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門司委員 これはどうも
官房長官としてはきわめて不穏当な御
発言だということにならざるを得ないと思います。どうも番頭では工合が悪いとかなんとか言われておりますが、
内閣がほんとうに
地方の行
財政というものを
憲法に沿ったようにやっていこうとされるには、今の
機構でも何も差しつかえがないはずであります。私はそれを聞いておるのであります。もし必要だとするなら
——ほんとうは
大臣に帰ってもらった方がいいのだけれ
ども、
大臣がおられますから非常に言いにくい
言葉でありますけれ
ども、これは本
会議でも申し上げた
言葉でありますから申し上げますが、やはり大蔵
大臣級にするとか、あるいは通産
大臣級にするとかいうようなことが、もし
政府において
考えられておるとすれば、これはとんでもない問題で、どうして今それがやれないかということです。
内閣の中でもう少し力の強い、岸さんの首根っこを押えてぎゅうぎゅう言わせるような人でも、
自治庁の長官にすることができるのです。これをして悪いという規定は
一つもない。これは
内閣の意向次第
考え方次第なのです。ところがそれを
考えないでおいて、省にすれば何となしによくなるだろうというようなことでやられたのでは、これはいたずらに
行政機構をいじるだけであって、ほんとうの実効というものは何もないと思う。もしほんとうに今の
官房長官のようなことなら、石原長官の言われることを十分に尊重されたらいい。これはよけいなことかもしれませんが、この間の
予算の
編成のときにも、七百億の減税に伴って当然百二十二億の
地方の
財政の収入が減ってくる。これを増すか増さぬかということで、石原さんがどんなにいったって佐藤大蔵
大臣は言うことを聞かなかったでしょう。そうしてしまいには〇・三ですか、三十億くらいのものを
地方にやって、しかもそれなら現行の二八・五を二八・八にするかというと、それもいやだ、こう言うのでしょう。もし今のようなお
考えがあなた方にあるとすれば、なぜ石原長官の言うことを聞かなかったか。
一体人によって
内閣の
行政は左右されるものですか。そういう御見識になのですか。そうだとすれば
地方自治体は大へんなことになりますよ。私は今の
官房長官の
発言きはわめて不穏当だと思いますが、そうお
考えになりませんか。私
どもの心配しておるのは、これが省になろうと庁であろうと、
地方の
自治体が
一体どうなるかということが問題でなければならない。長官の
言葉とは、どう
考えても私
どもには
考えられない。しかし言われたことでありますから、そういうお
考えをお持ちになっておると思いますが、その
考え方は私は
誤りだと思う。だからここではっきりしておきたいと思いますことは、こういう
憲法があって、特に
日本の
憲法は
地方の
自治体のことについては、大体
政府が干渉をすることができないようになっておる。だから、
自治庁はどこまでもアドバイスをする
一つの
サービス庁である。同時に、そのことの
責任はやはり
内閣にあるということです。この
憲法の建前からいえば、今の
自治庁の方がよろしいのである。
自治庁の長官は、あくまでも
地方公共団体のサービス機関としての役目をお果たしになるということが、
一つの
仕事だと思う。
地方自治体の育成あるいは
自治体の発展をすることは、
内閣総理大臣の
責任だと私は思う。この
自治法をこしらえるときには、そういう
意味でこしらえた
自治法ではございませんか。
憲法がこういうふうにできておる。従ってこの
憲法を忠実に施行していくには、
一つの
大臣であってはならない。これは
内閣総理大臣が
責任を持つべきである。私は
自治法をこしらえたときには、こういう
考え方のもとに今日の
自治法ができておるというように解釈することが正しいと思うのですよ。これは国の
責任なんです。一省の
責任ではないと私は思う。それをあたかも
地方の今日の状態は、何か
自治庁の長官の手腕が足りないからのようなことを言われることは、私にはきわめて不愉快だ。これは当然
内閣の
責任なんですよ。
各省はおのおの
仕事を持っておりますので、それはやはり
一つの省の
責任者というものがあることは必要かもしれない。しかし
地方自治体については、こういう
憲法を持っております
日本の
自治行政というものは、あくまでもその
責任の
所在は
内閣総理大臣でなければならない。これは
自治庁の長官の
権限を強くするというようなことは
考えられない。私は
憲法と
自治法ができたときの
考え方、同時に
地方の
自治体のあり方というものは、今の
制度が最も正しい
制度だ、
内閣総理大臣が
行政の
責任を負うということは正しい
制度だ、こういうふうに
考えておるのですが、この私の
考え方は間違いですか。