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1960-03-22 第34回国会 衆議院 日米安全保障条約等特別委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十五年三月二十二日(火曜日) 午前十一時四十七分
開議
出席委員
委員長
小澤佐重喜
君
理事
井出一太郎
君
理事
大久保武雄
君
理事
櫻内 義雄君
理事
椎熊
三郎君
理事
西村 力弥君
理事
松本
七郎
君
理事
竹谷源太郎
君
安倍晋太郎
君 愛知 揆一着 秋田 大助君 天野 光晴君
池田正之輔君
石坂 繁君 鍛冶 良作君 鴨田 宗一君
賀屋
興宣
君
小林かなえ
君
田中
龍夫君
田中
正巳君
塚田十一郎
君
渡海元三郎
君 床次 徳二君 野田
武夫
君 服部 安司君 福家
俊一
君 古井
喜實
君
保科善四郎
君 毛利 松平君 山下 春江君
飛鳥田一雄
君 石橋
政嗣君
岡田 春夫君
黒田
寿男
君
田中
稔男
君
戸叶
里子君
穗積
七郎
君 森島 守人君 横路 節雄君 大貫 大八君 堤 ツルヨ君
出席国務大臣
内閣総理大臣
岸 信介君 外 務 大 臣
藤山愛一郎
君 国 務 大 臣 赤城
宗徳
君
出席政府委員
内閣官房
副
長官
松本
俊一
君
法制局長官
林 修三君
防衛政務次官
小幡 治和君
防衛庁参事官
(
防衛局長
) 加藤 陽三君
調達庁長官
丸山 佶君
外務事務官
(
大臣官房審議
官) 下田 武三君
外務事務官
(
アメリカ局
長) 森 治樹君
外務事務官
(
条約局長
) 高橋 通敏君
委員外
の
出席者
専 門 員 佐藤 敏人君 ――
―――――――――――
三月十九日
日米安全保障条約改定反対
に関する請願(
黒田
寿男
君紹介)(第一三七四号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
三月十八日
日米安全保障条約改定反対
に関する
陳情書
(第三九 六号) 同 (第五 四一号)
日米安全保障条約
の
批准促進
に関する
陳情書
(第三九七号)
日米安全保障条約改定
に関する
陳情書
(第四八〇号) 同 (第四九九号)
日米安全保障条約改定反対等
に関する
陳情書
(第四九 八号) 同 (第五一四号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
案件
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
の
締結
について
承認
を求めるの件 (
条約
第一号)
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく
施設
及び
区域並び
に
日本国
における
合衆国軍隊
の
地位
に関する協 定の
締結
について
承認
を求めるの件(
条約
第二 号)
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約等
の
締結
に伴う
関係法令
の
整理
に 関する
法律案
(
内閣提出
第六五号) ――――◇―――――
小澤佐重喜
1
○
小澤委員長
これより
会議
を開きます。
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
の
締結
について
承認
を求めるの件、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく
施設
及び
区域並び
に
日本国
における
合衆国軍隊
の
地位
に関する協定の
締結
について
承認
を求めるの件、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約等
の
締結
に伴う
関係法令
の
整理
に関する
法律案
、以上の各
案件
を一括して議題といたします。 前会に引き続き
質疑
を行ないます。
黒田寿男
君。 〔
議事進行
と呼び、その他
発言
する者、離席する者多し〕
小澤佐重喜
2
○
小澤委員長
黒田
君。
黒田寿男
3
○
黒田委員
実は、本日は、社会党といたしましては、
安保特別委員会
の他の
委員
によりまして
条約
に関する
質問
をする予定であったのでありますけれ
ども
、この前の
委員会
のありました
あと
、私
ども
の目から見ますと、自由党にいろいろな内部の
動き
が起こって参りまして、それと関連いたしまして、
安保条約
に関する重要な
事項
について、
総理
ないし
政府
の御
見解
に
変化
が生じたのではないかと思えるような
事態
になったように観測いたします。
修正
が行なわれようとしておるというように伝えられておるのであります。そこで、もし伝えられるごときものであるといたしますならば、国家の安危に関する重大な新
安保条約
の
審議
に対処する
態度
といたしましては、私
ども
、
岸総理
の
態度
に理解しがたいものがあるように感ぜられるのでありまして、はたして伝えられるごときものであるかどうかということは、どうしても一応確かめておかなければならない、そういう必要を感じましたので、きょうは、この点に関しまして、いわば
緊急質問
というような
性質
を持った
質問
といたしまして、私ほか何人かの
委員
が
質問
することにしたのであります。私
自身
について、御了解を得ておきたいと思いますけれ
ども
、この新
安保条約
に関連しましては幾多の
問題点
があると
考え
ておりますし、これは後日何回にでもわたりまして私
自身
徹底的に
質問
をしてみたいと思っております。しかし、きょうは先ほど申しましたような
問題点
にのみ
質問
の
範囲
を限定いたしまして、他の諸問題につきましては後日に
質問
を留保することにいたします。 私
ども
がこの際特に
総理
に、及び
外務大臣
に対しても同様でありますが、お伺いしておきたいと思いますことは、次の事実についてであります。去る十八日の
都下
の各
新聞
に、一斉に次のような
記事
が掲載せられております。それは、自由民主党の
三木武夫
氏は十七日の午後三時過ぎに
首相官邸
に
岸首相
を訪問されまして、帰国のあいさつを述べられるとともに、新
安保条約
に関し、重要な
事項
について
進言
をされた。その
一つ
は、
新聞
の伝えるところによりますと、
極東
という地域の
範囲
に、問題の
金門
島及び
馬祖
島、この
両島
を含めるという、従来の
政府
の
統一見解
を早急に訂正すべきこと、これが
一つ
であります。どういう
理由
でそういう
進言
をされたかというと、これも
新聞
で読んだのでありますが、
新聞
の伝えるところによりますと、
金門
、
馬祖
は
日本
の安全と直結しないから、
極東
の
範囲
から除外すべきである、こういう御
意見
であったように思います。これは
あと
から
外務大臣
にも
質問
いたしますが、
外務大臣
が昨日
参議院
の
予算委員会
において述べられた
見解
と違うのです。
藤山外務大臣
は、
金門
、
馬祖
は
日米共同
の
関心
の的になるのだ、こういうような御
答弁
を昨日
参議院
における
予算委員会
でなさっておられます。とにかく
三木
さんはこう言われる。
金門
、
馬祖
は
日本
の安全と直結しないから、
極東
の
範囲
から除外すべきである。そして、その次も相当重要な御
意見
だと思いますが、こう言われている。もともと
極東
の定義は抽象的にすべきである、
一つ一つ
の島をあげたことは
——
こういう
説明
の仕方を
政府
がしたことは適当ではない、こういう
理由
で
極東
の
範囲
に
金門
、
馬祖両島
を含めた従来の
政府統一見解
を早急に訂正すべきである、こういうように
進言
された。これが
一つ
であります。 それから、いま
一つ
は、
日本
の安全に直結しない
在日米軍
の
軍事行動
には、
事前協議
の際、絶対に同意すべきではない、
事前協議
については厳格な
解釈
と確固たる
態度
をもって臨むべきである、こういう
方針
で臨みさえするならば、
極東
の
範囲
というようなものは
抽象的表現
でよいというのが、
三木
氏の
進言
の
内容
のようであります。これは私
ども新聞
で読んだのでありますから、必ずしもその
通り
の
表現
になっているかどうかということは、私
自身三木
氏
自身
について確かめたわけではございませんが、少なくとも、
新聞
において報ぜられております
内容
を総合いたしますと、これは
都下
の全
新聞
が発表いたしましたもので、私も全
新聞
に目を通して見ましたが、大体
新聞
の報ずるところは、今私が申し上げましたことで要領を尽くしておるのではなかろうかと思うのです。この各
新聞紙
の
報道
するところを総合いたしますと、今申しました
通り
、
三木
氏の
進言
は大体以上で尽きると思うのでございます。
三木
氏がどのような
進言
を
総理
に対してなされようとも、それは
三木
氏御
自身
の御自由でありまして、私
ども
これをとやかく言うべき限りのものではありません。むろん、批評すべきものがあれば批評し、反対すべきものがあれば反対するというだけのことでありまして、わざわざ
国会
の
安保委員会
におきまして、
三木
氏の言動としてこれを問題にするというような
性質
のものではないと思います。しかしながら、問題は、この
三木
氏の
進言
に対しまして
岸首相
のとられました
態度
に私はあると思う。
三木
氏の
進言
に対する対処の仕方に、私は問題があったと思うのです。何ゆえに
岸総理
の
態度
を私
ども安保条約
の
審議
に
関係
しておる者といたしまして問題にしなければならないかと申しますと、それは
新聞紙
が次のように
報道
しておるからであります。 今まで私が申し上げましたのは、
三木
氏の
進言
の
内容
だけであって、これから申しますのは、
三木
氏の
進言
に対し
岸総理
がいかなる
態度
をもって対処せられたかについてであります。これは
新聞
に書いてあることを申し上げるのであります。それによりますと、
三木
氏の
進言
に対し、
岸首相
は
賛意
を表明された。そして適当な
機会
に、
国会
において
与党質問
に対する
答弁
という形で
補充説明
を行なおうという意向を明らかにされた。その
補足説明文案
ができ次第、
三木
氏に
事前
にこれを内示することをお約束された。早ければ来週末、今から申しますれば、これは今週末ということになるのでございますが、今週末の
衆議院
の
安保特別委員会
で
説明
が行なわれる模様である、こう報じておるのであります。私の
質問
をより正確に、かつ、無
責任
にならないようにいたしますために、他の
新聞
の
記事
をも引用してみますと、
新聞
の名前は一々申し上げませんが、他の
一つ
の
新聞
はこういっております。「
岸首相
は
三木
氏の
発言
に同意し、近く
国会
で
与党質問
に対し
三木
氏の所信に沿った
答弁
を行なうことを約束した」このように伝えております。それからまた、他の一
新聞
も、「
三木
氏の
進言
した二つの点に対し、
岸首相
は
衆議院安保特別委員会
で新しい
統一見解
を述べることを約した」、「新しい
統一見解
」という
言葉
を用いております。こういう
言葉
を用いまして、そういう新しい
統一見解
を述べることを約束した、こういうように
報道
しております。その他の諸
新聞
は略しますが、しかし、大体同様のことを報じております。私
ども
のように
日本
の
新聞紙
の
報道
を信ずる者といたしましては、以上の
報道
は信用すべきものと
考え
ておるのであります。 そこで、
首相
及び
外務大臣
に
質問
いたしたいと思いますが、第一は、
新聞紙
の報ずるような事実があったかどうか、その
真相
をそのままお伝え願えればけっこうだと思います。 ぞれから第二は、もし
新聞紙
の
報道
するがごときものでありとしますれば、私
ども
少し合点のいきませんことは、
岸首相
が
三木
氏に対し、
新聞報道
として伝えられておること、それを私は御紹介申し上げましたが、そのように答えられたにつきまして、時間の
関係
から見まして、
外務大臣
と
話し合い
をされた上でなされたという時間
的余裕
はなかったと私
ども
は見るわけであります。
外務大臣
ないし
外務省
の
幹部諸君
の
意見
を徴せられる時間
的余裕
は、物理的になかったと私
ども
は
考え
るわけです。私は、別に
外務大臣
や
外務省
の
幹部諸君
の肩を持つとか、擁護するとかいうことではございませんけれ
ども
、
外務行政
の
やり方
といたしましては、一応こういう
態度
は問題になる
態度
ではないかと私は思うのであります。
外務大臣
や
外務省
の
幹部諸君
に、
極東
の
範囲
という問題について、
新聞
の伝えるところによりますと、今までの
統一解釈
を改める、
修正
するということになる、そのような問題について、
外務関係
の人々に
意見
を徴せられることなくして、
岸首相ただ
一人でその場で判断されて、会見の席上で直ちに、私がただいま申し上げましたような回答を
三木
氏に対してなされたのではないかと思いますが、だれにも相談しないで、
三木
氏にそういう
意思表示
をされたのであるかどうか、
日本
の
外交
を推進する
当路者
の
態度
といたしまして、私
ども
もこれをぜひ聞いておきたいと思うのであります。昨日、
参議院
の
予算委員会
で、
島清議員
は、
藤山外務大臣
に対し、次のような
質問
をしたのであります。すなわち、
極東
の
範囲
について「
三木武夫
氏が
岸首相
に
金門
、
馬祖
を含めないように
進言
し、
首相
もこれを了承したと伝えられるが、
政府
の
統一見解
を変えるのであるか」こう
質問
いたしましたのに対して、
藤山外務大臣
は「変更する
考え
はない」こう答えておられました。さらに、具体的に「
金門
、
馬祖
は
極東
の平和と安全を守る目的の
範囲
に入るのか」という
島議員
の
質問
に対しましては、
藤山外務大臣
は「
金門
、
馬相
で紛争が起これば、
極東
の平和と安全を守る上で、
日米共同
の
関心
を持たざるを得ない」、これは先ほど申しました
三木
氏の
金門
、
馬祖
に対する
考え
方と私は違うように思うのですが、そういうように
お答え
になりまして、
金門
、
馬祖
は
極東
の
範囲
に入る、そういう
お答え
をしておられるのであります。これを見ますと、第一に、
首相
には、
極東
の
範囲
について
統一見解
を
修正
されようとする御
意思
があるように察せられます。これは今までのこの問題に対する
政府
の
態度
にかんがみまして、万一この際、そういうことがあるといたしますれば、変更した
内容
のよしあしは別といたしまして、
政治的責任
を持って
国会
で一々
答弁
に当たらなければならない
地位
に立っておいでになります
総理大臣
といたしましては、私
ども
の
見解
からすれば、重大なる食言になるのではないかというように
考え
られるのであります。このことをお尋ねします。 それから第二に、一方において、
岸首相
には
統一見解
を
修正
しようとする御
意思
があるようであり、他方、
藤山外務大臣
は、
統一見解
を維持しようとしておられるように
考え
られます。このことは、昨日の
参議院予算委員会
の
答弁
によって明らかであります。そういたしますと、そこに
首相
と
外務大臣
との間に
極東
の
範囲
についての
見解
に食い違いが生じつつあるのではなかろうか。一応
新聞
を通じて
事態
を見せられております私
ども
は、常識をもって見る者であれば、こういうように疑わざるを得ないのでありまして、これを問題にしておるのであります。このこともぜひ確かめておかなければならぬと
考え
ておるのであります。 そこで
質問
をいたしますが、私は、
順序
といたしまして、
総理大臣
に
お答え
を願う前に、先に
藤山外務大臣
にお伺いをいたしますから、御
答弁
を願いたい。
藤山外務大臣
は去る十七日ごろに、
岸総理
から
三木
氏に答えられたと
新聞
に伝えられておるような
事項
につきまして、
総理
が
三木
氏に
意思表示
をされる前に、何か
外務大臣
として
意見
を求められましたかどうか、このことを、まず
外務大臣
にお尋ねをしてみたいと思います。
藤山愛一郎
4
○
藤山国務大臣
御承知の
通り
、私は数日
病気
でもって東京におりませんで、一昨晩帰って参りましたので、その話の
内容
については存じておりません。
黒田寿男
5
○
黒田委員
御
病気
でお休みになっておったということでございますけれ
ども
、これは重要な問題でございますから、出てこられなければ、電話で
意見
を聞いてみるという方法も、
首相
にその
意思
があれば私はなし得たと思いますが、そういうこともありませんでしたか、
外務大臣
にお尋ねします。
藤山愛一郎
6
○
藤山国務大臣
病気静養
中でございますから、秘書官に一切連絡をしないようにということを申しておいたのであります。
黒田寿男
7
○
黒田委員
これは重要な問題でございますから、
外務大臣
の御感想を承っておきたいと思いますけれ
ども
、こういう問題について、今まで
総理大臣
も
外務大臣
も
——野党議員
の執拗なと思えるまでの
質問
に対して、もうこれで
政府
の最後の
統一見解
だ、こう言っておられるその
見解
に、これは
岸総理大臣
が、
あと
からどういう弁解をされるかわかりませんが、少なくとも、
新聞
の報ずるところによりますと、相当に重要な
変化
が起ころうとしておる。
政府
の
方針
としてそういうことが行なわれます場合に、
外務大臣
の
意見
を聞かないで
総理
がそういう
意見
を述べられるというようなことをされて、一体
外務大臣
の
責任
がとれるのでしょうか。あなたはこういう
事態
に直面して平気でおられるのですか。多少自尊心があれば、こういう
やり方
については一言なかるべからずというところだと思うのでありますが、これはどうですか。(「
総理大臣
に
質問
しろ」と呼ぶ者あり)だれに
質問
するかということは、私の勝手です。私の方は、私の
方針
があって、
順序
をこうやっておるのです。どうですか。
藤山愛一郎
8
○
藤山国務大臣
平素、
総理
と私とは、このような問題について
意見
の交換を率直にいたしておりますし、
話し合い
をいたしております。従いまして、むろん、
先ほどお話
のありましたように、党内の党人の方が
総理
に会われていろいろな
進言
をされることは当然のことだと思います。それに対して一々気を使っておりましたら、からだが持ちません。(笑声)
黒田寿男
9
○
黒田委員
私は、
外務大臣
がただいまのような御
答弁
をなさるのは、みずからを軽べつするものだと思います。(「その
通り
」と呼び、その他
発言
する者多し)あなたは、それで一
通り
答弁
したとお
考え
になるかわかりませんが、私
ども
から見れば、何という無視された
外務大臣
だろう、こう思う。むろん、
岸総理大臣
に対していろいろな
政治家
がいろいろと
進言
をするということは、それまで一々
外務大臣
が気を配っておっては、これはやり切れないでしょう。けれ
ども
、その
進言
に基づいて
外務大臣
の管掌されておる政務と重大なる
関係
のある
事項
について、しかも、
国会
においてたびたび約束しておるそのことが変更されるというようなことについて、今のような御
答弁
でよろしいとお思いになっております
外務大臣
に対しては、そんなことをおっしゃると、みずからを軽べつするものであると申し上げたい。決して私は
外務大臣
の
悪口
を言うのではありません。
日本
の
外務行政
を行なうにあたりまして、こういうふうに
外務省
が無視された
外交
が行なわれていいものかどうかということを、客観的に
考え
て申し上げたのであります。 〔
発言
する者多し〕
小澤佐重喜
10
○
小澤委員長
静粛に願います。
黒田寿男
11
○
黒田委員
委員長
、私は、ちょっと御注意をお願いしたい。ヤジられるのはけっこうだと思いますけれ
ども
、
理事
は黙っておっていただきたいと思います。
一つ
御注意願いたい。今後、ことに
理事
は
発言台
に距離的に一番近くにいるので、その声が一番やかましく聞こえるわけですから、遠くへ行っていただくか、そうでなければ、沈黙するか、それを
一つ
御注意願いたいと思う。こういう
態度
では困る。
小澤佐重喜
12
○
小澤委員長
理事
も
委員
も、どうぞ静粛に願います。
黒田寿男
13
○
黒田委員
私は、
外務大臣
にもうそれ以上聞きません。率直に言えば、そういう意気地のない
外務大臣
でははなはだ心細いわけです。私は
悪口
を言うために言うのではなくて、むしろ、
外務省
のためにこれを言っているのですけれ
ども
、その誠意が通じないのですから、やむを得ません。 それでは、
外務大臣
に対する
質問
は、この問題に対してはこれで打ち切りまして、
総理大臣
に
お答え
を願いたいと思うのであります。 その前に、ちょっと
外務大臣
にもう
一つ
ですが(「それでは黙っていられなくなる」と呼ぶ者あり)これは事柄が違うから……。 〔
発言
する者多し〕
小澤佐重喜
14
○
小澤委員長
静粛に願います。
黒田寿男
15
○
黒田委員
外務大臣
に絶対に
質問
しないと言ったのじゃない。あのときは
病気
であったと言われるのですけれ
ども
、十七日から今日の間に若干の日にちは経過しておりますが、その間に何か右の
事項
について
総理
から
意見
を求められたようなことがあったのでありましょうか。ありとすれば、昨日の
参議院予算委員会
における
外務大臣
の御
答弁
と、
新聞
に報ぜられておる
総理
それから自民党の
政調会
その他の
幹部諸君
の
動き
との間に開きがあるように思います。これは新しい事実でありますから、
外務大臣
、十七日から今日に至るまでの間に何か右の
事項
について
総理
などから
意見
を求められたようなことがあったのですか、どうですか。今日に至るまでもないのですか、それをちょっとお伺いしておきたい。
藤山愛一郎
16
○
藤山国務大臣
先ほど申し上げましたように、私は、一昨日の夜帰って参りました。昨日は、午前十時から夜の七時半くらいまで
参議院
の
予算総会
におりましたので、
総理
に面会をいたす
機会
がございませんでした。今朝
総理
に会いまして聞きましたところによっては、私と
総理
との間に
意見
の違いがございません。
黒田寿男
17
○
黒田委員
それでは、次に、
岸総理大臣
にお伺いいたします。 先ほど申し述べました点はいかがでありましょうか。念のために、もう一度要点だけ繰り返して申し上げておきます。 第一は、事実は、
新聞紙
の報ずるようなものであったかどうか、あまり荒唐無稽な事実なら、むろん、私
ども
それを前提として
藤山外務大臣
にお尋ねするようなことはしないのですが、われわれから見れば、相当信憑すべき根拠があると思いましたから、
藤山外務大臣
に先にお尋ねしてみたのであります。第一に、事実は、
新聞紙
の報ずるようなものであったかどうか。第二は、事実がもし
新聞紙
の報ずるがごとくであるといたしますならば、
外務大臣
ないし
外務省幹部諸君
には
——
今度は
岸総理大臣
の側からの
態度
として承りますが、何ら御相談なしに、直ちに
首相
一人の御判断で
修正応諾
の
意思
を表明されたように観測されるのでございますが、これはいかがなものでありましょう。これは
総理大臣
の権限が法律的にはどうだというような問題について聞くのではありません。政治問題として、
外交
問題の処理の仕方として、
総理大臣
にこの
質問
を私
ども
発せざるを得ない。この気持は
総理
にもよくわかっていただけると思いますが、
一つ
お伺いしてみたいと思います。
岸信介
18
○
岸国務大臣
三木
君が私に
進言
をしましたことは、大体
新聞紙
が報じておるところと同様な
進言
をしたことは事実であります。これに対して私が直ちに
賛意
を表して云々という点は、事実が違っておるのであります。
三木
君のそういうことを言っておる趣旨として、
極東
の
観念
がそもそもばく然とした
観念
であるということは、これはわれわれが従来の
政府
の
答弁
におきましても、時々申しておるのであります。たとえば、東経何度から北緯何度までと言うようなことはできぬとか、あるいは地図にそれを書き込めと言われた場合に、そういうものじゃないのだということを申し上げたなににおきましても、そういう点であります。従って、それが抽象的な
観念
であるということは、大体そういうふうに私
ども
も
考え
ておる。ただ、
政府
としては、すでに十分研究して、
統一見解
を述べておるのであるから、これを変更することはできない。ただ、その間において意を尽くさない点がありとするならば、これをさらに補完して御
答弁
するということは、私
ども
は十分
考え
ます。もちろん、われわれとして、
質疑
に応じて、明らかでない点をさらに補追するということは、これはいい。しかしながら、われわれ
自身
が
統一見解
として述べておることは、変えることはできない。さらに、どういう点について明確にする必要があるかというような点は、
十分一つ関係
の方面で研究してみようじゃないかということを申したのが
真相
でございます。従って、今、
外務大臣
が
答弁
したように、私
自身
がその場において従来の
見解
を変えるというような
発言
をしておりませんし、また、そういう
考え
は持っておりませんから、
外務省
及び
外務大臣
と打ち合わす必要はもちろんなかったわけでございまして、そういう点において、決して
外交
を行なうのについて、
総理大臣
が一存でもって、
外務省
を無視してあらゆるものをきめるというような
考え
は毛頭持っておらないのであります。以上がその
真相
でございます。
黒田寿男
19
○
黒田委員
ただいま
総理
の御
答弁
を承りまして、私はそうあるべきだと思う。そうでなければならぬ。ところが
新聞
は、そうは伝えていない。
新聞
がそう伝えていないだけでなくて、当の
三木
氏が、今
総理
の
お答え
になったようには談話を発表しておられないのですから、ここにやはり私
ども
は一まつの疑念を払拭することのできないものがある。これもいいかげんなことを申しましてはいかがかと思いますので、
新聞
で私はその点よく注意して読んでみたのです。
三木武夫
氏はこう言っておられる。
新聞
の名前まではここで申しません。必要があれば、
新聞
の名前も日付も申しますけれ
ども
、ここでは必要はないと思います。東京の有力な
新聞
でございますが、それには、
三木武夫
氏談ということで、談話が載っております。それは
総理大臣
に面会されたその直後、
新聞
に発表せられておる
三木
氏の談話でございますが、それによりますと「安保に関する私の
考え
に対し、
首相
は処置しようと約束してくれた」こういうことを言っておられます。
三木
氏の
進言
の
内容
は、私が
総理
にお伺いをいたしましたが、大体その
通り
だという
お答え
であったのです。それに対して
三木
氏は、安保に関する私の
考え
に対し、
首相
は処置しようと約束してくれた、その
あと
は必要はありませんが、まだ、そのほかに多少の談話が続いております。そう言っておられるのです。これはある
新聞
の
記事
です。もう
一つ
の
新聞
は、これは単なる
三木
氏の談話ではない、その談話の真実性を証明いたしまする他の方法をもってお話し申し上げてみた方がよろしいかと思いますので、他の
記事
を引用します。それには
——
これも東京の有力なる
新聞
の
一つ
が、こういう
記事
を載せておる。見出しは「新安保の補足
説明
了承」、わき見出しに「松村・
三木
派と」こうしてありまして、「自民党の松村・
三木
派は十七日夜東京赤坂の料亭で会合、岸・
三木
会談で一致した
事前協議
と
極東
の
範囲
について、
与党質問
に答える形で
政府統一見解
を補足する」
——
方法論は、これは
三木
氏が伝えられた
内容
でありますが、「そういう
やり方
は、松村謙三、古井
喜實
両氏を含めて全員が了承した」こういうように書いてあります。そうすると、
三木
氏が自分で談話を発表しただけでなくて、いわゆる松村・
三木
派と称せられておる人々の間にも、この話を報告としてされている。そして、それらの人々、松村謙三氏初め全員が了承した、こういうように報ぜられておるのであります。これもちょっと
総理大臣
が今
お答え
になったのと違うわけですね。そこに私
ども
問題があると思います。先ほど
総理大臣
がおっしゃったようなことであれば、私は、それは当然の
態度
であると思いますけれ
ども
、どうもそうでなかったように思う。そこに何か政局に関するある気持が動いているのではないかということをも、私
ども
推測するわけでありますが、これは
あと
から申し上げた方がよいと思います。そういうわけで、ただいま
総理大臣
の仰せられましたことを、どうもそのままに受け取ることのできないような
報道
が伝えられておるのであります。そのほかにも、最近の
新聞
記事
を見ますと、相当
三木
氏の
発言
の線に沿うたような
動き
が自民党の内部で出ており、幹部の間でもいろいろと対処策が講ぜられておるようであります。だから私は、
三木
氏が談話として発表せられましたその
内容
が、その後いろいろと展開される事実から見て、どうも
真相
ではないかというように思えるわけです。だから、
総理
がおっしゃったことが正しければ、
三木武夫
氏がうそを言うておる、こういうことになる。
三木
氏が言うのが正しければ、
総理大臣
のただいまの御
説明
に真実を尽くさないものがあると私
ども
は
考え
ざるを得ない。もう一度、しつこいようでございますけれ
ども
、お聞きしてみたい。
岸信介
20
○
岸国務大臣
先ほど
お答え
申し上げた
通り
でありまして、今おあげになりました
新聞
の
記事
というものと、私が
お答え
申し上げたことと、ちっとも違っておらないと私は思います。というのは、
三木
君の
進言
に対して、私
自身
は、従来の
統一見解
を変えるなにはないけれ
ども
、これが不十分であり、あるいは意を尽くさないというような点において、さらに補完的な、これを補充する意味において
質疑
応答することは、私は十分
考え
てよろしい、ことに
事前協議
に対しては、この
日本
の防衛ということと
極東
の安全と平和ということは、非常に
関係
のあることであり、従って、日米両国がこれに
関心
を持つわけであるけれ
ども
、しかしながら、現実に
日本
の基地を使っての米軍の作戦行動に対しては、いわゆる
事前協議
の対象として、
事前協議
の場合において、たとい
極東
の地域に入っておっても、
日本
の安全と平和に直接、密接な
関係
のないようなところへ米軍が作戦行動しようというような場合においては、
事前協議
の際、われわれはノーと言う
考え
であって、いわゆるアメリカの何か
極東
戦略なるものに
日本
が巻き込まれるというようなことは、絶対にしないつもりであるという点におきましては、私は、従来もそういうつもりで
答弁
をいたしておりますけれ
ども
、明瞭ならざる点があるし、また、
極東
の
範囲
というものは、先ほど申し上げましたように、本来ばく然たるものであって、従って、線を引くとか、あるいはどの島が入るとか、入らないとかいうことが、本来のなにから見るならば、そういうことを一々取り上げて具体的に
説明
すべき筋のものじゃないという
考え
方についても、私は同感を表しておるわけであります。しかしながら、従来の
統一見解
を変える
意思
は私
ども
持っていないということも、
三木
君に私ははっきり言うておることでありますし、ただ、それを補充するという意味において、明瞭ならしめるという意味において、さらにこの
統一見解
について適当な
機会
に適当な
質問
に対して答えるということは、私も当然了承していることでありますし、また、そうすべきものであるということであって、両方の
意見
の間におきましては相違はない、こう
考え
ております。
黒田寿男
21
○
黒田委員
どうも
総理
の御
答弁
に私納得することができない。
総理
がただいま御
答弁
になりましたことは、矛盾したことを同時に言われたと思う。従来は島々の名をあげておったのでしょう。今まであげておったのです。国後、択捉までもあげた。むろん
金門
、
馬祖
もあげた。島々をあげたのですね。そして、これが
統一見解
だ、こう言っておられる。
三木
氏の方は、そういうことは言うな、ばく然と、抽象的に
極東
という
観念
はそのままにしておく方がいいのだ、半前協議のときに何か対処の方法を研究すればいいのだ、要するに島々の名をあげない方がいい、
金門
、
馬祖
もやはりあげない方がいい。これは
三木
さんの属しておられるといわれております松村さんなどの同志の方々が、みなそう言っておられるわけです。しかし、
政府
は従来島々をあげておるのです。だから、その島々の名をあげておることに
——
島々と言っては抽象的になりますから、端的に言うた方がよろしいのです。
金門
、
馬祖
というような名をあげることに対し、そうするな、端的に
三木
氏はそういうように
進言
しておるのです。
三木
氏は
総理大臣
に会って帰ってきて、安保に関する私の
考え
に対し、
首相
は処置しようと約束してくれたと談話を発表した。だから、
新聞
には
金門
、
馬祖
ということはこれから言わぬようにするのではないかというようなことがもっぱら伝えられておるわけであります。今、島々をあげない方がよろしいと自分は思っておると
総理
もおっしゃる。今までは島々をあげられたのである。違うことを、同じ人が言ってもらっちゃ困ります。その二つの間には矛盾が、合致しないものがある。
三木
氏の
進言
が問題となっておるのです。私は、今の
総理
の御
答弁
は全く何を言っておられるのかわからない、論理に合わぬ。あっちに向いてはいいこと、こっちに向いてはいいことを言うというようなお
言葉
にしか聞こえない。私
ども
には通用しない。だから、それを私
ども
は納得することができません。端的に申しますが、
三木
氏は、
金門
、
馬祖
、こういうものをあげない方がいいというような話をされたのではないでしょうか。
三木
氏は、
金門
、
馬祖
というような名前を具体的にあげて、
総理
に会って話されたということを
新聞
が伝えている。
金門
、
馬祖
を含めるということには
三木
さんは反対だということを言ってきたということが、どの
新聞
にも一斉に伝えられておるわけです。それに対して、
政府
が、
総理
が直ちにそれに応ずるかのごとき
答弁
をされておる、そういう意向を表明されたということも、また
新聞
に伝わっておるのですから、それならそれで、
一つ
の
方針
です。
方針
を変更したと言われるなら、それはそれで
一つ
の行き方である。理屈が通らぬことを言われては困る。
方針
を変えながら、
方針
を変えないような言い方をする、これを聞かされたのでは納得できない。ただいまの
総理大臣
の御
答弁
は納得できません。
委員長
、
理事
の方から、休憩の時間だという御注意がありましたので、午前中はこれで終了いたしまして、午後からまた進行さしていただきたいと思います。
小澤佐重喜
22
○
小澤委員長
この際、四十分間休憩いたします。 午後零時三十九分休憩
——
——
◇—
——
——
〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕