○堤(ツ)
委員 私は、誤解のないようにしていただきたいと思うのですが、私
たちは、初めから、日米
安全保障条約の改定をすると、アメリカが百パーセント
日本をごまかそうとしてこれに取り組んでおる、こういう悪意を持って
質問しておるのじゃない。竹谷
委員もおっしゃいましたように、やむを得ぬ場合に、
日本を欺かざるを得ない場合がないとも限らない、そういうときに一体どうなるか。しかも、そうした瞬間に戦争に巻き込まれる危険が
日本にあるということが、この
条約の不信になっておる
中心だと私は思うのです。午前中に岸さんが
お答えになったのをうまくまねられまして、そうして、アメリカを信用するのでなければ、この
条約は成り立たないというところにお逃げになりますけれども、何だか私
たちがこの
条約を拝見しておりますと、アメリカの言う
通りのケースで、このケースは核武装しておらないのだ、このケースは任務を帯びておらないのだと、
向こうの一方的な通告によって、ああ、そうですか、ああ、そうですかといって、
向こう様が好きなように基地を使い、戦闘作戦行動の目的を持って
日本から働きかけられるような場合が多分にある。しかも、おかしいことには、この間、私がこういう
質問をいたしました。もし、沖縄にいざこざが起こったといたしまして、
日本からまっすぐに出ていくときにはどうかといえば、これは
事前協議の対象になるとおっしゃった。ところが、
事前協議の対象になるのがめんどうくさいから、一ぺんお義理で台湾へ寄らせて、台湾から沖縄に向かうときはどうかと言ったら、これは
事前協議の対象にならないと、まるで子供だましのような
答弁をしていらして、
国民にはなかなかこれは釈然としないわけです。こういう点につきましては、いかにアメリカを信頼するから間違いはないのだとおっしゃいましても、私は、
国民のほとんどは百%
政府を信用することができない、こう思うのでございまして、もう少しはっきりした
日本の立場というものが示されなければならないと思います。一体、任務を帯びておるのか帯びておらないのか、核武装をしておるのかおらないのかというような確認を
日本がする資格も与えられておらなければ、積極的な
方法もお持ちになっておらないで、アメリカの通告による、アメリカの通告によるというようなことでは、
国民は納得いたしません。そこのところは何とかしなければならないのじゃないかという問題が起こっておりますから、繰り返し繰り返し
質問が行なわれておる、私はこう思うのでございます。もう少し
国民にはっきりとするように答えていただいて、もし、それで
国民が納得しないものならば、何かはかの
方法が要るのではないか、こう私は
考えるわけでございます。