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1960-05-07 第34回国会 衆議院 内閣委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月七日(土曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 福田  一君    理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君    理事 高橋  等君 理事 石山 權作君    理事 田万 廣文君       高田 富與君    津島 文治君       内海 安吉君    亀山 孝一君       橋本 正之君    古川 丈吉君       保科善四郎君    角屋堅次郎君       杉山元治郎君    門司  亮君  出席国務大臣         国 務 大 臣 益谷 秀次君  出席政府委員         人事院事務官         (任用局長)  飯田 良一君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房公務員制度         調査室長)   増子 正宏君         総理府事務官         (行政管理庁行         政管理局長)  山口  酉君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局総務課         長)      中尾 博之君         農林事務官         (大臣官房総務         課長)     吉岡  茂君         農林事務官         (農林経済局統         計調査部長)  立川 宗保君         農林事務官         (林野庁林政部         長)      高尾 文知君     ――――――――――――― 五月七日  委員今松治郎君、小金義照君、辻寛一君、中川  俊思君及び八田貞義辞任につき、その補欠と  して古川丈吉君、高田富與君、亀山孝一君、津  島文治君及び山崎巖君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員亀山孝一君、高田富與君、津島文治君、古  川丈吉君及び山崎巖辞任につき、その補欠と  して辻寛一君、小金義照君、中川俊思君、今松  治郎君及び八田貞義君が議長指名委員に選  任された。     ――――――――――――― 五月六日  政府施策諮問等に関する請願進藤一馬君紹  介)(第三一一七号)  寒冷地手当増額に関する請願鈴木一紹介)  (第三一一八号)  建設省定員外職員定員化に関する請願(大貫  大八君紹介)(第三一一九号)  労働省定員外職員定員化に関する請願外一件  (受田新吉紹介)(第三一二〇号)  同外六件(菊川君子紹介)(第三一二一号)  同外四件(吉川兼光紹介)(第三一二二号)  同外七件(帆足計紹介)(第三一九一号)  同(勝間田清一紹介)(第三二三一号)  同外五件(神近市子紹介)(第三二三二号)  旧軍人恩給加算制復元に関する請願外三件(  今井耕紹介)(第三一六三号)  傷病恩給是正に関する請願大久保武雄君紹  介)(第三一六四号)  同(竹下登紹介)(第三一六五号)  同(中村寅太紹介)(第三一六六号)  同(八田貞義紹介)(第三一九三号)  同(水谷長三郎紹介)(第三三三八号)  建国記念日制定に関する請願外四十四件(纐纈  彌三君紹介)(第三一六七号)  同(山手滿男紹介)(第三一九二号)  靖国神社国家護持に関する請願竹下登君紹  介)(第三一六八号)  同(田中伊三次君紹介)(第三一九〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月六日  靖国神社国家護持に関する陳情書  (第六九四号)  同  (第七三三号)  同(第七三四  号)  同  (第七三五号)  同(第  七三六号)  同  (第七九八号)  同  (第七九九号)  同(第八〇〇号)  同(第八〇一号)  同  (第八〇二号)  同  (第八三〇号)  同  (第八三一号)  同(  第八三二号)  同  (第八五六号)  同(第八五七号)  旧軍人恩給加算制復元に関する陳情書  (第六九五  号)  同  (第六九六号)  同  (第六九七号)  同  (第六九八号)  同(第  六九九号)  同  (第七〇〇号)  同(第七〇一号)  同(第  七〇二号)  同  (第七三七号)  同  (第七三八号)  同  (第七三九号)  同  (第七四〇号)  同  (第七四一号)  同  (第七四二号)  同  (第七四三号)  同(第七四四号)  同  (第七四五号)  同  (第七四六号)  同(第  七四七号)  同  (第七四八号)  同  (第七四九号)  同  (第七五〇号)  同  (第七五一号)  同  (第七五二号)  同(第七五三号)  同  (第七五四号)  同    (第七九六号)  同(    第七九七号)  同    (第八三三号)  同(    第八三四号)  呉市広町黄幡地区早期返還に関する陳情書  (第七五七号)  高校教育職員給与体系確立に関する陳情書  (第八〇七号)  紀元節復活等に関する陳情書  (第八五九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案内閣提出第一〇四号)      ――――◇―――――
  2. 高橋禎一

    高橋(禎)委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、委員長指名により、私が委員長職務を行ないます。  行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を許します。角屋堅次郎君。
  3. 角屋堅次郎

    角屋委員 本日は土曜日でございまして、大へん恐縮でございますが、きのうの石山委員質問に引き続きまして、定員法の問題を中心政府の方にお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に、益谷国務大臣にお伺いしたいわけでございますが、御承知のように昭和三十三年の六月十二日に第二次岸内閣成立した際に、重要施策一つとして、行政制度改革について根本的に検討いたしたい、こういうことで乗り出されたわけでございまするし、現実昭和三十三年の十月一日に行政審議会の新らしい委員を任命されて、それに基づいて昭和三十四年の一月二十二日に行政制度改革に対する答申が出され、さらにそのほかに国民年金制度実施に伴うところの答申等が出されまして、今日に及んでおるわけでございますが、その間与党である自由民主党といたしましても、昭和三十三年の七月に党内に行政機構改革特別委員会というものが設置され、その後数次にわたる会合も持たれてきたわけですが、現段階に立って考えてみますと、行政機構改革を初めとする行政制度改革の問題について、今後政府としてどういう方針で臨まれんとしておるかという点が、必ずしも明確でないわけでございます。もっとも先ほど申しました行政審議会答申に基づきまして、今日内政中央機構の問題に関連する自治省設置の問題、あるいは人事行政機構関連いたします人事院の分割に伴う総理府人事局設置等の問題については、近く提案されようとしておる経緯等もあるわけでございますけれども、今日の行政機構等の全般的な問題に対して、岸内閣成立以降の方針からしますならば、龍頭蛇尾に終わったという感が必ずしもなくはないわけでございますが、この際益谷国務大臣より、行政制度改革の問題に対する今後の基本的な考え方、これは行政管理庁のその後の検討等経緯ともかんがみて、一つ伺いいたしたいと思います。
  4. 益谷秀次

    益谷国務大臣 御承知通り戦後行政機構はきわめて複雑化いたして参りました。かつ範囲も広くなって参りました。これを根本的に検討して参らなければならぬと思うのですが、それにはまず行政機構を簡素化して、そして責任の所在を明らかにする、効率的に行政機構運営をいたして参るということは、国民に対する政府の義務だと考えております。そこで政府は、行政審議会答申を尊重して、さらにまた行政審議会審議の経過を十分に見て、行政機構改革をいたして参りたいという考えでございます。
  5. 角屋堅次郎

    角屋委員 今の益谷国務大臣の御答弁はきわめて抽象論でございますが、行政管理庁監理局長の方にお伺いしたいと思うのですけれども行政制度改革の問題に関連をして、現在行政審議会のその後の運営問題というのは、どういうふうになっておるか、一つお答えを願いたいと思います。
  6. 山口酉

    山口政府委員 行政審議会は、昨年の一月二十二日に答申をしました以後、委員任期満了になりまして、その後昨年の十月に新たな委員が任命されまして、目下行政制度全般に関する審議をお願いしてございます。審議会審議実情は、大体機構問題につきましては戦後数次の改革をやって参っておりますので、特に運営の問題について今後重点を置いて検討したい、かような意向で、目下行政運営の改善と能率化を主としまして、どういうふうな運営方法をとるべきかということを中心検討されております。まだ結論に達するまでには、かなりの日数がかかるのではないかと思います。
  7. 角屋堅次郎

    角屋委員 今の益谷国務大臣並びに行政管理庁の方のお話から判断をいたしますと、行政機構の問題については、当面これが俎上に上っておるということではなくて、主として行政運営の問題について根本的な是正をいたしたい、こういう経緯のようにお伺いをするわけでございますけれども行政機構改革の問題は、影響するところきわめて多大であり、従来から、行政機構改革の問題に着手いたしますと、各方面に波乱を呼びまして、必ずしも政府考えておる方向での行政機構改革というものが成功しなかった。こういう経緯から、この方面に対するいわば熱意といいますか、そういうものが必ずしも看取できないのじゃないかと思うわけですけれども、しかし私どもは必ずしも行政機構改革をやれということを、一般論として言っておるわけではありませんが、少なくとも岸内閣成立した以降の重要施策一つとして、行政制度改革の問題を取り上げられ、現実に、たとえば治山治水の総合的な対策とか、いろいろな科学技術の振興とか、いろいろなものを今後の推移と関連をして考えましても、今日の行政機構というものが、このままでいいのであるか、やはりもっと体制的に抜本的な検討を加えなければならぬのであるかどうかという点については、十分問題を持っておると思う。こういう点では、その衝に当たられる益谷国務大臣としても、案の成否は別として、国家行政機構というものはかくあるべきだという理想図というものを、やはり根本的な検討の上に立って展望されることが必要だと思うのですが、その点について、益谷国務大臣のお考えを再度お伺いしたいと思います。
  8. 益谷秀次

    益谷国務大臣 ただいまの御意見のごとく、複雑、そして広範にわたっておる機構を、根本的に検討して参らなければならぬことは当然であります。そして政府においても、それぞれ根本的の検討をいたしておるのであります。と同時に、また行政審議会をわずらわして答申を求めておるという次第でございます。
  9. 角屋堅次郎

    角屋委員 定員法の問題に関連をしてくるわけでございますけれども公務員制度改革の問題については、御承知のように昭和三十年の十一月の十五日に、公務員制度改革に対する公務員制度調査会答申というものが出されまして、いわばその答申関連をして、総理府の中に公務員制度調査室というのが設けられ、今日まで検討がなされてきたと思うのでございますけれども、今日定員法の問題を取り扱います場合に、定員内外の問題に関連をして、公務員範囲あるいは公務員性格、こういうふうなものがやはり一つの論点に相なるわけでございます。この点については、答申の中では、公務員性格及び範囲——これは、この答申内容にはいろいろ問題はありますけれども、そういう答申内容を含んでおりますし、そのことに対して公務員制度調査室としてもいろいろ検討がなされてきておると思うのですが、今日ILO八十七号条約批准の問題に関連をして、従来の検討とは別個に、国家公務員法の一部改正という問題が出されようとしておるわけです。この際総理府公務員制度調査室として、国家公務員法改正問題について、過般の答申関連をして、今日どういう経緯になっておるかという点についてお伺いをしたいと思う。
  10. 増子正宏

    増子政府委員 ただいま御質問の点でございますが、私ども検討いたしております公務員制度改正といいますか、改革は、御指摘がございましたように、昭和三十年の公務員制度調査会答申を基礎といたしておるのでございますが、御承知のようにこの調査会答申に盛られております事項は、非常に広範にわたっておるわけでございますし、その一つ一つが相当重要な問題を含んでおるわけでございます。今まで私ども検討いたしましたところにおきましては、その一部、俸給表等体系につきましては、すでにこの調査会答申の一部が実現を見ておるわけでございますし、また退職年金制度につきましても、形は多少違っておりますけれども内容的には調査会趣旨がすでに実施に移されておるというようなことがございます。それからその他の点につきましては、私ども検討したところにおきましては、直ちに現段階においてこれを実施することは不適当ではないかというふうに考えられておる問題もあるわけでございます。  なお、ただいま定員法との関係におきましての御質問もあったように思うのでございますが、定員法との関係におきましては、従来国家公務員性格範囲の問題と関連して取り上げられておるわけでございますが、調査会答申におきましては、国家公務員のいわゆる性格というものを限定いたしまして、これに該当しない者は国家公務員から除外するという考え方を提示しておるわけでございますが、この考え方の中に、いわゆる職務内容によりまして、単純な労務に従事する者は国家公務員でないというふうにすべきであるということを言っておるわけでございますが、     〔高橋(禎)委員長代理退席岡崎委員長代理着席〕 この職務内容によりまして国家公務員であるかないかを決定いたしますことは、いろいろな観点から考慮いたしまして、その実施はきわめて困難であるというふうに、私ども現在まで考えておるわけでございます。従いまして、そういう職務内容だけの観点から公務員範囲を区別するという考え方は、少なくとも私ども早急に取り上げるという考えはございません。  なお、ILO条約との関係におきましては、御承知のように人事行政関係職員団体に関する分と同時に改正いたすことにいたしまして、すでに国会に提案の運びをとっておるわけでございますが、その他の点につきまして今回、この際改正しようということは考えていない次第でございます。
  11. 角屋堅次郎

    角屋委員 国家公務員性格及び範囲の際に、たとえば答申の中では、委員、顧問、参与その他の非常勤職員、あるいは今仰せになりました単純な労務に従事する者、これは国家労務職員という形で表現をしておりますが、そういう者、あるいは臨時の機械的または補助的な業務に従事する者、これは国家臨時職員という表現を使っておりますが、こういう者並びに政府関係機関、特に公の独立法人、こういうものの職に従事する者、これらの者は国家公務員から除外すべきではないかという答申がなされ、そして国家公務員性格に基づく国家公務員についても、これを一般職特別職とに分類をして処理していく、こういう考え方答申としては出されておるわけでございますけれども、この問題について、公務員制度調査室として、今日までもうすでに相当な年限を経過しておるわけですが、検討の結果は、この答申内容というものをそのままの形でいいというのか、あるいは検討の結果、国家公務員範囲に含むべき者について変更しなければならぬ点があるならば、この際一つ公務員制度調査室としての考え方を明らかにしていただきたい。
  12. 増子正宏

    増子政府委員 ただいま御質問の点は、先ほども触れたつもりでございますが、この調査会答申に盛られておりますような考え方によりまして、現行法によりまして国家公務員とされておる者の一部を国家公務員から除外するという考え方は、現在のところ私どもとっていないのでございます。ただし現在のように、国家公務員特別職一般職とに分けておりますが、この特別職は御承知のように法律で列挙されておるわけでございますが、その他の者はすべて一般職であるということで、一般職の中にはいろいろな種類の者、いろいろな形態の者が入っておるわけでございます。それがはたして一般職のあり方として適当であるかないかという点は、やはり問題ではないかというふうには考えております。すなわち現在の一般職の中には、特別職であります失対労務者とほぼ同じような者も一般職とされておるわけでございます。すなわち失対事業等雇用される労務者は、現行法では特別職ということで公務員法は適用されていないわけでございますが、その実態において全くこれと同様な者も現在では一般職とされており、一般職に関する国家公務員法規定がすべて適用される建前になっておるわけでございます。そういう点につきましては、現在の建前が必ずしも適当かどうかという点は問題であろうと考えておるわけでございます。すなわち現在一般職とされております一部の者は、これを特別職とすることがむしろ実態に即応するのではないかというような考え方でございます。
  13. 角屋堅次郎

    角屋委員 公務員制度の問題に関する答申の問題の中で、今日定員法の問題についてはこの際撤廃をしたい、こういう行政管理庁見解関連をいたしまして、今言ったような公務員性格及び範囲規定に基づいて、あらためて国家公務員定員法の問題についての新しい見解に基づく制定をすべきである、こういうことが答申の中で出ておるわけでございます。そこで定員法撤廃問題に関連をして、答申考え方と今日行政管理庁から出ておる定員法廃止するという問題とにおいては、ある程度矛盾が出てこようかと思うわけでございます。  この際話を戻しまして、行政管理庁の方にお伺いをしたいわけでございます。行政機関職員定員法廃止することについてという行政管理庁からの資料が出されておるわけでありますが、この問題については定員法をこの機会に廃止をいたしたい。これは定員法成立をいたしましてから今日までの経緯を見て参りますと、いわば行政整理的な役割においては積極的に果たしてきたであろうけれども、しかし必要な業務に基づく人員の裏づけという面においては、必ずしも十分な役割を果たしてきていない。特に今日膨大な常勤職員等を含む定員外職員の存在の中で、行政管理庁自身のイニシアによっては、従来定員外職員定員化というものはなされずして、むしろ国会側がその実態の姿にかんがみて、国会の意思において政府原案を修正して、定員外職員定員化を実現してきた、こういう経緯にあるわけでございます。そこで行政管理庁として過去の定員法を実際にやって参りました経緯から、今日の段階定員法廃止されようとする真意というものは、一体どういうところにあるのであるか。同時に行政機関職員定員法廃止について、大蔵省として定員法撤廃ということについてはどういう見解を持っておられるか、この辺のところをお伺いしたいと思います。
  14. 山口酉

    山口政府委員 定員法撤廃するということは、政府としてまだ決定したわけではございませんが、来年度を目標にいたしまして、撤廃するという目途で検討するということにいたしております。撤廃をするということが、定員外職員問題解決一つ方途であるということは考えられるわけでございますが、その理由は、現在の定員法では二カ月以内の雇用に属する者は定員外になっておるわけでございます。これが定員法がなくなりますと、二カ月以上雇用をしておる問題の定員外職員というものについて、二カ月で切る必要はないという点では解決になるわけでございます。ただこの問題につきましては、政府職員定員管理ということがどの程度までに必要であり、可能であるかということをよく見きわめて、新しい管理方法を同時に考えていく必要があるわけであります。そういう問題が、現行定員法につきましては、従来の運営上非常に運営困難な実情でございますことは御承知通りでございます。この際これを再検討するという立場に立って、新しい定員管理方途を発見しよう、振り出しに一応戻そうという考え方で、現在の方針を立てておる次第でございます。
  15. 中尾博之

    中尾説明員 定員法廃止という議論政府部内で若干ございましたが、それは事務的な段階におきますところの議論段階一つ考え方であります。これに対しまして政府といたしまして責任のある検討を加えた、あるいは結論を出したということではございません。大蔵省といたしましてこの問題についてどうかというお話でありますが、今申し上げましたような問題の現われ方であったわけでありますから、その程度段階におきまするところの所見を申し上げるにとどめざるを得ないわけでありますが、私どもといたしましても、現行定員法が、早い話がにっちもさっちもいかないという状況にあることはよく承知をいたしておるところであります。と申しますのは、定員法がございますが、そのほかに今の二二カ月以内というような関係から定員外職員が存在し得るわけです。この職員はその職務におきましてはどうこう、給与におきましてはどうこうとか、一切制限はないわけですから、定員内で最初予定いたしました、定員法発足の当時に予定いたしました職員と同類の職員、正確に言いますと任用資格その他を欠いておるのですから、正確には同じでないが、しかしそのやっている仕事定員内の職員と同じような仕事であるというような職員、あるいはもともと定員法規制ということが不可能な職員、これは工事費でございますとか、事業費でありますとか、統計の集計でありますとか、あるいは請負でやり、あるいは直営でやる、あるいは機械を用い、あるいは人を用いてやる、予算的にいいましてもとうていその人数は捕捉できない。ただ事業量としてそのコストを予算で見ていくだけにとどまらざるを得ないというふうな部面があるわけです。あるいは学校の研究費といったようなものもございますが、こういう中にもあるいは外に頼む場合もあるし、それから人を雇う場合もある。とうていその人数は捕捉できない。しかしそういう方々でありましても、一方で相当長期にわたって同一の方が勤務をしておられる、あるいは道路の工事に従事をしておられるというような形になりますが、あるいは親子二代にわたってやっておられるというような方々もおられるわけであります。従ってそういうような関係方々がおられるということは事実であります。ところがそれが事実であるということと、そういう人々の名義で、実はそういうことではなくて実際の事務管理業務に従事しておるという人もいるということも、これはまた事実です。その辺の統制は現行制度ではとれておらないわけです。そういうふうな関係がありまして、ここ過去二年にわたりまして現員という、現在員が先におりまして、現在員に合わせて定員を直すということになって参っておるわけであります。定員制度というものはもともと業務量というものを捕捉できる範囲において捕捉いたしまして、その業務量によって統制し得る限りの職員を統制していく、規制していくというのが、定員制度の本来の目標であります。それはおそらく疑いのないところであろうと思います。国会定員法を最初から成立させられました趣旨も、おそらくそこにあると思います。これは人事法規身分法規ではございません。役所の規模を現わすところの定数を規制するための法律であったと思います。従ってその規制に従って人を雇っていくというのが、本来の機能であるわけです。ところがここ数年来を見ますと、実員が先におりまして、実員に合わせて定員改正していく。何をやっているのかわけがわからぬ。しかもその実員たるや、何年以上勤務した者は定員に入れるということになっております。何年以上勤務した人が何人おるかというようなことは、とうていこれは予算的にもはかり知ることができません。これまた法制的な規制に加えるということ自体も無意味なわけでありまして、それを立法化したころにはまた次の人が数カ月の勤続を増しておるということでありまして、こういう意味におきまして現在の定員法がここ数年来、業務から定員ができ、定員から実員規制するという本来の趣旨に照らしまして、逆に実員の方が先におって、実員に合わせて定員を作る、あるいは実員が減ればまた定員を減らすということになるのでありましょうが、そういうことではどうも定員法はおかしいではないか、何のための定員法かという議論が成り立つわけであります。こういう趣旨に私どもも基本的には理解しておったのであります。まさにその点につきましては、私どももこの定員法制度あるいはその運用の重大な問題であると考えております。  従って現行のままではこれは工合が悪いということは考えられるのでありますが、一方でそれでは、これは身分関係とか給与関係とか、そういう関係ではございません。国家の行政組織をとにかく大きくする、あるいは小さくするという場合のその尺度といたしまして、別に締めるとかふくらますとか、そういう意味ではありません。とにかくそれを管理していく尺度といたしまして、定員法というものを考えていく。それになじむところの職員定員管理していくという制度が打ち立てられることが一番好ましいと思うのであります。ところが現在の公務員制度におきましては、全体の公務員につきましてどういうものが定員になじむものであり、どういうものが定員になじまないものであるか、その実態検討すれば差別はつくと思いますが、制度上の区分はないのであります。これは先ほど公務員制度調査室の方からもお話があったようなわけで、職種別といったような制度も現在ございません。あるいはよく常識的な議論で出るのでありますが、管理的な職務を持った人と、それからさらに執行的な職務にとどまる人というようなことを常識的には申しますけれども、しかしこれも制度の上ではまだ差別はないのであります。ただ唯一の差別が、いろいろな社会保険の適用であるとか、そんなような関係からくるところの二カ月以内雇用といったような基準が一つある。これは定員法とは関係のないことですけれども、そういう一つの常識的な線があります。それから公務員法には全然規定はないのですけれども公務員法の運用上用いられておる常勤、非常勤という観念があるわけであります。この非常勤というのはもともとはパート・タイムという意味であったと思います。しかしながら実情はパート・タイムではない、フル・タイムに働いておる。しかし正規の——正規と申しますか、本則的な公務員法の適用を何らかの意味で適当としないというような人々、これを非常勤という形にしておるわけです。しかもその被用形態は、日雇い入れあるいは出来高払いというようなものになっているわけです。これらの関係は実は人事制度の問題であります。これらの取り扱いがございますので、わずかにその線に沿いまして現在の定員法というものが立案されておるわけです。従ってこれは定員法の本来の建前から言いますと、定員規制し得べきもの、あるいは規制すべきもの、あるいは法的な形では定員規制はむしろ不適当とするのだという差別とは必ずしも一致しないわけです。いろいろな制度がいろいろな面から一致しまして一つの線が画されると非常に便利でありますが、必ずしもそういうわけに参りません。そういうような関係で、今度は定員法を現状の工合の悪い点を直すといたしましても、そういうような何らか新しいかきねを設けるといいますか、差別を作りませんと、この定員法が今のままになってしまうということになる。一方で、それではやめたらどうか、こういうことになりますが、それにつきましては、やはりこれは国家の行政組織の基本をなすところの一つ制度でございますから、なお慎重に検討を要するであろうということでございます。何と申しましても定員外職員もそれはおりますけれども定員内の職員もその数は決して少なくないのでありまして、これによりまして公務員というものの数が統制されておるわけでございます。従ってこれを全部はずしてしまう、そうしてはたしてその管理が合理的にいくかどうかという点は、よほど慎重に考える必要があるわけであります。もちろん現在のようなこういう職種も職階も何も関係ない、ただ頭人数だけのこういう法律だけで、将来とも行くことが適当かどうかという点については、私自身も非常に疑問に思っております。しかしそれにかわる制度を整えますことは、人事制度との関連におきましてやはり相当整えて参りませんと、新しい制度はできません。それから実際の定員をやめてしまうということはいささか穏当を欠くような感じがいたします。それはやはり国家の基本的な機関を組織するところの一つの手段となっておるわけでありますから、その辺も犠牲にするわけにはいかない。先ほど行政管理庁の方からお話もございましたが、そういう点の配慮というものはやはり否定し得べからざるものがあると存じます。  それやこれやを考えまして、結局定員法廃止というのは、現在の制度はとにかく何とかしなければならない。ただしその場合には、関連するところの定員法規制すべき範囲というものをやはり確定する必要がある。その範囲を確定するのは、定員法はあくまで定員法でありまして、職員の地位に関する法律ではございませんから、その地位に関するあるいは職員の区分に関するところの制度とうらはらになりませんと、これを進めて参るわけに参りません。そこでそれらの諸般の制度を総合的に検討をいたしまして、そうしてこの定員法定員規制ということがしっかりした制度になるように、しかも定員法制度のあるがために、一方で職員がその実態に即しないような不利な取り扱いを受けるというような弊害がないような定員法であるようにということを目標にいたしまして、新しい制度検討して参るというのがこの問題に対する結論であったわけであります。その点につきましてはおおむね政府の御方針としてお取り上げいただきまして、関係各省の連絡の協議会を設けまして、それによりまして検討を進めて参るわけでありますが、少なくとも三十六年度には間に合いますように、この夏過ぎくらいまでに一応の結論を得たいということを、私ども事務方の者は心がけて作業を進めようとしておるということであります。
  16. 角屋堅次郎

    角屋委員 行政管理庁の方では、定員法廃止という場合に、いわばその前提条件として、第一に常勤職員の二カ月更新、これは定員法規制以外の期間を含んでのことでありますが、こういうものを廃止する。あるいは現在の常勤職員等を漸次選考によって俸給職員に切りかえる、あるいは常勤的非常勤職員に対して給与法全般の適用と、採用当時からの共済組合加入、退職手当法の全般の適用、さらに俸給、常勤職員給与非常勤職員手当、庁費賃金等の目の区分の撤廃、こういうことがやはり前提にされなければ、定員法撤廃ということは今日の公務員実態から見て非常な危険を伴うであろう、こういうふうに申されておると思うわけでございます。結局これは要約するならば、今日の定員法があることによって、いろいろ問題を提起しておる問題についてきっちり解決をした後に、定員法撤廃ということを考うべきであろう、こういう趣旨だと考えます。そこでこの定員法の問題は、これから来年の実施段階までに十分検討するというお話でございますけれども、先ほど由しました国家公務員法改正に関する答申の中で公務員性格及び範囲、こういう問題とも関連をするわけですが、同時に現業的な性格のところと現業ならざる非公共部面の性格のところ、そういうふうに大きく分けてみますと、やはり現業官庁の性格のところは本来業務その他の変動等から見て、定員法規制するということは非常に困難な面がある。また必要な人員が必ずしも実態に応じて裏づけされないといううらみも出てくる。臨時職員その他の関係等においても、やはり現業官庁等においてはいろいろな問題をはらんでいる。一方非公共の部面においては、政府予算編成の問題とからんで、非常に地味な性格のところでございますから、定員法撤廃されると、現実にその危険にさらされるということがあり得る。しかも定員法がかりに撤廃されて、予算定員でもって定員の問題の規制を行なうというような形になりますと、本来国会予算の修正というようなことをやろうと思いましても、また実際に定員等の問題に関連してその必要があるといたしましても、なかなか国会でこの修正をやることが至難である。従来予算通りましても、やはり定員に関する部面については、定員法があるがゆえに定員法の一部改正という形で必要な措置を講じてきたという経過にかんがみても、定員法検討の場合においては、国家公務員性格及び範囲という問題と関連して検討しなければならぬと思いますけれども、同時に現業的な仕事性格、あるいは非公共の事務的な仕事性格、そうしてまたそういうところでの予算定員ということで規制された場合のいろいろな危険性、こういうものから見て過渡的な措置としては、私自身の考え方でございますけれども、そういう点についてやはり定員法考えるべき問題と、この際国家公務員範囲に入るといたしましても、定員法からはずしていくという考え方と、そういう問題についても今後十分検討されてはいかがか、こういう感じがするわけでございますが、この点行政管理庁の方から一つ……。
  17. 山口酉

    山口政府委員 ただいまお話のございましたような点は、私ども考えております。今後の協議会における審議段階で十分検討いたしたいと思います。
  18. 角屋堅次郎

    角屋委員 人事院の方にお伺いをしたいわけですが、これは過般本院を通過いたしました給与法の問題に関連をして、新聞報道等で、最近国家公務員関係人事院試験というふうなものに優秀な人材が集まらない。これはやはり国家公務員等の給与が一般の民間に比較をして非常な悪条件に置かれている。こういうふうな理由等もあって、優秀な人材が集まらないということが報道されているわけです。現実人事院で今日まで公務員の試験等をやって参っておりますが、そういう試験に集まってくる人材の程度、さらに実際にこの国家公務員の試験に合格いたしまして、官公庁に入ってくる率がどの程度なのか。試験に通ったという看板をもらって優秀な民間会社の方に行ってしまうというのが、実際は相当あるのではないかというふうに私どもは思うのですが、この辺、最近の公務員の試験制度の実際というものについて少しくお話を承りたいと思います。
  19. 飯田良一

    ○飯田政府委員 単に数学的にながめましたのでははっきりしない面もありますが、まず量の面から申し上げてみたいと思います。受験者がどうなっているかということでございますが、大体大学卒業程度ということでお答えいたします。受験者は若干滅っているという程度で、あまり減りはないのでございます。ただこれは専門別に見まして、二十四区分ございます。そのおのおのについて状況が違う。総計で申しますと、さしたる変化はないと見ておりますが……。
  20. 角屋堅次郎

    角屋委員 数字的な内容を、大綱でよろしいから。
  21. 飯田良一

    ○飯田政府委員 数字的に申しますと、昭和三十年程度から申し上げますが、総計で二万三千人という受験者でございまして、これは専門的に二十四区分に分かれております総合計でございます。それに対して、一番最近の三十四年では一万八千名で、若干減っておりますが、大幅に低下しているとは見ておりませんのでございます。これは全体で希望する者が多くなったかどうかということを表わすものでございますが、問題は、次に合格者でございます。合格者につきまして同じように三十年と三十四年を比較しますと、三十年が千三百名、それに対して三十四年は千六百名ということでございまして、これはむしろふえております。以上のものは、いわば質度を表わすものではないので、量的に見ただけでございまして、問題は、その質がどうなっているかということになろうと思うのですが、これは質をどう判定するのかというのは非常にむずかしい問題でございまして、いろいろな角度からながめなければいけないのでございますが、かりに常識的に申しましていわゆる有名大学というものと、比較的そうでないのとに分けてみまして、これも的確な数字はつかめませんのですが、有名大学の受験者というものが減っている区分——区分と申しますのは、私の方で専門の学科別のことを言っておりますが、区分が相当あるというところで、かりにそれを一つの質と見ますと、一応若干公務員の希望が、そういう意味において、減っているかという感がうかがわれるのであります。それから採用者でございますが、今まで申しましたのは合格者でございまして、それが官庁に現実に採用されるという採用者の数、これはやはり三十年と三十四年で申しますと、三十年が六百三十四、それに対して三十四年は六百九十一。これは大体官庁側の需要が年々固定しておるとしますと、これは動かないのが、いわば当然といえる姿でございます。問題は、今申し上げましたような数字でおわかりのように、合格者に対して採用者の割合が大体半分くらいになっているわけであります。従いまして合格者のうちの半分は、当然いわば採用されないということになるわけであります。それで御質問の御趣旨によりますと、結局合格者のうちの上の方の成績で合格した者が採られない。つまり官庁が採りたいというのが、向こうが逃げたというふうな意味合いにおいて、どう現われるかという問題だろうと思いますが、これは実は的確にはつかみ得ないでございます。ですから、これは計数的には申し上げられないので、恐縮でございますが、たとえば文化系統でいいますと経済、それから電気、通信、機械というような科目と申しますか、区分におきましては、そのいわば上位合格者のうちの相当数が、辞退といいますか、つまり民間の方に行くという現象が、やや最近強くなっているという感がいたします。これはちょっと計数的には申し上げる資料を持ち合わせておりませんが、先ほど申し上げましたように質といい、今の点といい、的確に表わす指標と申しますか、それがございませんので、間接的な推定になりますが、そういう傾向にあるということでございます。
  22. 角屋堅次郎

    角屋委員 今人事院の方から、最近の国家公務員の試験の実態についてお話があったわけですが、この際益谷さんにお伺いしたいわけです。これは申し上げるまでもなく、国家行政機構の場合でも、あるいは地方自治体の場合でもそうでございますが、有能の人材を多数集めて重要な行政をになわせなければならぬ、こういうことに相なろうと思うのですけれども、新聞の報道を裏書きするごとく、現実に最近の試験の実態というものは、優秀な人々が公務員の方の道を選ぶのでなくて、民間関係その他に逃げていっている。こういう実態が出て参っておるわけです。これはやはり一つには公務員給与というものが、こういう姿をもたらしておる一つの大きな原因であろうと思う。この辺のところは行政管理庁という立場でなくて、政治をあずかる政府の立場として、真剣にやはり考えてもらわなければならぬじゃないかと思いますが、その辺に対する見解一つ伺いいたしたい。
  23. 益谷秀次

    益谷国務大臣 ただいま人事院の方からお答えがあったのでありますが、私も直接聞いております。惜しい俊才と申しまするか、技術者と申しまするか、そういうようなのが逃げていくというようなことを、よく直接の各省から聞いて承知いたしております。これはただいま仰せのごとく、給与が低いということも一つの大きい原因だろうと思いまするが、同時に技術者のごときは、研究の設備が、民間の会社等は非常に行き届いておるそうであります。そういう関係もまた見のがすことができないものと思います。しかし給与の安いということは、格差があるということは、私もたびたび委員会で認めておる。今日の建前といたしましては、人事院の勧告を受けて、それをすなおに実行して参りたいという考えでございます。政府予算審議をお願いする建前でありまするからできるのでありますが、なかなかこれは財政の関係上困難であります。その点を私は非常に腐心をいたしておる次第でございます。
  24. 角屋堅次郎

    角屋委員 これは直接定員問題に関連がないように考えられまするけれども、しかし事は、今後の問題としては非常に重要な問題だと思いますので、優秀な人材をやはり国家行政機関関係に集めてくるという意味において、真剣に対策を講ずるということが必要であろうと思うのです。  次に、行政管理庁の資料に目を通して参りますと、定員法規定された定員が、従来から一〇〇%充足されているのでなくて、行政整理等の非常にしばしば行なわれた機会には、欠員不補充という原則で、次の定員法の修正による行政整理によって大きなあらしを受けないようにという配慮で、従来ややともすると、欠員については相当数リザーブされる。こういう傾向が私は率直に言ってあったと思うのです。少ない人員がきめられておる。その人員の充足が一〇〇%充足なされずに仕事をやらしておる。こういうこともやはりいかがかと思うし、そのことがまた定員外職員等でカバーをする、そういう要因を一面では作る可能性があるし、また同時に欠員を埋めるのにすぐに埋まるようにという準備的な意味でもそういうものができてくる、こういうことにも私はなろうかと思う。最近行政管理庁として、欠員の補充問題、こういうことについては、一つ方針で各省に当たっておられるのかどうか。たとえば昭和三十四年二月の欠員及び長欠等の調べを資料によって拝見をいたしますと、欠員率というものは、これは大は科学技術庁の四・五%、あるいは農林省の三・七%から、小はゼロまであるわけですけれども、こういうふうに欠員率については各省相当なアンバランスがあるわけです。実際この欠員の補充という問題について、行政管理庁としては一つ方針を持って各省に指示されておるのか、あるいは各省が大蔵省との話し合いによって欠員の穴埋めをどの程度という了解でなされておるのか、最近の事情について少しくお伺いしたいと思う。
  25. 山口酉

    山口政府委員 行政管理庁で最近欠員を補充する一定の方針、基準というようなものは出しておりません。定員内での充足につきましては、各省の人事権にまかせてあるわけであります。最近非常に省庁によって欠員の状況が違いますのは、主として定員外職員の繰り入れがございまして定員が多くなったところで、その実際の補充が部内のいろいろの事情から順調にいかないところと順調にいったところとありまして、各月でとりますと非常にアンバランスになっているという事情はございます。ただ年度末に近くなってきますと、それかだんだん調整されてきておるという状況でございます。最近の一、二年のところはそういう特殊事情だと思います。現在も一・一%くらいの欠員がございますが、これは大体フルに補充している場合に、このくらいの欠員があるというのが常識であります。死亡者もございますし、退職者もある、それをすぐに補充しようと思っても手続その他でかかるので、ある時点で押えますと常にこういう数字になってくるのでございまして、これは特に欠員を押えているという状況が現われたものではないと考えております。ただ欠員不補充の問題につきましては、昨年末予算編成方針といたしまして、なるべく欠員を不補充としたいという方針を閣議で決定されたことがございますけれども、これはそれを具体的にどういうふうに実施するかということが予算編成の際で確定いたしませんので、現在各省庁ごとにまかされておる状況であると存じております。詳細は大蔵省の方から……。
  26. 角屋堅次郎

    角屋委員 せっかく政府定員法を出されたり、あるいは国会の意思でそれが修正をされることもありますが、国家行政機関定員はかくかくである、こうきめられながら、一方においては政府は欠員不補充でいく、ここにやはり一つの大きな矛盾があろうと私は思う。現実行政管理庁の資料で欠員を調べて参りますと、昭和三十三年四月一日の場合には三万四千四百三十九人、これが七月一日では一万二千九百四十九人、十月一日では一万二千百九十七人、十二月一日では八千四百四十五人、こういうふうに各月に変動があります。昭和三十四年の八月に入りますと一万五千七百二十九人、三十四年の九月一日では一万五千九百三十三人。まあ大体少ないときでも六、七千、多いときになりますと三万程度まで上がって欠員が出る。先ほど行政管理庁の方から言われましたような死亡その他で一挙に補充ができない、そういう問題も部分的にはあろうと思うのですけれども、こういう欠員が相当数に存在をしておる。そして同時に定員外職員の問題をかかえる。これが今日の苦悶の姿だと思うのです。大蔵省の方にお伺いしたいわけなんですが、各省で欠員率というものが、必ずしも一様でないわけですけれども、これは各省と大蔵省と欠員の補充の問題についていろいろ話し合って、この省の場合にはこの程度というふうなことで従来操作されておられるのですか、その辺のところを一つ伺いしたい。
  27. 中尾博之

    中尾説明員 御質問に対しましては、そういうことはいたしておりません、それで尽きるのでありますが、不補充の問題が本日論議になりまして、それが予算の編成方針の問題から出ておりますので、若干補足して申し上げます。  不補充の問題は、明らかに定員法というものがありながら、これを一部実行しないということでございますから、制度的には異例なものであろうと思います。にもかかわらず、従来からこの不補充という措置がときどきとられております。これはあくまで異例なものであるということは十分承知いたしておりますが、それをいたしますところの趣旨は、定員管理ということ、これがなかなかむずかしい問題でございます。仕事が、ある場合にはふえる、ある場合には減る、しかしそれを的確にこまかく検討いたしまして管理していくということはなかなかむずかしいので、増員というようなことを必要とするような場合には、事柄は比較的明瞭でございますから、そういうものにつきましては増員という措置もとられますが、これを減らすというようなことにつきましては必ずしも十分に目が届きません。これは各省それぞれについてそういう状況はあると存じます。しかしながらやはりふえる一方では減るものもある、あるいは事務に習熟して補充の必要がなくなったというような仕事もあるわけでありまして、そういうような点から、職員の定数をなるべく経済的に使用するという措置が必要なわけです。ところが実際問題として定員を切るということになりますと、いわゆる行政整理で職員がその意に反してやめなければならぬというような問題になります。これはまた別個の社会問題に通ずる大きな問題を控えるわけでございます。にもかかわらず職員の数は経済的に持っていくというためには、いわゆる自然減耗といって、本人がほんとうに善意でもってやめていくという機会をとらえまして、的確な数字に持っていくということが一番穏当な方法であるわけであります。しかしながら一方で、たまたまその職員がやめたというのは個人的な事情でありまして、それに従事しておった職務が必ずしも減ったわけではないということでありますから、職員が減ったからといって、直ちにその職員の定数を減らしてよろしいというものではありません。従ってそれは各省各庁といったような、大きな単位の全体についての操作で、そういうことができ得る余地があるということにとどまるわけであります。従ってこれを一律に画一的に行なうということは、非常に強い行政整理といったような施策の動く場合は別でございますが、そうでない場合には、そこまでいくのは行き過ぎであるわけであります。今回の大蔵省のイニシアチブによりますところの欠員補充は、それほどの大きな行政整理といったような考え方からくるのではございません。あくまで定数の管理予算法律範囲内でなおかつ経済的に上げていくように努力をしていただきたい、こういうことであります。しかもそのやり方につきましては個々に検討を加えまして、いわば他律的に行なうのではなく、各省各庁でそれぞれその事情に応じて、無理のないようにそういう措置がとられる余地のある場合、しかもそれが可能である場合にそういう方針でやっていこうということにとどまるのであります。従いまして、先ほどの御質問に戻るのでありますが、折り入って各省ごとに、あなたの省は何人の欠員であるべきだというような統制を加えておる事実は全然ございません。それから今後もそういうふうな措置を具体化するつもりは全然ございません。ただ運用の心がけといたしまして、そういう気持でやっているというところにとどまるわけであります。
  28. 角屋堅次郎

    角屋委員 今行政管理庁大蔵省お話を聞いても、欠員補充の問題については、特に大蔵省あるいは行政管理庁として各省に指示なり何なりを流しているわけではない、ただ一つ、閣議の予算編成方針として欠員はなるべく補充しないという考え方にのっとって実施をしておるというお話でございますが、いろいろ承ってみますと、各省の給与の昇給原資等の問題に関連をして、欠員がある程度リザーブされておる。一部昇給原資が十分実態に合わないというところから、そういうところへ流用する含み等もあって、一つには若干の欠員をリザーブする、こういうことも現実にはいわれておる。私はかりに昇給原資等の問題について実態に合わない点があれば、それはそれとして解決すべき問題であって、欠員の問題については、定員法現実に作っておる建前から見ても、常にフルに充足をするという前提でこの問題は処理すべきではないか、こう思うのです。従来から累次の行政整理以降欠員不補充というのは一つの鉄則みたいになっているわけですけれども、この辺のところは、やはり私は定員法が現存する限りにおいては、定員法に定められた定員はフルに充足をするという建前の方が当然であるし、その点についての矛盾は先ほども両者ともに指摘されておるわけですが、いかがでございましょう、益谷さん。閣議で、特に欠員不補充という一つ方針を従来から堅持されておるが、この際やはりその辺のところは一つ改めて、必要な人員については充足するという方針をとられたらいかがでありますか。
  29. 益谷秀次

    益谷国務大臣 ただいま大蔵省の説明員から申し上げた通りであります。定員法制定せられておる以上は、フルに定員を置くべきだと考えております。しかし欠員に関しましては、先ほど管理庁の行政監理局長が申しました通り、具体的の任用制度は、各省庁にまかしてあるのであります。従って事務に支障を来たすというような場合は、急いで定員を補充することと思っております。
  30. 角屋堅次郎

    角屋委員 行政管理庁の資料によりますと、自然退職あるいは離職、こういうことで区分しておるわけですが、自然退職と離職というのでは取り扱い上意味が違うのかどうか。同時に、大体自然退職、離職等も含めて年間どれくらいの率がそういう該当の者になるのか、その辺のところを一つ最近の傾向についてお話し願いたいと思います。
  31. 山口酉

    山口政府委員 退職者のできて参ります最近の状況というのは、特別に調査しておりません。離職と退職とを区別して書いてございますのは、そう大した意味もございませんけれども、退職という場合は公務員から離れる場合、離職という場合は出向等でその区分に入っております省庁からは離れる、そういう考え方で分けておるようであります。
  32. 角屋堅次郎

    角屋委員 その率は年間どのくらいのものですか。
  33. 山口酉

    山口政府委員 大体出入りがございますので、各月における月末の状況は一・一%から一・二%というようなところが常態であると思います。ただ全体としましては、五、六%くらいが退職し、そのくらいの者が、増員その他がないという仮定のもとには五、六%の者が更新をしていくという状況でございます。
  34. 角屋堅次郎

    角屋委員 先ほど来の欠員の問題あるいは退職、離職の問題、こういうところは一応累年の傾向によって一つ結論が出ると思うのですけれども、とにかくこの定員法という一つ定員をきめられた問題と関連をして、私は建前としては、定員法が現存する限りは百パーセント充足する。そのかわり退職、離職等の予想される一定の率というものがある。これは各省庁によってそのときの事情により若干違いますけれども、そういうことと見合って、人事管理の問題について合理的に処理していくということが、従来やはり欠けておったのではないかという感じが率直にするわけであります。これは定員法の修正で、政府の提案のものにさらに修正をされる際においても欠員の問題の点をどうするか、あるいは退職、離職等に伴うところの充足の問題をどうするという点については、もっと明確な方針に基づいて処理するということが必要だし、定員法が現存する限りにおいては、定員内外の身分差というものについては、定員外の者からすれば非常に坤吟する条件でございますから、そういう者の条件を一歩でも前進させるという意味においても、これは検討されてしかるべき問題であろうと思う。  次に定員外職員の問題に入りまして、御承知定員外職員の問題については、従来から常勤労務者、あるいは常勤職員といわれてきておった者、あるいは非常勤職員、特に非常勤職員の中でも常勤的非常勤、たとえば農林省でいうならば、次官登録をもって処理する、あるいは林野庁でいうならば三十七条適用、こういうことで非常勤職員の中でも常勤労務者と何ら変わらない条件の者、こういうものがいろいろあるわけですが、この常勤労務者の数は本日いただきました行政管理庁の資料によりますと、昭和三十五年度予算では締めて二万九千六百十名、それから非常勤職員は、これはいろいろなものを含むわけでございますけれども昭和三十四年の十月一日現在の人員で三十四万四百五十七、常勤的非常勤ということに相なって参りますればこの数は非常に激減をするわけなんですけれども、こういう数に相なっているわけであります。この際行政管理庁、あるいはこれは人事院になるかもしれませんが、一つの問題として、先ほど国家公務員の試験の問題に触れたわけですが、行政管理庁の資料を見ますと、国家公務員の試験に通った者が常勤労務者の中に相当数カッコ書きで入っている。あるいは常勤的非常勤の中に相当数カッコ書きで入っている。しかもこれは単に一年、二年の問題ではなしに、数年そういう姿でやっているということが散見されるわけです。先ほど来の欠員の問題あるいは自然退職等の率の問題と関連をして考えてみますと、せっかく試験には通ったけれども定員外職員で相当年数置かれる、こういう実態にあるのを見るわけでございますが、この辺のところは現実にはこのままで放置しておいていいのかどうか。
  35. 山口酉

    山口政府委員 定員外職員の中に資格者がいるということは事実でございます。定員管理の問題としましては、これはおのずから質が違う問題でございまして、定員内に入れる場合には資格がなければならない。というのは、現在人事院のとっている制度でございますから、入れ得る人間を考えるという場合には、当然そういうものを考えなければなりません。ただ定員管理ということは、そういう資格者が現実にどれだけいるからということで見るわけでございませんので、現実の役所の運営面からどれだけの頭数が必要であるかという面からの審査ということになりますので、その場合に資格者がいるかいないかということは、現実の任用にあたっての問題になってくることであると思います。それらの点につきましては、現在の定員外職員の処遇ということになりますとすべて関連してくるわけでございまして、今後制度を改めるという目標に立って設けられました協議会においては、人事院の方からも参加していただきまして、そういう問題について総合的に検討いたしたい、かように考えております。
  36. 角屋堅次郎

    角屋委員 行政管理庁の資料によりますと、常勤職員(常勤労務者)の実態調査表、勤続年数及び学歴別調査表というところを見ますと、元来人事院とか行政管理庁とか、いわば定員の問題については本来模範を示すべきところの役所を見ましても、行政管理庁ではやはり公務員試験を通った者が、相当年数定員内に入らずに常勤労務者の姿でおる、こういう実態も出ておりますし、現実に長いものになりますと十年以上にも及ぶ、こういう人々もえらい少なくはないわけです。先ほど来大蔵省の方では定員内と定員外の問題については、昨日来も見解が出ておるわけでございますけれども人事院にお伺いしたいわけですが、現実定員職員というものと常勤職員というもの、常勤的非常勤職員というもの、これらの取り扱いの差というものについて、これは人事院規則の八—一四とも関連するわけですが、この取り扱いの差というものについて、三者どのような点がどのように違っておるかという点を、一つ簡単に要約して御説明願いたいと思います。
  37. 飯田良一

    ○飯田政府委員 ちょっと所管外になりますので、任用について、八一一四にからんで申し上げてみたいと思います。八—一四というのは、結局規則がございますが、任免に関する八—一二という規則のいわば例外的な規定になっておるわけでございます。任用上今おっしゃられた職員がどう違っておるかということでございますが、定員内につきましては、採用時におきましては試験任用を原則とする、それできわめて限られた例外として選考が認められるという姿でございますが、それに対して定員外職員につきましては、特に任期を限られた職員につきましては、試験または選考によらなくて採用できるという形、これが大きな実質的な区別だろうと思います。簡単に申し上げるとそういうことになります。
  38. 角屋堅次郎

    角屋委員 人事院給与局が来ておりませんので、一つ行政管理庁の方から先ほどの質問に答えていただきたい。
  39. 山口酉

    山口政府委員 給与、身分保障を含む、その他一般職である限りにおきまして、特に制度上区別はないと存じます。ただ常勤職員につきましては、二カ月で雇用をいたしておるのが実情でございます。常勤的非常勤の職員につきましては日々雇い入れる。その形式は常勤でない非常勤も同じわけでございます。その違いからきます身分保障と申しますか、一般の職員につきましては、期限の定めがない場合には、ゆえなく本人の承諾なしに退職させるという場合には、一定の条件が必要でございます。この期限の定めのある職員につきましては、期限の到来によって当然に一方的に退職させることができるという差がございます。それ以外には、現在の運用上、制度上の区別はございません。ただ実際問題として昇給がおくれるとかなんとかいうことはあると思いますが、これは任命権者が同じように扱おうと思えばできないことではございませんが、予算の制約その他で実際問題としてなし得ないということになる場合があるわけです。その程度が現在の三者の相違だと思います。
  40. 角屋堅次郎

    角屋委員 ただいま一般論として言われましたが、こまかく言えば旅費、超勤から、あるいは休日の与え方から、あるいは共済組合の問題から、いろいろになれば私は若干の差等はあろうかと思います。特に定員内の職員と常勤職員の間には、今の二カ月雇用以外には大きな差はないと思いますけれども、常勤的非常勤ということになれば、若干の断差はあろうかと思うわけです。  その問題はそれといたしまして、常勤労務者の数については、行政管理庁としても予算定員の問題と関連して的確に把握ができるわけですけれども、常勤的非常勤職員の中の、特に常勤的非常勤というものの実態というものは、これは行政管理庁として相当明確に把握はできておるわけですか。
  41. 山口酉

    山口政府委員 常勤的非常勤というのは、これは制度上のものでなく、現実の姿をいうわけでございますので、どの程度のものが常勤的と言えるかということで、その認定については非常に問題があるわけでございます。行政管理庁でもその調査をいたしましたけれども、実際の各省庁で考えておるものと必ずしも一致しない点もございますし、さらに省庁ごとの取り扱いが統一されておりませんので、これは制度ではございませんから、当然そういうことになるわけでございます。各省庁が考えております常勤的というものが一つ考え方ではございません。いろいろ事情によって区別がございますので、これを行政管理庁で統一的に公平に判定するということは、非常に困難でございます。
  42. 角屋堅次郎

    角屋委員 定員外職員定員化の問題については、これは今次通常国会において益谷さんを初め、大蔵大臣その他関係各省の大臣からも理解のある答弁が出ておるわけでございますし、同時にこの問題については、来週早々与野党間での話し合いも持たれる、こういうふうに承っておるわけでございますが、私はこの際やはり定員外職員方々の希望としては、常勤職員の人々ばかりでなくて、いわゆる常勤的非常勤といわれる方々、こういう人々も含んで定員化ができるように強く希望を持っておるわけで、特に例を農林省にとってみますと、農林省の場合は常勤的非常勤というのは、次官登録によって認めておるわけでありまして、その数は私の持っておる資料によりますと、八千六百四十六名、その中に林野庁の関係の三十七条適用というのが入るのかどうか明確でありませんが、林野庁の方にお伺いしたいと思うのですが、六千六百七十四という林野庁の数というものは、この三十七条適用のものだと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
  43. 高尾文知

    ○高尾説明員 私はただいまの農林省全般の問題についてはつまびらかにいたしませんが、林野庁関係で申し上げますと、三七関係と申しますか、これが大体今お話のありました数字——こまかい点は違いますが、大体私の方で調査いたしました本年の二月一日現在の数では、六千八百七十九名という数字が一応出ておるわけであります。これをいわゆる三七適用者と、林野庁あるいは農林関係で称しておるわけであります。以上であります。
  44. 角屋堅次郎

    角屋委員 農林省の官房長が日ソ漁業交渉の関係でどうしても出られないというので、農林省の全体的な状況について答弁を願う対象がありませんが、とにかく農林省の場合でいえば、常勤職員以外に、次官登録による、あるいは三十七条適用による常勤的非常勤、これは身分その他いろいろな関係におきましても、常勤職員と同一条件で、この該当者もそういうつもりで働いておるわけですし、同時にまた農林省の場合でも、そういう気持で取り扱っておるわけです。従って定員外職員定員化の問題の場合には、これは単に農林省ばかりでなくて、建設省を初め、各省にもまたがる問題でございますけれども、常勤職員と同時に常勤的非常勤という実態に即応した形の中でのものを取り上げまして、そして今度の国会で修正を行なう、こういうふうにぜひしていただきたいというふうに考えておるわけであります。  この際、先ほども申しましたわけですけれども定員外職員定員化の問題については、来週早々から与野党間でいろいろ話し合いがなされるわけですし、同時に益谷国務大臣を初め、大蔵大臣その他関係各省の大臣の方で定員外職員定員化の問題は一昨年、昨年、本年、同時に定員法撤廃問題が出ておることともかんがみまして、本年度はぜひ一つ最大限の仕上げをしてもらいたいという希望も、定員外職員としては持っておるわけでございます。そういう点で、常勤職員ということばかりでなくて、農林省の場合でいいますと常勤的非常勤職員、つまり次官登録によるところの定員外職員、あるいは林野の場合でいいますと三十七条適用の職員、こういうものについては、その実態から見て何ら常勤職員と変わりがない実態にあるわけですから、おそらく与野党の話し合いの際には政府の方にも御意向はどうである、この辺のところでいいものであろうかということで、問い合わせも意向打診もあるのですけれども、この際定員法撤廃問題の検討されておる経緯並びに一昨年、昨年に続いての本年度の定員外職員定員化という定員外職員の強い要請等から見ましても、最大限政府としても、特に行政管理庁の担当大臣であられる益谷国務大臣としても、ぜひ一つあたたかい措置を考えていただきたいと思いますが、この点について一つ大臣のお考えを承りたい。
  45. 益谷秀次

    益谷国務大臣 本年提出することのできなかったのは非常に遺憾であります。それは先日来申し上げておりますように、根本的に検討をしたいというので、そういうふうに連結協議会を設置いたして、来年は根本的にそれを整理をして参りたいという考えから、本年は間に合わなかったのであります。来週から与野党の委員諸君が協議をせられるということを委員長からも承っております。私どもは皆さん方の意思をどこまでも尊重いたして参りたいと思っております。
  46. 角屋堅次郎

    角屋委員 時間の関係もありますので、まだ定員法の問題に関連して、特に農林省関係では農地局関係の問題あるいは食糧庁、林野庁、統計調査部等の問題についてお伺いしたいと思っておりましたが、これらの点は省略をいたしまして、特に統計調査部の問題に関連をして少しくお伺いをいたしたいと思います。この点については過般農林水産委員会でも、いろいろ行政管理庁からも来ていただきましてお伺いをしたわけでありますけれども、きょうはせっかく大蔵省の方もおられますので、話を承っていただきたいと思う。     〔岡崎委員長代理退席高橋(等)委員長代理着席〕  御承知のように統計調査部の本年度の定員の問題をながめて見ますと、前々から米価審議会の強い要請に基づいて、米価審議会答申に基づく米価算定の問題として、生産費及び所得補償方式による米価算定、こういう要請にこたえて本年度は米の生産費調査の対象戸数というものを、従来の二千六百戸から倍にいたしまして五千二百戸に増加した。そこで統計調査部としては大蔵省との折衝の姿の中で、約百七十名近くの人員の増加を要求をした。ところが折衝の過程でそれが認められないという結果に相なったわけで、そして今日までの状況の中では、そういうことで調査に支障が起こってはいけない。ことに米価問題というのは対農民関係では非常に大きな問題でございますし、米価の算定の対象農家の増加という問題も、米価審議会の要請にこたえた問題であります。また実際生産費及び所得補償方式による調査をいたします場合に、統計調査部の調査の体系からいくならば、標本理論に基づいてやるわけでございますから、結局五千二百戸の対象農家の調査というものが万全にできませんと、たとえば八〇%バルク・ラインを引くにいたしましても、そこに不完全な調査に基づいてはいろいろな統計上の誤差等も拡大する、こういうことにも相なって参りますので、これらの問題についてはやはり必要な人員というものを裏づけて調査をしなければならぬ、こういうことを委員会でも指摘申し上げたわけでございます。今日この問題については統計調査部あるいは農林省関係でも、寄り寄り善処方を努力して参っておられるわけですが、まず統計調査部長から先般の委員会以降の経緯について簡単にお考えを承りたいと思います。
  47. 立川宗保

    ○立川説明員 ただいま御質問のございました点でございますが、米の生産費調査の仕事が、今お話通り米価算定方式の内容が漸次重点を移して参りましたので、事は米価でありますから、数字として非常にあやまちがあってはいけませんので、調査を充実をするということをいたしておるわけでございますが、いろいろ政府の内部において、予算編成等にからみまして相談をいたしたわけでありますが、三十五年度予算といたしましては、現在の定数をもって対応するという結論になっております。従ってその対処の仕方についてできるだけの注意を払い、万全の措置を講ずるということのために、統計調査の組織に属します現在の定数の中で、できるだけ仕事内容をあんばいをいたしまして、組みかえるところは組みかえるということにして、米の生産費調査に当たる人員を増加をいたしますほかに、さらに農林省の内部において、できるだけその統計の措置をもってカバーのできないものについては、省全体としていろいろ加勢をする、こういう意味で食糧庁の職員をもって当面米の生産費調査の事務を応援をするということで、人数は四十六人ほどでありますが、そういうことをもちまして当面の仕事を乗り切っていく、こういうことにいたしておるわけであります。先般もいろいろお尋ねかございましたが、その後いろいろと関係者の間で話を進めておるわけでありますが、基本的なものの考え方というものはただいま申し上げた通りでございます。
  48. 角屋堅次郎

    角屋委員 今度政府から出されて参りました定員法の一部改正というものは、新規業務に伴う必要な人員の増加というものを織り込むという考え方で、趣旨としては出されておるわけですが、統計調査部の場合に、政治的に非常に大きな影響を持つ米の生産費調査、これが従来の対象農家が倍になるという問題で、予算定員が要求されたのが、大蔵省との関係で不調に終わった。それで今統計調査部長からお話のような形で、農林省内でやりくりをするという考え方が従来出ておって、その考え方はやはり是正する必要があるということを、私は農林水産委員会でも指摘をしたわけです。これは一つ考え方の問題ということもありまするけれども、行政と統計との性格というもの、そういうものを基本的に考えて参りますと、行政から作用されない統計の中立性、あるいは独自性、ことに米の生産費調査というような政治的に非常に大きな影響を持つ問題については、農林省の独立機関として統計調査機構がある以上、統計調査機構で全責任を持ってやる体制を整備する、これがやはり必要だ。従って定員が認められないということによって、農林省の他のところから応援を仰いで、腰かけ的にこの調査をやるということは非常に問題があるのではないか。ことに統計理論に基づくところの誤差の範囲、いろいろな問題等から考えてみましても、これは相当精査すべき問題だということを指摘したわけです。     〔高橋(等)委員長代理退席委員長着席〕 今統計調査部長からその後の経過についてお話がございましたが、私は先ほど来質問の中で言っております欠員の問題、欠員の補充の問題、さらには農林省にある常勤的非常勤という次官登録の職員の問題、こういうこと等から見て、今日の段階で過渡的に処理するとするならば、欠員の補充あるいはまた常勤的非常勤の追加、こういうことによって統計調査部自体でこの大きな問題についての調査は実施すべきものである、この信念と考え方は依然として変えてない。そういうことでやはり処理するためには、従来の折衝過程から見て大蔵省というところは、いわば一つの難関ということになろうと思うのですけれども、私はこの際定員法の修正をやる場合には、やはり新規業務であるから、その面についてこれを四十六名のプラスということにするか、あるいは当初要請をしておった人員にするかは別として、それだけのものが必要であるということは、応援の人数から見ても現実に出てきておるわけでございまするから、そういうことで抜本的に処理してもらえば一番いいと思う。過渡的な問題としては、やはり欠員の補充ないしは次官登録による常勤的非常勤職員増加という形で私は本来やるべきものだと思うわけですけれども、この点、大蔵省の方は本調査の性格から見て、理解は十分持っておられると思うのですが、いかがでございますか。
  49. 中尾博之

    中尾説明員 統計のお話でございますが、実情は今農林省の方からお聞き及びの通りであります。定員の経済的な使用ということが可能でありまする限り、その工夫をしていただきまして、最小限度の人で合理的にやっていただくということは、統計のみに限りません。あらゆる分野におきまして、いろいろな場合にそういう必要が出て参ります。そういう場合には、できるだけそういう工夫を財政当局といたしましてはお願いをいたさざるを得ないわけであります。もちろんそれをもって本質的にその省、その機関仕事責任が持てないというようなことでは、これは意味をなさぬ次第でありまするから、そういうむちゃなと申しますか、論外のやり方を決してしようというわけではございません。しかしながら御理解を願いたいのでありまするが、財政負担という関係あるいは人件費の増高、しかも公務員給与問題というような点をあわせ考えまして、これらの点につきましては、一方ならずいずれの省庁に対しましても特段の御努力をお願いしておるわけであります。そういう問題の一環として考えてお願いをいたしており、その結果、御理解を得まして、政府責任といたしまして、こういう方式でやっていくということにおきめを願っておる次第であります。  なお欠員補充の問題につきましては、先ほど私から申し上げました通りでありまして、その趣旨といたしまするところ、その取り扱いの感覚と申しますか、というものは先ほど相当詳しく申し上げたつもりでありますから、そういうことで御了承願いたいと思います。
  50. 角屋堅次郎

    角屋委員 本日は定員法の問題を中心にしていろいろお伺いをしたわけでございますが、当面の問題としては、来週から始まる与野党の折衝によって、定員外職員定員化の問題が、政府の出されてきた定員法改正の問題にどれだけプラスをされて処理されるか、これが一つの大きな問題であろうと思う。同時に、いろいろ申し上げてきましたように、公務員制度調査室中心にして検討がなされておる国家公務員法改正問題、これは私どもはこの推移いかんによっては非常に大きな問題をはらむと思うのですけれども、しかし公務員性格あるいは範囲定員法の今後の行方、いろいろな問題を考えて参りますと、やはり政府関係機関としてのこの際筋の通ったすっきりした体制というものを、十分検討していく必要がある。単にこれは機械的に定員法の改廃を行なうという問題でなくて、定員法そのものの問題についても、定員法を設けておいた方がその機関としてはいいであろうという問題も含むと思いますし、あるいは実情から見て、国家公務員範囲には入るけれども定員法からはずして処理した方がいいというものも私はあろうと思う。これらの過渡的な問題なり、将来の問題等についても今後検討されるようでございますから、十分一つ検討して、来たるべき機会には合理的な筋の通った方針考え方というものを出してもらいたい。その間やはり欠員その他いろいろな問題についても、当面の定員法改正の問題と関連をして、本来の趣旨に沿った措置というものをぜひ講じてもらいたいと思う。ただいま特に問題として指摘しました統計調査部の米の生産費調査に関連する、新規業務の人員の問題については、統計調査部長なり大蔵省の方からお話がございましたが、これは本来今度の政府定員法の修正の中に含まるべきものである、また仕事性格から見てもそうだと思う。ところがいろいろな事情でそれが否定をされたという段階の中で、私が先ほどから申しておりますように、これはやはり欠員の補充の問題なりあるいは農林省で実施しておる次官登録による常勤的非常勤の追加、こういうことで統計自身が本来の統計業務としてできる体制というものをぜひ大蔵省も理解していただいて、これが処理されるように希望いたしまして、私の質問は本日はこの程度で終わりたいと思います。
  51. 福田一

    ○福田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十二分散会