○高橋(通)
政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、一九五〇年六月二十五日の決定で、御
承知の
通り、北鮮は侵略国であるという決定が行なわれておるわけでございます。それから、次の六月二十七日に、「緊急な軍事
措置が必要であることに留意して、……
国際連合加盟国が、武力攻撃を撃退し、且つ、この地域における
国際の平和及び安全を回復するために必要と思われる
援助を大韓民国に
提供するように勧告」をいたしておるわけでございます。これは全部御
承知の
通りでございますが、それから一九五〇年の七月七日には、「前記の安全保障
理事会の
決議に従って、兵力その他の
援助を
提供するすべての
加盟国がこれらの兵力その他の
援助を合衆国の下にある統一司令部に
提供することを勧告」いたしております。このような三つの
決議が、朝鮮に関する
国連の
行動の基本原則となっておるわけでございます。
それから、ただいま御指摘の点の、その前に米国軍が活動いたしたということは、時間的には、そのような時間的なずれがございました。しかし、これは
アメリカ軍の
自衛権に基づく
行使であるということをいわれております。それから、それに対して問題があるといたしましても、その後のこの三つの
決議によって、これが完全に合法化されているわけでございます。ただ、もう
一つの点は、欠席をしたということでございますが、これは御
承知の
通り、ソ連が安保
理事会の
行動を、ずっと従来まで組織的にボイコットしていたわけでございます。そこで、このように組織的にボイコットして、完全に安保
理事会の
行動を不能に陥らしめるというふうな場合には、これはいわゆる拒否権の
行使であるとはわれわれは
考えられないというのが、
国連における一般の世論になっている、私はこのように
考えております。
それからもう
一つ、これは勧告であって、決定ではないじゃないかということでございますが、確かに
国連の決定はいたしておりません。しかし、このような勧告を行なうことができないのだと、それを禁止している
規定は、
国連憲章にはないのでございます。従いまして、決定でなく勧告でもこれはできる、このように
考えております。