的にはともかく、長期的には、インフレが
日本の財政に忍び寄ってくるといわなければなりません。(
拍手)しかし、
社会党の
計画は、先ほど申しましたように、防衛庁の性格を切りかえ、あの軍隊としての防衛庁をやめて平和国土建設の
方向べ使おうというのでございますから、この点からも絶対にインフレにはならないのでございます。
さらに、ヤジの
言葉が出ないので不思議に思っておりますが、お前の方の組みかえ
予算の中にはベース・アップや米価の点に触れていないのはおかしいではないかというお考えがあるのではないか。皆さんは、そんなことは言いたくないというのかもしれません。しかし、一般の人からは、そのような批判が生まれるかもしれませんから、一言ここで説明しておきますが、われわれは、確かに、今度の組みかえ
予算の中で、公務員のベース・アップ三千円の
要求、これに対してどうするということを申しておりません。また、米価についても、どうするということ、幾らの米価が適当だというようなことは申しておりません。それはなぜか。
なるほど、今の政治というものが超階級的に行なわれておるならば、
社会党としても、この際、米価は幾らだ、ベース・アップは幾らだ、こういう基準を示す、政党としての責任があるはずでございます。しかし、今日の政治は、残念ながら、そのような超階級的政治ではございません。権力を握っておるのは独占
資本であり、自民党は独占
資本の政党であるわけでございます。(
拍手)従ってこれらの問題は、米価の引き上げを
要求する農民、ベース・アップを
要求する公務員の闘争の
過程の中から獲得されていかなければならないのでございます。われわれは、農民の生産費所得補償方式を絶対に支持して、農民とともに戦うものでございます。また、公務員のベース・アップ
要求を支持して、これと徹底的に戦わんとするものでございます。
大体、
政府のやり方はきわめて陰険でございます。三十五
年度の
予算を作る前に、なぜ、米審を開いて、今度の米価は幾らにしましょうかという相談をしないのか。また、人事院を呼んで、今度のベース・アップは幾らにすればよろしいかと、人事院の勧告をなぜ早く求めないのか。それをしないでおいて
予算を作って、既成事実だとして、農民を、あるいは公務員を圧迫しておるのが、今日の
政府のやり方でございます。(
拍手)人事院もまた、卑怯にも、
予算が済まなければ勧告を出しません。また、勧告を出しても、
実施期はいつだということを人事院は示さないのでございます。われわれは、このような人事院は、むしろ廃止して公務員に完全な団結権、ストライキ権、罷業権を与えるべきであると考えるものでございます。
社会党は、その闘争を組織せんとしておるものでございます。従って、この組みかえ案に盛らなかった
理由はこの点にあるということを御了解願いたいと思います。
今日私
たちがやることは、そんな
要求のできる人ではない、政治の
方向はどっちに向かっておるかということを考えるいとまもない、今晩のねぐらを求め、あすの日のパンを探しあぐねておる人
たちに対して、われわれは、まずまつ先に何をやるかということを明らかにしなければなりません。その
意味で、
社会党は、二千億の中で、まず一千億以上を社会保障費に組みかえて出すべきであるという
要求をいたしておるわけでございます。どうか、十分御了解の上、皆さんは、
憲法にのっとって、
社会党のこの組みかえ
要求に御賛成あらんことを切望いたしまして、私の
趣旨説明を終わります。(
拍手)