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石川委員 今の問題についてはいろいろ問題点が多過ぎると思いますので、時間を許していただいて、あらためて
質問をする機会を持ちたいというふうに
考えておりますが、きょうはあと
一つ、これは
防衛庁長官に伺いたいのです。実は東海村の上空を飛行機が飛んだという点について、地元としては非常な不安にかられておるということは御存じだろうと思うのです。これは外務省の
関係かとも思うのでございますけれ
ども、
防衛庁長官は茨城県の地元の出身でもございます。そういう
関係で、
防衛庁とも
関係の深いことでもあろうかと思いますので、ぜひ
一つこの点について御配慮をいただきたいというふうに
考えます。もちろん東海村の地元では原研とかコールダーホールとかいうものが次々にできて参っておりますけれ
ども、これはどこの県でも実験炉
一つ作るについても非常な反対があるわけですが、茨城県では全面的にこれに協力するという形でどんどんと工事が進んでおるという結果になっておるわけであります。しかしながら現実に現地に行ってみますと、最近これだけ集中をして一体いいのかどうかというふうな不安にかられておるという点は否定はできません。私はしばらくぶりで一昨日の土曜日に帰りましたところが、地元の方から、飛行機が飛んできたという話に
関連をいたしまして、こういう
状態では非常に不安だ。新聞によりますと、これは少しノイローゼぎみではないかというふうな批判も一部あるようでございますけれ
ども、とにもかくにも実験炉が七つもある。それからコールダーホールの発電炉も現実にできる。一カ所にこれほど集中するという実績と申しますか、それは
世界じゅうどこを探してもないということがいわれておるわけであるし、それから集中の
限度というものも学説としては定説がないのだというふうなことで、非常な不安を感じておるということは、これは無理のないことじゃないか。われわれとしてはもちろん将来の産業、そしてエネルギー構造源としての原子力工業というものの発展に期待をするところは非常に大きいという点で、その限りにおいてはもちろん協力を惜しまない、そういうつもりでおりますけれ
ども、しかし現実に政治家が非常に善意でやったにいたしましても、万一の結果が出れば政治家としてはその結果責任というものは負わなければならないわけであります。と同時に、民主主義下の新しい政治といたしましては、住民によしんば何らいわれのないような不安があったといたしましても、その不安というものを解消してやらなければならぬ、そういう責任が新しい政治家に課せられた
一つの任務ではないかというふうに
考えるわけでございますけれ
ども、この飛行機は現実に原研の従業員も、あるいは現地にいる新聞社の方も実態を見ているわけであります。昨年の十二月の二日に
日本の外務省の
アメリカ局長と
アメリカ側の代表とがいろいろ条件を取りかわしまして、この原研の言うには、現実に射爆演習はさせないという約束を取りつけたわけでありますけれ
ども、今度は現実に飛んでしまった。しかもこの射爆場の飛行機ではないのだというふうなことを
アメリカの方からは回答があって、しからばどこの飛行機かというと、これは黒いジェット機ではありませんが、全然所属不明の飛行機というふうな現実になっておるわけです。現地の住民といたしましては、万が一この飛行機が墜落をするということによって実験炉の
一つでも破壊をされれば、水戸あるいは日立というふうな工業地帯や住宅地域というものはもう汚染されてしまう。さらにまたコールダーホールというふうなものが爆発をすればこれは言わずもがな、神奈川県あたりまで汚染されてしまうという非常な危険度を持っておるということは、今さら私たちが申し上げるまでもないのでありますけれ
ども、それだからこそ最近の誤投下という問題も出ておりますし、この飛行機が現実に原研上空を飛ぶということになりますと、非常に焦燥感、不安を感ずるということも無理はないと思うのです。これは決して軍事基地に対して反対をするとかいうような
意味で私は申し上げているわけではないので、たとえば原子力を中心とする周辺都市整備法案というものを出そうと思っても、現実に射爆場というものが障害になって、なかなか行き悩みになっておるという事実も否定することはできないと思います。
それで時間がありませんから、私は簡単に結論だけ希望条件的に申し上げたいと思うのでございますけれ
ども、さしあたり
アメリカの射爆場の演習用の飛行機ではないということを
アメリカの補助飛行場の隊長は言っているわけです。電波の波長も違うし、連絡がとれなかったから、そういう点から見ても
アメリカの飛行機ではないらしいと言うけれ
ども、さてどこの飛行機かわからぬ。今F100、B57というのが現実に演習用に使われておる機種のようでありますが、F100は最近は来ておらない。かといってB57でもないらしいというようなことで、航空機がどこから飛んできたやらわからぬ。その点
防衛庁の方でおわかりになっておれば
一つ教えてもらいたいということがまず第一点であります。
それから今申し上げましたような
事情で
アメリカの方との射爆訓練の協定をかわして、原研の上空は飛ばないという約束を取りかわしたわけでありますけれ
ども、しからば
アメリカの射爆訓練以外の飛行機、こういうものが飛んでくる不安が新たに出てきたわけであります。従って御
承知のように定期航空路のもとにおいては、原子炉の設置はどこにも作っておらないというように、非常に慎重に
考えておるのでありますけれ
ども、
日本の飛行機もここは飛ばさないのだ、あるいは
自衛隊関係の航空機もここは飛ばさないのだという約束もあわせて取りつけないと片手落ちであり、また非常に不十分であるということになるわけであります。従ってこの点について
防衛庁長官はどういうふうにお
考えになっておるかということを第二点として伺いたい。
それからさらに先ほど申し上げたように、原子力周辺都市整備法案というものとも
関連をいたしまして、あの地方の産業開発とも
関連をいたしまして、将来はどうしても射爆場があっては不安でかなわぬ。正直言いまして非常に反対があるものを、消極的にそれをなだめるということもやっておったつもりでありますけれ
ども、とにもかくにも現在はどんどん集中してくることに対する非常な不安が出てきたということは無視できないと思う。その不安を解消する
意味においても、産業開発という
意味においても、将来はどうしても射爆場はどこかに移転するか、あるいは返還をするということにならないと、現実に原子力都市の周辺の発展を阻害されるということだけでなくて、地元に対しては非常な不安を与えるというような点で、ぜひとも御配慮をいただきたい。この三点について御回答をいただきたい。