○
飛鳥田委員 疑う方がどうかしているという
お話ですが、あなたを襲撃する
練習をしている、だがしかし、
現実にはまだ短刀もピストルも持っていないが、ときどきあなたの家の回りを回って
練習をしている、こういうのなら、当然疑うのがあたりまえじゃないでしょうか。私は、今のような
核装備に関する
事前協議の
やり方では、外堀を埋められてしまうまで気がつかない、こういうことになると思います。現に先ほどのフェルト氏は、太平洋軍は重要な
役割を果たすことができる、こうちゃんと
証言をせられておるわけです。そしてまた、アーウィン氏は、くどいようでありますが、
日本に対して
核兵器基地の設置に対する
態度を変更させるような圧力をかけるべきである、こう言っておられるわけです。こういう
状況の中で、その程度で問題が片づいていくことについて、
日本国民も納得できない。また、諸外国も
日本の立場というものを理解できないに違いない。はなはだ失礼でありますが今のあなた方の御説明では、
政府の自己満足に終わってはいないだろうか、こういう疑問をはさまざるを得ない
状況です。
核装備についての
事前協議について、私はずいぶん事実をあげて申し上げました。そこで、少し横道にそれますが、
一つだけ聞かしていただきたいと思います。
日本に
核兵器を持ち込むときには拒絶をする、しかし、
沖縄に持ち込むことについては、ともかく、向こうが支配権を持っているところだから、これは拒否できない、仕方がない、こうおっしゃったのですが、私は、これはできるんじゃないか、こう
考えるのです。と申しますのは、
総理も再々述べておられますように、
沖縄に対して
日本は潜在主権を持っている、こうおっしゃるのです。
日本が潜在主権を持った
段階において、一応この潜在主権を侵さざる範囲内における事実上の支配を
アメリカがしておる、こういうことだろうと思います。もし、しかりとするならば、
核装備そのものを全島に施すことは、一たん
全面戦争になりました場合、
沖縄はその形骸をとどめなくなってしまうんじゃないだろうか。こちらから攻める場合だけを
考えていれば、それはけっこうですが、向こうからも
報復爆撃を受けることが可能でしょう、あり得ることでしょう。これだけ全島
核装備された島をやっつけるのに、そう手軽な
攻撃があるとは
考えられません。もし、そうだとすれば、どんなに島民の福祉に対してできるだけの措置はとるとおっしゃっても、
沖縄島民は全滅するでしょうし、また、
沖縄の山河はその姿をあらためてしまうに違いない。いや、島自身がなくなってしまうかもしれません。潜在主権というものは、
アメリカが平和
条約の
趣旨に対して違法な処分をしたときには、これに対して抗議を申し込むことのできる権利だろうと思います。もしそうだとすれば、
沖縄全島民が死滅してしまうかもしれないようなこの全島
核装備化、あるいは
沖縄全島がこっぱみじんに飛んで地図の上から姿を消してしまうかもしれないような、そういう結果をもたらす危険のある
沖縄全島
核装備化、これは当然潜在主権を侵すものではないでしょうか。そういう意味で潜在主権を脅かされる、侵されるものとして、あなた方は
アメリカに対して、
沖縄に対する
核装備持ち込みについては抗議を申し込むべき法律上の権利がある、こう私は思うわけです。それをただ、どうも相手が支配をしているから仕方がない、こういうお
考えをなすっておったのでは、ちょっと困るのじゃないか。いや、むしろ、この際は、ほんの少しでも根拠があれば、明確に
アメリカにこのことを申し込んで、あなたのおっしゃる、
沖縄が
日本に復帰するチャンスをつかむ端緒としていただく必要があるはずです。そういう努力の端緒にはなれるはずです。そういう意味で、私は、なぜ
沖縄に対して
核装備を持ち込むことについて、仕方がないとあきらめてしまっておられるのか、これは
事前協議とはいささか離れますけれ
ども、ついでのことでありますから、伺っておきたいと思います。まず、潜在主権に抵触をしないか、そうして
沖縄全島八十万の人民のために、
核装備に対しては断固として反対する意思を表示する御意思があるかどうか、そうしてそれを端緒として、
日本に施政権の戻ってくるような交渉をなさる意思があるかどうか、こういうことを伺いたいと思います。これが実は、今まで再々
石橋君と私が聞いて参りました
事前協議に対する
政府の
態度の根底を流れているものと一致するのではないだろうか、こう
考えるわけです。いかがでしょう。