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春日小委員 それでは、
物品税の
基本的な
理念というものを、今の
局長の
答弁に対して、明らかにしていかなければならぬと存ずるのであります。
私は、今までずっと、いろいろな
法律の
関係において、よく条理を尽くしてあなたに述べておっても、あなたの心の中には何もしみていないようです。これは、私は適当でないと思う。やはりあなたが聞くのでなければ、実際の話が
わが国において聞く人はいないのです。大蔵大臣にはわかりゃせぬ。そうして、また、こういう大きな問題は堀君たちでは何ともしようがない。それだから、私の言うたことの中で
一つでも道理にかなったりあるいは
法律の
法意に適切な意見があるならば、やはりあなたがこれを聞いて、なるほどなあと思って胸をたたかなければいかぬと思う。堀君や泉君の言ったことをあなたは棒のみにしてしまって、何でもかんでもそういうふうに言わなければならぬようでは、これは
国会と
政府とのこういう議案審査、国政調査の
意味を持たない。効果を持たない。カワズの頭に小便みたいなもので、何を言っても頭をぐるぐるっと振って知らぬ顔をしておったのでは何にもならない。そういうことでは、私どもの苦心の勉強というものは
意味をなさぬ。
国会の権威というものは保てない。これでは大蔵官僚独善という形になってくる。だから、ここで申し上げておくが、
物品税の
理念というものは、私への
答弁にはっきりと
政府が示しておるように、これは
同一物品同一税負担が
原則なんです。だから、
取引形態、
販売方法等の
差異によって
税負担が異なってくるということがあってはならない。この鉄則をあなたがまず腹に入れて、そうしていかに対処すべきかということを判断されてくれば、問題というものはずっと解決されてくる。そういうふうに判断してくれば、第二種
物品の
物品税は、今あなたが
答弁されたように
庫出税であるから、その
課税価格は製造場から移出する、その時点における
価格、すなわちその時点における
価格というものは何ぞや。製造原価プラス製造マージン、これ以外の何ものでもない。さればこそ、未
納税移出とか、特に未
納税移出の場合ですね。用途免税をされたりあるいは輸出免税をされておるが、後日その所有したる物件を卸売マージンやいろいろなマージンを加えて他に転売したるときに
納税の義務を発するのであるが、その場合における
課税価格というものは今申し上げたような
価格であって、
販売された実際の
価格ではないというようなことも、的確な解明にはならぬけれども、そこから抽出するところのニュアンスは、これが
一つの
抽象価格であって、その
抽象価格とはいついかなる場合においても製造卸プラス製造マージンということであって、一律であるべきだ。そうして、この
物品税というものは、
製造者に課せられる課税ではなくして、
消費者の消費行為に課せられる課税であるから、その行為に対しては、
国民の
負担の平等の
原則の上に立って、これは
同一であることが望ましい。
法律の前に
国民は喜平等であるという
一つの法理か、またそこに重なってくるんですね。あなたの方は
税法だけしか知らぬかもしれぬけれども、私の方は武芸百般に通じておる。(笑声)すべての
法律を
関係させて判断してくると、こういうことになってくる。いいですか。Aの店から買ったものは五万円払って、Bの店から買ったものは十万円、これに対する消費税を払うということは、第二種
物品税法の
法意に反するものである。そういう行政
執行はなすべきではない。そういう
意味であるからこそ、これは
抽象価格であるが、
販売形態、
取引形態、
企業体のいかんを問わず、そこから発生するところの
抽象価格というものは
同一である、こういうことになっているんです。
従いまして、この
課税価格というものは、直接卸売
業者に
販売する場合、それから
営業所を設けて
販売する場合、
特販機関を通じて
販売する場合、また直接小売
業者に対して
販売する場合においてすら、これは
同一でなければならぬ。それは
物品税法の
法意なんですよ。そうでなければ、課税上不
均衡が生じてくるし、今申し上げたようにほんとうに公平の
原則を欠いてきて、あなたの方の
答弁と正面相対立する結果になってくる。従いまして、
営業所を設けて
販売する場合には、
営業所を設けないで直ちに
販売する場合に比べて、
営業所としての
経費が実在するのであるから、やはりそういうものを見てやらなければ、
営業形態というものがそこでマイナスを生じてくる。同じ
価格で
販売しようと思えば、それだけの費用というものが圧縮されてくる。製造マージンの中に食い込んでくる。あるいは製造コストの中に食い込んでくる。それは自由にして公正なる
経済活動というものを侵犯する形になる。さればこそこういう
制度を八年前にわれわれは作った。まだあなた方は子供だったかもしらぬが、そういうふうでわれわれの苦心の存するところを皆さん方がよく認めなければならぬ。
先般来堀君たちが、この
同一物件について、たとえば小売
価格百円の
物品を東京本社で五十円、同じく大阪
営業所で五十円、こういう
価格で
販売しておる場合には、これは
製造業者が大阪と東京とでそれぞれ割安、割高、こういうことで
販売しておるのであって、これは要するに
販売業者の
営業政策上のものであって、
取引計算上一本
価格としてプール
計算をしておるまでのことであって、その点はあなた方が関与すべき性質のものではない。すなわち、大阪
営業所経費を
控除することによって、不当に
物品税を軽減するような結果には決してならぬ。割高、割安に売っておる。しかし、本社の経理において、これはプール
計算をしておるのであるから、
営業所経費を
控除することによって、
物品税が軽減されるとかなんとかいうことには絶対に立ち至らぬ。この点は明確な問題であろうと思うのであります。だから、そういうような考え方からいうと、私は今までまず
税法の
企業に対する
中立性、
庫出税の本質、
物品税の
理念、こういうようなものから
経済憲章の
規定に対するいろいろな問題、こういうものをずっと論じてきてこれはよく判断をしてもらうならば、私が断じて不当な論述をなしておるのではない。今あなた方が、行政当局、事務当局を通じて、
業者に、こういう
制度をやめるから、しかし片一方においてこういうフェーバーを与えるから、これで納得しろというようなことをされておりますけれども、これは
越権行為である。そういうような徴税の
権限を持っておるところの者が、課税されるところの弱い者に向かって、こういう特権は剥奪をするが、そのかわりこういう特別のことを考えてやるからこうしておけと言うようなことは、少なくとも
立憲法治国において許されることではない。これは専制君主国、封建時代のやり方である。こんなことが許されると思いますか。
そういう
意味において、私は、
営業所経費控除というものを断じて撤廃すべからず、もしもあなた方がこれをやるならば、今までそういうような
法律違反の
執行をしておった者は行政上の責任をとるべきである、そういうわけです。少なくとも
租税法定主義のもとにおいては、そこに疑義があるとするならば
——私は疑義が絶無ではないと思う。疑義があるとするならば、
法律を出しなさい。そうして、こういう疑義を解消するために、
法律の
規定によって問題の解決をはかるべきである。
行政措置、
一片の
通達をもってかくのごときことを断ずべきではない。この点を強く強調いたしまして、きょうの
質問は終わります。