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植竹国務大臣 料金が上がりますと、一時的に利用減が起こるのは通例だと思いますが、それならば、それが何カ月くらい続くかによりまして、これは利用減ではない、ほんとうの減収であるという
ように見きわめをつけるべきでありますので、まだ、ただいまのところで結論を出すのは早過ぎるかと存じます。それからまた、幾ら料金をきめるかということは、実際ほんとうの生活費とかエンゲル係数とか、いろいろな観点から割り出すべきでございましょうが、その他非常に心理的の、楽に支出する、あるいは支出し渋るということは、料金の
算定方法によりまして相当影響する場合もあろうとは思います。たとえば郵便はがきが五円で、封書が十円というふうに、ラウンド・ナンバーで
数字が非常に直截簡明でありますと、割合に出しやすいのですが、半端のものはかえって出しにくいというふうなこともございます。だからといって、
NHKの料金を百円札一枚ぱっと出せばそれで済む、直ちに百円に値上げするとかなんとかいう意味では決してございません。そういった心理的影響、八十五円というふうなものも影響の一部でございましょう。それから、そのほかにつきましてただいま役所でいろいろ検討中でございますが、まだ結論が出ませんから、それについては申し上げることはどうかと思いますが、その点をただいまどうするかというお話だったものですから、私個人的に羅列的に書いてみました。これはほんとうの
しろうとの個人考えでございますが、第一に、今後
受信機の販売のときに登録して、後日の徴収に資する方法は一体いいか悪いか。それからそれではパーツで組み立てたら、それは消えてしまうのじゃないか、それの聴取料の逋脱はどういうふうにしていくべきか。二番目に、ポータブルが無料になっているが、それでいいか悪いかということを検討しなければいけない。これはすべて検討課題でございまして、私はだからポータブルにさっそく料金を取れとか、そういう意味で申し上げているのではございません。御
質問はどういうふうに考えているかということなのでお答えしているだけでございます。第三番目には、税金式にしてはどうか、いわゆる目的税式にしてはどうかという御議論がございます。これについては強力な反論も現在ございます。第四番目には、それじゃ検査員が検査しに行ってやることはどんなものだろうか、踏み込みを家庭に行なうということにつきましては非常な異論もあるし、現在の法規上非常に難点がございましょうが、しかし立法措置としてこの点を検討したらその可否いかん、また発見者に報償を与えるというふうなことは、国民精神の指導という点から見ていいか悪いか。それから五番目に、徴収を請負にしてはどうだ、郵政省の現在の委託徴収の実情はそれでいいか悪いか。第六番目に、
テレビの聴視者には
ラジオ料金までくっつけて徴収してはどうだ、いわゆる二本立の問題であります。また
森本委員から御
指摘のございました三本立の問題の検討もこれに入ってくるわけでございます。第七番目には、有線放送を二分の一減額したといたしました場合に、別に
受信機を持っている人たちに対してはどういう措置をとったらいいか、同じ料金、単独加入料金をこれに付加していったものか、それに割引をしたものか、そういった
ような問題の検討。第八番目には、五人組といった
ようなものを組織いたしまして、町内会とか部落会とか、婦人会、青年団、あるいは五人組といった
ようなものを組織いたしまして、自主的に取り立てることはできるであろうか、できないであろうか。それから第九番目には、有線放送に対しましては別に完全な
受信機を持つかもしれませんが、それに対して今の五人組的な制度を作りまして、それでこれを監視していくことはいいか悪いか。それから最後に旅館とか料理店といった
ようなところの取り立て方法はどうしたものであろうか。有線放送のスピーカーのみを持つ家には減額すると、連鎖反応的に旅館の減免にも及ぶと思うけれ
ども、これらの問題はどういうふうに解決していったらいいか。実はこれは昨日
森本委員の御
質問を拝聴いたしましたときに、ちょっとここで思いつきを書いたものでございますから、これは検討課題でございます。これでいいとか悪いとかいうことは、はなはだどうもこれはまだ原案のまた原案で、郵政当局に示しまして、やろうと考えております。