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川村委員 先ほど政務次官から御
答弁いただきましたが、結局水産業に限らず、すべての事業について、
融資を受ける要件というやつは
一つよく整えてもらいたい。水産業に見られるように、私が
指摘いたしましたような状態では、これは満足するわけにはいかないと思いまして、どんな不正が行なわれるかわからない、そういう点を心配いたしますので、この点はぜひ御
努力願いたいと思うのです。
そのほかたくさん問題はありますが、たとえば電力の問題にいたしましても、皆さん方の復興
計画の中には
相当電力の
計画があります。無灯村をなくしようというような考えでやっておられます。ところが御
承知でございましょうが、大島電力という、これは九電の系統でありますが、これが今まで三億六千六百万円の
融資を受けて電源開発をやっている。しかもそのときは二千五百キロワットの出力を
計画しておりますけれ
ども、現在は三百か四百の出力しか出していない。しかもこれは
自治庁や何かは知っておられると思いますが、この発電機は長崎にあった中古を持って行って据えておるのですよ。だからして力が出ない。そういうことを簡単にやられたのでは、いかに
融資をたくさん出して電気事業の開発をやろうとしても、これは結局水のあわになってくるということが考えられるわけです。しかも今日大島で起こっている問題は、今まで十ワットの電灯をつけておったのを、それをやめさして、今度は二十ワットに最低を切り上げるということが出て参りました。御
承知でございましょう。そうすると、御
承知の
通り、
奄美大島の住民の中には、われわれが想像以上に零細な生活をしている人が多い。ほんの十ワットの電灯
一つで暮らしていく、月にいたしまして百円くらいになりましょうか、そういう安い電灯料で生活をしている人たちがおる。それを二十ワットにして二百円も三百円も電気料を出さなければならぬということになりますと、これは
奄美大島のそういう零細な、ほんとうに生活に困っておる人たちの生活からいうと問題です。そういうことをこの電気会社がやろうとしておるわけでしょう。これは御存じなければ十分調査して、この電気会社等に対して適切なる行政
措置をとってもらわなければならないと私は思います。初めに
計画されたところの出力を出さないでおいて、しかも中古の発電機を持って行って出力の悪い電機を据えつけておいて、そうして今言ったような電灯の灯数を切り上げるというようなことをやらせてはならないと私は思うわけです。こういう点は、皆さん御存じでありましょうけれ
ども、
一つ問題として
指摘しておきたいと思います。
そこで水産業のことを考えても、
先ほどの黒糖のことを考えましても、今やはり
奄美大島で問題になっているのは、私こまかに申し上げませんが、生活保護の問題、失業対策の問題が大きな問題として浮かび上がっておる。失業対策の問題は、何も
奄美大島に限ったことではなくて、全国的な問題として、これは
政府の施策の結果こういう問題が出てくるわけでありますけれ
ども、
奄美大島は特にそれが大きな問題であります。特に
奄美大島の中のいわゆる名瀬市、当局も御
承知の
通りに、名瀬市の財政は今非常に窮迫しております。その窮迫してきている大きな問題は、名瀬市が非常に大きく生活保護をかかえ込んでいるということにも原因があるようであります。結局公共事業とかそのほかの
復興事業に伴って、失業者が出る、生活保護を受けなければならぬ世帯が多くなる、非常に皮肉な現象だと私は思うのです。それも
先ほど申しましたようにサトウキビ栽培あるいは黒糖生産等に従事しておってもなかなかうまく生活がやっていけないというので道路を作ったり、港を築いたりする仕事に従事しておる。ところがそういう公共事業等の仕事が終わると、
あとは一体何すればいいかということで、失業者がふえていくというような結果になるのではなかろうかと思うわけですから、これはやはり生活保護の問題あるいは失業対策の問題は、
奄美復興事業の重要な一環として将来十分検討をしてもらわなければならない問題だと私は思っております。
政務次官もたびたびお聞きになっておると思うのですが、名瀬市からは、今日の名瀬市の窮迫した財政
状況についておそらく皆さん方にいろいろと交渉がなされておると思います。今、申しましたように名瀬市の財政の窮迫しておる事情にはいろいろあると思いますけれ
ども、その
一つには生活保護世帯をたくさん抱え込んでおる。しかも名瀬市の何百という生活保護世帯のうちのほとんど半分は、よその村から名瀬市に流れ込んできておるところの人たちで占めておる。というのは、
先ほどからるる申しますように、ほかで仕事をしておったがだめになった。名瀬市に行けばいいかもしれない、仕事があるかもしれないというような
考え方で名瀬市に集まって来る。そういうのが今日名瀬市の市財政を非常に苦しいものにしておる
一つの原因だと思います。そこでそういう点を
一つ十分に考慮していただきまして、この後
奄美の復興を進めていただく
一つの問題としては、そのような失業対策の問題であるとか、あるいは生活が苦しくて転落していく人たちをどうして救済していくかというところにも、これは港湾等の設備とあわせて、それ以上にもっと重要視して復興
計画を進めてもらう。そういうところに
一つの重点を置いて考えてもらうことが必要ではないかと思います。こういう点について当局が十分なる調査と復興
計画についての勘案をしてもらうことを実は要望しておきたいと思うのです。こまかなことについていろいろありますけれ
ども、特にそういう点は
自治庁におきましても十分勘案してもらいたいと思うのです。そこで今日名瀬市でも何か財政が苦しくなったから県の方から再建
計画を立てろ、そのかわりに市の職員をどれだけやめさせろ、こういうようなことを言ってきておると聞いておりますが、それは本筋ではないと思うのです。そういうことで再建
計画だけの何かポイントにするということは、私は間違っておると思います。そういう点は
自治庁が県に対して十分指導もしてもらいたいし、職員を大量にやめさせることによって再建
計画を樹立するということでなくて、もっとほかに名瀬市の市財政の健全化のために、いや
奄美全体の復興
計画のために、再度立案をしてもらうということが必要じゃないかと思っております。
大
へん時間もたちましたので、いろいろこまかい問題もありますけれ
ども、また同僚諸君からも追って
質問があると思いますので、私は一応この辺で
質問を終わりたいと思いますが、十分御勘案を願っておきたいと思います。でなければ、ただ
基金に八千万円出したからこれでよかろうなんていうことにはなりません。
幾らそういうように金を出したって、一方でむだな金が費消されたりなどしますと、何にもならないことになりますので、全体的な立場に立って、総合的な立場に立って、十分お考え下さるように再度要望いたしまして、
質問を終わりたいと思います。