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1960-02-16 第34回国会 衆議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月十一日(木曜日)各会派割当数 変更後の本委員は、次の通りである。    委員長 佐藤洋之助君    理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君   理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 片島  港君    理事 森本  靖君 理事 大野 幸一君       石橋 湛山君    賀屋 興宣君       上林榮吉君    木村 武雄君       藏内 修治君    武知 勇記君       塚田十一郎君    寺島隆太郎君       根本龍太郎君    平野 三郎君       星島 二郎君    渡邊 本治君       小沢 貞孝君    金丸 徳重君       佐々木更三君    成田 知巳君       原   茂君    松前 重義君       佐々木良作君 ――――――――――――――――――――― 昭和三十五年二月十六日(火曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 佐藤洋之助君    理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君  理事 進藤 一馬君 理事 早稻田柳右エ門君       賀屋 興宣君    上林榮吉君       木村 武雄君    藏内 修治君       渡邊 本治君    小沢 貞孝君       金丸 徳重君    成田 知巳君       八百板 正君    堤 ツルヨ君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 植竹 春彦君  出席政府委員         郵政政務次官  佐藤虎次郎君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政局         振興課長)   山本壮一郎君         農林事務官         (振興局振興課         長)      二子石揚武君         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公社         副総裁     横田 信夫君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  山本 英也君         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 二月十一日  委員堤ツルヨ辞任につき、その補欠として佐  々木良作君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員佐々木更三君辞任につき、その補欠として  勝間田清一君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員勝間田清一君及び佐々木良作辞任につき、  その補欠として八百板正君及び堤ツルヨ君が議  長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十二日  簡易郵便局法の一部改正に関する請願外二件(  淺香忠雄紹介)(第四一号)  同(上林榮吉紹介)(第四二号)  同(園田直紹介)(第四三号)  同(橋本龍伍紹介)(第四四号)  同(吉田重延紹介)(第四五号)  同外二件(上林榮吉紹介)(第八八号)  同(坂田道太紹介)(第八九号)  同(竹山祐太郎紹介)(第九〇号)  同(中村幸八君紹介)(第九一号)  同(松岡嘉兵衛紹介)(第九二号)  同(吉田重延紹介)(第九三号)  同外一件(上林榮吉紹介)(第一一四号)  同(濱田幸雄紹介)(第一一五号)  同(福田赳夫紹介)(第一一六号)  同(菊地養輔君紹介)(第一五六号)  簡易生命保険郵便年金積立金融資範囲拡大  等に関する請願岡田春夫紹介)(第一五五  号)  長野県下における電話網整備強化に関する請  願(中澤茂一紹介)(第一五七号)  同(松平忠久紹介)(第一五八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する  法律案内閣提出第一三号)      ――――◇―――――
  2. 佐藤洋之助

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  この際、前の委員会における日本電信電話公社事業概況説明に対し、大橋電電公社総裁より発言を求められております。これを許します。大橋総裁
  3. 大橋八郎

    大橋説明員 去る二月五日当逓信委員会におきまして御説明申し上げました公社事業概況のらち、農山漁村電話普及特別対策につきまして、共同電話架設を約一万二千二百加入と申し上げましたが、約一万一千五百加入が正当でありますので、この際訂正いたしたいと思います。      ――――◇―――――
  4. 佐藤洋之助

    佐藤委員長 電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。進藤一馬君。
  5. 進藤一馬

    進藤委員 このたび、電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案が提出されたのでありますが、現行の電話設備費負担臨時措置法は、まだ三十六年三月まで有効期限があるのでありますが、この法律を急いで制定されますその理由を伺いたいと思います。
  6. 植竹春彦

    植竹国務大臣 電話需要が今時急激にふえて参りまして、第二次五カ年計画におきましても、年約二十七万新架設目標として施設拡充して新加入に応じて参ったのでございますが、それではとても足りなくなりまして、どうしても一カ年に四十万ないし四十三万の新設をして、そうして大体昭和四十七年に完了していくという目標でなければならなくなりましたので、との急激な需要に応じますために、従来の法律にかわりまして拡充法案を提出いたしまして御審議をお願いすることになった次第でございます。
  7. 進藤一馬

    進藤委員 三十一年の三月に、負担法期限延長の際に、「電話施設建設に要する資金は、企業体自己資金をもって賄い得ないところは、国家資金財政資金の借入或は公社債公募等の方途によってこれを調達すべきであって、電話加入申込者等受益者負担にまつことは、事業公共的性格からいって、努めて避けなければならない。」という決議がなされておりますし、また参議院の電気通信委員会においてもそうした趣旨の決議がなされておるのでありますが、この附帯決議との関係におきまして、受益者負担についての御見解を承りたいと思います。
  8. 植竹春彦

    植竹国務大臣 昭和二十七年におきましても昭和三十一年におきましても、両度本委員会におきまして御決議をいただきましたので、電電公社といたしましても、また監督の立場にあります郵政省といたしましても、これを尊重して参ったのでございますが、何分にも急激な電話需要のために、今回いたし方なくこらいった新しい法律案を提出したのでございますけれども、その提出法案の内容といたしますところは、どこまでもこの御決議を尊重して参る次第が織り込まれておるわけでございます。確かにただいまの御発言通り、まず第一に自己資金をもって建設をすべきである、またそれでいけないときには国家資金でもってまかなうべきである、また、さらにだめなときには財政資金借り入れ等によりまして、さらにはまた、電話公債を募集いたしましてその新しい施設建設をやっていかなければならない建前であるということはもう当然のことであると存じます。しかし今申し上げましたように電話需要があまりに急激になって参りましたために、これに応じますため受益者の一部負担にたより、さらに受益者から命を借りるという形で債券を買ってもらうという形をとった次第でございますが、やはり御決議を尊重したということは、この受益者の直接負担になる金額が前の負担法よりは軽減されておりますという点に船きましてこの御決議十分参酌、尊重した次第でございます。
  9. 進藤一馬

    進藤委員 この法案によりますと、単独電話債券払込額一級局では十五万円以内、十二級局については二万円以内となっておりますが、その根拠はどういうところに置かれたわけでございますか。
  10. 植竹春彦

    植竹国務大臣 大体におきまして一つ電話をつけますのには三十万円かかるわけでございますが、そのほんとう実費というものは二十一万円はどんなことをしてもかかる。全国平均で見まして大体二十一万円が平均になるわけでございますが、その半分だけは一つ加入者の方で債券を持っていただきたい。そうすると、ちょうど十五万円と二万円の全国平均をとりますと、大体十万円見当がその半額になりますので半額負担、あとの半額は公社の方で負担するという建前でその十五万円ないし二万円という数字が出て参った次第でございます。
  11. 進藤一馬

    進藤委員 装置料というものが今度設備料ということになりますが、その設備料というものは、実際どの程度金額かかるものでしょうか。
  12. 植竹春彦

    植竹国務大臣 電気通信監理官から詳細の数字はお答えさせていただきたいと思います。
  13. 松田英一

    松田政府委員 実は現在の公衆電気通信法の中では装置料として四千円もらっているわけでございますけれども、この装置料としてもらいます金額は、ほんとうに宅内の消耗品費と申しますか、そういう式のものを計算いたしまして約四千円という数字が出たわけでございます。しかし大体ある加入者のところに電話を開通いたします場合に、その共通に各方面にかかる局の設備あるいは線路の設備、そういうものは別といたしまして、その加入者だけにかかる工事費と申しますか、物品費も入れましての工事費全体は、大体計算いたしましたところ一万円程度になるわけでございます。ある加入者につけるのにそれだけかかりますので、それをたとえば今度はほかの加入者に移転をするということになりました場合には、その金はそれで一応消えてしまいまして、ほかの加入者につけるときにはまた同じような金が要るということになりますので、この経費だけはやはり設備料として特定の加入者負担していただくべきではないかという考えのもとに、それだけの実費と申しますか、それを一万円として納めていただくわけであります。従いまして、もちろんその中には電話機そのもの費用は入ってないわけでございます。なお詳細なデータは、電電公社の方で計算根拠等を明らかにすることと思います。
  14. 進藤一馬

    進藤委員 三十五年度に建設資金として千二百八十五億で四十万の電話がつくということでありますが、従来から比べれば、一個当たり金額相当増額になるように考えられるのであります。それが結局局舎の行き詰まりを打開するとか、あるいは諸設備の不足を補うとかいうことになると思うのでありまして、そういう点が含まれて新しい加入者にそれが結局負担させられるということになるのでありますが、これに対する御見解を承ります。
  15. 松田英一

    松田政府委員 お答え申し上げます。もちろん一加入者当たりにかかります単価と申しますか、設備を作っていきますための費用というものは、施設そのものが非常に改善されて参りますと同時に、その加入者のためだけといいますよりは、その加入者の利用します電電公社電話施設全体というものが非常によくなって参っておりますために、たとえば即時でかかる地域が、従来から比べれば格段の差をもってよくなっておりますとか、あるいはその加入電話から他の加入電話にかけます場合のサービスというものが非常によくなっているとかというふうな点で、結局新しく加入します加入者が、当初に加入者のためにかかる経費は、従って昔と比べればそれだけよけいかかるということになっていることも事実でございます。この点は、従来から加入しておりました加入者の方はそれだけよくなって、その点においては均霑と申しますか、従来の悪い時代から入っておりました加入者は、だんだんよくなるにつれて、その利益を享受してきておるわけでありますけれども、新たによくなった段階において入る加入者というものは、昔の悪い時代のことを経験しないで、いい段階において入りますので、そのときにおける必要とされる経費というものは、やはり新しく入ってこられた加入者が、そのときの段階において持っていただくのが至当ではないかということで、若干差異が出て参っておるということになるわけでございます。
  16. 進藤一馬

    進藤委員 電信電話設備建設資金は、自己資金あるいは財政投融資でまかなうのが本体だと私も考えるのでありますが、現在、公社が発足する前の債務であります一般会計からの借入金はどのくらいあるのですか。
  17. 山本英也

    山本説明員 一般会計の方から公社がただいま借りております借入金の額は、正確に申し上げますと、約四百億円であります。
  18. 進藤一馬

    進藤委員 その一般会計からの借入金出資金に変えてもらうということはできないのですか。
  19. 松田英一

    松田政府委員 実はこの点につきましては、いわば電電公社の現在の基本的な考え方にも触れてくる問題だと思います。現在までは、とにかく当初に電気通信省でやっておりました施設を国から出しまして、それを基盤といたしまして今の電電公社というものができております。そして電気通信省時代にいわゆる一般会計の方から公債として金を借りる形で資金調達をしておりましたそのものは、そのままで電電公社が引き受けて現在に至っているという段階でございますので、その借りている金を政府出資として今後考えていくべきかどうかということにつきましては、これは電電公社としても、そういった出資金というものをふやしていくのがいいかどうか、あるいは政府の方といたしましても、債券で金を貸すというと変ですが、公債で出しているものを引き受けているという形のものを、そういった出資金に振りかえるのがはたしていいのかどうかということにつきましては、相当に根本的に検討もしなければならない点もございますので、現在まだ私どもそうするというところまでは踏み切った見解に立ち至っていないのでございます。
  20. 進藤一馬

    進藤委員 この法律が実施されました場合に、電話市価にはどういう影響があるとお考えでありましょうか。
  21. 松田英一

    松田政府委員 現在、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、非常に熾烈な電話の要望がございますために、実はある地域におきましては、電話市価というものも相当に高いという地域も残っているわけでございます。そこで今度のこの法律によりまして、公社債電信電話債券を引き受けていただくという形になりましても、この点では従来の体制とさほど変わっておりませんために、直接ひどく影響があるということは私ども考えない次第でございますが、ただもう少し具体的に申し上げますれば、たとえば現在の負担法におきましては、東京電話を例にとりますれば、いわゆる三万円という納めっ切りの金がございまして、それがある意味でいえば一番安いところの電話市価一つのもとにもなっているというふうな点では、今度はそういう問題がなくなりますために、全部債券でございますので、若干影響考えればあり得るということも考えられます。それからもう一つは、今後、これはことしだけの問題ではございませんで、公社がこういった形でどんどんとこれから電話をつけて参りました場合に、電話全体の需給が非常によくなってくる。これは私ども非常にそれを期待しているわけでございますけれども需給がよくなることによって電話市価が下がるということは、これは考えられ得ることでございますと同時に、私どもも、それはむしろ日本の電話政策のためには希望すベきことであろうとは思いますけれども、さしむきの段階といたしまして、このために急激に影響があるかどうかという点につきましては、あまり影響はないのではないだろうかというふうに考えております。
  22. 進藤一馬

    進藤委員 今度の法案で、十五万円の債券を買う、十五万円を調達するということは、中小企業者にとりましては相当負担であろうと思いますが、今日の所得倍増計画政府の方針として非常に強く推進されておる際、中小企業の発展とこの電話との関係を、どういうふうに大臣はお考えでありましょうか。
  23. 植竹春彦

    植竹国務大臣 大体国民経済成長率と同一のテンポにしていかなければならないと、その点は考えておったのでありますが、そういたしますと、国民所得伸びの工合を見てみますと、電話需要の方が国民所得伸びの率よりもよけいになっていて、大体一・二倍ぐらい電話需要の方が国民所得よりも需要伸びが多い、そういうふうに計算いたしたのでございますが、これは外国の例にとりましても、やはりそういったような観点から電話需要見込みというものを立てているというふうに承知いたしております。中小企業では、これは都市におきましても、中小と申しながらも、零細企業もあるわけでございますが、大体都市で営業を営んでおられます中小企業人たちと、それから農村方面におきます、電話をぜひ必要とする中小企業とにらみ合わせまして、ここに十二級に分類いたしまして、大都市――第一級の都市では、大体において十五万円というふうな数字を出しますれば負担してもらえるのじゃなかろうか。しかも、その十五万円のうち、それが全部負担ではなくて、それはむろんマージンを支払うわけでございますが、割引される、また、考えようによっては割引されるわけでありますが、その債券をさっそくにも売却できる、また引き受けてくれる銀行もあるというふうなところから、そういった計算をいたしておるのでございます。
  24. 進藤一馬

    進藤委員 その債券流通価格の保持、それからまた引き受け時の金融措置について政府は配慮するということでありますが、どういうふうな御配慮をなさるのでありましょうか。
  25. 松田英一

    松田政府委員 ただいまの問題でございますが、実はこの点につきましては、経済界動きというものは政府の力でどうこうするということは、非常に問題があり、あるいはむずかしいという点でもございますので、私ども直接にはその問題にはこの法律を出しますことによって手を出すわけには参らないと思うのでございますけれども、ただ先ほど御質問がございました、中小企業方々のこの債券を引き受けるために、それがなるべく容易になるようにというようなことで、実は電電公社といたしましては、これは後ほど電電公社の人にお聞きいただきたいと思うのでございますけれども、先年来やっておりました勧業銀行との間の話し合いによりまして、できるだけ資金融通の道を開く、そのことを今後ももっと範囲を広めて、電電公社としては、あちらこちらに懇請をして話をまとめて参りたいという考えがございますし、また今のお話と関連いたしまして、この法律の中におきましても、従来はこの電信電話債券は六分五厘ということで利率をきめておったわけでございますけれども、このたびこういうふうに債券を引き受けてもらうにつきましては、当然その引き受けられる加入者となられる方々に対しまして、そういった普通のものよりも条件の悪いものを受益者の方に特に引き受けてもらうというような従来の考え方はやめまして、この法律の第九条の第二項に、「郵政大臣は、前項の債券の種類及び発行条件については、同項の債券に係る利回りが、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務保証に関する法律の規定による政府保証契約に係る鉄道債券及び電信電話債券利回りとおおむね均衡を失しないことを旨として、同項の告示を定めなければならない。」ということになっておりまして、公社のいわゆる公募債といったものとの均衡を十分考えまして発行条件も定めていくということになっておりますので、六分五厘よりは上回るということも考えられますので、そういうところが全部一緒になりまして、これからの加入者方々には有利になるであろう、同時にまた債券についてもいい方向になるのではないかというふうに私ども考えておる次第でございます。
  26. 進藤一馬

    進藤委員 最近の電信電話債券相場はどういうふうになっておりますか。
  27. 山本英也

    山本説明員 最近の電信電話債券加入者に引き受けていただきますところの東京取引所におきます気配相場は、大体三十四年度一ぱいの平均をとりますと、大体八十七円程度でございます。ごく最近、今年に入りましてから一月以降の今年度発行債券に対しましての値段は、ただいまのところ八十四円くらいの値段を示しておると思います。
  28. 進藤一馬

    進藤委員 債券が今度相当出回ることと思いますが、今後の見通しについてはどういうようにお考えですか。
  29. 山本英也

    山本説明員 ただいま監理官からお話のございましたように、今後の電信電話債券値取りというものを予想いたします場合に大きな要素として考えられますことは、一つは今後発行条件郵政省の方でお考えいただきますことによってよくなるであろうという点は、現在の流通価格が上がるであろうということを予想いたします。もう一面考えなくてはなりませんことは、発行高相当多額に相なりますので、従来に比べまして額が多くなります。市場に出回ります額が多くなりますれば、需給関係値段の若干の低下ということも考えられるわけであります。これを大観いたしますのに、大体過去五カ年間くらいの市場におきますところの相場を見ますと、大体最低八十円、最高におきましては九十七、八円という値ごろを示しております。従いまして、ただいま監理官の方から申されましたように、今後発行条件等がよくなりますならば、金融上あるいは経済上の非常な激変がない限りは、過去五カ年間におきまして示した価格よりはよい値取りをとるのではないかということを想像いたしておる次第であります。
  30. 淺香忠雄

    淺香委員 関連質問。今、進藤委員から質問をしておられる要点は、中小企業者が今日非常に金融難のおりから十五万円もの債券を抱いて、さてそれが直ちに融通なるものかどうか、また今度の法律で十五万円の債券は出しても、結局加入者は今までに比べて一万円程度は安くなるんだ、こういうことを公社の方はしばしば言っておられるが、実際にその債券というものは公社の言われるような額面の八O%以上に売れるものかどうか、また売れるという見込みがあるならば、そこにそれぞれ手を打っておられるだろうが、どういう手を打っておられるのか、こういう点を言っておられるのでありまして、私もそう思うのでありますが、その点一つ総裁から、あるいは大臣からそのポイントをはっきり私どもにわかるように御説明を願いたいと思います。
  31. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御質問でありますが、現在におきましても御承知の通り勧業銀行で、俗な言葉で申しますと、月賦並みに比較的安い金利で融通をしていただいておるのであります。このたび金額も多くなるので、この法律改正になりました暁には、従来九万円程度融通勧業銀行でいたしておるのをさらに十五万円程度に引き上げていただきたい、かように交渉いたしておりますので、多分これは実現することと思います。勧業銀行のみならず、その他の金融機関においても同様のことをやろうという動きもあるようでありますから、従来よりも融通していただく相手が多くなると考えます。それからいま一つは、先ほども説明がありましたように、従来でありますと大体六分五厘の利をつげる次第でありますが、今後は大体一般公募並みに七分程度の利がつくことと思います。その点から言いますと、今までよりもむしろ、もしこれを売却いたすにしても割がよくなる。また一方御案内の通り今までよりよけい出回るおそれがありますので、それらを差引しまして、勘案して考えましても大体今まで程度市場価格が維持されるのじゃなかろうか、かように私ども考えておるわけであります。
  32. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 ただいまの総裁の御答弁でございますけれども、それじゃ一つこういうことを電電公社から私たちにはっきりしてもらいたいと思うのです。今までの公債のついた九万、十万円近くの電話設備に要した受益者の金ですね、あれを今おっしゃるように勧業銀行あたりから融通しておる、便を立てておるということを言われましたのですが、実際電話を引いてもらった人たちが何%それを利用しておるか。つまりやみ電話屋、やみに依存しないで何%利用しておったか。今後どれくらい確実にそれが用立てられるものか。それは電電公社の本社ではそういうふうになっておると簡単に答えていらっしゃるけれども一般庶民電話をつけるときには何%ほんとうに利用しているか問題だと思う。そこの数字がありますか。
  33. 大橋八郎

    大橋説明員 実はこれは昨年始めたばかりでありまして、一般の宣伝がまだ十分行き届いていない点もむろん多かろうと思います。従いまして、初め私どもの予想しておったほど数は多くはないと思いますが、その数字は私の手元に今ありませんから、もし経理局長の手元にあったら報告いたさせます。
  34. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 それがなかったら問題にならぬでしょう。
  35. 大橋八郎

    大橋説明員 今調査いたしておりますが、もし手元にありませんければ後刻調査して報告申し上げますけれども、しかし、いずれにいたしましても今後はもっと十分に宣伝に注意いたしまして、よくこのことを周知いたしますればもっと需要がふえることと考えます。
  36. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 それはぜひ電電公社から責任ある資料を出してもらいたい。そんなものであれば、そんな体裁のいいことを総裁が答えていらっしゃっても、一般の人は右から左へとたたかれて売っているのですよ。これが電話屋の利権あさりになっているのです。そんなに銀行の窓口へ行けば、勧業銀行が金を貸してくれれば、こんなものを売らなくたって、変な食いものにならなくたって、やりくりできるのだと、電話をつけてもらった人たちが何%知っているかということは、私は非常に問題だと思う。今度またこれが十五万円に上がりますと、これは電話屋の利権あさりになるのです。ですから、私はここで淺香委員質問に関連して立ったのですから後日あらためて伺いたいと思いますけれども、この際資料を要求いたしておきます。実際に勧業銀行の窓口を借りて――これは銀行を調べればわかることです。全国的に今まで電話をつけた人の何%が年度別にどれだけ利用したか、それから電話屋の利権あさりの対象になった人、つまり右から左へこれを売ってやむなくやりくりしておる人が、電話をつけた人の何%かということの資料を、あらためて提出してもらいたいということ。それからその資料の上に立って、こういう数字になればこそ、六万円が十五万円になったときに、どういう方法によって、どれだけこれが庶民のために、銀行の窓口を通じて便宜がはかられるのだ、何%はやむなく電話屋の利権あさりの対象になるのだ、こういう答弁がないと、これは簡単にいかないと思うのです。そういう資料を御提出いただきたい、こういうことを私お願いしておきたいと思います。質問はあとに残します。
  37. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま御請求の資料は、できるだけ整えて御提出いたしたいと思います。
  38. 横田信夫

    ○横田説明員 ただいま先生のおっしゃいましたことは非常に大事なことでありますので、ちょっとつけ加えさしていただきます。先先のおっしゃるように、加入者方々にこの電電社債の動きというものをよく理解していただくことが、一番大事なことだと思います。そういう意味におきまして、こういうことでも明らかに、今後いろいろなことをお客さんといいますか加入者に十分知っていただくということが、先生のおっしゃるように、加入者がいろいろな方面にひっかかったり不利にならぬ一番もとだと思います。そういう点では、従来の経過もちょっとお話しいたしますと、御承知のように電信電話債券加入者に引き受けていただくということになりましたのは、二十七年、ずいぶん前でありますが、これが気配相場が立つようになりましたのが、御承知のように昭和三十年からであります。気配相場が立つまでは、電電債券値段は非常に安かったのであります。これはどういうことかと申しますと、一般の人がそういう電電債券の状況をなかなかお知りにならないということで、非常に悪いときは七十円。それが気配相場が立つようになりましてから以降の状況を申しますと、昭和三十年における最高が八十九円四十銭、最低が七十六円二十銭、平均いたしまして八十三円六十九銭――気配相場が立つまでは非常に安かったのです。その後三十一年には、最高が九十五円九十銭、最低が九十円五十銭、平均九十四円四十四銭、三十二年には、最高が八十八円、最低が七十八円、平均が八十二円三十九銭、三十三年は、最高が九十円十銭、最低が八十四円十銭、平均八十七円十四銭、三十四年は、最高が九十円、最低が八十円、平均が八十七円三十二銭、こういうように、気配相場が立つようになりましてからは、この情勢としましては、大体金利の逼迫の状況、金利の梗塞の状況、こういう一般経済情勢の影響は受けておりますが、この幅というものは非常に非合理な幅まではなかなかいかない。御承知のこの利回りとしましては八十五円で、今の六分五厘で一割ちょっと利回りになるわけであります。そういうわけでありまして、気配相場が立つと、あまりに非合理な、利回りとしてむやみやたらなところにはいかないのが普通でありまして、その辺をなお十分加入者方々に知っていただくということと、先ほどのように六分五厘でなおかつこういう情勢でありますので、この社債の条件がもっとよくなるということになりますならば、先ほどからの御心配の点について、十分お客様に対して御迷惑かけずにいけるものだろう、こういうように考えておるわけであります。なお、先ほどの御要求にありました資料のうち、今の勧業銀行の貸付の問題は、あれは昨年の十月からでありますので、十月以降のものの件数を調べて御報告いたすことにいたします。その他、御資料のもう一つの問題は、今までの加入者の方の加入者債券は、一ぺん入ったものがどういうように売られていったかという問題でありますので、これは前々からの状況についてある程度抽出調査もやっておりますので、この結果も御報告いたしたいと思います。
  39. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 今副総裁がおっしゃいました数字は、私たちのとのいただいている資料の中に入っているのですか。
  40. 横田信夫

    ○横田説明員 入っていません。
  41. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 入っていませんね。それを一つ書類にしていただきたいということ。それから、常識で考えてもらいたいのです。国民は少々金が要っても、損をしても、とにかく電話がついたらいいという状況に、ここ数年追い込まれている。電電公社は、とにかくつげてやろうといったようなものですよ。末端の職員の態度を見てごらんなさい。ですから、総裁がおっしゃったような、勧業銀行でそういう便宜をはかってもらっているんだというようなことを、実際末端地方まで、電話加入を申し込んでいる人たちが知っているかといったら、ちっとも知っていない。何%知っているか。だから私は資料がほしいと言う。電電公社は、第一、そんな親切なことをしていませんよ。とにかく三年、五年待たせておいて、やっとつけるときには恩に着せて、お前のところは特別つけてやるんだという顔をしてつける。そうでなければつかないんだから、電話を申し込んだら、日本国民は、かわいそうに、五年、十年、順番を待たなければつかないんだという習慣がついている。そんな状態なのに、勧業銀行の窓口に行くという知恵の働く者はないだろう。おそらく私は代議士の中にもないだろうと思います。ですから、あなた方がどういう机上プランをお立てになっておりましても、それが実際に間に合わぬとだめなんです。自民党の政調会でこの十五万円公債法案ができ、大体出されるという方針がきまったときに、一体世間の電話公債相場は幾らになったか。総裁、副総裁、知っていますか。郵政大臣も知っていらっしゃるのですか。それはひどいものです。電話というものは、一切公社以外が事業をしてはならないというのに、事業をしておるものがある。これはやみ行為しておるじゃありませんか。電電公社は、国民に委託されておりながら、こういうものを見て見ぬふりをしておる。その意味においては、私に言わせれば電電公社は無能です。ですから、国会の委員会の席上で体裁のいいことをお答えになっても、実際ほどういうものかということは、もっとしっかりした数字を見せてもらわないと私は信用ができませんから、データを要求したわけです。私の質問のときじゃありませんからあれですけれども、今お読みになりました資料を一覧表にしていただきますとともに、またあらためて質問をいたしますから、残しておきたいと思います。
  42. 進藤一馬

    進藤委員 戦災電話あるいは旧電話規則で申し込んだ人々は、やはりこの新しい債券を引き受けることになりますか。
  43. 松田英一

    松田政府委員 その通りでございます。これは前の負担法におきましても、戦災電話、それからいわゆる未設電話と申しておりますが、旧電話規則によって昔申し込んでおったもの、これらにつきましてはやはり負担してもらうことになっておりましたし、また現在でも、戦災電話につきましてはまだ五万三千ばかり、またいわゆる未設電話といっているものにつきましても二千数百残っておりますので、こういうものにつきましても、従来の負担法と同じ関係におきましてやはり債券負担していただく、しかし、もちろん額は、戦災電話等につきましては十万円ということを最高にしておるのであります。
  44. 進藤一馬

    進藤委員 伊勢湾台風のような大規模な災害の場合、その電話の復旧の際、やはりこの規則を適用ざれるわけですか。
  45. 松田英一

    松田政府委員 災害の場合におきましては公衆電気通信法の規定によりまして、公社はこれを復旧して参らなければならないわけでございます。従いましてこのときには債券負担していただくという考えを持っております。
  46. 進藤一馬

    進藤委員 この法律通りましてさっそく架設の隘路である、あるいは局舎の行き詰まりとか路線の整備とか、いろいろ基礎設備の整備というようなことが着手されるのでありましょうが、来年度四十万というものが年度内に実際にできる計画でありますか。
  47. 大橋八郎

    大橋説明員 現在予算面で一応計上されておりますのは三十七万加入を増設するという計画であります。しかし予算総則の規定によりまして、もし外債二千万ドルが成立しました暁には、それを原資といたしましてさらに三万名の新規加入架設し得るということは認められておりますので、その二千万ドルの外債がもし成立した暁には四十万加入が成立する、かような計画になっております。
  48. 進藤一馬

    進藤委員 大体の見込みとして、外債を募る時期はいつごろの予想でしょうか。
  49. 植竹春彦

    植竹国務大臣 これはただいま法律案を御審議願うことになっておりますが、これが通りましたらきっそくに活動を開始いたしたいと存じます。
  50. 進藤一馬

    進藤委員 この法案も、国の機関については債券の引き受けを要しないということになっておりますけれども、経営主体が国から公社に移っております現在、そうした国家機関は債券は引き受け免除になっておりますが、その点について総裁としてのお考えを……。
  51. 大橋八郎

    大橋説明員 このたびのこの法案にも国の機関は社債の引き受けなどを要しないということになっております。これは私は妥当だと考えております。従来からもさようなことになっております。
  52. 進藤一馬

    進藤委員 それは、妥当だということは理論的に何か根拠があるのでしょうか。
  53. 大橋八郎

    大橋説明員 理論的と仰せられるとちょっと御答弁しかねるのですが、従来からの一般の常識的の観念としてさようになっておりますので、私どもまあその程度のことだ、かように考えております。
  54. 進藤一馬

    進藤委員 公益事業につきましても債券の免除ということがうたわれておるのでありますが、公益事業電話を優先的につけるということはもちろん考えられますけれども、免除することが社会的に当然である、必要であるということについて総裁の御見解を……。
  55. 松田英一

    松田政府委員 御質問の点でございますが、これは日本の電話の特殊事情で今度のような加入者の方に協力してもらうということにしておりますので、外国ではこういう例があまりないものですから、従ってほかの国でそういう免除をしておるかどうかということは私どもよくわからないわけでございますけれども、実は私どもの日本の中における考えといたしまして、これはずっと電話が足りませんでした関係でございますが、従来からいろいろそういうものにつきましては、加入電話をつけるときの順位なり、そのほかの点で、電話というものはやはり当然公益的なものにつきまして、やむを得ずそれなしでは済まされないという状況と同時に、公益的なものにつきましてはその経費の問題につきましても、営利事業ではございませんで、いろいろと無理な点もあるのでございますが、両方考え合わせまして従来から何かとそれについては利益を与えてきた様子で現在にまで至っておるわけでございます。そこで前の負担法のときにも同様な規定がございまして、これにつきましてはある程度免除をしていくということになっておりましたし、この点につきましても、私ども従来からそういうふうにやってきている例を特に変えて、新たな方式に変えるというところまで踏み切る元気も出ませんでしたので、大体従来の線と同じような程度では免除して参りたい。しかしこれが今後どんどんふえて、そういうものがたくさんになっていくということは、これは電話拡充上非常にまずいと思いますので、これをふやすという方向に対しては私ども否定的ではございますけれども、従来あります程度考えとしては、やはり同様のことに運んで参りたいというふうに考えております。
  56. 進藤一馬

    進藤委員 加入電信の債券払込限度が六十万ということになっておりまして、政府は非常に全国の普及に努力しておられると聞いておりますが、その算出の根拠はどういうところによっておられるのでしょうか。
  57. 松田英一

    松田政府委員 実は加入電信につきましては当初試験的に試行いたしましたのが約三年前だったと思いますが、それからしばらく試行いたしまして、公衆電気通信法改正いたしまして、一応サービスとしては法律根拠を持った正式のサービスになったわけでございます。ところがやはりこういったものはある程度の数になりませんとその効用を発揮しないということでございまして、それまではなるべく入ってもらうこと々特に勧奨するというような考え方もございまして、現在まではこういった債券を引き受けてもらうというふうなことはなしで進んできたわけでございます。ただ今回ここで電話拡充のために特別な措置として債券を引き受けてもらうという体制をとりました場合に、これとのバランスを考えますれば、やはり同じ性格を持っている加入電信というものについても当然それと同じ建前をとっていかなければバランスを失するのではないかという考え方もございますし、また現在の加入電信というものをやって参りますのに、大体一加入者当たり考えますと約百二十七万円ばかりの経費がかかるわけでございます。そこで、そういうことを考え合わせまして、それから加入電信の加入者のところに備えつけます機械につきまして考えましても、これも七十万円ばかりかかりますので、そういうことを考えまして、まあ大体六十万円ぐらいは負担していただいていいのではないかということで、それを最高限度と切ったわけでございます。現在は加入電信はすでに千四、五百程度になっておりますし、そろそろ本格化の過程に入っていくわけでございますけれども、なお、ある程度ほんとうの効率を発揮するというところまでは、場合によってはこれよりも低い金額できめていくということも必要かと思いますけれども、一応加入電信がその機能を果たすという状況になったときには、やはりこの六十万円程度のものは最高といたしまして引き受けていただくということが、ほかの電話の場合と考え合わせまして、妥当なバランスであろうというふうに考えておる次第であります。
  58. 進藤一馬

    進藤委員 今日電報は赤字を出しておる際に、加入電信が非常にそうした勢いで広がってきているということは、まことに喜ばしいと思いますが、これをもう少し奨励する意味で、何とか加入する際の条件として、電信証券みたいなものを持たせて、利益が上がるとともにそれを配当するというような、そうして奨励するというようなお考えは、公社としてありませんですか。
  59. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま御指摘の出資証券のようなものを出したらどうかという、これも一つの案として、傾聴すべき案だと思いますが、この出資証券の問題は、実はこの電信だけでなしに、電話そのものについても、ときどき案として考慮される案なんであります。まだそとまで踏み切るまでの程度に至っておりません。
  60. 進藤一馬

    進藤委員 この法律の期限は四十八年三月三十一日までということになっておりますが、その年数を限られたところは、どういう根拠ですか。
  61. 松田英一

    松田政府委員 実はこの法律考えますときに一番もとになりましたのは、現在非常に激増していくいわゆる積滞電話、つまりつかないで残されていく電話が非常にふえて参る状況を考えまして、こういった激増していく需要というものに電話を間に合ってつけていくためには、どうしてもこういった特別措置を考えなければならないということで、この考えが始まったわけでございますが、そのときに、では一体その積滞している電話というものをどういうふうにこなしていくか、つまり需要についてどのように追いついていけるかということを、電電公社としてはいろいろ計画を立ててきたわけでございます。その具体的な現われといたしましては、従来から考えてやっておりましたいわゆる第二次五カ年計画というものの残りの三年という分につきまして、従来の二十七万ということでは、むしろ需給の状況は悪化するということでございますので、これを三年目、すなわち三十五年度には四十万、その次は四十三万、その次は四十六万というような工合にしてやっていかなければならないということで考えたわけでございますが、これはもちろんもっとたくさんの電話というものがつけられればいいのでございますけれども、何分資金的制約というものもございますために、いろいろ考えた結果、せいぜいこういうところだということで、そうなったわけでございますけれども、それで、そういった積滞している電話、つまり需給のバランスというものが一体いつごろとれるだろうか、あるいはいつごろとるようにして考えていくかということでいろいろと考えました結果、大体その第二次五カ年計画が済みまして、あと十年間、第三次、第四次と五カ年計画を積んでいきまして、四十七年度末にいけば、大体需給のバランスがとれるだろう、それまでの間の需要数をいろいろと予想いたしまして、またそれに対して、少しずつではございますが、その山をくずしていくということを考えまして考えたのが、四十七年度末にバランスがとれる――それよりも早くそうなることが望ましいわけでございますけれども、その点では、やはり資金的な制約がございますために、なかなか思うにまかせないということで、その辺を考え合わせた結果、結局のところが四十七年度末ということになっておりますので、少なくともそのときまでには何とかそうしたいし、またそのとき以前にその状態というものは、今考えられるところではなかなかむずかしかろうということでございますので、今度の暫定措置はそのときまでは、やはり加入される方の協力を得なければならないだろうという見通しのもとに、四十七年度末、つまり四十八年の三月三十一日までにこれを廃止するということで期限を切ったわけであります。
  62. 進藤一馬

    進藤委員 公社電話普及に対する非常な御熱意はよくわかるのでありますが、今日農村において非常に喜ばれております有線放送も、団体加入電話と同じように、一つ公社と接続さして便利に使用するというような方法は、一そう電話の普及になるのじゃないかと思いますが、そういう点について公社としてのお考えを承りたいと思います。
  63. 大橋八郎

    大橋説明員 有線放送電話公社の公衆電話との連絡の問題でありますが、これに対して地方農村等において相当熱烈な希望のあるということは、私ども承知いたしております。ただ現在の有線放送電話の状態を見ますと、技術的に見て必ずしも完全といいますか、優秀な設備のみではないようであります。中には、最近できたのは、相当優秀なものもあるようでございますが、大部分はやはり遠方に話をするにはまだ相当不十分な状態の設備が多いようであります。それからいま一つは、もともと有線放送電話は、御承知の通り放送がむしろ主体でありまして、自然発生したものであります。有線放送のために設備したものが、たまたま設備してみますと、これはちょっと利用すれば近距離の通話には電話としても使える、こういうことで、むしろこれは付属的に電話に使ってきたという大体経緯でありまして、いよいよ使ってみますと、農村としては大へん便利だから、これを一般公衆電話につなぎたいという御希望が出るのはごもっともだと思うのであります。ただ現在の状態のままでは、ちょっと直ちにこれを実行するのは困難じゃなかろうか、もう少し現在の有線放送電話設備がよくなって、相当のところまでこれは使えるというめどがつくということが一つであります。また一つは先ほど申しました放送との関係でございます。これが、放送をやっているときには電話がかかってもすぐ電話に使用できないという関係もございまして、まあこれらの関係の問題をどう考えていったらいいかという、いろいろめんどうな、むずかしい問題がありますので、今後十分これは研究しなければならぬ、かように考えております。
  64. 進藤一馬

    進藤委員 大いに研究していただきますが、私はその技術のおくれておる点とか、あるいは設備が不十分であるというような点を、もう少し公社において指導と申しますか、もっと親切にされたならば、あるいは将来これに接続して電話として有効に――現在の電話が不十分で、いってない、いわゆる空白地帯がそれによって解消されるということになるのではないかと思うのでありまして、一そう研究を進めていただいて、これを、そういうふうに電話の普及の面から取り上げていただければ非常にいいことじゃないかと考えますので、お願いいたす次第であります。
  65. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 関連して。ただいまの有線放送の問題でございますが、電電公社は、有線放送について積極的に、今の農村のあの空白地帯をほんとうに公共の福祉のために機械の研究をし、そしてこれを拡充、充実するような方法について、何か電電公社の中で特別の機関を設けて、いろいろな角度から研究を今までしてこられたのか、されようとしているのか、もししておられるのなら、どういう方法においてこれが助長、親切な指導、研究、こういうものをなされたか、これがもしありますならばここで一つお答えいただきたい。
  66. 大橋八郎

    大橋説明員 農村対策については、御承知の通り特別措置として無電話部落をできるだけ早く解消したいという一つ目標を立てまして、公衆電話を無電話部落に設置するのが一つ施設項目となっております。第二次五カ年計画のうちに無電話部落を全部解消したいというのが一つのねらいでございます。そのほかに、地域団体加入として、これはあまり数は多くはありませんけれども、また幾らかの地域団体加入施設もやる、さようなことで、一応現在の対策はとっておるのでありますが、ただ、ただいま御指摘の現在行なわれております有線放送電話そのものに対して、何か特殊の機関を設けて研究しているかということでありますが、特別の機関としてはありませんけれども、それぞれの技術なりあるいは営業方面なり運用方面なりの既存の機関でそれぞれ研究をいたしております。
  67. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 私どもがいろいろと農村の有線放送――前の二つの問題は一応おきまして、農村の有線放送というものを見せていただきますと、どうも技術的にもう一つ電電公社がこの有線放送に力を入れて、本格的に押していこうという親切さがないように思う。あれを請け負っております業者はたくさんございますけれども公社ほんとうに真剣になって今日の一流メーカーといわれる人たちのおしりをもっとひっぱたけば、もっと良心的な工事だとか機械だとかがわれわれしろうと目に見てもつくと思うのです。ところがどうも有線放送というものはいろいろな行きがかりがあって、電電公社ではどうもまま子扱いをしている、こういう感じが私はします。これが私の偏見であれば一つお答えをいただいたらけっこうだと思いますが、どうも逆に有線放送に対して電電公社は少し偏見を持ってまま子扱いをしているのではないか、こういう感じがいたします。それから、何と申しますか、農村に行きますと、ほんとうにあれを農村の人たちは喜んでいるのです、僻地の人たちは。それで今無電話部落について総裁は美しいことをおっしゃいますけれども、それはどのぐらい集まったら、七十戸、八十戸、百戸集まったらいくかというと、これは私の体験を通して言うとなかなかどうしていきません。そして大へんな順番の待ち方で、都会地あたりの電話の順序どころではない。もっとおくれておる。ですからこれはなかなかほど遠いことです。私は、もっと電電公社が本格的に農村のためを思うならば、農村の有線放送というものの指導のあり方、進め方というものは別途にあると思うのです。ただやろうとしておらない、こういうふうに考えておりますが、おのおののセクションにおいてできるだけの指導や機械の研究をかたがたさせておるというような総裁の御認識のようでございますけれども、農村の人口というのは、御存じの通り広範な区域に日本の人口の半分を占めており、しかも農村は都市との格差が多くて、あらゆる面から、目下の政治緊急務としてこの農村と都市との格差を縮めていくということが必要なんです。そのためには、なまのからだを持った農村の人たちを守る、それから経済的にも農村が都市に立ちおくれないために農村を引っぱっていくという角度から、これはテレビよりも先に、もっと有線放送が公共的な見地から電電公社の手によって、親切になされなければならぬと思うのです。もう有線放送が実施されましてから相当になりますけれども電電公社の冷たい処遇にあいまして――私はもっと親切な施設拡充、指導を電電公社は率先してやるべきだ、こう思って見ているのですけれども、なかなかこれがなされない。これからいろいろ問題になろうと思いますけれども、こうした十五万の公債を買って電話をつけなければならぬということになりますと、農村ではクラスが違いますから安くなりますけれども、どうしても一戸々々の世帯が都市並みに申し込むという段階には農村は立ちおくれているからいかないのです。あくまでも有線放送中心でもっと親切にやったらどうかと思うのですけれども、どうもおやりにならない。この法案を通すに際して、一つ総裁に、研究機関あるいは特別な有線放送に関しての一つの局でも電電公社の中に設けてこれから取っ組むという気概を見せていただいて、もっと農村に親切な電話施設拡充、指導、こういうものをやっていただきたいと思うのですが、この際、そういう気概を総裁以下お持ちになっていただけないものかどうか、ちょっと関連でございますけれどもお尋ねしておきたいと思います。
  68. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまいろいろ御意見を拝聴いたしました。ただちょっと申し上げておきたいのは、有線放送電話は実は現在私ども公社の仕事の範囲内に入っていない、かよう申し上げると何か規則にとらわれているようでありますけれども、これは今日は郵政省監理官の方で指導監督せられる建前になっておりますので、これをどういうふうに指導していくかということは、監理官の方でいろいろ御研究になっていることと思います。将来に対する対策等について。ただ私どももできるだけ農村に公衆電話をつけたいという考え方はむろん持っております。それと関連しながらこれを研究していくという立場で今後も研究いたしたい、かように考えております。
  69. 横田信夫

    ○横田説明員 ちょっと実情を二、三お答えさせていただきたいと思います。ただいま先生のおっしゃいましたように、有線放送はほんとうに今の農村に非常に役立っておりますし、ほんとう電電公社は全国どこにも行き渡らぬところがないように、あまねく電話のサービスを供給する、これが電電公社ほんとうの任務でありますので、そこまでいかなければならぬのでありますが、なかなかそこまで及び得なくて、今度のような拡充計画、それも四十七年にようやく需要を充足することができるというような状況でありまして、非常に情ないわけであります。そういう実情からして、有線放送というものがああいう農村に普及されて農村のお役に立っている、これは非常にいいことだと思います。それについてわれわれもできるだけの御協力はさせていただくべきだと思っております。ただ、先ほどから総裁が御説明申し上げましたように、現在の有線放送のいなかにおける実情はどうなっているかと申しますと、御承知のように交換機はだんだんよくなっております。先生ごらんになったと思いますが、あの装置当時は非常に交換機も悪かったのですが、非常によくなってきた。今一番問題は線路でしょう。この線路の方の保守あたりについて、これをいつ障害が起きてもすぐ直すというような態勢までやると、あるいは電柱も注入のものを使っていくということになると相当高くなりますので、今のようにしていくことによって相当安く、しかし場合によって二、三日故障が起きてもほうっておくというようなところに有線放送のよさも相当あると思うのです。そのほか、有線放送は御承知のように一つの線に三十から四十のお客さんがつながっているわけです。放送と同時に電話をやる、放送をやっている間はお互いの通話はできない、これが今の有線放送であります。しかしそれはそれなりに非常に大きな効用があると思うわけでありますが、ただわれわれの電話系統とつなぐということになると、ちょっと今の実情そのままでは困難ではないか。というのは、今つなげると、たとえば東京からいなかの有線放送へいく場合に、市外線をずっと通っていった場合、向うで一番最後に三十も四十も一つの線につながっておると、そこへいったときに、いつもお話し中になる、こういうことになると、市外線として非常に困るわけでして、やはり今のままでは、このまま接続はちょっと困る。これは技術的な意味でなしに、運用的な意味です。それから今の技術的な意味においては、もう一つ電話と放送を同時にできないという点で、放送をやっておる間はちょっと電話できないという点に非常に問題がある。そういうところに非常に問題があるわけで、今の地域団体加入の方はそうでない。しかし、今の地域団体加入まで設備のレベルを上げると相当値段が高くなる。その地域団体加入になればすぐ接続することになるけれども、これは自営も認めています。しかし、ここまでいくと金が高くなるので、できれば、先生のように中間的なものができれば一番いいと思います。その辺は、われわれとしても、先ほど総裁が言われたようなそういう方面の研究をなお進めていきたいということになるわけですが、その点で、われわれが有線放送に敵意を持っているかのごときお言葉がちょっとありましたが、それは全然ないのでして、実はただいま接続はできないけれども、その交換があるところへは、できるだけわれわれの方の加入電話をつけてもらう、そこで取次電話ぐらいはやってもらう、接続はできぬけれども、取次電話をおもにやっていく。そうすれば、今のままでも交換手を通じて取次電話をやるということで、ある程度の便宜ができる。それをもう一歩進めていくと、今のように接続を考える。接続のためにはもう少し研究が必要なので、実はまだ非常に不満足ではありますが、今有線放送協会というのができております。有線放送協会というものを農林省の方もわれわれの方も両方バック・アップしていく、こういうことで、その有線放送協会にわれわれの方の技術者も入っていますし、そういう方面で技術的な普及をどういうふうにしていくかということが今後に残される問題だろうと思います。先般も実は私は渡部農林次官とこの有線放送をどういうように育てていくのがほんとうだろうということを隔意なく話し合ったのですけれども、初め渡部次官もちょっとこまかい事情がおわかりにならないようでしたが、今のような事情を非常にこまかくお話しして、有線放送というものをどういうように育てていけばいいかというようなことについても話し合ったようなわけでして、決して反感を持っているわけではないので、その点は御了承いただきたい。できるだけ御協力していきたいと思います。
  70. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 ただいまの副総裁の御答弁を承りまして、わかったこともわからないこともあります。  そこで、私が一番憂えますのは、やはり有線放送に電電公社の親切な、積極的な指導がないと、かなり悪質なものが横行しておるという事実が、これは御存じだろうと思いますけれども、あるのです。たとえば、一つを例にとって申し上げますと、有線放送の声を大きくして、御承知の密閉した箱の増幅器、あれを作って、そしてないしょで公社線とつないでおるこういう事実が非常にたくさんあるのです。そして、総裁や副総裁は御存じかどうか知らぬけれども、われわれがある程度研究したところによると、この増幅器という機械は電電公社の外郭団体が売りつけておる形跡がある。こういうことでよいものかどうか。こういうことを電電公社の外郭団体がやって、電電公社というものの趣旨と合致するかどうか。こまかいことについてはまだ申し上げたい点もたくさんありますから、また別の機会に譲りたいと思いますけれども一つこういうことを真剣に検討していただきたい。  次の質問者がありますから、私は関連質問ですので、きょうは一応終わります。
  71. 佐藤洋之助

  72. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 私は、今問題になりました有線放送のことにつきまして、郵政大臣を主にいたしまして、また関連する農林省と自治庁当局、さらには電電公社方面の御意向をお伺いいたしておきたいと思って質問の通告をいたしておきました。たまたま進藤委員の御発言の中から、またただいまの堤委員関連質問の中からこれが取り上げられて参りまして、この問題が世間に大きく出てくるととになりました。それは一つには、これが非常に世間の要望に沿うたといいますか、また政府の力の入れ方がこの方面に重かったというようなことからいたしまして、私どもの知る限りにおきましてはすでに百万をこえたというようなすばらしい発達の状況のようであります。そとで一つには放送協会の聴取料の問題に関連いたしまして、先日来新聞などに伝えられておるような問題が起きておりまするとともに、弔う一つには先ほどから問題になりましたような一般電話局との関連、接続を要望する声が急に高まって参ったのであります。もとよりこの施設は沿革的にいいますれば、電電公社の今の一般電話とは縁もゆかりもないわけでもないのでありましょう、名前くらいは同じであったが、しかし完全なる血のつながりはなかった、全くの農事放送、共同聴取というようなことから出発をいたしたのでありましょうが、しかし今はあまりにそれが発達の状況が激しいというようなことと、もう一つには先ほどからお話しになりましたような機械の改良というようなことに関連いたしまして、施設者の方といたしましては隴を得て蜀を望むとでもいいますか、これがもし一般加入電話との接続がはかられたならば、どんなにかしあわせであろうかというようなことになって参った。従ってこの辺で一つ、せっかく作った仏であるから魂を入れてほしい、さきのねらいはこの魂が惜しかったんではないでありましょうが、しかし今となってはむしろその魂こそこの施設において必要であるというようにとられて参ったようであります。これはもう否定しがたい事実で、世間の強い要望でありますので、施設のねらいはそうではなかったなどということで私はのがれられないことだと思う。  そこでこの際、物事は初めはそうであったけれども、途中で発達してくると急に目的が変わってくることもあります。そういう意味において私は、これを管理なさっておる郵政大臣はこの現象、この事実、及びこの後におきまする傾向などを勘案してどういう所信を持ち、これからこれについての対処をなさるおつもりでありましょうか、一つ承っておきたい。
  73. 植竹春彦

    植竹国務大臣 この件につきましてはざっくばらんに答弁申し上げますと、まだ思想統一も何もできておりませんで、ほんの私個人の意見で、こういう公開の席上申し上げるのはいかがかと思いますが、所信を御質問がございましたのでざっくばらんに私の所信を申し上げますと、ただいまの御発言通り私も考えております。それは、発生の当時はこういうつもりではなかったけれども、やってみると非常に不完全な施設ながら非常に便利で、しかもこれが全国的に電電公社の手の及ばないととろまでどんどん拡充発達していって、ただいま百万こえたとおっしゃいますが、大体百万になんなんとしておる加入の盛況なのであります。そうすれば私たち行政の担当者としては、その現実の姿を見て今後施策を進めていかなければならない、全く同感に存じております。それならばどうしたらいいかと申しますと、私の考えといたしましては、有線放送の本質は確かに放送――ブロードキャスティング、それから電話ーテレフォン、二つの違った本質のものを有線放送の一つの名の中に包含されていく、それではこれをどういうところが運営していくべきであろうか、監督はまたどういうふうな観点から監督していくべきであろうか、本質が二つのものが一つになっておるのであるから、別々に監督していくべきものか、運営していくべきものか、あるいはとにかく一つの農村で一つ施設でやるのだから、一つの締めくくりの場所で監督指導をしていくべきものであろうか、これがまず問点であろうと思います。そこで私の考えますには、それならば問題点はそれだけかと申しますと、大体ひっくるめて申し上げますと、有線放送には、むろん御存じでいらっしゃるわけでございますが、要約して三つの問題点があろうと思います。第一は有線放送の施設向上と拡充の問題でございます。これはすでに本日質疑応答の中に含まれましたもので、私の考えも全く同じでありますから省略いたします。第二の問題点は放送事業者との関係でございます。NHKとの間に生じております料金問題、料金政策をどういうふうに今後やっていくかという問題が一つございます。第三番目には電話と連絡問題がございます。  この三つの問題のうちの一番大きな問題は、現在の電電公社で行なっております全国的の電話との連絡問題、関連問題をどういうふうに今後施策を遂行していくかという、これが非常に重大な問題だと思います。結局有線放送は、今のところ電話がない、また、有線放送の法規によって、一般電話をあそこに流し込む、接続するということは禁止されておる。しかし、要望は非常に強い。これが現状でございます。それならばこの問題をどうしたらいいか。もしこれが許可になりますと、今有線放送は、一つの町村単位で行なわれておる。同一町村という、同一利害関係を持ちました同一経済状態、同一生活状態にあるものが、一つの放送場所を通じていろいろな放送を行なっており、また、会員同士の通話は、あるいはどうも行なわれておる形跡もあるやに見受けられます。そうすると、やがては他の生活団体、他の隣接市町村との連絡問題が起こって参ります。そうすると、さらにそれが拡充されまして、全県下にわたって有線放送同士の連絡問題が起こってきて、全国に波及することになりまして、日本の電話の制度、電話機構というものについて非常な、これは改革的とでも申しましょうか、革命的とでも申しましょうか、第二電電公社でも作らなければならないような情勢になりますと、かくては電話の系統、電話制度の二元制の発生ということになって、日本の電話政策に非常に大きな問題が生じる。それではどうしたらいいかと申しますと、今までは電電公社はこの有線放送につきましては、さっきまま子扱いというお言葉がございましたが、私は、まま子扱いをした形跡は全然ない、そういうふうに観察いたしております。しかし、それこれにかかわりませず、電電公社としてはこの問題に本気になって取っ組んでいかなければならない。従って、公社に重大関係を持っております官庁の郵政省といたしましては、人ごとならず、公社と一緒になって、あるいは別に郵政省の立場からも、じっくりと、しかもおそくなく、できるだけ迅速にこの問題に取り組んで、大方針を立てていかなければならない重大な段階に直面していると私は考えます。  それならば有線放送でもって一般電話を流してよいか悪いかということにつきましては、いろいろ御議論もおありのことだろうと存じます。たとえば、通信の機密保持の問題につきましても、有線放送でもって通信の機密保持という原則をはたしてどこまで守り得るか守り得ないか。また、ただいま御指摘のありましたような、放送中は電話の通話ができない。逆に、電話通話中は放送ができない。しかし、そういう不便があるにもかかわらず、有線放送はきわめて便利で、安易で、安直である。今のような不便があるからといってこれを全然やめてしまうことはできない。やめてしまうことができないのみならず、どんどんと今拡充されつつある。それからまた、他の問題といたしまして、ただいまでも構内で交換台を使用いたしておるわけでございますが、これは同じ企業団体、同じ会社とか公社の内々、同じ協同組合内部の交換設備であるために、機密保持という点も別に心配なく十分監督されておるし、現在まで何ら支障なく、きわめて価値のある交換設備として行なわれている。ところが、有線放送になって参りますと、構内電話とはまるで本質を異にいたしました放送であり、電話連絡問題でございますので、こういう観点からいたしましても、この有線放送の問題は早急に、しかも細密に、本質的に、また、実際の活用、運用上の問題、こういう問題から十分な審議を遂げて一つの指針と結論とを出していかなければならない段階にもうすでに入っていると考えて、さような方針をとって参りたいと存じますが、初めに申し上げましたように、これはただ私の個人的見解を申し上げましたので、その点どうぞ御了承願いたいと存じます。
  74. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 今大臣は、今の段階においてなお個人的な見解を、というようなことであります。この問題はもう両三年来非常に問題になるべき素因を持ってきておった。従って、これについてはもう個人的見解ではなくして、こういう事象に基づく政府見解あるいは郵政省当局としての公式な方針というものが打ち立てられていなければならないのではないか、こう思うのでございます。まあ、しかし、今承っておりますと、そこまで至っておらぬようでありますが、早急に、しかも、落度なくおやりになるという心がまえもあるようでありますから、ほんとうに早急にやっていただきたい。私も、有線放送施設電電公社がかたきとかまま子扱いしているなどとは考えたくない。もとがもとでありますから、まま子に考えるとか、かたきに考えるとかいうようなことではなくて――実は当初は縁もゆかりもないものであった。名前はなるほど有線放送電話ということであったかもしれませんけれども電電公社事業とは縁もゆかりもないということで出発いたしたでございましょうが、今日まで進んでみますと、初めは人の子供で縁もゆかりもなかったのですが、だんだん手足が大きくなって人間に似てきて、この辺でせめて親類づきあいでもしてほしいということになってきた。数が多くなるに従って今さら他人扱いとか縁もゆかりもないということではなくして、やはり親類づきあいくらいのところまではやっていかなければならない段階になってきた、こう思います。そこで、一般の事情にかんがみまして、郵政大臣が間に入って、親類づきあいでもできるような態勢をととのえておく必要があるではないか、こう思われるのであります。問題は、先ほど副総裁からお話がありましたような、施設程度電電公社の要求するもの、電電公社の理想とするものは格段の差があるということで、今までのような認可方針をとっておりますと、私は、この問題は片づかぬのじゃないか、いたずらに問題をこんがらかせるだけで、問題を大きくして将来に残すだけであると思うのですが、今までのような認可の方針をおとりになるつもりであるか、それともこの辺で何かそうした傾向、そうした将来の見通しを持ってこれらに対処なさる御方針であろうかを承っておきたいと思います。
  75. 植竹春彦

    植竹国務大臣 私といたしましては、現行法に忠実にただいまのところは施策をとって参りますが、しかしもう現行法にばかりたよれないようなきざしがきわめて顕著であるので、この問題は、ただいま申し上げましたように、早急にしかも根本的に検討して結論を出したい、出す、さようなことに考えております。
  76. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 くどいようでありますが、現在の認可方針をそのままやはり踏襲される方針でありますか。
  77. 植竹春彦

    植竹国務大臣 これは、これから検討いたしまして、各界の権威の御意見を尊重いたし、善処いたします。
  78. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 農林省の振興局の方からお見えになっていただいておりますか。――農林省といたしましては、このような段階におきまして、今までのような方針でいかれるのか、それともこれに対してこの辺で何か踏み切った方向をおとりになるおつもりがありましょうか、お聞かせをいただきたい。
  79. 二子石揚武

    ○二子石説明員 ただいま先生から御指摘ございました農村におきまする有線放送電話でございますが、これは昭和三十一年度から発足いたしました新農山漁村建設計画の一環として発足したわけでございますけれども、事実上は非常な好評でございまして、昭和三十四年の十二月現在の数字で申し上げますると、全国におきまして千四百二十七カ所で有線放送電話施設が開設されたわけでございます。これに対しまして事業量は、やはり同時の三十四年の十二月末で三十一億、それに対しまして新農村建設の特別助成から出しております国庫補助額が約十二億強ございます。現在のところ新農村計画の新しい規定は昭和三十五年度で終わりますけれども、さらに実際の助成はその先まだ二年続いておりまして、昭和三十七年までこの助成が続けられるわけでございます。そこで、今申し上げました数字は、これは農林省といたしまして、国庫の助成の対象になった事業量、事業費だけでございまして、このほかに自分の自力でやったものもだいぶあるわけでございます、この点につきましては、こまかい数字はございませんけれども、それらを含めまして、大体推定しまして、現在のところ約百万戸近い農家がこの恩恵に浴しておると考えております。そこで先ほどの金丸先生からの御質問でございますが、この放送電話につきまして、一般電電公社電話に接続さしてもらいたいという要望は、私の方にもかねてからしきりに要求されておるわけでございまして、この点先ほど副総裁お話にもございましたように、次官と副総裁との間に話がございました。副総裁お話のように、一部につきまして、まだ金をかけておらないために、技術的な難点があるということは、これは三十一年度から出発しておりますので、場所によりましては、なるほどおっしゃられるような技術的な不備もあると思いますけれども、新農村事業の中でこのように自発的に農家が始めたいと言って参りました事業はほかにないのでありまして、かつ国庫助成がなくても自力でやっておるという状態でありますから、これもさらに農村の負担でこの事業費を上げまして、設備を改良するという可能性は十分あると思っておりますし、さらに、現在農林省の方で農山漁村の環境整備対策という旗じるしのもとに、新しく調査予算を三十五年度にお認め願う予定になっておりますが、その通信施設のごときも、これらの環境整備の中の非常に重要な要因として取り上げて参りたいと思っておる次第でございます。
  80. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 大へんお力を入れておられるようであります。この施設がいかに世間の気持に、需要に合っておるかを先に証明していただいたような気がするのでございます。そこで、補助金を出しているのがこういう数字で、その他に自力でやるのが相当あると言われましたが、その自力でやるのについては、農林省は全然タッチしておりませんか、それとも、補助金は出さないけれども、技術指導でもされておりますか、この点はどうですか。
  81. 二子石揚武

    ○二子石説明員 現在のところ、農林省といたしましては、技術的な指導にまでは立ち入っておりません。実際の新農村建設に伴います事業につきましては、各県がその指導の責任を持っておるわけでございますが、県におきましても、これは非常に技術的な問題になって参りますので、この点についてはおそらく態勢が十分だとはいえないと思っておりますが、農林省といたしましては、郵政省などにもお願いをいたしまして、この点の育成について十分意を用いていただくようにしていただきたいと思います。
  82. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 自治庁行政局山本課長さんがおいでになっておりますのでお伺いをいたしますが、自治庁では市町村合併の強力なる計画の遂行上、やはり有線放送施設に類似したような施設の奨励をなさり、補助金を出しておるようにも承ったのでありますが、実情はどんなようになっておりますか。
  83. 山本英也

    山本説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、私ども合併をいたしました新市町村につきましては、合併後の建設経営を合理的に進めますために、まず新しい地域社会の一体性の確保ということを非常に重要視いたしまして、そのために、三十一年度以来合併して生まれました新市町村には、一体性確保のために必要な各種施設整備の補助金をつけて参っております。この補助金の額は、三十四年度までで合計約四十億ばかり出してございまして、これに対する事業費が百三十八億くらいになっておりますが、このうち、今お尋ねの有線放送というものは、先ほど農林省からお話がございましたのと同じように、やはり大へん人気がよろしゅうございまして、事業費にいたしまして二十億、補助金で五億一千五百万円ばかりがこの有線放送関係に出ております。それに対します施設団体の数が三百二十ということでございますが、市町村におきましては、この補助金以外で、自力でやりましたものも合わせまして、大体三百七十ばかりの市町村がこの有線放送の施設をいたしまして、先ほど申しましたように、地域住民の利益といいますか、地域社会の一体性の確保と将来の建設経営の基盤といたしましてそういう施設に使われておるような状態であります。
  84. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 今のお話の中で、一体性確保のために非常な力を入れておられる、これがまた世間の人気を博しておるというお話でございましたが、私が実は現地において見ますと、この一体性確保ということが、今の状況でいきますと非常に中途半端なために、かえって一体性は確保されないで、逆の方向にいっておるんじゃないか。といいますのは、合併した町村のうちの一部分につきましては、まさにこの有線放送施設などの整備によりまして、明るい地域社会が建設されておりますが、しかしそれが行なわれないところは、それとの比較において今度は相対的に申すと暗くなっておるような――別に従来から見れば暗くなっておるわけではありませんけれども、それとの比較において暗くなっている面がある。そこでこういう施設をお入れになる場合におきましては一体性確保、行政の均等というようなことがねらわれる限りにおきましては、やはりそういう点も心に置いていただかなければならないように思う。今合併された町村の中には無電話部落さえもたくさんあるのであります。一個の一般電話さえもないようなところがあるにもかかわらず、片や自治庁の御慫慂によりまして、お力によって有線放送施設を、都会にも及ばぬような非常な通信的便益を供与されておるようなところもあるというようなことにもなるわけでありますが、この辺につきましてはどういう御見解を持って今後こうしたことに伴うところの問題の解消をはかられていくか、お聞かせをいただきたい。
  85. 山本英也

    山本説明員 一体性確保のための施設といたしましては、有線放送以外にも地理的条件その他によりまして、あるいは道路、橋梁の整備でございますとか、あるいは場合によりましては連絡用の自動車を購入いたしますとか、あるいは公民館その他社会教育施設を完備してやるとか、町村の住民の希望によりましていろいろ差があるわけでございます。私どもはその事業が要するに一体性確保の目的に沿う限りにおきましては事業は必ずしも強制しない、最も効果の上がる事業を選んでもらいまして、そうして補助金をつけていく、こういう格好にいたしております。ただ、今御指摘のように、たまたま有線放送を作りましたところはその他の作らないところに比べまして非常に差が出てくるということは、これは言えることだろうと思いますので、その他の各種施設の整備の高度化とあわせまして将来地域内に不均衡が起こらないようにという観点から、今後とも新市町村の建設なり経営なりを進めて参りたい、かように考えております。
  86. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 よくわかりました。結局農林省及び自治庁におきましても、地方農村の振興のために、ことに平均する明るい農村、栄える農村を建設するために大いに他の面におきましても力を入れるでありましょうが、有線放送施設につきましても大いに力を入れておられるというようなことであります。従って今後この施設につきましては、今までよりも一そうのスピードをもって普及されていくのではないか。ことに先ほどからのお話もありましたように、自力ででもやろうというような熱がある限りにおきましては、私はやはり今までよりも数倍する速度をもってこれは普及されてくるんじゃないかと思うのであります。そこで自治庁及び農林省御当局といたしましては、今この施設の一番大きな問題の、技術が一般に希望するところの他の一般電話に接続するというまでに至るのには非常な開きがある。この開きはどういうふうにしてお埋めになっていくつもりか、今までのような状況のままでいこうとするのか、この点で補助金を増すとか、技術指導を強化なさるとかというようなことによって将来への問題解消に一歩を、巨歩をお進めになる腹がおありかどうか、これはくどいようでありますけれども、この問題を次に郵政省にお尋ねするという前提といたしまして両省の御意見も承っておきたいと思います。自治庁の方から……。
  87. 山本英也

    山本説明員 ただいま御指摘の問題でございますが、同一市町村内で事業主体が異なる場合はこの接続はできないというような問題、さらに一般電話との接続はできないという点は、現在有線放送電話施設をしております各団体の非常に大きな問題でございまして、すべてがあげましてこれの接続ということを熱望いたしておるのでございます。特に私どもこの新市町村の一体性ということを申し上げます場合に、新市町村の中で一部は市町村がやる、あるいは一部を農業協同組合がやるというので、一つの市町村の中に二つの事業主体がこの施設を持ちました場合ですら接続ができないという点は、新しい地域社会の一体性確保の点からいきましてもはなはだ工合の悪い点でございまして、これの接続につきましては非常に熱望いたしておるわけでございます。ただ、ただいまもお話がございましたように、電話業務というものの本質から何がゆえに現状のままではできないかという点につきましてはよく郵政省等とも御連絡いたしまして、かりに施設が悪い、あるいは技術が十分でないということになりますれば、施設の高度化、あるいは技術の向上ということをはからなければなりませんけれども、これに対して市町村で力がないということになれば、しかるべき措置を講じなければならないだろうと思います。いずれにいたしましても接続が可能になりますように、その方向に沿いまして郵政省とも十分御連絡をとりまして今後ともできるだけの努力はして参りたい、かように考えております。
  88. 二子石揚武

    ○二子石説明員 先ほどの御質問でございますが、三十五年度におきましても、あるいは三十六年度におきましても電話関係の助成命がおそらく三億円くらいのものが支給されることになると思っておりますが、このように電話事業一般的になってしまっておりまして、そうしてその上において電電公社電話との接続が非常に強く要望されるような事態におきましてはこれは農村の負担能力との関係もございまするけれども、今後の三十五年度以降の新しく有線放送電話を接続するような地区におきましては、このような事態をも考えまして実施上の指導方針としてできるだけ設備の点につきましては、将来のことも考えて速成の悪いものをということのないような指導をして参りたいと思っております。
  89. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 ぜひその点は強く一つお進めが願いたいのであります。中途半端なものを生みつけておいて、そうしてそれが将来かえって一般の通信施設の健全な発達上の阻害になるようなことになってはいけないように思うのです。すでに三十一年ごろに初めにやった施設などにつきましてはずいぶん問題があるように私どもも承知いたしております。その後だんだんよくなりましたから、まあ、かえってそのために寝ている子を起こしたといいますか、隴を得て蜀を望む形にはなったのであります。まさに私は蜀を望んでいいことである。そういう意味におきましては今の段階においてとにかく有線放送が聞ければいいのでありますから、一地域内の通話ができればいいのだということで満足されるようなことでは将来に禍根を残すのではないかという意味におきまして、数が少なくとも施設の充実を、将来に備える態勢をもっていかなければなりません。それからして補助金などの額につきましてもそういう施設のできる方向に私は重点を置いて配分される必要があるのではないか、こう考えております。これは両省に要望申し上げます。そこで一つ郵政大臣にお伺いいたしますが、まあそういうようなことで非常にこの施設は世間の人気を博しております。現に施設されたものが百万というようなことでありまするが、施設を要望する者はとうてい百万、二百万というところではないように思われるのであります。電電公社が何十年かかって三百万をようやく突破したというような一般電話の普及の速度から比べますというと、何たる目ざましいものであるかといわざるを得ないのでありますが、そういうような大きな問題をかかえたこの施設をよほどうまく指導なさらぬと大へんなことになる。現にただいま百万でさえもそういうことであります。今後潜在した事業が表に出まして、自力でどんどん施設をするということになって参りますと、問題はそのときになって片づけようといたしましても、時すでにおそし、中途半端に育った、奇形児的に育った子供の始末に困りはしないかというような心配を持つのであります。先ほどの御返答によって私は満足すべきであるかもしれませんけれども、とにかく非常に心配を持つものでありますから、あらためてそういう両省のお考えも参考になさり、両省によって本委員会で今御答弁になりました――表にはそうでありますけれども、もっともっとたくさんの要望があるんだというような事実をも御参考になさっての御方針、今後における対策をお伺いをいたして、私の質問を終わりたいと思います。
  90. 植竹春彦

    植竹国務大臣 答弁申し上げますに先だちまして、松田監理官から、役所としての御答弁を一つ申し上げさせたいと存じます。
  91. 松田英一

    松田政府委員 ただいままでの御質問とこれに対しまする各省の答弁に加えまして、私どもも、事柄の重要性はひしひしと感じているわけでございます。私ども、今までこの問題について決してゆるがせにしておったのではございませんで、検討を続けて参ったのでございますけれども、何分この問題は、ただいまもお話に出ましたことからも推測されますように、非常に重大な問題を含んでいるわけでございます。と申しますのは、この有線放送電話法律が国会を通りましたときに、実はこの是非についても相当議論がございまして、この逓信委員会の席上ででもあったかと思いますが、一体電電公社が日本全国に電話をやることになっているのに、こういうものができていいのか、あるいはこれをやるについても、認める範囲というのは原則として加入区域外でなければならないのじゃないかというような御質問等もあったような次第でございます。そこで結局あの有線放送電話に関する法律によりまして認める趣旨と申しますのは、日本全国の電話電電公社がやるという、そのことに対しての例外を含むものでは決してない。ただ地方において、有線放送と結びついて、有線放送を利用して簡単にやる電話というものが非常に便利で毛あり、また現実にそういう姿になっているのであるから、それはどうしても認めなければ――従来の法律によれば違法の疑いがある、そういうものをそのままにほうっておいて、あるいは違法であるといってこれを押えることはできないし、そこでそういった現地の事態というものを認めて、これを合法的にやっていくべきではないかということを考えまして、従ってそういった――あの中に書いてございますような、大体都市でない、いなかの方の地域、大ざっぱに言えばそういうことになるのでございますけれども、そういうところには電話も非常に不便でございますし、従ってそういう文句も現われておりますが、そういうところには、現地の事態としてこういうものができても仕方がない。あるいは電電公社はその点においては非常に努力が不十分であったと言われるかもしれないけれども、これは現実の姿として――今まで電電公社が努力をして参ったけれども、そこまで手が伸びなかったわけであるから、その地域においてのこういうものを認めていこうということで、法律ができたわけでございます。ところが現実問題といたしましては、その線に沿いまして、非常にたくさんの申請がございますし、またどんどんふえて参ったわけでございますが問題は、日本の電話の態勢といたしまして、電電公社電話にも入らなければならない、これにも入らなければならない、これにも入らなければならないということで、一つ加入者が用向きを足しますのに、二つも三つも加入しなければ通話の用が足せないということになるのは、われわれ電話政策あるいは通信政策として最もとらないところでございます。そこでそういうことにならないように、しかも適当に地域で分けてお互いに発展をはかっていくということを考えなければならないわけでございます。しかもその趣旨におきまして、現在の有線放送電話といいますのは、電話のみでなくて、有線放送に同時に使えるというところに、また農村に非常にアピールしているところがあるわけでございます。従いまして、そのことと関連いたしまして、現実の姿というものは、農村の各戸にはほとんどスピーカーがついている。スピーカーがついているということは、同時に通話ができるという状況でございまして、これはやはり電電公社が努力が足りないと言われるかもしれませんけれども、ほかのところにおきましては、とても各戸に電話がつくなんということは夢にも考えられない状況である。そこまで持っていかなければならないとは思いますけれども、現実といたしましてはそこまでいかない。ところが農村においては今のような姿になっておる。これが直ちに結びつけられるかどうかということが、非常に問題があるところでございまして、この点は、先ほど来総裁からいろいろお話申も上げましたことも関連いたしまして、現実には各戸にあるという姿が望ましいし、またそうでなければならない。それはどうして達成されていくかといえば、一本の線に二十も三十もぶら下げるということによって、非常に安くでき、また技術的にも、いろいろと不満足な点がありながらも、その方がいいのだという形になっておる。ところが一方の方は、通信固有の要請を反映いたしまして、なかなかそうはいかない。それを今後どういうところに調整していくかということが、私ども頭を悩ましておる問題でございまして、決しておろそかにしておるわけではないのでございまして、その問題の解決には相当の工夫も要し、また思い切った施策も場合によっては必要であるということで、時々研究をいたしておりますので、ただいまの御意見は私ども十分耳に入れまして、できるだけ急いで妥当な結論を得るように努力いたしたいと思います。
  92. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 大臣からお伺いしたい。私のお伺いしたいのは、電電公社も非常な熱意を持ってこの問題の処理には力を入れる、こう言われております。それから自治庁及び農林省におきましても、今後はそういう問題をも加味して、この際力を入れ直そう、こういうふうに言われておりますから、郵政大臣としてはそういうような関係方面の意向をもくんで、この際――問題が大きいことはわかりますが、困る困ると言っているときではないと思います。困る困ると言っている間に、ますます問題を困ることにしてしまいますから、困ることではあるけれども、こういきたいんだという方針を、この辺でおきめになる必要があります。そのためにこの際どうなさろうというお腹があるか、こういうことを最後にお伺いすればよろしい。
  93. 植竹春彦

    植竹国務大臣 厳密、厳格なる公社に関する法律に引きかえまして、きわめて安易と思われるような有線放送の法制に基づきまして、時代の要求に従ってこのように、きわめて迅速に伸びつつあるこの有線放送の現状であることを、私は認識いたしておりますが、本日は各委員の有意義なる御質疑を通じまして、農林省、自治庁のそれぞれの、これまたきわめて傾聴すべき、敬意を表すべき答弁があった次第でございます。この問題につきましては迅速に十分に検討をさらに開始いたさせまして、私自身もまたうんとこの問題を勉強いたしまして、できるだけすみやかに結論を出したいと存じます。ただ問題がきわめて重大な問題でありますために、若干の時日をおかしいただきたいと存じます。ただいままでの委員各位の御質疑を尊重いたしまして、その意のおありになるところを十分に腹に畳み込みまして、善処して参る決意でございます。
  94. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 関連して。よく検討するということはわかるのですが、私は具体的に提案したいと思うのです。私は去年、たしか逓信委員会だったと思うのですが、さんざ、有線放送電話があってラジオのないところから料金を取ることはけしからぬ。そのときは農協なら農協という事業主体が徴収をして、NHKは手数料を出しているんだからその事業主体に徴収の責任をまかしておけば、農協はこのうちは気の毒だから取らぬでおこうということも幾らでもできるからそうしなさいということを具体的に前の大臣に話した。そしたら検討しましょうと言って、ちっともやらぬで一年たったものだから、きのうだったかおとといだったか、政調会だか農林部会、逓信部会で話し合って半額にしろという話が出てきた。検討しよう検討しようといってほうっておくからそういうことが出てきた。だからきょうも具体的に一つ提案しますから、こうやっていただけるかどうかということを御答弁いただきたいと思うのです。これはきわめて重大な問題です。たとえば私の長野県では有線放送アナウンサー養成学校を作ろうというわけです。たとえば長野県の二十二万農家のうち十一万戸はもう有線放送局を作ったわけです。それでその交換嬢も四百人ばかりいるんだそうです。就業年限が、結婚しちゃうので三年だ。だから修業年限一年とした毎年百名を養成するアナウンサーの養成学校を作らなければ間に合わぬということを言い出しました。それから全国で初めて、一番大きいと思いますのは私の県の飯田市においては八農協で九千戸ばかりの有線放送電話をみなつないでしまったわけです。こっちの農協、こっちの農協、八農協みんなつないだ。それをまねて長野市においては十三農協でもって一万二千戸のものをみんなつなぎ合わせようという計画が立っておるわけです。そしたら今度飯山市で十農協で七千戸、中野市で九農協で七千五百戸こういう工合に、今大臣が言われたように第二電電公社が生まれるような勢いで進んでおるわけです。一刻も捨てておくわけにはいかぬと思います。先ほど自治庁が言われたように、新市町村一体性確保のためにというようなことで有線放送を自治庁として新市町村建設の立場から出されたことはいいけれども、その合併した町村の隣が、農協が主体で農林省の補助で農山漁村振興の金を出す。それとそれとで結ばれないで、何で施設拡充なんて言えますか。そんなばかなことが――郵政省だけじゃないのです。政府がほっておくわけにいかないと思うのです。だから、これと電電公社とつなぐ問題、あるいはまた新市町村でやったものと農山漁村振興でやったものとつなぐ問題、あるいはこの村とこっちの村との連絡の問題、今言うようなアナウンサーの養成学校の問題等々、いろいろたくさんある。しかも安かろう早かろうということで農民大衆の要望にこたえて、しんしんことして伸びていってしまっているのですから、これをほうっておくわけにいかないと思う。監督だけしておったのではだめだと思うのです。だからたとえば農村の基本問題をやろうということになったら、農林漁業基本制度調査会法という法律政府は出して今盛んにやっている。地主から何とか解放農地を補償しろと言ったら、何とか解放農地補償調査会というようなものをすぐ作ってやりました。だから私は、今国会の中で郵政省が主体になって有線放送電話対策審議会というようなものをすみやかに設置して、この問題と取っ組まなければならないと思うのです。これは法律として提案をしてそういう組織を作るのがいいかどうか、私はそういうこまかいことは別といたしましても、郵政省、農林省、自治庁、それから関係の諸団体では、今言う電電公社、NHKあるいは農協中央会、それから学識経験者や、特に国会議員等熱心な人もいるでしょうから、そういう人を集めて至急総意を結集して将来をやっていかなければならない、こういうふうに考えるわけです。だから具体的に私はこういうふうに提案しますから、そういうことを審議会なり何なり設けてやろうとする熱意があるかないか、それを御答弁いただきたいと思うのです。検討します、研究しますでは、去年のNHKの料金のことに徴しても間に合わないと思います。大臣の御答弁をわずらわしたい。
  95. 植竹春彦

    植竹国務大臣 民主主義的に行政を運営して参る以上は、御説の通りせざるを得ないと存じております。名前は審議会となりますか、何になりますか、そういうふうな内容の継続的な会合を持ちまして、できるだけ早く結論を出したい、さように考えます。
  96. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは私の提案したようなものが設置されるというように理解いたしまして、質問を終わりたいと思います。
  97. 佐藤洋之助

    佐藤委員長 次会は明十七日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十五分散会