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飛鳥田委員 僕は何か
日本の官庁というものの本質に触れたような気がいたします。人民が言ってこなければおれたちは関知しない、
報告がなければおれは知らぬ、こういうようなふうにしか私には聞けませんでした。私は、合同
委員会を所管していらっしゃるのは藤山さんの
外務省ですから、こういう事実があれば、積極的にお調べになって、その違反行為にははっきりとした
態度をお示しになる、これが当然だと思っていたのですが、申告がなければ、言ってこなければ、やらないのだ、こういうことがはしなくも私にはわかりました。残念です。
日本の官庁というものの本質に触れたような感じがいたしました。そうして、申告はあったのです。まあ私の口からではありますが、十二月一日、私は本
会議においてこの事実を明確に申し上げたつもりです。これを、ただ、ああ反対党の議員が言うことだから、こういうことで聞き流されてしまったというところに、私の残念さを感ずるゆえんがあります。反対党の言うことであろうとも、当然お調べになって、その事実は確認できたはずです。そして抗議を申し込まるべきものだと私は思います。こんなにも軽々しく本
会議における
質疑というものが扱われておるということを私はここで知って、残念に存じます。
そこで、今
総理は、爆発その他の点で危険な点もあるだろう、同時にまた、そばに寄らないようにというようなことを言うのは、これは仕方がないじゃないかという
お話がありました。この議事録を読んでみましょう。
註
一、墜落マタハ不時着現場ニオイテ機密事項ノ漏エイヲ防止スルタメ、日米両責任者ノ間ニ密接ナ
連絡ヲ維持シ、必要ト思ワレル立入禁止地域ガ確立サレレバ、米側当局ハ当然機密装置、資材ノ外部ニサラサレタ部分ヲカクスヨウ積極的ニ措置スル。
シカシ適当ナ隠蔽ガデキナイヨウナ事項ガアリ、米側責任者ガ写真ヲトラサナイヨウ
日本側責任者ニ要請ヲシタ場合、
日本側責任者ハ
新聞関係ソノ他現場写真ヲトロウトスル人達ニ
事情ヲ
説明シ
写真撮影ヲヤメルヨウトノ米当局ノ要請ヲ伝エル。
二、上記要請ハアクマデ要請デアリ、従ツテ、上記要請ヲ伝エテモ、ソノ要請ニ従ワナイカマタハソノ住所アルイハ身分ニ関スル
質問ニ答エヨウトシナイ場合デモ、強制的ナ措置ヲトラナイヨウニスルコト。不必要ナ紛争ヲ避ケルヨウ
注意スルコト。
……上記第一項ニイウトコロノ要請ニ関連シテトラレル措置ハ、刑事特別法違反ノ際ニトラレル措置トハ全ク異ナツタモノデアリ、上記措置ヲトル場合ハ、ソノ状況ヲ正確ニハ握シテオカナケレバナラナイ。
こうなっております。すなわち、
アメリカ人は
日本人に対して直接いかなる要請をもなしてはならない、こういうことが全体として出てくるわけであります。この場合、一体、腰にピストルを下げたアロハの
アメリカの人たちが——軍人かどうか知りません。この人たちが、ピストルを擬しながら、そばに寄っていった人々を追っ払い、警察官の近寄りを禁止し、調達庁の人々をも遠避けてしまう、こういうようなことが、今読み上げたものに当たらないでしょうか。
総理、そう簡単におっしゃらないで、今からでも厳重抗議します、そうしてこれははっきりと守らせます、こういうことをおっしゃらないと、今後この
委員会でも
行政協定に議論が入っていくでしょう、そうした場合、合意議事録とか、あるいは合同
委員会の決定とかいうものをいかにお出しになってみたって、ははあ、また例のやつかということになってしまいますよ。やはり私は、
行政協定を厳格に実施するというあなた方の側からのお
態度があっていいのじゃないか、何でも私たちの
質問を申し上げることについては、なるべく認めまい、なるべくそらしていこう、そうして
行政協定その他はうまくやっていこうなどという
態度自身が、あなた方と私たちの間の共通の基盤を失わせるものじゃないだろうかと思うわけです。事はごく部分的なことを私たちは伺いながら、実は全般の問題につながるあなた方の心がけの問題を伺っているわけです。
総理、いかがでしょうか。