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1960-03-03 第34回国会 衆議院 本会議 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月三日(木曜日)     —————————————  議事日程 第八号   昭和三十五年三月三日     午後一時開議  第一 養鶏振興法案(第三十一回国会内閣提出)  第二 南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律案内閣提出)  第三 国内旅客船公団法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 海岸法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 建設業法の一部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  昭和三十五年度一般会計予算  昭和三十五年度特別会計予算  昭和三十五年度政府関係機関予算     午後二時九分開議
  2. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより会議を開きます。
  3. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御報告いたします。  去る二月二十五日、本院において御決議に相なりました賀詞は、二月二十九日の御命名式当日、議長が、皇居において天皇陛下にお目にかかり、差し上げましたところ、衆議院の丁重な祝詞を受け、誠に喜びに堪えません。このお言葉を賜わりました。(拍手)  続いて、皇太子殿下にお目にかかり、賀詞を差し上げましたところ、衆議院の丁重な祝意を感謝します。このお言葉を賜わりました。(拍手
  4. 天野公義

    天野公義君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、昭和三十五年度一般会計予算昭和三十五年度特別会牛三月三日計予算昭和三十五年度政府関係機関予算、右三件を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  5. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野君の動議に御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。  昭和三十五年度一般会計予算昭和三十五年度特別会計予算昭和三十五一年度政府関係機関予算、右三件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。予算委員長小川半次君。     [小川半次登壇
  7. 小川半次

    小川半次君 ただいま議題となりました昭和三十五年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本予算三案は、去る一月二十九日予算委員会に付託せられ、自来、連日にわたって委員各位の熱心な審議が行なわれ、本日、討論・採決をいたしたものであります。この間、二日間の公聴会を開き、各界八名の公述人より意見を徴し、審議を一そう慎重にいたしたのであります。  予算案につきましては、大蔵大臣より詳細なる説明があり、すでに十分御承知になっておられますので、ここでは重複を避け、主として予算三案をめぐって展開せられました質疑を中心として御報告申し上げるものであります。  さて、最初に、財政規模経済政策について申し上げます。  三十五年度一般会計予算は、歳入、歳出とも一兆五千六百九十六億円でありまして、第一次、第二次補正予算を含む三十四年度予算に比べ、七百十五一億円を増加いたしております。特別会計においては、国土保全災害復旧の施策を強力に推進するため新たに治水特別会計を設け、既存の特定多目的ダム建設工事特別会計を吸収することとなり、また、臨時受託調達特別会計を廃止しましたため、その総数において一を減じ、三十九となり、一般会計特別会計を合わせた純計は、歳入三兆四千二十七億円、歳出三兆二千三十二億円となっておるのであります。政府関係機関は、今回、国民皆保険の達成を控えて、私的医療機関に対し融資を行ない、これが整備をはかるため、新たに医療金融公庫を増設したため、総数二十二となり、その総計は、収入一兆五千三百六十六億円、支出一兆三千八百二十九億円となっております。ま、た、財政投融資は、総額五千九百四十一億円で、前年度の当初計画に比べ七百四十三億円、同改定計画に比べ三百十五億円の増加となっているのであります。  政府は、予算編成方針として、健全財政を堅持して、財政面から景気に刺激を与えることを避け、通貨価値の維持と国際収支の安定をはかることを基本として、一般会計予算の財源は普通歳入のみによることとし、また、財政投融資についても、通常の原資によるほか、適正規模民間資金を活用することとし、経費及び資金の重点的配分を徹底し、特に新規の事業はこれを抑制することとしております。他方、経済計画においては、国民総生産は前年度に比して実質六・六%の成長を見込み、年間を通じて経済は順調な上昇過程をたどるものと推定いたしております。  そこで、まず、予算規模について質疑が行なわれたのであります。すなわち、第一点は、「政府は予算編成方針として、財政面から景気に刺激を与えることを避け、通貨価値の維持と国際収支の安定を確保すると言うているが、本予算案においては、一般会計歳出において、前年度当初予算に比べ千五百四億円、財政投融資において七百四十三億円を増額し、また、百三十九億円を三十四年度補正に回し、さらに国庫債務負担行為千四十九億円を計上し、著しくその規模は膨張している。また、国債費二百七十九億円と賠償費八十三億円の減額も、見えざる予算の膨張といわざるを得ない。しかして、支出の内容を見るに、巨額の債務負担行為を含む防衛費と、数千億に達する土木費を二つの柱としているが、かかる膨大な規模と内容とを持つ予算は、インフレ的要因を顕著に包蔵しているものであると考えるが、政府の見解いかん。また、巨額の債務負担行為の計上は、後年度の予算を拘束するものであり、財政法の精神に反するものではないか」というのであります。  第二点は、「歳入において、政府は租税の自然増収を二千百億円と見積もっているが、明年度の国民所得の伸び八・一%を見込み、緩慢ながら経済は上昇過程をたどるものとの見通しならば、少なくとも租税の自然増収は二千四百億円以上を見込まれるはずである政府の見積もりは過小ではないか。かりに政府の見積もり額を妥当とするも、かかる多額の自然増収を見込み得るならば、まず減税措置を講ずべきではないか」というのであります。  これに対して政府は、第一点、「予算の規模を国民所得に対する割合から見るならば、三十四年度においては、当初予算は国民所得の一五・九%、補正を含めた予算は改定後の国民所得に対して一五・五%であったが、三十五年度においては一五%であり、また、三十四年度当初予算に財政投融資を含めた場合二一・六六%であるが、三十五年度においては二〇・六八%であり、また、政府の財貨サービス購入の伸び率においても、三十四年度のそれより低くなっている。かかる意味において、三十五年度の予算規模は、三十四年度のそれを下回る適正な規模である。また、本年度予算における公共事業費の総額は、国民総生産に対して三・五%であり、いずれも経済的効果を持つものである。最近の金融及び物価の動向に徴しても、本予算は、景気に刺激を与え、経済を過熱するものとは思われない。国債償還金の減少は、前年度剰余金受け入れの減少に基因するものであり、賠償金の減額は、前年度繰り越しがあるため減額したもので、作意をもって減額したものではない。債務負担行為については、FXに関しては三十六年度以降において予算化するものである。また、三十四年度第三次補正は三十四年度において支出すべきもののみであり、三十五年度予算の場合には、これを除いて考うべきものである。」  第二点については、「租税の見積もりは、現在までの税収の実績を基礎として経済の伸びを十分勘案し、各税種別にそれぞれ積算して正確に査定したものである。減税は、国民の税負担の現状から見て当然行なわなければならないことであるが、三十五年度においては、国土保全対策費の増額、社会保障費等の当然増をまかなうため、減税を後年度に見送らざるを得なかった」との答弁でありました。  次に、政府が本予算において特に重点施策として実施しようとする事項は、一、国土保全及び災害復旧対策の推進、二、社会保障関係施策の推進、三、文教及び科学技術の振興、四、農林漁業の振興、五、中小企業育成強化、六、貿易の振興及び経済協力の推進、七、地方財政健全合理化等であります。  これら施策に関して論議の焦点となりました点を要約して御紹介申し上げますれば、一、国土保全については、政府の治山治水十カ年計画遂行に対する熱意及び年度ごと財政支出の用意ありやいなや等に関し、二、社会保障関係については、社会保障関係費の内容及びILO条約百二号の批准等に関し、三、文教関係については、現在の六・三・三・四の教育制度並びに語学教育及び育英資金運営等に関し、四、農林漁業については、曲がりかどにきた農業政策の今後のあり方等に関、し、  五、経済協力については、東南アジア開発協力促進方策等に関し、政府との間に熱心なる質疑応答が行なわれましたが、これらの詳細につきましては、時間の関係上、会議録に譲ることを御了承願いまして、私は、目下日本経済の直面している最大の問題として国民的関心を呼んでいる貿易・為替の自由化の問題と、また、去る一月十九日、ワシントンで日米両国政府間に調印が行なわれ、本国会にその承認を求めております新日米安全保障条約等についての論議に触れてみたいと思うのであります。   一昨年来急速に進められてきた西欧諸国の貿易・為替の自由化政策は、今や国際的潮流となり、政府においても、この世界的大勢に順応し、昨年来、消費財及び原材料等に対して自由化措置を講ぜられて参ったのでありますが、わが国経済は、多年にわたって貿易及び為替の管理により厚く保護されてきた関係上、自由化に伴う産業経済各部門への影響は少なからぬものと予想され、われわれも深い関心を有するものであります。本委員会におきましても、熱心な質疑が行なわれたのであります。  まず、質問の第一点は、「政府は、最近急速に貿易・為替の自由化を促進する方針を打ち出し、産業界に大きな不安を与えているが、貿易、為替の自由化を急速に進めるに至った事情、並びに、自由化実施の手順、その完了の時期等についていかなる方針を立てておるか。また、現在のわが国外貨保有高をもって、はたして自由化にたえ得るやいなや。」  第二点は、「貿易為替自由化を推進し、貿易の拡大をはかり、経済の発展を遂げるためには、わが国産業構造を抜本的に再編成すべきではないか。特に農業、海運業については、さしあたり、いかなる措置を講ぜんとしておるか。また、国内産業国際競争力を培養するための方策はどうか。この際、独占禁止法を緩和する意思ありやいなや。また、自由化政策のおもむくところ、中小企業労働者等にその影響がしわ寄せさせられるおそれありと思われるが、政府の所信いかん」というのであります。  これらに対する政府の答弁は、第一、貿易・為替の自由化の問題は、唐突として起こったものではない。政府は、一昨年発足した欧州共同市場、一通貨の交換性回復等の事態を検討し、国際経済自由化の方向に強く発展していくという事実の認識に立ち、わが国もこの事態におくれをとらぬよう、すでに一年余にわたり自由化のための諸施策を進め——本年一月初旬に至って貿易・為替自由化促進閣僚会議を設け、各種の計画を樹立しておる。しこうして、そのスケジユールは、おおむね五月中にでき上がる見込みである。また、為替の自由化については、まず、経営取引自由化の拡大を考えている。資本取引自由化については、国内産業に与える影響が大きいので、なお相当の準備を必要とするものである。自由化への手順としては“国内産業に及ぼす影響を十分に考慮し、各業種、各品目ごとに、影響の少ないものかちそれぞれ対策を講じながらやっていく所存である。現在までに自由化されている物資は輸入総額の三二%程度であるが、対ドル地域に対して特に管理をしておる十品目については、本年一月から銅合金、アバカ繊維ラワン材、石こうの一部を自由化し、参四月から牛脂、鉄くす等について自由化を行ない、最も困難な銑鉄、大豆、牛皮等の自由化は、おおむね十月を目途としている’以上の措置により、輸入総額の  一〇%余が自由化されるので、本年度内には自由化率四十数パーセントとなる見込みである。また、輸入総額の二割を占める原綿、原毛等繊維原料については、関係産業が非常に多く、影響するところもきわめて大きいので、業界人の意見をも聞き、その対策を十分に講じた上、明年四月から自由化したい。かくて、明年四月以降、おもなる輸入原料で残るものは石炭、石油、砂糖等であって、自由化率の達成は六五%程度となる。自由化の完了は“おおむね三年を目途としておるが、必ずしもとれにとらわれない。また、自由化に伴う適正外貨保有量は、一国の経済の成長率、輸入の依存度等により国々によりてそれぞれ事情は異なるが、日本の場合、現在蓄積された十三億余万ドルの保有量で十分と考えるが、より多くの外貨を保有することが望ましいことであるから、その増加については一そう努力したい」との答弁であったのであります。  第二点については、「貿易・為替の自由化に対応するためには“今後の産業政策を根本的に再検討し、国際経済における日本経済の方向を明確に打ち出し、国民所得長期倍増計画とも関連させ、長期計画を立てていきたい。特に農産物等については、決して手ぶらで臨むものではなく、米麦、酪農製品のごときは自由化する意思はない一また、大豆の自由化については、農家所得を維持するよう価格支持政策を活用し、農民に不安を与えないような方策で臨む所存である。さらに、国内産業国際競争力培養については、個々一の企業自体体質改善が第一であるが、政府としては、金利、税制、関税等について考慮したいが、独占禁止法の改正はなすべきではなく、予想される過当競争防止のためには、輸出入取引法を改正するにとどめたい。中小企業に対する影響について極力少なくし、設備の近代化その他資金の面についても十分考慮し、特に中小企業間の組織化を考えていく方針である一勤労者の賃金については、貿易の自由化に伴い、経済の拡大が行われれば、雇用も賃金も伸びることが予想される」との答弁でありました。  さて次に、日米安全保障条約に関する質疑について申し上げます。質疑は、安全保障条約改定の理由及びその基本方針並びに条約の内容等について最も活発に展開されたのであります。  その要旨のまず第一点は、「首相は、施政方針演説の中で、わが国自由主義世界の一員として、共産主義世界との共存の道を見出すための熱意と努力を欠くものではないと述べているが、安全保障条約の改定とこの平和共存の方針とはいかなる関係に立つか。一世界が二つの陣営に分かれているとき、一つの陣営と相互防衛条約を結ぶことは、必然的に他方の陣営を刺激することとなり、平和共存の道と相反することとなるのではないか。また、新条約の内容は、日本が第三国との戦争に巻き込まれる危険性を包蔵している。米国軍の常時駐留を有事駐留にしなかった理由いかん」というのであります。  これに対して政府は、「世界は雪解けというが、東西両陣営とも、それぞれ内部的団結を強め、協力関係を強化しながら一問題を話し合いで解決していく方向に進んでおるのであっていまだいずれの国も積極的に軍備縮小を行なうに至っていない。また、一国の安全保障国際連合の機構に一切ゆだねる状態にも至っていない。両陣営とも、それぞれ集団安全保障の機構を持ってその安全を保持している状態である。かかる現状から見て日米安全保障体制は世界の大勢に逆行するものではなく、今回の条約は、既存の安全保障条約を、日米両国の対等の立場に立ってその不平等性を改めようとするものである。改定の基本方針は、国連憲章を大前提としてあくまでも防衛的であって両陣営の緊張を強めるものではない。また、従来の安全保障条約にあっては、在日米軍作戦行動は、日本領土内の基地を中心に自由であったため、戦争に巻き込まれる危険があるのではないかとの議論もあったが、今回の改定により、米軍の行動は事前協議の対象として日本の自主的立場から対処できることとなった。なお、安全保障条約は侵略を防止することが真の目的であるから、侵略を未然に防止するためには、有事駐留の形は望ましくないと考える」との答弁でありました。  第二点は、条約の内容にわたるもので、すなわち、その一つは、「本文第二条に「経済的協力を促進する。」とあるが、その具体的内容いかん」、その二は、「本文第三条に「武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。」とあるが一防衛力増強についての政府の所信いかん」、第三点は、一「本文第四条及び第六条に規定する「極東」の具体的範囲いかん。また、この範囲に関しては、日米双方で意見が一致しているかどうか。さらに、この範囲と在日米軍戦闘作戦行動の区域との関係いかん」、第四点は、「条約第六条の実施に関する交換公文にある事前協議解釈いかん。日本が第三国との戦争に巻き込まれるおそれのあるごとき作戦行動に関する重要事項の取りきめについては、単に協議としないで、条約本文に、日本政府の同意を要する旨明記すべきものと思うが、これを協議の主題とするとして交換公文にゆだねた理由いかん。また、単に協議の主題としていることは、日米の対等性を失することとなるのではないか。なお、在日米軍の移動については、事前協議の主題とならないというが、しかりとすれば、在日米軍が一たん日本領一土外の隣接地に移動して、直ちに戦闘作戦行動に参加する場合においては、何らこれを規制する方法がないこととなるではないか」というのであり、これに対して、政府は、第一の経済協力に関しては、「日米両国が経済上緊密に協力し合う基本的態度を明らかにしたもので、これに関しては、貿易の伸張、資本及び技術の導火等、日米間の直接的経済協力の面と、日米双方で関心を持つ低開発国の開発に協力せんとする二つの面を持つものであり、要は、日米両国が十分な理解と信頼の上に経済の自由な交流をはかり、両国の繁栄をはからんとするものである」との答弁であり、第二の自衛力の増強については、「日本国憲法では、自衛権を裏づける必要最小限度自衛力を持つことが許されるだけで、国力と国情に応じて自主的に漸増するという基本方針に基づいて行なうものであり、本条約により特に増強の義務を負うものではない」との答弁が行なわれました。第三の、極東の範囲については、「必ずしも東経何度から北緯何度までというような明確な地域を示しておるものではなく、その平和と安全に対し日米両国が共通に関心を持っている地域で、一フィリピン以北、日本を含む周辺をさす。具体的には、樺太、北千島を除いて、歯舞、色丹、国後、択捉はこれに含まれ、朝鮮については、主たる地域は大韓民国の地域であり、中国、沿海州、南ベトナムは含まれない。このことに関しては、交渉の過程において米国側とも意見の一致を見ているものである。また、在日米軍作戦行動のため行動する場合は、事前協議の対象となるが、日本としては、その行動範囲を不必要に拡大することは適当ではないと考えている。この場合の行動範囲は、前に述べた極東の範囲とおおむね一致するであろう。要は、日本国民の最も関心の深い安全と平和をいかに確保するかということであって、その平和と安全を侵す事態に即応してこれを排除することを建前として考えなければならない。かかる意味で、在日米軍のとり得る行動範囲を局限することは適当でない」との見解が述べられたのであります。第四の事前協議については、「協議にかかった事項について、日本としては、自主的に拒否する権利があり、拒否した場合、アメリカは日本の意思に反した行動はとり得ない。もし意思に反した行動をとる場合は条約の違反となる。この解釈に関しては、本条約の改定交渉を通じて両国間で了解されており、共同声明でも確認されている。条約上の取りきめについては、慣例その他によって、条約の本文に入れる場合もあり、交換公文と一する場合もある。本条約の交換公文は条約と同様の効力を持つものであるから、日本の自主性がないとは言い得ない。また、在日米軍の移動については事前協議の対象にならないが、移動された部隊は在日米軍ではなくなるから、その行動を規制することはできない」との答弁でありました。なお、本条約と国連憲章並びに自衛隊法との関連についても詳細な質疑が行なわれたのであります。  以上のほか、予算編成のあり方、ガリオア、イロアの返済問題、国債償還問題、防衛関係、特にロッキード購入  問題、エネルギー政策、特に石炭対策所得倍増の問題、選挙法改正、公務員の給与に関する人事院勧告造船利子補給の問題、国有鉄道に関する問題、善隣外交促進問題等々、内政・外交各般にわたり、真摯活発な質疑応答が行なわれましたが、これらについてはすべて会議録に譲ることを御了承賜わりたいと思うのであります。  質疑終了後、本予算三案につきまして、日本社会党及び民主社会党より、それぞれ予算案編成替えを求めるの動議が提出されました。その内容については、後刻本議場において説明されることと思われますので、省略させていただきます。  かくて、討論に入り、採決の結果、両党の編成替え要求の動議は否決せられ、本予算三案は政府原、案の通り可決されたのであります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)
  8. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 昭和三十五年度 一般会計予算外二件に対しては、井手以誠君外土二名及び今澄勇君外三名から、三件の編成替えを求めるの動議が提出されております。  この際、順次その趣旨弁明を許します。石村英雄君。     〔石村英雄登壇
  9. 石村英雄

    石村英雄君 私は、日本社会党を代表、たしまして、一政府提出昭和三十五年度予算案を不満として、その撤回を求め、社会党の主張する趣旨に基づいてその編成替えを行ない、すみやかに再提出せられんことを要求するものでございます。(拍手)  私たちが政府案を不満だといたします点は数多くありますが、その詳細は後ほど反対討論をせられる同僚議員に譲りまして、その二、三の点についてのみ順序として申し上げたいと存じます。  私たちが政府予算書を手にいたしまして、これをひもといたときに、その耳に聞こえてきましたものはロツキードの爆音でありました。ロケット砲弾の炸裂する響きであったのでございます。さらに、目に浮かんできましたのは、おりてくる死の灰を洗い流しながら鯨のように潮を吹いて戦場に突っ込んでいく駆逐艦の姿であり、その背後に上がる原水爆のキノコ雲であったのでございます。すなわち、硝煙が漂い、血にまみれだ予算書であったのでございます。平和を求めるわれわれ国民は、断じてこれを認めることはできません。(拍手)「  さらに、政府は、昭和三十五年度租税印紙収入及び専売納付金を、三十四年度当初予算よりも二千三百十七億円、第三次補正予算よりも千七百十九億円の大幅な増収を見ておりながら、びた一文減税をいたしておりません。今日、所得税課税最低限は、給与所得者五入世帯で三十二万八千円、事業所得者で二十五万円、独身者で、給与所得者は十一万八千八百円、事業所得者九万円で、これでは、学校を出て月給を一万円もらえば直ちに税金がかかってくるのであります。五人世帯の場合にいたしましても、昭和三十四年の全都市の勤労者家計支出は四十万円をこえております。このように、生計費には所得税をかけていながら、びた一文減税をせず、他方、大企業のみが主として恩恵を受けております租税特別措置、現在では一千百六十億円にも上るその減税措置は、依然として温存いたしておるのでございます。まことに言語道断、不合理きわまる態度だといわなければなりません。(拍手)  大蔵大臣佐藤さんは、減税しろという要求は無理もないが、何分、伊勢湾台風その他災害がありましたので、と逃げておられますが、なるほど、治山治水災害復旧を含めまして、政府予算を見てみますと、公共事業費で、三十四年度当初予算よりも約五百八十億円増加いたしております。しかし、公共事業費なるものは、言うまでもなく、ひもつき利権予算であり、ピンはね予算であります。善良な国民が、河川の堤防がよくなって、これで安心だと喜ぶその陰で、にんまり笑って国民の血税を懐中にねじ込む連中がたくさんいることは、天下周知の事実であります。(拍手)また、減税ができない理由、いな、減税をしない理由として、所得税がかかる人はいい方だ、所得税のかからない人たち、すなわち低所得者がその二倍もいるのだから、と言われる方もおられます。一応もっともな言い分でありますが、それなら、増収分でこれら低所得者層に対して政府はどれだけのことをしておるかと申しますと、社会保障関係費で三百三十八億円の増加にすぎません。しかも、この増加分は、ほとんどが義務的増加分であって、何ら見るべきものはございません。  さらに、政府は、アメリカに強要せられまして貿易自由化を強行せんとしております。もとより、貿易自由化は、資本主義的立場に立てば、あるいは合理化を意味するかもしれません。従って、資本主義を金科玉条と信奉せられる政府の態度としては、あえて異とするに足りませんが、合理化によって外国の産業との激烈な競争の谷間に突き落とされる中小企業や農業の運命を、政府はどのように見ているのでありましょうか。一体、どのような措置を今度の予算で講じようとしているのでありましょうか。予算面では、遺憾ながら、ゼ口だといわなければなりません。  中小企業対策費をとってみましょう。三十四年度は二十二億二千万円でありました。大体、これが少な過ぎるのであります。全国の中小企業者のためにわずか二十二億円、これではスズメの涙にもなりません。それを、自由化に備えてといって、幾ら増額しているかと申しますと、驚くなかれ、たったの三億六千万円であります。すなわち、合計二十五億八千万円であります。これでは、自由化の問題を考えますと、むしろ、実質的には減少しておるとも書目えましょう。なぜ政府中小企業対策費を二倍、三倍にしないのでありましょうか。これでは、自由化の口実のもとに独占資本の強化をはからんとしておると言えましょう。(拍手)農業またしかりであります。  自由化日本が目ざすときに忘れてならないことは、日本貿易の安定であります。それには、お隣の中国貿易、北鮮貿易を無視することはできません。しかし、岸内閣は、イギリスのイーデン氏が八年前に指摘したといわれることを、今日なおほおかぶりしているのであります。一体、なぜ政府国民に対してかくも冷酷無残なのでありましょうか。また、なぜ日本の前途に対して深く思いをいたさないのでありましょうか。私たちは、この点にさかのぼって探求をしなければならないと思います。その一切の根源は、つまるところ、政府日本の憲法を忘れておるからでございます。(拍手)知っていても、これを無視しておるからでございます。  私は、今ここで日本憲法第九条、第二十五条、第二十六条、第二十七条を読み上げようとはいたしません。読み上げなくても、口先だけでは政府はよく知りております。しかし、大臣諸公は、ちエうど、仏様の前で毎日殊勝らしくお経をあげながら、済むと口をぬぐって悪事を働く破戒僧のように、憲法をばかにしておるのであります。(拍手)一体、私たちは、日本国民は、どのように考えて十四年前に今日の平和憲法を制定したのでありましょうか。それは、言うまでもなく、私たちが犯した、日本国民が犯した罪を反省したからであります。戦争の罪悪を悟ったからであります。今日なお、私たち日本国民の手についておる血のしみはとれておりません。ちょうど映画の「蜘蛛巣城」の奥方の手のしみのように、ただ洗っただけではぬぐい去ることはできません。このしみを私たちが消すことができるのは、ただ一つ、あの十四年前に作った平和憲法を誠実に実践することでございます。それによってのみ、初めて可能でありましょう。  数日前、あちこちで、朝鮮の人たちが、北鮮系といわず、韓国系といわず、みな三二節の行事を行ないました。大正八年春三月、朝鮮では、どこからともなく、朝鮮が日本から独立したといううわさが流れてきたのであります。日本帝国主義によって田を奪われ、家を失い、流亡の民となった朝鮮の諸君は、独立したと聞いて狂喜乱舞、万歳々々と叫んだのであります。これに対して、日本帝国主義は何をもって報いたか。彼等を集めて村の教会堂に追い込め、火を放ち、銃殺をしたのであります。さらに、いわゆる支・那事変、あるいは大東亜戦争で、私たちは何をしたか。中国の民衆に対してフィリピン、ビルマ、マラヤの人たちに何をしたか。ここで私は極東軍事裁判の証言を繰り返すに忍びません。これら外国の人たちばかりではございません。酷寒のアッツ島で玉砕した方々、灼熱のニューギニアで散っていった兵士の諸君、沖縄の健児の塔、ひめゆりの塔、広島、長崎は言うもおろか、この東京でも、業火に焼かれて死んでいった人たちを、私たちは忘れることはできません。今日なお、浅草一の舗道に立てば、焼けただれて死んでいった兄弟の血とあぶらをかぐことができるではありませんか。私たちは、敗戦によって初めて過去の罪悪に気がつきました。過去の罪を深刻に反省してあの平和憲法を作ったのであります。深くこうべをたれて、素っ裸になって、世界人類の前にひざまずいたのであります。  しかるに、今日、何ぞや。岸さんは、先日、大阪で、中国は片手落ちだ、カナダや西ドイツは、中国を承認していないにもかかわらず、貿易をしておる、日本に対してのみ政経不可分とは一方的だ、と言い、アメリカと結んでミサイルを中国に向けながら、それに文句を言う中国を、内政干渉だときめつけているのであります。(発言する者あり)しばらくお聞き下さい。1私たちの罪は、一東条大将が十三の階段を上ったからといって帳消しになっておるのではありません。お隣の奥さんや娘さんに乱暴をし、子供や老人をなぶり殺しておいて、その謝罪もしないで、お前の方には粘結炭がある、鉄鉱石がある、ウルシがある、それがうちではほしい、こっちには鉄、銅がある、人絹がある、商売をしようじゃないか、双方仕合わせるではないかといっても、ちょっと無理な相談ではありますまいか。顔を洗って出直せといわれるのは、むしろ当然でありましょう。  岸総理大臣、あなたが、にこにこしておやりになるゴルフ揚の草葉の陰で、だれの目が光っているか、忘れないでいただきたい。しかし、と申しましても、私は、この場で岸さん個人のことをあげつらう考えはありません。それは、岸さん自身の良心の問題であり、人間性の問題であります。私は、日本民族の問題として、特にわれわれ政治家、議員の問題として提起せんとするのであります。与党の皆さん、私たちもまた、この本会議場の壮麗なるステンド・グラスの陰から私たちを見守っておる眼を忘れないようにしなければなりません。いずれにしても、私たちは、この大きな罪をあがなわなければなりません。その道はただ一つ、私たちが平和憲法を忠実に守り、実践することであります。  このように論じてきますならば、社会党がなぜ政府予算案の撤回を求めるか、その理由は明らかでありましょう。(拍手)また、どんな方向編成替えを求めているかも、きわめて明確でありましょう。従って、具体的な点につきましては、きわめて簡単に申し上げたいと存じます。  私たちが、政府案を撤回して、どのような形で作りかえていくべきであるか、こう要求します内容について申し上げますと、歳入については、減税は、所得税三十七万円までを無税にする。所得税をかけないという方向中小企業者の法人税、あるいは中小企業の償却資産の耐用年数の短縮をはかる、このような方法によって七百八十億円を減税し、増収すべき面は、所得税百万円以上の所得者、あるいは五百万円以上の法人に対して所得税の累進度を引き上げ、法人税は四〇%にし、また、一千百六十億に及ぶあの租税特別措置の中を整理改廃いたしまして、あるいは富裕税を作るというようなことで約千百三十億、この程度生み出したい。差し引き三百五十億の歳入増となると予定いたしております。  歳出の面におきましては、まず、防衛庁費千四百八十五億のうち、八百億程度は直ちに削減できる。あるいは、軍人恩給千四十億のうちから、これを余命年月を考えての交付公債に切りかえることによって約四百九十億程度浮かすことができる。防衛支出金六十億は全額削除。公共事業費も、先ほど申しましたように、ひもつき利権予算、これにメスを加えることによって二百八十億の削減ができる。造船利子補給は九億、あるいは公安調査庁、憲法調査会等、あるいはその他いろいろな反動的諸立法、諸機構、これを廃止して十五億、計千六百五十億、この歳出の中から、組み替え千六百五十億と歳入増の三百五十億、合せて二千億をもって、憲法二十五条、二十六条、二十七条の示す方向に向かって支出すべきである、とわれわれは主張するものでございます。(拍手)  私たちの組み替え要求は、この趣旨にのっとって政府はやりかえろ、憲法の精神に基づいて予算を作って出てこい、こういうのでございます。(拍手)何も、一銭一厘がどうだこうだという修正案ではございません。憲法二十五条に何と書いてあるか。(発言する者多し)大へんやかましいようですから、これを読み上げますが、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」、二十六条、すべて国民は「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」「義務教育は、これを無償とする。」二十七条、すべて国民は、勤労の権利を有する、このように、憲法は、はっきり規定しておるのでございます。ただいま申しました二千億の金を、この方向政府は使って出てきなさい、こういうのであります。(拍手)(「どれくらいやるのか」と呼ぶ者あり)これはきわめて不十分でございます。どれくらいを考えておるかという御希望でありますから、詳しくお話し申し上げます。先ほども申しましたように、数字が一々政府をそのまま拘束しておるというのではありません。こういう基本精神でやりかえろ、政府の考え方は間違っておるというのが、こちらの要求であります。御希望のように、われわれが考えておる一応の数字を、それで一はさらに申し上げます。  まず、私たちは、防衛庁費一千四百八十五億円のうちから八百億を浮かさんとするものでございますが、その残りの六百八十五億は何に使うか。すなわち、直ちに現在の防衛庁費、防衛庁の軍事的性格を払拭して、平和国土建設の方向に防衛庁を変えていきたい。(拍手)初年度五万人程度を平和国土の建設に使いたいと思います。  次に、社会保障関係費として私たちが大づかみに考えておるのは、千二十億円を二千億のうちから向けろというのであります。生活保護費として、そのうち、三百八十五億円の増額を予定いたしております。生活保護率を五割引き上げ、現在、約八百万人のボーダー・ライン層を対象に含めて考えております。さらに、国民年金費としては百五十億円を予定いたしております。老齢年金の六十才以上千円、六十五才以上二千円、母子年金三千円、障害年金三千円——障害年金は一級に四千円、二級に三千円、三級に二千円、これを第四・四半期から実施するように、こういう主張をいたしております。さらに失業対策費五十一億、これは、失対の賃金を八十円引き上げ、就労日数を二十一日半から二十五日に改めようとするものであります。また、失業保険特別会計の繰り入れを約百五十億円、これは、失業保険給付を月収の六割から八割に引き上げ、給付期間を平均六ヵ月から九ヵ月とする、国庫補助率の三分の一は、これを継続する。国民健保や日雇い健保の国庫補助を、二割を三割、三割を五割に引き上げる。あるいは児童保護措置その他の社会福祉費二十億、勤労者の住宅も、さらに九十六億円をふやして、大幅に第一種、第二種の公営住宅の建設をはかるべきである。部落対策として、今まで何もしていない、あの部落に対する対策として四十八億円程度を政府支出すべきである。こう主張するものでございます。  その他、農業関係において約二百億、中小企業対策費に百億、文教関係で約二百三十四億、このような方向を向いて……。(「少ないじゃないか」と呼ぶ者あり)これは増額分ですよ。それをおやりなさい。こういうのであります。(拍手)  石炭対策、これに対しても百一億をふやせ。従って、地方交付税は、地方財政の確立をはかるために、交付税率を三〇%に引き上げて、約二百八十億円の支出増。こうわれわれは考えておるわけでございます。  さらに、財政投融資計画について申し上げますと、財政投融資につきましては、開発銀行だとか、電源開発だとか、あるいは輸出入銀行に対する資金運用部の資金を回しておる分を三百億、つまり、それぞれ百億ずつ、計三百億を削除して、中小企業金融公庫に五十億、商工中金に百億、国民金融公庫に百億、電電公社に五十億をふやすべきであると主張するものでございます。さらに、国民金融公庫には一般会計の中から五十億を支出すべきであるといっておるわけでございます。従って、公募公債は約五百億円の増加となるわけでございます。  この際、われわれが申し上げておきたいことは、この三百五十億の歳入増を見ておるから、社会党計画ではインフレになるのではないかという御意見があるのでございます。しかし、皆さんは、インフレになるとは申されぬと思います。これは、言うまでもなく、政府自身が、今度の予算は健全でござる。なぜ健全か。今度は公債なんかの発行を一般会計でいたしておりません、税収で全部まかなっておるから、今度の予算規模拡大はしたが、決して不健全なものではございません、と政府自身がおっしゃっておられる。その理屈をそのまま採用すれば、社会党が三百五十億の増加をはかっても、税収からの増加でありますから、  一切の影響はございません。(拍手)しかし、実は、われわれは、政府の言うように、自民党の諸君のように、そのように簡単にこのインフレ問題を考えているのではございません。財政規模拡大したら直ちにインフレになるかならぬかという問題は、歳出面でどのような金が使われておるかということが、まず第一に問題でございます。(拍手政府は、最も不生産的といわれるあの防衛庁費に千四百億をこえる金を使っておるのでございます。このように不生産的な金を使っておるならば、たとい歳入を税収をもってまかなっておっても、短期的にはともかく、長期的には、インフレが日本の財政に忍び寄ってくるといわなければなりません。(拍手)しかし、社会党計画は、先ほど申しましたように、防衛庁の性格を切りかえ、あの軍隊としての防衛庁をやめて平和国土建設の方向べ使おうというのでございますから、この点からも絶対にインフレにはならないのでございます。  さらに、ヤジの言葉が出ないので不思議に思っておりますが、お前の方の組みかえ予算の中にはベース・アップや米価の点に触れていないのはおかしいではないかというお考えがあるのではないか。皆さんは、そんなことは言いたくないというのかもしれません。しかし、一般の人からは、そのような批判が生まれるかもしれませんから、一言ここで説明しておきますが、われわれは、確かに、今度の組みかえ予算の中で、公務員のベース・アップ三千円の要求、これに対してどうするということを申しておりません。また、米価についても、どうするということ、幾らの米価が適当だというようなことは申しておりません。それはなぜか。  なるほど、今の政治というものが超階級的に行なわれておるならば、社会党としても、この際、米価は幾らだ、ベース・アップは幾らだ、こういう基準を示す、政党としての責任があるはずでございます。しかし、今日の政治は、残念ながら、そのような超階級的政治ではございません。権力を握っておるのは独占資本であり、自民党は独占資本の政党であるわけでございます。(拍手)従ってこれらの問題は、米価の引き上げを要求する農民、ベース・アップを要求する公務員の闘争の過程の中から獲得されていかなければならないのでございます。われわれは、農民の生産費所得補償方式を絶対に支持して、農民とともに戦うものでございます。また、公務員のベース・アップ要求を支持して、これと徹底的に戦わんとするものでございます。  大体、政府のやり方はきわめて陰険でございます。三十五年度予算を作る前に、なぜ、米審を開いて、今度の米価は幾らにしましょうかという相談をしないのか。また、人事院を呼んで、今度のベース・アップは幾らにすればよろしいかと、人事院の勧告をなぜ早く求めないのか。それをしないでおいて予算を作って、既成事実だとして、農民を、あるいは公務員を圧迫しておるのが、今日の政府のやり方でございます。(拍手)人事院もまた、卑怯にも、予算が済まなければ勧告を出しません。また、勧告を出しても、実施期はいつだということを人事院は示さないのでございます。われわれは、このような人事院は、むしろ廃止して公務員に完全な団結権、ストライキ権、罷業権を与えるべきであると考えるものでございます。社会党は、その闘争を組織せんとしておるものでございます。従って、この組みかえ案に盛らなかった理由はこの点にあるということを御了解願いたいと思います。  今日私たちがやることは、そんな要求のできる人ではない、政治の方向はどっちに向かっておるかということを考えるいとまもない、今晩のねぐらを求め、あすの日のパンを探しあぐねておる人たちに対して、われわれは、まずまつ先に何をやるかということを明らかにしなければなりません。その意味で、社会党は、二千億の中で、まず一千億以上を社会保障費に組みかえて出すべきであるという要求をいたしておるわけでございます。どうか、十分御了解の上、皆さんは、憲法にのっとって、社会党のこの組みかえ要求に御賛成あらんことを切望いたしまして、私の趣旨説明を終わります。(拍手
  10. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 佐々木良作君。     [佐々木良作君登壇
  11. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私は、民主社会党を代表いたしまして、明年度予算政府三案に対しまして、配付資料の通りに組みかえの動議を提出するものであります。ただいまは、社会党の石村さんから、主として自由民主党、岸内閣の精神面の組みかえの要求が強く述べられましたので、私は、最も現実に即しまして、自由民主党、岸内閣におきましてもすぐに採用でき得る組みかえ案を提案をいたしますので、どうか、十分お聞き取りの上、御賛同をお願い申し上げます。  まず、わが党の政府予算案に対しまする見解は、再開国会の劈頭におきましてわが党水谷議員団長が申し上げました通りでありまして、第一に、先ほど石村さんからもお話がありましたように、一般会計予算におきまして二千百億円という大幅な租税の自然増を見積もりながら一切の減税を行なっておらず、しかも、歳出増加公共事業費と防衛庁費に全力を集中いたしておりまして、国民生活安定対策関係につきましては、何ら見るべき新しい政策のない点であります。また、財政制度の運用面を見ますと、防衛庁費におきましては国庫債務負担行為を千億円近くも計上し、治水関係におきましては、財政法違反の疑いさえありますような、特定財源も特定歳入もない特別会計を新設するなど、言うなれば、制度の悪用、制度の乱用の限りを尽くしております。(拍手)かつまた、今後の財政の見通しにつきましても、本年度はすでに三回の補正予算を編成されておりまして、三十六年度には繰り越し余裕財源は全然枯渇をいたしております。防衛関係費には防衛分担金百十億円のワクがなくなりますから、今後の増額は歳入の自然増に食い込まざるを得ません。また、外債の償還は、三十六年度は三十五年度の八倍にもなりまして二百二十億の増となります。国民年金の支払いは、平年度化いたしまするから、五十億円増となり、拠出年金面では二百億円増となるはずであります。このほか、国民皆保険、治山治水費、人口増に見合う当然増加の諸経費を合算いたしますと、明後年度は、明らかに今から予想される歳出増のために、減税どころか、赤字公債の発行の問題さえも現実の施策として取り上げざるを得ないようなことになるのではないか、こういうふうに思うのでありまするが、これらが、今審議になっておりまするところの、明年度政府予算案の実態であると存じます。  しかも、このような予算編成は、経済政策全体との関連について見ますと、政府は、貿易自由化わが国の今後の経済に課せられた重大問題でありますることを繰り返し述べておりながら、関係法案としましては、今後、近く提出を予定されておりまする輸出入取引法改正案くらいなものでありまして、しかも、これは、貿易自由化に備えるという名のもとに、商社並びにメーカーに対して、輸出入商品についての共同行為の範囲拡大し、アウト・サイダーに対する規制をさらに強化する案でありまして、事実上の独禁法の全面的な崩壊を意味するものであると存じます。(拍手)すなわち、大企業が絶対優位に立つ経済体制の整備、これが現岸内閣が貿易自由化という名のもとに作り上げようといたしておりますところの経済政策の実態であると存じます。従って、予算案におきましても、自由化の被害を直接に受ける農業中小企業面に対する特別な対策こそが必要なのでありまするけれども、政府予算案は、これらの点を全く無視しておる点にこそ特徴があるといわなければなりません。(拍手)  さらに、政府案の次の特徴は、安保改定とにらみ合いまして、自衛隊の装備と編成の強化をはかっておる点でありますが、政府の意図しておりまするロッキード機の採用、ミサイル兵器の採用、あるいは混成兵団の編成などは、いずれも、わが国の自衛の立場に立つならば、むしろ有害なる存在といわなければなりません。(拍手)この点、われわれは、政府案に対しまして断じて承服し得ないところなのであります。  こういうような政府案に対しまして、わが党は、別に資料で配付をいたしておりまするような組みかえの動議を提出いたしておるわけであります。詳細は内容をごらんいただきまして失礼いたしまするが、簡単にその大筋を申し上げたいと存じます。  まず第一に、一般会計歳入予算についてでありますが、これは、国民の租税負担の不均衡の是正、最も強くこの点を主張いたします。特に低額所得者に対しまして、毎年度あらゆる努力を払って減税措置をとるべきであると存じます。わが党の案は、上を押えて下を底上げする、中産階級化のわが党の基本政策に基づきまして、第一に、大企業向けの極端なる滅免税の恩恵に偏し過ぎておる現行の租税特別措置を改廃いたしましてかつ、交際費の損金不算入の範囲拡大をいたしまして、そして、これから四百十一億円の増徴、第二に、土地価格の高騰いたしておる現状にかんがみまして、新しく土地増価税なるものを創設いたしまして、四十五億円の増徴、この二つ措置によりまして、とりあえず、不当なる超過利得に対して、合計四百五十六億円の増徴をはかるものであります。  これに対しまして、減税措置といたしましては、第一に、所得税の基礎控除を一万円引き上げまして十万円とし、これによって百四十三億円を減税いたします。いわゆる納税者の可処分所得水準を一万円引き上げることによりまして、それだけ生活費に向け得る範囲拡大しようというわけであります。第二に、農業中小企業に対する減税措置といたしまして、事業所得における専従者控除は、労賃相当額として一人当たり八万円を、家族専従者に対して、白色、青色の区別なく控除して四十億円の減税、零細企業のうち、年百万円以下の所得に限りまして、所得の三十万円までの分を二〇%控除いたしまして八十億円の減税、さらに、老人年金制度が整備をされていない現在、退職所得の基礎控除を五十万に引き上げ、かつ、免税限度額を百五十万円に引き上げまして十五億円を減税し、退職金の実質手取額の増加をはかろうとするものであります。  また、国税と地方税との調整の問題といたしましては、とん税は、港湾管理が地方自治体に移管されつつある現状にかんがみまして、全額七億円を地方税に委譲すべきものであるといたしております。  このような税制改革によりまして、歳入予算組みかえによって、歳入増加四百五十六億円、歳入減二百八十五億円、差引いたしまして、歳入規模は、政府原案よりも百七十一億円の増加をはかるものであります。  次に、歳出関係でありまするが、わが党は、国民の生活と雇用の保障並びに生産性向上に基礎を置く産業体制の整備、この二点に増額の重点を置くべきことを強く主張いたすものであります。  第一に、国民の生活と雇用の保障というのは、わが党のかねての主張でありまするところの全国民の中産階級化を意味するものであります。わが党は、このような目的意識をもちまして、第一に、社会保障関係費について、は、別紙資料に示しておりまする通り、健康保険、国民健康保険の双方についての医療給付率を七割に引き上げ、これに必要な国庫負担額として、政府案より百十八億九百万円を増額する。国民福祉年金については、老齢年金は支給年令を七十才から六十五才に引き下げ、支給金額も千円を千五百円に増額をいたします。これは、わが党は、老人の定年退職とそれから老齢年金との間のすき間を一日も早くふさぎまして、国民の老後の保障体制の整備を促進する立場を強く主張する立場にあるからであります。国民の大半が老後の保障について何の安心も持たない今日、老齢年金の整備は、一日も早く完成せねばならないと信ずるからであります。(拍手)さらに、母子年金は生別世帯にも支給し、それから障害年金は二級障害も対象にすることといたしまするし、さらに、社会福祉、生活保護についても、それぞれの施策の充実を要求いたしております。このほか、義務教育関係、育英資金関係、低家賃公営住宅建設関係、失業対策事業関係、さらに炭鉱離職者対策関係、日雇い失業保険関係にわたっての増額を要求いたしております。  次に、わが党が歳出増加の第二の重点といたしておりまする、生産性向上に基礎を置く産業体制の整備につきまして、明年度一般会計予算といたしまして、特に農業、沿岸漁業、中小企業並びに不況産業である石炭産業の四つの対象にしぼりまして、組みかえ増額すべきことを要求いたしました。  先ほど、米価の問題に石村さんも触れられたようでありまするが、われわれは、すぐにも実施し得るという予算の組みかえでありまするので、この問題にもはっきりとした態度を打ち出したわけでありまして、明年度産米について、石当たり一万一千円の生産者米価を主張いたしておるわけであります。その理由は、農家収入のうち主たる収入は米の供出であるという現状を率直に認めまして、現在の生産者米価の不合理を価格政策としても是正すべきである、こういう立場をとるわけであります。米価審議会におきましても、米の生産者価格は、農家の所得と生産費を補償する価格でなければならぬと要望いたしております。この見地に立つならば、現在、農民の労賃部分は米の生産費の中に織り込まれていないという不合理の是正をなすべきことは当然のことだと信じます。(拍手)米価において農民の自家労賃を適正に評価することは、他の農産物価格におきましても、価格が単に市場価格で左右されてしまうという現在の欠陥を是正していくかぎをここに確立することができるようになると信じます。国民の主食である米の消費者価格は、一円でも引き下げて、安くすべきであるのは当然でありまするけれども、国民の四割を占める農民の自家労賃を正当に評価いたしていく価格政策を、国家は予算において実現すべきであると信じます。それが国の責任でありまするし、農民の所得向上をはかる現実的な第一歩はここから始まると信ずるからであります。(拍手)もちろん、農業政策は、単に米価を中心とする価格政策によって現状維持をはかるというばかりではなく、農業近代化をはかって、農業体質改善を考えるべきことは当然であります。その意味におきまして、土地改良などの農業基盤整備費、畑作振興対策費、畜産振興対策費、水産業振興費につきましても、合計三十三億円の増額を要求いたしました。  また、中小企業対策費については、先ほども石村さんも触れられておったところでありまするが、政府案の計上額は二十五億八千万円、歳出総額のわずかに〇・一六%にすぎません。中小企業の生産が国全体の生産の五割強を占め、家族、従業員を含めますと三千万人の人口を持っておる現状に対しまして、国の予算の比重がわずか一%にも満たないという矛盾をどう解決すべきかと思います。われわれは、さしあたって、少なくとも政府計上額を倍額程度にまでは増額することを要求するものであります。  さらに、わが党は、歳出増額につきまして人事院勧告の完全実施趣旨を守って、公務員給与改定は昨年十月一日にさかのぼって実施するように要望いたしております。(拍手)この点につきましても、お話が石村さんからも出たようでありまするが、私どもは具体的な立場をとることを明らかにいたします。また、政府案に新たに計上された臨時地方交付金制度という自民党内の派閥妥協の産物には、私どもは反対の立場を明確にするものであります。われわれは、この三十億円を地方交付税交付率の引き上げに恒常的に繰り入れることを主張いたします。明年度地方財政は、一見するところ、租税の自然増も多くなっておりまするけれども、現在もなお多数の赤字団体が存在する事実を見のがすことはできないと思います。  一般会計歳出予算組みかえの第三番目の問題は、不要額の削減の問題であります。わが党は、削減項目といたしまして、第一に防衛庁費の漸減、第二に行政事務費、いわゆる雑件の節約を求めます。防衛庁費につきましては、政府案に計上された一切の新規増額並びにこれに伴う継続費と国庫債務負担行為の中止、及び、陸海空自衛隊を、五年間にわたって人員と装備の漸減を求めるものであります。この立場は、わが党の自衛に対する基本的態度及び国際情勢の認識から見まして当然の措置であると考えるわけであります。明年度予算といたしましては、さしあたり、陸上自衛隊は千五百人の増勢を中止、新規補充二万人の中止、予備自衛官二千人増員の中止、海上自衛隊、航空自衛隊についても新規増勢と新規補充の中止を行ないまして、防衛庁費三百七十億円の減額をはかっております。これに雑件の節約百五十億を加えまして、一般会計歳出予算は、合計をいたしまして五百二十億円を削減いたしまして、これに対して前述の税制改革による増徴分百七十一億円を合算した六百九十一億円をもって歳出増額組みかえ分をまかなおうとするものであります。  最後に、財政投融資計画につきましては、原資の配分を、国民べ財政を還元するという原則に立って行ないまして農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、国民金融公庫、中小企業信用公庫に対しまして合計四百億円の融資増額をいたし、これに対しまして、開発銀行、電源開発会社、輸出入銀行について、その新規の原資は主として民間資金の活用によってまかなう方針をとりまして財政融資額を四百億円減額するものであります。  以上のように、わが党の組みかえ案は、先ほど来申し上げましたごとく、社会党さんの組みかえ案のように組みかえ規模は広範囲にわたっておりませんし、また、組みかえ金額も一千億円にも達していないのであります。わが党は、政府予算の組みかえなるものを、自党の政策を全面的に網羅をいたしまして、今直ちに実施し得るかどうか、この問題は論外にして提案をする、こういうものではないと考えておるからであります。組みかえ案は、特定の年度、今度の場合はすなわち昭和三十五年度政府予算に対する組みか、え案でありまして、組みかえられた予算が直ちに行政府によって執行可能のものでなければならないと信じます。(拍手)今回のわが党の組みかえ案は、わが党の掲げる基本政策を目ざしての第一年度の財政計画意味するものであることは当然でありまするが、同時に、これは、繰り返して申し上げまするように、岸現内閣におきましても直ちに採用し得る現実性と合理性を持つものであることを十分御了承願いまして、どうか自由民主党の各位もこぞって賛成せられまするようにお願いをいたしまして、提案を終わります。(拍手
  12. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより、予算三件に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行ないます。順次これを許します。水田三喜男君。     〔水田三喜男君登壇
  13. 水田三喜男

    ○水田三喜男君 私は、自由民主党を代表いたしましてただいま議題となりました昭和三十五年度一般会計予算外二件の予算案に対し賛成、社会党並びに民主社会党提出にかかる予算の編成組みかえを求むるの動議に対し反対の討論を行なうものであります。(拍手)  まず第一に、本予算案規模について検討いたしますと、一般会計における一兆五千六百九十六億円の規模は、予想される国民所得に対しまして一五%であります。これを前年度予算の比率一五・九%に比較いたしますと〇・九%の縮小であります。もし前年通りの比率で予算規模を策定するといたしますならば一兆六千六百億円となりますので、本予算案規模は、前年度予算に比べて明らかに一千億円の縮小となっておるのであります。予算規模を縮小いたしますことは、同時に、それだけ国民負担の上に減税と同じ効果をもたらすものでありまして、これは租税自然増収という概念に対し自然減税という新たな概念で申してよいと考えるのであります。これらのことを考えますと、本予算案規模は、一面、国民経済に対する積極的な配慮と、他面、景気調整のための考慮が適宜に施されている妥当な予算規模であることを、まず確認いたしたいと存じます。(拍手)  その第二は、自然増収とその使途に関する問題であります。二千億円以上を見込まれております歳入自然増収を、一切減税に振り向けることをしないで、災害の復旧、国土の保全を中心とする治山治水事業を初めとして、道路、港湾、土地改良、住宅建設等、いわゆる産業基盤確立の公共事業に対しまして、投融資をも含めて大幅な予算の増額をはかりましたことは、本予算案の性格を特徴づけるものでありますが、予算委員会におきまして与党及び野党からもそれぞれ論議されました通り、従来の観念と申しますか、オーソドックスの考えから申しますと、公共事業費は、経済不況のときにはこれを増額し、好景気の際にはこれを抑制することが、予算の正しい編成方針であるとされて参りました。現に、わが国の鉄道事業は、日清戦争後の不況対策として急速に振興されたものでありますし、また、港湾等の施設は、日露戦後の不況を背景としてその基礎を整えたものであります。さらに、第一次欧州大戦後の反動期におきまして、各種学校の大増設が見られましたことは、今から顧みますと、文教振興を名目としながら、その実質は、土木事業費の増額によって不況を克服しようと企てたものでありましたことは明らかであります。このように、わが国における産業基盤の拡充は、常に段階的に行なわれてきましたもので、生産力の伸張も、そのあとに続いて段階的な発展の足取りを示しながら今日に至っておりますことは、これまた歴史的な事実であります。従って、今回の予算案に見られますように、過熱する心配すらあるように思われていた経済の好況期におきまして、ひとり災害の復旧費ばかりでなく、全般的に公共事業費の増額をはかりましたことは、確かに異例に属することではございますが、私は、この予算編成方針を間違っていないと思うばかりではなく、きわめて時宜を得た妥当の措置であることを確信いたすものであります。(拍手)  と申しますのは、今次の終戦以来、十五年間にわたりますわが国の行政投資はきわめて過小でありまして、国民経済計算から見ますと、有効需要の配分におきまして、明らかな不均衡さを示しております。これがために、道路、港湾の整備がおくれ、産業の環境整備の著しい立ちおくれとなって現われておるのであります。従って、このことが、産業の均衡的な発展を阻害し、間接費を高めることによって、国際競争力を減殺する原因となっておりますことは、これまた、いなめない事実であります。過去十数年にわたって公共投資が少な過ぎたことが、今日、わが国災害を不当に大きくしている原因であるとさえ極言されております実情にかんがみますと、私は、少なくとも今一後数年間は、さらに年次計画を強化いたし、過去の少な過ぎた行政投資の穴埋めをも考えまして、思い切った予算の投入をはかるのでなければ、ただいま政府の企図しておりますような所得の倍増計画も実現の基礎を欠くのではなかろうかということを真剣におそれるものであります。従って、政府が、本予算案におきまして、一方、予算規模拡大を避けることにより国民経済に対する減税の効果を確保しながら、反面、税法上の減税を犠牲としてまでこの問題に対処しようとした考え方につきましては全く賛成であります。(拍手)  第三の問題点といたしましては、予算編成における各費目間の比重均衡がどうなっているかということであります。前年度の当初予算に比較いたしてみますと、ひとり公共事業費の増額ばかりではなくて、社会保障関係費におきましては三百三十八億円の増額でありますし、文教関係費並びに科学技術振興費は二百三十三億円の増加となっております。地方交付税及び特別交付金は三百七十九億円の増加となっておりまして、地方財政の懸案を解決する一方、防衛費の増額を調整し、農林漁業並びに中小企業対策費を増額する等、各費目間の比重均衡は前年度予算に比べまして著しく改善され、一応妥当な姿となってきたように思われるのであります。最も重要であると思われますだけに、常に論議対象となっております防衛費は、今のところ全予算の九・八%にすぎません。国民所得に対しましては、一・五%という世界一の低率を示しておる現状でありますので、本年度予算をもって、安保改定に即応する軍事予算であるというがごとき批評は、全くその根拠を持たないものと断ぜざるを得ません。(拍手)  しかしながら、私どもがここに心配いたしますことは、本予算案を検討いたしまして、各費目とも共通して、いわゆる既定経費が年々増額していき、それによって新規の政策費が比重的に年々圧縮されていく傾向を発見していることであります。各種の年次計画が次々に策定され、次々に実施されていきます以上、政府国会も手をつけることのできない経費の自然増が年々大きくなっていくことは避けられない現象でありまして、それだけ政治が近代化し、計画化していることの証拠であって、好もしい方向であるとも見られましょうが、しかし、同時に、それだけ予算の動脈硬化症を招いて弾力性をなくしてしまう危険な傾向であることを十分に警戒いたさねばならぬと思うのであります。従って私は、ここに政府に対しまして強く要望いたしたいと思うのでありますが、中央・地方を通ずる行政の簡素化は当面の急務であろうと信じます。  本年度予算におきまして、一般会計特別会計を通ずる人件費の総額は三千五百十一億円に達しております。前年度に比較いたしますと約三百億円の増加となっておりますが、この増加率は年々ほとんど同じようであります。さらに、政府関係機関並びに地方財政内に占める人件費の総額約八千億円を加えまして各種の事業費部門の中に隠されているところの、いわゆる定員外の人件費を総計いたしますならば、おそらく一兆二千億円をこえる実情ではないかと思われるのであります。国民総所得の一割以上に該当せんとする人件費の増高は、まさしく国民経済に対する重圧であります。従って、政府は、人件費の増加予算の弾力性をなくする最大の原因とならないような措置を即刻にとられるよう切に要望してやまないものであります。(拍手)  次に、第四の問題といたしまして、いわゆる貿易為替自由化対策予算との関連についてでありますが、御承知のように、貿易為替自由化世界大勢となっております。従いまして、この大勢に即応し、国際競争力を培養するために、みずからの体質改善を決意しなければなりませんことは、日本経済自体の内在的要求であるとも言えるのであります。政府は、すでに貿易為替自由化を決意いたしましてスケジュールの一部を公表したのでありますが、貿易為替自由化を円滑に遂行しようとするのでありますならば、予算的な措置の考慮が必要であることは言うまでもありませんが、税制と金融中心とする総合政策を準備することが何よりも必要であります。むしろそれが前提条件であるとさえ申し上げても過言ではないと思うのであります。企業の体質を改善するためには、内部留保を可能とする税制、すなわち、自己資本の充実を促すような税制措置を対応させなければなりませんし、また、国民貯蓄の増大をはかって、金融の正常化を促進させようとしますならば、資本の蓄積を刺激するような税制の配慮を再準備すべきであろうと思うのであります。  わが党は、これまで数年にわたって減税を主張し、その都度実現をはかって参ったのでございますが、その多くは、現行税制における現行の税率を引き下げることのみを中心としたものでありました。けれども、今後は、貿易為替自由化という施策目標をはっきりと定めて、新しい角度に立脚した税制の改革を行なうべきであります。租税体系それ自身の変更をも企てる思い切った税制の改革が準備されなければならぬと思うのであります。こういう意味におきまして、政府が本予算案の編成にあたりまして、部分的な、小刻みな減税を一切見送られた態度には賛成であります。すなわち、税制審議会の答申を待って、来年度から総合的な税制改革を行なわんとした方針を私どもは是認し、これを期待するものであります。  貿易為替自由化は、わが国産業に多くの影響を与えることもちろんでありますので、その実施過程におきましては、西欧諸国に見られますように、随時適切な臨時措置、特例措置を準備し、これを活用して対処することが最も望ましいことであると私は思うのであります。これまで、予算委員会審議を通じまして社会党民主社会党の御意見を伺っておりますと、考え方は全く反対のようでございます。しかしながら、今後の事態は常に機動性を必要とするものでありましょうし、また、それぞれ体質の違っている個々の産業に対しましては、原則のみをもって一律にこれを律することは無理であろうと思われますので、私は、この際、政府に対しまして新しい角度に立っての臨時的な特別措置をむしろ十分に準備されまして、ちゅうちょなく勇敢に対処されることを希望してやみません。(拍手)  最後に、予算と表裏一体の関係をなしております財政投融資について一言申し上げますならば、財政投融資あり方といたしましては、公共的性格の強い部分になお一そうの比重を置くべきであると思うのであります。本来ならば、民間金融に依存すべき民間の企業者が、今なお資金の多くを財政投融資にたよっている姿は、決して好ましいあり方ではないと思うのであります。幸いに、三十五年度財政投融資計画におきましては、開銀への融資を若干減額する等、正しい方向への一歩を踏み出していることは幸いであります。今後、貿易為替自由化に対応しながら、なおかつ、財政と金融の一体化を実現しようとするならば、金融政策に関する政府の考慮は特段の積極さを必要とするように考えられたのであります。  なお、社会党及び民主社会党の提出にかかる予算の組みかえを要求する動議におきまして、予算編成に対する両党の御意見は十分に拝聴いたしました。その相当部分につきましては、私どももある程度理解するにやぶさかではございませんが、何しろ歳入歳出の構想に関します限り、現実的には全く不可能と思われる前提条件があまりにも多過ぎるのであります。(拍手)従って、かりにわが党がそっくりそのままの予算案をちょうだいしたといたしましても、予算の執行を可能ならしめる裏づけの立法を、一年や二年の国会においてこれを処理する自信は、遺憾ながら、私どもは持ち合わせておりません。(拍手)おそらく、野党御自身の中でも、最後に賛成される方はきわめて少ないのではなかろうかとさえ思われるのであります。従いまして、わが党といたしましては、いささかいただきかねますので、ここに両党の提出にかかる組みかえの動議に対しましては反対の意を表明し、政府提案にかかる予算案は、おおむね適正妥当なものとして、賛成の意を表明して、討論を終わります。(拍手
  14. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 田中織之進君。     〔田中織之進君登壇
  15. 田中織之進

    ○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和三十五年度一般会計予算三案に対しまして政府原案並びに民主社会党の組みかえ動議に反対、社会党提出にかかる予算組みかえ動議に賛成の討論を行ないたいと存じます。(拍手)  まず、政府予算案に対して第一に指摘しなければならない点は、その編成過程の乱脈をきわめたことでございます。戦前と違いまして政党内閣制の行なわれておる現在、政府予算編成が与党の政策・方針に従って行なわるべきは当然であります。ところが、三十五年度予算編成の姿を見ますと、そこに働いたのは、統一された与党の方針ではなく、勝手気ままな派閥及び圧力団体の予算ぶんどり競争でありました。その姿は、まさにえさに群がるネズミの集団のごとくであり、国民は、一体予算はだれのための予算なのかを疑わざるを得なかったのでございます。(拍手)およそ、こういう予算編成の醜い姿は一保守党政権のもとにおいても前代未聞でありまして、岸内閣というものが、歴代保守党政権の中でも、戦後最悪の派閥の内閣であることを物語りておると存ずるのであります。(拍手)  さらにまた、奇怪きわまることは大蔵官僚の態度であります。昨年十二月二十三日に決定されました大蔵省原案に比べて、本年一月十三日に閣議決定をされました政府案は、約三百億円の復活を認めております。ところが、予算総額は何ら拡大しておらないのであります。これは、三百億の復活のうち、一部は三十四年度の第三次補正に回され、その残り約百八十億円の復活財源といたしまして、大蔵原案の予備費あるいは雑件費等の中からひねり出して充当したものと思われます。このやりくりを見ていると、大蔵官僚が国民の目をかすめて隠し財源を操作している姿が如実に現われてきておるのであります。これは国民あるいは国会審議を軽んずる官僚独善の現われでありまして、もしも今後もこのような傾向を放置しておきまするならば、この面から議会政治における抜け穴を作ることになるおそれがあるわけであります。私は、国民の主権を正当に国会審議へ反映することこそ議会政治の真髄であるとの確信に基づいて、これを掘りくずそうとするところの官僚主義の危険性について、声を大にして警告することが必要だと考えるものでございます。(拍手)  ところが、岸首相は、派閥及び圧力団体の予算ぶんどり競争に対して何らの統制力をも示すことがなく、また、今指摘いたしました大蔵官僚の独善的態度に対しましても、これを統制することがないばかりか、逆に、箱根において、あたかも国会予算の修正権がないかのごとき発言を行なったことは、私は、行政が立法府に優先するところの傾向を助長しているものとして、これはまさに日本国の行政を負託すべき内閣としてその任にたえ得ないことをみずから天下に示したものと指摘せざるを得ないのでございます。(拍手)  このような編成経過をたどってでき上がりました政府予算案は、まさに矛盾に満ちた予算案でありまして、われわれは、断じてこれを承認することができないのでございます。言うまでもなく、予算案は、今後一年間にわたって政府が行なおうとする歳入歳出の予定計画でありましてそれは、政府の政策の体系を具体的な数字で表現したものでございます。従いまして、わが党が政府予算案に反対するということは、すなわち、国民の世論を代表して、岸内閣の全政策の体系を不信任するということを意味しているわけであります。私は、以下、この趣旨を御説明申し上げたいと思うのであります。(拍手)  第一に、政府予算案は軍備大拡張の予算でございます。防衛庁費で実質百二十五億円が増加しているのみならず、さらに約一千億からの前代未聞の国庫債務負担行為を計上することにより、ロッキード戦闘機、潜水艦、ミサイル兵器等の装備を飛躍的に強化しようとしております。これは、日米軍事同盟たる新安保条約締結の結果として現われてきたものでありまして国連総会の軍縮決議及び日本国憲法をまっこうから踏みにじる行為であるといわなければなりません。  わが国は、かつて太平洋戦争で、中国を初めアジア諸国に対する侵略戦争を行ない、今まさにその賠償を国民の血税で支払っておるのであります。また、ソ連とはいまだ平和条約が締結されず、中華人民共和国や北鮮及び北ベトナムとの国交はいまだに回復せられておらないのであります。ところが、今、かつて太平洋戦争戦争指導者であった岸信介君が、日本の首相として日米軍事同盟を締結し、明らかに中ソに対するアメリカの極東戦略の片棒をかつごうとしておるのでございます。こうしたことは、言うまでもなく、アジアの平和に逆行し、また、アジア諸国民の不信を招くものでございます。そればかりではなく、財政経済の観点から見ても、特に新安保条約の第三条は、日本防衛力増強の義務を課しておるのでございまして今後、防衛費は加速度的に増加することは必至でございます。昭和四十年度においては、防衛庁費はまさに三千億円をこすものと見られておるのでございます。  こうした再軍備政策が国民生活を圧迫することは不可避でありまして、本年度予算でも、たとえば、わずかロッーキード一機にも当たらないところの予算を惜しんで、いたいけな保育所一の子供たちのおやり代五円の要求を三円に切り下げたり、あるいは、施政説でも、青年婦人対策を岸総理は強調しておるのでございます。ところが、労働省の婦人少年局の予算要求九億円が、予算に計上されておるものは、実にその一割の九千二百万円にすぎないのでございまして、逆に、文部省の関係において六百六十万円しか計上しておらなかったところの婦人学級の経費が八千三百万円計上されておるというような、党利党略的な予算が組まれておるのでございます。私は、これらの政府の態度は、まさに軍需資本家、死の商人たちの野望を満たすためには子供たちのおやつ代をもかすめとろうとする、血も涙もない、鬼にひとしい態度であると言いたいのでございます。(拍手)  私どもは、このような世界の大勢に逆行して憲法をじゅうりんし、国民の生活権を脅かす軍備拡張予算に断固として反対するものでございます。  反対の第二の理由は、政府予算案がインフレと物価値上げの予算案であるからでございます。政府は、予算編成方針に中立予算をうたいながら、一方では、ガスその他の値上けを行ない、また、引き続いて電気、地下鉄、国鉄定期料金等の公共料金の引き上げを計画いたしております。これが全般的な物価上昇を促進し、数量景気の価格景気への進行をもたらすことは明らかでございます。さらに一先ほど述べましたように、再軍備費などはまさに最も非生産的な支出でありまして、これが有力なるインフレ要因となることは、天下周知の事実でございます。また、治山治水災害復旧、道路整備等の公共事業費は、それが生産力に転化するまでには一定の時間がかかるのでありまして、それまでの間は、景気に対して刺激的な働きをすることは否定できません。しかも、こうした公共事業費は、防衛費と並んで明年度以降加速度的に増大する必然性を持っておるのでございまして、すでにその財源調達のために公債発行は不可避の情勢となっておるのでございます。三十五年度予算案は、その将来にわたっての公債発行の出発点と見られる予算であり、その意味でも、インフレ予算としての非難を免れることはできないと思うのでございます。  第三は、政府は、一方では、今後三カ年という短い期間中に貿易為替自由化する方針を打ち出しております。これは、われわれの承知するところでは、直接には国際通貨基金の総会、あるいはガット総会などで自由化促進を勧告されたことによるものでございますが、その背後にはアメリカの強い圧力があることは明らかでございます。この点は、与党の河野一郎氏も大阪で談話を発表いたしておる通りでございます。最近、アメリカは、金の流出、ドルの軟化に悩んでおり、その回復のために、他の資本主義諸国との競争の激化に乗り出そうとしておるのであります。日本に対する自由化要求も、まさにその一つの現われと見なければなりません。しかし、そればかりではなく、アメリカは、また、日本へ資本を投下して、日本経済の支配を通じてアジアの経済を支配しようとねらっておるのであります。アメリカのねらいは日本の過剰労力と低賃金でございます。これは、昨年来日したアメリカ民間投資団の動きから見ましても明らかでございます。従って、アメリカは、日本に、貿易為替ばかりではなく、資本移動自由化をも求めてくることは必至であります。これにどう対処するかということは、今後の日本経済の運命を左右する最大の問題であると考えるのであります。  ところが、岸内閣は、一部の財界人と結託をいたしましてこうしたアメリカの意図に対して、ただ唯々諾々としてこれを受け入れ、むしろ、積極的に日本経済の買弁化を促進しようとしておるのであります。これは、明らかに日米軍事同盟体制に見合うところの新しい経済従属体制に通ずるものであり、一握りの独占資本の利益のために日本の国全体の独立を売り渡すと同様の結果になるのでありまして、これはまさに国を売り渡すともいうべき憎むべき行為といわなければならないのであります。(拍手)このような自由化を推し進められるならば、一部の独占資本は買弁的利益にあずかるかもしれませんが、大多数の企業、中小零細企業、農漁民などは、世界経済の荒波にもまれ、転落と破産の運命に陥ることは明らかでございます。  そういう事態を防止するためには、まず中国との国交回復やソ連との平和条約の締結等により、東西貿易を飛躍的に拡大するとともに、また、国内政策として、中小企業農林漁業の体質を改善し、いわゆる経済二重構造の是正のための政策が先行しなければなりません。ところが、政府予算案を見ますると、こうした体質改善用の予算が全く計上せられておりません。中小企業予算が、先ほど石村君が指摘しましたように、わずかに二十五億円、農林予算も、食管会計の繰り入れや災害復旧費などを除いた本来の農政費は、予算総額のわずか七・二%にすぎないのであります。むしろ独占資本以外の中小企業農林漁業をじゃまもの扱いにいたしまして、これを切り捨ててしまうことが、岸内閣の経済政策方向であるかのように思われるのでございます。また、こうした政策は、当然、労働者のところへもしわ寄せされることは不可避でございます。現在、三井鉱山において六千名の首切りをめぐって労使の激しい戦いが行なわれておりまするが、こうした事態が、貿易為替自由化によって、他の産業、他の企業にも拡大することは火を見るよりも明らかなことでございます。貿易為替自由化日本経済に大きなローラーがかけられ、大多数の国民は失業と低賃金の谷底に投げ込まれ、そこヘアメリカ資本が乗り込んでくる。こうした、何らの対策を持たないところの経済自由化の政策に対しまして、わが党は断じて承服することはできないのでございます。  第四に、政府予算案は、先ほど同僚石村君からも指摘いたしましたように、二千百五十億円の租税自然増収見込みながら、これを一銭も国民減税の形で還元しようとはしておらないのであります。これは、従来の、租税自然増収の一部は政策財源に充てるとともに、その一部は国民減税によって還元するというところの慣例に反しているばかりでなく、将来にわたって減税を不可能にしておるものでございます。昨日、わが党の井手委員の質問に対して、佐藤蔵相は、昭和三十六年度における減税をやるかのごとき口吻を漏らしておりますが、それをやる根拠は何ら見出すことはできないのでございます。  私らは、税制調査会の中山伊知郎会長が、この点に強い不満の意を表明したということを知ております。将来にわたって減税の機会を失わせたということは、すなわち、歳出の面において、防衛費公共事業費国民年金費、旧軍人等の恩給費、地方交付税交付金等が、累年、いわば自動的に増加していく傾向を持っておるものであり、その財源調達のために、将来は公債を発行することはあっても減税をすることはできないという、財政の弾力性を失った硬直性からこの状態がきているということを、われわれは指摘したいのであります。この意味においても、防衛費公共事業費等に大きなメスを加え、財政の弾力性を回復することが急務であります。ところが、政府はこうした面に全くほおかぶりで当面を糊塗しようとしております。このままでは、明年度以降、公債発行か増税かの二者択一の前に立たされることはありましても、減税ということは望み薄い状態にあるといわなければならないのでございます。(拍手)  この意味において、昭和三十五年度予算案こそ、日本の財政政策の大きな転換点に立っているといういわれがここにあると思うのであります。わが党は、このような将来への大きなしわ寄せを含んだ当面糊塗の無責任な予算案に対しまして、断じてこれを承認することはできないのでございます。  以上、これを集約いたしまして政府予算案は、これを一言にして申し上げまするならば、軍備拡張、独占資本擁護、インフレの予算であります。わが党は、全日本の勤労大衆を代表いたしまして——政府予算案を承認せす、これを返上せんとするものであります。あわせて、戦後最悪の岸内閣に対しまして、国民大衆の不信の意思をもここにはっきりと表明せんとするものでございます。(拍手)  次に、私は、日本社会党から提出されました三十五年度予算案の組みかえを求める動議に対して賛成の討論を行ないたいと思うのであります。この点については、先ほど、石村議員から、皆さんの得心のいくような説明がなされておることと思いますので、私は、きわめて簡単に申し述べたいと思います。  わが党の組みかえ案におきましては、まず第一に、歳入面において七百八十億円の減税要求をいたしておるのでございます。その内訳は、まず所得税では、給与所得者は年所得三十七万円、事業所得者は三十五万円までを免税とする内容でございます。これは、総理府統計局の毎月勤労統計の生計費調査が示しておりまするように、生活費には課税をしないという原則に基づくものでありまして、きわめて妥当な要求と考えております。さらに、かねて自民党が公約いたしておりました農家、商工業者などの白色申告者には十万円の専従者控除を主張いたしております。中小企業に対しましては、先ほども申しましたように、百万円以下の中小法人の税率を三〇%に引き下げるとともに、償却資産の耐用年数を三分の一に短縮することにより、自由化に対応する中小企業の資本蓄積、体質改善を促進しようとしております。これらは、いずれも、まことに時宜に適した主張であると信ずるのでございます。  第二番目は、こうした減税を行ないまする財源といたしまして、社会党の組みかえ案におきましては、高額所得者に対する所得税の累進度の強化、富裕税の新設、五百万円以上の法人に対する法人税率の四〇%への引き上げ、各種の租税特別措置の整理等による千百三十億円の税収増加をはかることを要求いたしておるのであります。このうちでも、特に注目していただきたい問題は、租税特別措置の整理でございます。  そもそも、租税特別措置は、その名の示す通り、産業政策上の必要から、臨時的に租税の特別措置を認めるというのが本来の趣旨でございます。ところが、これがいつの間にか大資本のための恒久的な特典となっており、その総額は一千億円をこえておるのでございます。景気循環と財政との有機的関係という見地から見れば、たとえば、好景気のときに多くの税収を上げてこれを蓄積しておき、不景気のときにこれを放出して景気刺激するというのが、いわゆる財政の景気調整作用と呼ばれているものでございます。そういう調整作用を果たす最も弾力性の強い税金は、御承知の通り、所得税、法人税等でございます。ところが、その所得税、法人税等に租税特別措置という大穴があけられ、ここで一千億円以上の税収が政府の捕捉圏外に置かれているために、税収の弾力性が著しく失われているのでございます。私ども社会党は、ここに大きなメスを加えようとするのでございまして、単に税負担の公平化という観点からばかりでなく、財政の弾力性を回復するという見地から見ても、きわめてこの処置は適切な主張であると信じます。しかも、社会党は、貿易自由化に備えて、その約四分の一は存置いたしまして、国民経済上特に育成を要する産業へは特別措置を適用することをも認めているのでありまして、これも妥当な要求と申して差しつかえないと思うのでございます。  第三は、社会党の組みかえ案において、歳出の面において、防衛費、公安調査庁等の反動機構費、旧軍人等恩給費、公共事業費造船利子補給費等の関係で千六百四十七億円を削減することを主張いたしております。このほか、防衛庁の国庫債務負担行為のすべてを打ち切ることを要求するものでございます。これは、平和と民主主義の方向日本の内外政策を転換させることを党是といたしておりまするわが社会党の建前から申して当然のことではございまするが、さらに、先ほど政府案に対する反対討論で申し上げましたように、歳出の硬直性を除去して財政の弾力性を回復するという財政学上の見地から申しましても妥当な主張であると信ずるのでございます。こうした不要不当の経費を大幅に削除することによって、他の国民生活安定に必要な政策の財源を生み出す、これ以外に現在の日本の財政の行き詰まりを打開する道はないと信ずるのでございます。  第四に、社会党の組みかえ案は、歳入における差引三百五十億円の収入増加、及び、今申し上げました千六百四十七億円の歳出の削減によるところの財源、合わせて千九百九十七億円を財源といたしまして、社会保障、農林漁業中小企業、文教、科学技術石炭対策地方財政対策等の増額支出に充てることを主張いたしておるのでございます。その趣旨は、低所得階層の所得水準の引き上げ、経済二重構造の是正、自由化対応のための体質改善等を達成せんとするものでありまして、通常の良識ある諸君は、だれしもこれに賛成をしていただけると信ずるものでございます。  要するに、社会党の組みかえ要求の目ざすところは、日本国憲法の精神に基づいて、平和と独立と国民生活安定の道を進もうとするものでありまして、これこそ、現在の内外情勢に最も適合した、日本国民に明るい未来を差し示している方針であると確信するものでございます。(拍手)  以上が社会党の組みかえ案に賛成するところの理由でございます。  最後に、私は、民主社会党の組みかえ動議について一言いたとたいと思うのでございます。  民主社会党が、わが党と同じく政府案に反対の立場から、組みかえ案を策定せられまして、その中には、わが党との共通的な部分が相当あることを、われわれも認めるにやぶさかではございません。しかし、組みかえ動議の提案説明に当たられた佐々木良作君から指摘せられましたように、現実的あるいは具体的という名にとらわれまして、特にわが党が重要視いたしておりまするところの、憲法に禁止をいたしておる再軍備に対して、結局はこれを肯定するがごとき軍事予算に対する態度を示しておる点は、わが党と大きく見解の相違する点でございまして、われわれは、わが党が提出いたしました組みかえ案が最良なりという確信のもとに提出いたしました建前から、残念ながら、これに賛成するわけには参らないのでございます。(拍手)  以上をもって、政府予算案並びに民主社会党の組みかえ動議に反対いたしまして、社会党の組みかえ動議に基づいて予算案を組みかえることを強く要求いたしまして、私の討論を終わるものでございます。(拍手
  16. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 木下哲君。     〔木下哲君登壇
  17. 木下哲

    ○木下哲君 私は、民主社会党を代表して、政府提出の明年度予算三案並びに日本社会党提出の政府案組みかえの動議に反対し、わが党提出の政府案組みかえ動議の正当性をここに高く評価し、これに賛成の意を表するものであります。(拍手)  第一に、政府案について申し上げますならば、私どもの見るところ、岸内閣の編成した明年度予算ほど予算編成について悪い前例となるものはかってなかったと考えるのであります。(拍手)われわれが、まず第一にあげねばならない点は、行政府にあるはずの予算編成権が与党の手に移され、予算編成でなく、予算ぶんどりが、しかも、白昼公然と党内派閥争いの取引の具に供せられているのでありまして、臨時地方特別交付金三十億円というつかみ金は、その産物の最たるものであります。(拍手)  第二に、防衛庁費に計上された一千億円に近い国庫債務負担行為の累積は、歳入歳出予算をもって年度予算の主体とする予算編成の正常なるあり方を明らかに破ったものであると言えると思うのであります。これこそは、まぎれもなく、新安保条約に対応するところの第二次防衛六カ年計画予算化されつつある姿といって過言でないと思うのであります。(拍手日米新戦略体制の展開の必要上から、従来の予算制度が簡単に捨て去られたのであります。  第三に、治水特別会計が、大蔵当局の反対にもかかわらず、ついに予算案に登場しているのでありますが、何ら特定の財源、何ら特定の歳入を持たない特別会計なるものは、明らかに財政法上違反のはずであります。(拍手)もし、この治水特別会計が許されるといたしましたならば、文教特別会計でも、あるいは社会保障特別会計でも、官僚と与党の話し合いさえできれば、いかなる特別会計でも立ちどころに成立することになるわけであります。(拍手)  このように、予算編成と、知能犯的な悪知恵を働かして悪用したのが、このたびの政府提出予算案なのであります。しかも、その内容たるや、二千百億円の租税増収を計上しながら、何らの減税措置をも考慮しなかった点は、国民の租税負担の均衡化の点から見て、何としても納得しがたい点なのであります。(拍手)  また、歳出面において、福祉国家の建設を唱えながら、最も計画的に、最も重点的に、かつ、最も多額に増額をはかった項目が、治山治水費と防衛庁費である点も、まさに福祉国家建設の看板に偽りありといわねばならないと一思うのであります。(拍手)  しかも、もう一点、わが党がどうしても政府案について見のがすことのできない点は、昨年七月に人事院が勧告した公務員給与改善について、何ゆえに既往にさかのぼらなかったか。最小限、少なくとも昨年十一月一日にさかのぼってこの実現をはからなかったかという点であります。(拍手)人事院は、戦後の政治の民主化の過程に生まれた、われわれ国民にとっての大切な民主政治のとりでであったのであります。現在は無力化されているとはいえ、この勧告を尊重し、この勧告を直ちに実施に移す誠意を持つことこそが、政治の民主化、公務員給与の保障、ひいては働く者の給与の保障についても重大な意義を持ち、影響を与えるのであります。(拍手政府が、この民主政治の精神を無視して、本年四月一日より公務員給与を改訂すれば足れりとしておる態度は、断じて許しがたいのであります。  このような見地に立つわが民主社会党が、政府案組みかえの動議として、第一に、歳入予算については、国民の租税負担の均衡化を要望して、税制改革を提案しているのであります。最近の企業格差の拡大にかんがみて、大企業はますます租税特別措置の恩恵を享受しておる次第であります。また、一方において、証券、土地売買などで不当な超過利益を得ているものも続出しております。これらに対して徴税を強化し、これを財源として、あとう限り低額所得者に対する減税に振り向けるのは、国家としては当然の責任であるはずなのであります。(拍手)  第二に、歳出面において、歳出増額の重点を、国民の生活と雇用の保障並びに生産性向上に基調を置く産業体制の整備の二点に置いた方針は、自民党、社会党の皆様も異議がないと思うのであります。(拍手)特に、国民の生活保障の面で、医療保険と国民福祉年金の充実は、社会保障政策を救貧慈恵政策から防貧厚生福祉政策へと向上せしめていくために絶対必要な緊急政策なのであります。政府予算案が、多額の自然増加財源を擁しながら、この点にごうも着目しなかった点は、ぜひとも是正せねばならない点だと思うのであります。  第三に、歳出減額組みかえの面で、防衛庁費についての新しい漸減方式を提唱しつつ、予算額の面でも急激な減額を避けて、この面でも漸減計画を提案している点を、政府並びに与党の諸君も一考すべきなのであります。現在、軍事専門家や防衛庁内部の人ですら、陸上自衛隊無用論が横行しているときであります。自衛隊が、最小限に必要な国を守る措置、これを逸脱したら、それこそ、何のために役立つか、これをわれわれは厳粛に考えなければならない、このことを厳粛に反省しなければならないと思うのであります。(拍手)わが党が提案した自衛隊漸減方式をよく検討していただきたいゆえんはここにあるのであります。  この民主社会党の組みかえ動議に対照してみますと、日本社会党の組みかえ動議は、組みかえ規模も大きく、広範囲予算項目を含んでいるものと見えますが、一体、これだけの組みかえを現実に行なおうとしたら、官庁の編成がえだけでも一年間はかかるのではないかと思うのであります。(拍手予算執行はおそらくできないことであろうと思うのであります。(拍手)また、当初予算案の組みかえ構想でありながら、米価並びに公務員給与について何ら自分の積極的な施策を発表しておられない点は、われわれの理解に苦しむ点であります。(拍手)われわれは、組みかえなるものは、政府年度予算案に対する組みかえ要求であるがゆえに、年度内に必ず実施可能な実現性を持つべきものと考えなければならないと思うのであります。(拍手)この点、日本社会党のお考えとは大きな隔たりがある次第であります。残念ながら、この点を考えますと、とうてい日本社会党案には賛成できない次第であります。(拍手)  従って、私は、民主社会党の組みかえ動議に基づいて政府案を組みかえるよう心から主張いたしまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手
  18. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
  19. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) よって、これより採決に入ります。  まず、井手以誠君外十三名提出、昭和三十五年度一般会計予算外二件の編成替えを求めるの動議について採決いたします。  井手以誠君外十三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  20. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立少数。よって、井手以誠君外十三名提出の動議は否決されました。  次に、今澄勇君外五名提出、昭和三十五年度一般会計予算外二件の編成替えを求めるの動議につき採決いたします。  今澄勇君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  21. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立少数。よって、今澄勇君外三名提出の動議は否決されました。  次に、昭和三十五年度一般会計予算外二件を一括して採決いたします。  この採決は記名投票をもって行ないます。三件の委員長報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖〕
  22. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名を点呼〕     [各員投票〕
  23. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投薬箱閉鎖。開匣。開鎖。     [議場開鎖]
  24. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  25. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読]  投票総数 三百八十九   可とする者(白票) 二百四十九     〔拍手〕   否とする者(青票)  百四十     〔拍手
  26. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 右の結果、昭和三十五年度一般会計予算外二件は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)     —————————————  昭和三十五年度一般会計予算外二件を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名    安倍晋太郎君  相川 勝六君    逢澤  寛君  愛知 揆一君    青木  正君  赤城 宗徳君    赤澤 正道君  秋田 大助君    秋山 利恭君  淺香 忠雄君    足立 篤郎君  天野 公義君    天野 光晴君  綾部健太郎君    荒木萬壽夫君  荒舩清十郎君    新井 京太君  井出一太郎君    井原 岸高君  飯塚 定輔君    生田 宏一君  池田 清志君    池田 勇人君  池田正之輔君    石井光次郎君  石坂  繁君    石田 博英君  今井  耕君    今松 治郎君  岩本 信行君    宇田 國榮君  宇都宮徳馬君    植木庚子郎君  臼井 荘一君    内田 常雄君  内海 安吉君    江陶 真澄君  遠藤 三郎君    小川 半次君  小川 平二君    小澤佐重喜君  大石 武一君    大久保武雄君  大久保留次郎君    大倉 三郎君  大島 秀一君    大坪 保雄君  大野 市郎君    大野 伴睦君  大橋 武夫君    大平 正芳君  大森 玉木君    岡部 得三君  岡本  茂君    押谷 富三君  加藤 精三君    加藤 高藏君  加藤常太郎君    加藤鐐五郎君  鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君  鍛冶 良作君    金子 岩三君  金丸  信君    上林山榮吉君  亀山 孝一君    鴨田宗一君  川崎末五郎君    川崎 秀二君  川島正次郎君    菅家 喜六君  菅野和太郎君    簡牛 凡夫君  木村 武雄君    木村 俊夫君  菊池 義郎君    岸  信介君  北澤 直吉君    北村徳太郎君  吉川 久衛君    久野 忠治君  倉石 忠雄君    黒金 泰美君  小泉 純也君    小枝 一雄君  小金 義照君    小坂善太郎君  小島 徹三君    小平 久雄君  小林かなえ君    小林 絹治君  小山 長規君    河野 一郎君  河野 孝子君    河本 敏夫君  纐纈 彌三君    佐々木盛雄君  佐藤 榮作君    佐藤洋之助君  齋藤 邦吉君    坂田 英一君  坂田 道太君    櫻内 義雄君  笹山茂太郎君    志賀健次郎君  始関 伊平君    椎熊 三郎君  椎名悦三郎君    重政 誠之君  島村 一郎君    正力松太郎君  進藤 一馬君    周東 英雄君  鈴木 正吾君    鈴木 善幸君  砂原  格君    世耕 弘一君  瀬戸山三男君    園田  直君  田口長治郎君    田中伊三次君  田中 角榮君    田中 龍夫君  田中 正巳君    田邉 國男君  高石幸三郎君    高瀬  傳君  高田 富與君    高橋 英吉君  高橋清一郎君    高橋 禎一君  高橋  等君    高見 …郎君  竹内 俊吉君    竹下  登君  竹山祐太郎君    武知 勇記君  谷川 和穗君    千葉 三郎君  中馬・辰猪君    津島 文治君  塚田十一郎君    辻  寛一君  堤 康次郎君    綱島 正興君  渡海元三郎君    徳安 實藏君  床次 徳二君    富田 健治君  内藤  隆君    中井 一夫君  中垣 國男君    中川 俊思君  中島 茂喜君    中曽根康弘君  中村 梅吉君    中村 幸八君  中村三之丞君    中山 マサ君  永田 亮一君    永山 忠則君  灘尾 弘吉君    楢橋  渡君  南條 徳男君    二階堂 進君  丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君  西村 英一君    西村 直己君  根本龍太郎君    野田 卯一君  野田 武夫君    野原 正勝君  羽田武嗣郎君   一馬場元治君  橋本登美三郎君    橋本 正之君  橋本 龍伍君    長谷川四郎君  長谷川 峻君    八田 貞義君  服部 安司君    濱田 幸雄君  濱田 正信君    濱地 文平君  早川  崇君    林  唯義君  原田  憲君    平井 義一君  平塚常次郎君    平野 三郎君  廣瀬 正雄君    福家 俊一君  福井 順一君    福井 盛太君  福田 赳夫君    福田  一君  福永 一臣君    福永 健司君  藤枝 泉介君    藤本 捨助君  藤山愛一郎君    船田  中君  古井 喜實君    古川 丈吉君  保科善四郎君    保利  茂君  坊  秀男君    星島 二郎君  堀内 一雄君    本名  武君  前尾繁三郎君    前田  郁君  前田 正男君    益谷 秀次君  増田甲子七君    松浦周太郎君  松澤 雄藏君    松田竹千代君  松永  東君    松野 頼三君  松村 謙三君    松本 俊一君  三池  信君    三浦 一雄君  三田村武夫君    水田三喜男君  南  好雄君    村上  勇君  村瀬 宣親君    毛利 松平君  森   清君    森下 國雄君  八木 一郎君    保岡 武久君  柳谷清三郎君   山口喜久一郎君  山口 好一君    山崎  巖君  山下 春江君    山田 彌一君  山手 滿男君    山中 貞則君  山村新治郎君    山本 勝市君  吉田 重延君  早稲田柳石工門君  渡邊 本治君    亘  四郎君  否とする議員の氏名    阿部 五郎君  赤路 友藏君    赤松  勇君  茜ケ久保重光君    淺沼稻次郎君  飛鳥田一雄君    淡谷 悠藏君  井伊 誠一君    井岡 大治君  井手 以誠君    伊藤よし子君  石川 次夫君    石田 宥全君  石野 久男君    石橋 政嗣君  石村 英雄君    石山 權作君  板川 正吾君    小川 豊明君  大原  亨君    太田 一夫君  岡  良一君    岡本 隆一君  加賀田 進君    加藤 勘十君  片島  港君    勝澤 芳雄君  勝間田清一君    金丸 徳重君  神近 市子君    川村 継義君  河上丈太郎君    木原津與志君  菊地養之輔君    北山 愛郎君  久保田鶴松君    栗原 俊夫君  栗林 三郎君    黒田 寿男君  小林  進君    小林 正美君  小松  幹君    兒玉 末男君  五島 虎雄君    河野  密君  佐々木更三君    佐野 憲治君  阪上安太郎君    櫻井 奎夫君  島上善五郎君    島口重次郎君  下平正一君東    海林  稔君  杉山元治郎君    鈴木茂三郎君  田中織之進君    田中 武夫君  田中 稔男君    多賀谷真稔君  高田 富之君    滝井 義高君  楯 兼次郎君    館  俊三君  辻原 弘市君    戸叶 里子君  堂森 芳夫君    中井徳次郎君  中澤 茂一君    中島  巖君  中嶋 英夫君    中原 健次君  中村 高一君    中村 英男君  永井勝次郎君    成田 知巳君  西村 関一君    西村 力弥君  野口 忠夫君    芳賀  貢君  長谷川 保君    原   茂君  日野 吉夫君    帆足  計君  穗積 七郎君    堀  昌雄君  正木  清君    松浦 定義君  松平 忠久君    松本 七郎君  三鍋 義三君    三宅 正一君  森島 守人君    森本  靖君  八百板 正君    八木 一男君  八木  昇君    矢尾喜三郎君  安井 吉典君    柳田 秀一君  山口シヅエ君    山崎 始男君  山田 長司君    山中 吾郎君  山本幸一君    横路 節雄君  横山 利秋君    和田 博雄君  池田 禎治君    今澄  勇君  今村  等君    受田 新吉君  内海  清君    大貫 大八君  大矢 省三君    春日 一幸君  片山  哲君    神田 大作君  木下  哲君    小平  忠君  小牧 次生君    小松信太郎君  佐々木良作君    鈴木  一君  田中幾三郎君    田万 廣文君  竹谷源太郎君    塚本 三郎君  堤 ツルヨ君    土井 直作君  中村 時雄君    西村 榮一君  廣瀬 勝邦君    北條 秀一君  松尾トシ子君    水谷長三郎君  武藤 武雄君    門司  亮君  本島百合子君    山下 榮二君  志賀 義雄君……。
  27. 天野公義

    天野公義君 議事日程第一ないし第五は延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  28. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  29. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって動議のごとく決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十八分散会