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長谷川(保)
委員 それでは二、三私が持っております
資料の中からはなはだしいものをここに申し上げてみましょう。ただしこれは
公正取引委員会なりあるいは場合によっては検察
当局なりが調べるべきもので、私
どもが調ぶべきものではありませんし、私
どもは、行政監察特別
委員会ならともかく、そうでありませんから立ち入りたくないと思いますから、できるだけ固有名詞は省かしていただきます。あとそれをもって、固有名詞なしで調ぶべきものは調べていただきたい。これは今申しました愛知県に関する
一つの例でありますが、どうしてこんなに
採択されたかという
実情を
調査してみますと、理科
教科書の著者代表は、愛知県の学芸
大学に昨年まで十数年在職していた前学長某氏であります。これがその学校の同窓会組織を利用して、三河地区一帯の
教科書の
採択をはかった。一説によれば、その例として、この人は豪壮な邸宅を、この
教科書会社から贈られているといわれている。小学算数の
教科書が全県下に
採択されている
理由は、この某氏の夫人が、この理科
教科書の
発行会社の重役として名を連ねている。この算数、理科は同一の
会社で
発行しております。その
関係と、さらにその社の編集長が、元
文部省の算数担当の国定
教科書の図書監修官で、その時代にこの某氏は、
文部省の督学官であった
関係で親友の間柄であります。そういうような
関係から、編集長の某氏が愛知県をくまなく歩いて、算数
教科書の全県統一をはかったものだといわれておるのであります。なおいろいろこまかいことを調べていってみますと、どうもこの学芸
大学の前学長の某氏は、
文部省の担当のある方と
関係の深い方であるらしい。それから編集長でありまする某氏は、またその方と親しい友人の
関係である。それからもう一人の
文部省の担当のある方の奥さんの兄さんが、この
会社の
課長であります。しかもこの
採択のために、愛知県の指導主事や校長や教員多数に供応をして、さらに昨年の暮れには、数千円の品物を歳暮として流したというようなことが、私の
調査でわかっているわけです。けれ
ども、私の
調査が、先ほど申しましたように、どれだけ正確であるかということにつきましては、もちろん私はこの
関係の中におった人間でありませんから、十分なことは申し上げられませんが、しかし、こういうことがあちこちであるのであります。だから私は、そういうことになっては困ると心配するのであります。
これは別の
会社の事件であります。これもあまり極端な例ですから、参考までに申し上げてみたいと思うのでありますが、富山県にあった事件であります。地方編集
会議の開催という名目でなされました。日時は十二月五日というようにいわれております。場所は、富山以下の小川温泉であります。北信越地区の各県の小学校
関係のエキスパートを、各県三名くらいずつ集めたようであります。ここにこの
会社の編集
局長、国語部長、北信越担当の
営業部長、各県の駐在員というような者が一緒に集まっております。内容は、白表紙の検討会ということであります。そして食事を
出し、芸者を各人にあてがい、謝礼数千円をこのときに
出しておるようであります。こういうような例が枚挙にいとまないのであります。
これはまた別の例でありますが、全国的に集めた例であります。これは三月に、二日にわたってあった事件であります。場所は、大阪の飛田の旧赤線地帯の転業料理屋であります。旅費、日当、宿泊つきで招待し、編集
会議と称して
会議を持ち、全国各府県から二名ずつくらい集まっているようであります。この事件には約百名出ておりますが、一人大体一万円かかっているといわれております。この場所には、某
会社の社長以下が出ております。
私はこういうことを言いたくない。言いたくないけれ
ども、この間の小牧
委員の質問にも、忌まわしいことはないように思っているという
お話があり、さらに、
検定の方に追われて、各社はそういうような
採択の
関係等はまだ何もやっておらぬように思われるというようなことが、
局長から
お話がありました。私は、それが故意に言われたものであるか、真実そう思って言われているものかを、いささか疑問に思っておるのであります。真実そう思っておられるとするならば、これはいかにも間抜けた話で、そんなことでこの重大な時期に一体その局を担当できるかといわなければなりません。故意に言ったとすれば、ふとどききわまる話であり、何らかそこにわれわれはうしろめたいものを
考えざるを得ないのであります。もう各社は昨年来このためには非常な努力をしておる。過当競争の度を過ぎたことをいたしておるのであります。私
どものような十分な
調査の手を持っておらない者の手にも相当数ひっかかってきておるのであります。ましてこれを公取なりあるいは検察
当局なり、あるいは
文部省が
ほんとうにやる気なら、こういう問題はたくさんわかっているはずであるが、先日のような
お話があったということになりますれば、これは私
どもとしては
考えざるを行ないのであります。でありますから、こういう事実が私のところに
資料として幾らでもあるけれ
ども、これは私は何人にも
出しません。前にも申しましたように、
犯罪人を出すことが私
どもの目的じゃないのでして、何とかしてこの際こういう間違いのないように
教育を清めたいと思うからであります。これらの私が調べました事実について担当
局長あるいは公取の方ではこういう事実はあり得ないとお
考えでしょうか。それとも私の調べたのはあり得るであろうとお
考えになりますか、いかがですか。