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植竹国務大臣 この件につきましてはざっくばらんに答弁申し上げますと、まだ思想統一も何もできておりませんで、ほんの私個人の意見で、こういう公開の席上申し上げるのはいかがかと思いますが、所信を御
質問がございましたのでざっくばらんに私の所信を申し上げますと、ただいまの御
発言の
通り私も
考えております。それは、発生の当時はこういうつもりではなかったけれ
ども、やってみると非常に不完全な
施設ながら非常に便利で、しかもこれが全国的に
電電公社の手の及ばないととろまでどんどん
拡充発達していって、ただいま百万こえたとおっしゃいますが、大体百万になんなんとしておる
加入の盛況なのであります。そうすれば私
たち行政の担当者としては、その現実の姿を見て今後施策を進めていかなければならない、全く同感に存じております。それならばどうしたらいいかと申しますと、私の
考えといたしましては、有線放送の本質は確かに放送――ブロードキャスティング、それから
電話ーテレフォン、二つの違った本質のものを有線放送の
一つの名の中に包含されていく、それではこれをどういうところが運営していくべきであろうか、監督はまたどういうふうな観点から監督していくべきであろうか、本質が二つのものが
一つになっておるのであるから、別々に監督していくべきものか、運営していくべきものか、あるいはとにかく
一つの農村で
一つの
施設でやるのだから、
一つの締めくくりの場所で監督指導をしていくべきものであろうか、これがまず問点であろうと思います。そこで私の
考えますには、それならば問題点はそれだけかと申しますと、大体ひっくるめて申し上げますと、有線放送には、むろん御存じでいらっしゃるわけでございますが、要約して三つの問題点があろうと思います。第一は有線放送の
施設向上と
拡充の問題でございます。これはすでに本日
質疑応答の中に含まれましたもので、私の
考えも全く同じでありますから省略いたします。第二の問題点は放送
事業者との
関係でございます。NHKとの間に生じております料金問題、料金政策をどういうふうに今後やっていくかという問題が
一つございます。第三番目には
電話と連絡問題がございます。
この三つの問題のうちの一番大きな問題は、現在の
電電公社で行なっております全国的の
電話との連絡問題、関連問題をどういうふうに今後施策を遂行していくかという、これが非常に重大な問題だと思います。結局有線放送は、今のところ
電話がない、また、有線放送の法規によって、
一般の
電話をあそこに流し込む、接続するということは禁止されておる。しかし、要望は非常に強い。これが現状でございます。それならばこの問題をどうしたらいいか。もしこれが許可になりますと、今有線放送は、
一つの町村単位で行なわれておる。同一町村という、同一利害
関係を持ちました同一
経済状態、同一生活状態にあるものが、
一つの放送場所を通じていろいろな放送を行なっており、また、会員同士の通話は、あるいはどうも行なわれておる形跡もあるやに見受けられます。そうすると、やがては他の生活団体、他の隣接市町村との連絡問題が起こって参ります。そうすると、さらにそれが
拡充されまして、全県下にわたって有線放送同士の連絡問題が起こってきて、全国に波及することになりまして、日本の
電話の制度、
電話機構というものについて非常な、これは改革的とでも申しましょうか、革命的とでも申しましょうか、第二
電電公社でも作らなければならないような情勢になりますと、かくては
電話の系統、
電話制度の二元制の発生ということになって、日本の
電話政策に非常に大きな問題が生じる。それではどうしたらいいかと申しますと、今までは
電電公社はこの有線放送につきましては、さっきまま子扱いというお言葉がございましたが、私は、まま子扱いをした形跡は全然ない、そういうふうに観察いたしております。しかし、それこれにかかわりませず、
電電公社としてはこの問題に本気になって取っ組んでいかなければならない。従って、
公社に重大
関係を持っております官庁の
郵政省といたしましては、人ごとならず、
公社と一緒になって、あるいは別に
郵政省の立場からも、じっくりと、しかもおそくなく、できるだけ迅速にこの問題に取り組んで、大方針を立てていかなければならない重大な
段階に直面していると私は
考えます。
それならば有線放送でもって
一般の
電話を流してよいか悪いかということにつきましては、いろいろ御議論もおありのことだろうと存じます。たとえば、通信の機密保持の問題につきましても、有線放送でもって通信の機密保持という原則をはたしてどこまで守り得るか守り得ないか。また、ただいま御指摘のありましたような、放送中は
電話の通話ができない。逆に、
電話通話中は放送ができない。しかし、そういう不便があるにもかかわらず、有線放送はきわめて便利で、安易で、安直である。今のような不便があるからといってこれを全然やめてしまうことはできない。やめてしまうことができないのみならず、どんどんと今
拡充されつつある。それからまた、他の問題といたしまして、ただいまでも構内で交換台を使用いたしておるわけでございますが、これは同じ企業団体、同じ会社とか
公社の内々、同じ協同組合内部の交換
設備であるために、機密保持という点も別に心配なく十分監督されておるし、現在まで何ら支障なく、きわめて価値のある交換
設備として行なわれている。ところが、有線放送になって参りますと、構内
電話とはまるで本質を異にいたしました放送であり、
電話連絡問題でございますので、こういう観点からいたしましても、この有線放送の問題は早急に、しかも細密に、本質的に、また、実際の活用、運用上の問題、こういう問題から十分な審議を遂げて
一つの指針と結論とを出していかなければならない
段階にもうすでに入っていると
考えて、さような方針をとって参りたいと存じますが、初めに申し上げましたように、これはただ私の個人的
見解を申し上げましたので、その点どうぞ御了承願いたいと存じます。