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佐野委員 どうもおかしいと思うのは、四月に発足するその前年の暮れから大きく不均衡の問題が取り上げられて、各
地方団体においても紛糾を巻き起こしておるということであるのに、四月に
調査会が発足して、十一月の二十七日に至って、明年度予算も編成しようというときに至って、これほどの大きな問題を出してくるというところに誠意がないのじゃないかと思うのです。四月に発足すれば、直ちにこの問題は、不均衡是正のために三十五年度から実施さるべきものである、そういう
意味からも早くやるべきものを、何でこんな十一月二十七日にかけたのか。これはでき得ないことはわかっておって一
調査会にかけておるのでしょう。あなた方の資料を提出されたのも二十七日ころでしょう。はなはだ熱意がないじゃないか。見送るのが当然だと予期して
調査会にかけておるのではないかというふうに誠意を疑いたくなるわけです。
そこで皆さんの出されました資料を見て参りましても、国体では第二をやっているのが町村で八〇%、第一が一四%、人口では逆に第二が四〇%、第一が四八%、こういうことになっているし、また内容を見て参りましても、これはやはり富裕
団体が第一、貧弱
団体が第二ということは明らかだろうと思う。ですから、これはやはり大胆に第一方式に統一すべきではないか。いわゆる貧弱
団体における住民負担を軽減すべきではないか、こう
考えているわけです。そのよって起こってくる財源その他における問題は別の角度から解決していけばいいのではないか。そうしなければ――もちろんこれは言われるように産業構造なりあるいは財政状況なりいろいろあるでしょう。あるいは地方自治の本旨にのっとってと、こういう
工合に言われるかもしれませんが、貧乏な国の中に五つの方式を示して、これに対する自由選択権があるから地方自治だなんていうこと
自体がおかしいのではないか。先般
国会図書館の立法考査局から私どもに配られた資料を見て参りますと、現存の地方税と
世界のものと比較しながら批判したのですが、どうもおかしいのではないか。
日本の地方祝を見ていると、大衆課税と人頭税をもってやられている。国税でさえも現在のところ個人
給与が三十三万円、事業所得が二十七万円です。戦前では
昭和十年が六十三万円くらいですか、こういうような統計を出しながら――国ですらも現在税金の重さを軽減しようとしている。ところが地方税を見て参ると、その国が負担能力がないとして減税しようとする層から人頭税的にあるいはまた応益税説を採用して、零細な税金をかき集めているのは、どうもおかしい。応益税、地方分任
精神というものは、こういうものをごまかすためにわざと強調されているのではないかというふうに疑いたくなる。こういうことを私どもは真剣に
考えなければならぬと思うのです。そういう
意味からも、一体住民税は第二方式、第一方式のどちらかで統一するしかないと思いますが、これは現在の国民の租税の限界というものを
考えてみても、第一方式に統一されるのが当然ではないか。こういうふうに
考えられるのと、もう
一つは、それに
関連するけれども、町村合併の結果として部落協議会というものが非常に多くできてきている。あるいは町内会――これは経費の節減だということで町村合併のいい
意味のあることも認めますけれども、その一面に部落協議会なり、町内会なりあるいは自治会なりというものが非常に強化されて参っておりますが、これは何ら行政指導もなされていない。そうして町の下請
機関になっている。こういう末端行政組織が
一つ生まれて参っている。ここに大きく公費として税金で取るべきものがいろいろな負担として出てきている。そういうものを見て参りますと、ほとんど貧乏人に重くなっている。私も二、三回って見ましたが、寄付金の七、三が、七は世帯主、三は所得割。貧弱な
団体には銭がない、ないからこれを部落協議会なりあるいは自治会なりにおろしていく。自治会はまた貧乏人に税金をかぶせていく。こういうやり方が行なわれているわけです。ですからそういう
意味から
考えて参りましても、いわゆる地方税の持っておるところの人頭税的な、大衆課税的な性格というものは早く払拭されなければいかぬと思うのです。それこそあなたの言われるように、三年後においては税制
調査会において税の配分というものをやってもらわなければ困りますが、当面する地方間における不均衡、これは地方自治不信の念をかき立てておると思うのです。そういう
意味からも住民税の課税方式の統一というものは急がなければならぬと思いますが、そういう点について非常に遺憾だと思うのです。ですからもう見送ることにしてしまって、十一月の末に
調査会にかけておるという
態度は非常に遺憾だ。こういう点を指摘するにとどめまして、これらの点に対することは、時間もありませんので、私は所見程度にとどめておきたいと思うのです。
次に第三番目に後進地域の国庫負担金、補助金の引き上げの問題についてお伺いいたしたいと思うのです。実は
自治庁長官から本
委員会において申されておるのは、いろいろの案があり、いろいろな
考え方があって一致を見なかった、しかし予算的には明年度から間に合うので一生懸命にやっておる、何とか
成案を得たいのだ、こういう
工合に述べておられたと思うのです。ところが
予算委員会における
質疑を見て参りますと、大蔵
大臣はこういうことを言っておられる。後進地域に対する負担金、補助金の引き上げは当然現在
地方団体間内において財政調整すべきである、貧弱
団体あり、富裕
団体あり、ですから富裕
団体の分を削って貧弱
団体の方に持ってくる。これは方式、やり方によって非常に困難だけれども、これならできるのだ、本
国会でできると確信を持っておる。こういう
工合に大蔵
大臣は述べておるわけです。そこで
自治庁長官が本
委員会において述べておられたのは一体どういう
意味において述べておられたのか。私はもちろん、先ほども問題になりましたように、あるいは交付税なり、たばこ消費税なり、こういうのを引き上げるということにおいて後進地域の行政水準を引き上げる、あるいはまた公共事業に対するところの特例を
準備することによって後進地域を引き上げる、こういう面において具体的にどういう方法をとるかという点に
自治庁内において、あるいは
政府部内において
意見の一致をいまだ見ないので
提案にならなかったのだ、こういう
工合に
解釈しておったのですけれども、大蔵
大臣の答弁を見ておりますと、何だか違っているような感じがいたしますが、これはどうなんですか。