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滝井委員 そうしますと、これはたきぎをとったり、ドライ・ドックを使うというような、それだけのことですか。この条文を見ますと、まあ、たとえば
——たとえばがなかなかはやりますが、やはり基地というものは、軍隊の流動性にかんがみて、
相当あいてくるという形が出る。特に、最近におけるミサイル兵器の発達で、基地というものは非常に敵の奇襲に弱くなってきているのです。だから、国連では、奇襲の問題というものが、軍縮の
一つの大きな議題になっておるわけです。基地というものは奇襲に非常に弱くなっている。たとえば第七艦隊の
状態を見ても、一定のところにきちっとおることがない。絶えず流動しております。さらに、
日本における飛行機だって同じです。これは動いています。たとえば
アメリカの最近の新しいポラリス、いわゆるミサイルを持ったポラリスあたりでも、六十日も海底をもぐっておるのですよ。さらに、グアム島の戦略空軍というものが
日本に飛んできたときに、彼らは
日本には着陸する必要がない。どうするかというと、三沢の飛行場の基地から今度は石油を補給する空中補給機が飛び立って、そして空中で油を補給してしまうのですよ。ただ、使用するのは、そういういわゆる基地として使用する。こういう形になると、いわゆる奇襲に対する抑制力としての軍隊というようなものは、第七艦隊、あるいはポラリス、あるいはグアム島から飛んでくる戦略空軍に対して、
日本の三沢基地から空中の補給をやる、こういう
状態を考えてみると、
日本の基地というものが、ほんとうの戦闘作戦行動として使われる場合というものは、非常に少なくなる
状態というものが出てくるわけです。そして
日本は基地というものを貸しておるけれども、実際にそこに
アメリカの軍隊というものは少ない。いざ鎌倉というときには、
日本が爆撃されてどうにもならぬという
状態になってしまう。すなわち、
日本は不当な戦争にだけ巻き込まれて、なかなか
日本はうまくいかないという事態が出てくるのです。これは最近における軍隊の
一つの傾向ですよ。いわば姿なき軍隊という形が出てきておる。そしてしかも、基地でもみんな地下にもぐってしまっておる。ミサイルその他の基地というものは地下にもぐってしまっておる。
日本だって、最近は、稚内その他でもずいぶん地下壕を作っておるはずです。やはり地下にもぐって、上にはなくなっておる。従って、こういうように軍隊の性格が変わってきて、駐留軍という常時駐留の姿というものは、だんだん少なくなってきておることは、
日本にいる五万二千の軍隊の
内訳を見ればわかります。しかも、それは基地として使用していく、こういう形です。たまに使用する、こういう形が出てきておるわけです。これを総理はこの
条約を結ぶにあたって一体どうお考えになりますか。こういうように変わってきております。