○安田
政府委員 最近の乳価及びこれに関連しました経過及びとりました
措置につきまして簡単に刈り
説明を申し上げます。
簡単に申し上げまするために、便宜印刷をいたしております。この印刷物は御配付申し上げてお
手元にあると思いますが、
結論は七枚目の別紙(二)というところにありまして、別紙(二)に続きまして別紙とは書いてありませんが八ページにございます、これが
結論でございます。牛乳の問題に関しまする需給あるいは
価格、さらには酪農、乳業、販売、
消費というようなことに関しましては、御
専門の皆さん方がお詳しいと思いますから、省略するかあとに御
説明することにいたしまして、乳価
関係でとりました
措置についてこの七枚目以下をまず先に申し上げます。
別紙(二)は、そこに書いてもありますように、乳業大メーカーに中小メーカーの代表も入っており、かつ、乳業者の全体の広域連絡団体の社団法人日本乳製品協会を含めまして、まず
農林省との間で申し合わせをいたしたものでございます。いわば紳士協定というようなものでありまして、業界は励行をすると言っておりますし、私どもも信頼をいたしております。と申しますのは、このものの性質でありますが、乳価に関しましては、農家の
生産する生乳については酪農
振興法にある
程度の規定がございまして、行政官庁に
権限的に付与されておるおもなるものは、
売買当事者が
取引に紛争がありました場合に、紛争のあっせん調停を行なう
権限があることがおもでありまして、あとは一般に酪農、乳業等に関します行政
措置その他の政策上から来る見解と要請というものが目下の法的な立場におきます
農林省の立場だと思っておりますので、
農林省と業界との申し合わせは以上のような性質と考えてみたいと思ったのでございます。本来乳価は
売買当事者が交渉してきめる建前でございますので、紛争があれば調停をしますが、その前でもあっせん等をしてくれとか調停をしてくれということが具体的に出て参りますれば、第三者の立場で政策に基づいて行動するのが本来だと思いますが、目下酪農、乳業等の、特に
消費等の
関係につきましてはしかるべき体制が必ずしもありませんので、政策上からいたしました
農林省の
措置ということでございます。
第一の点は、「当面における飲用牛乳
価格の値上げは、少くとも五月分までは値上げを行なわないようにすること。」ということでございますが、これは、その申し合わせをする前に沿革がございまして、いろいろきまって参りましたことについて、この別紙(二)を申し合わせました段階ではしいて文章に書く要がないと認められましたことを除いてありますことを御了承願いたいのであります。従いまして、補足して、この文字にないことは、
農林省なり、窓口としましては
農林省畜産局長がその談話を出したり公表をしたりすることにおいてやってもけっこうだという申し合わせをしておるのであります。これは裏から読むのと表から読むのと多少意味が違うのでありますが、本体を直接に申し上げますと、再版品の飲用牛乳のうちで、今回の値上げが一部あります前におきまして一合一本十二円以下のものは、据え置きということであります。ただし、それは念のため三に書いてあります。十三円ものについては二に書きまして、一はそれ以外のものを含んでの
措置という解釈でございますが、十四円ものにつきましては、六月から以降通年、年を通ずるという考えで一合一本一円の値上げをするのもまあ望ましくないがやむを得ない、妥当性もあるということであります。もう
一つ、十五円もの以上のものは、業界も値上げを競争しない気持もあり、理由もあって値上げをしないので、これを了承いたしまして値上げをしないということであります。また、表から言いますと、農家の
生産者価格は四月一日を
中心にいたしましてかなりの
価格改定、値上げを
実施いたしまして、即刻支払いを四月以降続けておりますが、メーカーの売り値と小売
価格は六月以降しか行なわないので、四月、五月は従前
通り全部据え置きであるいう意味でございます。
第二の点は、六月以降もなるべく値上げをしないことに努力をしてもらいたいが、やむを得ず値上げをする場合も、一合当たりという意味ですが、一本当たり一円以内として、最高を一円として、十三円ものは通年変更しないという精神を失わないように、通年値上げをしないことを建前とするが、本年七、八月を
中心として前後の六—十月の、夏季と言うと言葉の適切さをやや欠いておりますが、
消費地等において需要が非常に多く、
生産は減少が季節的に性質的に本来的にあるという時期におきまして、夏季事別
価格として
扱いまして従って、十一月以降は旧
価格に復するという前提を置きまして、そのもとに、酪農、乳業その他の経済事情を勘案して、また天界と
農林省と紳士的に打ち合わせをすることにしたいということであります。もちろん、牛乳の
価格は、この場合、メーカーが売り、小売りが売り、
消費者が買うというのが本来の姿で、自由経済が行なわれておるということもその前提でございます。
第三点は、右期間においても、というのは、要するに、本年の四月から来年の三月において一応終わります一年じゅうという意味でございますが、その意味において、いわゆる十円牛乳、主婦牛乳、職場の
集団飲用牛乳、あるいは労農牛乳と言っておるところもごいざますが、こういうような廉価販売、その中にはもちろん学校給食用のものや駅立ち売りものも入ります。そういうものや、
地方の都市の市乳で十二円以下に今まで売って参りましたもの、売れておるもの、そういうものは十二円もあり十一円もある場合は、そのままそれぞれの
価格から値上げをしない建前であるということであります。
第四点は、前のページを御
説明しないといささかよくありませんが、
生産者の乳価の値上げと、それが増産、特に夏の間においてもむずかしいことであるが、極力増産をはかるということと、今回のメーカー
価格、
消費者価格を極力最大限度に据え置きたい、維持したい、そういうために立てました
対策で、現在とりつつあるものであります。いろいろこのほかにもありますが、特にこの三点、すなわち、夏季牛乳増産用の飼料の供給をする、国内産業の乳製品を出荷せしめまして、主要
消費地の中小飲用牛乳メーカー、これは農協連や中小企業の行なっておる分であります飲用市乳業者、そういうものに
政府が出荷促進をし、入手をあっせんする。これは飲用牛乳川の原料にも充てられるものであります。もう
一つは、夏季日本の需給が供給不足である分について、計画的に乳製品を輸入して、これを大
消費地の中小メーカーに与えることでございますが、その
三つの
対策を講じつつありますが、この一、二、三の点について業界と
農林省が意見が一致した場合は
——一致しない場合は、協力者、非協力者としまして、非協力者の
関係においてはこの
対策を講じないということにしてありましたのを、意見が一致すれば当然全部協力者になりますので、その分の
趣旨を書いたのであります。
備考は、本文そのものを御
提出いたしましたので、蛇足のようなことが書いてありますが、いろいろな経過をもって最終的な話し合いをして、五月七日に実質上の
内容を終わり、九日に正式回答をと思っておりましたが、その前に、五月十一日に値上げをしてしまうという一部の有力業者及び
関係小売商等もあって
消費者の方に通知を出しておったものもありますので、それらを取り消しせしめるというような
措置もありますし、各方面に周知徹底したり、大メーカー以外のものと同様に申し合わせるのが妥当であるという意味において、二日の余裕をもちまして所要の
手続をとって、すでに
内容を役所の方から公表をするということの要望がございましたので、公表をするのであります。これに直接折衝に当たりました者は、
農林省畜産局長と参事官と一人の技官であります。
右のほか、この別紙の(二)をきめます前にすでに話し合いをつけたことがございまして、それがその次にありますように、「右の他
農林省畜産局長と大乳業会社との間における申合」でありまして、乳製品につきましては、本年上半期の乳価あるいは関連
事項について
農林省の方針を三月一日次官依命通達をもちまして県庁に知らせ業界に要望を発しましたが、本年三月の
価格より引き上げないで通年据え置きをする。それは有力乳業者の販売建値である。右力乳業者というのは、御承知のように雪印乳業会社その他であります。
また、中小メーカーがありまして、全国的統一団体等がございませんが、部分々々でございますが、大勢を支配し得てこれと話がつけば他もこれに同調するし、同調しない場合は競争上不利になって、結局実際は行なわれるであろうと思われる中小メーカーとか、全酪連、関西酪農、県酪連、その他の
組織によりますメーカーがございますが、これも、東京、京阪神あるいは個々に農業団体等を含めまして右の申し合わせば同様に扱う、そういうことをいたしました。一番最後の中小メーカーとの申し合わせば昨日午後いたした状況でございます。
ここに至ります経過と
生産者価格の
内容とをごく簡単に申し上げます。第一枚目でございますが、本年二月ごろから、農家の面におきましては農家の乳価をもっと引き上げたり地域・用途別の
価格を
調整すべしという意見がありまして、乳業者との間に地域的に
取引に応じましてそれぞれぼつぼつと交渉があるようでございます。紛争調停は、念のため申し上げますが、その当時から現在まで
法律に従って出て参りましたものが
一つもございません。また、農業団体方面からは、全国的なメーカーがおって商
取引になっておるけれども、大メーカーの本社側に向かいまして
農林省において適当な御
指導を願いたいという要望がたくさんありました。そこで、いろいろ考えまして、三月一日に農林事務次官依命通達をもちまして各
都道府県あてに
指導通達を発しますと同時に、
関係の団体、会社に対して、その
趣旨に協力してもらいたいということを要望いたしました。県庁に出しましたものは、紛争調停が乳価
取引等に出て参りましたときの酪振法のあっせん調停上の
指導と考えております。その他、行政
措置上は、地域的な業界に対する啓蒙
指導、そういうことと考えておるのであります。
農林省が民間に出しましたものは協力要請でございます。
内容は二点ございまして、
生産者価格は、三月までの様子を見ますと、米麦、
青果物、園芸
果樹等につきましても、また、
畜産物の肉、卵等々につきましても、農業労賃につきましても、乳価がどうも割安であるように思われるという
地方からの声もある、かたがた、牛乳の
生産について、総体的に酪農は
振興して
生産物は増産されておりますが、増産の
程度が少し停滞的であるかに見える
消費は旺盛である、そういう見地に立ちまして、
生産者価格は各地域において異なっておる
現状であるけれども、適切に改定
調整を行なわるべきものと考えられるとしたことであります。この意味は、従って、改定
調整とは
価格の引き上げ改定ということでございます。第二点は、
生産者価格が上がった場合には、
消費者価格あるいはこれに関連する
価格はどういうことになるかということが当然出て参りますので、牛乳・乳製品のメーカー販売
価格及び小売
価格については、やはり酪農というものは
長期的観点をもって考えるべきであり、現在世論的に批判もある中間マージンなどを、
生産者価格が上がり下がりする場合に、今回は値上げでありますが、それに伴わずして、また今後の酪農乳業の
方向に合わずして中間マージンが動くということがないようにせられたいということでありまして、やはり、ここに書いてあります
通り、将来にわたる需要増進、将来の
消費増進、学校給食等相当予算をもってやっておりますから、また、貿易自由化は酪農についてはいたさないということになっておりますが、やはり、農業の基本問題としては、酪農でも
生産性の向上をはかり、農民所得の確保をはかり、外国との
関係を考えるというような要もありますので、酪農経営の
改善をはかるのも重要だが、生乳・乳製品の販売
価格における合理化か必要と考えられるので、この値上がりを避けるよう最大限度の努力を払っていただきたい、そういうことか第二点であります。
そうして、四月一日を
中心といたしまして
生産者価格の値上げがございました。実質上
価格協定を契約を
改正しましてかえたところが大部分でありますが、四月一日以前に担当の高乳価にあり、すでにまた値しげ
措置がとられたところは四月一日現在は値段の改定がございませんでしたけれども、それを含めまして、一部未定と称せられる四月一日にまだきめられなかったというものでも、
農林省の見るところでは、実質上従来の
価格を四月一日に改定をいたしましたものと
同一水準で妥結しっつある情勢と考えられたのでございます。そうしまして、そういう意味の四月一日
中心の
生産者乳価改定は、その別紙(一)のようでございます。
別紙(一)は県別に書いてありますが、
内容を簡単に申し上げますと、北海道におきまして従前より一升二円の値上がりがありました。その
内容を概略申し上げますと、従来の奨励金二円を基本乳価に繰り入れて、さらに奨励金として二円を追加するという
内容を持っておるわけであります。東北は一升当たり二円八十七銭くらい。
——これは県別でありませんで地域で達観してみたのでありますが、その
内容を見ますと、従来の奨励金二円のほか一円を加えまして三円を従来の基本乳価に繰り入れて、さらに奨励金として、一円八十七銭何厘になりますか、一円八十七銭余を追加したものであります。関東は、一升当たり従来の奨励金二円を基本乳価に繰り入れて、さらに奨励金を三円追加してあります。静岡以東にわたりますが、東海とか関西、九州、
——九州の一部には高乳価であまり上がってないところがありますが、西日本は達観してみまして一体に四円、従来の奨励金二円を基本乳価に繰り入れまして、奨励金として新たに四円を追加するというようなことが
改正でございまして、県別は別紙の表でありますが、各地について見ますと、四月一日
中心の値上がりは一升当たり二円のところから十二円のところがございます。十二円は昨年の夏のところのようであります。九州であります。これを、本年はなま牛乳として
生産が約一千万石を突破するであろうという見通しを持っておりますが、各県別の
生産量推定を出しまして、ウエートをかけまして、加重平均をいたしますと、この乳価は全国加重平均で平均三円十六銭値上げになるということになっております。
別紙(一)の表をごらん願いまして、要点をごく簡単に
説明いたしますと、左の
都道府県の欄は言うまでもなく
都道府県でありますが、この中に売手と買手とがいろいろ分かれております。統一があるところも、やや違う
取引があるところもあります。次の、右の方へいきまして、区分の欄は、昭和三十四年三月二十一日当時の乳価で、これが本年の四月一日以前まで続いておるのが大部分であります。特殊の例以外はそうなっておるというものでございます。これは基本乳価に奨励金二円が加わりまして、
——この基本乳価は当
委員会でいろいろ御批判及び御
援助、御
指導をいただきました当時の、約二年前の三浦大臣がおられましたときの、それ以前から一割値下げが行なわれた値段であります。奨励金というのは、それから約一年足らずたちまして、
消費増進その他いろいろな
措置を講じ、また酪農
振興法の
改正もありましたので、それらの影響もあったかと思いますが、昭和三十四年三月二十一日をもちましておおむね五%ばかり値が元へ戻って上がったというものであります。その基本乳価と奨励金の
合計を乳価として酪振法等の上で取り扱っております。次の欄の三十五年四月一日は、四月一日が大部分でありまして、備考欄の一番右の方に決定の日とか未詳のところは「交渉中」と書いてありますが、今回きまった値段ということであります。基本乳価、奨励金はさっき御
説明申し上げた
通りであります。
合計して乳価と私どもは心得ております。売り渡し場所が特別の場合は、庭先渡しは庭先渡し、工場渡しは工場渡しと書いてあります。BマイナスAの差引の値段はさっき御
説明申し上げた
通りであります。値上げがないとかごく少額だとか、また十二円も十円五十銭の値上げもあるところも表の下の方の九州
地方等でごらん願えればあると思います。値上げがないところは、比較的高乳価で、時期をやや先んじて
価格改定を行なった様子が見えるかと思います。
生産価格は、そのようにして、
原則として四月以降、また一部はそれ以前から
改正になりましたが、概数としまして、本年度は牛乳年間に一千万石を
生産できると思いますが、そのうち農村の自家
消費を除きますと、私どもの見方は約九百八十余万石が農家の販売量となります。これを平均的に一升三円十六銭にかけますと、約三十一億農家の所得増になると思います。
次は、ここ数日の間のことで、メーカー
価格及び小売
価格についてでございます。
協力要請をしたり
対策を出しまして
措置しましたことは申し述べましたが、賛成者と反対者といろいろあります。大部分のメーカー、小売等は、メーカーは農村
価格が上ったから、小売は特に大
消費地で配達人等の人件費が二割増その他の経費増で非常に苦しいということ等から、各秘の牛乳、乳製品を一律に引き上げる要望が強くありました。反面、主婦連等の
消費者団体や小売業者の一部は、
価格は維持せらるべきであるという、両者平行した意見がありました。その双方のウエートは値上げの方が多かったのであります。そこで、五月に至りますと、夏の需要増加、
生産がちょっと落ちるという時期を迎えまして、飲用乳業者は原料手当をする時期でございまして、乳価値上げとか需給
調整とかいうことが一そうやかましくなりますので、四月十四日に、配付
資料の二ページの四項の昭和三十五年度上半期における乳
価格対策要領を定めまして、
価格については、従来のような
趣旨を延長いたしまして、さらにこれを具体化いたしまして、(2)に書いてありますような要旨を出しまして方針を立てました。それを外へ出しました。第一点は、生乳
価格はおおむね改定されたと思うので、需要期の七、八月
中心のその前後の期間において異常な
価格をまた実現しても、秋、冬においては季節的に本来的に牛乳は過剰になる、供給が需要を上回るという性質もあって、短期間に値段が動くことも不適当であると思われるし、また、年末、冬等に急激な値下がりが起きることは酪農の発展によろしくないと思われるので、不需要期においては異常な
価格変動を生じるような悪影響は避けるのが望ましい、ということが第一点であります。第二点は、牛乳、乳製品のメーカー
価格、また、さらには
消費者価格である小売
価格の水準を維持するような考えで、極力最大限度に
価格の据え置きをしてもらいたいということを、さらに具体的に大臣の御指示を仰ぎまして明瞭にいたしました。それは、乳業者、小売業者の経営の合理化等を最大限度に期待いたしまして、できるだけ水準維持というような考えを通してもらいたい。明確に、
価格据え置きをするということも最大限度の努力をしてもらいたい。牛乳・乳製品の
種類や地域の
実情によって少しずつのことは
——自然に
価格変動が行なわれている場合も含めてでありますが、やむを得ない場合でも、中間マージンは極力拡大しないように縮小が望ましい。また、そこに書いてありますように、安い牛乳、標準的な牛乳、大衆
消費的なもので将来も日本の乳価の目安といたしたい、国際的に言うと日本の乳価はこんなところでぜひいきたいというようなものに見えるものとか、人工栄養の育児食である
調整粉乳または脱脂粉乳というような、直接家庭にいくような主要な乳製品の値上がりは避けてもらいたい。また、これを県をして努力せしめると同時に、業界にも直接私どもの方から要望をいたしましたが、なかなか業界からは回答が得られません。しかし、事態は、要望を出すだけではいけないので、
対策としましては、夏の最盛期に、脱脂粉乳約九百トンを
中心にして、小麦粉とか魚粉とかその他のものを入れました牛乳増産用の飼料を特配するようにきめました。これは、例を北海道で申し上げますと、北海道の酪農家が雪印会社に牛乳を売りまして、バターを除いた脱脂乳を還元しておりますが、その値段より以下で供給をする。従って脱脂乳として還元していたものは、還元をしないで飲用牛乳用になる、脱脂乳も増産になる、これはまた当然でございますが、
生産者価格の値上げと安い飼料特配をもちまして一般的増産をねらつたのであります。次の点は、特に大
消費地域において夏季を
中心として飲用牛乳不足が問題となりまして、当時大メーカーその他従来から中小乳業メーカーを
中心とした市乳業者に原料を供給いたしておる者が、ストックも少なくなり、また自分で
消費する必要もありまして、出荷をしないようになりました。荷がほとんど枯渇をいたしましたので、これは中小乳業
対策としても必要で、
消費者への牛乳供給
対策としても必要なので、業者に慫慂いたしまして、脱脂粉乳約二百五十トンを、そのうち雪印分としてさしあたり百二十トンでございますが、
政府あっせんによって中小メーカーに渡す。その値段は、昨年すなわち三十四年の比較的牛乳・乳製品の
価格が低くなったときの値段で供給する。一ポンド脱脂粉乳は百五円ないし百十円というのでございましたので、その値段で供給してもらいたい。現在はそれより約一割、三月までに上っておる。雪印からは協力の話がありましたが、その後、数日前までは他は協力の回答はございませんで、今では全面的に協力をしてもらうことになりました。第三点は、そういたしましても、需要の旺盛と季節的な
関係をもちまして牛乳不足が一時的にあるので、計画的にその不足分の脱脂粉乳を輸入したい。これは需給上見積もりまして千十トンくらいと今は押えておりますが、極力少なくして、さしあたり四百五十トン輸入して、これを需要の多い四大
消費地域の経営上余裕のない中小乳業へ供給したいと思います。それから、夏休み前の学校給食は、いろいろ意見がありましたが、
実施をしようということであります。
経過のおもなるものを申し上げますと以上でございますが、それをごく最近取りまとめまして、以上のように申し合わせて励行していただくことにいたしました。以上でございます。