○村田
説明員 黒糖の価格安定のための何らかの
措置をとるべきではないかという御指摘の点、これはごもっともなのでございまして、実はこの点につきましては、鹿児島県当局においてもそうでございますが、農林省のこれに携わっている者といたしましても、実際苦慮いたしておるのでございます。実はお言葉を返すわけではございませんが、たまたまそういう黒糖について多年悩みを持っておったのでございますが、ただいま御指摘の
通り、本
年度からは関税の大幅
引き上げ、国内消費税の引き下げ、こういった一連の関税並びに消費税に対します改革
措置によりまして、沖縄、西南諸島におきましても、従来のように黒糖にしがみついておる必要がなくなってきて、分みつ糖の生産に十分移行ができ、またその生産で採算がとれるという見込みがつきましたことは、ただいま
保岡委員も御指摘の
通りでありまして、われわれも御同慶にたえないのであります。しかしながら、これも本
年度からのことでございまして、完全に黒糖が分みつ糖に移行いたしますのには、やはり相当の期間を要する問題でございまして、その過渡期間におきましては、ただいま御指摘のような問題がやはり依然として残るのであろうと思います。が、どうも黒糖につきましては、ただいま北海道のテンサイ糖を例に御指摘がございましたような、これをたとえば
政府が買い上げるというふうなことは、保管、管理その他の技術士の面でとうてい不可能でございまして、やはり
方向といたしましては、分みつ糖に今後どんどん切りかえていくという方が策のよろしいものではなかろうかと
考えておるのであります。しかしながら、分みつ糖に将来切りかわった場合におきましても、先ほど来御指摘のように原料サトウキビの販売価格等についてまだ多少の不安が残るというふうなことで、むしろ
保岡委員の御指摘の意味は、北海道におけるビートと同じような特別の価格支持
制度、あるいは製品の
政府買上
制度のようなことまで
考えたらどうかというふうな御意見であろうかと存じますけれ
ども、御
承知の
通り分みつ糖につきましては、国内で大宝のものが今日生産をされておるわけでございますが、これらについての買上
措置ということは
考えておりませんし、また分みつ糖そのものの価格安定ということになりますれば、やはりこれは当然西南諸島の分みつ糖のみならず、日本国全体の甘味資源
対策といたしまして、国内におきます
一般の精製糖はもちろんのことでございますが、特に先ほど政務次官から御指摘のありましたような、日本の国内で甘味資源の自給をはかって参ろうとしておりますテンサイ糖並びに西南諸島のカンショ糖あるいは結晶ブドウ糖、こういったものについて価格の不安を来たさないように、一定の価格水準でこれらの国内で生産いたします糖価が安定をして参るというふうな
措置をとって参る必要があるのであろうと思います。またそういった
措置がとられますならば、その反射的な効果といたしまして、西南諸局におきます黒糖にいたしましても、あるいは分みつ糖にいたしましても、価格の安定が維持できるということになるのではないかと思いまして、私
どもはその点につきましては十分の配慮をいたしておるわけでございます。一例を申し上げますと、先ほど御指摘のような関税の
制度、あるいは消費税の
制度もその一環でございますし、また今日輸入粗糖につきましても為替管理の
制度をとっておりまして、これらにつきまして、国内の価格の
状況を
勘案いたしながら、輸入数量についても適当な調節
措置を講じて参りたいというふうなこともその一環であろうかと
考えられる次第でありまして、それらについても、ただいま御指摘の点は十分に私
どもは御意味がわかるのでございまして、御期待に沿えるようなそうした面からの
措置をはかって参りたいと
考えております。