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1960-04-27 第34回国会 衆議院 地方行政委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月二十七日(水曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 纐纈 彌三君    理事 飯塚 定輔君 理事 田中 榮一君    理事 吉田 重延君 理事 加賀田 進君    理事 阪上安太郎君       相川 勝六君    加藤 精三君       亀山 孝一君    高田 富與君       津島 文治君    三田村武夫君       山崎  巖君    太田 一夫君       川村 継義君    佐野 憲治君       大矢 省三君  出席国務大臣         国 務 大 臣 石原幹市郎君  出席政府委員         警察庁長官   柏村 信雄君         警 視 監         (警察庁刑事局         長)      中川 董治君         警 視 監         (警察庁保安局         長)      木村 行藏君         運輸事務官         (自動車局長) 國友 弘康君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁保安局         交通課長)   内海  倫君         通商産業事務官         (重工業局自動         車課長)    佐々木 學君         建設事務官         (道路局次長) 前田 光嘉君         警  視  長         (警視庁交通部         長)      富永 誠美君         専  門  員 圓地與四松君     ————————————— 四月二十六日  遊興飲食税減免に関する請願外一件(高田富與  君紹介)(第二八四四号)  古物営業法の一部改正に関する請願外一件(秋  山利恭紹介)(第二八七五号)  故障車及びそのけん引標示に関する請願阪上  安太郎紹介)(第二九四八号)  地方財政法第十八条の完全実施等に関する請願  (山花秀雄紹介)(第二九九〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路交通法案内閣提出第五八号)(参議院送  付)      ————◇—————
  2. 纐纈彌三

    纐纈委員長代理 これより会議を開きます。  本日は濱地委員長が御病気のため、その指名によりまして私が委員長の職務を代行いたします。  この際お諮りいたします。道路交通法案についての参考人よりの意見聴取は、去る二十二日行なう予定でありましたが、諸般の情勢によりましてこれを延期いたしておりますので、あらためてその日時を五月六日午前十時よりといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 纐纈彌三

    纐纈委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。      ————◇—————
  4. 纐纈彌三

    纐纈委員長代理 道路交通法案を議題とし質疑を継続いたします。田中榮一君。
  5. 田中榮一

    田中(榮)委員 私は、前回地方行政委員会におきまして、交通事故防止に重点を置きまして質問をいたしたのでございますが、本日は道交法審議中心でございますので、道交法に直接または間接に関係いたしました総括的な事項につきまして、警察庁並び運輸省その他関係各省の今後の御方針なり、また今後の運営方法等につきまして種々御質問をいたしたいと思っております。  最初にまず柏村警察庁長官にお伺いしたいと思うのでありますが、前回の私の質問は、いろいろ今後道交法とかそういったものが改正をされ、それに関連しまして法律改正をされるに従いまして、付属法令あるいは政令あるいは府県条例公安委員会規程というようなものが必然的にこれに伴うて改正をされるわけでございますが、その際に、各府県がその県の方針によって区々まちまちな府県条例であるとか、公安委員会規程というものを作られますると、交通というものは御承知の通り全国共通のものが多いのでありまして、その県の、あるいはその地方ほんとうに例外ともいうべき特殊事精のあるところはこれは別でございまするが、大体において交通取り締まりというものは全国共通であらねばならぬと思うのであります。さような意味におきまして、区々まちまちな府県条例であるとか、公安委員会規程というものを作られますると、ひいてはそれがその地方の住民に不当に不利益を及ぼし、あるいは特殊な義務を課するというような不公平なことになり得る可能性が多いのでありますので、この際柏村長官にお伺いしておきたいのは、そうした付属法令特に政令以外の府県等中心になって作成さるべき府県条例に対して、警察庁としてはいかなる方針をとって、これをある程度地ならしをするとか調整をしていくというような方法をおとりになるのであるか、その辺につきまして長官の御方針をまず伺いたいと思います。
  6. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 ただいま田中委員の仰せになりましたように、今回の法律改正に伴いまして、各府県におきまして公安委員会規則であるとか、あるいは条例であるとかいうものの改正ということが当然起こって参るわけでございます。もちろん、原則的に地方自治精神にのっとってそれぞれ府県特殊性を生かすという趣旨はこれを没却すべきではございませんが、ただいまお話しのように、交通問題というものは非常に共通的な要素が多いわけでございますので、各地方実態に即しつつ、なおこれに共通するような面におきまして、できるだけ中央において準則等を用意いたし、基準となるものを定めまして、これに準拠しつつ地方の特殊な事情も加味できるような方法でやっていきたい。従いまして、原則的にはただいま田中委員のお述べになりましたような精神を十分に生かして参るように取り計らって参りたいと考えておる次第であります。
  7. 田中榮一

    田中(榮)委員 大体の御方針は予解したのでありますが、私の申し上げたいと思いますのは、特にいろいろな警察署長許可をいたしたり、あるいはまた地方公安委員会許可をする場合における許可基準でございますが、こうしたものは、さっき私が申し上げました通りに、どの府県におきましても大同小異でありまして、そう大した違いはなかろうと思っております。特に東京のような非常に人口の多いところと、あるいはまた農村地帯との関係とか、そういう点は多少はあると思うのでありますが、都市都市としての一定基準があり、農村農村としての一定基準があるわけでありますので、私の希望としましては、府県条例あるいはまた公安委員会規程をお作りになる場合に、前回内海交通課長が、大体のノルマといいますか、標準規程というような案を作って、それを各府県に持っていってもらう。それを基準にして、そこに特殊事情を加味して、事前十分打ち合わせをした上で作りたいというような御答弁がありましたので、私も大へんいいことじゃないかと考えておりますが、これは事務的に非常に煩瑣であるとは思いますけれども、そこまで一つ、事務的の煩瑣をいとわずに、できれば中央において、地方条例であるとか、公安委員会規程のようなものまで、一つ十分に事前打ち合わせをして、よく御協議を遂げた上で作成されるようにお力を注いでいただければ非常にりっぱなものができるのじゃないか、かように私は考えておりますので、重ねてその点をお願いいたしたいと思います。
  8. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 先ほど申し上げましたように、基準等について十分に案を示し、また地方特殊事情がありますものについては、これは特別に考えなければなりませんが、できるだけ懇切に指導し、よく協議もして、遺憾のないように取り計らうようにいたしたいと思っております。
  9. 田中榮一

    田中(榮)委員 それでは具体的に一つ御質何申し上げます。  まず白タクの問題について國友自動車局長にお伺いいたしたいと思います。実は、私は今第三議員会館事務所を持っておりますが、第三議員会館の前には愛知県、三重県、各府県白タク共済組合の車が列を作りまして上京、陳情に参っております。その陳情内容は、道路運送法改正絶対反対のビラを張っておりますので、大体そういうことだと思いますけれども、その反対内容につきましては私は存じませんけれども、現在共済組合制度によるところの白タク運営というものは、現在運輸省としても許可されておるものであるかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  10. 國友弘康

    國友政府委員 白タクの問題、それから昨年来非常にしょうけつをきわめました共済タクシー問題等に関しましては、運輸省といたしましても、これはもう道路運送法違反であることは解釈上当然のことでございまして、これの取り締まりに関しまして検討を加えました上、警察庁とも、あるいはその他の関係官庁とも連絡をとりまして、実は私の方で、自家用自動車を使用して行なう法律違反取り締まり並びにこれに関するところの道路運送法解釈及び運用について、陸運局長あて依命通達をいたしまして、こういう白タクの問題はこういう点において違法性があるから、取り締まるべきであるという通達を昨年の七月に出しております。その後、私の方でも使用停止処分等をいたし、それから告発もいたしまして、警察当局におきましても取り調べ等もあったわけでございますが、道路運送法反対等のプラカードを掲げておりますのは、この白タク取り締まりに関しまして、私どもとしては、従来の道路運送法取り締まりができたのでございますが、ただ罰金刑等でどうも罰則軽視の傾向も見られまするし、あるいはその取り締まりにおきましてまだちょっと遺憾の点もございますので、今度今国会におきまして、安全の確保と白タクあるいはもぐりトラック取り締まり、この二つの問題をテーマにいたしました道路運送法改正を現在提案しておりまして、運輸委員会審議を受けておる段階でございまして、私どもとしましては、共済タクシーあるいは白タクというようなものにつきましては、今後とも強く取り締まりをしていきたいと考えております。
  11. 田中榮一

    田中(榮)委員 昨年國友自動車局長自身が川崎、横浜まで夜間おいでになりまして、取り締まり第一線に出られて取り締まりをされたということは、私どももまことにその努力に対しまして敬意を払っておるものでございます。現在白タク取り締まりということが、私どもから見ますと、きわめて緩慢のような感じがするのであります。昨日私は仙台から帰りまして、朝六時に上野に着きまして、すぐ新橋に参りまして、そこから自動車に乗ろうとしましたところが、新橋駅頭に十台ほどタクシーが並んでおった。そのうちの半分は白タクであり、半分が普通のタクシーである。それから夜十一時ころ以後に新橋駅頭に参りますると、白タクがはんらんいたしておる。ことにひどいのは蒲田の駅であります。蒲田駅のごときは、白タクがえんえん長蛇の列をなしておりまして、運転手が外へ出まして客引きしておる。あるいは中には三人、四人合い乗りをさせようと白タクがついてくる。ことに白タク運転手には、中には何となく非常に暴力団的な様相を呈しておりまして、私の知った範囲におきましては、ある若い婦人が、神田へと、どこか適当なところから乗ったところが、それが須田町であったために、また神田から須田町に乗っていった。ところが大へん中で憤慨をしまして、方々ぐるぐる回して、結局須田町に連れていって五百円を要求した。そしてその婦人はほうほうの体で逃げ出したということも聞いておるわけなのでありまして、時には婦人に対して車内においていかがわしい行動に出たりなんかするといういわゆる暴力的なタクシー白タクの中にないではないように聞いておるわけでありますが、こうした白タク都内にしかも白昼堂々と営業しておるということは、いかにもその取り締まりの権威、信用というものが失墜したかのような観を呈するわけでありますけれども、われわれ利用者側としましては、ことに雨の日なんかは、円タクがないときにはついやむを得ず白タクに乗ってしまう。乗客の方からいえば、一面においては便利な点もあることはあるのでありますけれども白タクがどうも違法であるということが一般に知られておる際に、しかも白昼堂々と白タクが横行しておるということは、いかにも無法地帯、無警察地帯のような感じがするわけでありますが、一体警視庁におきまして、過去において白タク取り締まりは何回くらいやって、そうしてあげた件数は何件くらいあるのか、それを一つお知らせ願いたい。
  12. 富永誠美

    富永説明員 白タクに関しましては、おおむね二つあると思います。先ほどお話し組織を持った白タク、昨年の例の共済組合によるタクシーでございます。もう一つは、そうでないいわゆる個々的に白ナンバータクシー営業行為をやるというような白タクであります。初めの共済組合タクシーにつきましては、昨年いろいろな取り締まりも実施しまして、結局東京から姿を消しておるわけでございます。残っておる各個人によるタクシー類似営業行為をやっておる現象でございますが、確かにかなりあるわけでございます。場所的にも、いろいろ御指摘のありました蒲田、あるいは大井競馬場、あるいは銀座、新橋、あるいは赤羽とか、大体きまったようなところ、そのほか催し物があれば後楽園、こういうふうなところに集まっておる状況でございます。私どもとしましては、これは輸送秩序関係でございますので、直接は運輸省関係だと思いますが、しかしながら、放任しておればあるいは暴力団との結びつきも出てきましょうし、あるいは今御指摘になりました暴力行為にもなりがちであるというふうな見地から、放任ができなくて臨んでおるのでございますが、今手元に、今まで何回ぐらい取り締まりをして、その結果どうであるかというふうな資料をちょっと持ち合わせませんが、随時一斉取り締まり、たとえば赤羽とかあるいは新橋とか、こういった一斉取り締まりのほかに、一線でも、大井とか、それぞれはっきりしました場合は、検挙いたしておるようであります。ただ実際の取り締まりに当たりましては、一人々々現行犯で逮捕しなければなりませず、またその場合におきまして、お客さんから状況を聞かなければならぬ、お客さんの協力も求めなければならないというので、かなり技術的な苦心を要しております。また過般新橋で一斉にやりましたときには、とたんに車の中に運転手がじっとしておって、そこを動かないというふうな状況、つまり営業形態実態というものを見せないというふうな状態も出ておるわけで、取り締まりの面におきましてもさらに工夫をする必要があるということを痛感いたしておるのでございます。それからまた私どもとしましては、大体この車が常に営業行為をやっておるというリストは用意いたしております。そのリストに基づいてずっと見ておるわけであります。ただいま申し上げました通りに、実際にいよいよやるという場合におきましては、現行犯でやらなければならないという面に苦心を要しておる状況でございます。
  13. 田中榮一

    田中(榮)委員 國友自動車局長から、共済組合タクシータクシー営業というものは違法であるということをはっきりお答え願ったのでありますが、しかも立法府である国会議事党の前に、共済タクシーというマークをつけた車が数十台、国会を現に今取り巻いておるわけであります。われわれはこれを見まして、全く法律秩序も何もないのじゃないかという感じがするわけであります。皆さんこれから国会をお出になりますと、この国会の周辺に、共済タクシーというマークをつけた自動車が数十台並んでいるわけです。おそらく皆さん方もごらんになっていることと思うのですが、国会がなめられているという感じを私は受けるわけなんです。この辺は少し腰を入れてやっていただきたい。今富永君のお話だと、東京都内においては、共済組織白タクシーというものは雲散霧消したようでございますが、これにかわって個人タクシーというものが今町にはんらんしております。今富永交通部長は、一斉取り締まりをしたところが、事前にそれが漏れて、ほとんど全部取り締まりの綱にひっかからなかったというようなお話でしたが、これはお互いにみんないろいろな組織がございますから、警視庁取り締まりをしようといったときには、もうすでにその取り締まりをすることが事前に漏れておって、そういう方法では取り締まりはできないと私は思うのです。もし警視庁ほんとう取り締まりをしようという誠意があるならば、意思があるならば、なぜ警察官が客を装ってどこへでも乗っていかないのですか。それくらいの費用は警視庁にあるはずです。取り締まり警察官婦人警察官一緒になって、白タクに乗って、そしてどこまで行けと言って、そこでもって金を払って、その金を取るならばこれは現行犯です。そこで取り締まりができるはずなんです。ただ形式的に計画を立てて一斉取り締まりをやったところで、そんなことでは白タク取り締まりなんかできるものじゃない。そういう点は警視庁でも少し頭を使ってやってもらいたいと思う。単に形式的な一斉取り締まりをやったところで、私は絶対に網にかかるものじゃないと思います。彼らは非常に緊密な組織を持っておりますので、いち早く警視庁取り締まり情報を流すわけなんですから、そういう点につきましては福永君どうでしょうか、今後そういう方向でやっていただけますか。
  14. 富永誠美

    富永説明員 一斉取り締まりお話が出ましたが、一斉取り締まり情報が漏れてつかまらないという意味ではございません。たとえば新橋取り締まり態勢を整えてやる場合におきまして、初めはいいのですが、だんだん情勢がわかってくるということであるわけで、従って場所を変えたり、あるいは遠方をずっと包囲して、その来る途中に随時車をとめて、お客から聞くという形をとらざるを得ないのでございます。それから取り締まりにつきましては、私の方としてもいろいろ創意工夫を考えてやっておるわけでございます。たとえば今申し上げましたように、かりに遠くの要点々々をずっと押えてやりましても、初めのうちはいいのですが、だんだんわかってくるというようなことで、私どもとしましては、ほっておきますと、先ほど申し上げました暴力的なことになりますし、それから渋谷あたりでは、あすこの暴力団の方から白タク各一台についてショバ代を受け取るというふうなことも出ておりますので、そういった面につきまして重大な関心を持って見ておるわけでございます。
  15. 田中榮一

    田中(榮)委員 取り締まりのこまかいことにつきましては、きわめて経験豊富な皆さんがいらっしゃるから、それを信頼いたしまして、今後十分な取り締まりを徹底して行なっていただきたいというふうに希望いたします。  そこで白タク取り締まり根拠と申しますか、これは自動車旅客運送事業関係で、運輸大臣許可を得ることになっておりますが、無許可で行なうというものの取り締まり行為権限運輸省にあるのだと思いますが、自動車局長それでよろしゅうございますか。
  16. 國友弘康

    國友政府委員 無免許白タク道路運送法の第四条違反で取り締まれるわけでございますが、これに関しましては、もちろん道路運送法運輸省で所管いたしております法律で、第一次的にこれに関する処置をすべき責任運輸省にございますが、この罰則の適用にあたりましては、ただいま運輸省の方で告発等をいたす場合が相当にあるのでございますが、それに基づきまして警察当局取り締まりをしていただく、こういう形になっております。
  17. 田中榮一

    田中(榮)委員 道路運送法の第四条を見ますと、「自動車運送事業を経営しようとする者は、運輸大臣免許を受けなければならない。」とありまして、運輸大臣免許を受けることが条件になっておりますが、この取り締まりにつきましては、陸軍局なり陸運事務所自身で従来おやりになっておったのですか。それとも警視庁——事前警察当局連絡をとって共同でやっておったのであるか。それとも事前警察取り締まりをするときには陸運事務所連絡をとって警察単独でやっておるのでありますか。これは國友自動車局長富永交通部長に、一つ警視庁関係だけについて質問したいと思いますので、ほかの県のこともございますけれども、一応例としまして東京都だけの例をとって質問してみたいと思います。
  18. 國友弘康

    國友政府委員 陸運局並びに陸連事務所独自の立場取り締まりをいたしたこともございます。警視庁の方と御連絡をしていたしたこともございまするし、それから相当大きく警視庁だけで取り締まりをしていただいたこともある。三様の形態がございます。
  19. 富永誠美

    富永説明員 大体同じでありまして、警視庁独自で、警視庁また県の警察署独自でやった場合、それから陸運事務所一緒にやった場合があります。
  20. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで國友自動車局長にお伺いしたいと思いますのは、取り締まりの主たる権限というものはこれは私はあくまでも運輸省にあると思うのであります。警察取り締まりというのは、それに即応して協力的態度取り締まりを実施いたしておるのでありますが、これにつきまして包括的に白タクに関しての取り締まりについて警察庁の方へ何か公文をもって依頼をしておるとかそういう事実があるのでございますか、それとも警察の方としては、そうした公文を受けなくとも当然自己の権限においてやっておるという形でやっておるのか、その辺双方から一つお答えをいただきたいと思います。
  21. 國友弘康

    國友政府委員 お答え申し上げます。道路運送法違反に関しましては、われわれとしては積極的に取り締まってこれをなくしたいということで措置を進めておったわけでございますが、警察庁当局とは何回にもわたりまして御連絡をいたしましたのですが、昨年の七月に道路運送法違反取り締まりにつきまして、運輸省自動車局長から警察庁保安局長あてに、取り締まりに関してこうこうこういう事情によって取り締まりすべきであるから、今後の取り締まりに関して格段の御配慮をわずらわしたいという依頼の書面を出しました。その後も十分緊密な連絡をとりまして処置を進めておる状況でございます。
  22. 木村行藏

    木村(行)政府委員 ただいま自動車局長からお話のあった通りでありますが、その公文書の依頼によりまして、私の方から保安局長名全国警察の方に取り締まり方、あるいは法的解釈に関しまして法務省とも打ち合わせましてその徹底を期しております。
  23. 田中榮一

    田中(榮)委員 そういたしますと、運輸省から公文取り締まり依頼があって、その根拠に基づいて各都道府県警察本部長あて警察庁から通牒を出した。そういたしますと、その根拠によりまして、自後警察関係は独自の立場において、警察署長が必要あると認めたときにはいつ何どきたりとも取り締まりができる、こういう解釈でよろしゅうございますね。
  24. 木村行藏

    木村(行)政府委員 根本的にはいわゆる法律違反でありますので、違法行為に対しては警察独自でやはり捜査したり、あるいは取り締まりもできますけれども、何せやはり運輸行政と直接結びつく問題でありますので、第一次的には、運輸省行政責任において行政処分をすべきときは先行してもらう、あるいは告発するとかいうことをなるべく先行していただいて、その上でなおかつ依頼なりあるいは両方の協議によりまして、取り締まりをさらに徹底していくということであります。しかしまた先ほど申し上げた第一線通達を出しておりますので、場合によっては警察情報により独自にまた取り締まりをするということもあり得ると思います。
  25. 田中榮一

    田中(榮)委員 よく了解したのでありますが、私は陸運局並び警察庁の方で、どうも陸運行政なり取り締まり行政というものがしっくり歯車が合ってないような気がするわけなのです。今木村保安局長なり富永交通部長の御答弁によりますと、あくまで主体は運輸省であるという考え方がやはり根本的にあるわけでありまして、それは当然だと思うのであります。そこで警察独自でやるのは陸運局のお手伝いをしているのだというような感じですが、仕方ないからやるのだというような、私どもはそういうにおいがするのであります。現在国会議事堂を取り巻いている共済タクシーの問題にいたしましても、前回も私は繰り返して申し上げたのですが、取り締まりが瞬間的にぱっといかなかった。そこでずるずるべったりに今日の状態にきてしまった。それで今日共済タクシー地方においてのさばり、それからまた白タクがわがもの顔に横行しておるという現状を呈しておるのではないかと考えておりますが、この辺はいま少し陸運当局と警察当局がしっかり緊密な連絡をとって、いつ何どきたりとも警察署長権限随時随所で取り締まりができるというような、はっきりした取り締まり根拠警察署長、一線の警察官にもはっきり認識させて、その上で確信を持って取り締まりができる、こういうような措置をぜひおとり願いたいと思う。それは、今日このままの状態でおったら、私は一般大衆の要望というものは、タクシーの少ないときには、白タクであろうが、適正なタクシーであろうが、利用者としましてはそういうものを選ばないのでありますから、大衆というものは白タクでもすぐ飛び乗ってしまう。こういうような状況でありますので、もし白タクほんとうに撲滅しようというお気持があるならば、もう少し徹底して本腰を入れて取り締まりをしていただかぬと、絶対に撲滅できぬのじゃないか、私はこういうように考えておるのでありますが、いかがでしょうか。
  26. 木村行藏

    木村(行)政府委員 この問題につきましては、特に運輸省と私たちの方は、ほかの問題についても連絡を密にいたしておりますけれども、この白タクの問題はなかなかむずかしい問題でもありますので、自動車局長と私、あるいは自動車局の部課長と私たちの課長あるいは警視庁などが入りまして、数回にわたっていろいろ綿密な連絡をとりまして、また数回にわたって公文書を第一線に出しております。同時に私たちの方も管区の保安課長を集めましたり、あるいは全国交通課長を集めました際に、特に警視庁は専従班も作りまして相当の苦労をして効果を上げておるような実情もありますので、その苦労談なども全部披瀝しまして、警察独自の気持で、また相当の熱意を持ってやっておりますので、今後もこの法秩序無視の傾向に対しては徹底的に取り締まっていきたいと思います。
  27. 大矢省三

    ○大矢委員 関連。先ほど来聞いておりますと、なかなか厳重に取り締まっておる。これは違法のものは取り締まることは何も差しつかえない。やってもらいたい。しかし、私たち法律審議する場合に、一体そういうようなものはどうしてできたかという原因をもっと究明して、それをなくさなければならぬ。幾ら取り締まったところで、結局違法のものをあげたり罪人を作るということになってしまう。そういうこと以外には結果としてはならない。一体どうしてそういう白タクができるか、ほかのものと違って、りっぱな技術を持っておる。今並んでおるものを見ますと、りっぱな車です。相当金もかかるし、技術もすぐ得られるわけじゃない。でありますから、そういう人たちをして安心して就職ができ、生活の保障ができるようにすることをまず考えなければならぬ。ずっと前から運輸大臣個人の営業を近く許すということは新聞に何回も出ておる。今個人営業を何人許すか、いつ許すか、あるいはああいう人に対して、まじめな人もありましょうから、運輸省の方面、また労働省の方面、警察でもけっこうですが、そういう人を、今現にやっておる営業を独占許可しておる会社に向かって就職をあっせんするとか、何かあの人たちに対する対策をまず第一に考える。どうしてできたか、その原因を除去することなくして、違法だからといって片っ端から取り締まって、罰金を取ったりあるいは処罰したらいいということだけでは——何も私はそれをやっていかぬというのではない。法の秩序を保つためにも、違法は大いに取り締まらなければならぬ。やることは差しつかえないが、そういうことをあわせ考えて、一体個人営業はいつごろ許可して、どのくらいやるのか。実際に技術を持っておる人たちがどのくらい救われるか、あるいはそういう違法をやっておる者も何とかしてそれらに転向させるような努力をなさったかどうか、この点をお尋ねいたします。
  28. 國友弘康

    國友政府委員 先生のおっしゃいますように、原因をよく究明して、白タクをなくす措置を講じなければいけないと思うのであります。これに関しましては、根本的には私はやはり需給の問題だと思うのです。それで需要の方が非常に多い場合には、やはりこういう白タクが発生する原因があると思うのであります。そういう意味におきまして、二千八百両の増車措置というのを昨年の秋に自動車運送協議会の答申を東京では得たのでありますが、これに関しまする申請が非常に多いものでありますから、法人が五百三十四件で、個人が六千三百五十四件申請がございまして、これらの措置に、東京陸運局としては通常十二人ほどの定員のところを五十五名にふやしまして審査をしております。これがまだ現在続いておるという状況でございますが、これも大体五月には審査が完了いたすと思っておりますので、これらに関しまする免許あるいは増車の措置ができるだろうと思っております。個人に関しましては、現在動いておりますのは百七十三両でございますが、これは昨年の十二月に特に早めに適格と思われますものの中から審査しまして、百七十三両の個人営業に関しますものを認めたわけでありますが、これに関しましても、いまだ個人営業についてどれだけの両数が許されるであろうかというような数字についてはきまっておりませんけれども、現在六千三百五十四の個人申請につきまして審査を進めておりますので、この中から相当数の個人営業は出ると思っております。ただこの際に、たとえば白タクを行なっておる者、あるいは共済タクシーに加入しておる者が転向する場合に、どういう措置をするかというような問題に関しましては、実はこれは違法の状態を呈しておるので、私どもとしましては、こういう違法の状態のものをそのまま認めて免許をするとかいうことはどうしてもできないのであります。むしろそれらの人たちは正常な状態に立ち戻って、それから出直してきてもらいたい、こう思っておるわけでございまして、実は東京は非常に申請が多いものですからおくれておりますが、地方都市におきまして、名古屋、福岡、札幌、仙台その他はすでにもう免許増車の措置を終わっております。東京陸運局といたしましても、東京の審査につきまして鋭意努力いたしておりますので、できるだけ早くこの二千八百両の増車措置を完了して、その上、実は私どもとしては二千八百両の増車ではまだ足りないと思っておりますので、東京陸運局自動車運送協議会に諮問をいたしまして、さらに適正な画数の答申を得たいと考えておるのでございます。
  29. 田中榮一

    田中(榮)委員 実は今私も、そのことについて御質問しようかと思ったのでありますが、大矢委員から関連質問がございましたから省略いたします。できるだけ早く、この個人タクシーでありますか、法人タクシーでありますか、そういうものを許可していただいて、大衆の要望にこたえていただくように一つお願いを申し上げたいと思います。
  30. 川村継義

    ○川村委員 ちょっと一言関連して。今認可されております個人タクシーは、われわれが聞いておるところでは大へん営業状態はよいと承っておりますが、特に警察当局交通取り締まりの面から見られて、違反件数であるとか、そういうような面がどういう状態にあるか、わかっておりましたらその点ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  31. 富永誠美

    富永説明員 昨年の十二月に発足しました東京個人タクシーでありますが、全般的に私は非常によくいっておると思っております。事故がたしか二件出ておりますが、いずれも軽い事故でございます。それから違反が少ない。とにかく一般のタクシーよりも慎重でありますし、運転が安全であるということは言えると思います。
  32. 川村継義

    ○川村委員 実は私もいつぞや個人タクシーに乗ったことがありますが、運転者が話しておりました。やはり前に営業会社に勤めておったときに比べると、非常に気分的にも楽だ、それから無理な仕事をしなくて済む、こういうことなどを話しておりまして、大へん気分が明るいということを私も聞きましたので、実はこれはいい方向ではないかと思っております。ただし一つ懸念になりますのは、これは運輸省の方でどういう御指導をなさろうと考えておられるのか、あわせてお聞きするわけですが、ただ単なる個人タクシーそのものでは、たとえば何か大きな事故を不幸にして起こしたというときなど、その責任が負えないというような事態も起こるだろう。私どももその方面はしろうとだからわかりませんが、そういう点などがやはり営業の将来を与えると気になるのですが、そういう点について運輸省あたりは、どういう指導と、将来どういう営業形態が必要であるというふうにお考えになっておられますか、お聞かせおき願いたいと思います。
  33. 國友弘康

    國友政府委員 個人タクシーの指導に関しましては、私どもといたしましても、個人タクシーが健全に十分旅客の要望を満たすような方向に発展していくということを希望して、その方向で指導いたしたいと思っておりますが、現在のところでは、個人タクシーに関しまして免許をいたしますときに、任意保険に加入するように指導しております。これはたとえば、人身事故等の場合に五十万円ぐらいの社会保険はつけておけというような指導をいたしておるのでございますが、将来この個人タクシーに関しまして、やはり何らかの集団的な指導と申しますか、個人々々が勝手にてんでんばらばらにやっておるというようなことでは非常に力が弱いと思いますので、やはり行政方針の浸透という意味から申しまして、あるいは個人タクシーの健全な発達というような意味から申しましても、個人タクシーの営業者同士が集まりまして、一つの団体なり何なりを結成して、お互いに助け合っていくという方向で行くべきだと思いますので、私どもとしても、警察当局と十分に連絡をとって、そういう方向に指導していきたいと思っておるのでございます。
  34. 川村継義

    ○川村委員 大へんけっこうな御意見だと思います。これはやはりあのまま個人々々のばらばらの営業ではなくて、個人タクシーの営業を持った諸君が何名か集まりまして、五十人なら五十人、百名なら百名集まりまして、協同組合組織とでも申しましょうか、やはりそういうような共同体を作って、不慮の場合に備え得る力は持っておくようなことが必要である。そのためには何らかそのような法的措置が必要ではないか、こう考えておりますが、今局長のお話で、一つそういうような御指導をぜひ進めていただきたい。先ほど申し上げましたように、警察行政、道路交通の面から考えますと、事故等も大へん少ないし、個人タクシーを営業しておる諸君は、何といっても車は自分のものでございますし、自分の肉体を中心に考えて働きますから、今まで問題になっておったような、営業会社の力によってつまらない大きなノルマを課せられて働くということがなくて、いわゆる過労運転などの弊害が除去されて参りますから、交通行政、交通事故をなくするという面から非常に大事な方向じゃないかと私は思っております。そこで先ほどお話しのように、二千八百台が今度許可されるということでありますが、その中でも、一つそういう面で個人タクシーの営業については十分配慮なさって、相当数を個人営業の認可に向けていただいて、ただ営業中心のああいう会社にのみ意をとられないで一つやっていただきたい、これを私はあわせて要望しておきたいと思います。
  35. 田中榮一

    田中(榮)委員 交通新報という新聞がございますが、これは業界新聞であると思いますが、三月十八日のこれにこういう記事が載っております。「警視庁東京陸運局に強硬申し入れ先月来都内自動車運送事業所の道路使用並びに駐車違反実態調査をしてきた警視庁は、あまりの放らつぶりに監督官庁は一体この実情を知っているのかと十七日東京陸運局に対し、特に悪質だった路線トラック事業所など七社の報告書も添えて、悪質事業所はすみやかに事業の改善命令、免許取り消しの処分をするよう強硬に申し入れた。この申し入れば七社に限られるものではなく、その他の事業所の行政監督も強化して適当な広さの荷扱い場所や全車収容能力を持たないものはどしどし処分するべきだと言外に東陸局の監督不行き届きをついている。」こういう記事がございまして、ここに写真が載っております。この写真は、多分両国とそれから水光苑の間の川ぶちにこの急行便の車を道路にほうりっぱなしにしてある。こういう状態でございまして、「まさか知らないとは言わせない、警視庁もなかなか強硬、百聞は一見にしかずというところ。」で写真をとっているわけでございますが、こういう事実はあったのでございましょうか。
  36. 富永誠美

    富永説明員 営業用の車は、認可するには当然車庫がなければならないということになっております。現状は御存じの通りこれではいけないというわけで、路線トラックばかりではなしに、修繕工場、それからタクシー会社の目にあまるものを指摘いたしまして警告いたし、同時に陸運局にも申し入れたのは事実でございます。なお路線トラックにつきましては、現在東京に百二十何社あります。これを今一つ一つ実態を調査いたしておりますが、詳細な結果は出ておりませんが、今までわかっております調査を見ましても、そのうちの九割以上は道路上で作業が行なわれておるというふうな状況なりあるいはまた路上に車が置いてあるという状況が言えるのではなかろうかと思っております。  それから今御質問のありました七社につきましては、それはそのうちの目にあまるものでございまして、中には認可当時車庫がありましても、その後車がふえておる、あるいはまた車庫が実際は倉庫になっておるというふうな状況、いろいろな形が出ております。
  37. 田中榮一

    田中(榮)委員 今富永交通部長からお聞きいたしまして、この事実がその通りであることを確認いたしたのでありますが、そこで國友自動車局長にお伺いしたいと思いますが、この新聞の内容が事実かどうか私は存じませんが、一、二の例を申し上げますと、そのうちでも中央区日本橋浜町一の十八、高崎貨物株式会社東京営業所は十五台の車がありながら、車庫の収容能力はわずか七台分、あとの八台は道路にそのまま置きっぱなしになっておる。それからその次には、新潟運輸建設株式会社日本橋支店、中央区日本橋久松町三十七、これは小型車両が八台しか車庫には入らない。残り五台を付近の道路に違法駐車をさせておる。それから新日本運輸株式会社東京営業所、墨田区横綱町一番地、これは車庫の収容能力は十両なのに対して、使用している車両は十四両、四両が付近の道路に置きっぱなしになっている。それから丸三陸送東京営業所、千代田区神田五軒町三十八、これは使用車両六両に対して、東京営業所の収用能力は小型四両で、二両が道路に置きっぱなしになっている。それからそのほか品川タクシー本社営業所、これは車庫をダイハツに使用させているために、十三台分がはみ出して道路に駐車している。こういった例があるわけであります。  そこで、私はここに一つ例をとって申し上げたいと思いますが、この中で丸三陸送東京営業所でございますが、これは現在千代田区神田五軒町三十八番地に営業所がございまして、これはほとんど全部の車が道路に駐車しております。その付近の住民は過去数年間にわたりまして、警察署に対して何とかこれを取り締まってくれということで、警察もこれを取り締まり、また丸三陸送会社に対しても何回か警告を発しておりまするが、その警告を全然無視いたしております。さらにこの丸三陸送会社は、今度は中央区日本橋浜町二丁目に、元倉庫のありましたところを買い入れまして、そこを営業所にいたしまして、営業所の拡張並びに路線延長の許可申請を出しているわけであります、ところが、この浜町二丁目というところは住宅街でありまして、医者であるとか、勤め人であるとか、小さな中小企業であるとか、あるいは事務所がございまして、従来はきわめて静穏なところであったのでありますが、最近二軒ほど住民の知らないうちに急行便の営業所が設置されましたために、その付近は非常に交通上にも支障があり、またいろいろ危険を生じて困っている。そこで今回丸三陸送会社が新たにそこに営業所を設けようとすることになりましたので、浜町二丁目の東西両町会並びに三丁目の町会の住民が決起して、昨年住民大会を開催いたしまして、これに対して住民がこぞって反対をいたしたのでございます。ところが浜町中学校というのが精神薄弱児の特殊教育をいたしておりまして、小児麻痺の子供とか身体の不具者がそこに通学をいたしております。それが大体二百数十名現在通学をいたしております。さような関係でこの中学校の父兄からも、通学児童に危険が生じてはならぬというので、PTAの方々も非常に反対を唱えておるのであります。そこでこれにつきましては地元からも運輸省陳情をいたしまして、どうか許可してくれるな、こういうことを再三嘆願に及んでいるわけでございます。陸運局の考え方といたしましては、施設が整備したならば許可せざるを得ないだろうというような御意向があるやにも私はちょっと漏れ承ったのでございますが、しかし、公共の福祉ということは憲法がこれを擁護しているわけであります。公共の福祉に反せざる限り法令が出て、その範囲内において許可すべきであろうと考えておりますが、かように公共に及ぼす影響がきわめて重大であるということが明々白々の場合において、それを侵してあえてこれを許可するということは私はあり得ないだろうと考えておるわけであります。  そこで私は、神田五軒町において丸三陸送会社がどういう営業ぶりをしているかということを実地に見たいという考えで、ある一日ひまをつぶしまして、五軒町の丸三営業所をつぶさに私個人で視察いたしまして、その付近の住民二十名の方々を一々単独で訪問をいたしまして、それらの方々の意見を聴取し、またすぐそばに学校がございますので、学校の校長先生並びに教頭以下先生方の御意見も聞いてみたのでございますが、まことに営業ぶりは横暴でございます。たとえば学校の前が営業所になっておりますが、その授業中に重い鋼材をずしんずしん道路に投げおろしますので、とうてい子供の教育ができないというので、そこは何か手工の作業場に変えて、教室をほかへ移しております。それからその付近の道路には、私が行ったときにも現に五、六台のトラックが路上に放置されておるような現状でございまして、どうしてこれが取り締まりできないのでしょうかというのが五軒町の住民の方々のほとんど全部の意向でございまして、会社側としては、そういう点からさらにまたこちらの方へ営業所を設けたいという気持であらうかと存じておりまするが、この問題につきまして昨日でありましたか、中央区のある新聞に関係者の談話が出ております。その談話の中に、丸三営業所の重役の話によりますと、せっかく高い金で土地、家屋を買ったのだから、これを損してはならぬから自分たちはやるのだ、こういう考え方であります。自分の会社の事業に利益を得たい、せっかく高い土地を買ったのだから、これを使ってやらなければならないのだという、全く営利主義でやっておりまして、ほとんど住民のことなんかは考えていない。考えていない事実は、すでに私が行ったときに、もう過去数年間住民が何回か陳情しておるけれども、全然改める態度はない。こういうことをはっきり住民の方々が口をそろえて言っておるのでございます。  それからもう一つ、せんだって私のところへこの営業所の重役が二人来ました。何でも田中代議士が反対しているから了解を求めたいというので、私のところへ菓子折を持ってきたのです。私はその菓子を突っ返しました。要するに国会議員であろうが何であろうが、何かものを持っていったならば、それで簡単に了解してくれるのだというその考え方が、私はこの丸三トラックの考え方ではないかと思うのです。許可してしまったならば何でもやっていいのだ、方法がどうであろうが、反対がどうであろうが、そんなことはもう必要はないのだ、自分たちの営業が成り立っていけばいいのだ。こういうような営利至上主義の考え方でこの会社はやっているのだ。おそらく私はほかの会社でもこういう例があるのではないかと思うのでありますが、私はこの許可に対しまして、絶対に反対を申し上げたいと思います。これは私一人ではございません。もしもこの許可が下ったときには、住民は車庫の前に金部寝て、車の下敷きになってもこの営業は阻止する。こういうかたい決意を持っておるわけでございますが、この点につきましては、一つ運輸省側におきましても、住民のこうした強い反対、それから公共に及ぼす影響、こういう点を十分に一つ考えて——道路運送法の第四条でありますか、第六条でありますか、この許可基準によりますと、営業だけの面について基準ができております。たとえば事業が遂行性があるかどうか、それからまたその事業が適切な計画であるかどうか、あるいはその事業の開始が公益上必要であるとかないとか、こういった事業の点に重点を置いて許可基準がきめられておりますが、それ以外にもっとさかのぼって、憲法の規定にさかのぼって、ほんとうにこれが公共の福祉に反しないかどうかという点から、憲法の精神に立ち返って、この許可を当然私は与うべきものではないという強い信念をもって申し上げますが、その点につきまして國友自動車局長のお考えを承りたいと思います。
  38. 國友弘康

    國友政府委員 今先生からお話のございましたように、トラック事業の車庫あるいは営業所等に関しましては免許あるいは事業計画の認可によりまして、設置が認められる場合には、認められるということになっておりますが、具体的なおのおののものに関しましては、ただいま先生のおっしゃいましたような住民の福祉、あるいは交通保安上の見地等もこれは十分検討して、われわれとしては措置をしなければならないのでございまして、今お話のございましたような案件につきましても、それらの点を十分検討した上で措置をいたしたいと考えております。
  39. 田中榮一

    田中(榮)委員 これにつきまして警視庁の方に伺いたいと思いますが、従来急行便の営業所等が設置される場合におきまして、先ほど富永君が、車庫がなくては許可にならぬ、こういうことをおっしゃったのですが、そうではないのです。これは車庫がなくても営業所があれば許可になるのです。これはあなたがまだ御存じないのであって、これは私、運輸省の方とも十分話し合っておるのですが、営業所を許可するときには、その車が十台あれば、十台の車庫を作らなくても、営業所さえあればこれは許可されるのです。そういうことになっておるのです。従ってこれからは、私は今富永君のおっしゃったようなことに従って、かりに五台の車を持って営業するという場合においては、やはり完全に五台を収容する車庫を備えて初めて許可ができる、こういうように一つ改めていただきたい。かように考えておるのでありますが、國友局長どうでございましょうか、今の私の考えは。営業所を有するものは許可してよろしいというのは、営業所というのは庫車でなくて、要するに荷さばきをするところの設備と、それから事務をとる設備があったならば、当然これは許可されるものだというふうに私は承っておったのでございますが、その辺はいかがでしょうか。
  40. 國友弘康

    國友政府委員 事業を免許いたします場合には、営業所と、それから車庫の収容能力等は、これは全部見なければならないのでございまして、私どもとしましては、そういう住民との関係あるいは交通保安上の関係等もございますので、これは地方の陸辻局長にも通達を出しておるのでありますが、「自動車運送事業者又は通運事業者の免許又は事業計画の変更、認可に際しては、自動車の車庫が事業用自動車の総数を収容するに足るものであることを十分に審査すること」というように、その他いろいろな自動車分解整備事業の認証の場合とか、いろいろの点を規定いたしまして通達を出しております。車庫の収容能力が事業用自動車の総数を収容するに足る能力があるものであることを審査した上で免許あるいは認可をするようにというふうな指導をいたしておりますので、従来そういうことではなしに、あるいは自動車の両数だけをどんどんふやしたという傾向があったようにも思いますが、今後特に都内交通が輻湊しておるというような場合には、そのようなことも十分考慮し、さらにトラックの両数等をふやす等の場合には、交通保安上あまり支障のないようなところに持っていくというふうなことの方向へも指導していきたいと考えております。
  41. 田中榮一

    田中(榮)委員 私は神戸、大阪の営業所も現実に見て参ったのでございますが、神戸、大阪の営業所というのは、これは半分は車庫になっておって、半分が荷さばき所になっております。車のしりを突っ込んで、そして車全体が車庫の中に入って荷さばきをする。従ってもしそこに駐車するならば、そのまま置いておけば駐車ができるというふうな設備になっておりまして、現在の大きな運送会社は、たとえば日通であるとかそうしたところは、大体そういうようなふうになっておるのではないかと思うのですが、小さな運送会社は、ほとんど営業所というものは車庫になっておりません。これは神田の丸三陸送を一つごらん願うとわかりますが、これなんかはほとんど車庫になっておりません。車のしりを突っ込むような余地はございません。机と、それからガラス戸が張ってあって、九尺二間の店さえあれば営業所ができるというのが今日の建前になっておりますので、富永君の方において完全に車庫があるというのならば、一ぺん全部の運送会社の車庫をお調べ願いたいと思う。今全部の車を収容し得るような営業所というものは一カ所もない。これは大きな運送会社はございますけれども、中小以下の運送会社というものは、営業所が兼車庫がわりになる。しかもその車庫というものが、営業所に重点を置かれまして、車庫というものはないわけであります。従って夜着いた車は朝までそこに放置されておる、こういう状況になっております。これはあなたの方でもまだ実際に現実をごらんになっていないからそうなので、われわれは現実を全部見ておる。そういう点でわれわれは見た根拠から申し上げるわけであります。もしそういうことならば、一つこれから営業所の、車庫のない運送会社は徹底的に一つ取り締まっていただきたい、よろしゅうございますか。
  42. 富永誠美

    富永説明員 田中委員お話がどうもよくわからないのですが、認可のときには、当然営業所は、もちろんこれは車庫も含めているわけですが、車庫がなければならないと私どもは思っております。認可は陸運局ですね。これは現実がそうであるかどうかわかりませんが、認可の際には営業所は車庫がなければならないというふうに聞いております。ただ現実は、先ほど申しましたように、たとえば車庫が非常に遠方であるにもかかわらず、実際は車はそうじゃないというふうな場合がもちろんあるわけですし、それから今お話しのように、車全部を収容するにふさわしい車庫を持っていないというものも、私どもも調べた結果今わかっております。従って、何か調査されていないというふうなお話がありましたが、私どもは調査をいたしておるわけであります。それで、現在ある車を収容する車庫が全部あるかどうかという点につきまして、私どもは収容するだけの規模の車庫が全部あるとは見ておりません。
  43. 田中榮一

    田中(榮)委員 今、警規庁が調べた調査は私も持っております。きょうは持ってきませんでしたけれども、あなたが調べた調査を持っておる。持った上で申し上げておるのです。あなたがおっしゃるのは、いわゆるデスクの上において全車両を入れる車庫は台帳に載っておるのです。私は万世橋の警察に行って台帳を見せてもらったのです。台帳の上においては全部収容し得る車庫になっておるのです。ところが現地に行ってみると、車庫であるべきところが全部営業所になって、全然入っていないわけです。そこで私は、あなたの方で台帳の上においては車庫になっておりますが、実際行ってみると車庫になってないので、それを十分取り締まっていただきたいということを申し上げておるのです。私の申し上げるのは、単に報告でなくて、私自身が現地に単独で行きまして、現地について調べた上で申し上げておるのですから、根拠があるわけです。どうかそれを含んでお答え願いたい。
  44. 富永誠美

    富永説明員 事業計画での車庫が、先ほど申し上げましたように、実際は倉庫になっておって、本来車が入るべき車庫であるにかかわらず、実際は荷物が入っておるという実態を私ども承知しておるわけであります。従って、一つ一つ全部実態を調べまして、しかも写真も入れまして、認可のときには今申し上げましたように車庫であったけれども、その後お話し通り、車庫がほかに使われておるという場合が相当あります。それからまた先ほどお話がありましたように、その後車がふえておるというのも相当ありますので、それらの実態は私ども調査いたしておるわけでございまして、調査の結果そう申し上げておるのです。
  45. 田中榮一

    田中(榮)委員 國友局長にお伺い申し上げますが、営業所の増設とか、そういう場合において、私の聞くところによりますと、営業所の写真と図面とを添えて申請すれば、陸運局並び陸運事務所からは、現地について事前実態の調査をせずして許可をおろされるということを私は聞いておるのであります。おそらくそういうことはないと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
  46. 國友弘康

    國友政府委員 たとえば事業計画の変更等の場合には、営業所の名称、位置、それから車庫の位置及び収容能力というようなものを提出させるのでありますが、これにつきましては、原則的には現地調査をいたしておりますので、先生もおっしゃいましたようなことはないと思いますけれども、ただ明々白々、非常によく写真でもわかるし、あえて現地調査に行く必要がないというような場合には、あるいは行っておらないかもしれませんが、原則的には聴聞をし、現地調査もするという形にいたしておりますので、問題がありますれば、現実に行って見てやっておるというような状況であります。
  47. 三田村武夫

    ○三田村委員 今の田中委員と政府側との質疑応答を聞いておって、委員会の権威のために一言申し上げておきたいのです。  田中委員は現場について調べたと言われる。われわれはその通りだと思う。委員会としては田中委員の発言を信頼するのでありますが、警視庁交通部長はそういうことはあるであろうというような御答弁でありました。ここで道路交通の秩序を正すための法案の審議をやっている以上、法案の上できれいに審査をいたしましても、今田中委員と当局との質疑応答にあるような事実があるといたしますならば、私は非常に問題だと思う。だから、これは田中委員があれだけ確信を持って言われるのであるから、警視庁は十分現地についてお調べの上、正確な、責任のある御答弁を願いたいのであります。そうしないと、法案の上できれいに審査しても、今後そういうことがあるなら何の意味もなさない、こういうことをおそれます。委員会の権威のために、今田中委員の発言に対する事実は、運輸当局も警察当局も明らかにしていただきたい。これをこの際はっきり申し上げておきます。
  48. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで、自動車局長にお尋ねいたしますが、たとえば事業免許を受けまして、その後に営業所の拡張をするとか、車両数を増加するとかした場合におきまして、車庫の設備とか、あるいはそうしたものについて御審査をなさっていらっしゃるかどうか。それからもう一つ、そういう場合において、過去におきまして調査について警察協力を求めておったかどうか、また今後求めようとなされるかどうか。同時に警察庁の方にお伺いいたしますが、そういう場合において、警察側として運輸省の調査依頼に対して、これに応じて十分協力していただけるであろうかどうか、その辺を伺いたいと思います。
  49. 國友弘康

    國友政府委員 免許を受けましたものが車両数を増加いたします場合には、権限的には都道府県知事が認可をするという形で陸運事務所が審査をいたしております。これにつきましてはそういう状況でありますが、警察に関しましては、交通の輻湊地域におきましては警察当局の方に照会をいたしております。これは話し合いをいたしまして、そういう扱いにいたし、地方にも通達をいたしておりますが、今後これらの点については十分警察当局とも打ち今日わせをして、措置等に関しまして適当な線を出していきたい、こう考えております。
  50. 富永誠美

    富永説明員 先ほどの田中委員、三田村委員からのお話、ちょっと私のお答えが不十分かもわかりませんが、田中先生の言われますように、そういう事実があるということは私もはっきり申し上げておるわけです。田中委員の言われておるようなことがないということは私の方は申し上げてないので、そういう事態があまりに多過ぎるということを申し上げております。ただ、それを取り締まれと今おっしゃいましたが、これは私の方としましては、ただそういう事態があるというので、それはいけないというわけにはいかないことは御存じだと思います。しかし、非常に狭い道路で、今の法律でいえば余地が三・四メートルあるとか、あるいは駐車禁止以外のところでただあるというだけでは、それはいかぬというわけにはいきませんので、私どもとしては、むしろせっかく認可のときに車庫を条件とされておるのですから、そういう車庫に入れてもらいたい。その意味行政処分ですか、それをするならば、それは陸運局でやっていただきたいということを、具体的にその事実を示しまして陸運局に通報をいたしまして、陸運局行政処分でやっていただきたい。もちろん車自体が明らかに駐車の状態が悪ければ、これは私の方で取り締まりますが、必ず車庫に入れろというところまでは指導はできますが、この問題はちょっと違いますので……。
  51. 木村行藏

    木村(行)政府委員 路線を定める自動車運送事業免許の際に、この点につきまして、三十年に運輸次官と警察庁次長両者で覚え書を協定いたしまして、その覚え書に基づきまして第一線でそれぞれ措置いたしておるわけでありますが、その覚え書は、この種の事業免許の申請がありました際に、事前に都道府県公安委員会の意見を御してもらいたい。都道府県公安委員会では、その運送事業の使用する道路その他関係の問題について非常に詳細な実態調査をしまして、交通安全上の考慮から具体的な意見を出しておるわけであります。これについては相当両者密接に連絡をし、また実効を上げておりますけれども、ただ問題は、事業免許の新設の際だけでなく、その後事業の計画が変更されるというような場合においてはこの覚え書が及んでおりませんので、これにつきましては、やはり変更の問題がさらに交通量の実態に影響が大きいので、変更についてもできるだけ意見を徴していただきたいということを依頼して協議を続けておるような状況であります。また、免許を受けた業者がその後事業を変更している、すなわち免許のときの条件に違反しているという事実が出た場合には、その事実を調査して、具体的にはっきりいたした場合は、それぞれの陸運局なり関係の向きには通報いたしまして、適当な行政処分をしていただきたいということはいたしております。
  52. 田中榮一

    田中(榮)委員 しからば、ただいま路線の延長とかあるいは営業所の設置は運輸大臣許可事項になっておりますが、たとえば三トントラックを五トントラックにする、一トントラックをニトントラックにするというような場合には、これは運輸大臣の認可事項でなくして、陸運局長あての届け出か何かでできるというふうに聞いておりますが、そうなっておるのでしょうか、どうですか。
  53. 國友弘康

    國友政府委員 車両の大きさを変更いたします場合等は、やはり事業計画変更でありますので、認可申請を出して陸運事務所長が措置をしておる状況であります。
  54. 田中榮一

    田中(榮)委員 そうしますと、運輸大臣から陸運事務所長に権限の一部を委譲されている、こういうことになっておるのでございますね。
  55. 國友弘康

    國友政府委員 さようでございます。
  56. 田中榮一

    田中(榮)委員 それでよくわかりました。そこで、ただいまの三十年の覚え書協定によりますると、事業免許の際において都道府県公安委員会の意見を徴するということになっておりますが、たとえば事業変更とか、車両の台数を増加するとか、あるいはその型式を変えるというような場合においては、保安局長のお答えによりますと、協定事項の中に入ってないということでございますが、今後これをやはり協定事項の中に入れていただいて、やはり事前に十分警察当局連絡を密にしていただくことがはたしてできるであろうか、その辺を一つ承りたいと思います。
  57. 國友弘康

    國友政府委員 三十年の覚え書よりももっと広い形で、三十五年一月二十一日に陸運局長に対しまして、交通輻湊地域におきまする事業計画変更の場合の公安委員会意見聴取通達していますが、今先生のお話のあったような点につきましては、今後警察当局と十分に話し合いをして意見聴取の線等をきめて参りたいと考えております。
  58. 田中榮一

    田中(榮)委員 それでは三十五年一月二十一日付の覚書を保安局長は御存じですね。
  59. 木村行藏

    木村(行)政府委員 存じております。
  60. 田中榮一

    田中(榮)委員 それならば、せっかくこういう協定が陸運当局から出されているのでありますから、さらに十分細部にわたって折衝して遺憾なきを期せられるようお願いいたしたいと思います。  それからいま一つは、丸三の運送の免許につきまして、陸運局警視庁に意見を徴せられているそうでありますが、そうでありますか。
  61. 富永誠美

    富永説明員 路線トラックにつきましては丸三陸送会社が初めてでございますが、昭和三十四年七月七日に照会がございまして、それから十月二十四日に追加申請が来ております。
  62. 田中榮一

    田中(榮)委員 それに対して警視庁はいかなる回答をなされたか、回答の内容一つお示し願いたいと思います。
  63. 富永誠美

    富永説明員 最初に昭和三十四年七月七日に来ました照会につきましては、一つは路線が非常に交通ひんぱんな、たとえば浜町交差点を通るとか、あるいはまた昭和通りの和泉橋北詰交差点を右折するので困るということを考えた。それから車の許容台数につきましても少し問題があるということでおったところが、そのあとにもう一回追加が来まして、それには路線が私どもが非常に困ると思ったところを避けられておるような状況でございます。それでこれに対しましては、私どもとしましては、例の神田の方が大へんなものですから、いろいろ検討いたしまして、都内における運行時間を交通量の比較的少ない午前八時以前及び午後八時以降というふうにやってくれなければどうしても困る。路線トラック全般につきましては、私どもとして大体昼間は困るという考えを持っておりますので、夜間にやってもらいたい。それから営業所周辺において、路上に駐車させ、また路上において貨物の積みおろしなどをしないこと。第三は、貨物の積みおろし及び排気音、警笛などによる騒音をつとめて抑制すること。以上のような条件を出しまして、神田の営業所周辺が非常にひどいのでやむを得ないのじゃなかろうかというふうな回答を出しております。
  64. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで地元の久松警察署長が調査して、それを交通第一課に提出して交通部長の方に来たと思いますが、久松警察署長がその意見を具申して、住民が絶対反対であるということが書いてあったというのですが、御存じですか。
  65. 富永誠美

    富永説明員 そういう事情は私ども聞いております。それから私どもとしましても、この営業所につきましては調査いたしまして……。
  66. 田中榮一

    田中(榮)委員 私の聞いておりますのは、警察署長から出した調査書に住民が非常な反対をしているという事実が記載されているかどうかということを御質問している。それだけお答えしていただきます。
  67. 富永誠美

    富永説明員 書いてあります。
  68. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで私は交通部長にお伺いしたいのですが、一体、一営業所のために町内の住民が全部反対をしておる。自分たちは路上に身を横たえて車の下敷きになっても死を覚悟して反対をするという強い反対があるという事実があるにかかわらず、そういった単なる事務上の条件だけをつけて運輸省に回答するというのは、少し認識に欠ける点があるのじゃないか、こう私は思うのでありますが、その辺のお考えはどうでございますか。
  69. 富永誠美

    富永説明員 免許されるかどうかは陸運局長の方で運輸省系統でございます。しかし私の方としましては、もっぱら交通保安という見地に限らざるを得ない。そうしますと、今申し上げましたたとえば中学校の通学の問題がありましたが、内容としては夜間の運転ということの条件でだいぶ違うのじゃなかろうかということと、すでにこの付近に、先ほどお話もありましたが、ほかの路線トラックの営業所があるわけでございます。これ自体が一体どういう認可をされたのか。実は私どもも最初にこの問題を照会を受けましたときに、陸運局長に対しまして、路線トラックの免許の照会につきましては初めてでありますので、これはいかなる意味を有するものか、それから今後どうするのか、それからこの付近に今まで認可されたものがあるが、これは一体どういう経過で認可されておるのかというふうなことも文書で出して照会いたしておるような状況でございます。今お話のありました地元の問題は、結局私は免許の主管庁が判断さるべきであると思っております。
  70. 田中榮一

    田中(榮)委員 今富永君が言われました二つの営業所というのは現在あるのです。これは昨年か一昨年に、付近の住民が全然知らぬ間に、しかも警察署長交通の方も知らぬうちに陸運局許可された営業所です。そのために非常に付近の住民は困っておる。その困っておる事実があればこそ、今度の丸三トラック会社の営業所に対しては住民が絶対反対をしておるのです。そこで私は富永君の答弁でよくわかりましたが、住民が、自分たちは生命を賭してでも反対するというものに対して、警視庁はそれでも許可してよろしいのだという意見を出したと解釈してよろしいですね。住民たちが車庫の前にすわってしまって、おれたちのからだをひいてからやれという決死の住民大会を開いておっても、それでもこの営業所を開設してもよろしいのだということを陸運事務所に回答した、こう解釈してよろしゅうございますね。
  71. 富永誠美

    富永説明員 先ほど申し上げましたように、免許されるかされぬかということは、ほんとう意味運輸省の主管だと思います。私どもの方の照会は、たとえば営業所の位置が道路の状況が大型トラックが入るのには都合が悪いとか、それからまた路線が非常に込むようなところを通っては困るとか、それから込むようなところに設けては困るとか、これはバスもそうでありましょうが、そういった場合にやはり限定せざるを得ないのではなかろうか。従ってこういう条件があるならば、私の方としても必ずしもよいとは思いませんが、やむを得ないのじゃなかろうかというふうなことであります。
  72. 田中榮一

    田中(榮)委員 それならば警視庁がもう少し住民に対する親心で——現に一週間ほど前に花柳章太郎が現場でもって衝突しているじゃありませんか。数カ月前には子供がその付近でやはり交通事故で重傷を負っているわけです。そういった非常に交通がひんぱんであり、しかも花柳章太郎までがこの間重傷を負っているその現場なんです。ですから、あなた方の方で回答するときに、住民の反対がある、この点については許可に際して相当考慮すべきであるという一項を入れた方が私はよかったと思う。それは事務的には三カ条入れて、これならよろしいのだということは言えます。しかし、警視庁は現場を扱う役所ですから、従って住民がかように絶対反対であるということぐらいは回答書に一項入れるべきが至当である。それを入れていないのは、あまりにも住民の意向を考えない、いわゆる調査が粗漏であった、こういうふうに私は解釈せざるを得ないのでありますが、その点はいかがでございますか。
  73. 富永誠美

    富永説明員 この路線トラックは初めての問題でございます。バスの照会につきましても、先ほど申し上げましたように、主として交通保安の見地から意見を出しておるだけであって、住民がどうというふうなところまでは私ども出しておりません。従ってそういった点をつけ加えるべきかどうかという点につきましては、いろいろな今まで例がありませんが、少なくとも文書のほかには私の方から申し上げておるわけでございますので、それを条件に入れるかどうかにつきましては十分検討させていただきたいと思います。
  74. 田中榮一

    田中(榮)委員 この問題は幾ら言っても平行線ですから私はこの辺でやめたいと思うのですが、しかし実際問題として付近に精神薄弱児を収容しておる特殊学校があり、しかも事故が相当起こっておる。住民が絶対反対している。住宅地の静ひつを害する。しかも道路も狭い。こういった悪条件があるから、私は単なる事務的な意見だけでなくして、そうしたことも、住民の生活の安定ということも思いやって、今後そういう点についても十分一つお気を使っていただきたいということを要望いたします。この問題については私はここではっきり申しますが、私個人としましては絶対反対であるということの意思表示をいたしまして、この問題についての質問を打ち切りたいと思います。  次にもう一つお伺いいたしたいと思うのであります。これは自動車練習所の問題でございますが、今回の道交法改正によりまして、道交法そのものの改正ではないのでございますが、これに付属しましたいわゆる政令で練習所の大きさの基準をきめることでございます。前回委員会におきまして太田委員なり、また同僚委員からも本問題につきましていろいろ質疑応答が繰り返されたのでございますが、東京都の実情を一ぺんごらんに入れますと、実はけさ学校の関係者の方から私どもの方に陳情書が出ておるのでございますが、その陳情書もまだ十分見ておりませんけれども、現在東京都内におきましては三十三の練習所がありまして、そのうち千坪以下のものが二つと、それから千五百坪以下のものが十幾つかあるそうでございます。そこで東京都内の地価は御存じのように最近におきましては非常に騰貴いたしておりまして、一坪購入するにも数十万円の金が要るという状況でございます。何でも新しい基準に従いますれば、千五百坪内外だということも聞いておりますが、私はこの千五百坪がいいとか悪いとかいうのではなくて、千五百坪は私はけっこうであろうと思うのでありますが、ただ東京都内の練習所の実情だけを十分に勘案していただきたい。この中には、すでに仮免許を交付する資格を持っているものもあるそうでございます。現在練習所のやり方と申しますのは、練習所内において十分基礎的な技術の訓練、学科を授けました上で、現在東京都におきましては仮免許を与えまして、有能なる指導員がそばに同乗いたしまして、補助制動機つきの自動車に乗って路上の運転をいたしております。この路上運転も勝手に自動車練習所がきめているのではなくて、所轄警察署長の方へ申請いたしまして、所轄警察署長の方でこの道路なら差しつかえないというものを認定していただいて、都の公安委員会の方へ具申し、公安委員会の認可も得て路上運転をやっているわけでございますが、およそこの自動車の運転技術というものは、いかに設備の優秀なる学校内におきまして、一万坪の敷地内において練習いたしましても、路上運転は別問題でございまして、これは一つ交通の輻湊したあの雰囲気の中にありまして、臨機応変な処置をとる運転をいたしませんと、非常に交通上に支障を来たし、また事故を起こすもとになるのでありまして、いかに練習所内におきまして長い間優秀なる設備のもとにおいてやりましても、路上運転とはまた別個な問題でございます。そこで東京都内の練習所は、所内において十分に基礎的の技術を訓練し、学科も訓練して、その上で仮免許を与えて路上運転をやっている。こういうわけでありまして、その辺が若干関西の方面とは違うようでありますが、この際私はやはり路上運転というものについて十分にその必要性を認めて、そして単に敷地が広いだけが能ではないのでありまして、現在東京都内におきましては五十坪について一台の自動車を保有して、たとえば千坪ならば二十台、三千坪ならば六十台というような自動車の制限の上において練習を実施いたしておるわけでありますが、この辺につきまして警察庁としての御意見はいかがなものでございましょうか。
  75. 内海倫

    内海説明員 自動車練習所の問題につきましては、今度の法案におきまして新たに考えを打ち出しまして、現行法におきます指定という観念以上に、指定に伴う公安委員会の監督というふうな面も打ち出して規定をいたしたわけであります。その場合に公安委員会の行なう指定をどういうふうに行なうかという点につきましては政令に譲っておるわけでございまして、政令の定める基準に適合したものの中から公安委員会が指定することができるという規定をいたしたわけでございます。しからば、その政令の中においてどういうふうな基準を設定するかということにつきましては、私どもも目下、見に指定しております全国のあらゆる自動車学校の実態を知るために、全国の資料を集めておる状況でありますし、半面またその方面における経験者、また私どもの保有しております研究所、また各一線の運転免許試験場のエキスパート等を集めまして、どれだけの基準を必要とするかという点につきまして十分な検討をいたしたいと考えておるわけであります。従いましてよく言われますように、その敷地が三千坪必要である、あるいは一千坪で十分なのかという問題も、その検討の結果現われるものであろうと考えておりまするし、また広さそのものだけが唯一の基準ではございませんで、そこのいわゆる教授内容、あるいは教授に当たる指導員の資格要件等も十分考えなければならないものでありまして、それらを総観して初めて適確妥当な基準がはじき出せる、こういうふうに私どもは考えております。  なおまた路上運転のことでございますが、この法案におきましても、仮免許を得た者については一定の要件のもとで路上運転をすることができるように規定いたしております。ただ仮免許については、現行法におきましてもその規定はいたしておるわけでございますが、新しい法案のもとにおきましては、仮免許に限らず、運転免許全般につきまして政令をもって一応明確な全国的な基準というものを規定いたしたいと考えております。また、それに伴いまして仮免許につきましてもその要件を明らかにしていきたい、こういうふうに考えておりまするので、そういう仮免許を得た者につきましては、その指定の要作に従って路上運転をすることは、この法案もまた認めておるところであります。ただし、この前のこの委員会におきましても貴重な御意見がありましたように、されば仮免許をもってやたらにどこでも運転していくということになりますと、とりわけこういう交通複雑な都市実態のもとにおきましては非常に危険な点もございますので、私どもの考えとしましては、そういうふうな場合におきましては交通ひんぱんでない場所というように法律は書いておりますけれども、さらに公安委員会で路上運転をなすべき道路等を指定いたしまして、一方においては、初めての運転者が路上における経験を持つとともに、他方において、そのこと自体が一般交通の妨害になり、あるいは危険の原因になるというふうなことのない対策を兼ね合わせて実施していく必要があろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
  76. 田中榮一

    田中(榮)委員 まさに交通課長のおっしゃる通りだと考えております。私もしろうとでわかりませんが、しろうとの路上運転は非常に危険だという感情をわれわれ持っておったわけでございますが、だんだん話を聞いておりますと、路上運転にはしっかりした指導員がつき、また特殊制動装置を持った自動車でやっておるということで、過去におきまして路上運転で事故というものはほとんど起こった例がないということも実は聞いておりまして、まあ一つ路上運転をさせる上においては十分に注意を与えてやっていただくということが必要であろうと考えております。  そこで現在東京都内におきましてかりに無免許運転の取り締まりをなさった場合において、おそらく私は一時間以内に百件くらいの無免許運転の違反がひっかかってくるのではないかと思うのですが、この無免許運転をできるだけ解消させるためには、もよりの練習所で十分に練習をさせる必要がある。そこで現在実業に従事している者、あるいは中小企業の徒弟、店員あるいは従業員等が、必要上技術を訓練するためにもよりの学校に行く、練習所に行く。それが八王子とか立川なんかに中央区の者が行けないわけなんです。みんな仕事を持っている男ばっかりでありますから、往復三時間も時間を費やして練習に通うということは非常に困難なために、そこでもよりの練習所に通って練習をする。もよりとなりますと、どうしても都心に近いところに練習所がなくてはならぬ。そこで都心に近いところへ練習所を設けようとするためには、地価が坪五十万円以上するところを購入せねばならぬ。地価が高ければ、どうしても三千坪の土地を入手するということは現実の問題として不可能だと私は考えております。そこで今度千五百坪という線が一応出されたようでありますが、私は千五百坪でけっこうだ、それでいいと思いますが、ただやはり大阪は大阪、いろいろ事情がございますので、三千坪以上なくてはならぬ、これも私はけっこうだと思います。その土地の状況によりまして、大きさとかあるいは坪数なんというものはそれぞれ特殊事情によって割り出していただいた方がいいんじゃないかと考えております。  それからなお同時に、これまで千五百坪以下において仮免の指定を受けた練習所というものがあるわけでありますが、千五百坪以上になったために、今まで獲得しておりました既得権と申しますか、一応相当な投下資本で設備等も改善して今日までやっておった学校を、この政令によってその指定が無効になったりいたしますと、今までの学校、練習所の努力というものが全く水泡に帰するわけでございますので、こうした面につきましては何か適当な経過規定によりまして、この恩典を解消させないような方途を一つ講じていただけないだろうか、こういう点について一応お伺いしたいと思います。
  77. 内海倫

    内海説明員 御質問にお答えします前に、もう一度先ほどの答弁を補足いたしておきたいと思いますが、先ほど申しましたように、指定の基準につきましては目下検討をいたしておりまするので、具体的に坪数が何ぼであるというふうな結論にいまだ到達いたしておりませんので、それがどのような坪数になるのかということにつきましては、十分検討した後の答えとして出したいと思います。  それから路上運転につきましては、これも先ほど申しましたが、この法案も路上運転のあることを規定いたしておりますが、しかし反面路上運転の非常な危険性、あるいはそれが交通に及ぼしております大きな技量未熟のゆえの妨害というものも否定できないところでございますので、路上運転をなし得るための仮免許の出し方につきまして、まずこの法案は新たな観点から措置をとりたいと考えております。それから、路上運転をいたします場合におきましても、少なくともそういう仮免許を持った者が運転しても、他の交通の上に危険を与え、あるいは妨害になるようなことのないように、交通ひんぱんでない、しかもそれを公安委員会がさらに指定する道路に限るような形態をとらざるを得ないと私どもは考えております。  最後に御質問の点でございますが、現在の道路交通取締法に基づいて各都道府県公安委員会が指定いたしておりますものが、新しい法案に基づく政令基準に適合しないことによって指定ができなくなるということにつきまして、私どもは、そういうことで指定がなくなることは大へん気の毒だとは考えますけれども、本来この法案が考えようといたしておりますものは、現在の交通実態及びより適正な運転免許の資格者を養成していく学校であることに着目いたしまして、少なくとも必要な要件を基準として政令で設定しようとするわけでありますので、この基準に適合しないものであるならば、遺憾ながら適合しない限りにおきましては当然指定の対象に取り上げることはできない。従いまして、それは新たな法律に基づく新たな指定であるという法律上の解釈を私どもはとっておるわけであります。従いまして、各都道府県公安委員会が現に指定いたしております学校についての措置につきましては、もしそれを都道府県公安委員会が、新たな法律のもとにおいてもぜひとも指定いたしたいと考えるのであれば、その指定基準に適合するような指導をしていくことが、この新しい法律に基づいて都道府県公安委員会に当然課せられておる、現に指定しておる自動車学校に対する親切であり、かつまた責任ではなかろうかと考えております。
  78. 田中榮一

    田中(榮)委員 新たな基準に準拠するように指導するということでございますが、現実に東京都内において拡張すべき土地を獲得することが非常に困難な状態なんですね。たとえば千坪のところをあと五百坪ふやすには大へんなことで、おそらく私はこれは物理的に不可能ではないかと考えておるわけであります。そこで現実に今まで小さな千坪くらいの練習所において練習をして、それがりっぱに運転免許をとって、しかもりっぱに運転者として運転をしておるのでありますから、そうした過去の実績というものを一つ考えて、かりに千坪のところでも、現に指定を受けておるものについては、この指定はそのまま何とか経過規定によって生かしていっていただく、こういう道をやはり考えていただくことは、私はあたたかい行政ではないかと考えておるわけでございますが、現在まで運転者養成のために努力した練習所の功績に免じて、この点は一つ十分御考慮を願いたいと考えております。  だいぶ時間が移りましたので、最後に私は石原公安委員長一つお伺いしたいと思います。実は前回委員会におきまして門司委員から、車両の大きさにつきまして、たとえばずうたいの大きなバスが狭い道路を運行するということから質問をされまして、バスの大きさの基準について通産省の意見を聞き、道路の構造の上から建設省の、取り締まりの面から警察の、また陸運行政の面から運輸省の意見を聞かれたのでありますが、この四者の意見が、私の聞いておる範囲におきましては、ほとんど連絡がとれてないという感じがいたすのであります。運輸省運輸省方針に従い、通産省は通産省の方針に従って、どしどし大きな車体を許可しておる、生産を許可しておるという状況であります。そこで、現在内閣に交通事故防止対策本部というのがありますが、これは単なる交通事故対策だけにとどまる問題でございますので、去る三月二十六日の参議院の予算第三分科会におきまして、社会党のある委員から非常に重要な質問がございまして、それに対しまして楢橋運輸大臣が、今後関係省対策機関を置くことにしたいとお約束になったのであります。これは、単に内閣にある交通事故防止対策本部というような狭い範囲を目的とした機関でなくして、もっとハイ・クラスの、たとえば大臣クラスとかあるいは次官クラスの大きな一つの対策機関を設けまして、今後いろいろな問題が起きてくるのじゃないかと思いますが、そうした重要な問題を一つお取り上げになって、そうして陸運行政並びに交通取り締まり関係、そういうものをミックスした大きな対策機関を設けたいというような楢橋大臣の御構想のようでございますが、石原国務大臣はこれに対してどういうお考えをお持ちでございましょうか。もし何かお考えがあるならば一つこの際お聞かせ願えればありがたいと思います。
  79. 石原幹市郎

    ○石原国務大臣 私もただいま田中委員がいろいろ言われました考え方については全く同じ感じを持っておるものでございます。この問題につきましては、この道路交通法案が参議院において審議されておりました際にも、参議院の地方行政委員会におきまして、御承知だろうと思いまするが附帯決議がつけられたのでございます。その第一番目に、「交通関係行政の連絡調整を強化し総合的施策の策定推進を図るため内閣に法的根拠に基く強力な審議機関を設置すること。」こういう一項目がつけられているのであります。ことに参議院の地方行政委員会における意向は、単なる審議機関でなくて、強力な権能を持った機関にしたらどうかという意見まで出ておるのでございます。私もこの決議の趣旨を体しまして、今後、ただいま内閣にあります交通事故防止対策本部というようなものを改組強化するというか、そういう方向に進めていってみたい、かように思っておるのであります。  なお、先ほど私この委員会に入りましたときにちようど論議せられておられたようでありますが、狭い道路に大きなバスが運行しておるという問題は、私も実は通行者、被害者の一人としてたびたび感じておった問題でございまして、これは通産省なり建設省の関係のある問題もあると思いまするけれども、まず第一は運輸省——陸運行政交通警察関係の緊密な連絡であろうと思います。路線が新たに認可されるときには、公安委員会の意見を聴取するとか、連絡をとることになっておりますが、その後の車両の増加であるとかあるいは車体の変更であるとかいうことの連絡が現在のところではないということになっております。この問題は、私も運輸省に強く要望を申し入れておる一項目でございまして、ただいまのところでは、運輸省においても、道路運送法ですか、現在の改正案には載っておりませんけれども、あらためて近い機会に法的にやはり公安委員会の意見を徴してやっていこう、こういう意見が陸運局でも固まっているように私も拝承しておるのでございまして、さしあたっては陸運と交通警察と緊密に連絡して、交通警察の意見を十分取り入れて、車両の増加なり大きさなりをきめていく、こういうふうにしたいと考えております。
  80. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいま石原大臣からいろいろ御意見を承りまして、私も非常に喜んでおる次第でございます。どうか一つ交通の問題は直接人命にも関する問題でございますので、当委員会におきまして、従来委員会の各委員、社会党、民社党、自由民主党から申し上げている委員の意見というものは、いずれもほとんど共通したものでございまして、こうした問題につきまして、私はほとんど政党的な差別もなく、各委員が同様に憂慮をいたしまして意見を申し述べているような次第でございますので、どうか一つ先般門司委員から質問がありましたようなことも考え合わせまして、内閣に強力なる一つ法律根拠に基づくような、参議院の御決定のような線で連絡審議機関を設けていただいて、今後の起こるべき問題をその機関において随時解決できるような有力なる機関を設置していただくことを最後にお願い申し上げて、今後各省の連絡を一そう密にせられまして、交通上の支障につきまして支障のないように、また交通の安全を保持できるようにぜひお願いを申し上げたいと思うのでございます。なおいろいろこまかい点につきましては、いずれまた小委員会の席上におきましていろいろ御質問申し上げたいと思いますが、時間の関係もございますので、私の質問はこれをもって終わることにいたします。
  81. 纐纈彌三

  82. 川村継義

    ○川村委員 この際、田中委員がいろいろ質疑なさいました点について関連して一つ二つお尋ねいたしておきたいと思います。交通部長に初めにお尋ねいたしますが、東京都内等で車が駐車しておりますが、路上放置というのですか、あの車が五万台以上あると聞いているのですけれども、大体どれくらい道にそのまま放置されておりますか、見当がついておりましたらちょっとお知らせ願いたい。
  83. 富永誠美

    富永説明員 最近の調査によりまして、道路を車庫がわりに駐車しておるという自動車の駐車の数は五万七千百八十九台でございます。それは昨年に調査いたしました結果と比べますると三割五分くらいふえておりますが、これは何しろ車の絶対数がふえておりますので、そういう状況が見られるわけでございます。しかしながらいわゆる登録台数と申しますか、自動車の全体の台数に比較しますると、昨年が約二〇・五%が車庫がわりに使っておりましたが、ことしの二月ころの調査でございますと一六、六%で、比率は少しは減っておるようでございます。車全体に対しての車庫がわりに置いてある車の比率はそういうふうになっておるわけでございます。それから法令上当然車庫がなければならないという事業用自動車につきましても、各車の車種別で申し上げますと、三輪車が一七・二%、それから四輪貨物が一四・五%、四輪乗用車八%、これは当然車庫がなければならないにもかかわらず、こういったものが道路の上に置いてあるというふうな状況でございます。
  84. 川村継義

    ○川村委員 ただいまお話し通りに、五万七千台以上の車が車庫がわりに道を使っておる。まことに驚くほかはないと思うのですが、しかしそれも台数からすると一六・六%程度だ。これは昨年のパーセントよりも下回っておるようでありますけれども、何といたしましてもこれは大へんなことだと思います。聞くところによると、営業用の車をあずかっておるものは百四十社くらいあるということですが、その中の大半、百二十社以上が車庫を持たないで、やはりそういうような道に盛んに車を置いて仕事をしておる、こういうことなども聞いております。なお、先ほどだんだんお話のありましたように、車庫をあわせて認可しておるということでありますけれども、その車庫は何里という郊外の地にただ認可されておって、実際には部内でそのまま仕事をしておる。こういうふうにしてやっておるのが非常に多いということをわれわれ聞いております。おそらくこういうこまかなことについても、実態は当局はよくお調べになっておると思いますが、こういうようなことを考えると、やはり今日の交通の混雑あるいは交通事故の激増というようなものは、こういう点から解消していくところの何か適切な方途がないならば非常に困難である、こう考えざるを得ません。今回、道路交通法案が非常な研究の結果提案されております。その中にいわゆる駐車の問題等も非常に研究の跡が法案に出てきておるわけでありますけれども、私たちといたしまして、この法案がかりに実施されることになっても、今のようなこの状態をそのまま放置しておいては、これはおそらく有名無実の形になりはしないか。逆に言うならば、罰を食う者はどんどんふえていくが、決して交通の緩和、円滑、安全というものは期せられる状態にならない、こう突き詰めて考えざるを得ないのであります。こういう点は、やはり運輸省あたりでは、今までのようなお考えではなくてに、交通の円滑、安全というような点から、一つ十分本気になって考えていただきたいとわれわれは切望しております。ただいまも田中委員から総合的な機関を設置する必要があるということを強調されております。参議院の段階におきましても、その点については各方面から意見が出ております。先ほどからお話のありますように、路線トラックの問題にいたしましても、あるいはバスの問題にいたしましても、そういうような運輸行政あるいは陸運行政等の不始末というものが大きな原因をなしておる。あるいは建設関係の道路そのものの問題からも、こういうような今日の交通の混雑あるいは交通事故の激増、そういう状態が出てきておると思いますので、こういう点に大きなメスを関係当局が加えていただいて、そうしてこの法案ができても、この法案がほんとうの目的が達せられる状態を作っていただかなければ、ただ法案だけ作っても、罪人を作るだけでは困る、このようにわれわれは考えております。  そこで第一にお尋ねすることは駐車場の問題でございますが、先日現地を見せていただきまして、あちこちに有料駐車場ができておる。または建設当局の御努力によって、大学の敷地等を駐車場に貸与してもらって、この混雑を緩和して下さっている措置もとっておって大へんわれわれは意を強うしたわけでありますけれども、何しろこの東京都内のものすごい車の中に、あれくらいの駐車場では、これはまだほど遠いであろうと思います。そこで皆さんの方ではいろいろ実態も御存じでございましょうが、実に奇異に感ずることがあるのです。たとえば一つの例を申し上げますと、東京駅の乗車口に、あれは国鉄の経営だと思いますが、駐車場が作ってあります。聞くところによると、たしか三十分だかそこに駐車しておれば五十円ですか、料金を払ってくれということになっておるらしい。その辺のところは私よく知りませんけれども、あそこには駐車場がある。駐車場におりますところの諸君は、一たん駐車場に入って駐車しておる。ところが時計を見ながら、大体二十分ごろになったら出て行くのです。そういうケースが非常に多い。二十分くらいになったらみな出ていって、十分間か十五分間町のまん中をそのままぐるぐる回って、そうして迎える人等を東京駅なら駅のその辺にまた行って待っておる。駐車している何分間かはある点で混雑緩和に役立っておるかもしれませんが、あと料金を払わなければならぬ時間が大体迫ってくると、十五分間くらい町のまん中を走って、そしてまたもとのところに帰ってくる。こういう状態、五十円が惜しいといえばそれまでなんですが、こういうことを何とかやめさせなければ、やはり交通の混雑の緩和ということはできないし、むだなことじゃないかとわれわれは思っておるのです。自家用を持っている人たちの考え方にもよりますけれども、こういう点については何か規制を考える手はないものかと私思っております。これが第一点です。  それから今の問題でございますが、いつかの実例で、二十三分くらい過ぎますと運転者が出ていった。そしてあそこの駐車場の番をしているおじさんが笑って、まだ時間は五、六分あるけれども料金を払って下さいよ、一つも料金が入らぬので赤字ばかりなんだと運転手に言っているような状況を聞きましたが、それが今私が申し上げたような実態を具体的に現わしておる状態ですね。こういう点についてやはり何か——これは警察当局の措置ではいけない面もあると思いますけれども、考えなければならぬのじゃないか。この前東京駅の前にできました有料の非常にすばらしい駐車場を見せていただいたのです。大へんけっこうなりっぱな駐車場ができました。ところが実際ずっと見てみますと、一階はほとんど使った形跡がないんですね。私たちは、もうあの駐車場ができたので、一階も二階も一ぱい車が入っているんじゃないか、こう思ったんだけれども、一階などはほとんど使った形跡がないんですね。せっかくああいうりっぱな駐車場ができても、今の東京駅の前の駐車場が、路上における駐車場と同じようにああいう駐車場ができても、これを使用しないということになると、どうも心細いような気がするし、御存じの通りにそういう影響だと思いますけれども東京駅からあの小さいロータリーを踏み切って皇居の広場の方に来るあの側面には、従来はあまり駐車の形がなかったのですが、今日地下のりっぱな駐車場ができたら、あの電車通りから皇居の広場の両側に毎日一ぱい駐車している。あれは多分逃げてきてあそこに駐車するようになったと思うのです。そこでああいう問題については少しきびしいかもしれませんけれども、やはり何か駐車禁止区域等を検討願って、できるだけ駐車場に入って駐車するという方法を講じてもらう必要があるんじゃないか。自家用を持っているような人たちに、駐車料金くらいを惜しむような人はないと思うのですから、私はそういう措置が必要じゃないかと考えておりますが、この点について一つ長官あたりから、何か御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
  85. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 駐車場につきましては、例の駐車場法が最近できまして、これに基づいていろいろ措置されておるわけでございます。まだ発足日なお浅いためにいろいろ運営上不備な点もあるのではないかと思います。こういう新たな事態に対処して十分に検討を進めて参らなければならぬと思うのでありますが、ただいまお話しの具体的な問題につきましては、警視庁交通部長が見えておりますので、交通部長の方から実情並びに対策等についてお話し申し上げさせたいと思います。
  86. 富永誠美

    富永説明員 第一の東京駅の前の駐車場は、これは多分東京駅の方の敷地内で東京駅の方でやっておられるのだと私は思っております。多分三十分までは無料で、三十分から料金を取っておると聞いております。ただお話しのように、その直前になりまして、金を払うのが惜しいので市内を回ってまた入ってくるのを規制する方法はないかと申されても、これはちょっと手の打ちようがないと思うわけであります。それはほかの問題でも、たとえば路上のパーキングでも、十五分十円というので、時間が来るからのいてまた入ってくるのを、そこまで押える手はないと思うわけであります。  それから第二の丸ノ内の地下駐車場に関連をしまして、あそこの皇居の方へ参りますロータリーの先のグリーン、ベルトの両側に車が逃げておるじゃないかというのは、まさにその通りでございます。それで地下駐車場ができましたときに、これに関連をしまして、たとえば皇居前のホテル・テイトの前、今こわしておりますが、あるいは労働省の前、それから大手町の鉄鋼会館ですか、あそこあたりは駐車禁止はしていなかったのですが、ここらあたりを最近駐車禁止をいたしたわけですが、あそこの例のロータリーの近くのグリーン・ベルトがあまりにも地下駐車場に近いのと、いきなり機を逸せずしてあそこを駐車禁止するのもいかがなものと思いまして、あそこだけのけてあるのでございます。しかしいずれにしましても早晩あそこは駐車禁止をせざるを得ないようにも考えるわけでございます。決してこれは地下駐車場にみな車を入れて、地下駐車場の経営をよくしようという意味ではなくて、交通上の見地からあそこだけを除くというわけにもちょっといきませんので、早晩は駐車禁止をせざるを得ないのじゃないかと思いますし、私どもは全般的に申しますと、できるだけ道路外に駐車場の施設をうんと作っていただきたいということを思っておるわけでございます。  それからまた御質問もありましたように、私の方としては、そんなことも言っておられませんので、できるだけ空地を確保して、警察庁あるいは安全協会が責任を持つからというので、簡易な駐車場を都内至るところに今作っておるような状態でございますが、本来は地下駐車場あるいは駐車のビルディング、こういうものをうんと作っていただきたいと思うわけでございます。今の道路上のパーキングも、決してあれは理想的な姿ではない。いずれは道路外に行っていただきたいと私どもも切望しておる現状でございます。
  87. 川村継義

    ○川村委員 お話しのように、やはり大へんむずかしい問題だということはわれわれも感ずるわけですけれども東京駅のあの駐車場のごときは、何か当局と話をなさって無料というようなことにはいかぬだろうか、こういう感じもするわけです。これはいろいろありましょうけれども、そういうふうにしてわざわざ時間が切迫したから町の混雑する中を車で走り回って、また迎えに来るなんてばかげた行為じゃないかと思うのです。こういう点も一つ検討していただきたいと思うのです。むずかしいことではあると思います。しかし、交通を円滑にする、安全にする、危険をなくするということになれば、やはりある点で思い切った措置をしていかなければならぬ。長官がお見えになっておりますが、今の駐車場の問題で、これは私、まるきりしろうとでわかりませんけれども、省線のガード下なんかを駐車場に利用したら大へん有効じゃないかと思ってみるのですが、そんなことを考えられて当局と話をなさったことはございませんか。
  88. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 非常によいお知恵だと思うのですが、今までそういう知恵も出ずに、相談いたしておりませんが、たとえば今回高速道路等ができますが、そういう際によく当局とも連絡して、駐車施設というようなものを拡充して参ったらいいんじゃないか。先ほど東京駅の問題のお話がございましたが、元来ならば、やはり最初とまったら金を取る、何分までは幾ら、その次それを超過したらまたすぐに取るということにすれば、これは今お話しのように、逃げてぐるぐる回ってまた来るということはないわけだと思いますが、あそこは元来国鉄の用地で、サービス的に無料にすべきだ、しかしあまり無料にしておると車庫がわりになるので、やむを得ずある時間以上のものは取るという建前のようでございますが、まあ交通全体から考えますと、今申しましたように最初から取ってしまえば、川村先生の御心配のような点はなくなるのではないかと思いますが、これは国鉄の方でよく研究してもらうことにいたしたいと思います。
  89. 川村継義

    ○川村委員 とにかく駐車場の問題は、関係当局とよく一つ検討されまして、今より、より以上にりっぱなものができるように研究していただきたいと思います。東京都内交通の混雑を緩和するのはこれが唯一の手ではないかと私は考えるのです。そこで今思いつきみたいなことを言いましたけれども、省線のガード下なんかのところは、これはやはり利用されるところが多いと思っております。ただあのまま何かわからぬようなものに貸して、しかもいつも汚職のにおいがするなんて、鉄道当局を攻撃の矢面にさらす必要もないと思うのです。この前有楽町ですか、あそこに高速道路ができた。われわれは下の方かなんかはおそらく駐車場等に使うだろう、こうしろうと考えで見ておったら、そうではなくて、飲んだり食ったりするような店ばかり詰め込んでしまった。駐車場は高速道路の上の方にちょこっとひっつけておる。一体何をやっているのか、実は見て腹が立ったのです。ああいう点についても、私は、やはり行政上の貧困があると言わざるを得ないのです。こういう点は一つ大いに早急に検討してもらおう。  なお、東京駅を出て参りまして、いわゆる皇居のあれがあるわけです。大手門ですか、宮内庁のあの一角、あの辺は少し開放して、駐車場あたりに使用するような手を打たれたらどうですかね。これはこういうことを言うと、非常に大きな問題だといわれますけれども東京都民あるいは国民のそういうような交通の安全とかいろいろなものを達成するには、これは思い切った措置をやってもらわなければ、土地は少ないところですから、宮内庁のあの一角あたりを広げて、中に入っていかないように区切りでもして、そして駐車場に使用させる、こういうような思い切った措置が必要じゃないかと思いますが、これについての返答はどうかと思うのですが、一つこういう点について何か新しい構想がありましたら聞かしておいてくれませんか。現状で、いろいろ駐車場を作ってくれ、あるいはどこどこの敷地があったらそれを一つ駐車場にあけてくれぬか、そういうことだけでお考えになっておるのか、そういう点何かありましたらお聞かせいただきたい。
  90. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 今さしあたって具体的にどういう知恵というものもございませんが、われわれとしても、ただいまお話しのような御趣旨に沿うべく十分に検討して参りたいと思いまするし、また本委員会等において各委員さん方から御意見のございました点も十分に参考として、今後こうした問題について強力に関係当局とも連絡をとって推進をして参りたいというふうに考えております。
  91. 川村継義

    ○川村委員 われわれ住民の経済活動から考えて見ますと、自動車というものは非常に大事な交通機関でありますし、その自動車を台数を増加するのをやめろとか、あるいはどうこうしろ、これは非常に大きな問題でございまして、住民の生活や経済活動を圧迫するようなことがあってはならぬと思いますけれども、何といたしましても、やはり東京都内等の状況を見ると、自動車の駐車というようなことが——路上駐車、路上放置、あえて言うならそう言われるような状態が交通の混雑を来たし、交通事故の激増を来たすまた大きな一因になっておる。これはスピード違反等に劣らない大きな原因であろうと思いますので、こういう点については一つ積極的な思い切った施策を講ぜられるように、先ほど田中委員もおっしゃたっような総合調整と申しますか、そういう機関ができたら、そこで一つぜひやってもらうということをお考え願いたいと存じます。
  92. 纐纈彌三

    纐纈委員長代理 では本日の議事はこの程度にとどめます。次会は公報によってお知らせいたします。  なお最初申し上げましたように、五月六日の午前十時から、本案につきまして参考人より意見を聴取することとなっておりますので、委員諸君の多数の御出席をお願い申し上げまして、これにて散会いたします。     午後一時七分散会