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門司委員 お約束の時間も大体きておりますので、簡単にいたしますが、もう
一つ、二つ聞いておきたいと思いますことは、基地の提供によってくる
日本の
国内におけるいろいろな問題、いわゆる六条の規定に基づく行政
協定の問題がございます。これらの問題については、ここできょうこれから
質問を申し上げまする時間がございませんので、私はこの点については後日に譲りたいと思いますが、たとえば基地を提供するということによって、いろいろな問題の中に、
一つ日本の役務の提供というものが書いてあります。これは当然出てきます。この役務の提供につきましては、実はかなりいろいろな問題があるわけでありまして、
日本の数万の労働者が
関係をいたしておりまする労務基本契約の中にも、実は軍事に
関係したいろいろな条項があるわけであります。これらについて、
政府は一体どういうふうにお
考えになっておるか。その点は、
調達庁は大体御存じだと思いますが、労務基本契約の職種の中の九十一から九十九までの間に書かれておる。それからそのほかまだいろいろなものがあります。この中で、私
どもは、この軍に
関係したものとして、単なる役務の提供というだけでなくして、実際軍の
行動に
協力していく、いわゆる労務者としての作業というような
範囲を越えたものがあるように感ずるが、この点についてちょっとだけ私は聞いておきたいと思いますが、
政府の意向をこの際はっきりしてもらいたい。そのことは、
調達庁ではすでに十分御存じだと思いますが、九十一には、御
承知のように、職種の中で軍事情報顧問というのがあります。軍事情報顧問というのは、
アメリカの極東軍の司令下にあって、そうして軍事情報をいろいろ集める役目、言いかえますならば、スパイのような役目をすることが、大体これに書かれております。もし必要であるとすれば、私の手元にもありますし、
政府の方にもあるはずでありますから、ごらんになればわかります。その次には、軍事情報分析員というのが、A、Bという二つの任務をおのおの持っております。これも軍事情報をどう分析するかということに、
日本の諸君が参加をするということ。その次の九十四には、地理学者という
一つの職種があります。この地理学者というのは、
日本の
国内におけるいろいろな地理的条件その他が、
作戦その他にどう
関係するかということを
調査する
機関であるということになっております。その次の九十五には、情報
調査員に関する問題があります。九十六には、兵器材料検査員というのが、これが九十七と両方にA、Bに分かれておる。さらに九十八には、上級
作戦分析員というのが規定してあります。それから九十九というのは
作戦分析員。これらの諸君は、いずれも旧軍人に
関係のある人か、あるいはいろいろなこれらに該当する職種に、十年ないし十五年経験がある人というようなことで限られております。従って、これには相当の報酬が払われておりますが、こういうことは、なるほど
日本の役務の提供であって、そうして軍がいたしておりますいろいろな仕事を手伝っておること
自体というものについては、多少の問題がございましょうが、これはまあ一般の労務者としての取り扱いとして、私はよろしいかと思いますが、直接これらの軍の
作戦行動に
関係のある部面にまでも、
日本が役務提供というものをしなければならないかどうかということ、これは言いかえまするならば、悪い
言葉で言えば、ある程度のスパイ行為というようなものを規定づけた
一つの行為ではないかというふうに、われわれには
考えられてならないのであります。こういう点についての
政府の見解を、この際はっきりしておいていただきたいと思います。