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坂本委員 一般の治安を無視して、何のためにあそこに二千名、三千名の
警察官を動員させているのですか。それにかかる金は幾らかかりますか。そうして
警察官があそこにおるために、
警察官もあるいはその他の者も重軽傷を負うわけでしょう。
警察官もけがして、熊本あたりでも帰っている人があるでしょう。かぜを引いて帰った者もおるし、けがした者もあるでしょう。福岡県、九州全体にありますよ。砂川
事件でも、あの守備についた
警官の一人が自殺をしたことをあなたも御存じでしょう。今度もお互い日本人同士が、しかも
警察官と第一
組合との重軽傷問題が四月の二十日に起きておるでしょう。何で
警察官は一
三井のためにあそこに行って、そうして同じ貧乏人の
労働者とけんかをしなければならぬか、巡査として月給をもらっておるから、
命令に従ってそこに行かなければならぬ、
警察官をやめれば自分のうちは飯が食っていけないのだ、そういうような
状態なんですよ。全くけしからぬのは、
三井の一営利会社であるけれども、それに
警察官が応援するような客観的な今の
状態になっておるということです。あそこに
警察官が二、三千名もおるのが全部引いてしまったら、傷害は絶無とは申しませんが、第一
組合と
警察官とのせり合いで負傷者が出るのよりも少ないのじゃないかと私は見ますよ。だから
三井の営利会社を応援するために
警察官が行って、貧乏人の
警察官が貧乏人の
労働者とお互いにいがみ合って、そうしてかぜを引いたり、病気もしたりしなければならぬ、けがもしなければならぬ、まことにみじめな
状態なんです。こういうことも考えて、治安を守ると言うが、何の治安を守るのです。
三井の会社がああいうばかなことを撤回して、希望退職でやってしまえば、そういう問題は解決してしまう。
労働者は
仕事をしたいけれども、ロックアウトをやる、千二百名の首切りをやる、その中には
組合活動家として
組合員全体を守るための活動家がいる。それは会社側にはよくないですよ。その首切りをやる。慶応大学教授の藤林はやはり慶応大学の資本家の中の教授だ。ああいうあっせん案を出す。そうして哀れをとどめるのはやはり貧乏人のせがれである
警察官と貧乏人の
労働者だけじゃありませんか。
警察行政は私はもっと考えてやるべきだと思う。このごろの藤林あっせん案拒否は、
警察が会社側に一方的に
援助するから三池はのし上がっているじゃありませんか。三池はつぶれても、日本の貧乏人はかえって生活は楽になりますよ。もっと国民のための
警察なら、国民全体のための考え方に立ってやってもらいたい。その指導方針でも、藤林あっせん案前のあの
警察の
やり方と、その後の
やり方はまるで違っておりますよ。白鉄帽の者が昔の軍隊と同じように無
抵抗の
ピケを張っておる労働
組合に襲いかかって、こん棒でたたいているじゃありませんか。こういう点はしっかり考えて、今後治安の名に隠れて
三井の擁護にならないように、また
警察官が心ならずも、月給を取っておるがゆえに、巡査なるがゆえに、あそこに行かなければならぬということも、十分
警察庁としては考えて、そうして
一つやってもらいたいと思います。
なお
最後に、これはきょうは時間がないから、ただ
委員会で私から質問をして御返答はきょうでなくともよろしいのですが、四月二十三日の三池炭鉱労働
組合の第二十四回中央
委員会で公開質問状を福岡
警察本部長に出しておるわけです。これは十項目あります。この公開質問状は、われわれもこれをこの通りと思うからここに質問しますが、「三池炭鉱労働
組合員久保清氏が、
暴力団の手によって殺されてから約一カ月、我々のいかりの前に三池の街から
暴力団は表面上姿を消した。だが三池の街には新たな制服の暴徒の集団があらわれた。それは言う迄もなく
警官隊である。
警官隊は法と人権を全く無視し、幾多の
労働者の血を流し、戒厳令下の街さながらに、暴ぎゃくの限りをつくしている。新聞紙上でも彼等を会社と第二
組合の
私兵と呼んでいるではないか。我々はこのような
警察の現状について再三にわたり抗議したのに、これについて何ら答えない。われわれはこれを黙過し得ないので、ここに公開質問状を発する。」というので発しておるわけですが、「1、三月二八日の
三川鉱における会社と第二
組合の計画的ななぐり込み
事件について、会社と第二
組合に関してはやっとおざなりの
捜査をしたにすぎないのに、逆に
組合員には五十数通の逮捕状を請求し続々逮捕して未だに釈放しないのはどういうわけか。2、同
事件について会社については一向に
捜査もせず、申しわけ的に第二
組合本部を捜索しただけで計画的犯行の証拠いんめつを看過しているばかりか、逆に
組合側は本部ほか五カ所を一斉に
捜査したのはどういうわけか。3、これらの諸点について勾留
理由開示公判において全
裁判官が
組合側に共謀のなかったことを認めているにもかかわらず、
警察が今尚このような態度をとっているのは何故か。4、三月二十九日の久保さん刺殺
事件について、
暴力団が兇器をもって行動しているのを
警察は目撃しているにもかかわらず、兇徒集合罪として逮捕しないばかりか、
職務質問も制止もしなかったのはどういうわけか。この時の警備責任者の処分がなされたということはきいていないが、これはどうなっているか。5、久保さんを殺害し、多くの
組合員に傷害を負わせた
暴力団を目前に見ながら、一人も逮捕しようとはしなかったのはどういうわけか。6、このとき、会社
職員が
暴力団に兇器を供給していたことが明らかであるのに、これの逮捕が未だになされないのはどういうわけか。7、又会社が
暴力団をつかったものであることは明らかであるのに、会社に追及の手をのばさないのはどういうわけか。8、四月十八日
三川鉱強行
就労事件においては、深夜、
執行吏が
夜間執行令状も示さないのは勿論、
組合員の前に姿もあらわさないのに数千の武装
警官を投入し、交通遮断までしたこと。またわずか十三名の
ピケ隊に
執行であると称して襲いかかり、
警察の護衛の下に大量の第二
組合員を
就労させたのはどういうわけか。9、右のような違法且つ不公正な
警察の処置について強い抗議をうけたにもかかわらず、さらに
警官が四月二十日宮浦鉱において全く同様の
行為をとったのはどういうわけか。10、しかも
右事件について、
警察官の
暴力により負傷した
組合員を逆に逮捕したのはどういうわけか。」以上十点。これはよく本部長とも協議されて、一、二日のうちに
警察庁へ参りますから、その際にお返事を承りたいと思います。