○角屋
委員 ただいま政務次官から
お答えがありましたけれ
ども、私は政務次官のお人柄から見てあまり激しく追及することはいかがかと思いますが、しかし、この問題は、政務次官のお人柄にもかかわらず、そう簡単にそういう弥縫的な
対策で済ませるということを私
どもはそのまま容認するわけにはいかない。
昭和三十四年度の米の
生産費
調査の
関係を見て参りますと、今やはり米価問題に直接
関連する販売農家を対象とした
調査戸数が二千六百戸、そのほかに、階層比較農家として二百六十五戸、陸稲の農家として百戸、土地
改良の農家として六十九戸、こういうふうなことで三千三十四戸の
調査が
昭和二十四年度においては御
承知のようになされて参りましたが、これが、
昭和三十五年度においては、先ほど来申し上げておりますように販売農家が二倍にふえまして五千二百戸、階層比較農家というのが廃止をされまして、陸稲農家は従来
通り、土地
改良農家は
調査農家の
事情によって五十四戸に一部減少しておりますけれ
ども従来
通り、新たに早期栽培の米の
生産調査をやるための
調査農家として四十戸、こういうことで、加えまして五千三百九十四戸という
生産費
調査の拡大を見ておるわけでございます。この中で、言うまでもなく、
生産者米価に最も大きなデータになりますのが、いわゆる販売農家の五千二百戸の問題でありますけれ
ども、この五千二百戸をとった理論的根拠というものは、私
ども、いただいておる資料でも判断しておるわけですけれ
ども、これによりますと、五千二百戸に増加した場合に、平均値における精度というものは、
昭和三十一年度の資料で計算をしてみると四十九円、三十二年度では四十五円、三十三年度では四十三円、バルクライン八〇%を受ける精度というものを見て参りますと、
昭和三十一年度の資料による場合は八十円、三十二年度の資料による場合は六十九円、三十三年度の資料による場合は七十三円、大体において平均値における精度の期待値というものは四十円ないし五十円、八〇%バルクラインの場合には七十円ないし八十円、こういうふうに理論的には言われておるわけですけれ
ども、これは理論的な推計値から出てきた結果でございまするが、申し上げるまでもなく、これは、標本あるいは抽出農家の適正、あるいは
現実に
調査する
調査の精度というふうなものがいろいろ
関連をいたしまして、それにいわゆる平年度であるか災害が伴うかというふうな問題等がいろいろ
関連をして参りますが、言うまでもなく、
生産者米価の場合には、十円、二十円ということがやはり非常に大きな問題になってくる。実際に今日予約米で出しておりまする三千八百万石近いそういうものの一石当たりの米価をどうするかという場合の十円、二十円というのは大へん大きな問題になる。それであるだけに、今やはり五千二百戸に拡大をいたしましても、平均値において四、五十円、八〇%バルクラインにおいて七、八十円、こういうことが理論的に言われているのが、さらにもう少し精度が落ちるということになったのでは、せっかく
調査をやっても
調査が十分に活用されないという結果になるだろうと思います。そういう点から見て、私は、新しくやられる鶏卵の
生産費
調査とか、あるいは茶とか果樹とかいわれるものよりも農家の所得の概要な位置を占めておる米の
生産費
調査というものは、そう軽々に
考えるわけにはいかない。しかも、ここで
調査される結果の理論的
数字の期待値の幅というものから見ても、これは十分に必要な
予算と人員、ことに人員についてはこれはやはり質的向上をはかる、また
調査農家についても十分なる啓蒙と教育をやらなければならない、こういうことであろうと思う。そういう点から見て、先ほど来政務次官から
お話はございましたけれ
ども、その
お話で私はよろしいというわけにはいかないと思う。ことに、政務次官も御
承知のように、窮余の一策として、今度、食糧庁の四十六名の職員を、食糧庁に身分を置きながら
統計調査部の
関係の米の
生産費
調査の増大に伴う
仕事をやってもらおう、こういう形をとろうとしておるわけです。前々から申すように、統計の
行政上における地位というものについては、これは政治的に
行政的に左右されないいわば独自的な立場に立って正確な結果を出すということがやはり統計の本来の立場ではないかと思う。
行政事務的な性格を持っておる食糧庁の職員というものが腰かけ的に重要な米の
生産費
調査のお手伝いをする、こういうことで、本格的に
生産費及び所得補償方式を本年度とろうとする段階において
調査をやられるということは、これは私は絶対にこのままで承認するわけにいかない。しかも、食糧庁自身にいたしましても、米の
生産費
調査というのは
生産者価格ということで食糧庁にも
関連があるということで、無理を言われれば聞かざるを得ないという立場で四十六名の人員の供出を受けられたのではないかと私は思うのですけれ
ども、元来、食糧庁といえ
ども、昨年の
委員会でしたが、米の応援検査の問題ということで私は本
委員会で追及したこともございますけれ
ども、やはり、ややともいたしますと場当たり的な弥縫的な
対策でもって当面を糊塗しよう、こういう
考え方というのが最近農林省の
考え方の中にあるのではないか。しかし、今度のこの
仕事の場合には、統計というものは本来の性格から見て食糧庁の応援というような
考え方でこの問題を
考えるということは適当ではない。また、そのことによって食糧庁自身の職員の
仕事の業務量をそれだけ増大させるということも防止しなければならない。そういう観点から見まして、これはやはり
統計調査部自体として適切な方法を講ずべきである、かように
考えるわけでございまして、もう一度、
一つ、政務次官並びに直接御麺当である統計調在部長、さらに今回四十六名の職員を供出される立場になられておる食糧庁の
関係の方から御意見を承りたいと思います。